特開2021-159044(P2021-159044A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 森岡 栄三郎の特許一覧

<>
  • 特開2021159044-釣り魚保持具 図000003
  • 特開2021159044-釣り魚保持具 図000004
  • 特開2021159044-釣り魚保持具 図000005
  • 特開2021159044-釣り魚保持具 図000006
  • 特開2021159044-釣り魚保持具 図000007
  • 特開2021159044-釣り魚保持具 図000008
  • 特開2021159044-釣り魚保持具 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-159044(P2021-159044A)
(43)【公開日】2021年10月11日
(54)【発明の名称】釣り魚保持具
(51)【国際特許分類】
   A01K 97/00 20060101AFI20210913BHJP
【FI】
   A01K97/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-67230(P2020-67230)
(22)【出願日】2020年4月3日
(71)【出願人】
【識別番号】520118810
【氏名又は名称】森岡 栄三郎
(74)【代理人】
【識別番号】100093115
【弁理士】
【氏名又は名称】佐渡 昇
(72)【発明者】
【氏名】森岡 栄三郎
【テーマコード(参考)】
2B109
【Fターム(参考)】
2B109FA02
2B109FA10
(57)【要約】
【課題】釣り魚を好適に保持できる釣り魚保持具を提供する。
【解決手段】口部21に釣り糸30があるままの状態の、釣られた魚20を下部から支持する底部11と、底部11から上方へ延び、魚20の左右を、魚20の前方に向かって幅狭となるように案内する左右のガイド部12,13と、左右のガイド部12,13の前方に設けられ、魚20の口部21から延びる釣り糸30を通すことができる、釣り糸通し部14とを備えている。また、左右のガイド部12,13のうち、少なくとも一方のガイド部に設けられ、一方のガイド部から他方のガイド部に向かって、魚20を締めるための刃物40を差し込むことができる刃物差込部15を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口部(21)に釣り糸(30)があるままの状態の、釣られた魚(20)を下部から支持する底部(11)と、
この底部(11)から上方へ延び、前記魚(20)の左右を、魚(20)の前方に向かって幅狭となるように案内する左右のガイド部(12,13)と、
この左右のガイド部(12,13)の前方に設けられ、魚(20)の口部(21)から延びる釣り糸(30)を通すことができる、釣り糸通し部(14)と、
を備えたことを特徴とする釣り魚保持具。
【請求項2】
口部(21)に釣り糸(30)があるままの状態の、釣られた魚(20)を下部から支持する底部(11)と、
この底部(11)から上方へ延び、前記魚(20)の左右を、魚(20)の前方に向かって幅狭となるように案内する左右のガイド部(12,13)と、
この左右のガイド部(12,13)の前方に設けられ、魚(20)の口部(21)から延びる釣り糸(30)を通すことができる、釣り糸通し部(14)と、
前記左右のガイド部(12,13)のうち、少なくとも一方のガイド部(13)に設けられ、当該一方のガイド部(13)から他方のガイド部(12)に向かって、魚(20)を締めるための刃物(40)を差し込むことができる刃物差込部(15)と、
を備えたことを特徴とする釣り魚保持具。
【請求項3】
請求項2において、
前記左右のガイド部(12,13)のうち、少なくとも一方のガイド部(13)は、前記底部(11)から上方へ向かって延びる複数本の棒状部(13p)を有し、これら棒状部(13p)同士の間の空間(S1)が、前記刃物差込部(15)を形成していることを特徴とする釣り魚保持具。
【請求項4】
請求項2において、
前記左右のガイド部(12,13)のうち、一方のガイド部(13)は、前記底部(11)から上方へ向かって延びる複数本の棒状部(13p)を有し、これら棒状部(13p)同士の間の空間(S1)が、前記刃物差込部(15)を形成し、
前記左右のガイド部(12,13)のうち、他方のガイド部(12)は、前記一方のガイド部(13)における刃物差込部(15)との対向部が板状の刃物受部となっていることを特徴とする釣り魚保持具。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか一項において、
前記左右のガイド部(12,13)は、いずれも後部が板状となっていることを特徴とする釣り魚保持具。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか一項において、
前記釣り魚保持具は、片手で持てる大きさとなっていることを特徴とする釣り魚保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣り魚保持具に関するものである。より詳しくは、釣られて、口部に釣り糸があるままの状態の魚(釣り魚)を保持するための魚保持具に関し、主として、釣り魚を締めるのに適し、さらに主として携行可能な魚保持具に関するものである。なお、本願において、「釣り魚」とは、釣られて口部に釣り糸があるままの状態の魚をいう。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に見られるように、
「魚体搬送装置にて搬送される魚体先端部の口先をセンサーにて感知して画像センサーの検出範囲を設定し、当該画像センサーにて魚体のエラ蓋上端部分を検出して、このエラ蓋上端部分より所定位置、即ち、刃物を入れる脊髄切断箇所の位置を求めて刃物を突刺すべく構成したものであり、更には、適宜の魚体搬送装置で魚体を泳いでいる状態、即ち、魚を立てた状態で挟持して搬送すべく構成すると共に、横方向より画像センサーにて所定の位置を検出して刃物を突刺す位置を求め、当該位置に同じく横方向より刃物を突刺すべく構成したものであり、更には、画像センサーにて刃物を突刺す所定位置の識別が不能の場合は、魚体に刃物を入れることなく魚体搬送装置末端より外部へ放出すべく構成した」魚の生きしめ装置(同公報要約欄)
が知られている。
【0003】
しかし、この魚の生きしめ装置は、ベルトコンベア等の魚体搬送装置を備えた大がかりなものであり、一般の釣り人が釣り場に携行できるようなものではない。
【0004】
従来、一般の釣り人が釣り場に携行し、釣り魚を好適に保持でき、締める、あるは釣り針を外してリリースする等に適した魚保持具はなかった。
【0005】
通常、アジや30cmくらいまでの魚(釣った魚)は、まず魚をトングのような挟み具で挟むか、あるいは手で掴み、針を外してリリースする、あるいは急所を刃物で締めて、針を外し、クーラーボックス等へ入れる。
しかし、リリースあるいは締める前の魚は生きているので、挟んだり、掴んだ入りする際に暴れることが多い。そのため、魚の身が潰れる等して傷んでしまうという難点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−4775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、釣り魚を好適に保持できる釣り魚保持具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明の釣り魚保持具は、
口部に釣り糸があるままの状態の、釣られた魚を下部から支持する底部と、
この底部から上方へ延び、前記魚の左右を、魚の前方に向かって幅狭となるように案内する左右のガイド部と、
この左右のガイド部の前方に設けられ、魚の口部から延びる釣り糸を通すことができる、釣り糸通し部と、
を備えたことを特徴とする。
なお、「釣られた魚を下部から支持する底部」には、釣られた魚を斜め下方からから支持する底部も含まれるものとする。
【0009】
この釣り魚保持具は上記の構成となっているので、例えば、次のようにして、釣り魚を保持することができる。
口部に釣り糸があるままの状態の釣られた魚を、その釣り糸を持って吊しながら、釣り魚保持具の底部と左右のガイド部とで形成された空間へと案内し、釣り糸を釣り糸通し部に通す。
左右のガイド部は、魚の前方に向かって幅狭となっているので、釣り糸を釣り糸通し部に通すことで、魚は左右のガイド部で軽く挟まれる位置で止まる。
【0010】
以上のように、この釣り魚保持具によれば、釣り糸を持って魚を吊しながら、釣り魚保持具の底部と左右のガイド部とで形成された空間へと入れることで、釣り魚を手で掴むことなく、良好に保持することができる。
【0011】
また、この釣り魚保持具は、上述した底部と左右のガイド部を備えていれば構成できるので、携行に適したものとすることができる。
【0012】
しかも、この釣り魚保持具によれば、魚をトングのような挟み具で挟んだり、手で掴んだりする必要が無く、魚は、左右のガイド部で軽く挟まれるだけなので、傷みにくくなる。
【0013】
また、上記課題を解決するために本発明の釣り魚保持具は、
口部に釣り糸があるままの状態の、釣られた魚を下部から支持する底部と、
この底部から上方へ延び、前記魚の左右を、魚の前方に向かって幅狭となるように案内する左右のガイド部と、
この左右のガイド部の前方に設けられ、魚の口部から延びる釣り糸を通すことができる、釣り糸通し部と、
前記左右のガイド部のうち、少なくとも一方のガイド部に設けられ、当該一方のガイド部から他方のガイド部に向かって、魚を締めるための刃物を差し込むことができる刃物差込部と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
この釣り魚保持具は上記の構成となっているので、例えば、次のようにして、釣り魚を締めることができる。
(1)
口部に釣り糸があるままの状態の釣られた魚を、その釣り糸を持って吊しながら、釣り魚保持具の底部と左右のガイド部とで形成された空間へと案内し、釣り糸を釣り糸通し部に通す。
左右のガイド部は、魚の前方に向かって幅狭となっているので、釣り糸を釣り糸通し部に通すことで、魚は左右のガイド部で軽く挟まれる位置で止まる。
(2)
一方のガイド部に設けられた刃物差込部から他方のガイド部へ向かって刃物を差し込み、魚を締める。
【0015】
以上のように、この釣り魚保持具によれば、釣り糸を持って魚を吊しながら、釣り魚保持具の底部と左右のガイド部とで形成された空間へと入れ、刃物差込部から刃物を差し込むことで、釣り魚を簡単に締めることができる。
【0016】
また、この釣り魚保持具は、上述した底部と左右のガイド部を備えていれば構成できるので、携行に適したものとすることができる。
【0017】
しかも、この釣り魚保持具によれば、魚をトングのような挟み具で挟んだり、手で掴んだりする必要が無く、魚は、左右のガイド部で軽く挟まれるだけなので、傷みにくくなる。
【0018】
この釣り魚保持具においては、
前記左右のガイド部のうち、少なくとも一方のガイド部は、前記底部から上方へ向かって延びる複数本の棒状部を有し、これら棒状部同士の間の空間が、前記刃物差込部を形成している構成とすることができる。
【0019】
このように構成すると、複数本の棒状部同士の間の空間で刃物差込部が形成されるので、魚を締める際に、魚の急所に刃物を刺すことが容易になる。
【0020】
この釣り魚保持具においては、
前記左右のガイド部のうち、一方のガイド部は、前記底部から上方へ向かって延びる複数本の棒状部を有し、これら棒状部同士の間の空間が、前記刃物差込部を形成し、
前記左右のガイド部のうち、他方のガイド部は、前記一方のガイド部における刃物差込部との対向部が板状の刃物受部となっている構成とすることができる。
【0021】
このように構成すると、刃物受部が板状となっているので、刃物の先端を良好に受けることができ、魚の急所を適切に締めることができる。
【0022】
この釣り魚保持具においては、
前記左右のガイド部は、いずれも後部が板状となっている構成とすることができる。
【0023】
このように構成すると、釣り糸を持って魚を吊しながら、釣り魚保持具の底部と左右のガイド部とで形成された空間へと入れる際に、入れやすくなる。
【0024】
この釣り魚保持具においては、
前記釣り魚保持具は、片手で持てる大きさとすることができる。
【0025】
このように構成すると、携行しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係る釣り魚保持具の実施の形態を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図。
図2】(a)(b)は使用状態説明図。
図3】(a)(b)は使用状態説明図。
図4】変形例を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は背面図。
図5】他の変形例を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図。
図6】他の実施の形態を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は部分省略左側面図。
図7】(a)(b)(c)は他の実施の形態の使用状態説明図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る釣り魚保持具の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
【0028】
図1に示すように、この実施の形態の釣り魚保持具10は、
口部21に釣り糸30があるままの状態の、釣られた魚20を下部から支持する底部11と、
この底部11から上方へ延び、魚20の左右20L,20Rを、魚20の前方20Fに向かって幅狭となるように案内する左右のガイド部12,13と、
この左右のガイド部12,13の前方に設けられ、魚20の口部21から延びる釣り糸30を通すことができる、釣り糸通し部14と、
を備えている。
また、この実施の形態の釣り魚保持具10は、
前記左右のガイド部12,13のうち、少なくとも一方のガイド部(図示のものは右ガイド13)に設けられ、当該一方のガイド部(13)から他方のガイド部(12)に向かって、魚20を締めるための刃物40を差し込むことができる刃物差込部15と、
を備えている。
【0029】
なお、「釣られた魚20を下部から支持する底部11」には、例えば図7に示すように、釣られた魚20を斜め下方からから支持する底部11も含まれる。
【0030】
この釣り魚保持具は上記の構成となっているので、例えば、次のようにして、釣り魚20を保持することができる。また、必要に応じて、釣り魚20を締めることができる。
【0031】
(1)図2(a)(b)に示すように、
口部21に釣り糸30があるままの状態の釣られた魚20を、その釣り糸30を持って吊しながら、仮想線i、ii、iiiで示すように、釣り魚保持具10の底部11と左右のガイド部12,13とで形成された空間S(図1(a)参照)へと案内し、図1(a)(b)で示すように、釣り糸30を釣り糸通し部14に通す。
左右のガイド部12,13は、魚20の前方(20F)に向かって幅狭となっているので、釣り糸30を釣り糸通し部14に通すことで(あるいは釣り糸通し部14に通して前方に軽く引くことで)、魚20は左右のガイド部12,13で軽く挟まれる位置で止まる(図1参照)。
【0032】
このように、この釣り魚保持具10によれば、釣り糸を持って魚を吊しながら、釣り魚保持具10の底部11と左右のガイド部12,13とで形成された空間Sへと入れることで、釣り魚20を手で掴むことなく、良好に保持することができる。
したがって、この状態、すなわち釣り魚保持具10で釣り魚20を保持した状態で、釣り針(図示せず)を外したり、リリースしたりすることができる。
【0033】
(2)また、必要に応じ、図1(a)(b)に示すように、
一方のガイド部(13)に設けられた刃物差込部15から他方のガイド部(12)へ向かって刃物40を差し込み、魚20を締めることができる。
なお、この際、釣り糸30は、手で持ったままとし、その手で、ガイド部(12)を支える(動きにくくする)ことで、刃物40による締め作業を容易に行うことができる。
【0034】
以上のように、この釣り魚保持具10によれば、釣り糸30を持って魚20を吊しながら、釣り魚保持具10の底部11と左右のガイド部12,13とで形成された空間Sへと入れることで、釣り魚20を手で掴むことなく、良好に保持することができる。また必要に応じ、刃物差込部15から刃物40を差し込むことで、釣り魚20を簡単に締めることができる。釣った魚20を数秒で締めることも可能である。
【0035】
また、この釣り魚保持具10は、上述した底部11と左右のガイド部12,13を備えていれば構成できるので、携行に適したものとすることができる。
【0036】
しかも、この釣り魚保持具10によれば、魚20をトングのような挟み具で挟んだり、手で掴んだりする必要が無く、魚20は、左右のガイド部12,13で軽く挟まれるだけなので、傷みにくくなる。したがって、魚を弱らせることなくリリースすることもできる。
【0037】
左右のガイド部12,13のうち、一方のガイド部(13)は、底部11から上方へ向かって延びる複数本(図示のものは10本)の棒状部13pを有し、これら棒状部13p同士の間の空間S1(図示のものはこの空間S1は8個ある)が、刃物差込部15を形成している。
【0038】
このように構成すると、複数本の棒状部13p同士の間の空間S1で刃物差込部15が形成されるので、魚20を締める際に、魚20の急所22に刃物40を刺すことが容易になる。
つまり、空間S1が複数あるので、魚の急所22に刃物40を刺すのに最も適した位置の空間S1を利用して魚を締めることができる。
【0039】
例えば、図3に示すように、魚20が図1のものより小さいと、左右のガイド12,13に軽く当接する位置が、図1の場合よりも前方(図において右方)へ移動するため、急所22を刺すための空間S1も、図1の場合に比べて右方になる。
【0040】
左右のガイド部12,13のうち、他方のガイド部(12)は、一方のガイド部(13)における刃物差込部15との対向部が板状の刃物受部となっている。
この実施の形態では、他方のガイド部(12)は全体が板状となっているが、一方のガイド部(13)における刃物差込部15との対向部が板状の刃物受部となっていればそれで良い。
【0041】
このように構成すると、刃物受部が板状となっているので、刃物40の先端41を良好に受けることができ、魚20の急所22を適切に締めることができる。
【0042】
左右のガイド部12,13は、いずれも後部12r、13rが板状となっている。
【0043】
このように構成すると、図2(a)(b)において仮想線i、ii、iiiで示したように、釣り糸30を持って魚20を吊しながら、釣り魚保持具10の底部11と左右のガイド部12,13とで形成された空間Sへと入れる際に、入れやすくなる。
【0044】
釣り魚保持具10は、公知の適宜の材料で構成できる。例えば、合成樹脂、木材、金属等で構成することができる。耐久性、耐海水性(防錆性)、および強度を考慮すると、アルミまたはステンレスで構成することが望ましい。洗って、清潔に保つのも容易になる。
【0045】
底部11は、釣られた魚20を下部から支持できる構造であれば、適宜の構造を採用することができる。図示のものは、板状体で構成したが、ガイド体(13)同様ロッドの連続体で構成することもできる。
【0046】
左右のガイド部12,13は、底部11から上方へ延びていて、魚20の左右20L,20Rを、魚20の前方20Fに向かって幅狭となるように案内することができる形状であれば、任意の形状を採用できる。ガイド部12をガイド部13と同様連続して立設された棒体(ピン)で構成できるし、ガイド体13を板状体で構成することもできる。その場合、適所に、複数個の刃物差込部(穴やスリット)を形成する。
【0047】
釣り糸通し部14は、左右のガイド部12,13の前方に設けられていて、魚20の口部21から延びる釣り糸30を通すことができる構造であれば、任意の構造を採用することができる。
【0048】
しかし、この実施の形態のように、上方が開口していて(図1において、開口を符号14cで示す)、上方から(開口14cから)釣り糸30を通すことができる構造とすることが望ましい。図2(b)に示す状態から、釣り糸30を底部に向かって下げるようにして通すことができるからである。
【0049】
刃物差込部15の形状も、一方のガイド部(13)から他方のガイド部(12)に向かって、魚20を締めるための刃物40を差し込むことができる形状であれば任意であるが、この実施の形態のように、複数の縦長のスリット状の開口とするのが望ましい。魚の大きさ等に応じて、適切な位置の刃物差込部を選択できるからである。
【0050】
この実施の形態の釣り魚保持具10は、一体的に構成することも可能であるが、分解可能とすることもできる。
分解可能とすることにより、携帯性を高めることができる。
【0051】
例えば、図4に示すように、
棒状部13p(図(b))は、その下端に雄ネジ13nを設け、底部11に設けた雌ネジ穴11nに着脱可能にネジ結合させ、
ガイド部13の後部13rは断面L型の板体とし、その底部13bを蝶ネジ16で底部11に対して着脱可能に結合させ、
ガイド部12は、ネジ17(図(c))で底部11に対して着脱可能に結合させる構成とすることができる。
【0052】
このように構成すると、図4(a)に示すように、左右のガイド体の幅W(図(a))を調整すべく、複数の雌ネジ穴11nを設けて、左右のガイド体の幅Wを調整可能とすることができる。
【0053】
またこのように構成すると、図5に示すように、底部11を、表裏を逆にして使うことで、ユーザーの好みに応じ、釣り魚保持具10を左利き用、または右利き用に選択して、構成することができる。
【0054】
例えば図6に示すように、この釣り魚保持具10は、片手で持てる大きさとすることができる。
【0055】
このように構成すると、携行しやすくなる。
【0056】
左右のガイド部の後部12r、13rの間隔W3は適宜設定でき、例えば、4〜8cmとする。
この釣り魚保持具10によれば、例えば、左右のガイド部の後部12r、13rを下方(底部11側)から掴んで、以下に説明するようにして、魚20を保持することができる。また、必要に応じて締めることができる。
【0057】
この釣り魚保持具10は、例えば次のようにして使用する。
先ず、図7(a)に示すように、釣り魚保持具10を片手で縦置き状態に持ち(手は図示省略)、釣った魚20の釣り糸30を他方の手でもって、図(a)から(b)に示すように、魚20をやや下方から左右のガイド部12,13に案内させるようにし、釣り糸30を釣り糸通し部14に通しながら、魚20を保持具10内の空間Sに入れる。
【0058】
次いで、図(b)から(c)に示すように、魚20の頭部が下方になるように保持具10を傾けると、魚20は底部10上を滑り、左右のガイド部12,13で軽く挟まれる位置で止まる。これによって、魚20を手で掴むことなく釣り魚保持具10で保持することができる。
【0059】
また、必要に応じ、適切な位置から、魚の急所22に刃物を刺して、魚を締めることもできる。
【0060】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。例えば、
【0061】
図6に示した釣り魚保持具10も、右利き用、左利き用、いずれも構成可能である。
また、図6に示した釣り魚保持具10も、左右のガイド体の幅Wを調整すべく、複数の雌ネジ穴11n(図4参照)を設けて、左右のガイド体の幅Wを調整可能とすることができる。
【符号の説明】
【0062】
10: 釣り魚保持具
11: 底部
12,13: 左右のガイド部
12r,13r: 後部
13p: 棒状部
14: 釣り糸通し部
15: 刃物差込部
20: 釣られた魚
21: 口部
30: 釣り糸
40: 刃物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7