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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-156497(P2021-156497A)
(43)【公開日】2021年10月7日
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20210910BHJP
   F24F 13/26 20060101ALI20210910BHJP
【FI】
   F24F1/0007 401C
   F24F13/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-57258(P2020-57258)
(22)【出願日】2020年3月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(71)【出願人】
【識別番号】305027401
【氏名又は名称】東京都公立大学法人
(74)【代理人】
【識別番号】110002192
【氏名又は名称】特許業務法人落合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松井 範幸
(72)【発明者】
【氏名】小方 聡
【テーマコード(参考)】
3L051
【Fターム(参考)】
3L051BJ10
(57)【要約】
【課題】気流に対して生じる抵抗の増大を回避しながら気流の向きを調整することができ、しかも、構造上の制約を緩和することができる空気調和機を提供する。
【解決手段】空気調和機11は、表面に、気流Smの経路45を案内する平面域46を有する風向体32と、平面域46よりも気流Smの下流側であって気流Smから遠ざかる位置で風向体32の表面に設置される第1電極49と、第1電極49に誘電体51を介して接続されて、気流Smの流れ方向に第1電極49からずれた位置に配置される第2電極52と、第1電極49および第2電極52に交流電圧を印加する制御部53とを備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に、吹出口から吹き出される気流を案内する平面域を有する風向体と、
前記平面域よりも前記気流の下流側であって前記平面域よりも外側の位置で前記風向体の表面に設置される第1電極と、
前記第1電極に誘電体を介して接続されて、前記気流の下流側に前記第1電極からずれた位置に配置される第2電極と、
前記第1電極および前記第2電極に交流電圧またはパルス状の電圧を印加する制御部と
を備えることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
請求項1に記載の空気調和機において、前記風向体は、前記第1電極および前記第2電極を支持し、前記平面域を通過した気流に対してコアンダ効果を生み出す湾曲面を有することを特徴とする空気調和機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の空気調和機において、前記風向体は、前記気流を横切る軸線回りで回転自在に支持される風向板であることを特徴とする空気調和機。
【請求項4】
請求項3に記載の空気調和機において、前記第1電極および前記第2電極は前記気流に沿って前記風向体の下流側の端部に配置されることを特徴とする空気調和機。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気調和機において、前記平面域に向き合って、前記平面域に沿って前記気流を案内する案内体を備えることを特徴とする空気調和機。
【請求項6】
請求項5に記載の空気調和機において、前記案内体は、前記気流を横切る軸線回りで回転自在に支持される案内板であることを特徴とする空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気調和機の室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、吸込口から吹出口に至る送風経路中に室内熱交換器を配置する室内機を開示する。吹出口には、水平軸回りで回転自在に風向板が配置される。風向板は、水平軸回りの移動に基づき、吹出口から吹き出される気流の向きを上下方向に変更することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5789029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、冷房運転時、冷気は吹出口から前方斜め上方に天井に向けて吹き出される。風向制御にあたってコアンダ効果は利用される。コアンダ効果によれば、風向板といった遮蔽物によって気流に対して生じる抵抗の増大を回避しながら気流の向きは調整されることができる。しかしながら、コアンダ効果の生成にあたって、長い送風路の確保や形状変更といった構造上の制約が存在した。
【0005】
本発明は、気流に対して生じる抵抗の増大を回避しながら気流の向きを調整することができ、しかも、構造上の制約を緩和することができる空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る空気調和機は、表面に、吹出口から吹き出される気流を案内する平面域を有する風向体と、前記平面域よりも前記気流の下流側であって前記平面域よりも外側の位置で前記風向体の表面に設置される第1電極と、前記第1電極に誘電体を介して接続されて、前記気流の下流側に前記第1電極からずれた位置に配置される第2電極と、前記第1電極および前記第2電極に交流電圧またはパルス状の電圧を印加する制御部とを備える。
【0007】
風向体の平面域に沿って空気が流れると、平面域から離れても空気は直線状に流れる。風向体の平面域は気流の向きを案内することができる。制御部から第1電極および第2電極に交流電圧またはパルス状の電圧が印加されると、第1電極および第2電極はいわゆるプラズマアクチュエーターとして機能することができる。平面域から離れた空気は第1電極下流のプラズマ領域に移動する。気流は曲げられる。プラズマアクチュエーターによれば、風向板といった遮蔽物によって気流に対して生じる抵抗の増大を回避しながら気流の向きは調整されることができる。しかも、風向体では平面域の下流に第1電極および第2電極が配置されればよく、長い送風路の確保や形状変更といった構造上の制約は緩和されることができる。
【0008】
前記風向体は、前記第1電極および前記第2電極を支持し、前記平面域を通過した気流に対してコアンダ効果を生み出す湾曲面を有すればよい。平面域を通過する気流はプラズマアクチュエーターの働きで湾曲面に沿って誘導される。コアンダ効果の働きで、風向板といった障害物によって気流に対して生じる抵抗の増大を回避しながら良好に気流の向きは調整されることができる。
【0009】
前記風向体は、前記気流を横切る軸線回りで回転自在に支持される風向板であればよい。風向板の軸回りの回転だけが利用される場合に比べて、風向板およびプラズマアクチュエーターの組み合わせに基づき、多様な風向制御は実現されることができる。
【0010】
前記第1電極および前記第2電極は前記風向体の下流側の端部に配置されればよい。簡単な形状で良好な風向制御は実現されることができる。
【0011】
空気調和機は、前記平面域に向き合って、前記気流を案内する案内体をさらに備えてもよい。案内体は平面域に向かって気流を誘導することができる。こうして案内された気流は、良好に平面域の下流側まで流れることができる。良好にプラズマアクチュエーターに基づく風向変更の効果を得ることができる。
【0012】
前記案内体は、前記気流を横切る軸線回りで回転自在に支持される案内板であればよい。案内板の軸回りの回転に基づき風向体と案内板との間隔が広げられたり狭められたりすることでプラズマアクチュエーターに基づく風向変更の効果は調整されることができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように開示の空気調和機によれば、気流に対して生じる抵抗の増大を回避しながら気流の向きを調整することができ、しかも、構造上の制約を緩和することができる
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る空気調和機の構成を概略的に示すブロック図である。
図2】一形態に係る室内機の外観を概略的に示す斜視図である。
図3】送風ファンの回転軸線に直交する切断面で切られた室内機の断面図である。
図4】第1実施形態に係る上下風向板の拡大部分斜視図である。
図5図4の5−5線に沿った断面図である。
図6】プラズマアクチュエーターの非作動時に気流を示す概念図である。
図7】プラズマアクチュエーターの作動時に気流を示す概念図である。
図8】第2実施形態に係る上下風向板の拡大部分斜視図である。
図9図3に対応し、第3実施形態に係る上下風向板を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(1)空気調和機の構成
図1は本発明の一実施形態に係る空気調和機11の構成を概略的に示す。空気調和機11は室内機12および室外機13を備える。室内機12は例えば建物内の室内空間に設置される。その他、室内機12は室内空間に相当する空間に設置されればよい。室内機12には室内熱交換器14が組み込まれる。室外機13には圧縮機15、室外熱交換器16、膨張弁17および四方弁18が組み込まれる。室内熱交換器14、圧縮機15、室外熱交換器16、膨張弁17および四方弁18は冷凍回路19を形成する。室外機13は、室外空気との熱交換が可能な屋外に設置されればよい。
【0016】
冷凍回路19は第1循環経路21を備える。第1循環経路21は四方弁18の第1口18aおよび第2口18bを相互に結ぶ。第1循環経路21には圧縮機15が配置される。圧縮機15の吸入管15aは四方弁18の第1口18aに冷媒配管を介して接続される。第1口18aからガス冷媒は圧縮機15の吸入管15aに供給される。圧縮機15は低圧のガス冷媒を所定の圧力まで圧縮する。圧縮機15の吐出管15bは四方弁18の第2口18bに冷媒配管を介して接続される。圧縮機15の吐出管15bからガス冷媒は四方弁18の第2口18bに供給される。冷媒配管は例えば銅管であればよい。
【0017】
冷凍回路19は第2循環経路22をさらに備える。第2循環経路22は四方弁18の第3口18cおよび第4口18dを相互に結ぶ。第2循環経路22には、第3口18c側から順番に室外熱交換器16、膨張弁17および室内熱交換器14が組み込まれる。室外熱交換器16は、室外熱交換器16を通過する冷媒と室外熱交換器16に接触する空気との間で熱エネルギーを交換する。室内熱交換器14は、室内熱交換器14を通過する冷媒と室内熱交換器14に接触する空気との間で熱エネルギーを交換する。
【0018】
室外機13には送風ファン23が組み込まれる。送風ファン23は室外熱交換器16に通風する。送風ファン23は例えば羽根車の回転に応じて気流を生成する。送風ファン23の働きで気流は室外熱交換器16を通り抜ける。室外の空気は室外熱交換器16を通り抜け冷媒と熱交換する。熱交換された冷気または暖気の気流は室外機13から吹き出される。通り抜ける気流の流量は羽根車の回転数に応じて調整される。
【0019】
室内機12には送風ファン24が組み込まれる。送風ファン24は室内熱交換器14に通風する。送風ファン24は羽根車の回転に応じて気流を生成する。送風ファン24の働きで室内機12には室内空気が吸い込まれる。室内空気は室内熱交換器14を通り抜け冷媒と熱交換する。熱交換された冷気または暖気の気流は室内機12から吹き出される。通り抜ける気流の流量は羽根車の回転数に応じて調整される。
【0020】
冷凍回路19で冷房運転が実施される場合には、四方弁18は第2口18bおよび第3口18cを相互に接続し第1口18aおよび第4口18dを相互に接続する。したがって、圧縮機15の吐出管15bから高温高圧の冷媒が室外熱交換器16に供給される。冷媒は室外熱交換器16、膨張弁17および室内熱交換器14を順番に流通する。室外熱交換器16では冷媒から外気に放熱する。膨張弁17で冷媒は低圧まで減圧される。減圧された冷媒は室内熱交換器14で周囲の空気から吸熱する。冷気が生成される。冷気は送風ファン24の働きで室内空間に吹き出される。
【0021】
冷凍回路19で暖房運転が実施される場合には、四方弁18は第2口18bおよび第4口18dを相互に接続し第1口18aおよび第3口18cを相互に接続する。圧縮機15から高温高圧の冷媒が室内熱交換器14に供給される。冷媒は室内熱交換器14、膨張弁17および室外熱交換器16を順番に流通する。室内熱交換器14では冷媒から周囲の空気に放熱する。暖気が生成される。暖気は送風ファン24の働きで室内空間に吹き出される。膨張弁17で冷媒は低圧まで減圧される。減圧された冷媒は室外熱交換器16で周囲の空気から吸熱する。その後、冷媒は圧縮機15に戻る。
【0022】
(2)室内機の構成
図2は一実施形態に係る室内機12の外観を概略的に示す。室内機12は筐体26を備える。筐体26は、部屋の壁面に直交する水平面に沿って広がる天板27と、天板27の下方で壁面に直交する水平面に沿って広がり、天板27との間に収容空間を挟む底板28とを有する。部屋は、例えば、重力方向に直交する水平面に平行な床面と、床面に垂直な壁面とを有すればよい。
【0023】
筐体26の天板27には吸込口29が形成される。室内熱交換器14に流入する空気は吸込口29から取り込まれる。筐体26には天板27の下方で室内熱交換器14の前方に複数のエアフィルタアセンブリ(図示されず)が着脱自在に装着される。
【0024】
筐体26の底板28には吹出口31が形成される。吹出口31は室内に向けて開口される。吹出口31は、室内熱交換器14で生成される冷気または暖気の気流を吹き出す。
【0025】
吹出口31には、吹出口31から吹き出される気流の向きを上下方向に変更する1枚の上下風向板(風向体)32と、上下風向板32の上面に向き合わせられる表面を有し、上下風向板32とで吹出口31からの気流を案内する1枚の案内板(案内体)33とが設置される。上下風向板32は筐体26の1部として形成されてもよい。上下風向板32および案内板33は例えば水平軸線回りに回動するように設けられてもよい。
【0026】
図3に示されるように、室内機12の筐体26内には、吸込口29から吹出口31に至る通風路34が区画される。通風路34内には軸線35回りに回転自在に送風ファン24が配置される。送風ファン24には例えばクロスフローファンが用いられる。送風ファン24の軸線35は設置時に水平方向に延びる。送風ファン24は吹出口31に平行に配置される。送風ファン24には駆動源36から軸線35回りの駆動力が伝達される。駆動源36は筐体26に支持される。送風ファン24の回転に応じて気流は室内熱交換器14を通過する。その結果、冷気または暖気の気流が生成される。冷気または暖気の気流は吹出口31から吹き出される。
【0027】
室内機12の筐体26は、室内熱交換器14を含んで、室内の壁面に取り付けられる熱交換器ユニット38と、下方から熱交換器ユニット38に連結されて、吹出口31を区画する吹出口フレーム39と、上方から吹出口フレーム39に結合されて、吸込口29を区画するメインフレーム41とを備える。吹出口フレーム39は、熱交換器ユニット38との間に送風ファン24を収容するファン空間42を区画する。吹出口31はファン空間42から連続する。送風ファン24は吹出口フレーム39に重力方向に支持される。送風ファン24が回転すると、吸込口29から流入する室内空気は室内熱交換器14を通過してファン空間42に流入する。ファン空間42の空気は吹出口31から室内に流出する。メインフレーム41は室内熱交換器14に覆い被さる。
【0028】
(3)第1実施形態に係る風向体
図4に示されるように、上下風向板32は、気流の経路45に沿って設けられる平面域46を有する。図3に示されるように、案内板33の下面33aは、平面域46に向き合うように設けられる。上下風向板32の下流側の端部64には、気流の流通方向に平面域46の下流側の端部60から連続する湾曲面47が形成される。平面域46の下流側の端部60は、例えば送風ファン24の軸線35に平行に設定される。湾曲面47は、気流を横切る方向に(すなわち軸線35に平行な水平方向に)母線を有する。湾曲面47の形状(例えば曲率)は、平面域46を通過する気流に対して生み出されるコアンダ効果の原理に従って設定されることができる。湾曲面47には、後述されるように、金属箔および誘電体フィルムの積層体で構成されるプラズマアクチュエーター48が貼り付けられる。プラズマアクチュエーター48は例えば軸線35の軸方向に湾曲面47の全域にわたって延びればよい。プラズマアクチュエーター48は軸線35の軸方向に連続して設けられていてもよく、所定の間隔を設けて複数設けられていてもよい。プラズマアクチュエーター48は、平面域46の下流側の端部60から湾曲面47にわたって設けられても良い。プラズマアクチュエーター48は軸線35の軸方向に直線状に延びてもよく湾曲しながら延びてもよい。
【0029】
図5に示されるように、プラズマアクチュエーター48は、平面域46よりも気流Smの下流側であって平面域46よりも外側の位置、つまり経路45に沿って流れる気流Smから遠ざかる位置で上下風向板32の湾曲面47に配置される第1電極49と、第1電極49に誘電体51を介して接続されて、気流Smの流れ方向(図5の矢印の方向)に第1電極49からずれた位置に配置される第2電極52と、第1電極49および第2電極52に電気的に接続されて、第1電極49および第2電極52に交流電圧またはパルス状の電圧を印加する制御部53とを備える。誘電体51には例えば湾曲面47に貼り付けられる樹脂フィルムが用いられる。樹脂フィルムは例えば数μ〜数百μmの厚みを有すればよい。
【0030】
樹脂フィルムの外表面に第1電極49は貼り付けられる。第1電極49は数μmの厚みを持つ銅箔から形成されることができる。第1電極49は気流Smの流れ方向に1〜2mm程度の長さを有すればよい。第1電極49は樹脂フィルムの表面に積層されてもよい。積層にあたって例えば蒸着は用いられることができる。
【0031】
第1電極49の下流で第2電極52は樹脂フィルムに覆われる。第2電極52は数μmの厚みを持つ銅箔から形成されることができる。第2電極52は気流の下流側に1〜2mm程度の長さを有すればよい。第2電極52は上下風向板32の湾曲面47に貼り付けられる。第2電極52は、樹脂フィルムの裏面または湾曲面47の表面に積層されてもよい。積層にあたって例えば蒸着は用いられることができる。第1電極49および第2電極52の間に樹脂フィルムが挟まれる限り、第2電極52は部分的に第1電極49に重なってもよい。制御部53は、第1電極49および第2電極52の間に数Hz〜数kHzの周波数で数kVの交流電圧を印加する。制御部53が出力する電圧の周波数は例えば可聴音領域外に設定されればよい。制御部53が出力する電圧としては、一定周波数の交流電圧、または、パルス状の電圧の他に、バースト電圧でもよい。
【0032】
(4)空気調和機の動作
空気調和機11が冷房運転または暖房運転を開始すると、室内機12の送風ファン24は回転する。送風ファン24の回転に応じて室内の室温空気は吸込口29から通風路34に吸い込まれる。空気はファン空間42を通過して吹出口31から吹き出る。このとき、図6に示されるように、気流Smは上下風向板32の平面域46に沿って流れる。案内板33は平面域46に沿って気流Smが流れるよう誘導することができる。気流Smは良好に経路45に沿って流れることができる。制御部53から第1電極49および第2電極52に交流電圧またはパルス状の電圧が印加されていなければ、気流Smが平面域46を通過すると、平面域46の直接的な案内は終了するものの気流Smは平面域46から下流方向に離れてもそのまま経路45を辿る。気流Smの向きは上下風向板32の平面域46で設定されることができる。良好に気流Smの直進性は確保されることができる。
【0033】
制御部53から第1電極49および第2電極52に交流電圧またはパルス状の電圧が印加されると、気流Smの流れ方向に第1電極49の下流で第2電極52の表面にプラズマ領域が形成される。第1電極49および第2電極52はいわゆるプラズマアクチュエーター48として機能する。プラズマ領域で発生する電離により生じた正イオンを含む空気は、第2電極52側に移動する。気流Smは湾曲面47に沿って曲げられる。コアンダ効果の働きで、風向板といった障害物によって気流に対して生じる抵抗の増大を回避しながら良好に気流Smの向きは調整されることができる。
【0034】
(5)第2実施形態に係る風向体
図8に示されるように、上下風向板(風向体)55には表裏に第1平面域56aおよび第2平面域56bが形成されてもよい。この場合には、上下風向板(風向体)55の表側の第1平面域56aには経路57aに沿って第1案内板(案内体)58aが向き合わせられればよく、裏側の第2平面域56bには同様に経路57bに沿って第2案内板(案内体)58bが向き合わせられればよい。上下風向板55の下流側の端部64には、気流の流通方向に個々の平面域56a、56bから連続する湾曲面59が形成される。第1平面域56aの下流に第1プラズマアクチュエーター61aは配置される。第2平面域56bの下流に第2プラズマアクチュエーター61bは配置される。プラズマアクチュエーター61a、61bは例えば軸線35の軸方向に連続して設けられていてもよく、所定の間隔を設けて複数設けられていてもよい。個々のプラズマアクチュエーター61a、61bはプラズマアクチュエーター48と同様に構成されればよい。また、第1案内板58aの第1平面域56a側、および、第2案内板58bの第2平面域56bのいずれか一方、または、それらの両方に、プラズマアクチュエーターを設けても良い。
【0035】
制御部53から第1プラズマアクチュエーター61aに交流電圧またはパルス状の電圧が印加されると、上側の気流は湾曲面59に沿って下向き(第2案内板58b側)に曲げられることができる。経路57bの気流は、曲げられた気流により向きを変えられる。制御部53から第2プラズマアクチュエーター61bに交流電圧またはパルス状の電圧が印加されると、下側の気流は湾曲面59に沿って上向き(第1案内板58a側)に曲げられることができる。経路57aの気流は、曲げられた気流により向きを変えられる。
【0036】
(6)第3実施形態に係る風向体
図9に示されるように、上下風向板32は気流Smを横切る水平軸線62回りで移動してもよい。上下風向板32の軸回りの回転だけが利用される場合に比べて、上下風向板32およびプラズマアクチュエーター48の組み合わせに基づき、気流に対して生じる抵抗の増大を回避しながら気流の向きを調整することができる。案内板33は水平軸線63回りで移動してもよい。案内板33の軸回りの回転に基づき上下風向板32と案内板33との間隔が広げられたり狭められたりすることでプラズマアクチュエーター48に基づく風向変更の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0037】
11…空気調和機、32…風向体(上下風向板)、45…(気流の)経路、46…平面域、47…湾曲面、49…第1電極、51…誘電体、52…第2電極、53…制御部、55…風向体(上下風向板)、56a…平面域(第1平面域)、56b…平面域(第2平面域)、57a…(気流の)経路、57b…(気流の)経路、58a…案内体(第1案内板)、58b…案内体(第2案内板)、59…湾曲面、62…風向体の軸線(水平軸線)、63…案内体の(水平軸線)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9