特開2021-159178(P2021-159178A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-159178(P2021-159178A)
(43)【公開日】2021年10月11日
(54)【発明の名称】遊技場用設備
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20210913BHJP
【FI】
   A63F5/04 680
   A63F5/04 699
   A63F5/04 683
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-61629(P2020-61629)
(22)【出願日】2020年3月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129654
【弁理士】
【氏名又は名称】大池 達也
(72)【発明者】
【氏名】栢森 啓
【テーマコード(参考)】
2C182
【Fターム(参考)】
2C182CE01
2C182DB11
2C182EB01
2C182EB08
2C182EB20
(57)【要約】
【課題】離席中であることを分かりやすく表示するとともに、離席中の盗難や悪戯を防止することが可能な遊技場用設備を提供すること。
【解決手段】遊技場に設置された複数の遊技機5の各々に対応して設けられる遊技場用設備1Sであって、各遊技機5の上方に設置され、遊技機5に関する各種の遊技情報を表示可能な遊技情報表示装置1と、遊技情報表示装置1の下端側に付設され、下方へ引き出し可能なロールスクリーン部材の一例であるシート状のスクリーン21と、を備え、スクリーン21は、下方へ引き出された状態において離席中である旨の情報を表示する文字表示21Tを備えている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場に設置された複数の遊技機の各々に対応して設けられる遊技場用設備であって、
各遊技機の上方に設置され、当該遊技機に関する各種の遊技情報を表示可能な遊技情報表示装置と、
当該遊技情報表示装置の下端側に付設され、下方へ引き出し可能なロールスクリーン部材と、を備え、
前記ロールスクリーン部材は、下方へ引き出された状態において離席中である旨の情報を表示可能な表示手段を備えたことを特徴とする遊技場用設備。
【請求項2】
前記遊技情報表示装置は、前記ロールスクリーン部材が引き出された状態において、離席中である旨の表示を行うことを特徴とする請求項1に記載の遊技場用設備。
【請求項3】
遊技機と遊技情報表示装置との間に遊技媒体収納箱を載置する空間が設けられ、
前記ロールスクリーン部材が引き出された状態において前記空間が覆われることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技場用設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用設備に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば下記の特許文献1には、休憩自的などで遊技者が離席中であることを表示すると共に、離席中の遊技を制限することが可能な構成が記載されている。このような構成によれば、離席中であることを明示すると同時に、離席中の盗難や悪戯を防止する効果を見込むことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−200495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、離席中の表示は遊技機に並設された遊技装置であるCRユニットの画面に小さく表示されるのみであり、他の遊技者に気づかれ難いという欠点があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、離席中であることを分かりやすく表示するとともに、離席中の盗難や悪戯を防止することが可能な遊技場用設備を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技場用設備は、遊技場に設置された複数の遊技機の各々に対応して設けられる設備である。この遊技場用設備は、各遊技機の上方に設置された遊技情報表示装置の下端側に付設され、下方へ引き出し可能なロールスクリーン部材を備えている。このロールスクリーン部材は、下方へ引き出された状態において、離席中である旨の情報を表示可能である。
【0007】
離席中では、ロールスクリーン部材が下方に引き出され、遊技機本体の全部または一部が覆われた状態にできる。この状態のとき、ロールスクリーン部材によって離席中である旨の表示がされるので、離席中であることが分かりやすく表示されると共に、遊技機への悪戯や遊技媒体の盗難のおそれを未然に抑制できる。
【0008】
このように本発明の遊技場用設備は、離席中であることを分かりやすく表示でき、離席中の盗難や悪戯を防止することが可能な有用な設備である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】遊技機及び遊技場用設備を通路側から見込む正面図。
図2】遊技機及び遊技場用設備の側面図。
図3】遊技情報表示装置の正面図。
図4】遊技情報表示装置の電気的構成を示すブロック図。
図5】スクリーンユニットを示す斜視図(スクリーンが巻き取られた状態(a)、引き出された状態(b))。
図6】離席中の遊技機(向かって右側)を通路側から見込む正面図。
図7】スクリーン(ロールスクリーン部材)が引き出された状態(a)、及び巻き取られた状態(b)を示す側面図。
図8】離席中画面の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、遊技場に設置された複数の遊技機5の各々に対応して設置される遊技場用設備1Sに関する例である。この内容について、図1図8を用いて説明する。
【0011】
本例の遊技場用設備1Sは、図1及び図2のごとく、対応する遊技機5に関する各種の遊技情報を表示可能な遊技情報表示装置1と、遊技情報表示装置1の下端側に付設され、下方へ引き出し可能なシート状のスクリーン21(ロールスクリーン部材の一例)と、を含む設備である。特に、本例の構成では、スクリーン21を引き出し可能なスクリーンユニット2が遊技情報表示装置1に取り付けられている。以下、遊技機5としてのスロットマシン5Sを例にして、本例の遊技場用設備1Sの内容を説明するが、本例の遊技場用設備1Sは、パチンコ遊技機などの遊技機5に対しても有用な設備である。
【0012】
遊技情報表示装置1は、スロットマシン5Sの上方の壁面に設置されている。スロットマシン5Sと遊技情報表示装置1とは、鉛直方向の隙間を空けて配置され、その隙間には、遊技者が獲得した遊技媒体収納箱450(以下、収納箱450という。)を載置するための空間をなす棚45が設けられている。
【0013】
遊技場では、各遊技機5の側方に、遊技媒体であるメダルを貸し出す貸出装置63が設置されている。そして、遊技者が着席する椅子41が、遊技機5と向かい合う位置に設置されている。遊技場に来場した遊技者は、選択した遊技機5の前の椅子41に着席し、貸出装置63から払出された遊技媒体を利用して遊技できる。
【0014】
スロットマシン5Sの下端側には、遊技者側に向かって棚状に張り出すカウンター46が設けられている。カウンター46は、遊技機5が複数、並列配置された遊技機島を横断するように切れ目なく設けられている。カウンター46は、その上面が、各遊技機5の下端の受皿(後述する)の下面と隙間少なく対面するように設けられている。本例の構成では、カウンター46の張出側の前縁をなす側面に、下方に向かうかぎ状のフック465が取り付けられている。フック465は、椅子41の正面、すなわち遊技機5の幅方向の中央に対応して位置している。このフック465は、スクリーンユニット2から引き出したスクリーン21を係止するための係止部として機能する。
【0015】
遊技機5の一例であるスロットマシン5Sは、図1に示すごとく、図柄の変動表示を遊技者に視認させるための図柄表示窓51、クレジットメダルを賭けるベットボタン54、メダルを投入するメダル投入口530、ゲームを開始させるためのスタートレバー521、回転中のリールを停止させるための3個のストップボタン522、払出されたメダルの受皿55等を備えている。図柄表示窓51の内側には、複数種類の図柄が外周に配列され、回転に応じて図柄を変動表示する3つのリールが並列して収容されている。
【0016】
スロットマシン5Sでは、規定数のメダルを投入(ベット)したときにゲームを開始可能な状態が設定される。この状態でスタートレバー521を操作すれば、リールが一斉に回転を開始して図柄変動がスタートし、ゲームが開始される。各リールの図柄変動は、リール毎に個別に設けられたストップボタン522の操作によって停止できる。全てのリールが停止したときに図柄表示窓51に停止表示された図柄の組合せが入賞図柄であったとき、その入賞図柄に対応する役が入賞となる。
【0017】
メダルの払出が設定された小役の入賞であれば、役毎に予め定められた枚数のメダルが払い出される。ボーナス役の入賞であれば、次ゲーム以降、大当たり状態であるボーナス状態が発生し、メダルの累積払出数が所定数を超えるまでボーナス状態が継続する。ボーナス状態としては、ビッグボーナス(BB)とレギュラーボーナス(RB)とがある。
【0018】
スロットマシン5Sは、中継装置65を介して遊技情報表示装置1に向けて各種の遊技信号を出力する。遊技信号としては、例えば、以下の(1)〜(4)の遊技信号がある。
(1)投入信号:メダルの消費を表す信号。開始操作に応じベット状態のメダルを消費したとしてベット状態のメダル数分がパルス出力される信号。投入信号数×1がアウト(消費メダル数)となる。なお、リプレイゲームの実行時にも、リプレイ役の入賞ゲームに消費されたメダル数分の投入信号が出力される。
(2)払出信号:メダルの払出を表す信号。メダルが1枚払出される毎に1パルス出力される信号。払出信号数×1がセーフ(払出メダル数)となる。なお、リプレイ役入賞時にも、そのリプレイゲームに必要なメダル数分の払出信号が出力される。
(3)スタート信号:ゲームが開始されたことを表す信号。スタートレバー521の操作に応じて図柄変動が開始されたときに出力される。
(4)大当たり信号:大当たり状態であるボーナス状態が発生中であることを表す信号。ボーナス状態の発生中にレベル出力される。遊技情報表示装置1側では、大当たり信号の信号入力期間をボーナス状態として特定可能である。
【0019】
次に、遊技場用設備1Sを構成する(A)遊技情報表示装置1、(B)スクリーンユニット2について説明する。なお、遊技場では、遊技機5、遊技情報表示装置1、及び貸出装置63の組合せを1組とし、2組毎に中継装置65が設置されている。各遊技機5は、中継装置65を介して管理装置60と通信可能に接続されている。
【0020】
(A)遊技情報表示装置
遊技情報表示装置1は、各遊技機5の上方に設置され(図1参照。)、その遊技機5に関する各種の遊技情報を表示可能な表示装置である。遊技情報表示装置1は、図3及び図4のごとく、大型の液晶ディスプレイよりなる液晶表示部13を備えている。液晶表示部13の表示画面130の下側には、呼出ボタン141Aやメニューボタン141Bやデータ切替ボタン141Cやリセットボタン141D等が配置され、上側には、ランプ部12が配設されている。
【0021】
液晶表示部13は、タッチパネル13Tを備えタッチ操作可能な表示部である。液晶表示部13の表示画面130には、大当たり履歴や過去の遊技情報等、各種の情報が表示される。表示画面130の表示は、データ切替ボタン141Cの操作に応じて適宜切り替え可能である。
【0022】
遊技情報表示装置1は、制御部10を中心として電気的に構成されている(図4)。制御部10は、ソフトウェアを実行して各種演算を実施するCPU101、メモリ手段としてのROM102、RAM103、信号の入出力を行うI/O部104を含んでいる。制御部10に対しては、信号の送受信を外部機器との間で実行する送受信部144、液晶表示部13、従業員の呼出機能を有するランプ部12、タッチパネル13T、呼出ボタン141Aなどの操作ボタン、リモコン受光部142等が電気的に接続されている。リモコン受光部142は、遊技場の従業員が携帯するリモコン142Rが発射する赤外信号の受光部である。
【0023】
リモコン142Rは、遊技情報表示装置1等の場内機器の遠隔操作が可能な携帯端末である。遊技情報表示装置1については、表示切替操作やリセット操作のほか、遊技者の離席に関連する離席操作が可能である。離席操作としては、離席状態を開始するための離席開始操作や、離席状態を解除するための離席終了操作等がある。リモコン142Rは、離席開始操作が行われた時に離席開始信号を出力し、離席終了操作が行われた時に離席終了信号を出力する。
【0024】
送受信部144が中継装置65を経由してスロットマシン5Sから取り込む遊技信号としては、(1)投入信号、(2)払出信号、(3)スタート信号、(4)大当たり信号等がある。遊技情報表示装置1は、これらの遊技信号の受信回数を計数等することで、例えば以下の遊技データを集計する。
(a)大当たり回数:大当たり状態であるボーナス状態(BB状態、RB状態)の発生回数。
(b)大当たり間スタート回数:直前のボーナス状態(BB状態)が終了してからのスタート回数(ゲーム回数)。
(c)本日累計スタート回数:当日、開店後の累計のスタート回数。
(d)差メダル数:遊技者側から見たメダル収支。払出信号を受信する毎に1枚ずつ加算される払出枚数から、投入信号を受信する毎に1枚ずつ加算される投入枚数を差し引いて差メダル数が演算される。
【0025】
例えば、遊技情報表示装置1による図3の通常画面130Nは、表示画面130に通常、表示される画面の例示である。この通常画面130Nは、複数の表示欄に区画された画面であり、本日、前日、前々日のBB回数(大当たり回数)の表示欄131を中心として構成されている。遊技者側から見て表示欄131の左側には、本日、前日、前々日のRB回数(大当たり回数)の表示欄132、当日の累計獲得メダル数の表示欄133、本日の累計ゲーム数の表示欄134、が上から順番に配置されている。表示欄131の下側には、過去の最高獲得数の表示欄135、及び大当たり間スタート回数を棒グラフで表すグラフ表示欄136が配置されている。
【0026】
遊技情報表示装置1は、上記のリモコン142Rの離席開始信号の受信に応じて離席モードに切り替わり、図8を参照して後述する離席中画面130Aを表示可能である。この離席モードは、上記のリモコン142Rの離席終了信号の受信に応じて解除され、通常通常画面130N等が表示される通常の動作モードに切り替わる。なお、遊技情報表示装置1は、離席モードにおいて、経過時間を計測するように構成されている。
【0027】
(B)スクリーンユニット
図5のスクリーンユニット2は、遊技情報表示装置1と共に遊技場用設備1Sを構成するユニットである。スクリーンユニット2は、シート状のスクリーン21と、スクリーン21を巻き取るための巻芯(図示略)と、巻芯を回転可能に支持するステー25と、を備えている。同図(a)は、スクリーン21が巻き取られた状態を示し、同図(b)は、スクリーン21が引き出された状態を示している。
【0028】
スクリーンユニット2は、遊技情報表示装置1の下端に位置する底面に、ビス止め等により取付可能である(図2参照。)。なお、スクリーンユニット2の取付構造については、例示する構造に代えて、遊技情報表示装置1の下方の壁面に取り付ける構造を採用しても良い。さらに、スクリーンユニットを内蔵する遊技情報表示装置1を採用することもできる。
【0029】
ステー25(図5)は、互いに対面する軸受部251が両端に設けられ、全体として、中間部250が長い略コの字状を呈する金属製の部材である。軸受部251は、例えば、細長い平板状の金属製部材を元にし、その両端を内側に折り曲げることで形成される。両端の軸受部251は、それぞれ、巻芯の端部を軸支するための構造を備えている。両端の軸受部251に挟まれた中間部250には、固定用のビスを貫通させるためのビス孔250Hが数カ所設けられている。
【0030】
ロールスクリーン部材の一例をなすスクリーン21は、長い短冊状の布である。スクリーン21の表面には、「離席中!」なる文字表示21Tが横書きで印刷されている(図5(b)参照。)。この「離席中!」の文字表示21Tは、スクリーン21が下方へ引き出された状態において離席中である旨の情報を表示可能な表示手段の一例である。「離席中!」の文字表示21Tは、完全に近くスクリーン21が引き出されたとき、スロットマシン5Sの図柄表示窓51の少し上辺りの高さに位置するよう、スクリーン21の長手方向における中間辺りに印刷されている(図6参照。)。
【0031】
スクリーン21の先端には、スクリーン21の横幅よりもわずかに長い棒状のボトムパイプ211が取り付けられている。ボトムパイプ211の中央には、D形状の環であるD環215が取り付けられている。このD環215は、カウンター46に設けられたフック465に係止される被係止部として利用できるほか、スクリーン21を引き出す際の指掛けに利用できる。
【0032】
なお、図示しない巻芯は、ステー25側に固定される中心軸と、中心軸に対して外挿配置される円筒状のスリーブ軸と、の2重構造を有する。スリーブ軸は、中心軸に対して回転可能に保持されている。中心軸に対してスリーブ軸が相対的に回転により、スクリーン21の巻き取りや引き出しが可能である。巻芯は、中心軸の外周に巻回された図示しない渦巻きばねを備えている。スリーブ軸がスクリーン21を引き出すように回転するとこの渦巻きばねが巻き上げられる。巻き上げられた渦巻きばねのばね力は、スクリーン21を巻き取る側の回転方向にスリーブ軸を付勢する力となる。
【0033】
次に、以上のような構成の遊技場用設備1Sの利用について説明する。スロットマシン5Sの遊技者は、食事などに出掛けたり休憩を取りたいとき、遊技場の従業員に離席を申し出ることで遊技を一旦、中断できる。遊技場用設備1Sは、このようなときに有効に利用でき、遊技者が安心して離席するために役立つ。
【0034】
遊技を中断して離席する遊技者は、例えば遊技情報表示装置1の呼出ボタン141を操作して遊技場の従業員を呼び出し、離席処理を依頼できる。離席処理の依頼を受けた従業員は、スクリーン21を引き出し、先端のD環215をカウンター46のフック465に引っ掛けて係止させる(図6の右側のスロットマシン5Sの状態、図7(a)の状態)。
【0035】
スクリーン21を引き出せば、スロットマシン5Sと共に、収納箱450を載置する空間をなす棚45を覆い隠すことができる。スクリーン21の先端のD環215をカウンター46のフック465に引っ掛けて係止させれば、スクリーン21の引き出し状態を確実性高く保持できる。スクリーン21の引出状態では、スクリーン21の表面に印刷された「離席中!」の文字表示21Tが通路側に露出し、遊技客がはっきりと視認できる状態となる(図6の右側のスロットマシン5Sの状態。)。
【0036】
さらに、従業員は、リモコン142Rを用いて離席開始操作を行うことで、遊技情報表示装置1の動作モードを離席モードに切り替える。遊技情報表示装置1は、離席開始操作に応じてリモコン142Rが出力する離席開始信号を受信すると離席モードに切り替わる。離席モード下の遊技情報表示装置1は、図8に例示の離席中画面130Aを表示画面130に表示する。図8に例示する離席中画面130Aは、離席中である旨の文字表示と共に、離席モードが開始されてからの経過時間を表示する画面である。
【0037】
遊技場内の通路を行き来する遊技客は、スクリーン21に印刷された「離席中!」の文字表示21Tや、遊技情報表示装置1の表示画面130に表示された離席中画面130Aにより、他の遊技客によって占有された遊技台であることを確実性高く認識できる。
【0038】
その後、遊技を再開する際、遊技者は、呼出ボタン141Aを操作して従業員を呼び出せば良い。従業員は、リモコン142Rを操作することで、遊技情報表示装置1の離席モードを解除できる。遊技情報表示装置1は、離席終了操作に応じてリモコン142Rが出力する離席終了信号を受信すると離席モードを終了(解除)し、離席中画面130Aを通常の表示画面に切り替える。さらに、従業員の作業によって、スクリーン21が巻き取られると、スロットマシン5Sが現れて遊技者が遊技を再開できる状態となる(図6の左側のスロットマシンの状態、図7(b)の状態。)。
【0039】
以上のように、本例の遊技場用設備1Sは、遊技場に設置された複数の遊技機5の各々に対応して設けられる設備である。この遊技場用設備1Sは、各遊技機5の上方に設置された遊技情報表示装置1の下端側に付設され、下方へ引き出し可能なスクリーン21を備えている。ロールスクリーン部材の一例であるスクリーン21は、下方へ引き出された状態において、離席中である旨の情報を表示可能である。
【0040】
離席中では、スクリーン21が下方に引き出され、遊技機5本体の全部が覆われた状態を設定できる。この状態のとき、スクリーン21上で離席中である旨の表示がされるので、離席中であることが分かりやすく表示されると共に、遊技機5への悪戯など何らかの操作がなされたり、スロットマシン5Sの受皿55のメダルが盗難されたりするおそれを未然に抑制できる。
【0041】
このように遊技場用設備1Sは、離席中であることを分かりやすく表示でき、離席中の盗難や悪戯を防止することが可能な有用な設備である。
【0042】
また、遊技情報表示装置1は、スクリーン21が引き出された状態において、離席中画面130Aによって離席中である旨の表示を行うことができる。遊技場表示装置1の表示を離席中画面130Aに切り替えれば、遊技機5の遊技結果を表す遊技情報を離席中に覗き見されることを未然に回避できる。
【0043】
遊技機5と遊技情報表示装置1との間に収納箱450(遊技媒体収納箱)を載置する空間をなす棚45が設けられている。スクリーン21が引き出された状態では、この棚45を覆うことができる。離席中に棚45を覆えば、収納箱450を他の遊技客から隠すことができ、収納箱450のメダルが盗難されるおそれを未然に抑制できる。
【0044】
本例の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
スクリーンユニット2について、スクリーン21の引き出し位置が一旦固定されると共に、引き出し位置から軽く引き出したときに引き出し位置の固定が解除される機構を設けることも良い。この場合には、フック465にD環215を係止しなくても良くなる。
【0045】
本例のスクリーンユニット2に代えて、電動モータの回転駆動によってスクリーンを昇降する電動スクリーンユニットを採用することも良い。従業員が携帯するリモコン142Rの操作によりスクリーンを昇降できるように電動スクリーンユニットを構成することも良い。離席状態を設定するためのリモコン操作によってスクリーンが引き出されると共に、離席状態を解除するためのリモコン操作によりスクリーンが巻き取られる構成を採用しても良い。
【0046】
本例では、離席中である旨の表示手段として、スクリーン21の表面に印刷された文字表示21Tを例示している。これに代えて、スクリーンの裏側からプロジェクターによって文字等を投射する表示手段を採用することも良い。あるいは、巻取可能な液晶スクリーンや有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)スクリーン等をロールスクリーン部材として採用し、電気的な作用により離席中である旨を表示することも良い。プロジェクタや液晶スクリーンなど電気的に各種情報を表示可能なスクリーンを採用する場合には、離席中である旨を動画表示することも可能である。
【0047】
スクリーンユニット2について、スクリーン21が所定量引き出されたことを検知する電子スイッチを設けることも良い。この電子スイッチでスクリーン21の引き出しが検知されたとき、遊技情報表示装置1を離席モードに自動的に切り替えることも良い。なお、離席モードの解除は、リモコン操作によって実行すると良い。この場合、離席モード下でスクリーン21が巻き取られた場合、ランプ部12による発光や表示画面130による表示等により警報を発すると良い。注意や警告を促す表示を表示画面130に表示することも良い。
【0048】
スクリーン21の張力を検出するテンショナーをスクリーンユニット2あるいはフック465に設けることも良い。例えばスクリーン21が横からめくられたような場合には、スクリーン21に過大な張力が生じる可能性が高い。そこで、離席モード下で異常な張力が検出された場合、警報を発すると良い。
【0049】
本例では、引き出したスクリーン21の先端のボトムパイプ211にD環215を設け、D環215をフック465に引っ掛ける構成を例示している。この構成に代えて、例えば、椅子の背もたれにフック等の係止部を設けることも良い。この場合には、例えば隣りの遊技機5の遊技者のギャラリーが、離席中の椅子41に無断で着席してしまうようなことがなくなる。あるいは、フック465に代えて、磁気的な力によってボトムパイプ211を吸着する構成も考えられる。
【0050】
本例は、遊技情報表示装置1が遊技機5の上方に設置されている例であるが、遊技機5の側方など、遊技情報表示装置1の設置場所は限定されない。この場合、遊技機5の上方の壁面にスクリーンユニット2を取り付けると良い。
本例では、スクリーン21によって遊技機5全体を覆うようにしたが、遊技機5本体の一部を覆うようにしてもよい。例えば、遊技機5本体の上半分だけ覆うようにしても作用効果に大きな違いは生じない。
また、本例では、遊技機5としてスロットマシン5Sを例示したが、遊技機5はスロットマシン5Sに限らない。遊技機5は、パチンコ遊技機やじゃん球遊技機などであっても良い。
【0051】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
【符号の説明】
【0052】
1 遊技情報表示装置
1S 遊技場用設備
10 制御部
13 液晶表示部
130 表示画面
130A 離席中画面
130N 通常画面
141 呼出ボタン
142R リモコン
2 スクリーンユニット
21 スクリーン(ロールスクリーン部材)
21T 文字表示(表示手段)
211 ボトムパイプ
215 D環(被係止部)
41 椅子
45 棚(空間)
450 収納箱(遊技媒体収納箱)
46 カウンター
465 フック(係止部)
5 遊技機
5S スロットマシン
55 受皿
60 管理装置
63 貸出装置
65 中継装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8