特開2021-156954(P2021-156954A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2021156954-カラオケ装置 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-156954(P2021-156954A)
(43)【公開日】2021年10月7日
(54)【発明の名称】カラオケ装置
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20210910BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20210910BHJP
【FI】
   G10K15/04 302D
   H04R3/00 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2020-54702(P2020-54702)
(22)【出願日】2020年3月25日
(71)【出願人】
【識別番号】516126540
【氏名又は名称】山本 裕樹
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(72)【発明者】
【氏名】山本 裕樹
【テーマコード(参考)】
5D208
5D220
【Fターム(参考)】
5D208CA01
5D208CD01
5D220DD03
(57)【要約】
【課題】歌唱中の歌唱者本人のみがガイドボーカルの音声を聴取できる機能を備えたカラオケ装置を提供する。
【解決手段】カラオケ装置10は、カラオケの楽曲と同期してガイドボーカルの音声を出力する歌唱補助機能を有するものであり、ガイドボーカルの音声を無線信号にて送信するガイドボーカル送信手段(無線送受信機3)と、ガイドボーカル送信手段(無線送受信機3)から送信される無線信号を受信して歌唱者8のみが聴取可能な音声として出力する音声出力手段(イヤホン7)と、を備えている。音声出力手段(イヤホン7)が出力するガイドボーカルの音声の音量はボリューム摘み3aを操作することにより増減可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケの楽曲と同期してガイドボーカルの音声を出力する歌唱補助機能を有するカラオケ装置であって、前記ガイドボーカルの音声を有線信号若しくは無線信号にて送信するガイドボーカル送信手段と、前記ガイドボーカル送信手段から送信される有線信号若しくは無線信号を受信して歌唱者のみが聴取可能な音声として出力する音声出力手段と、を備えたカラオケ装置。
【請求項2】
前記音声出力手段が、イヤホン、ヘッドホン若しくはネックスピーカーの何れかである請求項1記載のカラオケ装置。
【請求項3】
前記音声出力手段が出力する前記ガイドボーカルの音声の音量が増減可能である請求項1または2記載のカラオケ装置。
【請求項4】
前記ガイドボーカル送信手段若しくは前記音声出力手段の少なくとも一方に、前記ガイドボーカル送信手段の送信機能若しくは前記音声出力手段の受信機能の少なくとも一方を作動・停止するスイッチ機構を設けた請求項1〜3の何れかの項に記載のカラオケ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歌唱者が歌唱する楽曲の伴奏部分を再生する機能を有するカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のカラオケ装置は、歌詞字幕付きの映像と楽音とを発生させるだけでなく、歌唱者を様々な形でサポートする機能を有するものが提案されているが、本発明に関連するものとして、例えば、特許文献1に記載された「楽音発生装置」や特許文献2に記載された「カラオケ装置」などがある。
【0003】
特許文献1に記載された「楽音発生装置」は、歌唱者本人だけに歌詞ガイド音声が聞き取りやすくするため、歌詞ガイド音声を出力したいスピーカを歌唱者に設定画面から指定させて受け付け、その指定に従って指定されたスピーカからの演奏音量や歌詞ガイド音声のバランスを設定する機能を備えている。
【0004】
特許文献2に記載された「カラオケ装置」は、他の顧客に気付かれずに、歌唱者のみが歌唱を支援するガイド音(ガイドボーカル、ガイドメロディ、フレーズ、メトロノームなど)を聞くことができるようにするため、歌唱者の歌唱位置のみに対して、ガイド音からなる指向性ビームを放音する機能を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−37827号公報
【特許文献2】特開2008−209597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された「楽音発生装置」並びに特許文献2に記載された「カラオケ装置」は、何れも歌唱者のみに歌詞ガイド音声(ガイド音)が聞こえるような機能を備えているが、現実的には、指定されたスピーカから出力される歌詞ガイド音声や指向性ビームで放音されるガイド音が歌唱者以外の周囲の人に聞こえることがあるのが実状である。
【0007】
このように、歌唱中の歌唱者以外の人に歌詞ガイド音声やガイド音などが聞こえると、興ざめであり、歌唱者本人からすれば心理的に面白くないので、カラオケの楽しさを満喫できないという状況が生じている。
【0008】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、歌唱中の歌唱者本人のみがガイドボーカルの音声を聴取できる機能を備えたカラオケ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るカラオケ装置は、カラオケの楽曲と同期してガイドボーカルの音声を出力する歌唱補助機能を有するカラオケ装置であって、前記ガイドボーカルの音声を有線信号若しくは無線信号にて送信するガイドボーカル送信手段と、前記ガイドボーカル送信手段から送信される有線信号若しくは無線信号を受信して歌唱者のみが聴取可能な音声として出力する音声出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
前記カラオケ装置においては、前記音声出力手段は、イヤホン、ヘッドホン若しくはネックスピーカーの何れかを使用することができる。
【0011】
前記カラオケ装置においては、前記音声出力手段が出力する前記ガイドボーカルの音声の音量が増減可能であることが望ましい。
【0012】
前記カラオケ装置においては、前記ガイドボーカル送信手段若しくは前記音声出力手段の少なくとも一方に、前記ガイドボーカル送信手段の送信機能若しくは前記音声出力手段の受信機能の少なくとも一方を作動・停止するスイッチ機構を設けることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、歌唱中の歌唱者本人のみがガイドボーカルの音声を聴取できる機能を備えたカラオケ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態であるカラオケ装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図1に基づいて、本発明の実施形態であるカラオケ装置10について説明する。図1に示すように、カラオケ装置10は、カラオケ本体1と、モニター画面2と、無線送受信機3と、音声増幅器(アンプ)4と、スピーカ5と、マイクロフォン6と、無線式のイヤホン7と、を備えている。カラオケ装置10は、カラオケの楽曲と同期してガイドボーカルの音声を出力する歌唱補助機能を有している。
【0016】
カラオケ本体1は、専用回線(若しくは電話回線)を経由して配信されるカラオケの楽曲信号及び映像信号などを受信し、映像信号をモニター画面2へ送信し、楽曲信号を無線送受信機3へ送信する。モニター画面2は、カラオケ本体1から送信される映像信号に基づいて動画映像及び歌詞字幕などを表示する。
【0017】
ガイドボーカルの音声を無線信号にて送信するガイドボーカル送信手段である無線送受信機3は、カラオケ本体1から送信される楽曲信号を受信してガイドボーカルの音声信号と伴奏信号とに分離し、ガイドボーカルの音声信号を無線信号に変換して発信するとともに、伴奏信号を音声増幅器4へ送信する。
【0018】
イヤホン7は、無線送受信機3が発信したガイドボーカルの音声の無線信号を受信して人間の耳で聴取できる音声に変換して出力し、歌唱者8の耳に伝達する。音声出力手段であるイヤホン7が出力するガイドボーカルの音声の音量は、イヤホン7に設けられたボリューム(図示せず)若しくは無線送受信機3に設けられたボリューム摘み3aを操作することにより増減可能である。音声増幅器4は、無線送受信機3から送信されたカラオケの伴奏信号を増幅し、複数のスピーカ5,5へ伝達し、スピーカ5,5から伴奏音として出力する。
【0019】
マイクロフォン6は、歌唱者8が発する音声を拾って電気信号に変換するとともに無線信号化して発信する。マイクロフォン6が発信した無線信号は無線送受信機3が受信して音声信号化して音声増幅器4へ送信され、音声増幅器4で増幅された音声信号が複数のスピーカ5,5へ伝達され、スピーカ5,5から歌唱者8の歌唱音声として出力される。
【0020】
カラオケ装置10の使い方は、従来のカラオケ装置と同様であり、操作パネル9を手動操作して楽曲の選択並びにスタート操作を行うと、スピーカ5,5から伴奏音が流れ出すとともに、モニター画面2に動画映像及び歌詞字幕などが表示されるので、歌唱者8はマイクロフォン6を手に持って、スピーカ5,5から流れ出す伴奏音に合わせてモニター画面2を見ながら歌唱することができ、このときの歌唱者8の歌唱音声はスピーカ5,5から伴奏音と共に流れる。
【0021】
一方、無線送受信機3から無線信号化されて発信されたガイドボーカルの音声信号はイヤホン7が受信して歌唱者8の耳に伝達するので、歌唱者8はイヤホン7から聞こえるガイドボーカルの音声を参考にしながら歌唱することができる。歌唱中、ガイドボーカルの音声はイヤホン7から歌唱者8のみが聴取できるので、歌唱者8以外の人にガイドボーカルが聞こえて興ざめしたり、歌唱者8本人が心理的に面白くない状況に陥ったりすることがなくなり、カラオケの楽しさを満喫することができる。
【0022】
前述したように、イヤホン7が出力するガイドボーカルの音声の音量は、イヤホン7に設けられたボリューム調節手段(図示せず)若しくは無線送受信機3に設けられたボリューム摘み3aを操作することにより増減可能であるため、歌唱者8の好みに応じた音量に設定することができる。
【0023】
なお、イヤホン7から出力される音声はガイドボーカルに限定されないので、その他の音声、例えば、歌詞ガイド音声やガイド音(間奏を予告したり、歌い初めや歌唱の再開を予告したりする音声)などの歌唱者8をサポートする各種音声を出力するようにすることもできる。また、カラオケ装置10においては、ガイドボーカル送信手段である無線送受信機3からの無線信号を受信して歌唱者8のみが聴取可能な音声として出力する音声出力手段としてイヤホン7を使用しているが、これに限定しないので、その他の音声出力手段であるヘッドホン若しくはネックスピーカーなどを使用することもできる。
【0024】
さらに、カラオケ装置10においては、ガイドボーカル送信手段である無線送受信機3からイヤホン7へ無線信号を介してガイドボーカルの音声信号を送信しているが、これに限定しないので、ガイドボーカルの音声信号などを有線信号として送信ケーブルを介してイヤホン7へ送信することもできる。
【0025】
カラオケ装置10においては、音声出力手段であるイヤホン7の受信機能を作動・停止するスイッチ機構(図示せず)を設けているので、ガイドボーカルの音声が不要なときは前記スイッチ機構を操作してイヤホン7の受信機能を停止することができる。また、ガイドボーカル送信手段である無線送信機3のボリューム摘み3aに、無線送信機3からイヤホン7への送信機能を作動・停止するスイッチ機構(図示せず)を付加すれば、ガイドボーカルの音声が不要なとき、ボリューム摘み3aのスイッチ機構を操作してイヤホン7への送信機能を停止することにより対応可能となる。
【0026】
本実施形態に係るカラオケ装置10は、専用回線(若しくは電話回線)を経由して配信されるカラオケの楽曲信号及び映像信号などを受信してスピーカ5,5やモニター画面2から出力して歌唱者8の伴奏に供するものであるが、これに限定しないので、楽曲の情報を記録した記録媒体を備え、この記録媒体から選択された楽曲をスピーカ5,5やモニター画面2から出力して歌唱者8の伴奏に供するタイプのカラオケ装置(図示せず)においても実施することができる。
【0027】
なお、図1に基づいて説明したカラオケ装置10は、本発明に係るカラオケ装置の一例を示すものであり、本発明に係るカラオケ装置は前述したカラオケ装置10に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明に係るカラオケ装置は、業務用カラオケ装置や家庭用カラオケ装置などの分野において広く利用することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 カラオケ本体
2 モニター画面
3 無線送受信機
3a ボリューム摘み
4 音声増幅器(アンプ)
5 スピーカ
6 マイクロフォン
7 イヤホン
8 歌唱者
9 操作パネル
10 カラオケ装置
図1