【解決手段】駐輪システム100は、自転車収容装置30を有する駐輪装置1と、駐輪装置1に対して通信可能に接続された駐輪管理サーバ7と、を備え、駐輪装置1は、自転車収容装置30への入庫を検知したことに応じて自転車収容装置30を施錠して、自転車収容装置30を特定する装置IDと鍵データとを駐輪管理サーバ7に送信し、駐輪管理サーバ7は、受信した装置IDに対応付けて受信した鍵データを記憶し、携帯端末4から装置IDを含む鍵要求データを受信すると、装置IDに対応付けられた鍵データを含む開錠指示データを携帯端末4に送信し、駐輪装置1は、携帯端末4から開錠指示データを受信すると、駐輪装置1に記憶された鍵データと開錠指示データの鍵データとを照合し、照合ができた場合に自転車収容装置30を開錠する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、これは、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
(第1実施形態)
〔駐輪システム100の全体構成〕
図1は、第1実施形態に係る駐輪システム100の全体構成図である。
図2は、第1実施形態に係る駐輪システム100を利用した駐輪スペースPSの例を示す図である。
図3は、第1実施形態に係る自転車収容装置30の例を示す図である。
【0022】
駐輪システム100は、例えば、駅前やショッピングセンタ、店舗前のちょっとした空きスペース等の各駐輪スペースPS(
図2参照)に設けられた自転車収容装置30(収容部)(
図3参照)を用いたシステムである。駐輪システム100は、自転車収容装置30に自転車を入庫した場合の施錠管理及び駐輪料金の徴収を、簡易な装置を用いて行うものである。また、駐輪システム100では、自転車を駐輪したユーザの携帯端末4を利用して、自転車収容装置30の開錠を行うものである。
【0023】
図1に示す駐輪システム100は、駐輪装置1(1−A1,1−A2,・・・、1−B1,1−B2,・・・)と、携帯端末4と、ゲートウェイ6(6−A,6−B,・・・)と、駐輪管理サーバ7とを備える。以下の説明において、各駐輪装置1−A1,1−A2,・・・、1−B1,1−B2,・・・を特定しない場合には、単に駐輪装置1という。また、他の装置においても同様に、1つの装置を特定しない場合には、枝番(−A,−B等)を省略する。
【0024】
駐輪装置1と、ゲートウェイ6とは、駐輪スペースPS(PS−A,PS−B,・・・)に設けられている。そして、駐輪装置1とゲートウェイ6との間は、データ通信網N1によりデータ通信が可能になっている。データ通信網N1は、例えば、LPWA(Low Power Wide Area)等の少ない消費電力で広いエリアをカバーする無線通信の通信ネットワークであり、例えば、LoRaWANは、その一例である。
なお、簡単に設置ができ、低電力で実現できるという点において、データ通信網N1は、消費電力が少ないLoRaWANを用いるものが適している。しかし、データ通信網N1は、これに限定するものではなく、その他の無線通信方式によるデータ通信を行うものであってもよいし、有線通信であってもよい。
【0025】
また、ゲートウェイ6と駐輪管理サーバ7との間、及び、携帯端末4と駐輪管理サーバ7との間は、データ通信網N2によってデータ通信が可能になっている。データ通信網N2は、例えば、インターネット回線等である。なお、データ通信網N2は、これに限定するものではなく、その他の通信回線を用いてもよいし、有線通信であるか無線通信であるかを問わない。
さらに、駐輪装置1と携帯端末4との間は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信によって、データ通信が可能になっている。
【0026】
図2に示す駐輪スペースPSは、4台の自転車の駐輪が可能になっている。この例では、自転車Cが駐輪装置1−A2に駐輪した状態になっており、駐輪装置1−A1,1−A3及び1−A4は、空きになっている。また、各駐輪装置1には、駐輪装置1を特定可能な番号等が、例えば、駐輪装置1の側面等のユーザが視認可能な位置に記載されている。
図2に示す駐輪スペースPSの例では、駐輪装置1−A1には、No.1と記載され、駐輪装置1−A2には、No.2と記載されている等である。
【0027】
〔駐輪装置1〕
駐輪装置1は、1台の自転車を収容する自転車収容装置30を含み、自転車収容装置30に対する施錠及び開錠等を行う装置である。
駐輪装置1は、駐輪管理サーバ7に対してデータを送信する際、ゲートウェイ6を介して行う。駐輪装置1は、例えば、LoRaWANに対応したデバイスである。
【0028】
図4に示すように、駐輪装置1は、制御部10と、記憶部20と、データ通信IF(インタフェース)29と、自転車収容装置30とを備える。
制御部10は、駐輪装置1の全体を制御するCPU(中央処理装置)である。制御部10は、記憶部20に記憶されているプログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、各種機能を実行する。
制御部10は、検知部11(検知手段)と、施錠部12(施錠手段)と、鍵生成処理部13(鍵生成手段、装置記憶手段)と、データ送信部14(データ送信手段)と、指示受信部15(指示受信手段)と、照合部16(照合手段)と、開錠部17(開錠手段)と、鍵消去部18(消去手段)と、ステータス処理部19(ステータス送信手段)とを備える。
【0029】
検知部11は、駐輪装置1に有する自転車収容装置30への収容有無を検知する。
まず、検知部11は、自転車収容装置30に自転車が収容されることで、入庫を検知する。より具体的には、検知部11は、
図3に示すように、自転車収容装置30に設けられたセンサ部31が収容された自転車Cを検知することによって、センサ部31から送出された信号によって、自転車Cの入庫を検知する。
また、検知部11は、自転車収容装置30に入庫されている自転車が引き出されることで、出庫を検知する。より具体的には、
図3に示すように、検知部11は、センサ部31が自転車Cを検知しなくなったことによりセンサ部31から送出された信号によって、自転車Cの出庫を検知する。
【0030】
施錠部12は、検知部11が自転車の入庫を検知したことに応じて、自転車収容装置30を施錠する。より具体的には、施錠部12は、
図3に示すように、自転車収容装置30に設けられた鍵ロック機構32(施開錠部材)を施錠するように制御する。施錠部12は、検知部11が自転車Cの入庫を検知したと同時に施錠してもよいし、検知部11が自転車Cの入庫を検知してから、例えば、3分等の時間経過後等に施錠してもよい。
また、施錠部12は、後述する開錠部17により自転車収容装置30を開錠した後、所定時間内(例えば、5分以内)に検知部11が自転車収容装置30の自転車に対する出庫を検知しなかった場合に、自転車収容装置30を施錠する。
【0031】
鍵生成処理部13は、施錠部12により自転車収容装置30を施錠したことに応じて、自転車収容装置30を開錠するための鍵データを生成する。その際、鍵生成処理部13は、例えば、所定のアルゴリズムに基づいて、生成の都度異なる鍵データを生成する。そして、鍵生成処理部13は、生成された鍵データを、後述する鍵格納部23(装置記憶部)に記憶する。
データ送信部14は、鍵生成処理部13により生成された鍵データと、自転車収容装置30を特定する装置ID(部材識別情報)とを含む管理データを、駐輪管理サーバ7に送信する。
【0032】
指示受信部15は、携帯端末4から開錠指示データを受信する。ここで、開錠指示データは、鍵データを含む。
照合部16は、指示受信部15により受信した開錠指示データと、鍵格納部23に記憶された鍵データとを照合し、鍵データが一致しているか否かを確認する。
開錠部17は、照合部16による照合ができた場合に、自転車収容装置30を開錠する。より具体的には、開錠部17は、自転車収容装置30に設けられた鍵ロック機構32(
図3参照)を開錠するように制御する。
鍵消去部18は、開錠部17により自転車収容装置30を開錠した後、検知部11が自転車の出庫を検知した場合に、鍵格納部23に記憶された鍵データを消去する。
【0033】
ステータス処理部19は、記憶部20に記憶されるステータス25を更新する。ここで、ステータス25には、自転車収容装置30の収容状態(状態)を示すステータスを記憶する。ステータスとしては、例えば、「使用中」、「空き」、「使用不可」等であるが、これに限定されるものではなく、自転車収容装置30の収容状態を示すものであれば、例えば、「入庫」、「出庫待ち」、「出庫」等、他のものであってもよい。
また、ステータス処理部19は、例えば、10分ごと等の定期的なタイミングで、自転車収容装置30の収容状態を示すステータスを、駐輪管理サーバ7に送信する。
【0034】
記憶部20は、制御部10が各種の処理を実行するために必要なプログラム、データ等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶領域である。
記憶部20は、プログラム21と、装置ID22と、鍵格納部23と、ステータス25とを備える。
プログラム21は、上述した制御部10が行う各種機能を実行するためのアプリケーションプログラムである。
装置ID22は、駐輪装置1に有する自転車収容装置30を識別する識別情報である。装置ID22は、例えば、「大井町」等の地域を特定する識別情報と、「第1駐輪場」等の地域内での場所を特定する識別情報と、「1番」等の場所内での位置を特定する識別情報とからなるものであってよい。
【0035】
鍵格納部23は、鍵データを記憶する記憶領域である。
鍵格納部23は、鍵データと、共通鍵データとを記憶する。鍵データは、鍵生成処理部13により生成された鍵データである。他方、共通鍵データは、この駐輪システム100の管理者や、各駐輪スペースPSの管理者等が自転車収容装置30を開錠するための鍵データである。
ステータス25は、自転車収容装置30の収容状態であるステータスを記憶する。
データ通信IF29は、データ通信網N1や、近距離無線通信網を介して各種装置との間で通信を行うためのインタフェースである。
ここで、データ通信IF29を、Bluetoothのインタフェースとして機能させる場合、制御部10は、例えば、装置ID22を含む信号等、駐輪装置1が識別可能である信号を、常時又は入庫されている場合には常時又は定期的に送出(アドバタイズ)する。
【0036】
自転車収容装置30は、自転車を収容するための装置である。
図3に示すように、自転車収容装置30は、自転車Cの前輪を固定して施錠が可能な装置である。
自転車収容装置30は、センサ部31と、鍵ロック機構32とを備える。
センサ部31は、例えば、自転車Cの前輪が載置される台に設けられ、自転車が収容されているか否かを検知する。センサ部31は、例えば、自転車の重量を検出するセンサであってもよいし、自転車収容装置30への嵌合を検出するセンサであってもよい。
鍵ロック機構32は、自転車を固定位置に駐輪させるためのものである。鍵ロック機構32は、例えば、自転車Cの前輪に対してロックをかけることができる位置に設けられて、自転車を自転車収容装置30から物理的に引き出せないようにする構造を有する。
なお、コンピュータとは、制御部、記憶装置等を備えた情報処理装置をいい、駐輪装置1は、制御部10、記憶部20等を備えた情報処理装置であり、コンピュータの概念に含まれる。
【0037】
〔携帯端末4〕
携帯端末4は、自転車収容装置30に自転車を入庫したユーザが携行する端末である。携帯端末4は、例えば、電話機能と一般的なコンピュータの機能とを有した端末であり、一般的なスマートフォン、タブレット等であってよい。
携帯端末4は、制御部40と、記憶部50と、タッチパネル57と、データ通信IF59とを備える。
制御部40は、携帯端末4の全体を制御するCPUである。制御部40は、記憶部50に記憶されているOSやアプリケーションプログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、各種機能を実行する。
【0038】
制御部40は、出庫処理部41と、鍵要求送信部42と、決済指示受信部43と、決済処理部44と、開錠指示処理部45とを備える。
出庫処理部41は、ユーザが自転車を出庫する場合に、近傍の駐輪装置1が送出する信号を受信して、受信した信号に基づく駐輪装置1の特定情報を表示させる。また、出庫処理部41は、ユーザによる特定情報の選択を受け付ける。
鍵要求送信部42は、駐輪管理サーバ7に対して、自転車収容装置30の開錠に必要な鍵を要求するための鍵要求データを送信する。鍵要求データは、自転車を収容した自転車収容装置30の装置IDを含む。
【0039】
決済指示受信部43は、駐輪管理サーバ7から決済処理に関する指示データを受信する。
決済処理部44は、決済指示受信部43が受信した指示データに基づく決済処理を、例えば、図示しない決済サーバとの間で行う。
開錠指示処理部45は、鍵要求データに対する開錠指示データを、駐輪管理サーバ7から受信する。そして、開錠指示処理部45は、受信した開錠指示データを、駐輪装置1に対して送信する。ここで、開錠指示データは、鍵データを含む。
【0040】
記憶部50は、制御部40が各種の処理を実行するために必要なプログラム、データ等を記憶するための半導体メモリ素子等の記憶領域である。
記憶部50は、携帯端末用プログラム51を備える。携帯端末用プログラム51は、上述した制御部40が行う各種機能を実行するためのアプリケーションプログラムである。ユーザは、駐輪システム100を利用する場合に、携帯端末用プログラム51を予め携帯端末4にインストールする必要がある。
タッチパネル57は、ユーザによるタッチ操作を受け付ける入力部としての機能と、液晶パネル等で構成される表示部としての機能とを有する。
データ通信IF59は、データ通信網N2や、近距離無線通信網を介して、各種装置との間で通信を行うためのインタフェースである。
【0041】
〔ゲートウェイ6〕
ゲートウェイ6は、駐輪スペースPS内や、駐輪スペースPSの近傍(例えば、駐輪スペースに近接する建物内や、近くの他の駐輪スペース等)に設けられる中継基地局である。ゲートウェイ6は、例えば、LoRaWANに対応したLoRaゲートウェイである。ゲートウェイ6は、図示しないが、制御部、記憶部、データ通信IF等を備える。
【0042】
〔駐輪管理サーバ7〕
駐輪管理サーバ7は、駐輪システム100を運営する、例えば、運営企業に設けられたサーバである。駐輪管理サーバ7は、各駐輪スペースPSに設けられた各駐輪装置1を管理する。
駐輪管理サーバ7は、制御部70と、記憶部80と、データ通信IF89とを備える。
制御部70は、駐輪管理サーバ7の全体を制御するCPUである。制御部70は、記憶部80に記憶されているOSやアプリケーションプログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、各種機能を実行する。
【0043】
制御部70は、鍵データ処理部71(データ更新手段)と、鍵要求受信部73(鍵要求受信手段)と、決済指示部74(指示送信手段)と、開錠指示送信部75(開錠指示送信手段)と、ステータス受信部77と、ステータス更新部78(ステータス更新手段)とを備える。
【0044】
鍵データ処理部71は、駐輪装置1から管理データを受信した場合に、日時情報と共に管理データを、後述する鍵管理記憶部82に記憶する。ここで、日時情報は、駐輪装置1において施錠した日時を示すものであり、鍵データ処理部71は、駐輪装置1から管理データと共に日時情報を受信してもよい。また、鍵データ処理部71は、管理データを受信した日時を、日時情報にしてもよい。
【0045】
鍵要求受信部73は、携帯端末4から装置IDを含む鍵要求データを受信する。
決済指示部74は、鍵要求受信部73が鍵要求データを受信したことに応じて、鍵管理記憶部82を参照して決済額を算出し、決済額を含む決済処理に関する指示データを、携帯端末4に送信する。
開錠指示送信部75は、決済指示部74により送信した指示データに対する決済処理が、携帯端末4により行われたことを確認できた場合に、鍵要求受信部73が受信した鍵要求データの装置IDに対応する鍵管理記憶部82の鍵データを含む、開錠指示データを、携帯端末4に送信する。
【0046】
ステータス受信部77は、駐輪装置1から、例えば、定期的に、又は、所定のタイミングで送信されるステータスを受信する。
ステータス更新部78は、ステータス受信部77が受信したステータスを、装置IDに対応付けて、後述するステータス記憶部83に記憶する。
【0047】
記憶部80は、制御部70が各種の処理を実行するために必要なプログラム、データ等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶領域である。
記憶部80は、プログラム81と、鍵管理記憶部82と、ステータス記憶部83とを備える。
プログラム81は、上述した制御部70が行う各種機能を実行するためのアプリケーションプログラムである。
【0048】
鍵管理記憶部82は、駐輪装置1から受信した管理データに基づく情報を、装置IDに対応付けて記憶する記憶領域である。
図7(A)に示すように、鍵管理記憶部82は、装置IDと、鍵データと、施錠日時とを対応付けて記憶する。
装置IDは、駐輪装置1が有する自転車収容装置30を識別する識別情報である。
鍵データは、駐輪装置1から受信した管理データに含まれる鍵データを格納する。
施錠日時は、管理データに対応する日時情報を格納する。
【0049】
ステータス記憶部83は、駐輪装置1から受信したステータスを、装置IDに対応付けて記憶する記憶領域である。
図7(B)に示すように、ステータス記憶部83は、装置IDと、ステータスと、更新日時とを対応付けて記憶する。
図7(B)に例示する装置IDは、
図2の駐輪装置1−A1から1−A4に対応する。
ステータスは、駐輪装置1から受信したステータスを格納する。この例では、「空き」や「使用中」等が格納されているが、各収容状態を表す記号を格納してもよい。
更新日時は、ステータスに対応する日時情報を格納する。
図6のデータ通信IF89は、データ通信網N2を介して各種装置との間で通信を行うためのインタフェースである。
【0050】
〔処理の説明〕
次に、ユーザが自転車を駐輪する場合の処理について説明する。
図8は、第1実施形態に係る駐輪システム100の入庫時処理を示すフローチャートである。
自転車を駐輪したいユーザは、駐輪スペースPS内の空いている自転車収容装置30に、自身の自転車を入庫させる。
そうすることで、自転車収容装置30のセンサ部31は、自転車の入庫を検知して信号を送出するので、
図8のステップS(以下、単に「S」という。)11において、駐輪装置1の制御部10(検知部11)は、センサ部31からの信号を受信して、自転車収容装置30への入庫を確認する。
【0051】
S12において、制御部10(施錠部12)は、施錠信号を自転車収容装置30の鍵ロック機構32に出力する。自転車収容装置30の鍵ロック機構32は、施錠信号に基づいて施錠を行う。ここで、制御部10は、施錠信号の出力を、S11の処理で入庫を確認したらすぐに行ってもよいが、5分等の所定時間を経た後に行ってもよい。このように、施錠をすぐに行わないのは、ユーザによって自転車の駐輪をし直す場合等を考慮したものである。
【0052】
S13において、制御部10(ステータス処理部19)は、自転車収容装置30の収容状態が変更になったため、ステータス25を、「使用中」に設定する。
S14において、制御部10(鍵生成処理部13)は、鍵データを生成する。生成された鍵データは、今回の入庫にのみ対応したものである。そして、制御部10は、生成した鍵データを、鍵格納部23に鍵データ23aとして記憶させる。
なお、S13の処理と、S14の処理とは、同時に行ってもよいし、S14の処理を行った後にS13の処理を行ってもよい。
【0053】
S15において、制御部10(データ送信部14)は、生成した鍵データを含む管理データを、駐輪管理サーバ7に対して送信する。管理データは、鍵データと、装置ID22の装置IDとを含む。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0054】
駐輪管理サーバ7の制御部70は、駐輪装置1が送信した管理データを受信すると、S16において、制御部70(鍵データ処理部71)は、受信した管理データに基づいて、鍵管理記憶部82を更新する。具体的には、制御部70は、鍵管理記憶部82をサーチして、受信した管理データに含まれる装置IDを見つけ出す。そして、制御部70は、鍵管理記憶部82の装置IDに対応する鍵データ及び施錠日時の各項目に、受信した管理データに含まれる鍵データ及び日時情報を格納する。その後、制御部70は、本処理を終了する。
【0055】
上記で説明した駐輪装置1での処理によって、自転車を自転車収容装置30に入庫した状態にでき、かつ、自転車収容装置30を施錠するので、自転車を自転車収容装置30から引き出せないようにできる。その際、ユーザは、自転車を自転車収容装置30に入庫するだけでよく、特段の作業は不要である。また、駐輪装置1から鍵データを含む管理データを駐輪管理サーバ7に送信するので、駐輪管理サーバ7では、鍵データを管理することができる。
【0056】
次に、自転車収容装置30のステータスを、駐輪管理サーバ7で管理するための処理について説明する。
図9は、第1実施形態に係る駐輪システム100のステータス更新処理を示すフローチャートである。
【0057】
図9のS21において、駐輪装置1の制御部10(ステータス処理部19)は、所定のタイミングになったか否かを判断する。所定のタイミングは、例えば、10分ごと等の時間のタイミングであってもよい。また、所定のタイミングは、ステータスが変更されたタイミングであってもよい。さらに、所定のタイミングは、時間のタイミングとステータスの変更タイミングとの両方であってもよい。所定のタイミングになったと判断された場合(S21:YES)には、制御部10は、処理をS22に移す。他方、所定のタイミングになったと判断されなかった場合(S21:NO)には、制御部10は、本処理にとどまり、所定のタイミングになるまで待機する。
【0058】
S22において、制御部10(ステータス処理部19)は、ステータス25のステータスを、装置ID22の装置IDと共に駐輪管理サーバ7に送信する。その際、制御部10は、ゲートウェイ6に空きチャンネルがあるか否かを確認の上、空きチャンネルがある場合に、そのチャンネルを利用してステータスを送信する。その後、制御部10は、処理をS21に移し、所定のタイミングにステータスを送信する処理を繰り返す。
なお、制御部10は、ゲートウェイ6に空きチャンネルがあるか否かの確認に代えて、ゲートウェイ6において使用する周波数を予め指定しておき、指定した周波数についての空きチャンネルがあるか否かを確認するようにしてもよい。
【0059】
駐輪管理サーバ7の制御部70(ステータス受信部77)は、駐輪装置1からステータスを受信すると、S23において、制御部70(ステータス更新部78)は、受信したステータスを、ステータス記憶部83に記憶させる。具体的には、制御部70は、ステータス記憶部83をサーチして、ステータスと共に受信した装置IDを見つけ出す。そして、制御部70は、ステータス記憶部83の装置IDに対応するステータス及び更新日時の各項目に、受信したステータス及び日時情報を格納する。その後、制御部70は、本処理を終了する。
【0060】
このように、駐輪装置1のステータス処理部19は、自転車収容装置30の収容状態を示すステータスを、適宜のタイミングで駐輪管理サーバ7に送信することで、駐輪管理サーバ7の制御部70は、ステータス記憶部83を更新する。よって、駐輪管理サーバ7では、常に最新の駐輪装置1ごとのステータスを把握できる。
【0061】
次に、ユーザが自転車を出庫する際の処理について説明する。
図10は、第1実施形態に係る携帯端末4の出庫時処理を示すフローチャートである。
図11は、第1実施形態に係る携帯端末4の表示例を示す図である。
図12は、第1実施形態に係る駐輪システム100の鍵要求処理を示すフローチャートである。
図13は、第1実施形態に係る駐輪システム100の開錠指示処理を示すフローチャートである。
【0062】
ユーザは、自転車を出庫しようとする場合に、自身の携帯端末4に予めインストールしてある携帯端末用プログラム51を起動させる。
そうすることで、
図10のS31において、携帯端末4の制御部40(出庫処理部41)は、各駐輪装置1が送出する信号を受信する。そして、制御部40(出庫処理部41)は、受信した信号に基づいて選択画面を生成し、タッチパネル57に出力する。
図11は、タッチパネル57に出力された選択画面91の例を示す。選択画面91は、受信した信号に対応する駐輪装置1を、選択ボタンとして表示したものである。ここで、選択画面91は、一例である。各駐輪装置1が特定できるものであれば、他のものであってもよい。
例えば、駐輪装置1において入庫時のみ信号を送出している場合には、自転車が入庫中の駐輪装置1の番号のみが選択可能に出力されていてもよい。
【0063】
S32において、制御部40(出庫処理部41)は、ユーザによる駐輪装置1の選択を受け付けたか否かを判断する。例えば、
図11の選択画面91からいずれかの駐輪番号をタップした場合には、駐輪装置1の選択を受け付けたと判断する。駐輪装置1の選択を受け付けた場合(S32:YES)には、制御部40は、処理をS33に移す。他方、駐輪装置1の選択を受け付けていない場合(S32:NO)には、制御部40は、選択を受け付けるまで本処理にとどまる。
【0064】
S33において、携帯端末4の制御部40は、鍵要求処理を行う。この鍵要求処理は、ユーザが、自身の携帯端末4を用いて、自転車収容装置30を開錠する鍵を、携帯端末4に保持させるための処理である。
【0065】
ここで、鍵要求処理について、
図12に基づき説明する。
図12のS41において、携帯端末4の制御部40(鍵要求送信部42)は、装置IDを含む鍵要求データを、駐輪管理サーバ7に対して送信する。ここで、ユーザは、携帯端末4に自身の自転車を収容させている自転車収容装置30の装置IDを入力する必要がある。その方法としては、例えば、駐輪装置1に装置IDが視認可能な位置に記載されており、ユーザは、携帯端末4から記載された装置IDを手入力するようにしてもよい。又は、例えば、駐輪装置1に図示しないバーコードや二次元コード等のコードが視認可能な位置に取り付けられており、ユーザは、携帯端末4を用いてコードを読み取ることで、コードから装置IDを取得してもよい。さらに、ユーザは、携帯端末4を操作して、駐輪管理サーバ7と通信し、例えば、駐輪装置1の場所を、表示された選択肢に基づいて入力することで、駐輪管理サーバ7が装置IDを特定して、鍵要求データを送信してもよい。
【0066】
駐輪管理サーバ7の制御部70(鍵要求受信部73)は、携帯端末4から鍵要求データを受信すると、S42において、制御部70は、ステータス記憶部83の該当の装置IDに対応したステータスが「使用中」であることを確認する。
なお、ステータスが「使用中」ではない場合は、制御部70は、以降の処理を行わず、例えば、入力した装置IDの確認を促すメッセージを、携帯端末4に送信してもよい。
【0067】
S43において、制御部70(決済指示部74)は、鍵管理記憶部82の該当の装置IDに対応した施錠日時及び現在日時情報を用いて決済額を算出する。決済額は、例えば、2時間100円等の予め定められた条件により算出される駐輪料金である。なお、予め定められた条件は、個々の駐輪スペースPSにより異なってもよく、その場合には、装置IDと決済額算出条件とを対応付けた条件テーブル(図示せず)を記憶部80に備えて、条件テーブルに基づいて決済額を算出すればよい。
S44において、制御部70(決済指示部74)は、算出した決済額を含む決済処理に関する指示データを、携帯端末4に対して送信する。
【0068】
携帯端末4の制御部40(決済指示受信部43)は、駐輪管理サーバ7から指示データを受信すると、S45において、制御部40(決済処理部44)は、例えば、図示しない決済サーバとの間で決済処理を行う。ここで、決済処理の方法については、特に限定されない。決済方法としては、例えば、クレジットカードやデビットカード等を用いた決済であってもよいし、キャッシュレス決済であってもよい。また、例えば、コンビニエンスストアでの支払による決済等であってもよい。
【0069】
S46において、制御部40(決済処理部44)は、決済ができたか否かを判断する。決済ができた場合(S46:YES)は、制御部40は、処理をS47に移す。他方、決済ができなかった場合(S46:NO)には、制御部40は、処理を
図10のS34に移す。
S47において、制御部40(決済処理部44)は、決済ができた旨の決済完了データを、駐輪管理サーバ7に送信する。
【0070】
駐輪管理サーバ7の制御部70は、携帯端末4から決済完了データを受信すると、S48において、制御部70(開錠指示送信部75)は、開錠指示データを携帯端末4に送信する。ここで、開錠指示データは、鍵要求データで要求のあった装置IDに対応した鍵データを含む。その後、駐輪管理サーバ7の制御部70は、本処理を終了する。
【0071】
図10のS34において、携帯端末4の制御部40(開錠指示処理部45)は、開錠指示データを受信したか否かを判断する。開錠指示データを受信した場合(S34:YES)には、制御部40は、処理をS35に移す。他方、開錠指示データを受信しなかった場合(S34:NO)には、制御部40は、本処理を終了する。なお、開錠指示データを受信しなかった場合とは、
図12のS46の処理で、決済ができなかった(NOが選択された)場合等が考えられる。
S35において、制御部40は、開錠指示処理を行う。
【0072】
ここで、開錠指示処理について、
図13に基づき説明する。
図13のS51において、携帯端末4の制御部40(開錠指示処理部45)は、駐輪管理サーバ7から受信した開錠指示データを、駐輪装置1に対して送信する。その後、制御部40は、本処理を終了する。
駐輪装置1の制御部10(指示受信部15)は、携帯端末4から開錠指示データを受信すると、S52において、制御部10(照合部16)は、開錠指示データに含まれる鍵データと、鍵格納部23の鍵データ23aとを照合し、一致するか否かを確認する。
【0073】
S53において、制御部10(照合部16)は、照合できたか否かを判断する。照合できた場合(S53:YES)、つまり鍵データが一致した場合には、制御部10は、処理をS54に移す。他方、照合できなかった場合(S53:NO)には、制御部10は、本処理を終了する。なお、照合できなかった場合に、制御部10は、鍵が異なる旨のエラーを、携帯端末4に送信してもよい。
S54において、制御部10(開錠部17)は、開錠信号を、自転車収容装置30の鍵ロック機構32に送出する。これにより、鍵ロック機構32は、開錠するので、自転車を自転車収容装置30から引き出すことが可能になる。
【0074】
S55において、制御部10(検知部11)は、自転車収容装置30からの自転車の出庫を確認できたか否かを判断する。ユーザが自転車収容装置30から自転車を引き出すと、自転車収容装置30のセンサ部31が出庫を検知して信号を送出するので、検知部11は、自転車の出庫を確認できる。自転車の出庫を確認できた場合(S55:YES)は、制御部10は、処理をS56に移す。他方、自転車の出庫を確認できていない場合(S55:NO)には、制御部10は、処理をS57に移す。
S56において、制御部10は、出庫後処理を行う。出庫後処理として、制御部10(ステータス処理部19)は、ステータス25に、「空き」を設定する。また、出庫後処理として、制御部10(鍵消去部18)は、鍵格納部23の鍵データ23aを消去する。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0075】
他方、S57において、制御部10は、開錠信号を送出してから所定時間が経過したか否かを判断する。所定時間は、例えば、3分等の予め設定された時間であってよい。所定時間が経過した場合(S57:YES)には、制御部10は、処理をS58に移す。所定時間が経過していない場合(S57:NO)には、制御部10は、処理をS55に移す。なお、所定時間が経過していない場合に、制御部10(開錠部17)は、開錠信号を再度鍵ロック機構32に送出する処理を行ってもよい。
【0076】
S58において、制御部10(施錠部12)は、施錠信号を鍵ロック機構32に送出する処理を行う。これにより、自転車収容装置30は、鍵ロック機構32が自転車をロックする処理を行い、施錠がされた状態になる。これは、例えば、第三者が間違えて開錠した場合を考慮したものであり、自転車が所定時間引き出されなければ再度施錠するようにしている。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0077】
このように、第1実施形態の駐輪システム100によれば、以下のような効果がある。
(1)駐輪装置1は、自転車収容装置30に自転車が入庫された場合に施錠をする。そして、自転車を出庫する場合に、ユーザは、携帯端末4を用いて駐輪管理サーバ7から該当の自転車収容装置30を開錠する鍵データを受信して、携帯端末4から駐輪装置1に鍵データを送信する。携帯端末4から鍵データを受信した駐輪装置1では、記憶された鍵データ一致した場合に自転車収容装置30を開錠する。
よって、ユーザが携帯端末4を用いて自転車収容装置30を開錠する仕組みを構築することができる。また、ユーザは、出庫時にのみ携帯端末4を用いればよく、入庫時には、自転車を入庫する作業のみで済むため、便利である。
【0078】
(2)携帯端末4が駐輪管理サーバ7から受信する鍵データは、入庫時に駐輪装置1から駐輪管理サーバ7に送信された鍵データである。
よって、出庫時に用いる鍵データを、入庫時の鍵データと一致させることができる。
(3)駐輪装置1では、入庫時に開錠に必要な鍵データを生成し、駐輪管理サーバ7に生成した鍵データを送信する。よって、鍵データを都度新たなものにできる。
また、生成する鍵データを、毎回異なるものにすることで、流用して鍵データを使用することを防止できる。
【0079】
(4)駐輪装置1では、自転車収容装置30を開錠後に所定時間内に出庫しなかった場合に、自転車収容装置30を再度施錠する。
よって、第三者が誤って鍵データを用いて出庫しようとした場合であっても、間違いに気づいた場合に、そのままにすれば施錠されるため、持ち去り等を回避できる。
(5)駐輪装置1は、収容状態を示すステータスを有し、適宜のタイミングで駐輪管理サーバ7にステータスを送信し、駐輪管理サーバ7では、ステータスを装置IDに対応付けて記憶する。
よって、駐輪管理サーバ7では、駐輪システム100の全ての駐輪装置1のステータスを管理できる。
(6)駐輪装置1は、出庫時に決済が済んでいることを確認した上で、自転車収容装置30を開錠する。
よって、駐輪料金を支払ったことに応じて自転車収容装置30を開錠させることができる。
【0080】
(7)駐輪装置1は、LoRaWANに対応したデバイスにし、LoRaWANに対応したLoRaゲートウェイであるゲートウェイ6を介して駐輪管理サーバ7にデータを送信する。よって、低電力で実現する仕組みで駐輪システム100を構築でき、例えば、駐輪装置1の制御を、電池やバッテリ等を用いて行うことができ、電源の敷設工事等を不要にできる。
また、安価に駐輪スペースPSの仕組みを構築できるので、自転車のように駐輪料金が安価なものであっても採算がとれる仕組みにできる。
【0081】
(第2実施形態)
第2実施形態では、入庫時に駐輪管理サーバに対してユーザ登録をし、ユーザ登録がされたユーザの出庫のみを許容するようにしたものを説明する。なお、以降の説明において、上述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0082】
図14は、第2実施形態に係る駐輪装置1の概要図及び携帯端末204の機能ブロック図である。
図15は、第2実施形態に係る駐輪管理サーバ207の機能ブロック図である。
【0083】
〔駐輪システム200〕
駐輪システム200は、駐輪装置1と、携帯端末204と、ゲートウェイ6と、駐輪管理サーバ207とを備える。
図14(A)に示すように、駐輪システム200が備える駐輪装置1には、コード情報135が対応付けられている。コード情報135は、装置IDを含み、ユーザが視認可能な位置に設けられている。コードは、バーコードであっても、QRコード(登録商標)等の二次元コードであってもよい。また、コードは、その他携帯端末204で読み取れるものであってもよい。
【0084】
〔携帯端末204〕
図14(B)に示すように、駐輪システム200が備える携帯端末204は、制御部240と、記憶部250と、カメラ256と、タッチパネル57と、データ通信IF59とを備える。
制御部240は、出庫処理部41と、鍵要求送信部242と、決済指示受信部43と、決済処理部44と、開錠指示処理部245と、コード読取部246と、コード送信部247とを備える。
【0085】
鍵要求送信部242は、鍵要求データを駐輪管理サーバ207に対して送信する。鍵要求データは、装置IDの他、携帯端末204を使用するユーザを識別するユーザID(入庫時情報)を含む。ここで、ユーザIDは、後述する携帯端末用プログラム251に予め定義されているものであってもよいし、携帯端末用プログラム251を実行してログインする際に入力するものであってもよい。さらに、ユーザIDは、携帯端末204に固有のシリアル番号等であってもよい。
【0086】
開錠指示処理部245は、開錠指示データを駐輪管理サーバ207から受信する。また、開錠指示処理部245は、開錠指示データと、ユーザIDとを、駐輪装置1に送信する。
コード読取部246は、カメラ256を用いてコード情報135を撮影することで、カメラ256を介してコード情報135に含まれる装置IDを読み取る。
コード送信部247は、ユーザIDと、コード読取部246が読み取ったコード情報135に含まれる装置IDとを、駐輪管理サーバ207に送信する。
【0087】
記憶部250は、上述した制御部240が行う各種機能を実行するためのアプリケーションプログラムである携帯端末用プログラム251を記憶している。
カメラ256は、例えば、携帯端末204のタッチパネル57とは反対の面に設けられる。
【0088】
〔駐輪管理サーバ207〕
図15に示す駐輪管理サーバ207は、制御部270と、記憶部280と、データ通信IF89とを備える。
制御部270は、鍵データ処理部71と、ユーザID受信処理部272(ユーザ情報受信手段)と、鍵要求受信部273と、決済指示部74と、開錠指示送信部275と、ユーザID確認処理部276(ユーザ情報確認手段)と、ステータス受信部77と、ステータス更新部78とを備える。
【0089】
ユーザID受信処理部272は、自転車収容装置30に自転車を入庫した際に、携帯端末204からユーザIDと装置IDとを受信することで、ユーザIDと装置IDとを対応付けて、後述するユーザ記憶部284に記憶する。
鍵要求受信部273は、携帯端末204から装置IDを含む鍵要求データを、ユーザIDと共に受信する。
開錠指示送信部275は、後述するユーザID確認処理部276によってユーザIDが確認できた場合に、開錠指示データを、携帯端末204に送信する。
ユーザID確認処理部276は、鍵要求データと共に受信したユーザIDが入庫時に登録されたものであるか否かを、ユーザ記憶部284を参照して確認する。
【0090】
記憶部280は、プログラム281と、鍵管理記憶部82と、ステータス記憶部83と、ユーザ記憶部284と、決済済ユーザ記憶部285とを備える。
プログラム281は、上述した制御部270が行う各種機能を実行するためのアプリケーションプログラムである。
ユーザ記憶部284は、ユーザID受信処理部272が受信したユーザIDと、装置IDとを、受信日時に対応付けて記憶する記憶領域である。
決済済ユーザ記憶部285は、例えば、1ヶ月間の使用を可能とし、既に料金を支払い済のユーザに関する情報を記憶する記憶領域である。決済済ユーザ記憶部285は、駐輪システム200の利用前にユーザが所定の処理をすることで、予めユーザに関する情報が記憶される。決済済ユーザ記憶部285は、ユーザIDと、利用可能期限とを含む。
【0091】
〔処理の説明〕
次に、ユーザが自転車を駐輪する場合の処理について説明する。
入庫時の処理については、第1実施形態(
図8)と同様である。
入庫後に携帯端末204のユーザが行う入庫後処理について説明する。
図16は、第2実施形態に係る駐輪システム200の入庫後処理を示すフローチャートである。
【0092】
自転車を、駐輪装置1の自転車収容装置30に自転車を入庫したユーザは、自身の携帯端末204を用いて、駐輪装置1のコード情報135を携帯端末204のカメラ256で撮影する。そうすることで、
図16のS261において、携帯端末204の制御部240(コード読取部246)は、コード情報135を読み取る。
S262において、制御部240(コード送信部247)は、ユーザIDと、読み取ったコード情報135に含まれる装置IDとを、駐輪管理サーバ207に送信する。その後、携帯端末204の制御部240は、本処理を終了する。
【0093】
駐輪管理サーバ207の制御部270(ユーザID受信処理部272)は、携帯端末204からユーザID及び装置IDを受信すると、ユーザ記憶部284の装置ID、ユーザID及び受信日時の各項目に対応した値を記憶させる。その後、制御部270は、本処理を終了する。
【0094】
次に、出庫時処理について説明する。
ここで、駐輪装置1が適宜のタイミングで行うステータス更新処理については、第1実施形態(
図9)と同様である。
携帯端末204が行う出庫時処理については、第1実施形態(
図10)と同様である。出庫時処理で呼び出される鍵要求処理(
図10のS33に対応)について、
図17に基づき説明する。
図17は、第2実施形態に係る駐輪システム200の鍵要求処理を示すフローチャートである。
【0095】
図17のS241において、携帯端末204の制御部240(鍵要求送信部242)は、装置IDを含む鍵要求データを、ユーザIDと共に駐輪管理サーバ207に対して送信する。ここで、送信する装置ID及びユーザIDは、ユーザにより、出庫時の処理で携帯端末204に記憶させた装置IDと、ユーザIDとに対応する。
【0096】
駐輪管理サーバ207の制御部270(鍵要求受信部73)は、携帯端末204から鍵要求データを受信すると、S242aにおいて、制御部270(ユーザID確認処理部276)は、鍵要求データと共に受信したユーザIDを、ユーザ記憶部284を参照して確認する。
ここで、ユーザ記憶部284に該当する装置IDが記憶されていない場合や、入庫後、例えば、30分等のかなりの時間が経過した後にユーザ記憶部284にデータが記憶された場合には、制御部270は、ユーザIDの登録がなかったものとして、S242b以降の処理を行ってもよい。また、ユーザ記憶部284に該当の装置IDが記憶されているが、ユーザIDが異なる場合には、制御部270は、不正な出庫であるとして、以降の処理を行わない。そして、制御部270は、ユーザIDがエラーである旨を、ユーザ記憶部284の該当の装置IDに対応したユーザIDから特定される携帯端末204に送信してもよい。
【0097】
S242bは、第1実施形態(
図12)のS42の処理と同様である。
S243aにおいて、制御部270は、決済済のユーザであるか否かを確認する。決済済である場合(S243a:YES)には、制御部270は、処理をS248に移す。他方、決済済ではない場合(S243:NO)には、制御部270は、処理をS243bに移す。
ここで、制御部270は、決済済ユーザ記憶部285を参照し、当該ユーザのユーザIDが登録され、現在の日時が利用可能期限内であれば、決済済であると判断できる。
【0098】
S243bは、第1実施形態(
図12)のS43の処理と同様である。
また、S244からS248までの処理は、第1実施形態(
図12)のS44からS48までの処理と同様である。
【0099】
このように、第2実施形態の駐輪システム200によれば、以下のような効果がある。
(1)ユーザは、携帯端末204を用いて入庫後すぐにユーザ登録をした場合、出庫時には、ユーザ登録をしたユーザに限って、出庫できるようにした。
よって、正規のユーザのみが、自転車収容装置30を開錠でき、セキュリティ性が向上したものにできる。
【0100】
(2)定額で駐輪料金を支払っているユーザを、事前に駐輪管理サーバ207に登録させることで、そのようなユーザには、決済処理を行わせることなく、駐輪管理サーバ207から携帯端末204に鍵データを渡すことができる。
【0101】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0102】
(変形形態)
(1)各実施形態では、駐輪装置は、制御部、記憶部といったコンピュータの機能と、自転車収容装置とが一体になったものとして説明したが、これに限定されない。自転車収容装置は、駐輪装置とは別体として有し、駐輪装置に対して通信可能に接続されていてもよい。
(2)各実施形態では、駐輪装置が自転車収容装置を備えるものを説明したが、これに限定されない。自転車収容装置に代えて、例えば、固定位置に少なくとも一部が取り付けられているチェーン錠等、自転車を固定位置に駐輪させて施錠及び開錠できるものであれば、他のものであってもよい。
【0103】
(3)各実施形態では、駐輪装置で毎回異なる鍵データを生成するものを例に説明したが、これに限定されない。駐輪装置の記憶部に鍵データを予め記憶しておき、その鍵データを毎回用いるようにしてもよい。また、駐輪装置の記憶部に複数の異なる鍵データを予め記憶しておき、その中からランダムに選択した一の鍵データを用いるようにしてもよい。鍵データを流用するものであるため、毎回異なる鍵データを生成するものよりも不正に開錠される可能性は高くなるが、自転車本体にある鍵を施錠するという自転車の特性から、安全性の高い特定の駐輪スペースの設置場所においては使用可能である。
また、各実施形態では、鍵データを駐輪装置から駐輪管理サーバに送信するものを例に説明したが、上記の変形形態の場合には、これに限定されない。駐輪装置と、駐輪管理サーバとの両方に鍵データを記憶させておけば、鍵データの送信は不要である。
【0104】
(4)各実施形態では、自転車収容装置に自転車を入庫したユーザが、自転車を出庫するものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、自転車が長時間入庫された状態になっている場合等に、駐輪スペースの管理者が、放置自転車として出庫できるようにしてもよい。その場合には、管理者の携帯端末に、共通鍵データを記憶させておき、管理者の携帯端末は、共通鍵データを含む開錠指示データを、駐輪装置に送信すればよい。そうすることで、駐輪装置の照合手段が、開錠指示データと、鍵格納部23の共通鍵データ23b(
図4参照)とを照合し、開錠手段が、自転車収容装置を開錠するので、放置自転車を引き出すことができる。
また、駐輪スペースの管理者が放置自転車等を出庫できるように、例えば、個々の駐輪装置に、又は、複数の駐輪装置に対して通信可能に接続された開錠管理装置(図示せず)に、自転車収容装置を開錠させるための開錠スイッチを設けてもよい。そのようにすれば、管理者は、携帯端末を有さずとも開錠スイッチを操作することで放置自転車等を引き出すことができる。
【0105】
(5)各実施形態では、装置IDを、自転車収容装置を識別するものを例に説明したが、これに限定されない。自転車収容装置と対応付けられる駐輪装置を識別するものであってもよい。
【0106】
(6)各実施形態では、携帯端末が、駐輪装置が送出するBluetoothの信号を受信して、自転車を出庫する駐輪装置を選択するものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、駐輪装置が信号を送出しない場合には、
図10のS31及びS32の処理の代わりに、ユーザが携帯端末に駐輪装置の装置IDを入力して、鍵要求処理を行ってもよい。
その場合には、携帯端末が駐輪管理サーバから開錠指示データを受信すると、駐輪装置との接続処理(例えば、ペアリング)を行って、開錠指示処理を行う。ここで、携帯端末と、駐輪装置との接続処理によって所定時間内に接続ができない場合には、再度、鍵要求処理を行うようにしてもよい。そのようにすれば、開錠よりかなり前から鍵データを携帯端末に格納する、といった不正な作業に対応できる。
(7)各実施形態では、携帯端末と駐輪装置との間の通信を、Bluetoothを利用したものを例に説明したが、これに限定されない。携帯端末と駐輪装置とに機能を有する他の近距離無線通信によるものであってもよく、例えば、NFC(Near Field Communication)を利用してもよい。
【0107】
(8)各実施形態では、決済処理について、携帯端末と、決済サーバとの間で決済を行い、決済の結果データを駐輪管理サーバが受信するものを例に説明したが、これに限定されない。駐輪管理サーバを介して携帯端末と決済サーバとの間で決済を行ってもよいし、駐輪管理サーバが決済サーバと同等の機能を有するものであってもよい。
【0108】
(9)各実施形態では、駐輪装置と駐輪管理サーバとの間の通信は、駐輪装置から駐輪管理サーバへのデータの送信といった一方通行のものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、ステータスの更新処理では、駐輪管理サーバが駐輪装置に対して問合せをすることで、駐輪装置がステータスを駐輪管理サーバに送信するようにしてもよい。但し、各実施形態で説明した方法の場合は、通信量が少なくて済み、各装置の消費電力がより少なくて済む。
【0109】
(10)第2実施形態では、ユーザIDによってユーザを識別するものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、ユーザが任意に指定したパスワード(認証用情報)を用いてもよい。パスワードは、例えば、4桁の数字等であってよく、入庫の都度異なるものを用いてもよい。
【0110】
(11)第2実施形態では、入庫後処理として、ユーザIDと装置IDとを携帯端末から駐輪管理サーバに送信するものを例に説明したが、これに限定されない。携帯端末から入庫時情報(ユーザIDやパスワード等)を、駐輪装置に送信するようにしてもよい。その場合、駐輪装置の入庫時情報受信手段が入庫時情報を受信すると、データ送信手段が当該入庫時情報を含む管理データを、駐輪管理サーバに送信する。このように、駐輪装置を経由してユーザを識別可能な情報を駐輪管理サーバに送信しても、同様に、入庫時のユーザのみが出庫できる仕組みにできる。