【解決手段】プレキャスト部材に埋設され、一対の当該プレキャスト部材同士を連結させるために用いられる継手装置であって、一対の前記継手装置同士を突き合わせた状態において当該継手装置同士を連結させるための連結部材と、前記プレキャスト部材の内部に定着し、前記継手装置が前記プレキャスト部材から引き抜かれるのを防止するためのアンカー部材と、を有し、前記アンカー部材は、前記連結部材との連結部分である一方の端部から他方の端部に向かうに従って漸次的に拡径する形状を有する棒状部材である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載された連結具に代表されるように、アンカー部材と、嵌合体や被嵌合体を一体成形し、鋳物として製造することが知られている。しかしながら、施工対象の構造物が大型化すると、部品全体の長さを長尺化することが必要となり鋳物として一体成形することが困難になる恐れがある。また、連結部材を長尺化する場合に、別部材として製造されたアンカー部材と嵌合部材を、ねじなどによって一体化させることも考えられるが、部品数の増加やコスト高騰などが懸念される。
【0006】
また、上記特許文献2に記載された継手装置では、アンカー部材の長尺化を避けるために、アンカー部材の先端にグリップ部(支圧部)を形成してアンカー力を高めている。しかしながら、このようにアンカー部材にグリップ部を形成させた構成では、継手装置に大きなアンカー引き抜き力がかかると、グリップ部に応力が集中して構造物(コンクリート等)にひび割れ等が発生するといった問題があった。
【0007】
上記事情に鑑み、本発明の目的は、部材としての長尺化を抑えることで鋳物として一体成形可能であり、且つ、連結部材としてのアンカー力が担保されるような継手装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するため、本発明によれば、プレキャスト部材に埋設され、一対の当該プレキャスト部材同士を連結させるために用いられる継手装置であって、一対の前記継手装置同士を突き合わせた状態において当該継手装置同士を連結させるための連結部材と、前記プレキャスト部材の内部に定着し、前記継手装置が前記プレキャスト部材から引き抜かれるのを防止するためのアンカー部材と、を有し、前記アンカー部材は、前記連結部材との連結部分である一方の端部から他方の端部に向かうに従って漸次的に拡径する形状を有する棒状部材であることを特徴とする、継手装置が提供される。
【0009】
前記連結部材と前記アンカー部材と、は一体的に成形される鋳造部材又は鍛造部材であっても良い。
【0010】
また、本発明によれば、一対の上記記載の継手装置を連結させて構成される継手構造であって、一方の継手装置は前記連結部材としての雄型部材を備え、他方の継手装置は前記連結部材としての雌型部材を備え、前記雄型部材を前記雌型部材に嵌合させることで一対の前記プレキャスト部材同士を連結させることを特徴とする、継手構造が提供される。
【0011】
また、本発明によれば、一対の上記記載の継手装置を連結させて構成される継手構造であって、一対の継手装置はいずれも前記連結部材としての雌型部材を備え、一対の当該雌型部材を突き合わせた状態で嵌合体としてのコッター部材を挿入させることで一対の前記プレキャスト部材同士を連結させることを特徴とする、継手構造が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、部材としての長尺化を抑えることで鋳物として一体成形可能であり、且つ、連結部材としてのアンカー力が担保されるような継手装置が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する場合がある。
【0015】
(従来の継手装置)
ビルやトンネル等の一般的なコンクリート構造物を構築する場合には、複数のプレキャストコンクリート部材(以下、単にプレキャスト部材とも呼称)を連結させて施工が実施される。また、空港の駐機場や誘導路等の広い場所の舗装に用いられるような平面的な構造物においては、路盤に敷設した複数の平板状のプレキャスト部材同士の結合により施工が実施される。
【0016】
図1は、プレキャスト部材同士の結合に用いられる従来の継手装置1(以下、継手装置1)の一例を示す概略説明図であり、突き合わせた一対の継手装置1(1a、1b)を、H形部材5を用いて施工し結合させた状態を示したものである。また、
図2は、継手装置1の部材単体の概略説明図であり、(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。
図1、2に示すように、継手装置1は、被嵌合体としてのC型部品10(10a、10b)とアンカー部材としての円柱部材11(11a、11b)から構成される。これらC型部品10と円柱部材11とは例えばねじ機構などの接続手段によって一体化され継手装置1を構成している。
【0017】
図1に示すように、一対の継手装置1a、1bを用いて、隣接するプレキャスト部材P1、P2を結合させる場合、C型部品10が露出した状態で各プレキャスト部材P1、P2の内部に継手装置1a、1bを埋設させる。この時、円柱部材11はプレキャスト部材P1、P2を構成するコンクリートに定着(固着)するようにその内部に埋設される。そして、一対のC型部品10a、10bを突き合わせることで形成される被嵌合空間Sに対し、H形部材5を被嵌合空間Sに挿入させ、H形部材5に形成されたボルト孔13(13a、13b)にボルト14(14a、14b)を挿入し、C型部品10の底部に係止させる。そして、被嵌合空間Sを含む結合部分に必要に応じてモルタル等の経時性硬化材料や蓋部材(図示せず)が施工される。これにより、C型部品10a、10bにH形部材5を嵌合させた状態で固定がなされ、プレキャスト部材P1、P2が結合される。
【0018】
また、
図3は、プレキャスト部材同士の結合に用いられる従来の継手装置1の他の形態(以下、継手装置1’)を示す概略説明図である。
図4は、継手装置1’の部材単体の概略説明図であり、(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。なお、
図3、4に記載の継手装置1’において、C型部品10等の共通する構成要素は上記
図1、2に示した構成と同じであるため、同一の符号を付して図示し、その説明は省略する。
【0019】
図3、4に示すように、継手装置1’には、C型部品10と一体的に成形されるアンカー部材20が設けられており、アンカー部材20の長手方向の一方の端部にC型部品10、他方の端部にグリップ部21が設けられている。アンカー部材20の表面にはリブ24が設けられている。ここで、アンカー部材20は略円柱形状であり、グリップ部21はアンカー部材20に比べて径の大きな略円板形状を有しており、部材長手方向において所定の厚みを有している。
【0020】
(従来の継手装置の課題)
図1、2を参照して上述したように構成される従来の継手装置1においては、コンクリートからの引き抜きに対する反力(いわゆるアンカー力)などに関する設計上、円柱部材11にはある程度の長さが必要であり、部材が長尺化する。コンクリートの付着によるアンカー力は、アンカー部品(ここでは円柱部材11)の周面積と長さの積として計算される。コンクリートの付着力は、コンクリートの圧縮力の1/10以下と小さいことが知られており、また、アンカー部品の径(即ち、周面積)には設計上の限界があるため、アンカー部品の長尺化が求められる。
【0021】
そのため、製造上の寸法制約がある鋳物としての一体成形では、継手装置1全体を一体的に製造することが困難である。そこで、鋳物としてのC型部品10と円柱部材11が別部材として製造されることになる。
図2のように、円柱部材11の長尺方向の長さL1は例えば約450mmに設計される。
【0022】
継手装置1において、C型部品10と円柱部材11を別部材として製造すると、部品数の増加に伴う施工性の低下や、コストの増加が懸念される。このような懸念から、
図3、4を参照して上述したように構成される継手装置1’が創案された。継手装置1’によれば、アンカー部材20の端部にグリップ部21を設けたことでアンカー力が高まり部材全体を短くすることができる。
図3のように、継手装置1’におけるアンカー部材20の長尺方向の長さL2はで例えば約200mmに設計される。また、継手装置1’の部材全体の長さは例えば約300mmに設計される。
【0023】
一方で、グリップ部21を設けた構成としたことで、コンクリートから引き抜く力が生じた場合に、グリップ部21の周囲(
図3中の破線部参照)に応力が局所的に集中し、グリップ部21の周囲にてコンクリートにひび割れ(クラック)が発生し、連結機能を十分に発揮できないといった課題が懸念される。
【0024】
(本発明の実施の形態に係る継手装置)
そこで本発明者らは、部材としての長尺化を抑えることで鋳物として一体成形可能であり、且つ、連結部材としてのアンカー力が担保されるような継手装置について鋭意検討し、以下に説明する本発明の実施の形態に係る継手装置30(以下、継手装置30とも記載)を創案した。
図5は本発明の実施の形態に係る継手装置30の部材単体の概略説明図であり、(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。
【0025】
図5に示すように、継手装置30は、プレキャスト部材(コンクリート部材)同士を連結させるための連結部材35と、連結部材35からプレキャスト部材(コンクリート部材)方向に突出し、当該プレキャスト部材に定着(固着)するようにその内部に埋設されるアンカー部材36から構成される。これら連結部材35とアンカー部材36は鋳造部材あるいは鍛造部材として一体的に製造されても良い。
【0026】
連結部材35の形状は任意に設計されるが、例えば、一対の継手装置30でもって挿込み型の継手構造を構成する場合には、嵌合体としての雄型部材と、被嵌合体としての雌型部材と、から構成されても良い。あるいは、一対の継手装置30でもっていわゆるコッター型の継手構造を構成する場合には、被嵌合体としての雌型部材のみで構成し、嵌合体としては別部材であるコッター部材を用いる構成としても良い。
図5では、連結部材35の一例として、被嵌合体(雌型部材)であるC型部品を用いた構成を図示している。なお、C型部品の構成は、
図1〜4に示した従来のC型部品10と同様の構成であるため、説明は省略する。
【0027】
また、アンカー部材36は連結部材35との連結部分である一方の端部38から、他方の端部39に向かうに従って漸次的に拡径する円錐形状を有する棒状部材である。アンカー部材36の円錐形状におけるテーパー角は任意に設計されるが、プレキャスト部材の内部に定着した状態のアンカー部材36に引き抜きに対する反力が十分に発揮される程度の設計が好ましい。また、アンカー部材36の長手方向長さL3は、上述した円柱部材11の長さL1に比べ短い長さに構成される。
【0028】
図6は、本実施の形態に係るアンカー部材36による引き抜き抵抗力Fに関する概略説明図であり、アンカー部材36の形状(長さL3、テーパー角θ、半径r、Rなど)やコンクリート圧縮応力(耐力)fckとの関係についての図面である。なお、
図6においては、
図5に示した構成要素については同一の符号にて図示しており、その説明は省略する。
【0029】
図6に示すように、アンカー部材36の円錐角(テーパー角)をθ、アンカー始点部半径(最小径)をr、アンカー終点部半径(最大径)をRとし、摩擦角δであるコンクリートにアンカー部材36が埋設された状態において、アンカー部材36を引き抜こうとした場合について検討する。図示のくさび力Wは、以下の式(1)の関係を満たす。
W=F/(sin(θ+δ)) ・・・(1)
くさび力Wの水平方向成分Whがコンクリートの支圧反力となることから、アンカー長さL3と、引き抜き抵抗力Fと、円錐角θ及びコンクリート圧縮応力fckとの関係は以下の式(2)に表される。
L3=α・F・cot(θ+δ)/(π・fck・(r+R)) ・・・(2)
なお、αとは所定の安全係数である。
【0030】
上記式(2)からは、本実施の形態に係るアンカー部材36による引き抜き抵抗力Fは、fckとtan(θ+δ)とアンカー表面積との積に比例することが読み取れる。即ち、引き抜き抵抗力Fにコンクリート圧縮応力fckが大きく寄与するといえる。このコンクリート圧縮応力fckは、一般のプレキャストコンクリートで例えば40N/mm
2である。
一方、アンカー部材が例えば
図1、2を参照して上述したような従来の円柱形状である場合、部材‐コンクリート間の摩擦力(例えば4N/mm2程度)とアンカー表面積との積、といった程度しか抵抗力は期待できない。
従って、本実施の形態に係るアンカー部材36による引き抜き抵抗力Fは、従来の抵抗力に比べ極めて大きな値となることが分かる。
【0031】
以下では、本発明の実施の形態に係る一対の継手装置30を用いて継手構造40を構築し、隣接するプレキャスト部材同士を連結させる際の構成について説明する。
【0032】
(継手装置の第1の連結形態)
先ず、第1の連結形態として、嵌合体としての雄型部材を有する第1の継手装置30aと、被嵌合体としての雌型部材を有する第2の継手装置30bと、を用いて隣接するプレキャスト部材P1、P2を連結させる場合について説明する。
【0033】
図7は第1の連結形態についての概略説明図である。プレキャスト部材P1の内部には第1の継手装置30aのアンカー部材36aが埋設される。ここで、第1の継手装置30aの連結部材(雄型部材)35aはプレキャスト部材P1から突出(露出)した状態で埋設される。また、プレキャスト部材P2の内部には第2の継手装置30bのアンカー部材36bが埋設される。ここで第2の継手装置30bの連結部材(雌型部材)35bはプレキャスト部材P2の内部に埋設される。
【0034】
図7に示すように、プレキャスト部材P1とプレキャスト部材P2が隣接した状態で、連結部材35aと35bが突き合わされ、第1の継手装置30aの連結部材(雄型部材)35aが、第2の継手装置30bの連結部材(雌型部材)35bに嵌合される。連結部材35bは、内部に連結部材35aを嵌合可能な空間を備えた構成であれば任意の形状で良い。結合部分に必要に応じてモルタル等の経時性硬化材料や蓋部材など(図示せず)が施工され、プレキャスト部材P1とプレキャスト部材P2の連結が完了する。なお、連結部材35bとしては、上述したC型部品10と同じ構成を用いても良い。
【0035】
(継手装置の第2の連結形態)
次に、第2の連結形態として、一対の継手装置30でもっていわゆるコッター型の継手構造を構成し、同じ構成を有する一対の継手装置30を用いて隣接するプレキャスト部材P1、P2を連結させる場合について説明する。
【0036】
図8は第2の連結形態についての概略説明図である。本連結形態では、一対の同じ構成の継手装置30cが用いられる。プレキャスト部材P1の内部には継手装置30cのアンカー部材36が埋設される。また、プレキャスト部材P2の内部にも、同様の継手装置30cのアンカー部材36が埋設される。この時、各継手装置30c、30cの連結部材35は露出した状態とされる。ここでの連結部材35は、被嵌合体としての雌型部材であり、例えば上述したC型部品10と同じ構成であっても良い。
【0037】
図8に示すように、プレキャスト部材P1とプレキャスト部材P2が隣接した状態で、一対の連結部材35、35が突き合わされる。このようにして形成された被嵌合空間Sに対し、断面がH形状である嵌合体としてのコッター部材50を挿入させ、コッター部材50に形成されたボルト孔53(53a、53b)にボルト54(54a、54b)を挿入し、連結部材35、35の底部に係止させ結合が行われる。結合部分に必要に応じてモルタル等の経時性硬化材料や蓋部材など(図示せず)が施工され、プレキャスト部材P1とプレキャスト部材P2の連結が完了する。
なお、ここで図示したコッター部材50の形状や構成は一例であり、本実施の形態に係る継手装置30cにおいて、コッター部材50の形状や構成は、一対の連結部材35、35を好適に結合させるものであれば任意である。
【0038】
以上説明した第1の連結形態及び第2の連結形態に係る構成によりプレキャスト部材P1とプレキャスト部材P2を連結させると、隣接するプレキャスト部材P1とプレキャスト部材P2との間に、両者を離隔させるような引っ張り力が作用し、アンカー部材36a、36bに対し引き抜き力が加わった場合であっても、アンカー部材36a、36bとその周囲のコンクリートとの間において付着力に加え支圧反力の作用により十分なアンカー力が担保される。また、アンカー部材36a、36bの形状を、一方の端部38から、他方の端部39に向かうに従って漸次的に拡径する円錐形状としたことで、引き抜き力が加わった場合であっても、局所的に応力集中が生じるといった恐れがない。
【0039】
(作用効果)
本実施の形態に係る継手装置30や、一対の継手装置30a、30bあるいは30c、30cによって構成される継手構造50によれば、上述した第1の連結形態及び第2の連結形態のいずれを採った場合でも、円錐形状のアンカー部材36とその周囲のコンクリートとの間において付着力に加え支圧反力の作用により十分なアンカー力が担保される。特に、従来の円柱部材11と比較すると、円柱部材11と周囲のコンクリートとの間では付着力のみが作用するのに対し、円錐形状であるアンカー部材36とコンクリートとの間には付着力に加え支圧反力も作用する。即ち、アンカー部材36への引き抜き力をコンクリートへの付着力と支圧反力に分解し、引き抜き抵抗力(いわゆるアンカー力)の向上が図られる。
【0040】
また、上記支圧反力は、付着力と同様にアンカー部材36の全体に作用する。そのため、アンカー部材36に局所的な応力集中が生じる恐れがなく、アンカー部材36を長尺化させることなくアンカー力を担保することができる。例えば、
図6を参照して上述したように、本発明に係るアンカー部材36をコンクリートに埋設させて引き抜く際の引き抜き抵抗力Fは、従来に比べ大幅に大きくなることは明らかであり、アンカー力(引き抜き抵抗力)の向上が図られる。これにより、継手装置30全体の長さを短く抑えることができ、鋳造部材あるいは鍛造部材として一体成形により製造することができ、部材数やコストの低減が図られる。
【0041】
以上、本発明の実施の形態の一例を説明したが、本発明は図示の形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変形例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0042】
例えば、上記実施の形態では、継手装置として雄型部材と雌型部材を用い、両者を嵌合させて継手構造を構成する場合(第1の連結形態参照)や、継手装置を一対の雌型部材で構成し、嵌合体としては別部材であるコッター部材を用いて継手構造を構成する場合(第2の連結形態参照)について説明したが、本発明技術の適用範囲はこれに限られるものではない。即ち、本発明に係る継手装置は、アンカー部材が所定形状を有していれば良く、その他の構成要素については任意に設計可能である。
【0043】
また、上記実施の形態では、アンカー部材として円錐形状を挙げて図示説明したが、本発明はこれに限られるものではない。即ち、本発明におけるアンカー部材の形状は、その断面が漸次的に拡径するものであれば良く、当該断面の形状は矩形や楕円形であっても良い。本発明に係る継手装置を適用するプレキャストコンクリート部材として、種々のセグメントや床版が考えられるが、それらセグメントや床版の断面形状は、厚み方向に狭く、幅方向に広い、といった特徴がある。このようなプレキャストコンクリート部材に継手装置を適用するにあたり、アンカー部材の断面形状も、矩形や楕円形といった、厚み方向に広がらず、幅方向に広がるような形状としても良い。これにより、厚み方向のコンクリートの残厚の狭小化、応力集中によるクラック発生防止といった効果が期待される。