特開2021-157514(P2021-157514A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2021-157514ファイル管理装置およびファイル管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-157514(P2021-157514A)
(43)【公開日】2021年10月7日
(54)【発明の名称】ファイル管理装置およびファイル管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20210910BHJP
   G06F 40/123 20200101ALI20210910BHJP
   G06F 16/16 20190101ALI20210910BHJP
   G06F 16/9038 20190101ALI20210910BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20210910BHJP
【FI】
   G06Q10/10
   G06F40/123
   G06F16/16
   G06F16/9038
   G06F13/00 520A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-57285(P2020-57285)
(22)【出願日】2020年3月27日
(71)【出願人】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 徹也
【テーマコード(参考)】
5B084
5B109
5B175
5L049
【Fターム(参考)】
5B084AA01
5B084AA12
5B084AB32
5B084BA07
5B084BB01
5B084CC06
5B084CC18
5B084CD03
5B084CE04
5B084CE12
5B084DB02
5B084DC02
5B084DC03
5B109SA03
5B109SA14
5B109VC03
5B175DA10
5B175JC05
5B175LA01
5L049AA11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】文書の作成や送付に要する利用者の作業負担を軽減するファイル管理技術を提供する。
【解決手段】ファイル管理装置10には、通信I/F11、ファイル保存部12、記憶部13、相手先DB14、履歴DB15および制御部16が設けられている。制御部16は、利用者の情報処理端末20からのアクセスに応じて、アクセス先として指定された対象ディレクトリと対応付けられた対象分類種別をディレクトリ情報13Aから取得し、得られた対象分類種別に基づいて対象ディレクトリに関する相手先情報を相手先DB14から検索し、得られた相手先情報から作成した相手先リストを情報処理端末20へ提示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
業務で用いる文書が記述された文書ファイルが、当該文書ファイルの分類種別と対応するディレクトリにそれぞれ保存されているファイル保存部と、
前記ディレクトリと、当該ディレクトリに保存する文書ファイルの分類種別との対応関係を示すディレクトリ情報を記憶する記憶部と、
前記文書ファイルに記述されている文書の送付相手となる相手先に関する相手先情報が、当該文書の分類種別とともに複数登録されている相手先データベースと、
利用者の情報処理端末からのアクセスに応じて、アクセス先として指定された対象ディレクトリと対応付けられた対象分類種別を前記ディレクトリ情報から取得し、得られた対象分類種別に基づいて前記対象ディレクトリに関する相手先情報を前記相手先データベースから検索し、得られた相手先情報から作成した相手先リストを前記情報処理端末へ提示する制御部と
を備えることを特徴とするファイル管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のファイル管理装置において、
前記分類種別は、前記文書ファイルに記述されている文書の送付相手となる相手先と当該文書の業務種別のいずれか一方または組合せからなり、
前記制御部は、相手先が前記対象ディレクトリの相手先と一致する相手先情報を前記相手先データベースから検索し、得られた相手先情報を、業務種別が前記対象ディレクトリの業務種別と一致するものを優先して並び替えることにより、前記相手先リストを作成する
ことを特徴とするファイル管理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のファイル管理装置において、
前記利用者ごとに、当該利用者が使用した相手先とその使用回数とが履歴情報として登録されている履歴データベースをさらに備え、
前記制御部は、前記情報処理端末からのアクセスに応じて、当該情報処理端末の利用者に関する履歴情報を前記履歴データベースから検索し、得られた履歴情報に含まれる相手先と対応するディレクトリを、当該相手先の使用回数が多い順に並び替えることによりディレクトリリストを作成し、得られたディレクトリリストを前記情報処理端末へ提示する
ことを特徴とするファイル管理装置。
【請求項4】
業務で用いる文書が記述された文書ファイルが、当該文書ファイルの分類種別と対応するディレクトリにそれぞれ保存されているファイル保存部と、前記ディレクトリと、当該ディレクトリに保存する文書ファイルの分類種別との対応関係を示すディレクトリ情報を記憶する記憶部と、前記文書ファイルに記述されている文書の送付相手となる相手先情報が、当該文書の分類種別とともに複数登録されている相手先データベースと、利用者の情報処理端末からのアクセスに応じて、相手先リストを前記情報処理端末へ提示する制御部とを備えるファイル管理装置で用いられるファイル管理プログラムであって、
前記制御部が、利用者の情報処理端末からのアクセスに応じて、アクセス先として指定された対象ディレクトリと対応付けられた対象分類種別を前記ディレクトリ情報から取得するステップと、
前記制御部が、得られた前記対象分類種別に基づいて前記対象ディレクトリに関する相手先情報を前記相手先データベースから検索し、得られた相手先情報から作成した相手先リストを前記情報処理端末へ提示するステップと
をファイル管理装置に実行させることを特徴とするファイル管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務で用いる文書が記述された文書ファイルや、文書の送付相手となる相手先に関する相手先情報を管理するファイル管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのオフィスでは、業務で用いる文書を保存する装置として、ファイル管理装置を用いている。ファイル管理装置は、全体としてサーバ装置からなり、通信回線を介したオフィス内の情報処理端末からのアクセスに応じて文書ファイルを情報処理端末へ提供する(例えば、特許文献1など参照)。また、ファイル管理装置に文書の送付相手となる相手先情報をデータベースで保管しておけば、作成した文書の送付相手となる相手先情報を容易に取得することもできる。近年、このようなファイル管理装置をクラウドサーバで実現したファイル管理システムも広く利用されている。
【0003】
利用者は、PCなどのオフィス内の情報処理端末からファイル管理装置を利用して新たな文書を作成し、作成した文書を電子メールやファクシミリで送付する業務を行う。この際、利用者は、情報処理端末で複数のアプリケーションを起動し、ファイル管理装置から提供された参考となる別の文書を作成中の文書と並べて画面上に表示したり、作成した文書ファイルをファイル管理装置に保存したりする。また、作成した文書を電子メールやファクシミリで相手先に送付するためのメールアドレスやFAX番号、さらには電話で相手先に伝えるための電話番号を、ファイル管理装置のデータベースから取得して、作成中の文書と並べて画面上に表示する。これにより、業務の作業負担が大幅に軽減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−173887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来のファイル管理装置を利用すれば、情報処理端末で複数のアプリケーションを起動して、作成中の文書と並べて、ファイル管理装置から提供された参考文書や、送付相手となる相手先情報を画面上に表示できるものの、起動時に表示される文書や相手先情報は、互いに関連性のないそれぞれ独立した内容が表示されることなる。このため、利用者は、ある会社宛の文書を作成して電子メールで送付するというような、定型的な一連の業務手順であっても、それぞれのアプリケーションで個別に操作する必要がある。
【0006】
例えば、業務に必要な文書を画面表示するには、ファイル管理装置に設けられた複数のディレクトリから、当該文書の文書ファイルが格納されているディレクトリを探して画面表示する作業と、そのディレクトリに格納されている複数の文書ファイルから参照する文書ファイルを探して画面表示する作業とが必要となる。また、文書を送付する送付相手のメールアドレスを画面表示するには、送付相手の会社名・部署名、担当者名などを入力操作して、データベースから送付相手のメールアドレスを探して画面表示する作業が必要となる。したがって、ファイル管理装置を利用しても、実際には、文書の作成や送付に要する利用者の作業負担が大きいという問題点があった。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、文書の作成や送付に要する利用者の作業負担を軽減できるファイル管理技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明にかかるファイル管理装置は、業務で用いる文書が記述された文書ファイルが、当該文書ファイルの分類種別と対応するディレクトリにそれぞれ保存されているファイル保存部と、前記ディレクトリと、当該ディレクトリに保存する文書ファイルの分類種別との対応関係を示すディレクトリ情報を記憶する記憶部と、前記文書ファイルに記述されている文書の送付相手となる相手先に関する相手先情報が、当該文書の分類種別とともに複数登録されている相手先データベースと、利用者の情報処理端末からのアクセスに応じて、アクセス先として指定された対象ディレクトリと対応付けられた対象分類種別を前記ディレクトリ情報から取得し、得られた対象分類種別に基づいて前記対象ディレクトリに関する相手先情報を前記相手先データベースから検索し、得られた相手先情報から作成した相手先リストを前記情報処理端末へ提示する制御部とを備えている。
【0009】
また、本発明にかかる上記ファイル管理装置の一構成例は、前記分類種別が、前記文書ファイルに記述されている文書の送付相手となる相手先と当該文書の業務種別のいずれか一方または組合せからなり、前記制御部は、相手先が前記対象ディレクトリの相手先と一致する相手先情報を前記相手先データベースから検索し、得られた相手先情報を、業務種別が前記対象ディレクトリの業務種別と一致するものを優先して並び替えることにより、前記相手先リストを作成するようにしたものである。
【0010】
また、本発明にかかる上記ファイル管理装置の一構成例は、前記利用者ごとに、当該利用者が使用した相手先とその使用回数とが履歴情報として登録されている履歴データベースをさらに備え、前記制御部は、前記情報処理端末からのアクセスに応じて、当該情報処理端末の利用者に関する履歴情報を前記履歴データベースから検索し、得られた履歴情報に含まれる相手先と対応するディレクトリを、当該相手先の使用回数が多い順に並び替えることによりディレクトリリストを作成し、得られたディレクトリリストを前記情報処理端末へ提示するようにしたものである。
【0011】
また、本発明にかかるファイル管理プログラムは、業務で用いる文書が記述された文書ファイルが、当該文書ファイルの分類種別と対応するディレクトリにそれぞれ保存されているファイル保存部と、前記ディレクトリと、当該ディレクトリに保存する文書ファイルの分類種別との対応関係を示すディレクトリ情報を記憶する記憶部と、前記文書ファイルに記述されている文書の送付相手となる相手先情報が、当該文書の分類種別とともに複数登録されている相手先データベースと、利用者の情報処理端末からのアクセスに応じて、相手先リストを前記情報処理端末へ提示する制御部とを備えるファイル管理装置で用いられるファイル管理プログラムであって、前記制御部が、利用者の情報処理端末からのアクセスに応じて、アクセス先として指定された対象ディレクトリと対応付けられた対象分類種別を前記ディレクトリ情報から取得するステップと、前記制御部が、得られた前記対象分類種別に基づいて前記対象ディレクトリに関する相手先情報を前記相手先データベースから検索し、得られた相手先情報から作成した相手先リストを前記情報処理端末へ提示するステップとをファイル管理装置に実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、アクセス先として指定された対象ディレクトリと対応する相手先情報が相手先リストとして情報処理端末に提示される。また、相手先リストでは、対象ディレクトリと対応する対象分類種別と一致する相手先情報が優先して画面表示されることになる。したがって、現在行っている業務の相手先および相手先担当者の相手先情報を探すための操作や時間を減らすことができ、文書の作成や送付に要する利用者の作業負担を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ファイル管理装置の構成を示すブロック図である。
図2】ディレクトリの構成例を示す説明図である。
図3】ディレクトリ情報の構成例を示す説明図である。
図4】相手先データベースの構成例を示す説明図である。
図5】履歴データベースの構成例を示す説明図である。
図6】ファイル管理装置のアクセス処理を示すシーケンス図である。
図7】ディレクトリリストの作成処理を示す説明図である。
図8】ディレクトリリストの作成例を示す説明図である。
図9】相手先リストの作成処理を示す説明図である。
図10】相手先リストの作成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
[ファイル管理装置]
まず、図1を参照して、本実施の形態にかかるファイル管理装置10について説明する。図1は、ファイル管理装置の構成を示すブロック図である。
このファイル管理装置10は、全体としてサーバ装置からなり、通信回線L1を介して利用者が利用する情報処理端末20からのアクセス要求に応じて、保存されている文書ファイルを情報処理端末20へ提示する装置である。
【0015】
以下では、ファイル管理装置10がオフィス内に設けられており、LANの通信回線L1を介して複数の情報処理端末20とデータ通信可能に接続されている場合を例として説明する。また、通信回線L1には、通信回線L2を介してインターネットなどの通信網NWと中継接続するためのゲートウェイやルーターなどの通信機器30が接続されているものとする。また、通信回線L1には、電話システムの電話制御装置31や情報処理端末20で送受信する電子メールを監視する電子メール監視装置32が接続されているものとする。なお、ファイル管理装置10は、通信網NWに接続されたクラウドサーバで実現してもよい。
【0016】
ファイル管理装置10には、主な回路部として、通信I/F11、ファイル保存部12、記憶部13、相手先データベース(以下、相手先DBという)14、履歴データベース(以下、履歴DBという)15、および制御部16が設けられており、内部バスBを介して相互にデータやり取り可能に接続されている。これらのうち、ファイル保存部12、相手先DB14、履歴DB15については、例えばファイルサーバなどの独立した記憶装置で実現して、通信回線を介してファイル管理装置10に接続することも可能である。
【0017】
[網I/F]
網I/F11は、通信回線L2を介して通信網NWとデータ通信することにより、情報処理端末20のインターネット通信を中継接続する回路部である。
【0018】
[ファイル保存部]
ファイル保存部12は、全体としてハードディスクなどの記憶装置からなり、利用者が業務に用いる各種の文書ファイルが、当該文書ファイルの分類種別と対応するディレクトリにそれぞれ保存されている装置である。ファイル保存部12には、文書ファイルを分類するために予め設定した分類種別に基づいて、ツリー構造(階層構造)を持つ複数のディレクトリ(フォルダ)が設けられている。ディレクトリは、文書ファイルを分類して格納するための仮想的な格納場所であり、階層的に設けることができる。これらディレクトリは、情報処理端末20からの指示や、ファイル管理装置10に設けられているコンソール(図示せず)からのオペレータ操作により設定される。
【0019】
図2は、ディレクトリの構成例を示す説明図である。図2に示す構成例によれば、ファイル保存部12には、業務で用いる文書ファイルを格納するディレクトリとして、業務ディレクトリが設けられている。また、業務ディレクトリの中には、サブディレクトリとして、業務種別ごとに、見積ディレクトリ、発注ディレクトリ、および請求ディレクトリが設けられている。見積ディレクトリには、見積書の作成送付業務に用いる文書ファイルが格納される。また、発注ディレクトリには、発注書の作成送付業務に用いる文書ファイルが格納され、請求ディレクトリには、請求書の作成送付業務に用いる文書ファイルが格納される。
【0020】
これら、見積ディレクトリ、発注ディレクトリ、および請求ディレクトリのそれぞれには、文書の送付相手となる相手先(会社や個人)ごとに、複数のサブディレクトリが設けられている。図2に示す構成例によれば、例えば、見積ディレクトリには、サブディレクトリとして、A社ディレクトリ、B社ディレクトリ、C社ディレクトリ、…が設けられている。したがって、見積ディレクトリのA社ディレクトリには、A社に送付する文書のうち見積書の作成送付業務に用いる文書ファイルがまとめて保存されていることになる。
【0021】
以下では、分類種別として、業務種別と相手先の二つの分類種別を組み合わせて用いる場合を例として説明するが、これに限定されるものではなく、業務種別と相手先のいずれか一方のみを分類種別として用いてもよい。また、業務種別や相手先のほか、地域、年月、利用者部署、利用者個人、相手先部署、プロジェクト名など、相手先を複数に分類可能な分類種別を1つまたは複数組み合わせて用いてもよい。
【0022】
また、以下では、図2に示すように、業務種別を上位階層として相手先をその下位階層とした場合を例として説明するが、これに限定されるものではなく、相手先を上位階層として業務種別を上位階層としてもよい。なお、同一ディレクトリに保存される文書ファイルがとりうる相手先の数は、最下位階層の分類種別に左右される。このため、複数の分類種別を階層的に組み合わせて用いる場合、最下位階層の分類種別に含まれる相手先の数が、利用者にとって扱いやすい数となるよう考慮して、最下位階層の分類種別を決定すればよい。
【0023】
[記憶部]
記憶部13は、全体としてハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、制御部16で用いる各種の処理データやプログラムを記憶する回路部である。
プログラム(図示せず)は、制御部16のCPUと協働することにより、制御部16でのアクセス処理を実行する処理部を実現するプログラムである。このプログラムは、ファイル管理装置10に接続された外部装置や記録媒体(ともに図示せず)から、予め読み込まれた記憶部13に格納される。
【0024】
記憶部13で記憶する主な処理部としてディレクトリ情報13Aがある。ディレクトリ情報13Aは、ファイル保存部12に設けたディレクトリの構造を示すデータである。図3は、ディレクトリ情報の構成例を示す説明図である。図3に示すように、ディレクトリ情報13Aは、ディレクトリごとに、当該ディレクトリにアクセスする際に指定するためのディレクトリ名(パス名/URL)、当該ディレクトリに保存する文書ファイルに関する業務種別、および当該ディレクトリに保存する文書ファイルの文書の送付相手となる相手先(相手先名)が組として登録されている。
【0025】
一般に、ファイルを保存するハードディスクなどの記憶装置には、各ディレクトリやディレクトリ内に保存されているファイルを管理するために用いる情報として、例えばFAT(File Allocation Table)と呼ばれるファイル管理情報が保存されており、ファイル保存部12も同様である。このようなファイル管理情報には、ディレクトリ名やファイル名が記録されている。この際、前述した図2のように、分類種別に基づいて階層的にディレクトリを構成した場合、ディレクトリ名に分類種別を示す情報が含まれることになる。すなわち、ディレクトリ名を参照すれば、当該ディレクトリと関連する分類種別を特定することができる。
【0026】
以下では、理解を容易とするため、ディレクトリと分類種別との対応関係を示す情報としてディレクトリ情報13Aを用いる場合を例として説明するが、これに限定されるものではなく、ディレクトリ情報13Aとして、ファイル保存部12のファイル管理情報、より具体的にはディレクトリ名を用いることも可能である。
【0027】
[相手先DB]
相手先DB14は、全体としてハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、文書ファイルに記述されている文書の送付相手となる相手先または相手先担当者に関する相手先情報が、当該文書の分類種別とともに複数登録されているデータベースである。図4は、相手先データベースの構成例を示す説明図である。図4に示すように、相手先DB14には、分類種別ごと、ここでは相手先と業務種別の組合せごとに、相手先担当者(相手先担当者名)、連絡先となる電話番号、文書の送付先となるFAX番号やメールアドレスが組として登録されている。
【0028】
[履歴DB]
履歴DB15は、全体としてハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、利用者ごとに、当該利用者が使用した相手先とその使用回数とが履歴情報として登録されているデータベースである。図5は、履歴データベースの構成例を示す説明図である。図5に示すように、履歴DB15には、利用者ごとに、利用者が使用した相手先と、電子メール、電話、およびファクシミリの使用回数と、文書ファイルを使用(アクセス)した使用回数と、これらの合計回数とが、組として登録されている。電話やファクシミリの使用回数は、電話制御装置31の通信履歴データで更新すればよく、電子メール使用回数は、電子メール監視装置32の送信履歴データで更新すればよい。
【0029】
[制御部]
制御部16は、CPUとその周辺回路を有し、記憶部13のプログラムと協働することにより、アクセス処理を実行する処理部を実現する回路部である。
制御部16は、通信I/F11で受信された情報処理端末20からのアクセス要求に応じて、指定されたディレクトリの配下にあるサブディレクトリや文書ファイルのリストであるディレクトリリストを情報処理端末20へ提示する機能と、指定された文書ファイル(文書データ)を情報処理端末20へ提示する機能とを有している。
【0030】
また、制御部16は、情報処理端末20からのアクセスに応じて、アクセス先として指定された対象ディレクトリと対応付けられた対象分類種別をディレクトリ情報13Aから取得する機能と、得られた対象分類種別に基づいて対象ディレクトリに関する相手先情報を相手先DB14から検索する機能と、得られた相手先情報から作成した相手先リストを情報処理端末20へ提示する機能とを有している。
【0031】
具体的には、制御部16は、相手先が対象ディレクトリの相手先と一致する相手先情報を相手先DB14から検索する機能と、得られた相手先情報を、業務種別が対象ディレクトリの業務種別と一致するものを優先して並び替えることにより、相手先リストを作成する機能とを有している。
【0032】
また、制御部16は、情報処理端末20からのアクセスに応じて、当該情報処理端末20の利用者に関する履歴情報を履歴DB15から検索する機能と、得られた履歴情報に含まれる相手先と対応するディレクトリを、当該相手先の使用回数が多い順に並び替えることによりディレクトリリストを作成する機能と、得られたディレクトリリストを情報処理端末20へ提示する機能とを有している。
【0033】
[本実施の形態の動作]
次に、図6を参照して、本実施の形態にかかるファイル管理装置10におけるファイル管理方法及びそれを実現するためのファイル管理プログラムの動作について説明する。図6は、ファイル管理装置のアクセス処理を示すシーケンス図である。
【0034】
ファイル管理装置10の制御部16は、通信I/F11で受信した情報処理端末20からのアクセス要求に応じて(ステップS100)、そのアクセス要求に含まれる利用者の識別情報から利用者を特定する(ステップS101)。
続いて、制御部16は、履歴DB15からその利用者に関する履歴情報を検索して取得し(ステップS102)、得られた履歴情報から相手先とこれら相手先の合計回数を取得する(ステップS103)。
【0035】
次に、制御部16は、記憶部13のディレクトリ情報13Aを参照して、各履歴情報に含まれる相手先と対応するディレクトリを取得し(ステップS104)、得られた各履歴情報に含まれる、相手先を使用した合計回数の多い順に各ディレクトリを並び替えする(ステップS105)。
続いて、制御部16は、記憶部13のディレクトリ情報13Aを参照して、アクセス要求で指定された対象ディレクトリの分類種別を取得し(ステップS106)、得られた分類種別と関連するディレクトリを、並び替えしたディレクトリから抽出する(ステップS107)。
【0036】
その後、制御部16は、得られたディレクトリリストを情報処理端末20へ返信する(ステップS108)。これにより、合計回数が多い順にディレクトリが情報処理端末20で画面表示される(ステップS109)。
なお、ステップS107のディレクトリ抽出については、ステップS104の前に対象ディレクトリの分類種別を取得しておき、ステップS104でディレクトリを取得する際、相手先と対象ディレクトリの分類種別に対応するディレクトリを取得してもよい。
【0037】
図7は、ディレクトリリストの作成処理を示す説明図である。例えば、アクセス要求から特定した利用者が「ssss」である場合、履歴DB15から「ssss」の履歴情報が取得される。次に、これら履歴情報に含まれる相手先「A社、B社、C社、…」が取得されて、ディレクトリ情報13Aから、これら相手先と関連するディレクトリが取得される。続いて、これらディレクトリが、履歴情報に含まれる合計回数の多い順、図5の例では「B社、A社、C社、…」の順に並び替えられる。
【0038】
この後、アクセス要求でアクセス先として指定された対象ディレクトリと対応する相手先以外の分類種別、ここでは業務種別がディレクトリ情報13Aから取得され、この業務種別と対応するディレクトリが、並び替え後のディレクトリから抽出され、ディレクトリリストとして情報処理端末20に提供される。なお、アクセス要求で指定された対象ディレクトリが「業務ディレクトリ」である場合、対応する分類種別がない。このため、並び替え後のディレクトリが、ディレクトリリストとして情報処理端末20に提供される。
【0039】
図8は、ディレクトリリストの作成例を示す説明図である。図8では、アクセス先として「業務/請求ディレクトリ」が指定された例が記載されている。「業務/請求ディレクトリ」の配下にあるサブディレクトリが、「B社、A社、C社、…」の順に並び替えられて、リスト化されていることが分かる。このディレクトリリストは、一般的にはファイラーと呼ばれるファイル管理用のアプリケーションで画面表示され、利用者操作に応じて任意のディレクトリの配下のディレクトリリストが画面表示される。通常は、ディレクトリ名などの規定の順序で各ディレクトリが表示されるが、図8のように、利用者による合計回数が多い順に表示することにより、所望のディレクトリを探すための操作や時間を減らすことができ、利用者の作業負担を削減することができる。
【0040】
この後、情報処理端末20で画面表示されたディレクトリリストから、所望のディレクトリが利用者により選択操作された場合、情報処理端末20から選択ディレクトリを指定したアクセス要求が送信される(ステップS110)。
【0041】
制御部16は、このアクセス要求に応じて、ファイル保存部12から、選択ディレクトリの配下にあるサブディレクトリおよびファイルに関するファイル管理情報を取得し(ステップS111)、ファイル管理情報からなるファイルリストを情報処理端末20に提供する(ステップS112)。これにより、対象ディレクトリの配下にあるサブディレクトリおよびファイルを示すファイルリストが情報処理端末20で画面表示される(ステップS113)。
【0042】
したがって、ディレクトリリストから「業務/請求ディレクトリ/A社」を指定したアクセス要求を、情報処理端末20から送信した場合、「業務/請求ディレクトリ/A社」の配下にあるサブディレクトリおよびファイルを示すファイルリストが、情報処理端末20で画面表示されることになる。この後、利用者は、このファイルリストから所望の文書ファイルを選択してアクセス要求することにより、ファイル管理装置10から所望の文書ファイルが情報処理端末20へ提示され、アプリケーションで新たに作成する文書ファイルや参考とする文書ファイルとして開くことができる。
【0043】
また、制御部16は、記憶部13のディレクトリ情報13Aを参照して、ステップS110で受信したアクセス要求で指定された対象ディレクトリに関する分類種別を取得し(ステップS120)、得られた分類種別の相手先に関する相手先情報を相手先DB14から検索して取得する(ステップS121)。
【0044】
続いて、制御部16は、取得した各相手先情報を、得られた分類種別ここでは業務種別と一致するものを優先して並び替え(ステップS122)、得られた相手先リストを情報処理端末20に提示する(ステップS123)。これにより、対象ディレクトリの分類種別ここでは業務種別と一致する相手先情報が優先された順序で、情報処理端末20で画面表示される(ステップS124)。
【0045】
図9は、相手先リストの作成処理を示す説明図である。例えば、アクセス要求でアクセス先として指定された対象ディレクトリが「業務/請求/A社」である場合、ディレクトリ情報13Aから「業務/請求/A社ディレクトリ」と関連する分類種別として、相手先「A社」と業務種別「請求」が取得される。続いて、相手先DB14から相手先「A社」に関する相手先情報が検索されて取得され、これら相手先情報が、業務種別「請求」と一致するものが優先されるよう並び替えられた後、相手先リストとして情報処理端末20に提供される。
【0046】
図10は、相手先リストの作成例を示す説明図である。図10では、アクセス先として「業務/請求/A社」が指定された例が記載されており、業務種別「請求」と一致する相手先情報が、先頭行に表示されており、業務種別「請求」と一致するものが優先されるよう並び替えられていることが分かる。この相手先リストは、一般的にはメーラーと呼ばれる電子メール用のアプリケーションで画面表示される。通常は、相手先名などの規定の順序で相手先情報が表示されるが、図10のように、利用者が指定した現在アクセス中の対象ディレクトリと関連する相手先だけでなく、対象ディレクトリと関連する業務種別の相手先が優先して表示することにより、現在行っている業務の相手先および相手先担当者の相手先情報を探すための操作や時間を減らすことができ、利用者の作業負担を削減することができる。
【0047】
[本実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、制御部16が、利用者の情報処理端末20からのアクセスに応じて、アクセス先として指定された対象ディレクトリと対応付けられた対象分類種別をディレクトリ情報13Aから取得し、得られた対象分類種別に基づいて対象ディレクトリに関する相手先情報を相手先DB14から検索し、得られた相手先情報から作成した相手先リストを情報処理端末20へ提示するようにしたものである。
【0048】
より具体的には、分類種別として、文書ファイルに記述されている文書の送付相手となる相手先と当該文書の業務種別の組合せを用い、制御部16が、相手先が対象ディレクトリの相手先と一致する相手先情報を相手先DB14から検索し、得られた相手先情報を、業務種別が対象ディレクトリの業務種別と一致するものを優先して並び替えることにより、相手先リストを作成するようにしたものである。
【0049】
これにより、アクセス先として指定された対象ディレクトリと対応する相手先情報が相手先リストとして情報処理端末20に提示される。また、相手先リストでは、対象ディレクトリと対応する業務種別「請求」と一致する相手先情報が優先して画面表示されることになる。通常は、相手先名などの規定の順序で相手先情報が画面表示されるが、現在行っている業務に関連する相手先情報が優先して画面表示されることになる。したがって、現在行っている業務の相手先および相手先担当者の相手先情報を探すための操作や時間を減らすことができ、文書の作成や送付に要する利用者の作業負担を軽減することが可能となる。
【0050】
また、本実施の形態において、利用者ごとに、当該利用者が使用した相手先とその使用回数とが履歴情報として登録されている履歴DB15をさらに備え、制御部16が、情報処理端末20からのアクセスに応じて、当該情報処理端末20の利用者に関する履歴情報を履歴DB15から検索し、得られた履歴情報に含まれる相手先と対応するディレクトリを、当該相手先の使用回数が多い順に並び替えることによりディレクトリリストを作成し、得られたディレクトリリストを情報処理端末20へ提示するようにしてもよい。
【0051】
これにより、アクセス先として指定された対象ディレクトリの配下にあるサブディレクトリが、利用者の使用した頻度の高い順に、その相手先と関連するディレクトリが並び替えられて情報処理端末20で画面表示されることになる。通常は、ディレクトリ名などの規定の順序で各ディレクトリが表示されるが、利用者による使用頻度が多い順に画面表示されることになる。したがって、所望のディレクトリを探すための操作や時間を減らすことができ、利用者の作業負担を削減することができる。
【0052】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。例えば、ファイル管理装置の機能を情報処理端末で実現するように構成することもできる。
【符号の説明】
【0053】
10…ファイル管理装置、11…通信I/F、12…ファイル保存部、13…記憶部、13A…ディレクトリ情報、14…相手先DB、15…履歴DB、16…制御部、20…情報処理端末、30…通信機器、31…電話制御装置、32…電子メール監視装置、L1,L2…通信回線、NW…通信網。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10