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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-159179(P2021-159179A)
(43)【公開日】2021年10月11日
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20210913BHJP
【FI】
   A63F7/02 332
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-61630(P2020-61630)
(22)【出願日】2020年3月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129654
【弁理士】
【氏名又は名称】大池 達也
(72)【発明者】
【氏名】野坂 利之
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA05
2C088CA06
2C088CA31
(57)【要約】
【課題】遊技客の玉が消費されていない状態を考慮した上で遊技情報を把握可能な遊技場用システムを提供すること。
【解決手段】遊技価値を消費することで入賞口への入賞が可能になり、入賞に応じて遊技者に特典を付与する遊技機3の遊技情報を管理対象とする遊技場用システム1は、遊技機3側から出力される遊技信号により、遊技に応じて実際に消費された遊技価値を示すアウト、及び遊技者に付与された前記特典の数量、を特定可能な遊技情報特定手段と、遊技価値の消費を停止するための遊技者による停止操作に対応した停止期間を特定可能な停止信号により当該停止期間を特定する停止期間特定手段と、停止期間において停止操作が行われなかったと仮定した場合に消費され得る遊技価値を消費価値に加えた仮想消費価値と、前記特典の数量と、の比較結果を示す仮想比較情報を特定可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技価値を消費することで入賞口への入賞が可能になり、当該入賞に応じて遊技者に特典を付与する遊技機の遊技情報を管理対象とする遊技場用システムであって、
遊技機側から出力される遊技信号により、遊技に応じて実際に消費された遊技価値を示す消費価値、及び遊技者に付与された前記特典の数量、を特定可能な遊技情報特定手段と、
遊技価値の消費を停止するための遊技者による停止操作に対応した停止期間を特定可能な停止信号により当該停止期間を特定する停止期間特定手段と、
前記停止期間において前記停止操作が行われなかったと仮定した場合に消費され得る遊技価値を前記消費価値に加えた仮想消費価値と、前記特典の数量と、の比較結果を示す仮想比較情報を特定する仮想遊技情報特定手段と、を備える遊技場用システム。
【請求項2】
遊技情報を管理する管理手段を備え、
前記遊技情報特定手段は、実際に消費された消費価値と、前記特典の数量と、の比較結果を示す実比較情報を特定可能であり、
前記管理手段は、前記仮想比較情報と前記実比較情報とを比較可能に管理する請求項1に記載の遊技場用システム。
【請求項3】
前記遊技機は、特定の入賞口への入賞に応じて単位遊技を実行し、該単位遊技の結果に応じて遊技者側に有利な特別状態を発生可能であって、
前記特典の数量は、特典としての前記単位遊技の実行回数である請求項1または2に記載の遊技場用システム。
【請求項4】
前記遊技機は、前記単位遊技の実行中に前記特定の入賞口への入賞が発生した場合、予め定められた上限保留数を限度として新たな単位遊技を保留遊技として保留し、実行中の単位遊技が終了すると該保留遊技を順番に実行するように構成され、
前記遊技情報特定手段は、遊技機側から出力される遊技信号により前記保留遊技の数が所定の基準値に達しているかを特定可能であり、
前記仮想遊技情報特定手段は、前記仮想比較情報の特定対象となる前記停止期間から、前記保留遊技の数が前記基準値に達していない期間を除外して前記仮想比較情報を特定する請求項3に記載の遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機の多くは、玉の発射強度を調節するための操作ハンドルの操作量に関わらず、玉の発射を停止させるための発射停止装置を備えている(例えば、下記の特許文献1参照。)。発射停止装置を備えるパチンコ遊技機では、遊技台の保留玉が満杯となった時に、遊技者の操作によって発射停止装置で発射を停止し、保留玉が減った時に、発射停止装置を解除して玉(遊技価値)を発射させる遊技が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−079691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発射を停止している時間は、遊技客の玉が消費されていない状態であり、ホールにとっては稼動が無い状態(着座非稼動の時間)に相当するため、収益の損失につながる時間となっている。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、遊技客の玉が消費されていない状態を考慮した上で遊技情報を把握可能な遊技場用システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技場用システムは、遊技価値を消費することで入賞口への入賞が可能になり、入賞に応じて遊技者に特典を付与する遊技機の遊技情報を管理対象とするシステムである。この遊技場用システムは、遊技に応じて実際に消費された遊技価値を示す消費価値、及び遊技者に付与された特典の数量を特定可能であると共に、遊技者による停止操作によって遊技価値の消費が停止された停止期間を特定可能である。この遊技場用システムは、停止期間において停止操作が行われなかったと仮定した場合に消費され得る遊技価値を消費価値に加えた仮想消費価値と、特典の数量と、の比較結果を示す仮想比較情報を特定する。
【0007】
本発明の遊技場用システムによれば、停止期間において遊技価値が消費されたと仮定した場合の仮想消費価値に係る仮想比較情報を管理することで、遊技者による停止操作によって遊技価値が消費されていない状態を考慮した上で遊技情報を把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1における、遊技場用システムの構成を示すシステム図。
図2】実施例1における、遊技機と遊技装置の組み合わせを示す正面図。
図3】実施例1における、遊技機の電気的構成を示すブロック図。
図4】実施例1における、遊技装置の電気的構成を示すブロック図。
図5】実施例1における、管理装置の電気的構成を示すブロック図。
図6】遊技機単位の遊技情報を生成するための管理装置による処理の流れを示すフロー図。
図7】管理装置が管理する遊技機単位の遊技レコードの例を示す図。
図8】管理装置が管理する遊技機単位の仮想遊技レコードの例を示す図。
図9】管理装置が遊技機毎に管理する実際の遊技レコードと仮想遊技レコードとの比較例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、遊技機3が複数設置された遊技場において遊技機単位の遊技情報を管理するための遊技場用システム1に関する例である。この遊技場用システム1は、遊技価値であるポイントを消費することで入賞口への入賞が可能になり、入賞に応じて遊技者に特典(PB)を付与する遊技機3の遊技情報を管理対象とするシステムである。この遊技場用システム1は、遊技者による停止操作を考慮した上で、遊技情報を把握できる点に技術的な特徴のひとつを有している。以下、図1図9を参照して遊技場用システム1を説明する。
【0010】
遊技場では、図1のごとく、パチンコ遊技機3(以下、単に遊技機3という。)に対して、遊技装置2や表示装置51等が個別に設置されている。玉やポイント等の遊技価値の付与機能や計数機能を備える遊技装置2は、対応する遊技機3と隣り合う他の遊技機3との間の隙間のスペースに設置されている。遊技装置2は、対応する遊技機3の左側に配置され、呼出ランプ511を備える表示装置51は遊技機3の上方に設置される。なお、遊技場には、パチンコ遊技機3以外にスロットマシンなども設置されている。スロットマシンの場合は、対応する遊技機3の右側に遊技装置2が設置される。
【0011】
遊技場内の通路に面して遊技機3が配列された遊技機島では、2台の遊技機3毎に1台ずつ中継装置54が設置されている。また、遊技場内に設けられた管理スペースには、遊技場内の各種の機器の稼動状況を集中的に管理するための管理装置10が設置されている。遊技者が遊技により獲得した遊技価値である所有価値を景品に交換するための景品カウンタには、景品交換のためのPOS端末55が設置されている。また、遊技機3が配列された遊技機島の島端等には、遊技カード53(図2)に対応付けられた残高(プリペイド残高)の精算を受け付ける残高精算機57が設置されている。
【0012】
遊技場では、管理装置10が通信可能に接続された有線LAN等の場内ネットワーク500が構築されている。遊技機3に対応して個別に設置された表示装置51及び遊技装置2は、中継装置54を介して場内ネットワーク500に接続されている。場内ネットワーク500を利用する遊技場用システム1では、遊技装置2など遊技機3の周辺装置と管理装置10との間の各種の通信が中継装置54を介して実現されている。
【0013】
管理装置10は、遊技場に設置された各種機器の動作状態を管理するほか、遊技装置2を介して各遊技機3の遊技情報を収集し、遊技機単位の遊技情報を管理している。さらに、管理装置10は、遊技者が所持する遊技カード53(図2参照。)に対応付けられる残高や持玉などの価値を記憶し、遊技カード53の識別情報であるカードIDを対応付けて管理している。
【0014】
以下、本例の遊技場用システム1を構成する遊技機3、遊技装置2、管理装置10の構成及び動作を詳しく説明し、続いて遊技場用システム1の動作内容について説明する。
(遊技機)
遊技機3は、(パチンコ)玉を遊技媒体として遊技が行われる種別の遊技機である。遊技機3は、遊技に伴い減算され、遊技で入賞すると加算されるポイント(遊技価値)を記憶する所謂封入式の遊技機である。なお、遊技価値である玉を消費して遊技され、遊技で入賞すると玉の払出を受けられる払出式の遊技機であっても良い。
【0015】
遊技機3では遊技媒体である玉が封入されており、遊技者側に玉が払い出されることがない。玉は、遊技領域である盤面330(図2)への発射→盤面330からの排出を繰り返し、遊技機3の内部で循環する。この遊技機3は、遊技価値をなすポイントを遊技玉ポイントとして記憶する機能を備えている。遊技機3では、この遊技玉ポイントを1P(ポイント)ずつ消費して玉を発射でき、いずれかの入賞口に玉が入賞すればポイントを獲得できる。獲得したポイントは、遊技機3が記憶する遊技玉ポイントに加算される。
【0016】
封入式の遊技機3の構成を概説する。図2のごとく、この遊技機3は、第1始動口31及び第2始動口32への入賞に応じて大当り抽選を実行する、いわゆるセブン機である。この遊技機3は、大当り抽選に応じて図柄変動を実行するゲームを開始し、大当り図柄の停止表示により大当り当選を報知する。大当り当選が発生すれば、大入賞口360が開放されるラウンドが複数回繰り返される有利な大当り状態に移行できる。遊技機3は、特定の入賞口である第1始動口31、第2始動口32への入賞に応じて単位遊技としての図柄変動を実行し、この図柄変動の結果に応じて遊技者側に有利な特別状態である大当り状態、確変状態、或いは時短状態を発生可能である。
【0017】
遊技機3の前面には、遊技椅子に着席した遊技者に対面するように盤面330が設けられている。この盤面330の下方には、払出式の遊技機における上皿に代えて、棚状に遊技者側に張り出すカウンター部35が設けられている。カウンター部35の下方、遊技者側から向かって右側には、盤面330に打ち込む玉の発射強度を調節するために遊技者が操作する操作ハンドル335が立設されている。
【0018】
操作ハンドル335は、外周に指掛け335Fを設けた回転板335Rを有し、この回転板335Rの回転量に応じて玉の発射強度を調節可能である。さらに、操作ハンドル335は、押込み式の発射停止スイッチ335Sを有している。この発射停止スイッチ335Sの押込みによる停止操作が行われた状態では、回転板335Rの回転量に依らず、玉の発射が停止され、遊技価値である玉の消費が停止される。
【0019】
カウンター部35では、玉を貯留するための窪みが設けられた払出式の遊技機の上皿とは異なり、上面が略面一に形成されている。カウンター部35の上面の中央付近には、6個の7セグメント表示器が横一列に配置された遊技玉P表示部355が埋め込まれている。遊技玉P表示部355の左側には、計数ボタン357が配置され、同右側には、残高表示部351、貸玉ボタン352、返却ボタン353等が配置されている。
【0020】
遊技玉P表示部355は、遊技機3が記憶しており、遊技に使用可能な遊技価値である遊技玉ポイントの数量の表示部である。遊技玉ポイントの1ポイントは、玉1個分に対応している。遊技玉P表示部355に表示される遊技玉ポイントは、払出式の遊技機における遊技者の手元にある計数前の遊技玉の数量に相当している。
【0021】
計数ボタン357は、遊技機3が記憶する遊技玉ポイントを計数して持玉(所有価値)に移行する計数処理を実行させる計数操作の操作ボタンである。この計数ボタン357は、遊技機3により記憶される遊技玉ポイントの全部または一部を、遊技装置2あるいは遊技カード53(所有価値記憶手段)に対応付けて記憶される持玉(所有価値)に移行するための遊技者による計数操作を受け付ける計数操作受付手段としての機能を有している。
【0022】
残高表示部351は、遊技装置2が受け付けた貨幣(貨幣価値)のうちの残りの金額である残高(プリペイド残高)を表示する表示部である。
貸玉ボタン352は、残高を対価として遊技玉ポイントの付与を受けるための操作ボタンである。
【0023】
返却ボタン353は、遊技装置2に残高や持玉が残存する状態で遊技を終了等するときに遊技カード53を返却あるいは発行等させるための所定の発行操作のための操作ボタンである。遊技装置2に持玉や残高がある状態で遊技を終了する場合、この返却ボタン353の押下げ操作により、持玉や残高が対応付けられた遊技カード53の返却あるいは発行を受けることができる。
【0024】
盤面330は、玉が流下する領域である。盤面330には、液晶表示部390を含む表示装置39を中心として、第1及び第2始動口31・32、通過ゲート34、開閉式の大入賞装置36等が配置されている。盤面330の最下部には、入賞することなく流下した玉を回収するためのアウト孔338が開口している。
【0025】
遊技者側から向かって表示装置39の右側には、通過ゲート34、一般入賞口343が配置され、表示装置39の右下に第2始動口32が配置されている。表示装置39の真下には、第1始動口31が配置され、第1始動口31と第2始動口32との間隙の下方に大入賞装置36が配置されている。さらに表示装置39の左下には、もう一つの一般入賞口345が配置されている。一般入賞口343、345への玉の入賞に応じて遊技者が獲得できるポイントは12Pである。
【0026】
通過ゲート34は、通過玉を検知するゲートである。玉を通過させるのみの通過ゲート34には、ポイントの付与が設定されていない。通過ゲート34が通過玉を検知すると、普通図柄の当否判定(以下、普図判定という。)用の抽選用乱数が抽出され、普図判定が実行される。
【0027】
第1始動口31及び第2始動口32は、特別図柄の当否判定(以下、特図判定という。)の契機となる始動口である。表示装置39の直下に配置される第1始動口31は、入賞率が変動しない、いわゆるへそタイプの始動口である。第2始動口32は、電チュータイプの始動口である。第2始動口32の開口部320には、一対の可動羽根が回動して第2始動口32への入賞確率を高める電動チューリップ321が取り付けられている。この電動チューリップ321は、上記の普図判定の当選(普図当選)に応じて動作し、第2始動口32を開放する。なお、第1始動口31及び第2始動口32に玉が入賞したときに遊技者が獲得できるポイントは3Pとなっている。
【0028】
大入賞装置36は、大入賞口360を開口させる、いわゆるアタッカーと呼ばれる可変入賞装置である。アタッカー36は、横長矩形状の大入賞口360と、下開きで回動して大入賞口360を開閉する蓋部材361と、を有している。アタッカー36では、通常、蓋部材361が盤面330と略面一をなしており、大入賞口360が閉鎖されている。蓋部材361が手前に回動したときに大入賞口360が開放状態となる。なお、大入賞口360に入賞したときに遊技者が獲得できるポイントは15Pである。
【0029】
アタッカー36は、特図判定により大当りが発生すると開放状態になる。大当りを契機とする大当り状態では、30秒経過あるいは玉が10個入賞するまでアタッカー36が開放されるラウンド処理が繰り返し実行される。なお、大当り状態としては、ラウンド処理の回数が2回の2R大当り状態と、同4回の4R大当り状態と、同8回の8R大当り状態と、がある。
【0030】
表示装置39は、図2のごとく、外枠の内側に液晶表示部(演出表示部)390が配置された装置である。外枠の上部右側には、普図判定の当否を報知する普図表示部381、普図保留表示部382が配置されている。また、外枠の下部には、特図保留表示部395が配設されている。
【0031】
普図表示部381は、内部にLEDが仕込まれた〇と×の表示部により形成されている。普図表示部381は、〇と×のいずれかの点灯表示により普図判定の当否を報知する。普図保留表示部382は、LEDが4個並べて配置された表示部である。普図保留表示部382は、抽出された普図判定の抽選用乱数のうち、当否が未報知の保留乱数(普図保留、保留上限4個)の個数を、LEDの点灯個数によって表示する。
【0032】
特図保留表示部395は、普図保留表示部382と同様、LEDが4個並べて配置された表示部である。特図保留表示部395は、抽出された特図判定の抽選用乱数のうち、当否を未報知の保留乱数(特図保留、保留上限4個)の個数を、LEDの点灯個数によって表示する。
【0033】
特図表示部としての液晶表示部390は、3桁の数字図柄を表示画面391に変動表示し、停止した3桁の数字図柄の組み合わせにより特図判定の当否を報知する。3桁のゾロ目が大当りを報知する大当り図柄となっている。後述する通り、この大当り図柄を構成する数字の種類によって、大当りの種類、及び確変大当りであるか通常大当りであるかが異なってくる。
【0034】
特図判定の当否を報知する際、3桁の数字図柄が左→右→中の順番で停止する。この報知演出においては、左と右で同じ数字図柄が停止し、中の数字図柄が変動表示中というリーチ演出が発生する場合がある。このリーチ演出には、シーンの切替が発生してキャラクタなどが登場するスーパーリーチ演出等が含まれている。
【0035】
次に、遊技機3の電気的な構成について、図3を用いて説明する。遊技機3は、主回路40を中心として構成されている。主回路40に対しては、上記の構成のほか、遊技者が獲得した遊技価値である遊技玉ポイントを記憶する記憶部43、玉の打込を制御する発射制御回路44、設定値(1〜6の6段階)を設定するための確率設定部47、入賞玉あるいは通過玉の検出センサ411〜415、第2始動口32を開放する電チューソレノイド422、アタッカー36を開放させる大入賞口ソレノイド424、遊技演出を制御する演出制御回路45、I/F部48等が電気的に接続されている。さらに、主回路40には、電力を供給するための電源回路部428が接続されている。
【0036】
記憶部43は、遊技に伴い減算され、遊技で入賞すると加算される遊技玉ポイント(遊技価値)を記憶する記憶手段である。遊技機3では、遊技価値である遊技玉ポイントを1P消費して、遊技媒体である玉を発射できる。
【0037】
発射制御回路44は、操作ハンドル335の操作量(回転板335Rの回転量)に応じて発射装置441を制御することで、玉の打ち出し強さをコントロールする。なお、発射停止スイッチ335Sによる停止操作を示す停止信号の受信中では、発射制御回路44は、操作ハンドル335の操作量に依らず玉の発射を停止する。
【0038】
確率設定部47は、大当りの当選確率等の設定値を複数段階で設定するための設定手段である。この確率設定部47は、遊技機3の前面をなす開閉扉を開けたときにアクセス可能な遊技機3の内部に設けられている。さらに確率設定部47には、操作のための専用の設定キー470が用意されている。設定値の変更作業等は、設定キー470を所持する一部の従業員が、閉店後などの営業時間外に実施する運用が一般的となっている。
【0039】
入賞玉あるいは通過玉の検出センサとしては、図3のごとく、第1始動口31(図2)への入賞玉を検出する第1特図入賞センサ411、第2始動口32への入賞玉を検出する第2特図入賞センサ412、通過ゲート34の通過玉を検出する普図始動センサ413、大入賞口360への入賞玉を検出する大入賞センサ414、及び一般入賞口343、345への入賞玉を検出する一般入賞センサ415等がある。
【0040】
演出制御回路45は、遊技演出動作を制御するための副制御部としての機能を有し、CPU(Central Processing Unit)451、ROM(Read Only Memory)452、RAM(Random Access Memory)453等を含んで構成されている。ROM452は、CPU451に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、特図判定の当否を報知するための報知演出の種類を決定するための演出抽選テーブルを記憶している。演出制御回路45には、アンプ/スピーカ331や装飾ランプ部336や液晶表示部390等が電気的に接続されている。
【0041】
演出抽選テーブルは、上記のスーパーリーチ演出を含む各種の演出の当選乱数が規定された抽選テーブルである。演出抽選テーブルは、設定値1〜6の6段階の設定値毎に用意されている。例えば設定値5や6などの高設定ほど、スーパーリーチ演出の当選乱数の数を多くすることも良い。この場合には、スーパーリーチ演出の出現頻度に応じて設定値を推定する楽しみを遊技者側に提供できる。
I/F部48は、遊技装置2などの外部機器とのインターフェースである。
【0042】
主回路40は、図3に示すごとく、CPU401、記憶素子であるROM402・RAM403、所定範囲の乱数を発生する乱数発生部407、抽選用乱数を抽出する乱数抽出部406等を備えている。
【0043】
ROM402は、CPU401に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、特図判定に共用される抽選テーブル(以下、特図判定用の抽選テーブルという。)と、普図判定用の抽選テーブルと、を記憶している。
【0044】
普図判定用の抽選テーブルは、普図判定の当選乱数が規定された抽選テーブルである。普図判定用の抽選テーブルとしては、通常状態下の普図判定に適用する抽選テーブルと、時短状態(確変状態を含む)下の普図判定に適用する抽選テーブルと、の2種類が用意されている。普図判定用の抽選テーブルは、6段階の設定値について1種類の抽選テーブルが共用される。そのため、普図当選の確率については、設定値による違いが生じない。
【0045】
特図判定用の抽選テーブルは、特図判定の当選乱数が規定された抽選テーブルである。特図判定用の抽選テーブルとしては、設定値1〜6の6段階の設定値毎に、通常状態(時短状態を含む)下の特図判定用の抽選テーブルと、確変状態下の特図判定用の抽選テーブルと、が用意されている。つまり、特図判定用の抽選テーブルとしては、6段階の設定値、及び確変状態であるか通常状態であるか、の組合せによる12種類が用意されている。特図判定時には、この12種類の抽選テーブルのうちのいずれかが、設定値及び遊技状態の種類に応じて択一的に選択される。
【0046】
特図判定の当選乱数の個数は設定値に応じて相違しており、設定値5や6などの高設定ほど大当りの当選乱数が多く設定されている。これにより、本例の遊技機3では、設定値(モード)毎、遊技状態毎の大当り確率が表1のようになっている。
【表1】
【0047】
表1に例示するように、いずれかの大当りが当選する確率は、高設定ほど高い確率になっており、確変状態であればさらに有利になっている。なお、設定値、遊技状態に関わらず、大当りに当選した場合の8R大当り、4R大当り、2R大当りの振分率は、それぞれ、40%、50%、10%となっている。また、大当りの当選確率が高くなる確変状態の振分率(確変率)は、大当りの種類によらず66%となっている。なお、これに代えて、大当りの当選確率を設定値によらず一定とする一方、確変率を設定値に応じて異ならせても良い。通常状態の大当り確率、確変状態の大当り確率、確変率、及び後述するラウンド振分率等の少なくともいずれか1つが設定値に応じて異なり、設定値に応じて遊技者側の有利度合いが異なっていれば良い。
【0048】
RAM403は、図3のごとく、CPU401のワークエリアや一時書き込みに利用される読み書き可能な記憶素子である。RAM403の記憶領域には、特図保留や、普図判定用の普図保留等の一時的な記憶エリアが設けられている。
【0049】
主回路40は、ROM402から読み出したプログラムをCPU401に実行させることにより、以下の(1)〜(6)の各手段としての機能を実現する。また、演出制御回路45は、同様に、以下の(7)の手段としての機能を実現する。
【0050】
(1)抽選手段:大当り抽選である特図判定を実行する手段。
(2)保留手段:特図判定用及び普図判定用の抽選用乱数を、特図保留あるいは普図保留として記憶し保留する手段。
(3)読出手段:特図判定用の抽選用乱数である特図保留を読み出す手段。
(4)大当り状態発生手段:特図判定の当否に応じて、大当り状態を発生させる手段。
(5)動作切替手段:設定値に対応する遊技動作への切替を実行する手段。動作切替手段は、特図判定用の抽選テーブルの切替等により、遊技機3による遊技動作を設定値に応じて切り替える。
(6)通信手段:遊技装置2との間でデータ通信を実行する手段。なお、データ通信により遊技装置2との間でやり取りされるデータや信号等については、遊技装置2の構成を説明した後で説明する。
(7)演出抽選手段:特図判定結果の報知演出の種類を決定するための演出抽選を実行する手段。
【0051】
次に、以上のように構成された本例の遊技機3の基本動作について概説する。主回路40は、操作ハンドル335に対する操作を検出すると、記憶部43が記憶する遊技玉ポイントの残存数量を参照する。遊技玉ポイントの残存数量があれば、1P分の減算を引き換えに玉を1個発射するよう、発射制御回路44を介して発射装置441を制御する。このように発射された玉は、通過ゲート34などが配置された盤面330を流下する。入賞しなかった玉は、盤面330の最下部に設けられたアウト孔338から回収される。
【0052】
主回路40は、通過ゲート34を通過する玉を検出したとき、乱数発生部407が発生する乱数の中から普図判定の抽選用乱数を抽出する抽選処理を実行する。主回路40は、この抽選用乱数を普図判定用の抽選テーブルと照合することにより、普図判定の結果を決定する。このとき、主回路40は遊技状態を参照し、普図表示部381を変動表示させる時間である普図の変動時間を併せて決定する。普図の変動時間としては、遊技状態が通常状態であれば30秒に決定され、時短状態であれば3秒に決定される。普図判定の結果が当選のときには、普図表示部381の○×が交互に点灯する変動表示の後、○が点灯状態となる。ハズレのときには、変動表示の後、×が点灯状態となる。主回路40は、普図判定に当選したとき、第2始動口32の電動チューリップ321を開放させる。なお、上記のごとく、電動チューリップ321の開放時間は、通常状態において0.2秒×1回、時短状態(確変状態を含む)において5秒×1回となっている。
【0053】
主回路40は、第1(第2)始動口31(32)への入賞玉を検出すると特図判定の抽選用乱数の抽出を実行し、単位遊技の一例である図柄変動を実行する。主回路40(遊技機)は、図柄変動(単位遊技)の実行中に第1・第2始動口31・32(特定の入賞口)への入賞が発生した場合、予め定められた上限保留数(本例は4個)を限度として新たな図柄変動を特図保留(保留遊技)として保留し、実行中の図柄変動が終了すると特図保留を順番に実行するように構成されている。ただし、特図保留の数が上限個数の4個である場合には、抽選用乱数は特図保留として記憶されることなくそのまま消去される。
【0054】
大当り状態が発生中ではないとき、主回路40は、図柄変動の停止中に特図保留を記憶されたタイミングが古いものから順番に1つずつ読み出す。そして、読み出した特図保留の抽選用乱数を特図判定用の抽選テーブルと照合して特図判定の当否(大当りかハズレか)、及び特図の変動時間を決定する。
【0055】
主回路40は、特図判定の抽選結果(大当り抽選の当否、及び特図の変動時間)を演出制御回路45に入力する。特図判定の抽選結果を入力された演出制御回路45は、上記の演出抽選テーブルによる演出抽選を実行する。この演出抽選では、スーパーリーチ演出などの特別演出を含め、特図判定の抽選結果を報知するための演出の方法や内容が決定される。
【0056】
演出制御回路45は、演出抽選の抽選結果に応じて液晶表示部390(表示装置39)による報知演出を開始させる。演出制御回路45は、特図当選である大当りの場合、中央の図柄を残して両側に同じ数字の図柄を停止表示するリーチ演出を含む図柄の変動表示の後、同じ数字の図柄の組合せである大当り図柄を液晶表示部390の表示画面391に停止表示させる。
【0057】
主回路40は、液晶表示部390による大当り図柄の停止表示による大当り(特図当選)の報知の後、大当り状態を発生させる。大当り状態では、30秒経過するか10個入賞するまで大入賞装置36を開放するラウンド処理が繰返し実行される。なお、1回のラウンド処理で遊技者が獲得できる平均的なポイントは150Pとなっている。これは、払出式の遊技機の出玉150玉に相当している。
【0058】
主回路40は、通常大当り状態の終了後には、第2始動口32の入賞確率が高くなる電動サポート有りの時短状態を、例えば図柄変動100回転に亘って発生させる。また、確変大当り状態の終了後には確変状態を発生させる。この確変状態は、時短状態を伴って発生し、新たな大当り状態の発生に応じて終了する。したがって、確変大当りが発生すれば、大当り状態が連続的に発生する連荘が確定する。
【0059】
なお、この遊技機3では、大入賞口360や第2始動口32が盤面330の右側領域に存在することから時短中や大当り中には盤面330の右側領域を狙って玉を打出す、所謂右打ちが行われる。以上は、特定の機種を例にした説明である。当然ながら、例示した値は、機種に応じて異なってくる。他の機種であれば、例えば、ラウンドの振分が異なる等、遊技性も異なっている。
【0060】
(遊技装置)
遊技装置2は、遊技に必要な玉やポイントを付与する付与処理や、遊技者が遊技により獲得した遊技価値である所有価値(遊技玉ポイント)を計数する計数処理等を実行する装置である。遊技場では、遊技装置2を利用して遊技に必要な玉やポイントの付与を受けると、対応する遊技機3での遊技が可能となる。
【0061】
遊技装置2の前面パネル25には(図2)、状態表示部21、貨幣投入口22、タッチパネル23、遊技ボタン24、カード挿入口26等が設けられている。
状態表示部21は、装置エラーや一般カード532(図4参照。)のストック切れ等の作動状態を表示する表示部である。
貨幣投入口22は、ポイントの対価となる貨幣を投入する挿入口である。
タッチパネル23は、遊技者が指先等で表示画面に触れて操作するタッチ操作が可能な表示装置である。タッチパネル23は、持玉や残高(プリペイド残高)等を表示するほか、遊技者の設定操作を受け付ける各種の画面を表示する。
【0062】
遊技ボタン24は、遊技者が獲得した遊技価値である持玉(所有価値)を元にして、遊技に必要なポイントの付与を受けるための操作ボタンである。
カード挿入口26は、所有価値である持玉や残高等が対応付けられた遊技カード53の挿入あるいは発行のための挿入口である。
【0063】
カード挿入口26には、会員カード531や一般カード532等の遊技カード53(図4参照。)を挿入可能である。会員カード531は、会員登録した遊技者に発行される遊技カードである。一般カード532は、遊技終了時に残高あるいは持玉が残っている場合に発行される遊技カードである。
【0064】
遊技カード53は、遊技により遊技者が獲得した遊技価値である持玉(所有価値)を対応付け可能な記憶媒体である。会員カード531であるか一般カード532であるかによらず、遊技カード53には、識別情報であるカードIDのほか、当日の遊技により獲得された遊技価値である持玉や、当日入金した貨幣価値のうちの残高等のデータが対応付けられる。
【0065】
遊技装置2は、図4のごとく、CPU201、ROM202、RAM203等を備える制御部20を中心として電気的に構成されている。制御部20に対しては、上記の構成のほか、貨幣の受付処理を実行する貨幣処理部221、記憶媒体である遊技カード53に対応付けられた記録情報を読み書きするカードリーダライタ(カードRW)280、一般カード532をストックするカードストック部283、対応する遊技機3及び中継装置54との間の通信ポートをなすI/F部29、リモコン受光部290などが電気的に接続されている。
【0066】
貨幣処理部221は、遊技を行うために必要な遊技価値の対価となる貨幣を受け付ける貨幣受付手段である。貨幣処理部221は、受け付けた貨幣の種類を検出し、その貨幣価値を特定する。
【0067】
遊技装置2の制御部20は、ROM202から読み出したプログラムをCPU201に実行させることにより、以下の各手段としての機能を実現する。
(1)遊技情報取得手段:遊技機3の遊技に関する遊技情報(台データ)を取得する手段。
(2)遊技情報送信手段:遊技情報取得手段が取得した遊技情報をデータ通知として管理装置10に向けて送信する手段。データ通知には、遊技機3側から取得した台データが含まれている。
【0068】
ここで、遊技機3及び遊技装置2の基本動作を説明しておく。遊技場では、遊技装置2に貨幣を投入等することで、対応する遊技機3での遊技を開始できる。遊技装置2が貨幣を受付する(貨幣受付処理)と、遊技機3と遊技装置2との双方において、入金額が残高に加算されて表示される。残高がある状態で遊技機3の貸玉ボタン352を押下(貸出操作、付与操作)すると貸出1単位(例えば125玉)分が貸出玉(売上玉)としてポイント(対価付与価値)に変換され(貸出処理、対価付与処理)、遊技レート(以下、レート)に応じた対価分が残高から引落とされる。なお、遊技装置2は、複数回の対価付与処理の対応分の貨幣を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0069】
遊技機3は、上記の通り所謂封入式の遊技機であり、盤面330に打ち出された玉が循環し、入賞した場合であっても遊技機の外に玉が払出されない。この遊技機3では、遊技玉ポイントが管理され、盤面330への玉の打出し(使用)に応じてポイントが減算され、入賞に応じて付与されたポイントが加算される(入賞付与処理)。
【0070】
一方、遊技装置2は持玉を管理している。持玉は直接的には遊技に使用できないが、遊技ボタン24の押下に応じて貸出1単位分の持玉が変換玉として遊技玉ポイントに変換される変換処理(対価付与処理)が行われる。この場合、変換率を別途設けても良いが、本例では1:1の等価変換としている。なお、この等価変換については、下記の計数処理についても同様である。
【0071】
遊技に応じて遊技機3の遊技玉ポイントが増加した場合、遊技機3の計数ボタン357の押下に応じて遊技玉ポイントを計数玉とし、持玉に変換できる(計数処理)。この場合、1回押下(計数ボタン357)に応じて1玉が変換対象となるが、計数ボタン357の押下状態を継続させると連続的、且つ加速的に複数玉を計数玉に変換できる。このようにして遊技玉ポイントと持玉とが更新され、遊技装置2では残高や持玉が残存する状態で遊技機3の返却ボタン353を押下する等の発行操作が行われると、ストックされていた持玉券としての一般カード532に残高や持玉が対応付けられると共に、その一般カード532が発行される(発行処理)。なお、遊技装置2は、持玉の一部や残高のみを発行対象とする分割発行にも対応している。発行された一般カード(持玉券)532により特定可能な持玉は、POS端末55にて景品との交換が許容され、残高は残高精算機57にて貨幣に精算可能である。
【0072】
遊技装置2は、中継装置54とのシリアル通信により管理装置10での貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉数、変換玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及び持玉券の受付や発行処理等の各種情報を特定可能とする。これに代えて、これら各種情報をパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としても良い。なお、遊技機3との通信は中継装置54を介さず、遊技機3と遊技装置2とで直接通信しても良いし、中継装置54を介して通信しても良い。
【0073】
遊技機3と遊技装置2との間でやり取りされる信号あるいは情報としては以下のものがある。
(1)状態確認要求信号:状態確認応答(台データ)の要求信号。遊技装置2が200m秒毎に遊技機3に送信する。
(2)台データ:状態確認要求信号に応じて遊技機3が遊技装置2に返信する状態確認応答。なお、台データの内訳は後述の通りである。
(3)カード挿入通知:遊技カード53を受け付けた旨の遊技装置2による通知。
(4)カード挿入応答:カード挿入通知に対する遊技機3の応答。
(5)返却要求信号:遊技カード53の返却を求めて遊技機3が送信する信号。返却ボタン353の操作に応じて遊技機3が送信する。
(6)計数要求信号:遊技機3が備える計数ボタン357が操作されたときに遊技機3が送信する信号。計数要求信号は、遊技機3が記憶する遊技玉ポイントのうちの1P分の計数を要求する信号である。
【0074】
台データには、以下のデータや情報等が含まれている。なお、以下の説明では、遊技機3が遊技装置2に送信する台データを遊技情報という。
(1)アウト(回数):前回データ送信時からの消費(使用、打込)価値(アウト)を1玉単位で示す。
(2)セーフ(回数):前回データ送信時からの入賞に応じて付与された入賞付与価値(セーフ)を1玉単位で示す。
(3)S入賞(回数):前回データ送信時からの始動入賞(S入賞)を1回単位で示す。
(4)スタート(回数):前回データ送信時からのS入賞により作動(変動)する役物(液晶表示部390)のスタート(図柄変動数、役物作動数、単位遊技数)を示す。確定した時点で計数されるが、開始した時点で計数しても良い。
(5)大当り(回数):前回データ送信時から発生した大当り数を1回単位で示す。発生した時点で計数されるが、終了した時点で計数しても良い。
(6)大当り(状態フラグ):データ送信時に大当り状態の発生中であればON、大当り状態の発生中でなければOFFが示されるので、ONとなってからOFFとなるまでの期間を大当り中として特定できる。
(7)甘中(状態フラグ):データ送信時に、後述する甘中あるいは大当り状態の発生中であればON、それ以外であればOFFが示されるので、ONとなってからOFFとなるまでの期間を甘中及び大当り状態のいずれかの特別状態の発生中として特定できる。例えば甘中(状態)がONの場合、大当り(状態)がONであれば大当り状態の発生中、OFFなら甘中と特定できる。また、甘中は、時短状態や確変状態が対応する。なお、大当り状態の発生中では、甘中(状態)が必ずしもONにならなくとも良い。なお、大当り(状態)と甘中(状態)のいずれもOFFであれば通常状態と特定できる。
(8)発射停止(状態フラグ):停止操作が行われている発射停止状態でON、停止操作が行われていない状態でOFFとなる。
(9)特図保留(個数):特図保留数。
【0075】
(管理装置)
管理装置10は、遊技場に設置された各遊技機3の遊技情報を管理する管理手段としての機能を備える装置である。管理装置10は、図5のごとく、液晶ディスプレイ及び図示しないプリンタ等の出力部11と、各種の演算処理を実行する装置本体100と、キーボードやマウス等を含む入力部12と、遊技装置2などの外部機器との通信を実現する通信I/F部13と、を備えている。装置本体100は、演算処理を実行するCPU101のほか、ROM102・RAM103などの記憶素子や、I/Oを構成する通信制御素子等が実装された電子基板のほか、ハードディスクドライブ等の記憶装置15を備えている。
【0076】
管理装置10は、記憶装置15から読み出した実行プログラムをCPU101に実行等させることで、遊技機3単位で遊技情報を記憶し、管理する機能を実現する。管理装置10は、場内ネットワーク500経由で遊技装置2が200m秒毎に送信してくるデータ通知を受信する。このデータ通知には、遊技機3単位の遊技情報である台データが含まれている。管理装置10は、このデータ通知に基づいて遊技情報を集計等することで遊技機3単位の遊技情報を集計等する。
【0077】
管理装置10は、ROM102から読み出したプログラムをCPU101に実行させることにより、以下の各手段としての機能を実現する。
(1)受信手段:データ通信用の回線である場内ネットワーク500を介して遊技情報送信手段としての遊技装置2と接続され、場内ネットワーク500を経由して遊技装置2からデータ通知を受信する手段。
(2)遊技情報特定手段:受信手段によって受信されたデータ通知に含まれる遊技情報に演算処理を施して遊技機3の遊技に関する遊技情報を生成する手段。特に、本例の遊技情報特定手段は、遊技機3側から出力される台データ(遊技信号の一例)により、遊技に応じて実際に消費された遊技価値を示す消費価値であるアウト、遊技者に付与された特典の数量、及びアウトと特典の数量との比較結果を示す実比較情報を特定可能である。本例では、特典として特図判定を例示すると共に、特典の数量として特図判定の実行回数であるスタート(単位遊技である図柄変動の実行回数)を例示する。さらに、実比較情報として、実際のアウトとスタートとの比較結果を示す実S率を例示する。
(3)停止期間特定手段:遊技価値の消費を停止するための遊技者による停止操作に対応した停止期間を特定可能な発射停止フラグにより停止期間を特定する手段。
(4)仮想遊技情報特定手段:停止期間において停止操作が行われなかったと仮定した場合に消費され得る遊技価値を消費価値(アウト)に加えた仮想消費価値(仮想アウト)と、スタート(特典の数量)と、の比較結果を示す仮想S率(仮想比較情報)を特定する手段。仮想遊技情報特定手段は、仮想比較情報である仮想S率の特定対象となる前記停止期間から、特図保留(保留遊技)が基準値に達していない期間を除外して仮想S率を特定する。なお、以下の説明では、発射停止中フラグONに対応する停止期間から特図保留(保留遊技)が基準値に達していない期間を除外した期間を、特に、止打期間という。
【0078】
(遊技場用システムの動作内容)
次に、遊技機単位で遊技情報を管理する本例の遊技場用システム1の動作内容について説明する。この遊技場用システム1では、遊技機3における遊技状況を示す遊技情報が、遊技機3→遊技装置2→中継装置54→管理装置10の経路にて管理装置10に送られる。管理装置10は、図6に例示する処理により、遊技情報を集計して遊技情報を管理する。特に本例の管理装置10は、遊技者の止打を考慮に入れた遊技情報の管理が可能である。ここで本例では、特図保留が基準値(本例では4個)以上のときに発射停止スイッチ335Sを操作して玉の発射を停止させる行為を止打として取り扱う。
【0079】
管理装置10による処理の流れを図6を参照して説明する。管理装置10は、各遊技機側から200m秒毎にデータ通知を受信する。このデータ通知には、遊技機毎の遊技情報である台データが含まれている。管理装置10は、データ通知に基づいて、遊技機単位の遊技情報を集計等する。管理装置10は、遊技機単位で図6の処理を実行する。
【0080】
管理装置10は、遊技情報(データ通知)を受信すると(S101:YES)、まず、遊技状態の切替の有無を判断する(S101)。管理装置10は、大当りフラグや甘中フラグなどの状態フラグがOFFの状態からON状態へ切り替わった場合や、状態フラグがON状態からOFF状態へ切り替わった場合、に遊技状態の切替が有ったと判断する。例えば、当日の営業開始後、最初に大当り状態が発生するまでは、大当りフラグ及び甘中フラグがいずれもOFF状態にある。最初に大当り状態が発生すると、大当りフラグがON状態に切り替わり、大当たり状態の終了に応じて時短状態などの甘中に移行すると、大当りフラグがOFF状態に切り替わると共に、甘中フラグがON状態に切り替わる。その後、時短状態が終了すれば、甘中フラグがOFF状態に切り替われる。管理装置10は、遊技状態の切替を遊技機単位で特定することで、遊技状態毎の遊技レコードを集計し管理している。
【0081】
管理装置10は、遊技状態の切替がない場合(S102:NO)、受信した遊技情報に応じて集計中の遊技情報を更新する(S103)。このステップS103で更新する遊技情報としては、アウト、セーフ、スタート、S入賞などがある。また、管理装置10は、発射停止フラグがONである場合(S104:YES)、特図保留数が基準値以上であるか否かを判断する(S105)。ここで、遊技情報特定手段としての管理装置10は、遊技機3側から出力される台データ(遊技信号)に基づき、該台データ中の特図保留数(保留遊技の数)が所定の基準値に達しているかを特定可能である。
【0082】
管理装置10は、発射停止フラグがONであって(S104:YES)、かつ、特図保留数が基準値(本例では4個)以上である場合(S105:YES)、上記の止打期間を加算更新する(S106)。データ通知の受信間隔が200m秒であるので、管理装置10は、ステップS106で200m秒(0.2秒)を止打期間に加算して更新する。
【0083】
一方、上記のステップS102において、遊技状態の切替が有ったと判断された場合(S102:YES)、管理装置10は、集計中の遊技情報(アウト、セーフ、スタート、S入賞、止打期間)を含む遊技レコードを記録し(S113)、集計対象の各遊技情報(止打期間を含む。)をゼロリセットする(S114)。
【0084】
図7は、管理装置10が遊技機単位で遊技状態毎に管理する遊技レコードの例示である。同図は、1番台の遊技機3について管理装置10が管理する以下の遊技情報を例示する。
(1)アウト:遊技機3にて消費された遊技価値。なお、以下の各データを含め、遊技機3→遊技装置2に送信される遊技情報(台データ)により特定される。
(2)セーフ:遊技機3への入賞に応じて付与された遊技価値。
(3)スタート:スタートは遊技機3における役物の作動回数。
(4)S入賞:S入賞は、第1始動口31または第2始動口32の入賞である始動入賞の回数。
(5)止打期間:特図保留数が基準値(4個)以上の状態で、停止操作が行われた時間的な期間(累積時間)。
【0085】
例えば、図7中の遊技レコードNo.1は、10時15分から10時25分までの10分間の通常状態に対応している。この通常状態では、アウトが883P、セーフが325P、スタートが48回、S入賞が56回であったことが分かる。さらに、この通常状態が継続した10分間のうち38秒の間、特図保留数が4個以上の状態で停止操作が行われている。遊技レコードNo.1では、この停止操作の分、アウトが抑えられていると共に、スタートとS入賞との差分が抑えられていると予想できる。
【0086】
また例えば、遊技レコードNo.3は、遊技レコードNo.2に係る8R大当りに続く甘中(時短状態)に対応している。スタート100回分の甘中では、アウトが813P、セーフが752P、スタート100に要したS入賞が124回であったことがわかる。この甘中における止打期間は53秒である。
【0087】
図8は、管理装置10が遊技機単位で管理する仮想遊技レコードの例示である。同図は、1番台の図7の遊技レコードに基づいて管理装置10が管理する以下の遊技情報の例示である。なお、アウト、スタートは、図7と同様である。なお、図7や、図8のような履歴形式のレコードを必ずしも管理する必要はなく、図7図8に示すような項目を、周知の通り遊技機単位や営業日単位の遊技情報として累計形式にて管理しても勿論良い。
(1)キャンセルアウト:図7中の止打期間において、仮に玉の発射が停止されなかった場合に発射され得る玉数、すなわち消費され得る遊技価値(ポイント)。
(2)仮想アウト:各遊技レコードに対応する遊技期間において、仮に玉の発射が停止されなかった場合に発射され得る玉数、すなわち消費され得る遊技価値(ポイント)。アウトとキャンセルアウトとの合計。
(3)実S率:アウトに対するスタートの比率(%)。
(4)仮想S率:仮想アウトに対するスタートの比率(%)。
【0088】
管理装置10は、図7中の各遊技レコードの止打期間において、仮に玉が発射されていれば消費されていた遊技価値であるキャンセルアウトを、遊技レコード毎に特定する。ここでは、60秒当りの消費価値が100Pであるとしキャンセルアウトが特定される。例えば図7中、止打期間が53秒である遊技レコードNo.3の場合、キャンセルアウトは、100P÷60秒×53秒=約88Pとなる。遊技レコードNo.3で実際の消費価値であるアウトは813Pであるので、このアウトにキャンセルアウトを加算して特定される仮想アウトは901Pである。この仮想アウトは、遊技レコードNo.3に対応する10時30分から10時43分までの遊技において、仮に、特図保留数が4個以上となっても遊技者が停止操作を行わずに玉の発射を継続した場合に消費されると想定され得る仮想の遊技価値である。なお、60秒当りの消費価値が100Pであると仮定したが、例えば1時間当りの消費価値が5000Pであるといったように基準となる消費価値や対応する期間は適宜適当な値を採用すればよい。
【0089】
図8によれば、キャンセルアウトに対応する止打期間の存在により、実際の遊技情報である実S率が、玉を発射し続けた場合の仮想S率よりも高くなっていることがわかる。例えば、遊技レコードNo.3では、仮想S率11.1パーセントに対して、実S率が12.3%となっており遊技者側の利益が生じている。
【0090】
管理装置10は、図7及び図8に例示する遊技機単位の遊技レコードに基づいて、通常状態及び甘中における各遊技機の実S率(実比較情報)と仮想S率(仮想比較情報)とを比較可能に管理している(図9)。例えば、図7で例示した1番台の遊技者は、特図保留が基準値以上のときの停止操作である止打を行いながら遊技を行っている。それ故、図9のごとく、通常状態及び甘中の両方において、止打を行われなかった場合の仮想S率に対して、実際の遊技情報である実S率が高くなっている。一方、3番台や7番台の遊技では、実S率と仮想S率とで違いがない。これらの遊技台の遊技者は、止打を行うことなく遊技を行っている。
【0091】
以上のように構成された本例の遊技場用システム1は、遊技に応じて実際に消費された遊技価値を示すアウト(消費価値)、及び遊技者に付与された特典の数量であるスタートを特定可能であると共に、遊技者による停止操作によって遊技価値の消費が停止された停止期間(止打期間)を特定する。この遊技場用システム1は、停止期間において停止操作が行われなかったと仮定した場合に消費され得る遊技価値をアウトに加えた仮想アウト(仮想消費価値)と、特典の数量であるスタートと、の比較結果を示す仮想S率(仮想比較情報)を特定する。
【0092】
遊技場用システム1によれば、停止期間において遊技価値が消費されたと仮定した場合の仮想アウトに係る仮想S率を管理することで、遊技者による停止操作によって遊技価値が消費されていない状態を考慮した上で遊技情報を把握できる。例えば遊技機における入賞率自体は同じであっても遊技者が停止操作を行うか否かにより実S率は異なるが、仮想S率によれば停止操作による影響を低減した仮想S率を把握できるので、停止操作が比較的多く行われたのか、少なく行われたかによる差異を低減した上で遊技機の入賞率のような遊技機の状況を把握可能となる。また、実S率が当初の想定と異なる場合に、遊技機の入賞率自体によるものか、遊技者の停止操作によるものかの判断指標を提供可能となる。
【0093】
発射が停止された停止期間は、遊技者の遊技価値が消費されていない状態であり、遊技場にとっては、稼動が無い着座非稼動の時間に相当する。この停止期間は、遊技場側の収益の損失につながる時間となっている。本例の遊技場システム1は、実際の遊技情報である実S率と、停止期間(止打期間)に玉が発射されたという想定に基づく仮想遊技情報である仮想S率と、を比較可能に管理している。このように実S率と仮想S率とを管理すれば、停止期間によって実際の遊技情報と、仮想遊技情報と、の間にどの程度の差分が生じるかを把握でき、遊技機の機種毎に停止期間の特性を把握できる。そして、機種毎の停止期間の特性を把握すれば、始動入賞のオーバーフローが少なく遊技場にとって効率の良い遊技機の機種選定や、モード(設定値)管理等の調整が可能になる。
【0094】
本例の遊技場用システム1が管理対象とする遊技機3は、特定の入賞口である第1・第2始動口31・32への入賞に応じて図柄変動(単位遊技の一例)を実行し、大当り状態や確変状態、或いは時短状態である特別状態を図柄変動結果に応じて発生させる遊技機である。そして、遊技場用システム1では、図柄変動の実行回数であるスタートを特典の数量として管理している。特図保留が多くなると図柄変動が消化されるまで玉の発射を停止させる遊技者が見受けられることから、特典の数量としてスタートを管理することは効果的である。
【0095】
また遊技場用システム1では、遊技者による停止操作によって玉の発射が停止された停止期間から、特図保留が基準値(4個)に達していない期間を除外して仮想S率を特定している。特図保留が上限保留数である4個に達した状態で玉を発射してもアウトが増えるだけであるが、特図保留が4個に満たない場合は、遊技によってアウトもスタートも増える。そのため、特図保留が基準値に達していない場合を含めて仮想アウトを加算すると、仮想S率等が過度に低下するおそれがある。特図保留が基準値に達していない期間を除外すれば、仮想S率等の仮想遊技情報が過度に悪化するおそれを低減できる。
【0096】
本例の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
遊技装置2から中継装置54を経由して管理装置10にデータ送信する構成を例示したが、遊技装置2から直接管理装置10にデータ送信する構成を採用しても良い。
【0097】
本例では、仮想遊技情報として、仮想アウトとスタートとの割合である仮想S率を例示している。また、本例では、発射停止スイッチ335Sが操作された停止期間のうち、特図保留が基準値(4個)未満の期間を差し引いた止打期間を対象としてキャンセルアウトを特定している。そして、このキャンセルアウトを実際のアウトに加算して仮想消費価値である仮想アウトを特定している。キャンセルアウトの対象期間は、発射停止スイッチ335Sが操作された停止期間そのものであっても良い。また、特図保留の基準値は例示した上限保留数だけでなく上限保留数に準じた例えば3個とするように適宜変更可能である。更に保留数について遊技機から直接的に保留数を特定可能な遊技信号を受信することを例示したが、上述した通り、保留数は始動入賞により増加し、役物作動により減少するので、両者を特定可能な入賞Sやスタートにより仮想的な保留数を管理し、その増減を実際の保留数に見立てて止打期間を特定しても勿論良いし、遊技機から保留数が基準値に達ししていることを示す状態信号のような信号が出力されるのであれば当該信号にて止打期間を特定しても良い。
【0098】
本例では、スタートに係る仮想遊技情報を例示している。スタートに代えて、S入賞やセーフなど他の遊技情報に関する仮想遊技情報であっても良い。また、Vゾーンなどの特賞口を含む役物を備え、始動口への入賞に応じて役物が作動して特賞口への入賞チャンスが発生する、所謂羽根モノと呼べるパチンコ遊技機に本発明を適用することも良い。この場合、仮想遊技情報の対象として、始動口への入賞回数、役物への入賞回数、特賞口への入賞回数などを例示できる。
【0099】
また、各台計数機能を備える遊技装置2だけでなく、所謂島端に設けられる島端計数機を採用したシステムに対して本例の構成を適用しても良い。
【0100】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。また、遊技信号としてパルス信号やシリアル通信による電文情報等を例示したがどのような遊技信号を対象としても良い。
【0101】
説明中の数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。また、出力としては印字、表示出力が少なくとも想定される。また、「達した」として以上であることを例示したが、例えば基準値を含まないような超過している場合を「達した」としても良く、同様に「達していない」として、以下、未満のいずれを採用しても良い。
対象となる遊技機3は、例示したパチンコ遊技機3に限定されない。入賞に応じて玉を払い出す払出式のパチンコ遊技機であっても良い。この場合、例えばアウト信号は遊技機とは異なる所謂アウトBOXから出力されるので、遊技信号としては遊技機側から出力さえる遊技信号を適宜採用すれば良い。つまり、遊技機側とは管理装置側ではなく遊技機側であれば必ずしも遊技機だけでなくとも良いし、例えば遊技装置やアウトBOXだけのように遊技機を含まない概念も含まれる。なお、本例の説明では、例示した封入式パチンコ遊技機を考慮し、遊技媒体を必要に応じて遊技価値と表現している。
【0102】
遊技装置2が行う処理の一部を中継装置54、表示装置51、或いは管理装置10等にて行っても良い等、どの様に構成しても良い。さらに例示した構成は変形例も含めて、どのように組合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。
【0103】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
【符号の説明】
【0104】
1 遊技場用システム
10 管理装置(受信手段、遊技情報特定手段、停止期間特定手段、仮想遊技情報特定手段)
2 遊技装置
20 制御部(遊技情報取得手段、遊技情報送信手段)
3 パチンコ遊技機(遊技機)
335 操作ハンドル
335S 発射停止スイッチ
40 主回路(抽選手段、保留手段、読出手段、大当り状態発生手段、動作切替手段、通信手段)
43 記憶部(記憶手段)
45 演出制御回路(演出抽選手段)
500 場内ネットワーク
51 表示装置
53 遊技カード(記憶媒体)
54 中継装置
図1
図2
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図9