(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-15764(P2021-15764A)
(43)【公開日】2021年2月12日
(54)【発明の名称】キー構造
(51)【国際特許分類】
H01H 13/14 20060101AFI20210115BHJP
【FI】
H01H13/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-131128(P2019-131128)
(22)【出願日】2019年7月16日
(71)【出願人】
【識別番号】318015781
【氏名又は名称】ジャパン・イーエム・ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大本 明弘
【テーマコード(参考)】
5G206
【Fターム(参考)】
5G206AS31H
5G206AS31J
5G206HW44
5G206HW75
5G206JS03
5G206JU65
5G206KS03
5G206NS02
(57)【要約】
【課題】ユーザがキートップの端を押した場合であってもスイッチを正常に押下することのできる技術を提供する。
【解決手段】本発明は、押釦スイッチを押下するキー構造であって、押釦スイッチに対して押下方向とは反対方向に設けられるキートップと、押釦スイッチとキートップとの間に設けられ、キートップによって押される本体部と、本体部から押下方向へ突出し、突出した部分の先端の中心が押釦スイッチの中心軸と略合致する押し子部を有する中間押し子と、を備え、キートップは、本体部と対向する部分から押下方向へ中間押し子と接するように突出し、突出する先端の中心が中心軸と略合致する第一のキー押し子と、本体部と対向する部分において第一のキー押し子から押下方向に対して垂直方向に所定の間隔を空けた部分から押下方向へ突出し、突出する先端と本体部との間に所定の隙間を有する第二のキー押し子と、を有する、キー構造である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押釦スイッチを押下するキー構造であって、
前記押釦スイッチに対して押下方向とは反対方向に設けられるキートップと、
前記押釦スイッチと前記キートップとの間に設けられ、前記キートップによって押される本体部と、前記本体部から前記押下方向へ突出し、突出した部分の先端の中心が前記押釦スイッチの押下可能な部分の中心を通り前記押下方向に沿う中心軸と略合致する押し子部を有する中間押し子と、を備え、
前記キートップは、
前記本体部と対向する部分から前記押下方向へ前記中間押し子と接するように突出し、前記突出する先端の中心が前記中心軸と略合致する第一のキー押し子と、
前記本体部と対向する部分において前記第一のキー押し子から前記押下方向に対して垂直方向に所定の間隔を空けた部分から前記押下方向へ突出し、前記突出する先端と前記本体部との間に所定の隙間を有する第二のキー押し子と、を有し、
前記第二のキー押し子は、前記キートップが前記押下方向へ押下された場合に、前記所定の隙間を通過して前記本体部と接触する、
キー構造。
【請求項2】
前記本体部の前記第一のキー押し子及び前記第二のキー押し子と対向する部分は平面状であり、
前記第二のキー押し子の前記押下方向の長さは、前記第一のキー押し子の前記押下方向の長さよりも短い、
請求項1に記載のキー構造。
【請求項3】
前記中間押し子の前記本体部が前記キートップによって押される場合、前記押下方向に対する前記中間押し子の傾きを制限して前記中間押し子を前記押下方向へ略平行移動させる制限部材を更に備える、
請求項1又は2に記載のキー構造。
【請求項4】
前記制限部材は、前記押釦スイッチの周囲に前記押下方向とは反対方向に突出する突出部材を含み、
前記中間押し子は、前記突出部材を前記押下方向に貫通可能な貫通孔を更に有する、
請求項3に記載のキー構造。
【請求項5】
前記中間押し子は、前記制限部材に当接して移動する時の動摩擦係数が所定の値以下となる材料により形成される、
請求項3又は4に記載のキー構造。
【請求項6】
前記押下方向に対して平行な断面において、前記第一のキー押し子の形状は前記押下方向に凸となる半円である、
請求項1から5のうち何れか一項に記載のキー構造。
【請求項7】
前記キートップは、前記押下方向に対して垂直方向に延び出ており、前記押釦スイッチが収容される筐体の内面であって前記押下方向とは反対方向に位置する筐体の内面と当接する延出部を更に有し、
前記第二のキー押し子が設けられる位置は、前記キートップが前記押下方向に押下され、前記筐体の内面と前記延出部とが当接する当接部を支点として前記押下方向に対して傾きつつ前記押下方向へ移動している時に、前記第一のキー押し子が前記中間押し子を前記押下方向へ押すことにより前記押釦スイッチが押下されて前記押釦スイッチの操作が成立する前に、前記第二のキー押し子の前記押下方向に突出する先端が前記本体部に接触する
位置である、
請求項1から6のうち何れか一項に記載のキー構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キー構造に関する。
【背景技術】
【0002】
押下型のスイッチを操作するキーとして、例えばキートップと、キートップの裏面からスイッチの中心近傍まで突出し、スイッチを押下可能な押し子とから形成されるキーが開示されている(例えば特許文献1−3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−101957号公報
【特許文献2】特開2002−216568号公報
【特許文献3】特開2011−154782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザが例えばキートップの端を押す場合、キーは押下方向に対して傾くことが考えられる。このような場合、キーは、傾いた状態でスイッチが設けられる方向へ移動することになる。よって、押し子の先端の中心がスイッチの中心から外れた部分を押すことになる。従って、スイッチが押下されない、あるいはスイッチが押下された場合であってもユーザが感じるクリック感が低減するといった状況が考えられる。ここで、このような状況を改善するために、傾いた状態の押し子の先端の中心が位置するところに、予め別のスイッチを配置しておく対応案が考えられる。しかしながら、このような対応案の場合、部品コストが嵩む。
【0005】
一つの側面では、本件は、ユーザがキートップの端を押した場合であってもスイッチを正常に押下することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの態様では、押釦スイッチを押下するキー構造であって、前記押釦スイッチに対して押下方向とは反対方向に設けられるキートップと、前記押釦スイッチと前記キートップとの間に設けられ、前記キートップによって押される本体部と、前記本体部から前記押下方向へ突出し、突出した部分の先端の中心が前記押釦スイッチの押下可能な部分の中心を通り前記押下方向に沿う中心軸と略合致する押し子部を有する中間押し子と、を備え、前記キートップは、前記本体部と対向する部分から前記押下方向へ前記中間押し子と接するように突出し、前記突出する先端の中心が前記中心軸と略合致する第一のキー押し子と、前記本体部と対向する部分において前記第一のキー押し子から前記押下方向に対して垂直方向に所定の間隔を空けた部分から前記押下方向へ突出し、前記突出する先端と前記本体部との間に所定の隙間を有する第二のキー押し子と、を有し、前記第二のキー押し子は、前記キートップが前記押下方向へ押下された場合に、前記所定の隙間を通過して前記本体部と接触する、キー構造である。
【発明の効果】
【0007】
上記のキー構造は、ユーザがキートップの端を押した場合であってもスイッチを正常に押下することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るキーの概要を例示する。
【
図2】
図2は、ユーザがキートップの端を指で押下した場合の概要の一例を示している。
【
図3】
図3は、ユーザがキートップの中央を指で押下した場合の概要の一例を示している。
【
図4】
図4は、従来のキーの概要の一例を示している。
【
図5】
図5は、キーの概要の第一変形例を示している。
【
図6】
図6は、キーの概要の第二変形例を示している。
【
図7】
図7は、キーの概要の第三変形例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本発明の実施形態の一例であり、本発明の技術的範囲を以下の態様に限定するものではない。
【0010】
図1は、本実施形態に係るキー100の概要を例示する。
図1(A)は、キー100の上面図を例示している。また、
図1(B)は、
図1(A)におけるA−A矢印断面図を示している。本実施形態に係るキー100は、例えば電子機器の筐体23の内部に設けられる押下型のスイッチ20に接触する。ここで、スイッチ20は、筐体23の内部に収容される基板21に実装されているものとする。
【0011】
キー100は、筐体23に設けられた孔に嵌合し、その表面の一部が外部へ露出するキートップ1を備える。ここで、筐体23の外部に露出するキートップ1の表面の形状は略長方形であり、
図1は、キートップ1の長手方向に平行な断面の一例を示している。また、キートップ1には、スイッチ20を押す方向(以降、押下方向という)に対して垂直方向に外側へ延びるフランジ5が設けられている。キートップ1は、フランジ5が筐体23の内面に引っかかることにより、筐体23に設けられた孔から外れないようになっている。ここで、フランジ5は、本発明の「延出部」の一例である。
【0012】
また、キートップ1には、押下方向に突出する中央押し子2が設けられている。ここで、
図1に示される断面において、中央押し子2の形状は半円状である。また、中央押し子2は、その中心がスイッチ20の中心軸上に重なり、当該中心軸に対して対称になるように設けられている。ここで、中央押し子2は、本発明の「第一のキー押し子」の一例である。
【0013】
また、キートップ1には、押下方向に突出する端押し子3が設けられている。端押し子3は、中央押し子2とは異なる場所であって、キートップ1の端付近に設けられる。中央押し子2から端押し子3までの距離は、例えば1mm〜1.5mm程度である。また、端押し子3の押下方向の長さは、中央押し子2の押下方向の長さよりも短く設けられる。また、
図1に示される断面において、端押し子3の形状は半円状である。ここで、端押し子3は、本発明の「第二のキー押し子」の一例である。
【0014】
また、キー100は、中間押し子4を備える。中間押し子4は、キートップ1とスイッチ20との間に配置される。中間押し子4は、略平板状の部材であり、例えばジュラコン(登録商標)により形成される。中間押し子4には、押下方向に突出する突起6が設けられている。ここで、突起6は、その中心がスイッチ20の中心軸上に重なるように設けられる。また、突起6は、本発明の「押し子部」の一例である。また、キー100では、キートップ1の中央押し子2の先端と、中間押し子4の表面とが当接するようにする。この時、端押し子3の先端から中間押し子4の表面までは、0.05mm〜0.1mm程度の隙間が空くことになる。
【0015】
ここで、端押し子3の配置位置及び押下方向の長さは、キートップ1が押下方向に押下され、筐体23の内面とフランジ5とが当接する当接部を支点として回転し、押下方向に対して傾きつつ押下方向へ移動している時に、中央押し子2が中間押し子4を押下方向へ押すことによりスイッチ20が押下されてスイッチ20の操作が成立する前に、端押し子3の先端が中間押し子4の表面に接触するように設けられる。
【0016】
また、キー100は、スイッチ20が実装される基板21の表面から、押下方向とは反対方向に突起する突起8を備える。突起8は、角柱状である。そして、中間押し子4には、突起8の外面と所定のクリアランスを有し、突起8が貫通可能な貫通孔7が設けられている。また、本実施形態では、突起8の形状は角柱状としているが、突起8の形状は角柱状に限定されず、例えば円柱状あるいは壁状であってもよい。ここで、突起8は、本発明の「制限部材」及び「突出部材」の一例である。
【0017】
図2は、ユーザがキートップ1の端を指で押下した場合の概要の一例を示している。キートップ1の端が押下された場合、キートップ1にはフランジ5と筐体23の内面との当接部を支点とし、押された部分とキートップ1の中央とを含む押下方向に対して平行な断面内で回転可能なモーメントが働く。ここで、当該断面において中央押し子2は半円形状であるため、キートップ1は、当該断面内において押下方向に中間押し子4を押し込みつつ回転する。つまり、キートップ1は、押下方向へ移動しつつ当該中心軸に対して傾いた状態となる。そして、このような状態において、指の下方に位置する端押し子3の先端は、中間押し子4の表面に接触する。つまり、キートップ1は、中間押し子4に対して中央押し子2の先端と端押し子3の先端の二点を介して接触することになる。その後、ユーザがさらにキートップ1を押し込む場合、中間押し子4には、中央押し子2の先端と端押し子3の先端の二点の接触点を介してキートップ1から押下方向に力が作用する。従って、中間押し子4は、押下方向へ略平行移動することになる。よって、スイッチ20が所定量以上押下されてスイッチ20の操作が成立する。
【0018】
また、中間押し子4には、貫通孔7が設けられており、突起8が当該貫通孔7に対して所定のクリアランスを有して貫通している。よって、中間押し子4が、押下方向へ移動中に押下方向に対して傾いた場合、貫通孔7の内面9が突起8の外面と当接することになる。よって、中間押し子4が一定以上に傾くことは抑制される。また、中間押し子4は、ジュラコンにより形成されているため、内面9が突起8の外面と当接した場合であっても、中間押し子4は押下方向へ滑らかに移動することになる。
【0019】
図3は、ユーザがキートップ1の中央を指で押下した場合の概要の一例を示している。キートップ1の中央が押下された場合、キートップ1と中間押し子4とは中央押し子2の先端を介して接触しているため、中間押し子4には、中央押し子2の先端を介して押下方向に力が作用する。また、中央押し子2が接触する中間押し子4の部分は、中間押し子4の中央部分である。よって、中間押し子4は、押下方向に略平行移動することになる。また、中間押し子4が、押下方向へ移動中に押下方向に対して傾いた場合、貫通孔7の内面9が突起8の外面と当接することになる。よって、中間押し子4が一定以上に傾くことは抑制される。また、中間押し子4はジュラコンにより形成されているため、内面9が突起8の外面と当接した場合であっても、中間押し子4は押下方向へ滑らかに移動することになる。
【0020】
図4は、従来のキー200の概要の一例を示している。従来のキー200は、キートップ201と、スイッチ20の方向に突出する中央押し子202とを備える。このようなキー200の場合、ユーザによってキートップ201の端が押下された場合、キートップ201は、中央押し子202がフランジ5と筐体23が当接する部分を支点としてスイッチ20の中心軸に対して回転することにより、当該中心軸に対して傾いた状態となる。よっ
て、中央押し子202は、スイッチ20との接触部分において横滑りし、スイッチ20と接触する部分がスイッチ20の中央からずれることが考えられる。つまり、従来のキー200では、中央押し子202が傾いた状態でスイッチ20の中央から外れた部分を押下することが想定される。よって、従来のキー200では、ユーザがキートップ201の端を押した場合にスイッチ20が押下されない、あるいはスイッチ20が押下された場合であってもユーザが感じるクリック感が低減するといった状況が考えられる。
【0021】
(作用効果)
上記のようなキー100によれば、
図2に示されるようにユーザがキートップ1の端を押した場合、キートップ1は、押された部分とキートップ1の中央とを含む押下方向に対して平行な断面において、押下方向に中間押し子4を押し込みつつ回転する。この際、中央押し子2は、当該断面において半円形状であるためキートップ1は滑らかに回転することになる。よって、ユーザは、キートップ1の表面がキートップ1を押した指の表面に追従するような感覚を得ることができる。よって、ユーザは、キートップ1の端を押下した場合であっても押しやすさを感じることになる。
【0022】
その後、ユーザがさらにキートップ1を押下方向へ押し込む場合、中間押し子4には、中央押し子2の先端と端押し子3の先端の二点を接触点としてキートップ1から押下方向に力が作用する。従って、中間押し子4は、押下方向に対して傾くことは抑制され、押下方向へ略平行移動することになる。また、貫通孔7に貫通する突起8によっても押下方向に対して中間押し子4が傾くことは抑制される。よって、中間押し子4に設けられた突起6がスイッチ20の中心を押下することになる。よって、ユーザはスイッチ20を正常に押下することができ、さらに自然なクリック感触を得ることができる。また、
図3に示されるように、ユーザがキートップ1の中央を押した場合も、中間押し子4は、押下方向に略平行移動することになる。よって、中間押し子4に設けられた突起6がスイッチ20の中心を押下することになる。つまり、上記のキー100によれば、ユーザがキートップ1のいずれの部分を押した場合であっても、スイッチ20を正常に押下することができ、さらに自然なクリック感触を得ることができる。
【0023】
また、上記のようなキー100によれば、中間押し子4が押下方向に対して傾くことは抑制されるため、中間押し子4が傾いた場合の突起6の先端の中心が位置するところに、予め別のスイッチを配置しておくことをせずに済む。よって、部品コストが嵩むことは抑制される。
【0024】
また、上記のようなキー100は、キー200とは異なり、筐体23の外部に露出するキートップ1と、筐体23の内部に配置され、スイッチ20を押下する中間押し子4の二部材から構成されている。よって、キートップ1を塗装が剥がれにくい素材から形成し、中間押し子4をジュラコンのような摺動性の高い素材から形成することが可能となる。つまり、キートップ1のデザイン性の向上と、キートップ1の押下方向へのスムーズな移動の両立が可能となる。
【0025】
(変形例1)
図5は、キー100Aの概要の一例を示している。キー100Aは、キー100と同様の構成部材を備える。ただし、キー100Aが備える中間押し子4Aには貫通孔7が設けられていない。中間押し子4Aは、突起8によって挟まれた部分に嵌合可能な形状である。このようなキー100Aによっても、上記のキー100が奏する効果と同様の効果を奏することができる。
【0026】
(変形例2)
図6は、キー100Bの概要の一例を示している。キー100Bは、キー100と同様
の構成部材を備える。ただし、キー100Bが備える中央押し子2Bの押下方向の長さと、端押し子3Bの押下方向の長さは等しい。また、キー100Bが備える中間押し子4Bの形状は、端押し子3Bと対向する部分が押下方向に凹んでいる。つまり、端押し子3の先端から中間押し子4の表面まで所定の隙間が空くことになる。このようなキー100Bによっても、上記のキー100が奏する効果と同様の効果を奏することができる。
【0027】
(変形例3)
上記の実施形態では、筐体23の外部に露出するキートップ1の表面の形状は略長方形であったが、当該形状は略正方形であってもよい。
図7は、キー100Cの概要の一例を示している。キー100Cは、キートップ1Cの形状が略正方形である。また、端押し子3Cがキートップ1Cの四隅からスイッチ20の方向へ突出する。このようなキー100Cは、例えばコンピュータのキーボードに適用されてもよい。このようなキー100Cによっても、上記のキー100が奏する効果と同様の効果を奏することができる。
【0028】
また、上記の実施形態では、ユーザによって押されたキートップ1の部分とキートップ1の中央とを含む押下方向に対して平行な断面における中央押し子2及び端押し子3の形状は半円状であったが、中央押し子2及び端押し子3の形状はこのような形状に限定されない。また、上記の実施形態では、突起8が設けられ、突起8を貫通孔7に貫通させることにより、中間押し子4が押下方向に対して一定以上に傾くことが抑制されているが、突起8のように中間押し子4が押下方向に対して一定以上に傾くことを抑制する部材が設けられなくともよい。また、上記の変形例3では、中央押し子2Bの押下方向の長さと、端押し子3Bの押下方向の長さが等しい例を示したが、端押し子3Bの押下方向の長さが、中央押し子2Bの押下方向の長さよりも長くともよい。そして、端押し子3Bと対向する中間押し子4Bの部分が押下方向に凹み、キートップ1Bが押下されていない状態において端押し子3Bと中間押し子4との表面の間に所定の隙間が設けられてもよい。また、中間押し子4の素材はジュラコンに限定されず、突起8に当接して移動する時の動摩擦係数が、ジュラコンの場合と同程度以下の素材であってもよい。また、突起8のような本発明の「制限部材」が設けられていない場合には、中間押し子4の素材は何でもよい。
【0029】
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせる事ができる。
【符号の説明】
【0030】
1、1B、1C :キートップ
2、2B :中央押し子
3、3B、3C :端押し子
4、4A、4B :中間押し子
5 :フランジ
6 :突起
7 :貫通孔
8 :突起
9 :内面
20 :スイッチ
21 :基板
23 :筐体
100,100A、100B、100C :キー
200、200C :キー
201 :キートップ
202 :中央押し子