【解決手段】光線射出システム1は、エアロゾルが流れる流路を形成する送風器10と、光線を出射するエミッタ30とを備え、光線の少なくとも一部は、エアロゾルの流路に沿って伝搬する。出射された前記光線の少なくとも一部は、前記エアロゾルに散乱されて可視化される。エアロゾル生成器20は、液体を格納する容器21と、前記液体を加熱することで前記エアロゾルを生成するヒータ、前記液体を振動させる超音波振動子、及び、前記液体に気体を送風するファン12の少なくともいずれかと、を有する。
前記エミッタは、1つの前記光源が出射した前記光線である第1光線を第1分割光線と、前記第1分割光線と波長の異なる第2分割光線とに分割するビームスプリッターを有する
請求項18に記載の光線射出システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の一態様に係る光線射出システムは、エアロゾルが流れる流路を形成する送風器と、光線を出射するエミッタとを備え、前記光線の少なくとも一部は、前記エアロゾルの前記流路に沿って伝搬する。
【0011】
これによれば、流路に沿って流れるエアロゾルに光線が照射されることで、照射された光線を浮かび上がらせることができる。つまり、光線がエアロゾルに拡散されることで、エアロゾルが流れる流路を光らせることができるため、明るい空間でも光線を視認し易い態様にすることができる。
【0012】
したがって、光線射出システムでは、光線を明確に認識することができる。
【0013】
特に、どの方向から見ても光線を視認することができるため、この光線射出システムでは、設置場所は限定されない。
【0014】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムにおいて、前記エアロゾルは、ミストを含む。
【0015】
これによれば、エアロゾルがミストであれば、簡易に光線を可視化することができる。
【0016】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムにおいて、前記送風器は、前記エアロゾルを第1方向に流し、前記光線の少なくとも一部は、前記第1方向に沿って伝搬する。
【0017】
これによれば、送風器がエアロゾルを流す第1方向と同様の方向に、エミッタが光線を出射することができる。つまり、エミッタを送風器の近くに配置することができるため、光線射出システムの配置領域が大きくなり難い。
【0018】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムにおいて、前記送風器は、前記エアロゾルを第1方向に流し、前記光線の少なくとも一部は、前記第1方向とは反対の第2方向に沿って伝搬する。
【0019】
これによれば、エミッタを送風器から離れた位置に配置しても、光線を明確に認識することができる。また、エミッタの配置の自由度を向上させることができる。
【0020】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムにおいて、前記光線の少なくとも一部が伝搬する方向は、前記第1方向と一致する。
【0021】
これによれば、光線がエアロゾルの流れる方向に沿い、かつ、一致する方向に照射されるため、光線をより長く可視化することができる。
【0022】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムにおいて、前記光線の少なくとも一部が伝搬する方向は、前記第2方向に一致する。
【0023】
この光線射出システムにおいても上述と同様の作用効果を奏する。
【0024】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムにおいて、前記第1方向に対する前記光線の少なくとも一部が伝搬する方向の角度は、15°以下である。
【0025】
例えば、第1方向に対する光線の少なくとも一部が伝搬する方向の角度が15°よりも大きければ、光線の大部分が流路を流れるエアロゾルから放射されてしまい、光線を長距離の間、可視化することは困難になる。しかし、本開示によれば、光線がエアロゾルの流路に沿って伝搬するため、光線をより長く可視化することができ易くなる。
【0026】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムにおいて、前記第2方向に対する前記光線の少なくとも一部が伝搬する方向の角度は、15°以下である。
【0027】
例えば、第2方向に対する光線の少なくとも一部が伝搬する方向の角度が15°よりも大きければ、光線の大部分が流路を流れるエアロゾルから放射されてしまい、光線を長距離の間、可視化することは困難になる。しかし、本開示によれば、光線がエアロゾルの流路に沿って伝搬するため、光線をより長く可視化することができ易くなる。
【0028】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムにおいて、前記出射された前記光線の少なくとも一部は、前記エアロゾルに散乱されて可視化される。
【0029】
これによれば、エアロゾルは光線を拡散するため、ユーザは、光線を確実に視認することができる。
【0030】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムにおいて、前記送風器は、気流に沿って前記エアロゾルを吸い込む第1開口と、前記第1開口から吸い込んだ前記エアロゾルを前記流路に吐き出す第2開口とを有する第1筒体と、前記第1筒体内に前記気流を発生させるファンと、を有する。
【0031】
これによれば、ファンが第1筒体内に発生させた気流(風)によって、第1開口から第2開口に向かって延びる方向にエアロゾルの流路を形成することができる。このため、この流路に沿って光線を照射すれば、光線がエアロゾルに拡散されることで、エアロゾルが流れる流路を光らせることができる。
【0032】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムは、さらに、前記エアロゾルを生成するエアロゾル生成器を備える。
【0033】
これによれば、簡易にエアロゾルを生成することができる。
【0034】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムにおいて、前記エアロゾル生成器は、液体を格納する容器と、前記液体を加熱することで前記エアロゾルを生成するヒータ、前記液体を振動させる超音波振動子、及び、前記液体に気体を送風するファンの少なくともいずれかと、を有する。
【0035】
これによれば、液体から簡易にエアロゾルを生成することができる。
【0036】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムにおいて、前記送風器は、気流を発生させることで、前記エアロゾルが流れる前記流路を形成するファンと、前記気流に沿って前記エアロゾルを吸い込む第1開口と、前記第1開口から吸い込んだ前記エアロゾルを前記流路に吐き出す第2開口とを有する第1筒体とを有し、前記エアロゾル生成器は、前記第1開口に前記エアロゾルを案内する第2筒体を有する。
【0037】
これによれば、第1開口から第2開口に向かって延びる流路が形成されているため、エアロゾル生成器が生成したエアロゾルを、第1開口から容易に乗せる(流せる)ことができる。このため、エアロゾルの流路を簡易に形成することができる。
【0038】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムにおいて、前記送風器は、気流を発生させることで、前記エアロゾルが流れる前記流路を形成するファンと、気体を吸い込む第1開口と、前記第1開口から吸い込んだ気体を吐き出す第2開口とを有する第1筒体とを有し、前記エアロゾル生成器は、前記流路に前記エアロゾルを案内する第2筒体を有し、前記第2筒体は、前記第1開口から挿入され、前記第1筒体と離間した状態で保持される。
【0039】
これによれば、第1筒体と第2筒体との間には送風器によって第1開口から第2開口に向かう気流が生まれ、流路を形成する。つまり、気流は、第2筒体を包むような流路を形成するため、第2筒体によって案内されて第2筒体から排出されたエアロゾルが流路を流れる。このため、エアロゾルを流路に沿って均一に流すことができる。
【0040】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムにおいて、前記第1筒体は、前記第1開口及び前記第2開口を形成する内筒体と、前記第1開口側の端縁で前記内筒体と接続され、前記内筒体との間に隙間を形成するように前記内筒体の外周を覆う外筒体と、を有する二重壁筒体であり、前記第1筒体には、前記内筒体と前記外筒体との間に、前記ファンによって送風される気体が流入する前記隙間と、前記隙間に流入した気体が排出される第3開口とが形成される。
【0041】
これによれば、第3開口から第1方向に向かう気流が発生するためで、内筒体の内周側がコアンダ効果によって第1開口から第2開口に向かう気流を発生させることができる。このため、第1筒体からは、ファンによる気流の風力以上の、気流を生むことができる。
【0042】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムにおいて、前記エアロゾル生成器は、前記送風器と前記エミッタとの間に位置する。
【0043】
これによれば、エアロゾル生成器が生成したエアロゾルを、送風器が発生させた流路に容易に流すことができる。
【0044】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムにおいて、前記送風器は、前記エミッタと前記エアロゾル生成器との間に位置する。
【0045】
これによれば、送風器、エミッタ及びエアロゾル生成器を近くに配置することができるため、光線射出システムでは、大型化し難くなる。
【0046】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムにおいて、前記エミッタは、1以上の光線をそれぞれ出射する1以上の光源と、前記1以上の光源のそれぞれから出射された前記1以上の光線のそれぞれを一対一で前記エアロゾルに案内する長尺の1以上の導光体とを有する。
【0047】
これによれば、1以上の光源を用いて、波長の異なる複数種類の光線を出射することができる。このため、複数のエアロゾルが流れる流路を形成し、これらの流路に沿って複数種類の光線を伝搬させれば、エアロゾルが流れる流路を面状に可視化することができる。
【0048】
また、複数の光源によって、色の異なる光線を用いることによって、エアロゾルが流れる流路を伝搬する光線の色を変えることができるため、エアロゾルが流れる流路の表示態様を変更することができる。
【0049】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムにおいて、前記エミッタは、1つの前記光源が出射した前記光線である第1光線を第1分割光線と、前記第1分割光線と波長の異なる第2分割光線とに分割するビームスプリッターを有する。
【0050】
これによれば、1つの光源を用いて、波長の異なる複数種類の光線を出射することができる。このため、エアロゾルが流れる流路を伝搬する光線の色を変えることができるため、エアロゾルが流れる流路の表示態様を変更することができる。
【0051】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムにおいて、前記第1分割光線は、前記エアロゾルの前記流路に沿って伝搬する。
【0052】
これによれば、第1分割光線がエアロゾルに照射されるため、第1分割光線を確実に可視化することができる。
【0053】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムにおいて、前記エミッタは、前記第2分割光線の向きを、前記エアロゾルの前記流路に沿った向きに変える光学素子を有する。
【0054】
これによれば、第2分割光線がエアロゾルに照射されるため、第2分割光線を確実に可視化することができる。また、第1分割光線と異なる色の光線であるため、エアロゾルが流れる流路を伝搬する光線の色を変えることができるため、エアロゾルが流れる流路の表示態様を変更することができる。
【0055】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムにおいて、前記エミッタは、前記光線を出射する光源と、前記光源から出射された前記光線を案内する長尺の導光体とを有し、前記導光体は、前記第1開口から前記第2開口を挿通し、前記第2開口から突出している。
【0056】
これによれば、第2開口から突出した導光体がエアロゾルの流れる流路に光線を案内するため、光源からこの流路まで光線の減衰が抑制される。特に、第2開口近傍ではエアロゾルの密度が高いため、密度の高いエアロゾルによる光線の極端な減衰を抑制することができる。このため、エアロゾルまで確実に光線を導くことができるため、エアロゾル内を伝搬する光線をより確実に認識することができる。
【0057】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムにおいて、前記光源は、LED(LightEmittingDiode)又は、レーザダイオードである。
【0058】
これによれば、一般的に流通しているLED又はレーザダイオードを用いることで、容易に光線射出システムを実現することができる。
【0059】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムにおいて、前記エミッタは、さらに、前記光線のオンオフを切り替えるプロセッサを有する。
【0060】
これによれば、エアロゾルに浮かび上がる光線を表示したり非表示にしたりすることができる。
【0061】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムは、さらに、前記エミッタを揺動させる駆動部を備える。
【0062】
これによれば、エアロゾルが流れる流路に、面状化された光線を照射することができるため、面状化された光線を可視化することができる。
【0063】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムは、エアロゾルを生成するエアロゾル生成器と、前記エアロゾルが流れる流路を形成する送風器と、第1光線を出射する第1エミッタと、前記第1光線が伝搬する向きを、前記エアロゾルの前記流路に沿った向きに変える光学素子と、第2光線を出射する第2エミッタとを備え、前記第2光線の少なくとも一部は、前記エアロゾルの前記流路に沿って伝搬する。
【0064】
これによれば、流路に沿って流れるエアロゾルに第1光線及び第2光線が照射されることで、照射された第1光線及び第2光線を浮かび上がらせることができる。つまり、光線がエアロゾルに拡散されることで、エアロゾルが流れる流路を光らせることができるため、明るい空間でも第1光線及び第2光線を視認し易い態様にすることができる。
【0065】
したがって、光線射出システムでは、第1光線及び第2光線を明確に認識することができる。
【0066】
特に、どの方向から見ても第1光線及び第2光線を視認することができるため、この光線射出システムでは、設置場所は限定されない。
【0067】
また、本開示の他の態様に係る光線射出システムにおいて、前記第1光線の波長は、前記第2光線の波長と異なる。
【0068】
これによれば、複数種類の光線をエアロゾルに浮かび上がらせることができる。つまり、2種類以上の色の光線によって、エアロゾルが流れる流路を伝搬する光線の色を変えることができるため、エアロゾルが流れる流路の表示態様を変更することができる。
【0069】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0070】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0071】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。また、以下の実施の形態において、略平行等の表現を用いる。例えば、略平行は、完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行である、すなわち、例えば数%程度の誤差を含むことも意味する。また、略平行は、本開示による効果を奏し得る範囲において平行という意味である。他の「略」を用いた表現についても同様である。
【0072】
(実施の形態1)
[構成:光線射出システム1]
図1は、実施の形態1における光線射出システム1を示すブロック図である。
図2は、実施の形態1における光線射出システム1を示す斜視図である。
【0073】
図1及び
図2に示すように、光線射出システム1は、気流を発生させた気体の流路にエアロゾルを流し、その流路に光線を照射することで、エアロゾルによって光線を拡散させて、エアロゾルの流路を浮かび上がらせるシステムである。ここでエアロゾルとは、分散相(分散媒ともいう)としての固体又は液体と、連続相としての気体との混合物である。つまり、エアロゾルとは、気体の中に固体又は液体の微粒子が分散し、浮遊している混合物を示す。エアロゾルは、例えば、ミストを含む。また、気体とは、本実施の形態では空気であるが、空気以外の気体、酸素、窒素等であってもよい。また、本実施の形態では、エアロゾルには、光を反射する反射材を含んでいてもよい。
【0074】
光線射出システム1は、送風器10と、エアロゾル生成器20と、エミッタ30と、制御部40とを備える。
【0075】
<送風器10>
図3は、実施の形態1における光線射出システム1を第1方向に切断した場合を示す断面図である。
【0076】
図2及び
図3に示すように、送風器10は、気流を発生させることで、気体を第1方向に流す流路を形成することができる送風機器である。送風器10は、気体の流路を発生させることで、エアロゾルを流路に沿って流す。つまり、送風器10は、エアロゾルが流れる流路を形成する。第1方向は、送風器10が気体を流す方向を示す送風方向であり、本実施の形態では前方である。以下、第1方向のことを前方と言う場合がある。
【0077】
送風器10は、エアロゾル生成器20及びエミッタ30の前方、より具体的にはエアロゾル生成器20の直前に配置される。前方とは、エアロゾル生成器20がエアロゾルを排出する方向側であり、エミッタ30が光線を出射する方向側である。
【0078】
送風器10は、収容部11と、ファン12と、
図1の電源部13と、送風案内部14と、第1筒体15とを有する。
【0079】
収容部11は、ファン12を収容する筐体であり、地面及び床面等の設置面に載置される。本実施の形態では、収容部11は、第1筒体15の鉛直下方側に配置される。なお、収容部11は、第1筒体15の鉛直下方側に配置されていなくてもよい。
【0080】
収容部11には、給気孔11aと、排気孔11bとが形成される。給気孔11aは、例えば、収容部11の前方側又は側方側に形成され、ファン12が気体を送風するために気体を給気する開口である。本実施の形態では、排気孔11bは、収容部11の天井側に形成され、送風案内部14と接続される。つまり、排気孔11bは、ファン12によって排出された気体を送風案内部14に案内する開口である。
【0081】
ファン12は、収容部11の給気孔11aから気体を取り込み、排気孔11bから気体を排気することで、送風器10内に気流を発生させる送風機器である。ファン12が発生させた気流は、収容部11の排気孔11bを介して送風案内部14及び第1筒体15に案内されて、送風器10の外部に流れる。ファン12は、気流を発生させることで、エアロゾルが流れる流路を形成する。本実施の形態では、ファン12は、収容部11に収容され、排気孔11bに向けて気流を発生させるように載置される。
【0082】
ファン12は、制御部40から制御コマンドを取得すると、風量を調節する。つまり、ファン12は、制御部40によって制御されることで、風量を強めたり弱めたりすることができる。
【0083】
図1に示すように、電源部13は、ファン12を駆動させるための電力を供給する電源モジュールである。電源部13は、制御部40によって制御されることで、ファン12に供給する電力をオンにしたり、オフにしたりする。
【0084】
図2及び
図3に示すように、送風案内部14は、ファン12によって発生された気流を上方に案内する、鉛直方向に延びる長尺の管である。送風案内部14は、一端である鉛直方向下端が収容部11の排気孔11bを囲むように、排気孔11bに接続されて固定される。また、送風案内部14は、他端である鉛直方向上端が第1筒体15の接続孔15dに接続されて固定される。
【0085】
第1筒体15は、ファン12によって発生された気流を第1方向に流すことで、第1方向にエアロゾルが流れる流路を発生させる。つまり、第1筒体15は、流路の方向を規定することができる送風体である。第1筒体15の外周側面には接続孔15dが形成され、第1筒体15の内部には、ファン12によって発生された気流が、送風案内部14を介して接続孔15dから流入する。
【0086】
また、第1筒体15は、接続孔15dを囲むように、送風案内部14の鉛直方向上端に接続されて固定される。
【0087】
第1筒体15は、前後方向に開放している無底の筒体である。具体的には、第1筒体15は、気体を吸い込む第1開口15aと、第1開口15aから吸い込んだ気体を吐き出す第2開口15bとを有する。後方とは、第2方向の一例であり、第1方向の反対方向である。以下、第2方向のことを後方と言う場合がある。
【0088】
図4は、実施の形態1における光線射出システム1における第1筒体15、第2筒体25及び導光体33を示す断面図である。
【0089】
より具体的には、
図3及び
図4に示すように、第1筒体15は、内筒体16aと、外筒体16bと、を有する二重壁筒体である。また、第1筒体15には、内筒体16aと外筒体16bとの間に、ファン12によって送風される気体が流入する隙間K(空間)と、隙間Kに流入した気体が排出される第3開口17とが形成される。
【0090】
内筒体16aは、前後方向に開放している無底の筒体である。本実施の形態では、内筒体16aは、円柱状であるが、角柱状であってもよい。内筒体16aは、第1開口15a及び第2開口15bを形成し、外筒体16bの内周側に配置される。
【0091】
外筒体16bは、前後方向に開放している無底の筒体である。外筒体16bは、内筒体16aに応じた形状であり、本実施の形態では、円柱状であるが、角柱状であってもよい。
【0092】
外筒体16bは、外筒体16bの中心軸が内筒体16aの中心軸と一致するように、内筒体16aの外周側であり、かつ、内筒体16aに対して同心円状に配置される。外筒体16bは、第1開口15a側の端縁で内筒体16aと接続され、内筒体16aとの間に隙間Kを形成するように内筒体16aの外周を覆う。つまり、第1筒体15が第1方向つまり前方に気流を発生させるために、内筒体16a及び外筒体16bの一端側である第1開口15a側において、内筒体16aと外筒体16bとが連結し、内筒体16aと外筒体16bとの間を塞いでいる。
【0093】
また、外筒体16bの外周側面には、送風案内部14の鉛直方向上端と接続する接続孔15dが形成される。これにより、内筒体16aと外筒体16bとの間に形成された隙間Kには、ファン12によって気流が発生する。この隙間Kに発生した気流は、外筒体16bの内周面と内筒体16aの外周面との周囲に沿いながら、第3開口17を通過して第1方向に向かう。第3開口17から第1方向に気体が流れるため、内筒体16aの内周面側にコアンダ効果による気体の移動が生じる。つまり、内筒体16aの第1開口15aから第2開口15bに向かって気体が流れる。
【0094】
図2及び
図3に示すように、また、第1筒体15には、第1開口15aから第2開口15bに向けて、エアロゾル生成器20の第2筒体25が挿入される。本実施の形態では、第2開口15bから第2筒体25の先端は、突出長さHだけ飛び出ている。突出長さHは、導光体33が第2開口15bから第1方向に飛び出ている量である。
【0095】
本実施の形態では、第1筒体15から流れる気体の風速は、5(m/sec)〜30(m/sec)である。
【0096】
<エアロゾル生成器20>
エアロゾル生成器20は、エアロゾルを生成し、生成したエアロゾルを排出する装置である。エアロゾル生成器20は、送風器10とエミッタ30との間に位置する。
【0097】
エアロゾル生成器20は、容器21と、生成部22と、
図1の電源部23と、エアロゾル案内部24と、第2筒体25と、を有する。
【0098】
容器21は、エアロゾルを生成する基となる液体を格納する筐体であり、地面及び床面等の設置面に載置される。本実施の形態では、容器21は、第2筒体25の鉛直下方側に配置される。なお、容器21は、第2筒体25の鉛直下方側に配置されていなくてもよい。液体つまりエアロゾルには、光を反射する反射材、蛍光体等を含んでいてもよい。液体は、水、油等である。
【0099】
容器21には、エアロゾルを吐き出すための排出孔21aが形成される。排出孔21aは、容器21の天井側に形成され、エアロゾル案内部24と接続される。つまり、排出孔21aは、エアロゾルをエアロゾル案内部24に案内する開口である。
【0100】
生成部22は、エアロゾルを生成する装置であり、容器21に収容される。本実施の形態では、生成部22は、液体に浸けられている。例えば、生成部22は、液体を加熱することでエアロゾルを生成するヒータ、液体を振動させる超音波振動子、及び、液体に気体を送風するファンの少なくともいずれかである。生成部22は、生成したエアロゾルを送り出すためのファンを有し、エアロゾル案内部24及び第2筒体25を介して、送風器10が発生させる流路に流す。
【0101】
生成部22は、制御部40から制御コマンドを取得することで、生成するエアロゾルの温度を調節したり、単位時間当たりのエアロゾルの噴出量(生成量)を調節したりする。つまり、生成部22は、制御部40によって制御されることで、エアロゾルの温度を高めたり弱めたりすることができ、かつ、エアロゾルの噴出量を強めたり弱めたりすることができる。
【0102】
図1に示すように、電源部23は、生成部22を駆動させるための電力を供給する電源モジュールである。電源部23は、制御部40によって制御されることで、生成部22に供給する電力をオンにしたり、オフにしたりする。
【0103】
図2及び
図3に示すように、エアロゾル案内部24は、エアロゾルを上方に案内する、鉛直方向に延びる長尺の管である。エアロゾル案内部24は、一端である鉛直方向下端が容器21の排出孔21aを囲むように、排出孔21aに接続されて固定される。また、エアロゾル案内部24は、他端である鉛直方向上端が第2筒体25の接続孔25dに接続されて固定される。
【0104】
エアロゾル案内部24は、一部がクランク状(S字状)に曲げられたクランク部24aを有する。クランク部24aには、図示しない水受け部と、図示しないメッシュ部とが設けられる。水受け部は、クランク部24aに形成された窪み(凹部)であり、エアロゾル案内部24の内面に発生した液滴を貯留する。液滴は、エアロゾルが液体に戻ることで発生し、一部が自重によりエアロゾル案内部24に落下する。メッシュ部は、水受け部に配置され、液滴を吸収し保持する。メッシュ部は、例えばスポンジ、生地等である。
【0105】
なお、エアロゾル案内部24は、クランク部24aを有していなくてもよい。つまり、容器21の排出孔21aから後述する第2筒体25の接続孔25dまで直線状に延びていてもよい。この場合、エアロゾル案内部24に、水受け部及びメッシュ部が設けられていてもよく、設けられていなくてもよい。つまり、クランク部24a、水受け部及びメッシュ部は、エアロゾル生成器20の必須の構成要件ではない。
【0106】
第2筒体25は、送風器10によって発生された気体の流路にエアロゾルを案内する案内部である。第2筒体25の外周側面には接続孔25dが形成され、第2筒体25の内部には、生成部22によって生成されたエアロゾルが、エアロゾル案内部24を介して接続孔25dから流入する。
【0107】
また、第2筒体25は、接続孔25dを囲むように、エアロゾル案内部24の鉛直方向上端に接続されて固定される。また、第2筒体25の後方側の端部である第2筒体25の底部には、後述するエミッタ30の導光体33が挿入される挿入孔25eが形成される。
図4の挿入孔25eは、第2筒体25の底部の中央部分に形成される。本実施の形態では、挿入孔25eの開口面は、第2筒体25の中心軸と略直交する。
【0108】
また、第2筒体25は、第2筒体25の中心軸が第1筒体15の中心軸と一致するように、第1筒体15の内周側であり、かつ、第1筒体15に対して同心円状に配置される。第2筒体25は、第1筒体15と離間した状態でエアロゾル案内部24に保持される。第2筒体25は、第1開口15aから第2開口15bに向けて第1筒体15に挿入される。本実施の形態では、第2筒体25は、第1筒体15を挿通している。
【0109】
また、第2筒体25は、前方側が開放している有底の筒体である。具体的には、第2筒体25には、エアロゾルを流路に沿って流すための、エアロゾルを吐き出す吐出口25aが形成される。本実施の形態では、吐出口25aは、第1筒体15の第2開口15bよりも前方側に位置している。なお、吐出口25aは、第1筒体15における第1開口15aと第2開口15bとの間に配置されていてもよく、第1開口15aの後方に配置されていてもよい。
【0110】
本実施の形態において、エアロゾルが届く距離は、送風器10の性能に依存するが、例えば、数(m)から数十(m)である。
【0111】
<エミッタ30>
エミッタ30は、規定波長範囲内の光線(ビーム)を出射するエミッタ装置である。エミッタ30は、送風器10及びエアロゾル生成器20の後方に配置され、流路を流れるエアロゾルに沿って光線を照射する。これにより、光線は、エアロゾルの流路に沿って伝搬する。沿って伝搬するとは、エアロゾルの流路の第1方向と光線とが平行又は実質的に平行であり、エアロゾルの流路内を光線が伝搬することを意味する。本実施の形態では、エミッタ30は、第1方向に光線を出射する。具体的には、第1方向に対する光線が伝搬する方向の角度は、15°以下である。
【0112】
また、光線は、エアロゾルの流路の軸心と一致又は実質的に一致していてもよい。本実施の形態では、光線は、エアロゾル(つまり流路)の内部を伝搬する。また、本実施の形態では、光線の少なくとも一部はエアロゾルの流路に沿って伝搬する。出射された光線の少なくとも一部は、エアロゾルに散乱されて可視化される。このように光線が流路を伝搬することで、流路を流れるエアロゾルが発光する。
【0113】
また、光線は、空間を一直線に伝搬する光であり、光源31が出射する光の光軸と略平行な光である。例えば、光線は、コリメート光である。
【0114】
エミッタ30は、1以上の光源31と、プロセッサ31aと、
図1の電源部32と、1以上の導光体33とを有する。本実施の形態では、特に言及しない限り、1つの光源31及び1つの導光体33を用いるため、1つの光源31及び1つの導光体33について説明する。
【0115】
光源31は、第1方向に光線を出射する姿勢で支持される発光モジュールである。光源31は、第1方向に光線を出射することで、導光体33及び第2筒体25を介して、エアロゾルが流れる流路に光線を照射する。光源31は、例えば、LED又はレーザダイオードである。
【0116】
光源31は、2色以上の光を出射する。具体的には、光源31は、RGBの3色光源を有し、赤色光、青色光及び緑色光の3色の単色光を出射するとともに、これらの3色の単色光を調光することで得られるカラー光又は白色光を出射する。光源31は、制御部40によって制御されることで、出射する光色を変化させる。
【0117】
プロセッサ31aは、制御部40から制御コマンドを取得することで、光源31が出射する光線の出力を調節する。つまり、プロセッサ31aは、制御部40によって制御されることで、光源31の光線の出力を高めたり弱めたりすることができる。
【0118】
また、プロセッサ31aは、制御部40から制御コマンドを取得することで、光源31が出射する光線の出力を調節する。つまり、プロセッサ31aは、制御部40によって制御されることで、光源31の光線の出力を高めたり弱めたりすることができる。
【0119】
また、プロセッサ31aは、制御部40と通信可能に接続され、制御部40から制御コマンドを取得することで、光源31のオンオフを切り替え可能に制御する。具体的には、プロセッサ31aは、制御コマンドを取得することで、光源31をオフからオンに切り換えることでエアロゾルに光線を照射させたり、光源31をオンからオフに切り換えることでエアロゾルに照射する光線を停止させたりする。
【0120】
図1に示すように、電源部32は、光源31を点灯させるための電力を供給する点灯回路を有する電源モジュールである。電源部32は、商用電源等の外部電源から供給された交流電流を、整流、平滑及び降圧等して所定レベルの直流電力に変換してから光源31に供給する。電源部32は、制御部40によって制御されることで、光源31に供給する電力をオンにしたり、オフにしたりする。なお、電源部32には、調光回路及び昇圧回路等が組み合わされていてもよい。
【0121】
図2及び
図3に示すように、導光体33は、光源31から出射された光線をエアロゾルに案内するための光学部材である。より具体的には、導光体33は、光源31が出射した光線をエアロゾルが流れる流路に伝搬させる、第1方向に長尺な光学部材である。導光体33は、光線の減衰抑制するために、光源31から出射された光線をエアロゾルに案内する。
【0122】
導光体33は、光源31の光出射面から第1方向に延び、第2筒体25の挿入孔25eを挿通する。具体的には、導光体33は、第2筒体25の挿入孔25e及び第2筒体25の吐出口25aを挿通し、第2開口15bから突出している。導光体33の先端は、吐出口25aから第1方向に突出長さHだけ飛び出ている。つまり、導光体33は、第1筒体15における第1開口15aから第2開口15bを挿通している。言い換えれば、導光体33は、第2開口15bから、さらに第1方向に突出長さHだけ飛び出ている。このため、導光体33の第1方向側の先端は、エアロゾルが流れる流路内に位置する。これにより、導光体33は、エアロゾルが流れる流路に確実に光線を案内する。
【0123】
なお、導光体33の第1方向側の先端は、第2開口15bから第1方向に飛び出ていなくてもよい。つまり、導光体33の第1方向側の先端は、第2筒体25の挿入孔25eから第2筒体25の吐出口25aの間に配置されていてもよく、第2筒体25の挿入孔25eよりも、第1方向と反対方向の第2方向側に配置されていてもよい。
【0124】
また、導光体33と第2筒体25の挿入孔25eとの間からエアロゾルが流出しないように、導光体33と第2筒体25とを接続することで、導光体33と第2筒体25の挿入孔25eとの間の隙間を塞ぐ。
【0125】
導光体33は、例えば、光ファイバ、中空又は中実のライトガイド等であるが、本実施の形態では、中空のライトガイドである。導光体33は、アルミニウム等の金属、アクリル又はガラス等の透光性部材で構成される。また、導光体33の断面は、円形状、多角形状等であるが、本実施の形態では、円形状である。つまり、本実施の形態では、導光体33は、第1方向に延びる無底の円筒状のパイプである。
【0126】
<制御部40>
図1〜
図3に示すように、制御部40は、送風器10、エアロゾル生成器20及びエミッタ30を制御することが可能な制御装置である。
【0127】
制御部40は、送風器10と通信可能に接続され、送風器10のオンオフを切り替え可能に制御する。具体的には、制御部40は、制御コマンドを出力することで、送風器10をオフからオンに切り換えることでファン12を駆動させたり、ファン12をオンからオフに切り換えることでファン12を停止させたりする。
【0128】
また、制御部40は、送風器10が発生させる気流の風速を調節する。例えば、制御部40は、制御コマンドを出力することで、送風器10の風量を第1風量から第1風量よりも風量の強い第2風量に切り替えたり、第2風量から第1風量に切り替えたりする。
【0129】
また、制御部40は、エアロゾル生成器20と通信可能に接続され、エアロゾル生成器20のオンオフを切り替え可能に制御する。具体的には、制御部40は、制御コマンドを出力することで、エアロゾル生成器20をオフからオンに切り換えることで生成部22を駆動させてエアロゾルを生成させたり、生成部22をオンからオフに切り換えることで生成部22を停止させたりする。
【0130】
また、制御部40は、エアロゾル生成器20が生成するエアロゾルの温度を調節したり、単位時間当たりのエアロゾルの噴出量(生成量)を調節したりする。例えば、制御部40は、制御コマンドを出力することで、エアロゾルの温度を第1温度から第1温度よりも温度の高い第2温度に切り替えたり、第2温度から第1温度に切り替えたりする。また、制御部40は、制御コマンドを出力することで、単位時間当たりのエアロゾルの噴出量を第1噴出量から第1噴出量よりも噴出量の強い第2噴出量に切り替えたり、第2噴出量から第1噴出量に切り替えたりする。
【0131】
また、制御部40は、エミッタ30と通信可能に接続され、エミッタ30のオンオフを切り替え可能に制御する。具体的には、制御部40は、制御コマンドを出力することで、エミッタ30をオフからオンに切り換えることでエアロゾルに光線を照射させたり、エミッタ30をオンからオフに切り換えることでエアロゾルに照射する光線を停止させたりする。
【0132】
また、制御部40は、光源31が出射する光線の色を変更したりする。例えば、制御部40は、第1光色の光線から第1光色の光線と異なる色の光線である第2光色の光線に切り替えて、第2光色の光線を出射させたりする。
【0133】
また、制御部40は、光源31が出射する光線の出力を変更したりする。例えば、制御部40は、制御コマンドを出力することで、光線の出力を第1出力から第1出力よりも出力の強い第2出力に切り替えたり、第2出力から第1出力に切り替えたりする。
【0134】
[測定結果]
導光体33の突出長さHについて説明する。
【0135】
図5Aは、エアロゾルの噴出量が9000(cc/h)の場合における、第2開口15bからの導光体33の突出長さHを変更しながら、光線を可視化することができるかどうかを目視で確認した結果を示す図である。
【0136】
図5Aでは、導光体33の突出長さHを0(mm)、0.5(mm)、1.0(mm)、1.5(mm)、2.0(mm)、2.5(mm)、3.0(mm)、3.5(mm)、4.0(mm)、4.5(mm)、5.0(mm)、5.5(mm)の場合における、光線を可視化することができるかどうかを確認した。
【0137】
図5Aに示すように、エアロゾルの噴出量9000(cc/h)の場合では、0(mm)、0.5(mm)、1.0(mm)、5.0(mm)、5.5(mm)では、光線を視認し難かった。しかし、導光体33の突出長さHが1.5(mm)、2.0(mm)、2.5(mm)、3.0(mm)、3.5(mm)、4.0(mm)、4.5(mm)では、光線を可視化することができた。このことから、エアロゾルの噴出量9000(cc/h)においては、光線を可視化し易い導光体33の突出長さHは、約3.0(mm)であると推測される。
【0138】
図5Bは、エアロゾルの噴出量が18000(cc/h)の場合における、第2開口15bからの導光体33の突出長さHを変更しながら、光線を可視化することができるかどうかを確認した結果を示す図である。
【0139】
また、
図5Bに示すように、エアロゾルの噴出量18000(cc/h)の場合では、0(mm)、0.5(mm)、1.0(mm)、1.5(mm)、2.0(mm)、5.5(mm)では、光線を視認し難かった。しかし、導光体33の突出長さHが2.5(mm)、3.0(mm)、3.5(mm)、4.0(mm)、4.5(mm)、5.0(mm)では、光線を可視化することができた。このことから、エアロゾルの噴出量18000(cc/h)においては、光線を可視化し易い導光体33の突出長さHは、約3.75(mm)であると推測される。
【0140】
このことから、エアロゾルの噴出量によって、適切な導光体33の突出長さHは異なるものの、導光体33が第2開口15bから第1方向に飛び出ていることが好ましいと判る。
【0141】
また、光線の可視化については、エアロゾルの粒径、エアロゾルの噴出量及びエアロゾルが流路を流れる流速(風速)も関係があると考えられる。
【0142】
実験結果では、エアロゾルの噴出量を変えずにエアロゾルの粒径が大きくなれば、光線を可視化し易くなる傾向にある。これは、エアロゾルの噴出量を変えずにエアロゾルの粒径が大きくなれば、流路を締める単位体積あたりのエアロゾルの密度が高くなるため、光線がエアロゾルに反射され易くなると考えられる。
【0143】
また、エアロゾルの噴出量が多くなる場合も、光線を可視化し易くなる傾向にある。これは、エアロゾルの噴出量が多くなれば、流路を締める単位体積あたりのエアロゾルの密度が高くなるため、光線がエアロゾルに反射され易くなると考えられる。
【0144】
さらに、エアロゾルが流路を流れる流速が速くなる場合も、光線を可視化し易くなる傾向にある。これは、エアロゾルの噴出量が多くなれば、単位時間あたりの単位体積を通過するエアロゾルが多くなるため、光線がエアロゾルに反射され易くなると考えられる。
【0145】
[動作]
このような光線射出システム1において、
図1〜
図4に示すように、制御部40は、エアロゾル生成器20を制御することで、エアロゾルを生成させる。エアロゾル生成器20が生成したエアロゾルは、容器21、エアロゾル案内部24及び第2筒体25を介してエアロゾル生成器20の外部に吐き出される。
【0146】
また、制御部40は、送風器10を制御することで、気流を発生させる。具体的には、制御部40が送風器10のファン12を駆動することで、送風器10の内部では、収容部11、送風案内部14及び第1筒体15のこの順に向かう気流が発生する。また、第1筒体15では、第1筒体15の隙間Kから第3開口17を通過して、第1方向に向かう気流が発生するため、第1筒体15の内周面側にコアンダ効果による気流が発生する。つまり、制御部40がファン12を駆動することで、第3開口17から第1方向に気体が排出されると、排出される噴流と周囲の気圧差によって第1筒体15の内周面に沿って発生するコアンダ効果によって、第1開口15aから第2開口15bに向かう(つまり、第1方向に向かう)気流が発生する。これにより、送風器10は、第1筒体15から第1方向に向かう流路を形成する。この気流は、第1筒体15と第2筒体25との間を通過するため、第2筒体25の吐出口25aからエアロゾルが誘導され、エアロゾルは、第1筒体15から第1方向に向かう流路を流れる。
【0147】
この際に、制御部40は、エミッタ30を制御してオンにすることで、光線が第1方向に出射する。これにより、光線は、エアロゾルが流れる流路に照射される。
【0148】
光線射出システム1では、エアロゾルの流れる一本の流路が形成され、流路の内部を光線が伝搬することで、光線がエアロゾルによって拡散されて流路が発光するため、光線を認識し易い状態に可視化できる。
【0149】
[作用効果]
次に、本実施の形態における光線射出システム1の作用効果について説明する。
【0150】
本実施の形態に係る光線射出システム1は、エアロゾルが流れる流路を形成する送風器10と、光線を出射するエミッタ30とを備え、光線の少なくとも一部は、エアロゾルの流路に沿って伝搬する。
【0151】
これによれば、流路に沿って流れるエアロゾルに光線が照射されることで、照射された光線を浮かび上がらせることができる。つまり、光線がエアロゾルに拡散されることで、エアロゾルが流れる流路を光らせることができるため、明るい空間でも光線を視認し易い態様にすることができる。
【0152】
したがって、光線射出システム1では、光線を明確に認識することができる。
【0153】
特に、どの方向から見ても光線を視認することができるため、この光線射出システム1では、設置場所は限定されない。
【0154】
また、本実施の形態に係る光線射出システム1において、エアロゾルは、ミストを含む。
【0155】
これによれば、エアロゾルがミストであれば、簡易に光線を可視化することができる。
【0156】
また、本実施の形態に係る光線射出システム1において、送風器10は、エアロゾルを第1方向に流し、光線の少なくとも一部は、第1方向に沿って伝搬する。
【0157】
これによれば、送風器10がエアロゾルを流す第1方向と同様の方向に、エミッタ30が光線を出射することができる。つまり、エミッタ30を送風器10の近くに配置することができるため、光線射出システム1の配置領域が大きくなり難い。
【0158】
また、本実施の形態に係る光線射出システム1において、光線の少なくとも一部が伝搬する方向は、第1方向と一致する。
【0159】
これによれば、光線がエアロゾルの流れる方向に沿い、かつ、一致する方向に照射されるため、光線をより長く可視化することができる。
【0160】
また、本実施の形態に係る光線射出システム1において、第1方向に対する光線の少なくとも一部が伝搬する方向の角度は、15°以下である。
【0161】
例えば、第1方向に対する光線の少なくとも一部が伝搬する方向の角度が15°よりも大きければ、光線の大部分が流路を流れるエアロゾルから放射されてしまい、光線を長距離の間、可視化することは困難になる。しかし、本開示によれば、光線がエアロゾルの流路に沿って伝搬するため、光線をより長く可視化することができ易くなる。
【0162】
また、本実施の形態に係る光線射出システム1において、出射された光線の少なくとも一部は、エアロゾルに散乱されて可視化される。
【0163】
これによれば、エアロゾルは光線を拡散するため、ユーザは、光線を確実に視認することができる。
【0164】
また、本実施の形態に係る光線射出システム1は、さらに、エアロゾルを生成するエアロゾル生成器20を備える。
【0165】
これによれば、簡易にエアロゾルを生成することができる。
【0166】
また、本実施の形態に係る光線射出システム1において、エアロゾル生成器20は、液体を格納する容器21と、液体を加熱することでエアロゾルを生成するヒータ、液体を振動させる超音波振動子、及び、液体に気体を送風するファン12の少なくともいずれかと、を有する。
【0167】
これによれば、液体から簡易にエアロゾルを生成することができる。
【0168】
また、本実施の形態に係る光線射出システム1において、送風器10は、気流を発生させることで、エアロゾルが流れる流路を形成するファン12と、気体を吸い込む第1開口15aと、第1開口15aから吸い込んだ気体を吐き出す第2開口15bとを有する第1筒体15とを有し、エアロゾル生成器20は、流路にエアロゾルを案内する第2筒体25を有し、第2筒体25は、第1開口15aから挿入され、第1筒体15と離間した状態で保持される。
【0169】
これによれば、第1筒体15と第2筒体25との間には送風器10によって第1開口15aから第2開口15bに向かう気流が生まれ、流路を形成する。つまり、気流は、第2筒体25を包むような流路を形成するため、第2筒体25によって案内されて第2筒体25から排出されたエアロゾルが流路を流れる。このため、エアロゾルを流路に沿って均一に流すことができる。
【0170】
また、本実施の形態に係る光線射出システム1において、第1筒体15は、第1開口15a及び第2開口15bを形成する内筒体16aと、第1開口15a側の端縁で内筒体16aと接続され、内筒体16aとの間に隙間Kを形成するように内筒体16aの外周を覆う外筒体16bと、を有する二重壁筒体であり、第1筒体15には、内筒体16aと外筒体16bとの間に、ファン12によって送風される気体が流入する隙間Kと、隙間Kに流入した気体が排出される第3開口17とが形成される。
【0171】
これによれば、第3開口17から第1方向に向かう気流が発生するためで、内筒体16aの内周側がコアンダ効果によって第1開口15aから第2開口15bに向かう気流を発生させることができる。このため、第1筒体15からは、ファン12による気流の風力以上の、気流を生むことができる。
【0172】
また、本実施の形態に係る光線射出システム1において、エアロゾル生成器20は、送風器10とエミッタ30との間に位置する。
【0173】
これによれば、エアロゾル生成器20が生成したエアロゾルを、送風器10が発生させた流路に容易に流すことができる。
【0174】
また、本実施の形態に係る光線射出システム1において、エミッタ30は、光線を出射する光源31と、光源31から出射された光線を案内する長尺の導光体33とを有する。導光体33は、第1開口15aから第2開口15bを挿通し、第2開口15bから突出している。
【0175】
これによれば、導光体33がエアロゾルの流れる流路に光線を案内するため、光源31からこの流路まで光線の減衰が抑制される。特に、第2開口15b近傍ではエアロゾルの密度が高いため、密度の高いエアロゾルによる光線の極端な減衰を抑制することができる。このため、エアロゾルまで確実に光線を導くことができるため、エアロゾル内を伝搬する光線をより確実に認識することができる。
【0176】
また、本実施の形態に係る光線射出システム1において、光源31は、LED(LightEmittingDiode)又は、レーザダイオードである。
【0177】
これによれば、一般的に流通しているLED又はレーザダイオードを用いることで、容易に光線射出システム1を実現することができる。
【0178】
また、本実施の形態に係る光線射出システム1において、エミッタ30は、さらに、光線のオンオフを切り替えるプロセッサ31aを有する。
【0179】
これによれば、エアロゾルに浮かび上がる光線を表示したり非表示にしたりすることができる。
【0180】
(実施の形態1の変形例)
実施の形態1の変形例の光線射出システム1aの構成を説明する。
【0181】
本変形例における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態1と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0182】
実施の形態1では、エアロゾル生成器20の第2筒体25が送風器10の第1筒体15に挿通されているが、本変形例の光線射出システム1aでは、第2筒体125は、第1筒体15に挿通されておらず、第1筒体15よりも後方に配置される点で、実施の形態1と相違する。
【0183】
図6は、実施の形態1の変形例における光線射出システム1aを示す斜視図である。
図7は、実施の形態1の変形例における光線射出システム1aを第1方向に切断した場合を示す断面図である。
【0184】
具体的には、
図6及び
図7に示すように、本変形例の光線射出システム1aでは、第2筒体125は、第2筒体125の吐出口25aが第1筒体15の第1開口15aと対向する姿勢で、第1筒体15の後方に配置される。
【0185】
これにより、第2筒体125の吐出口25aから吐き出されたエアロゾルは、第1筒体15の第1開口15aに吸い込まれる気流によって、第1筒体15の第1開口15aに案内される。送風器10の第1開口15aは、気流に沿ってエアロゾルを吸い込み、送風器10の第2開口15bは、吸い込んだエアロゾルを第1方向に流れる流路に吐き出す。
【0186】
このような、本変形例に係る光線射出システム1aにおいて、送風器10は、気流に沿ってエアロゾルを吸い込む第1開口15aと、第1開口15aから吸い込んだエアロゾルを流路に吐き出す第2開口15bとを有する第1筒体15と、第1筒体15内に気流を発生させるファン12と、を有する。
【0187】
これによれば、ファン12が第1筒体15内に発生させた気流(風)によって、第1開口15aから第2開口15bに向かって延びる方向にエアロゾルの流路を形成することができる。このため、この流路に沿って光線を照射すれば、光線がエアロゾルに拡散されることで、エアロゾルが流れる流路を光らせることができる。
【0188】
また、本実施の形態に係る光線射出システム1aにおいて、送風器10は、気流を発生させることで、エアロゾルが流れる流路を形成するファン12と、気流に沿ってエアロゾルを吸い込む第1開口15aと、第1開口15aから吸い込んだエアロゾルを流路に吐き出す第2開口15bとを有する第1筒体15とを有し、エアロゾル生成器20は、第1開口15aにエアロゾルを案内する第2筒体125を有する。
【0189】
これによれば、第1開口15aから第2開口15bに向かって延びる流路が形成されているため、エアロゾル生成器20が生成したエアロゾルを、第1開口15aから容易に乗せる(流せる)ことができる。このため、エアロゾルの流路を簡易に形成することができる。
【0190】
また、本変形例において、実施の形態1と同様の作用効果を奏する。
【0191】
(実施の形態2)
本実施の形態の光線射出システム1bの構成を説明する。
【0192】
本実施の形態における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態1と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0193】
[構成:光線射出システム1b]
実施の形態1の光線射出システム1では、エミッタ30を送風器10及びエアロゾル生成器20の後方に配置しているが、本実施の形態では、エミッタ30をエアロゾル生成器20及び送風器10の前方に配置している点で、実施の形態1と相違する。
【0194】
図8は、実施の形態2における光線射出システム1bを示す斜視図である。
【0195】
具体的には、
図8に示すように、エミッタ30は、エアロゾル生成器20とで送風器10を挟む、つまりエアロゾル生成器20及び送風器10と対向するように配置される。
【0196】
エミッタ30は、エアロゾルの流路の上流側である第1方向と反対方向の第2方向に沿って伝搬する光線を出射する。具体的には、エミッタ30は、送風器10の第1筒体15及びエアロゾル生成器20の第2筒体25に向けて光線を出射する。エミッタ30が出射する光線は、第1筒体15の中心軸及び第2筒体25の中心軸と一致又は実質的に一致している。第2方向に対する光線が伝搬する方向の角度は、15°以下である。本実施の形態では、光線の少なくとも一部は、第1方向とは反対の第2方向に沿って伝搬し、光線の少なくとも一部が伝搬する方向は、第2方向に一致する。このように、エミッタ30が出射する光線の方向は、第2方向であるが、エアロゾルが流路を流れる方向は、第1方向である。
【0197】
エミッタ30の光源31は、第1方向に光線を出射する姿勢で支持される。
【0198】
エミッタ30の導光体33は、第2筒体25に挿通されておらず、長手方向が第2方向と略平行な姿勢で配置される。つまり、導光体33は、光源31から第2方向に延びている。なお、本実施の形態では、エミッタ30は導光体33を有していなくてもよく、導光体33はエミッタ30の必須の構成要件ではない。
【0199】
また、光線射出システム1bの動作については、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。
【0200】
[作用効果]
次に、本実施の形態における光線射出システム1bの作用効果について説明する。
【0201】
本実施の形態に係る光線射出システム1bにおいて、送風器10は、エアロゾルを第1方向に流し、光線の少なくとも一部は、第1方向とは反対の第2方向に沿って伝搬する。
【0202】
これによれば、エミッタ30を送風器10から離れた位置に配置しても、光線を明確に認識することができる。また、エミッタ30の配置の自由度を向上させることができる。
【0203】
また、本実施の形態に係る光線射出システム1bにおいて、光線の少なくとも一部が伝搬する方向は、第2方向に一致する。
【0204】
これによれば、光線がエアロゾルの流れる方向に沿い、かつ、一致する方向に照射されるため、光線をより長く可視化することができる。
【0205】
また、本実施の形態に係る光線射出システム1bにおいて、第2方向に対する光線の少なくとも一部が伝搬する方向の角度は、15°以下である。
【0206】
例えば、第2方向に対する光線の少なくとも一部が伝搬する方向の角度が15°よりも大きければ、光線の大部分が流路を流れるエアロゾルから放射されてしまい、光線を長距離の間、可視化することは困難になる。しかし、本開示によれば、光線がエアロゾルの流路に沿って伝搬するため、光線をより長く可視化することができ易くなる。
【0207】
また、本実施の形態に係る光線射出システム1bにおいて、送風器10は、エミッタ30とエアロゾル生成器20との間に位置する。
【0208】
これによれば、送風器10、エミッタ30及びエアロゾル生成器20を近くに配置することができるため、光線射出システム1bでは、大型化し難くなる。
【0209】
また、本実施の形態において、実施の形態1と同様の作用効果を奏する。
【0210】
(実施の形態3)
本実施の形態の光線射出システム1cの構成を説明する。
【0211】
本実施の形態における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態1等と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0212】
[構成:光線射出システム1c]
実施の形態1等の光線射出システム1では、エミッタ30をエアロゾル生成器20及び送風器10の後方に配置しているが、本実施の形態では、エミッタ30の光線の出射する方向とエアロゾルが流れる流路とが交差するように、エミッタ30が配置される点で、実施の形態1等と相違する。
【0213】
図9は、実施の形態3における光線射出システム1cを示すブロック図である。
図10は、実施の形態3における光線射出システム1cを示す模式図である。
図10のaは、実施の形態3における光線射出システム1cを側面から見た図であり、
図10のbは、実施の形態3における光線射出システム1cを上面から見た図であり、
図10のcは、実施の形態3における光線射出システム1cを正面から見た図である。
【0214】
具体的には、
図9及び
図10に示すように、エミッタ30は、エアロゾルが流れる流路の上方、下方又は側方に配置され、エアロゾル生成器20及び送風器10と対向する位置に配置されていない。エミッタ30は、出射する光線が第1方向及び第2方向と交差する姿勢で配置される。本実施の形態では、エミッタ30は、天井等の造営材(図示しない)に固定され、出射する光線が第1方向及び第2方向と略直交する姿勢で配置される。本実施の形態では、エミッタ30は、エアロゾルが流れる流路の上方に配置される。このため、エミッタ30が出射する光線は、第1筒体の中心軸及び第2筒体の中心軸と一致又は実質的に一致しておらず、第1方向又は第2方向に沿って伝搬していない。
【0215】
エミッタ30の光源31は、出射する光線が第1方向及び第2方向と交差する姿勢で支持される。
【0216】
エミッタ30の導光体33は、第2筒体に挿通されておらず、長手方向が第1方向及び第2方向と交差する姿勢で配置される。導光体33は、光源31からエアロゾルが流れる流路に向かって延びている。なお、本実施の形態では、エミッタ30は、導光体を有していなくてもよく、導光体はエミッタ30の必須の構成要件ではない。
【0217】
光線射出システム1cは、送風器10、エアロゾル生成器20及びエミッタ30の他に、駆動部50をさらに備える。
【0218】
<駆動部50>
駆動部50は、規定軸心周りでエミッタ30を揺動させてエミッタ30の傾きを可変することで、エミッタ30が出射する光線の出射方向を所定の角度だけ揺動させるアクチュエータである。具体的には、駆動部50は、エミッタ30に設けられ、制御部40に制御されることによって、エミッタ30を所定の角度範囲で揺動することで、光線の出射方向を所定の角度範囲に設定する。駆動部50は、制御部40に制御されることによって、規定周期でエミッタ30を揺動させたり、例えば鉛直方向に対して所定の角度でエミッタ30の光線が向くようにエミッタ30を保持したりする。このように、駆動部50は、エミッタ30の姿勢を駆動制御することで、光線の出射方向を制御する。
【0219】
なお、駆動部50は、光源31及び導光体を揺動させて、光源31及び導光体の向きを可変させてもよい。また、駆動部50は、エミッタ30の構成要件に含まれてもよく、含まれなくてもよい。
【0220】
[動作]
このような光線射出システム1cにおいて、制御部40は、エアロゾル生成器20を制御することで、エアロゾル生成器20にエアロゾルを生成させる。エアロゾル生成器20が生成したエアロゾルは、容器21、エアロゾル案内部24及び第2筒体を介してエアロゾル生成器20の外部に吐き出され、流路に沿って流れる。この際に、制御部40はエミッタ30を制御することで、光線が第1方向及び第2方向と交差する方向に出射する。これにより、光線がエアロゾルに照射される。
【0221】
また、制御部40は、駆動部50を制御することで、エミッタ30を揺動させて、エミッタ30の向きを可変させる。つまり、制御部40は、駆動部50がエミッタ30を規定周期で揺動させることで、光線がエアロゾルの流路と交差する方向に走査するため、光線は面状化される。
【0222】
制御部40が送風器10のファン12を駆動することで、送風器10は、第1筒体から第1方向に向かう流路を形成する。これにより、エアロゾルは、第1筒体から第1方向に向かう流路を流れる。
【0223】
光線射出システム1cでは、エアロゾルが流れる一本の流路を形成し、この流路と交差するように、面状化された光線を照射するため、面状化された光線がエアロゾルによって可視化される。これにより、エアロゾルの流れる流路の一部が平面上に発光する。
【0224】
[作用効果]
次に、本実施の形態における光線射出システム1cの作用効果について説明する。
【0225】
本実施の形態に係る光線射出システム1cは、さらに、エミッタ30を揺動させる駆動部50を備える。
【0226】
これによれば、エアロゾルが流れる流路に、面状化された光線を照射することができるため、面状化された光線を可視化することができる。
【0227】
また、本実施の形態において、実施の形態1等と同様の作用効果を奏する。
【0228】
(実施の形態4)
本実施の形態の光線射出システム1dの構成を説明する。
【0229】
本実施の形態における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態1等と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0230】
[構成:光線射出システム1d]
実施の形態1等の光線射出システム1では、1つの第1筒体、1つの第2筒体、並びに、1つの光源31及び1つの導光体33を例示しているが、本実施の形態では、複数の第1筒体、複数の第2筒体、並びに、複数の光源31及び複数の導光体を例示している点で、実施の形態1等と相違する。
【0231】
図11は、実施の形態4における光線射出システム1dを示すブロック図である。
図12は、実施の形態4における光線射出システム1dを示す模式図である。
図12のaは、実施の形態4における光線射出システム1dを側面から見た図であり、
図12のbは、実施の形態4における光線射出システム1dを上面から見た図である。
【0232】
図11及び
図12に示すように、送風器10は、複数の第1筒体を有する。複数の第1筒体は、鉛直方向に並べて配置され、いずれも第1方向にエアロゾルが流れる流路を形成する。本実施の形態では、4つの第1筒体を例示しているが、第1筒体は、3つ以下でもよく、5つ以上でもよい。
【0233】
エアロゾル生成器420は、複数の第1筒体と一対一で対応する複数の第2筒体を有する。複数の第2筒体は、鉛直方向に並べて配置され、いずれも第1方向にエアロゾルを吐き出す。つまり、エアロゾル案内部424は、生成部22が発生させたエアロゾルを複数の第2筒体のそれぞれに案内するために、複数の第2筒体のそれぞれの接続孔に一対一で接続される。本実施の形態では、4つの第2筒体を例示しているが、第2筒体は、3つ以下でもよく、5つ以上でもよい。
【0234】
エミッタ430は、複数の第1筒体等と一対一で対応する複数の光源31と、複数の光源31と一対一で対応する複数の導光体とを有する。なお、本実施の形態では、光源31及び導光体の数は、第1筒体及び第2筒体との数と一致しているが、必ずしも一致しなくてもよい。本実施の形態では、4つの光源31及び4つの導光体を例示しているが、光源31及び導光体のそれぞれは、3つ以下でもよく、5つ以上でもよい。
【0235】
また、本実施の形態では、エミッタ430は、送風器10及びエアロゾル生成器420の後方に配置される。複数の光源31のそれぞれは、エアロゾルの流路に沿って、第1方向に光を出射する。なお、エミッタ430は、送風器10及びエアロゾル生成器420と対向するように前方に配置されて、複数の光源31のそれぞれは、エアロゾルの流路に沿って、第2方向に光を出射してもよい。
【0236】
これにより、光線射出システム1dでは、それぞれのエアロゾルが流れる流路に沿ってそれぞれの光線が伝搬するため、それぞれの光線によって面状に可視化される。つまり、光線射出システム1dでは、それぞれのエアロゾルが流れる流路によって表示面を形成することができる。
【0237】
[作用効果]
次に、本実施の形態における光線射出システム1dの作用効果について説明する。
【0238】
本実施の形態に係る光線射出システム1dにおいて、エミッタ430は、1以上の光線をそれぞれ出射する1以上の光源31と、1以上の光源31のそれぞれから出射された1以上の光線のそれぞれを一対一でエアロゾルに案内する長尺の1以上の導光体33とを有する。
【0239】
これによれば、1以上の光源31を用いて、波長の異なる複数種類の光線を出射することができる。このため、複数のエアロゾルが流れる流路を形成し、これらの流路に沿って複数種類の光線を伝搬させれば、エアロゾルが流れる流路を面状に可視化することができる。
【0240】
また、複数の光源31によって、色の異なる光線を用いることによって、エアロゾルが流れる流路を伝搬する光線の色を変えることができるため、エアロゾルが流れる流路の表示態様を変更することができる。
【0241】
また、本実施の形態において、実施の形態1等と同様の作用効果を奏する。
【0242】
(実施の形態4の変形例)
実施の形態4の変形例の光線射出システム1eの構成を説明する。
【0243】
本変形例における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態4と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0244】
実施の形態4のエアロゾル生成器420は、1つのエアロゾル案内部424を有するが、本変形例のエアロゾル生成器420は、複数の第2筒体と一対一で対応する複数のエアロゾル案内部及び複数の生成部22を有する点で、実施の形態4と相違する。
【0245】
図13は、実施の形態4の変形例における光線射出システム1eを示すブロック図である。
【0246】
図13に示すように、制御部40は、エアロゾル生成器420の複数の生成部22のオンオフを切り替える、又は、複数の送風器410のファン12のオンオフを切り替えることで、断続的にエアロゾルをそれぞれの流路に沿って流す。
【0247】
また、制御部40は、画像情報に基づいて、エアロゾル生成器420の生成部22又は送風器410のファン12のオンオフを切り替えることで、画像情報に応じたエアロゾルを吐き出させる。つまり、制御部40は、画像情報に示される画像の1つの画素を1つのエアロゾルの塊として、断続的にエアロゾルをそれぞれの流路に沿って流す。制御部40は、それぞれのエアロゾルが流れる流路によって構成された表示面に、画素の基となるエアロゾルの塊を画像情報に応じて吐き出させることで、エアロゾルの塊の集合によって、画像情報に示される画像をラスタ画像として表現する。
【0248】
ここで、画像情報は、例えば、文字、図形、記号、絵柄等である。画像情報は、外部装置等のサーバから取得したり、ユーザの入力によって生成したりする。
【0249】
なお、制御部40は、エアロゾル生成器420に吐き出させるエアロゾルの塊は、それぞれが同じ大きさでもよいが、画像情報に示される画像に応じて、大きさを変更してもよい。
【0250】
[動作]
本変形例の光線射出システム1eにおける、それぞれのエアロゾルが流れる流路によって形成される表示面について説明する。
【0251】
図14は、エアロゾルが流れる流路の表示面に、画像情報に応じた画像を表示した場合を示す図である。
図14では、画像情報に基づいて、エアロゾルの塊の吐き出しを開始してからt秒後の様子を例示している。
図15は、
図14の状態からα秒経過した場合の、エアロゾルが流れる流路の表示面に、画像情報に応じた画像を表示した場合を示す図である。
図14及び
図15では、発光したエアロゾルの塊を斜線のハッチングで示す。また、
図15では、t秒後のエアロゾルの塊を破線で示す。
【0252】
図14の光線射出システム1eでは、画像情報を文字とし、英文字「A」を例に挙げて説明する。
図14の光線射出システム1eでは、5つの送風器410、5つのエアロゾル生成器420、5つの光源31及び5つの導光体を用いる場合を例に挙げる。また、画像情報に示す画像は、小さな画素(ドット)の集合として構成されたラスタ画像である。また、
図14及び
図15では、エアロゾルの流れる速度を5(m/sec)〜30(m/sec)とし、エミッタ430の光線の出射時間を3(ms)〜6(ms)とした。また、t秒後のラスタ画像は、横幅が約1(m)程度の大きさである。
【0253】
図14に示すように、制御部40は、画像情報に示す画像の画素数と、送風器410の数(第1筒体の数)又はエアロゾル生成器420の数(第2筒体の数)とに応じて、画像を変換し、変換した画像の画素に応じて、それぞれの送風器410、それぞれのエアロゾル生成器420及びそれぞれの光源31を制御する。具体的には、制御部40は、それぞれの送風器410及びそれぞれのエアロゾル生成器420を制御することとで、変換された画像に示される英文字「A」のそれぞれの画素の位置に応じて、エアロゾルの塊を断続的に吐き出させ、複数のエアロゾルの塊からなる集合体を形成する。
【0254】
また、制御部40は、エミッタ430のそれぞれの光源31を制御することで、それぞれの光源31から出射された光線を、複数のエアロゾルの塊の集合体に伝搬させる。これにより、画像が光線によって明確に可視化される。
図14及び
図15の二点鎖線で示すように、この光線射出システム1eでは、複数のエアロゾルが流れる流路によって形成された表示面に、変換された画像に示される英文字「A」をラスタ画像によって表現する。
【0255】
複数のエアロゾルが流れる流路は、第1方向に流れているため、複数のエアロゾルが流れる流路によって形成された表示面は、第1方向に流れる。このため、変換された画像に示される英文字「A」も第1方向に流れる。このように、光線射出システム1eでは、画像情報に基づいて複数のエアロゾルの塊が吐き出され、それぞれの塊を光線が伝搬するため、第1方向に流れる画像を浮かび上がらせることができる。
【0256】
図16は、エアロゾルが流れる流路の表示面に、画像情報に応じたエアロゾルの塊を吐き出している場合であり、エミッタ430をオフにした場合を示す図である。
図16では、エアロゾルの塊を破線で示す。
【0257】
図16に示すように、制御部40がエミッタ430をオフにした場合では、エアロゾルだけでは視認し難いため、英文字「A」を視認し難くなる。
【0258】
図14〜
図16の光線射出システム1eでは、エアロゾル生成器420が吐き出すミストの塊を同じ大きさの塊の例示している。
【0259】
また、
図17は、エアロゾルが流れる流路の表示面に、画像情報に応じた画像を表示した場合を示す図である。
図18では、画像情報に基づいて、エアロゾルの塊を吐き出し始めたからt秒後の様子を例示している。
図18は、
図17の状態からα秒経過した場合の、エアロゾルが流れる流路の表示面に、画像情報に応じた画像を表示した場合を示す図である。
図17及び
図18では、発光したエアロゾルの塊を斜線のハッチングで示す。また、
図18では、t秒後のエアロゾルの塊を破線で示す。
【0260】
図17及び
図18の光線射出システム1eでは、エアロゾル生成器420が吐き出すミストの塊の大きさをバラバラにした場合を例示している。
図17及び
図18に示すように、制御部40は、エアロゾル生成器420が吐き出すミストの塊の大きさがバラバラになるように、エアロゾル生成器420によるエアロゾルの生成を制御してもよい。この場合でも、光線射出システム1eでは、画像情報に基づいてエアロゾルの塊が吐き出され、それぞれの塊に光線が伝搬するため、
図17及び
図18の二点鎖線で示すように、第1方向に流れる画像を浮かび上がらせることができる。
【0261】
また、本変形例において、実施の形態1等と同様の作用効果を奏する。
【0262】
(実施の形態5)
本実施の形態の光線射出システム1fの構成を説明する。
【0263】
本実施の形態における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態4等と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0264】
[構成:光線射出システム1f]
実施の形態4の光線射出システム1dでは、エミッタ30が出射した光線をエアロゾルに伝搬させているが、本実施の形態では、ビームスプリッター60によって、第1光線を複数に分割している点で、実施の形態4等と相違する。
【0265】
図19は、実施の形態5における光線射出システム1fを示す模式図である。
図19のaは、実施の形態5における光線射出システム1fを側面から見た図であり、
図19のbは、実施の形態5における光線射出システム1fを上面から見た図である。
【0266】
図1及び
図19に示すように、本実施の形態では、送風器10が2つの第1筒体を有し、エアロゾル生成器20が2つの第2筒体を有し、エミッタ30が2つの光源を有する。2つの第1筒体、2つの第2筒体及び2つの光源は、それぞれが鉛直方向に並ぶように配置される。このため、本実施の形態では、エアロゾルが流れる2つの流路が形成される。本実施の形態では、特に言及しない限り、鉛直上方側の流路を第1流路といい、鉛直下方側の流路を第2流路ということがある。
【0267】
エミッタ30は、エアロゾルが流れる流路の上方、下方又は側方に配置される。エミッタ30は、出射する第1光線が第1方向及び第2方向と交差する姿勢で配置される。本実施の形態では、エミッタ30は、天井等の造営材に固定され、出射する第1光線が第1方向及び第2方向と略直交する姿勢で配置される。本実施の形態では、エミッタ30は、エアロゾルが流れる流路の上方に配置される。
【0268】
なお、エミッタ30は、送風器10及びエアロゾル生成器20に配置してもよく、送風器10及びエアロゾル生成器20と対向するように、送風器10及びエアロゾル生成器20の前方に配置してもよい。
【0269】
エミッタ30は、光源及び導光体の他に、ビームスプリッター60と、光学素子68とをさらに有する。
【0270】
<ビームスプリッター60>
ビームスプリッター60は、エミッタ30が出射する第1光線の光軸上であり、かつ、エアロゾルが流れる第1流路の直線上に配置される。具体的には、ビームスプリッター60は、送風器10の第1筒体の中心軸及びエアロゾル生成器20の第2筒体の中心軸と交差し、本実施の形態では鉛直上方側の第1筒体及び第2筒体と対向する前方側に配置される。また、本実施の形態では、エミッタ30は、天井に固定されているため、ビームスプリッター60は、エミッタ30の鉛直下方に配置され、かつ、光学素子68の鉛直上方に配置される。
【0271】
なお、ビームスプリッター60は、第1流路及び第2流路のそれぞれを流れるエアロゾルに第1分割光線及び第2分割光線を伝搬させることが可能であれば、第1筒体及び第2筒体の後方に配置されてもよい。
【0272】
ビームスプリッター60は、ビームスプリッター60に入射される第1光線を所定の割合で反射光と透過光とに分割する光学部材(ハーフミラー)である。ビームスプリッター60は、1つの光源31が出射した第1光線の一部である第1分割光線を透過し、残りの第1光線であり第1分割光線と波長の異なる第2分割光線を反射することで、第1光線を第1分割光線と第2分割光線とに分割する。ここでいう、第1光線は、上述の光線の一例である。
【0273】
ビームスプリッター60及び光学素子68は、第1分割光線の光軸と第2分割光線の光軸とが略平行となるように光軸を揃えた状態で、第2方向に出射する。つまり、第1分割光線は、エアロゾルの第1流路に沿って伝搬する。
【0274】
ビームスプリッター60は、例えば、ガラス材料、アクリル又はポリカーボネート等の透明樹脂材料に、多層膜が積層されることにより形成される。
【0275】
なお、本実施の形態では、1つのビームスプリッター60を用いるが、複数のビームスプリッター60を用いてもよい。つまり、エアロゾルを流れる流路の数によって、ビームスプリッター60の数を変更させてもよい。
【0276】
<光学素子68>
光学素子68は、エミッタ30が出射する第1光線の光軸上であり、かつ、エアロゾルが流れる第2流路の直線上であり、かつ、ビームスプリッター60が第2分割光線を出射する方向側に配置される。具体的には、光学素子68は、送風器10の第1筒体の中心軸及びエアロゾル生成器20の第2筒体の中心軸と交差し、本実施の形態では鉛直下方側の第1筒体及び第2筒体と対向する前方側に配置される。
【0277】
なお、光学素子68は、第2流路を流れるエアロゾルに第2分割光線を伝搬させることが可能であれば、第1筒体及び第2筒体の後方に配置されてもよい。
【0278】
光学素子68は、第2分割光線の伝搬方向を、エアロゾルの第2流路に沿った伝搬方向に変える光反射部材である。つまり、光学素子68は、第2分割光線を第2方向に案内する。例えば、ビームスプリッター60から出射された第2分割光線の出射方向が、ビームスプリッター60から出射された第1分割光線と交差する場合、光学素子68は、第2分割光線を第2方向と略平行となる方向に案内する。本実施の形態では、光学素子68は、鏡面加工された光反射部材であり、第2分割光線を第2方向と略平行となる方向に反射する。例えば、光学素子68は、鏡、光ファイバ、ライトガイド等である。
【0279】
[動作]
本実地の形態の光線射出システム1fにおける、エミッタ30の動作について説明する。
【0280】
制御部40は、エアロゾル生成器20を制御することで、エアロゾルを生成させる。エアロゾル生成器20が生成したエアロゾルは、容器、エアロゾル案内部及びそれぞれの第2筒体を介してエアロゾル生成器20の外部に吐き出される。この際に、制御部40はエミッタ30を制御してオンにすることで、エミッタ30は、第1光線を鉛直下方向に出射する。
【0281】
エミッタ30が出射した第1光線は、ビームスプリッター60に入射する。ビームスプリッター60は、入射した第1光線を第1分割光線と第2分割光線とに分割する。ビームスプリッター60は、第1分割光線をエアロゾルが流れる第1流路に沿って、第2方向に伝搬させる。
【0282】
また、ビームスプリッター60は、第2分割光線を鉛直下方側に出射し、光学素子68に入射させる。光学素子68は、入射した第2分割光線を反射し、エアロゾルが流れる第2流路に沿って、第2方向に伝搬させる。
【0283】
これにより、光線射出システム1fでは、第1流路では第1分割光線が伝搬し、第2流路では第2分割光線が伝搬することで、第1流路を流れるエアロゾルが発する光の色と、第2流路を流れるエアロゾルが発する光の色とを異ならせる。
【0284】
[作用効果]
次に、本実施の形態における光線射出システム1fの作用効果について説明する。
【0285】
本実施の形態に係る光線射出システム1fにおいて、エミッタ30は、1つの光源31が出射した光線である第1光線を第1分割光線と、第1分割光線と波長の異なる第2分割光線とに分割するビームスプリッター60を有する。
【0286】
これによれば、1つの光源31を用いて、波長の異なる複数種類の光線を出射することができる。このため、エアロゾルが流れる流路を伝搬する光線の色を変えることができるため、エアロゾルが流れる流路の表示態様を変更することができる。
【0287】
また、本実施の形態に係る光線射出システム1fにおいて、第1分割光線は、エアロゾルの流路に沿って伝搬する。
【0288】
これによれば、第1分割光線がエアロゾルに照射されるため、第1分割光線を確実に可視化することができる。
【0289】
また、本実施の形態に係る光線射出システム1fにおいて、エミッタ30は、第2分割光線の向きを、エアロゾルの流路に沿った向きに変える光学素子68を有する。
【0290】
これによれば、第2分割光線がエアロゾルに照射されるため、第2分割光線を確実に可視化することができる。また、第1分割光線と異なる色の光線であるため、エアロゾルが流れる流路を伝搬する光線の色を変えることができるため、エアロゾルが流れる流路の表示態様を変更することができる。
【0291】
また、本実施の形態において、実施の形態4等と同様の作用効果を奏する。
【0292】
(実施の形態6)
本実施の形態の光線射出システム1gの構成を説明する。
【0293】
本実施の形態における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態5等と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0294】
[構成:光線射出システム1g]
実施の形態5の光線射出システム1fでは、1つのエミッタを用いるが、本実施の形態では、複数のエミッタと複数のビームスプリッターとを例示する点で、実施の形態5等と相違する。
【0295】
図20は、実施の形態6における光線射出システム1gを示す模式図である。
図20のaは、実施の形態5における光線射出システム1gを上面から見た図であり、
図20のbは、実施の形態5における光線射出システム1gを側面から見た図である。
【0296】
図1及び
図20に示すように、本実施の形態の光線射出システム1gは、第1光線を出射する第1エミッタ30aと、第2光線を出射する第2エミッタ30bと、第3光線を出射する第3エミッタ30cと、複数のビームスプリッターとを備える。なお、光線射出システム1gは、少なくとも2つのエミッタを有していればよいため、第1エミッタ30a、第2エミッタ30b及び第3エミッタ30cのうちの1つのエミッタを備えなくてもよい。このため、第1エミッタ30a、第2エミッタ30b及び第3エミッタ30cのうちの1つは、光線射出システム1gの必須の構成要件ではない。
【0297】
第1光線の波長は、第2光線の波長及び第3光線の波長と異なる。また、第2光線の波長は、第3光線の波長と異なる。本実施の形態では、第1光線は赤色の光線、第2光線は青色の光線、第3光線は緑色の光線である。赤色の光線とは、赤色と認識できる波長帯域の光である。青色の光線とは、青色と認識できる波長帯域の光である。緑色の光線とは、緑色と認識できる波長帯域の光である。
【0298】
図20に示すように、第1エミッタ30aと第3エミッタ30cとは、第1光線及び第3光線がエアロゾルの流れる流路と交差し、かつ、第1光線と第3光線とが略平行となるように、互いに向き合う位置に配置される。本実施の形態では、第1光線及び第3光線がエアロゾルの流れる流路と略直交するように、第1エミッタ30a及び第3エミッタ30cは、この流路を挟むように配置される。また、第2エミッタ30bは、エアロゾルが流れる流路に沿って、第2方向に第2光線を伝搬させるように、第1ビームスプリッター60a及び第2ビームスプリッター60bを介して、送風器10の第1筒体とエアロゾル生成器20の第2筒体と対向する位置に配置される。
【0299】
複数のビームスプリッターは、エアロゾルが流れる流路の延長線上に配置される。
図20では、複数のビームスプリッターのうちの第1ビームスプリッター60a及び第2ビームスプリッター60bを用いた場合を説明する。
【0300】
第1ビームスプリッター60aは、第1光線上かつ第2光線上に配置され、かつ、第2エミッタ30bと第2ビームスプリッター60bとの間に配置される。第1ビームスプリッター60aには、第1光線及び第2光線が入射する。第1ビームスプリッター60aは、第2光線を透過させて、第2ビームスプリッター60bに案内する。また、第1ビームスプリッター60aは、第1光線を反射して、第2ビームスプリッター60bに案内する。本実施の形態では、第1ビームスプリッター60aは、赤色の波長帯域の光線を反射し、他の波長帯域の光線(例えば、青色の光線、緑色の光線等)を透過させる機能を有する。なお、第1ビームスプリッター60aは、第1光線だけを反射させ、他の波長帯域の光を吸収する機能を有する光反射部材であってもよい。
【0301】
第2ビームスプリッター60bは、第2光線上かつ第3光線上に配置され、かつ、第1ビームスプリッター60aと第1筒体及び第2筒体との間に配置される。第2ビームスプリッター60bには、第1ビームスプリッター60aを介して入射した第1光線及び第2光線と、第3エミッタ30cの第3光線とが入射する。第2ビームスプリッター60bは、第1光線及び第2光線を透過させて、エアロゾルが流れる流路に沿って、第2方向に第1光線及び第2光線を伝搬させる。また、第2ビームスプリッター60bは、第3光線を反射して、エアロゾルが流れる流路に沿って、第2方向に第3光線を伝搬させる。本実施の形態では、第2ビームスプリッター60bは、緑色の波長帯域の光線を反射し、他の波長帯域の光線(例えば、赤色の光線、青色の光線等)を透過させる機能を有する。なお、第2ビームスプリッター60bは、第3光線だけを反射させ、他の波長帯域の光を吸収する機能を有する光反射部材であってもよい。
【0302】
[動作]
本実地の形態の光線射出システム1gにおける光線の伝搬について説明する。
【0303】
図21Aは、実施の形態6における光線射出システム1gの第1エミッタ30aの第1光線を、流路を流れるエアロゾルに伝搬させる様子を示す模式図である。
図21Aのaは、実施の形態6における光線射出システム1gを上面から見た図であり、
図21Aのbは、実施の形態6における光線射出システム1gを側面から見た図である。
【0304】
図21Aに示すように、第1エミッタ30aが出射した光線は、第1ビームスプリッター60aによって反射され、第2ビームスプリッター60bに案内される。第2ビームスプリッター60bは第1光線を透過させるため、エアロゾルが流れる流路に沿って第1光線は伝搬する。このため、
図21Aでは、エアロゾルが流れる流路は、赤色に発光する。
【0305】
図21Bは、実施の形態6における光線射出システム1gの第2エミッタ30bの第2光線を、流路を流れるエアロゾルに伝搬させる様子を示す模式図である。
図21Bのaは、実施の形態6における光線射出システム1gを上面から見た図であり、
図21Bのbは、実施の形態6における光線射出システム1gを側面から見た図である。
【0306】
図21Bに示すように、第2エミッタ30bが出射した光線は、第1ビームスプリッター60a及び第2ビームスプリッター60bを透過するため、エアロゾルが流れる流路に沿って第2光線は伝搬する。このため、
図21Bでは、エアロゾルが流れる流路は、青色に発光する。
【0307】
図21Cは、実施の形態6における光線射出システム1gの第3エミッタ30cの第3光線を、流路を流れるエアロゾルに伝搬させる様子を示す模式図である。
図21Cのaは、実施の形態6における光線射出システム1gを上面から見た図であり、
図21Cのbは、実施の形態6における光線射出システム1gを側面から見た図である。
【0308】
図21Cに示すように、第3エミッタ30cが出射した光線は、第2ビームスプリッター60bによって反射され、エアロゾルが流れる流路に沿って第3光線は伝搬する。このため、
図21Cでは、エアロゾルが流れる流路は、緑色に発光する。
【0309】
制御部40は、
図20〜
図21Cに示すいずれの場合においても、第1エミッタ30a、第2エミッタ30b及び第3エミッタ30cのそれぞれを個別に制御することで、エアロゾルが流れる流路に伝搬させる光線を変化させる。つまり、制御部40は、第1光線、第2光線及び第3光線の少なくとも1つの光線を組み合わせることで、エアロゾルが流れる流路に伝搬させる光線の色を変更する。これにより、エアロゾルが流れる流路の発光する色が変わる。
【0310】
[作用効果]
次に、本実施の形態における光線射出システム1gの作用効果について説明する。
【0311】
本実施の形態に係る光線射出システム1gは、エアロゾルを生成するエアロゾル生成器20と、エアロゾルが流れる流路を形成する送風器10と、第1光線を出射する第1エミッタ30aと、第1光線が伝搬する向きを、エアロゾルの流路に沿った向きに変える光学素子68と、第2光線を出射する第2エミッタ30bとを備える。第2光線の少なくとも一部は、エアロゾルの流路に沿って伝搬する。
【0312】
これによれば、流路に沿って流れるエアロゾルに第1光線及び第2光線が照射されることで、照射された第1光線及び第2光線を浮かび上がらせることができる。つまり、光線がエアロゾルに拡散されることで、エアロゾルが流れる流路を光らせることができるため、明るい空間でも第1光線及び第2光線を視認し易い態様にすることができる。
【0313】
したがって、光線射出システム1gでは、第1光線及び第2光線を明確に認識することができる。
【0314】
特に、どの方向から見ても第1光線及び第2光線を視認することができるため、この光線射出システム1gでは、設置場所は限定されない。
【0315】
また、本実施の形態に係る光線射出システム1gにおいて、第1光線の波長は、第2光線の波長と異なる。
【0316】
これによれば、複数種類の光線をエアロゾルに浮かび上がらせることができる。つまり、2種類以上の色の光線によって、エアロゾルが流れる流路を伝搬する光線の色を変えることができるため、エアロゾルが流れる流路の表示態様を変更することができる。
【0317】
また、本実施の形態において、実施の形態5等と同様の作用効果を奏する。
【0318】
(実施の形態6の変形例)
本変形例の光線射出システム1gの構成を説明する。
【0319】
本変形例における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態6等と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0320】
実施の形態6の光線射出システム1gに対して、複数のビームスプリッターの配置と、複数のエミッタの配置とを変更した場合の別の例を説明する。
【0321】
複数のビームスプリッターのうちの一部のビームスプリッターは、エアロゾルが流れる流路の延長線上に配置されてもよい。
図22では、複数のビームスプリッターのうちの第1ビームスプリッター60a、第2ビームスプリッター60b、第3ビームスプリッター60c及び第4ビームスプリッター60dを用いた場合を説明する。
図22は、実施の形態6における光線射出システム1gにおいて、4つのビームスプリッターを用いた場合を示す模式図である。
図22のaは、実施の形態6の変形例における光線射出システム1gを上面から見た図であり、
図22のbは、実施の形態6の変形例における光線射出システム1gを側面から見た図である。
【0322】
図22に示すように、第1エミッタ30a、第2エミッタ30b及び第3エミッタ30cのこの並び方向が第1方向と略直交するように、第1エミッタ30a、第2エミッタ30b及び第3エミッタ30cは、整列される。第1エミッタ30a及び第3エミッタ30cは、第2エミッタ30bを挟むように、第2エミッタ30bの両側に配置される。第1エミッタ30a及び第3エミッタ30cは、第1光線及び第3光線が第2方向と略平行となる姿勢で配置される。また、第2エミッタ30bは、エアロゾルが流れる流路に沿って、第2方向に第2光線を伝搬させるように、送風器10の第1筒体と、エアロゾル生成器20の第2筒体と対向するように配置される。
【0323】
第1ビームスプリッター60a及び第2ビームスプリッター60bは、第2エミッタ30bの第2光線上に配置される。第1ビームスプリッター60a及び第2ビームスプリッター60bの機能については
図20と同様であるため、説明を省略する。
【0324】
第3ビームスプリッター60cは、第1エミッタ30aの第1光線上に配置される。第3ビームスプリッター60cには、第1エミッタ30aの第1光線が入射する。第3ビームスプリッター60cは、第1光線を反射して、第1ビームスプリッター60aに案内する。本変形例では、第3ビームスプリッター60cは、赤色の波長帯域の光線を反射し、他の波長帯域の光線(例えば、青色の光線、緑色の光線等)を透過させる機能を有する。なお、第3ビームスプリッター60cは、第1光線だけを反射させ、他の波長帯域の光を吸収する機能を有する光反射部材であってもよい。
【0325】
第4ビームスプリッター60dは、第3エミッタ30cの第3光線上に配置される。第4ビームスプリッター60dには、第3エミッタ30cの第3光線が入射する。第4ビームスプリッター60dは、第3光線を反射して、第1ビームスプリッター60aに案内する。本変形例では、第2ビームスプリッター60bは、緑色の波長帯域の光線を反射し、他の波長帯域の光線(例えば、赤色の光線、青色の光線等)を透過させる機能を有する。なお、第4ビームスプリッター60dは、第3光線だけを反射させ、他の波長帯域の光を吸収する機能を有する光反射部材であってもよい。
【0326】
また、本変形例において、実施の形態6等と同様の作用効果を奏する。
【0327】
(実施の形態7)
本実施の形態の光線射出システム1hの構成を説明する。
【0328】
本実施の形態における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態1等と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0329】
[構成:光線射出システム1h]
図23は、実施の形態7における光線射出システム1hを示すブロック図である。
図24は、実施の形態7における光線射出システム1hを示す模式図である。
図25は、実施の形態7における光線射出システム1hの一対のゲート本体をエアロゾルが流れる流路に沿って切断した場合を示す断面図である。
【0330】
図23、
図24及び
図25に示すように、光線射出システム1hは、一対のゲート本体と、サーバ装置3とを備える。
【0331】
<ゲート本体>
一対のゲート本体は、第1ゲート本体2aと第2ゲート本体2bとからなるゲート装置(自動改札装置)である。第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bは、通路を移動する接近体の通行を許可したり、通行を禁止したりするゲートとして機能する。接近体は、人、動物、カート、車椅子等の移動体である。
【0332】
第1ゲート本体2aと第2ゲート本体2bとは、対向して配置される。第1ゲート本体2aと第2ゲート本体2bとの間は、規定条件を満たした接近体が通過するための改札通路として所定間隔開けられる。つまり、第1ゲート本体2aと第2ゲート本体2bとは、改札通路を挟んで対向するように配置される。改札通路における接近体の通行方向は、改札通路を通過する双方向である。第1ゲート本体2aの外形形状と第2ゲート本体2bの外形形状とは、同様である。また、第1ゲート本体2aは、第2ゲート本体2bと無線又は有線通信可能に接続される。なお、第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bは、複数設けられていてもよく、数は特に限定されない。また、第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bを構成する構成要素についても同様である。
【0333】
<第1ゲート本体2a>
第1ゲート本体2aは、上述の送風器10、エアロゾル生成器20、エミッタ30、及び、制御部40の他に、風計測部771と、送風変更装置772と、気体加速装置773と、音響装置774と、電源部775とを有する。つまり、第1ゲート本体2aは、送風器10、エアロゾル生成器20、エミッタ30、制御部40、風計測部771、送風変更装置772、気体加速装置773及び音響装置774を筐体2a1に収容する。
【0334】
第1ゲート本体2aには、送風器10及びエアロゾル生成器20が第1方向にエアロゾルが流れる流路を形成するための1以上の第2開口715及び1以上の吐出口725が同心円状に形成される。1以上の第2開口715及び1以上の吐出口725には、光線を出射するための光源31が配置され、それぞれの第2開口715内の導光体733から光線が出射する。本実施の形態では、4つの第2開口715が形成されている。それぞれの第2開口715は、第2ゲート本体2bに面する側に形成され、鉛直方向に並ぶように形成される。
【0335】
<風計測部771>
風計測部771は、筐体2a1の上面に配置され、改札通路を通過する風速及び風向きを計測し、計測した結果である風情報を所定期間間隔ごとに制御部40に出力する。風計測部771は、例えば、風速計、風速センサ等である。
【0336】
<送風変更装置772>
送風変更装置772は、風情報に応じて制御部40に制御されることによって、送風器10の風量及び送風方向を変更する。例えば、改札通路を通過する風速が規定風速以上であれば、送風変更装置772は、送風器10の送風方向を風上側に向けるとともに、風量を強くする。また、改札通路を通過する風速が規定風速未満であれば、送風変更装置772は、送風器10の送風方向を第1方向と略平行、つまり、後述する第2ゲート本体2bの回収口781aに向ける。
【0337】
<気体加速装置773>
気体加速装置773は、エアロゾルを遠くに飛ばすために、第2開口715から排気される風量を強める送風機器である。気体加速装置773は、エアロゾルが流れる流路に沿って、第1方向に気流を発生させる風量を強める。気体加速装置773は、風計測部771の風情報に基づいて制御部40によって制御されることで、エアロゾルが流れる流路の風量を強める。例えば、気体加速装置773は、風情報に示す風速が規定風速以上であれば、風上側に風量を強めた気流を発生させることで、エアロゾルを第2ゲート本体2bの回収口781aに案内する。
【0338】
<音響装置774>
音響装置774は、改札通路を通過しようとする接近体に対して警告音等を出力するスピーカである。音響装置774は、後述する認証部785が接近体に対して改札通路を通行する許可を与えることができなければ、制御部40から警告音を出力するための制御コマンドを取得する。この場合、音響装置774は、接近体が改札通路を通行する許可ができないことを示す警告音を出力する。また、音響装置774は、認証部785が接近体に対して改札通路を通行する許可を与えることができれば、制御部40から通行許可を示す音を出力するための制御コマンドを取得する。この場合、音響装置774は、接近体が改札通路を通行する許可ができることを示す音を出力する。なお、音響装置774は、許可情報を取得した場合、音を出力しなくてもよい。
【0339】
音響装置774は、接近体のゲート本体に近づく距離によって、発する音を変化させる。例えば、音響装置774は、第1接近センサ783がゲート本体から第2規定距離の位置に接近する接近体を検知した場合、第1音量の警告音を出力する。また、音響装置774は、第2接近センサ784がゲート本体から第3規定距離の位置に接近する接近体を検知した場合、第1音量の警告音よりも大きい第2音量の警告音を出力する。ここで、第3規定距離は、第2規定距離よりも短い。なお、音響装置774は、第1音量の警告音と、第2音量の警告音との内容を異ならせてもよい。
【0340】
<電源部775>
電源部775は、送風器10、エアロゾル生成器20、エミッタ30、制御部40、風計測部771、送風変更装置772、気体加速装置773及び音響装置774等を駆動させるための電力を供給する電源モジュールである。電源部775は、制御部40によって制御されることで、送風器10、エアロゾル生成器20、エミッタ30、送風変更装置772、気体加速装置773及び音響装置774等に供給する電力をオンにしたり、オフにしたりする。
【0341】
<第2ゲート本体2b>
第2ゲート本体2bは、回収装置781と、循環装置782と、第1接近センサ783と、第2接近センサ784と、認証部785と、気温計測部786と、湿度計測部787とを有する。つまり、第2ゲート本体2bは、回収装置781、循環装置782、第1接近センサ783、第2接近センサ784、認証部785、気温計測部786及び湿度計測部787を筐体2a2に収容する。
【0342】
第2ゲート本体2bにおいて、第1ゲート本体2aと対向する側の面には、第1ゲート本体2aから吐き出されたエアロゾルを回収するための回収口781aが形成される。回収口781aは、第2ゲート本体2bのおける筐体2a2の側面が窪む凹状の部分である。回収口781aには、エアロゾルだけでなく、第1ゲート本体2aのそれぞれの光源31が出射した光線が入射する。回収口781aの内部には、この光線を受光する受光素子が配置されてもよい。受光素子を配置することで改札通路を接近体が通過したかどうかを判定できる。本実施の形態では、第1ゲート本体2aから吐き出された4つのエアロゾルを1つの回収口781aが回収しているが、1以上の第2開口715と一対一で対向するように、1以上の回収口781aが第2ゲート本体2bに設けられていてもよい。
【0343】
<回収装置781>
回収装置781は、エアロゾルを冷却することで回収口781aに付着したエアロゾルの液化を促す凝縮器である。回収装置781は、回収口781aの周囲を冷却するために、熱交換機等が回収口781aに設けられていてもよい。なお、回収装置781は、エアロゾルが液化した液体から、反射材を回収する反射材回収部を有していてもよい。回収装置781は、回収した反射材を再利用してもよい。
【0344】
<循環装置782>
循環装置782は、第1ゲート本体2aと第2ゲート本体2bとを配管782bによって接続し、第2ゲート本体2bの回収装置781が回収した液体を、配管782bを介して第1ゲート本体2aのエアロゾル生成器20に供給する。具体的には、循環装置782は、配管782bと、ポンプ782aと、清浄部782cとを有する。
【0345】
配管782bは、第2ゲート本体2bの筐体2a2に収容される回収装置781の回収口781aと、第1ゲート本体2aの筐体2a1に収容されるエアロゾル生成器20の容器21とを接続し、連通する。つまり、配管782bは、ポンプ782aによって、回収口781aが回収した液体を容器21に戻す。また、配管782bは、第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bを設置する地面に埋設されている。
【0346】
ポンプ782aは、配管782bに設けられ、回収口781aが回収した液体を吸引し、配管782bを介して容器21に送出することで、容器21に液体を供給する。ポンプ782aは、例えば、電動ポンプ等である。また、ポンプ782aは、回収口781aの鉛直下方側に配置され、第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bを設置する地面に埋設されている。
【0347】
清浄部782cは、第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bを設置する地面に埋設されている。清浄部782cは、配管782bに設けられ、配管782bを通過する液体を殺菌又は除菌する。清浄部782cは、例えば、配管782bを通過する液体を回収し加熱することで殺菌又は除菌する加熱清浄装置である。また、清浄部782cは、紫外線照射装置又は殺菌剤又は除菌剤等により、配管782bを通過する液体を殺菌又は除菌してもよい。また、清浄部782cは、第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bを設置する地面に埋設されている。
【0348】
<第1接近センサ783>
第1接近センサ783は、第2ゲート本体2bの筐体2a2の下方側(改札通路の入場側)に配置され、第2ゲート本体2bに接近する人等の接近体を検知することができる人感センサである。第1接近センサ783は、赤外線、可視光等を用いて接近体を検知することができる。第1接近センサ783は、例えば、赤外線撮像デバイス、カメラ等の画像センサ等である。第1接近センサ783は、第1接近センサ783から第1規定距離内において接近する接近体を検知することができる。第1接近センサ783は、接近体が接近したことを検知すると、検知した結果である第1検知情報を制御部40に出力する。
【0349】
<第2接近センサ784>
第2接近センサ784は、第2ゲート本体2bの筐体2a2において第1ゲート本体2aと対向する側の面に配置される。第2接近センサ784は、第2開口715及び吐出口725の近傍に配置され、第2開口715及び吐出口725から排出されるエアロゾルが流れる流路に接近する接近体を検知することができる人感センサである。第2接近センサ784は、赤外線、可視光等を用いて接近体を検知することができる。第2接近センサ784は、例えば、赤外線撮像デバイス、カメラ等の画像センサ等である。第2接近センサ784は、第2接近センサ784から第2規定距離内及び第3規定距離内において接近する接近体を検知することができる。つまり、第2接近センサ784は、第1接近センサ783よりも第2ゲート本体2bに接近する接近体を検知する。第2接近センサ784は、接近体が接近したことを検知すると、検知した結果である第2検知情報を制御部40に出力する。ここで、第2規定距離は、第1規定距離よりも短い距離であり、第3規定距離は、第2規定距離よりも短い距離である。第2規定距離は、規定距離の一例である。
【0350】
<認証部785>
認証部785は、改札通路を通過しようとする接近体に対して、改札通路を通行する許可を与えることができるかどうかを認証する。具体的には、認証部785は、認証装置としての通信端末(図示せず)を持つ接近体に対して、通信端末と通信を行うことで認証を試みる。例えば、認証部785は、通信端末が有する接近体に関する情報と、サーバ装置3に格納される許可情報とを照合することで認証を行う。認証部785は、この認証の結果に基づき、送風器10、エアロゾル生成器20及びエミッタ30を制御する。ここで、通信端末は、例えば、IC(Integrated Circuit)タグ、RFID(Radio Frequency Identifier)カード、スマートフォン等である。
【0351】
例えば、認証部785は、接近体に対して改札通路を通行する許可を与えることができれば、送風器10が発生させる気流の停止、エアロゾル生成器20のエアロゾルの生成の停止、及び、エミッタ30の導光体733から光線の出射を停止するための指令を制御部40に出力する。また、認証部785は、接近体に対して改札通路を通行する許可を与えることができなければ、エミッタ30の光線の色を変化させ、かつ、音響装置774に警告音を出力させるための指令を制御部40に出力する。
【0352】
<気温計測部786>
気温計測部786は、音響装置774の近傍に配置され、改札通路近傍の気温を計測し、計測した結果である温度情報を制御部40に出力する。気温計測部786は、例えば、温度計、温度センサ等である。
【0353】
<湿度計測部787>
湿度計測部787は、音響装置774の近傍に配置され、改札通路近傍の湿度を計測し、計測した結果である湿度情報を制御部40に出力する。湿度計測部787は、例えば、湿度計、湿度センサ等である。
【0354】
<電源部788>
電源部788は、回収装置781、循環装置782、第1接近センサ783、第2接近センサ784及び認証部785等を駆動させるための電力を供給する電源モジュールである。電源部788は、制御部40によって制御されることで、回収装置781及び循環装置782等に供給する電力をオンにしたり、オフにしたりする。
【0355】
<制御部40>
制御部40は、第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bのそれぞれから取得した情報に基づいて、送風器10、エアロゾル生成器20、エミッタ30、送風変更装置772、気体加速装置773及び音響装置774等を制御する制御装置である。本実施の形態では、制御部40は、第1ゲート本体2aに搭載されているが、第2ゲート本体2bに搭載されていてもよく、サーバ装置3に搭載されていてもよい。また、制御部40は、第1ゲート本体2a、第2ゲート本体2b及びサーバ装置3と別々の装置であってもよい。
【0356】
制御部40は、第1接近センサ783が改札通路に接近する接近体を検知することで生成した第1検知情報を第1接近センサ783から取得すると、送風器10及びエアロゾル生成器20を駆動させる制御コマンドをそれぞれ出力する。つまり、制御部40は、送風器10及びエアロゾル生成器20をオフからオンに切り換える。
【0357】
また、制御部40は、第1検知情報を第1接近センサ783から取得した場合も、エミッタ30を駆動させる制御コマンドをそれぞれ出力する。つまり、制御部40は、エミッタ30の光源31をオフからオンに切り換える。
【0358】
また、制御部40は、第2検知情報に基づいて、音響装置774に警告音を出力させる警告音の音量を変更させたり、音響装置774に警告音の内容を変更させたりするための制御コマンドを出力する。つまり、制御部40は、音響装置774に警告音を出力させる。
【0359】
また、制御部40は、第2検知情報に基づいて、接近体が改札通路(エアロゾルが流れる流路又は光線)に第2規定距離まで接近しているかどうかを判定する。具体的には、制御部40は、第2検知情報に基づいて、接近体が改札通路(エアロゾルが流れる流路又は光線)に接近する距離によって、エミッタ30の光線の色を変更したり、音響装置774に警告音を出力させたりするかどうかの判定に用いる。
【0360】
また、制御部40は、第2検知情報に基づいて、接近体が改札通路(エアロゾルが流れる流路又は光線)に第2規定距離よりも近い第3規定距離まで接近しているかどうかを判定する。具体的には、制御部40は、第2検知情報に基づいて、接近体が改札通路(エアロゾルが流れる流路又は光線)に近接する距離によって、接近体をサーバ装置3の要注意リスト(ブラックリスト)に登録したりするかどうかの判定に用いる。
【0361】
また、制御部40は、送風器10が発生させる気流の停止、エアロゾル生成器20のエアロゾルの生成の停止、及び、エミッタ30による光線の出射を停止するための指令を認証部785から取得する。この場合、制御部40は、送風器10、エアロゾル生成器20及びエミッタ30のそれぞれをオンからオフに切り換えるための制御コマンドを、送風器10、エアロゾル生成器20及びエミッタ30に出力する。
【0362】
また、制御部40は、温度情報に基づいて、エアロゾルの温度を変更させるように、エアロゾル生成器20に制御コマンドを出力する。つまり、周囲の気温とエアロゾルとに温度差を小さくするように、制御部40は、エアロゾル生成器20を制御する。例えば、周囲の温度が高ければ、制御部40は、エアロゾルの温度を高める制御コマンドをエアロゾル生成器20に出力する。
【0363】
また、制御部40は、湿度情報に基づいて、エアロゾルの噴出量させるように、エアロゾル生成器20に制御コマンドを出力する。つまり、周囲の湿度が低ければ、エアロゾルの噴出量を高めるように、制御部40は、エアロゾル生成器20を制御する。
【0364】
<サーバ装置3>
サーバ装置3は、制御部40と有線又は無線通信可能に接続され、接近体に関する情報、要注意リスト等を格納するパーソナルコンピュータである。サーバ装置3は、接近体による改札通路の通行を許可するための許可情報を格納する。許可情報は、接近体に関する情報と照合されることで、認証部785が接近体に対して改札通路を通行する許可を与えることができるかどうかの判定に用いられる情報である。
【0365】
なお、光線射出システム1hにおいて、第1ゲート本体2aは、さらに、循環装置782、回収装置781、サーバ装置3、第1接近センサ783、第2接近センサ784、認証部785、気温計測部786及び湿度計測部787の少なくとも1つをさらに備えていてもよい。また、第1ゲート本体2aが回収装置781を備える場合、第1ゲート本体2aの第2開口715側の面とは反対側の面から、流路を流れるエアロゾルを回収してもよい。つまり、第1ゲート本体2aは、第2ゲート本体2bと同様の機能を有していてもよい。
【0366】
また、光線射出システム1hにおいて、第2ゲート本体2bは、送風器10、エアロゾル生成器20、エミッタ30、制御部40、音響装置774、気体加速装置773、送風変更装置772及び風計測部771の少なくとも1つをさらに備えていてもよい。また、第2ゲート本体2bが送風器10、エアロゾル生成器20及びエミッタ30を備える場合、第2ゲート本体2bの回収口781a側の面とは反対側の面から、エアロゾルが流れる流路に沿って光線を伝搬させてもよい。つまり、第2ゲート本体2bは、第1ゲート本体2aと同様の機能を有していてもよい。
【0367】
[動作]
本実地の形態の光線射出システム1hの動作について説明する。
【0368】
図26Aは、実施の形態7における光線射出システム1hの動作を示すフローチャートである。
【0369】
ここでは、接近体が一対のゲート本体の改札通路に接近する場合を想定する。
【0370】
まず、
図26Aに示すように、第1接近センサ783は、一対のゲート本体に接近する人等の接近体を検知する(S101)。第1接近センサ783は、第1接近センサ783から第1規定距離の範囲内に接近体が接近すると、接近する接近体を検知し、検知した結果である第1検知情報を制御部40に出力する。
【0371】
次に、制御部40は、第1検知情報を取得すると、送風器10及びエアロゾル生成器20を駆動させる制御コマンドをそれぞれ出力する。つまり、制御部40は、送風器10及びエアロゾル生成器20をオフからオンに切り換える。これにより、送風器10及びエアロゾル生成器20が駆動することで、送風器10及びエアロゾル生成器20によって、エアロゾルの流路が第1方向に複数形成される(S102)。
【0372】
また、制御部40は、エミッタ30を駆動させる制御コマンドを出力する。つまり、制御部40は、エミッタ30の複数の光源31をオフからオンに切り換える。これにより、エミッタ30が駆動することで、エミッタ30によって、エアロゾルの流路に沿った複数の光線が出射される(S103)。制御部40は、エミッタ30に青色の光線を出射させる。その結果、エアロゾルの流れる流路が青色に光って見える。なお、ステップS102とステップS103とを同時に行ってもよい。
【0373】
次に、第2接近センサ784は、改札通路に接近する人等の接近体を検知する(S104)。第2接近センサ784は、第2接近センサ784から第2規定距離の範囲内に接近体が接近すると、接近する接近体を検知し、検知した結果である第2検知情報を制御部40に出力する。
【0374】
次に、制御部40は、接近体が改札通路(エアロゾルが流れる流路又は光線)に第2規定距離まで接近しているかどうかを判定する(S105)。つまり、制御部40は、取得した第2検知情報に示される距離が第2規定距離以下であるかどうかを判定する。
【0375】
制御部40は、第2検知情報に示される距離が第2規定距離以下である場合(S105でYes)、接近体が第2規定距離まで改札通路(エアロゾルが流れる流路又は光線)に接近していることを示すため、エミッタ30に出射する光線の色を変更させる制御コマンドを出力する。これにより、エミッタ30は、光源31が出射する光線の色を青色から赤色に変更することで、赤色の光線を出射する(S106)。その結果、エアロゾルの流れる流路が赤色に光って見える。ここで、第2規定距離は、例えば数(m)以下又は数十(cm)以下であり、本実施の形態では50(cm)である。
【0376】
また、制御部40は、第2検知情報を取得すると、音響装置774に警告音を出力させるための制御コマンドを出力することで、接近体に対して第1音量の警告音を音響装置774に出力させる(S107)。なお、ステップS106とステップS107とを同時に行ってもよい。
【0377】
次に、制御部40は、接近体が改札通路(エアロゾルが流れる流路又は光線)に第3規定距離まで接近しているかどうかを判定する(S108)。つまり、制御部40は、取得した第2検知情報に示される距離が第3規定距離以下であるかどうかを判定する。ここで、第3規定距離は、例えば数十(cm)以下であり、本実施の形態では15(cm)である。
【0378】
制御部40は、第2検知情報に示される距離が第3規定距離以下である場合(S108でYes)、接近体が第3規定距離まで改札通路(エアロゾルが流れる流路又は光線)に接近していることを示すため、送風器10及びエアロゾル生成器20の駆動を停止させる制御コマンドをそれぞれ出力する。つまり、制御部40は、送風器10及びエアロゾル生成器20をオンからオフに切り換える。これにより、送風器10及びエアロゾル生成器20が駆動を停止することで、送風器10及びエアロゾル生成器20は、エアロゾルが流れる流路を停止する(S109)。
【0379】
なお、制御部40は、第2検知情報に示される距離が第3規定距離以下である場合(S108でYes)、音響装置774に警告音を出力させるための制御コマンドを出力することで、接近体に対して第2音量の警告音を音響装置774に出力させてもよい。
【0380】
また、制御部40は、エミッタ30の駆動を停止させる制御コマンドを出力する。つまり、制御部40は、エミッタ30の光源31をオンからオフに切り換える。これにより、エミッタ30の駆動を停止することで、エミッタ30は、光線の出射を停止する(S110)。
【0381】
次に、認証部785は、接近する接近体の情報を取得する(S111)。例えば、認証部785は、接近体を撮像し、撮像した画像を示す接近体情報を生成し、生成した接近体情報をサーバ装置3に出力する。また、認証部785は、接近体が通信端末を有する場合、通信端末に格納されている、接近体情報を取得し、取得した接近体情報をサーバ装置3に出力してもよい。サーバ装置3は、取得した接近体情報を要注意リストに登録する。そして、光線射出システム1hは、処理を終了する。
【0382】
次に、サーバ装置3は、接近体情報を取得すると、接近体情報が示す接近体を要注意リストに記憶する(S112)。
【0383】
また、第2検知情報に示される距離が第2規定距離でない場合(S105でNo)、又は、第2検知情報に示される距離が第3規定距離でない場合(S108でNo)、認証部785は、接近体を認証し、改札通路の通過を許可できるかどうかを判定する(S121)。つまり、認証部785は、接近体が有する通信端末を認証し、改札通路の通過を許可できるかどうかを判定する。具体的には、認証部785は、通信端末が有する接近体に関する情報とサーバ装置3に格納される情報とを照合する。サーバ装置3に当該接近体に関する情報が格納されている場合、認証部785は、接近体に対して改札通路を通行する許可を与える(S121でYes)。
【0384】
認証部785が接近体に対して改札通路の通行を許可する場合(S121でYes)、認証部785は、送風器10が発生させる気流の停止、エアロゾル生成器20のエアロゾルの生成の停止、及び、エミッタ30による光線の出射を停止するための指令を制御部40に出力する。制御部40は、この指令を取得すると、送風器10、エアロゾル生成器20及びエミッタ30のそれぞれの駆動を停止させる制御コマンドを出力する。送風器10、エアロゾル生成器20及びエミッタ30のそれぞれは、エアロゾルが流れる流路(S122)及び光線の出射を停止する(S123)。こうして、接近体は改札通路を通過することができる。そして、光線射出システム1hは、処理を終了する。
【0385】
図26Bは、
図26AのXの続きの処理である光線射出システム1hの動作を示すフローチャートである。
【0386】
図26Bに示すように、一方、認証部785が接近体に対して改札通路の通行を許可することができない場合(S121でNo)、エミッタ30の光線の色を変化させ、かつ、音響装置774に警告音を出力させるための指令を制御部40に出力する。制御部40は、エミッタ30に出射する光線の色を変更させる制御コマンドを出力する。これにより、エミッタ30は、光源31が出射する光線の色を青色から赤色に変更することで、赤色の光線を出射する(S124)。その結果、エアロゾルの流れる流路が赤色に光って見える。
【0387】
また、制御部40は、音響装置774に警告音を出力させるための制御コマンドを出力することで、接近体に対して第1音量の警告音を音響装置774に出力させる(S125)。なお、ステップS124とステップS125とを同時に行ってもよい。
【0388】
次に、制御部40は、第2検知情報を取得するかどうかを判定する(S126)。
【0389】
制御部40は、第2検知情報を取得しない場合(S126でNo)、接近体が改札通路(一対のゲート本体)から離れていることを示すため、制御部40は、送風器10及びエアロゾル生成器20をオンからオフに切り換える。これにより、送風器10及びエアロゾル生成器20が駆動を停止することで、送風器10及びエアロゾル生成器20はエアロゾルが流れる流路を停止する(S127)。
【0390】
また、制御部40は、エミッタ30の駆動を停止させる制御コマンドをそれぞれ出力する。つまり、制御部40は、エミッタ30の光源31をオンからオフに切り換える。これにより、エミッタ30の駆動を停止することで、エミッタ30は、光線の出射を停止する(S128)。そして、光線射出システム1hは、処理を終了する。
【0391】
制御部40は、第2検知情報を取得する場合(S126でYes)、つまり、接近体が停止又は改札通路(エアロゾルが流れる流路又は光線)に近づく場合、音響装置774に警告音を出力させるための制御コマンドを出力することで、接近体に対して第2音量の警告音を音響装置774に出力させる(S129)。そして、光線射出システム1hは、処理を終了する。
【0392】
また、本実施の形態において、実施の形態1等と同様の作用効果を奏する。
【0393】
(実施の形態8)
本実施の形態の光線射出システム1jの構成を説明する。
【0394】
本実施の形態における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態1等と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0395】
[構成:光線射出システム1j]
図27は、実施の形態8における光線射出システム1jを示すブロック図である。
図27は、通路において、光線射出システム1jが設置されている所定空間を示す。
図27では、第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bの構成を簡略化して示す。
図27では、エアロゾルが光線によって可視化されている様子をドットのハッチングで例示している。
図28は、実施の形態8における光線射出システム1jを示す模式図である。
【0396】
図27及び
図28に示すように、光線射出システム1jでは、第1ゲート本体2aと第2ゲート本体2bとが対向するように通路の両端に配置される。光線射出システム1jでは、接近体の通行を拒否する場合、第1ゲート本体2aと第2ゲート本体2bとの間でエアロゾルが流れる流路を形成するとともに、また、光線射出システム1jでは、光線がエアロゾルに沿って出射されるため、エアロゾルが可視化される。また、接近体の通行を許可する場合、第1ゲート本体2aと第2ゲート本体2bとの間でエアロゾルが流れず、光線も照射されない。
【0397】
光線射出システム1jは、第1ゲート本体2a、第2ゲート本体2b及びサーバ装置3の他に、検知システム2cを備える。
【0398】
第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bは、接近体の侵入を制限するための制限領域E1のゲートとして配置される。つまり、第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bは、接近体の侵入が制限されていない非制限領域E2と制限領域E1との境界に配置され、制限領域E1への侵入が許可されていない接近体の侵入を制限する。非制限領域E2と制限領域E1との境界は、エアロゾルに区切られる。
【0399】
検知システム2cは、第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bに接近する接近体を検知するように、第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bよりも離れた箇所に配置される。
【0400】
検知システム2cは、認証部881と、重量検知部882とを有する。なお、認証部881及び重量検知部882は、複数設けられていてもよく、数は特に限定されない。
【0401】
認証部881は、第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bに接近する接近体を検知して、認証する検知認証部である。認証部881は、接近体が第1ゲート本体2aと第2ゲート本体2bとの間の通行(ゲートの通過)を許可するか否かを照合する。具体的には、認証部881は、画像に基づいて接近体を検知し、かつ、接近体の重量を検知することで、通行を許可したり、通行を拒否したりする。本実施の形態では、認証部881は、第1の通行要件及び第2の通行要件を満たす場合に、第1ゲート本体2aと第2ゲート本体2bとの間の通行を許可する。
【0402】
まず、認証部881は、例えば赤外線、可視光等を用いて接近体を撮像して、接近体を認識することで、第1の通行要件を満たすか否かを判定する。具体的には、認証部881が撮像装置を有する場合、撮像装置が、接近体である人の顔を撮像する。認証部881は、撮像装置が撮像した人の顔の画像から、人を認識する。認証部881は、サーバ装置3にアクセスし、サーバ装置3の要注意リストに登録されているか否かを判定する。認証部881は、要注意リストに登録されていなければ、その人は第1の通行要件を満たし、要注意リストに登録されていなければ、その人は第1の通行要件を満たさないため、当該人の通行を拒否する。
【0403】
なお、第1の通行要件を満たす人が予め許可リストとしてサーバ装置3に登録されている場合、認証部881は、サーバ装置3にアクセスし、サーバ装置3の許可リストに登録されているか否かを判定してもよい。認証部881は、許可リストに登録されていれば、その人は第1の通行要件を満たすと判定し、許可リストに登録されていなければ、その人は第1の通行要件を満たさないと判定し、当該人の通行を拒否してもよい。
【0404】
また、認証部881は、第1の通行要件を満たす場合、重量検知部882から取得した人(接近体)の重量を示す重量情報に基づいて、第2の通行要件を満たすか否かを判定する。具体的には、認証部881は、重量情報に示される人の重量が規定重量以上か否かを判定する。人の重量が規定重量以上であれば、その人は第2の通行要件を満たさないため、当該人の通行を拒否する。人の重量が規定重量未満であれば、その人は第2の通行要件を満たすため、当該人の通行を許可する。人の重量は、人そのものの重量であってもよく、荷物等を含めた総重量であってもよい。
【0405】
認証部881は、照合した結果により、接近体による第1ゲート本体2aと第2ゲート本体2bとの間の通行を許可しない場合(拒否する場合)、第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bのそれぞれに、通行を拒否する指令を出力する。なお、認証部881は、照合した結果により、接近体による第1ゲート本体2aと第2ゲート本体2bとの間の通行を許可する場合、第1ゲート本体2aと第2ゲート本体2bに対して何ら指令を出力しなくてもよい。なお、認証部881は、当該通行を許可する場合、通行を許可する指令を第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bのそれぞれに出力することで、通行の許可を示す提示を第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bに出力させてもよい。
【0406】
図29は、実施の形態8における光線射出システム1jを側方から見た場合を示す模式図である。
図30は、実施の形態8における光線射出システム1jを上方から見た場合に、接近体Aが非制限領域E2から制限領域E1に向かって移動する様子を示す模式図である。
図31は、実施の形態8における光線射出システム1jを上方から見た場合に、接近体Bが制限領域E1から非制限領域E2に向かって移動する様子を示す模式図である。
図30及び
図31では、エアロゾルが光線によって可視化されている様子をドットのハッチングで例示している。
【0407】
図29及び
図30では、接近体Aは、非制限領域E2に存在し、接近体Bは、制限領域E1に存在する。この場合、認証部881は、接近体Aに対して、第1ゲート本体2aと第2ゲート本体2bとの間の通行を許可するか否かを判定する。一方、
図29及び
図31では、認証部881は、接近体Bに対して、第1ゲート本体2aと第2ゲート本体2bとの間の通行を許可するか否かの判定を行わない。接近体Bは、制限領域E1に存在しており、通行が許可されているため、認証部881による再度の認証が行われない。
【0408】
重量検知部882は、第1ゲート本体2aと第2ゲート本体2bとの間を通過するための通路上に配置される。重量検知部882は、複数の重量センサを有し、複数の重量センサが非制限領域E2の通路の床面内に配置されることで、第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bに接近する接近体の重量を検知する。重量検知部882は、第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bから所定距離離れた位置に配置される。重量検知部882は、接近体の重量を示す重量情報を認証部881に出力する。なお、重量検知部882は、複数の重量センサのうちの一部の重量センサが検知した接近体に基づいて、接近体の存在する位置を検知してもよい。
【0409】
なお、検知システム2cでは、重量検知部882は必須の構成要件ではない。このため、検知システム2cは、重量検知部882を有していなくてもよい。この場合、認証部881は、第1の通行要件だけで接近体による通行の可否を判定してもよい。
【0410】
[適用例]
図32は、実施の形態8における光線射出システム1jをT字路に設置した様子を示す模式図である。
図32では、2つの通路の交差点近傍に、一対のゲート本体を2か所に設置した様子を示す。
【0411】
図33は、実施の形態8における光線射出システム1jをエスカレータ889に設置した様子を示す模式図である。
図33では、エスカレータ889の下側の乗り口と上側の乗り口とに、一対のゲート本体を2か所に設置した様子を示す。
【0412】
図34は、実施の形態8における光線射出システム1jをビルB1に設置した様子を示す模式図である。
図34では、ビルB1の入り口とビルB1内の居室K1の入り口とに、一対のゲート本体を2か所に設置した様子を示す。ビルB1内は、ビルB1の外の非制限領域E2に対して制限領域E1となり、ビルB1の居室K1は、ビルB1内の制限領域E1に対してさらなる制限領域E1となる。
【0413】
図35は、実施の形態8における光線射出システム1jを会議室K2の入り口に設置した様子を示す模式図である。
図35では、会議室K2の入り口に、一対のゲート本体を設置した様子を示す。
【0414】
図30〜
図32では、エアロゾルが光線によって可視化されている様子をドットのハッチングで例示している。
【0415】
[動作例1]
本実地の形態の光線射出システム1jの動作例1について説明する。
【0416】
図36は、実施の形態8における光線射出システム1jの動作例1を示すフローチャートである。
【0417】
ここでは、接近体が第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bに接近する場合を想定する。
【0418】
まず、
図36に示すように、光線射出システム1jの検知システム2cは、第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bに接近する人等の接近体を検知する(S181)。検知システム2cの認証部881は、認証部881から所定距離の範囲内に接近体が接近すると、接近する接近体を検知する。
【0419】
認証部881は、接近体が第1ゲート本体2aと第2ゲート本体2bとの間の通行を許可するか否かを照合する(S182)。具体的には、認証部881は、画像に基づいて接近体を検知し、かつ、接近体の重量を検知することで、通行を許可したり、通行を拒否したりする。認証部881は、第1の通行要件及び第2の通行要件を満たす場合に、第1ゲート本体2aと第2ゲート本体2bとの間の通行を許可する。一方で、認証部881は、第1の通行要件及び第2の通行要件のいずれかを満たさない場合、第1ゲート本体2aと第2ゲート本体2bとの間の通行を拒否する。
【0420】
認証部881は、ステップS182の照合結果が、第1ゲート本体2aと第2ゲート本体2bとの間の通行を許可する場合(S183でYes)、処理を終了してもよい。この場合、第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bは、作動しなくてもよい。
【0421】
認証部881は、ステップS182の照合結果が、第1ゲート本体2aと第2ゲート本体2bとの間の通行を拒否する場合(S183でNo)、第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bのそれぞれに、通行を拒否する指令を出力する。第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bは、通行を拒否する指令を取得すると、送風器10及びエアロゾル生成器20が駆動することで、送風器10及びエアロゾル生成器20によって、エアロゾルの流路を第1方向に複数形成する(S184)。
【0422】
また、第1ゲート本体2aは、エミッタ30が駆動することで、エミッタ30によって、エアロゾルの流路に沿った複数の光線を出射する(S185)。これにより、エアロゾルが光線によって可視化される。なお、ステップS184とステップS185とを同時に行ってもよい。
【0423】
例えば、接近体が第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bから離れたり、又は、
図26AのS108等のように近づき過ぎたりすると、第1ゲート本体2aは、エミッタ30の駆動を停止することで、光線の出射を停止する(S186)。
【0424】
また、第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bは、送風器10及びエアロゾル生成器20が駆動を停止することで、エアロゾルが流れる流路を停止する(S187)。なお、ステップS186とステップS187とを同時に行ってもよい。
【0425】
そして、光線射出システム1jは、処理を終了する。
【0426】
[動作例2]
本実地の形態の光線射出システム1jの動作例2について説明する。
【0427】
動作例2では、動作例1と同様の動作については、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0428】
図37は、実施の形態8における光線射出システム1jの動作例2を示すフローチャートである。
【0429】
まず、
図37に示すように、光線射出システム1jの検知システム2cは、第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bに接近する人等の接近体を検知する(S181)。
【0430】
次に、検知システム2cの認証部881は、接近体の移動方向がゲート本体側(第1ゲート本体2a側又は第2ゲート本体2b側)の方向か否かを判定する(S192)。つまり、認証部881は、接近体が第1ゲート本体2a又は第2ゲート本体2bに近づくか否かを判定する。認証部881は、接近体が第1ゲート本体2a又は第2ゲート本体2bから規定距離内に近づいたか否かを判定する。
【0431】
認証部881は、接近体が第1ゲート本体2a又は第2ゲート本体2bに近づいていない場合(S192でNo)、処理を終了する。
【0432】
認証部881は、接近体が第1ゲート本体2a又は第2ゲート本体2bに近づいている場合(S192でYes)、ステップS184〜S187の処理を経て、処理を終了する。
【0433】
[作用効果]
次に、本実施の形態における光線射出システム1jの作用効果について説明する。
【0434】
例えば、エスカレータの乗り口及び降り口等では、既存のフラッパーゲート等のような物理的障壁となるゲート装置を設置することは、危険性が高いため好ましくない。しかし、特定条件を満たさない接近体の接近を防ぎたい場合には、何ら接近を防ぐ手立てがない。また、ラッシュ時等の人の移動が活発な時間帯では、オフィスビル全体の出入口等で、物理的障壁を伴うゲート装置付近で渋滞が引き起こされる。このため、特定条件を満たした接近体が接近したときにのみ、容易に接近体が通過できるシステムが求められている。
【0435】
そこで、本実施の形態に係る光線射出システム1jは、送風器10と、エミッタ30とを有する第1ゲート本体2aと、送風器10が形成した流路を流れるエアロゾルを回収し、かつ、エミッタ30が出射した光線が照射される第2ゲート本体2bと、第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bに近づく接近体を検知する検知システム2cとを備える。そして、第1ゲート本体2aは、接近体が第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bに規定距離以上、近づいたことを検知システム2cが検知すると、送風器10がエアロゾルの流れる流路を形成し、かつ、エミッタ30が光線を出射する。
【0436】
また、第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bに近づく接近体に対して可視化されたゲートを浮かび上がらせることができる。つまり、光線射出システム1jは、光線を明確に認識することができる。このため、特定条件を満たしていない接近体は、第1ゲート本体2aと第2ゲート本体2bとの間の通過を抑制することができる。また、特定条件を満たした接近体は、何らゲートが形成されないため、接近体は容易に通過することができる。
【0437】
また、特定条件を満たした接近体が接近したときにのみ、通過できるような第1ゲート本体2a又は第2ゲート本体2bを設置することで、接近体は容易に通過することができる。このため、第1ゲート本体2a又は第2ゲート本体2bの付近で渋滞が発生し難くなる。また、接近体が特定条件を満たさない場合、光線による心理的なゲートを作成することで、接近体の通過を抑制することができる。
【0438】
また、本実施の形態に係る光線射出システム1jにおいて、第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bは、特定の接近体の侵入が許容される制限領域E1と、接近体の侵入が制限されない非制限領域E2との境界に配置される。検知システム2cは、接近体の重量を検知する重量検知部882を有する。そして、重量検知部882は、非制限領域E2に配置される。
【0439】
これによれば、非制限領域E2から制限領域E1に移動する第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bに接近する接近体の重量を検知することができる。このため、例えば接近体の重量が規定重量以上であれば、通行要件を満たさないとして接近体の通過を抑制することができる。また、接近体の重量が規定重量未満であれば、通行要件を満たすとして接近体の通行を許可することができる。
【0440】
また、本実施の形態において、実施の形態7等と同様の作用効果を奏する。
【0441】
(実施の形態8の変形例)
本変形例の光線射出システム1jの構成を説明する。
【0442】
図38は、実施の形態8の変形例における光線射出システム1jを示すブロック図である。
図39は、実施の形態8の変形例における光線射出システム1jを示す斜視図である。
【0443】
本変形例では、認証部881の代わりにタグ認証部883を有する点で、実施の形態8と相違する。本変形例における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態8等と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0444】
検知システム2dは、重量検知部882の他に、タグ認証部883を有する。なお、タグ認証部883は、複数設けられていてもよく、数は特に限定されない。
【0445】
タグ認証部883は、第1ゲート本体2a及び第2ゲート本体2bに接近する接近体を認証するRFIDである。タグ認証部883は、タグ部883aと、読取部883bとを有する。タグ部883aは、接近体が所持するRFタグである。タグ部883aは、カード、コイン、アクセサリ等に搭載される。読取部883bは、タグ部883aに格納される情報をタグ部883aと非接触で取得することができるリーダである。また、読取部883bは、複数のタグ部883aから情報を取得することもできる。
【0446】
タグ認証部883は、タグ部883aと読取部883bとで通信を行うことで、読取部883bのメモリに許可リストに登録されているか否かを判定する。タグ認証部883は、許可リストに登録されていれば、その人は第1の通行要件を満たすと判定し、許可リストに登録されていなければ、その人は第1の通行要件を満たさないと判定し、当該人の通行を拒否する。なお、光線射出システム1jでは、タグ認証部883と認証部881とが用いられてもよい。
【0447】
なお、タグ認証部883は、読取部883bのメモリの要注意リストに登録されているか否かを判定してもよい。タグ認証部883は、要注意リストに登録されていなければ、その人は第1の通行要件を満たし、要注意リストに登録されていれば、その人は第1の通行要件を満たさないため、当該人の通行を拒否する。
【0448】
本実施の形態では、読取部883bは、通路の壁面に設置されているが、床面、天井等に設置されてもよい。なお、読取部883b及びタグ部883aは、情報を書き込むことも可能である。
【0449】
[適用例]
図40は、実施の形態8の変形例における光線射出システム1jを、エレベータEVが設置されているエレベータホールK3の入り口に設置した様子を示す模式図である。
図40では、エレベータホールの入り口に、一対のゲート本体を設置した様子を示す。
図40では、接近体が二点鎖線で示す認証ラインに到達すると(規定距離の範囲内)、タグ認証部883が接近体の接近を検知する。また、認証ラインに到達した接近体の数も検知する。なお、
図38では、重量検知部882の図示を省略しているが、光線射出システム1jに設けられていなくてもよい。
【0450】
図41は、実施の形態8の変形例における光線射出システム1jのタグ認証部883を床面及び壁面にそれぞれ設置した場合を示す模式図である。
図41では、一方のタグ認証部883を非制限領域E2に設置し、かつ、他方のタグ認証部883を制限領域E1に設置する。なお、
図41では、重量検知部882の図示を省略しているが、光線射出システム1jに設けられていなくてもよい。
【0451】
また、本変形例において、実施の形態8等と同様の作用効果を奏する。
【0452】
(その他変形例等)
以上、本開示について、実施の形態1〜7及び実施の形態1、4、6の変形例に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態1〜7及び実施の形態1、4、6の変形例に限定されるものではない。
【0453】
例えば、上記実施の形態1〜7及び実施の形態1、4、6の変形例に係る送風器は、送風によって発生する気流の音を抑制する消音部を有していてもよい。消音部は、消音性の高い繊維質材料等の消音器(サイレンサー)、第1筒体の空間内に配置する排気孔消音機であってもよい。
【0454】
また、上記実施の形態1〜7及び実施の形態1、4、6の変形例に係る光線射出システムにおいて、送風器、エアロゾル生成器、エミッタ、制御部、駆動部、ビームスプリッター、光学素子等は、それぞれが別々の独立した装置であってもよい。
【0455】
また、上記各実施の形態1〜7及び実施の形態1、4、6の変形例に係る光線射出システムを実現するプログラムは、典型的に集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0456】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用制御部で実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続及び設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・制御部を利用してもよい。
【0457】
なお、上記各実施の形態1〜7及び実施の形態1、4、6の変形例において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又は制御部などのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0458】
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の実施の形態は例示された数字に制限されない。
【0459】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0460】
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【0461】
その他、実施の形態1〜7及び実施の形態1、4、6の変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態1〜7及び実施の形態1、4、6の変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。