(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-159321(P2021-159321A)
(43)【公開日】2021年10月11日
(54)【発明の名称】空気処理装置
(51)【国際特許分類】
A61L 9/18 20060101AFI20210913BHJP
A61L 9/20 20060101ALI20210913BHJP
A61L 9/16 20060101ALI20210913BHJP
F24F 1/0076 20190101ALI20210913BHJP
【FI】
A61L9/18
A61L9/20
A61L9/16 F
F24F1/0076
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2020-64221(P2020-64221)
(22)【出願日】2020年3月31日
(71)【出願人】
【識別番号】320012510
【氏名又は名称】光愛技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 敏
(72)【発明者】
【氏名】津川 渉
(72)【発明者】
【氏名】小林 勲
【テーマコード(参考)】
3L051
4C180
【Fターム(参考)】
3L051BC03
4C180AA07
4C180AA17
4C180DD01
4C180DD03
4C180DD09
4C180DD17
4C180HH05
4C180HH11
4C180LL04
(57)【要約】
【課題】 新型コロナウイルスや新型インフルエンザなどの流行を防ぐために、空気中のウイルス又は細菌等の不純物を確実に消滅できる処理技術を提供することにある。
【解決手段】 空気処理装置1は、室内又は室外の空気を取り入れる吸入口10と、吸入した空気を処理する処理空間30と、処理した空気を排出する排出口50と、を備え、処理空間30では、光線の照射によって空気中のウイルス又は細菌等の不純物を焼却し消滅させることを特徴とした。処理空間30内で照射する光線は、レーザーと紫外線を組み合わせて融合したものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内又は室外の空気を取り入れる吸入口と、
吸入した空気を処理する処理空間と、
処理した空気を排出する排出口と、を備え、
処理空間では、光線の照射によって空気中のウイルス又は細菌等の不純物を焼却し消滅させることを特徴とした空気処理装置。
【請求項2】
光線は、レーザー単独のものであることを特徴とした請求項1記載の空気処理装置。
【請求項3】
光線は、プラズマ、レーザー、紫外線を2つ以上組み合わせて融合したものであることを特徴とした請求項1記載の空気処理装置。
【請求項4】
不純物又は/及び臭気を除去する効果のあるバイオ菌を有するバイオフィルターを排出口に備えることを特徴とした請求項1から3のいずれかに記載の空気処理装置。
【請求項5】
装置の下部に光線源と、光線源の上方に反射部材と、を備えることを特徴とした請求項1から4のいずれかに記載の空気処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、空気中のウイルス又は細菌等の不純物を焼却し消滅する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウイルスや新型インフルエンザなどの流行を防ぐために、空気中のウイルス又は細菌等の不純物を確実に消滅できる処理技術が求められている。
【0003】
これまで、特許文献1〜3のような空気清浄機が発明されている。いずれも、紫外線とオゾンの組み合わせで空気を浄化・殺菌する技術である。
この他にも、ウイルスや細菌を除菌・殺菌する方法としては、フィルターなどを使った物理的方法や薬剤などを使った化学的方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3006864号公報
【特許文献2】特許第3051083号公報
【特許文献3】特開2005−90831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、オゾンは空気を浄化できるように認識されているが、オゾンは必ずしも安全なものではない。独立行政法人国民生活センターによれば、家庭用のオゾン発生器から排出されるオゾンに関する規制や基準はないが、室内環境基準については「アメリカ合衆国食料医薬品局(FDA)」による「0.05ppm(24h)(最大許容濃度)」、「日本空気清浄協会」による「最高0.1ppm、平均0.05ppm」とされている。これを超えるオゾンの使用は人体への影響が懸念されるのである。従って、空気の浄化精度を高めるために、やみくもにオゾン濃度や発生量を増加させればよいものではない。
【0006】
本願発明者は、オゾンと紫外線やフィルター・薬剤など従来の空気処理技術とは全く異なるアプローチで、人類の脅威となるウイルスや細菌など様々な不純物に対応できる新規な処理技術の提供を目的として鋭意試験・研究を行い、本願発明を完成させるに至った。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の第1の発明は、室内又は室外の空気を取り入れる吸入口と、吸入した空気を処理する処理空間と、処理した空気を排出する排出口と、を備え、処理空間では、光線の照射によって空気中のウイルス又は細菌等の不純物を焼却し消滅させることを特徴とした空気処理装置である。
ここで、不純物には、ウイルスや細菌の他に、PM2.5、花粉、ハウスダストなど人体に有害なものや社会活動の障害になるものを含むものである。
第2の発明は、光線が、レーザー単独のものであることを特徴とした同空気処理装置である。
第3の発明は、光線が、プラズマ、レーザー、紫外線を2つ以上組み合わせて融合したものであることを特徴とした同空気処理装置である。
第4の発明は、不純物又は/及び臭気を除去する効果のあるバイオ菌を有するバイオフィルターを排出口に備えることを特徴とした同空気処理装置である。
第5の発明は、装置の下部に光線源と、光線源の上方に反射部材と、を備えることを特徴とした同空気処理装置である。
【発明の効果】
【0008】
本願発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)処理空間で、光線(レーザー単独又はプラズマ・レーザー・紫外線の組み合わせ)の照射によって、空気中のウイルス又は細菌等の不純物を焼却するので、不純物の確実な消滅を実現できる。
(2)万一、処理空間で消滅できなかった不純物があったとしても、排出口に備えたバイオフィルターによって、不純物のより確実な消滅を実現できる。
(3)装置下部側に位置する光線源からの光線が、装置上部側に位置する反射部材に当たり反射するので、処理空間内で光線が及ばない死角を無くすことができる。また、空気の対流も変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本願発明の空気処理装置に係る実施形態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、空気処理装置1の構造を図示した説明図である。
まず、空気処理装置1は、室内又は室外の空気を取り入れる吸入口10と、吸入した空気を処理する処理空間30と、処理した空気を排出する排出口50と、を備える。吸入口10は排出口50よりも下側に配置される。ファン20によって吸入口10から吸入した空気は、処理空間30内を通過しながら上昇し、不純物の消滅されたクリーンな空気となって排出口50から排出される。
【0011】
処理空間30には、その底部にレーザーの光線源となるレーザー装置基盤31と紫外線の光線源となる紫外線基盤38を備えて、レーザと紫外線の2つの光線の融合で空気中の不純物を焼却する。空気処理装置1では酸化チタンを使用していないので、紫外線を照射してもオゾンの発生する危険性は無い。また、焼却による不純物の消滅なので、フィルターなどによる物理的方法や、薬剤などによる化学的方法と比較して、安全且つ完全な空気清浄を実現できる。
【0012】
ここで、本実施形態では、レーザと紫外線の融合光線としているが、これにプラズマを追加して3つの光線の融合にしてもよいし、レーザーとプラズマの融合、紫外線とプラズマの融合、あるいはレーザの単独であってもよい。但し、複数の光線を融合させた場合の方が、相乗効果が期待できる。
【0013】
また、処理空間30には、レーザと紫外線の照射方向に反射部材45を備える。光線がこの反射部材45に当たることで、処理空間30内で光線の及ばない死角を無くすことができる。また、空気の対流も変えることができる。このため、反射部材45を回転自在にすることが好ましい。回転は、自力駆動でもよいし、他力駆動(ファン20の回転駆動の利用や、空気の対流の利用など)でもよい。
【0014】
排出口50からは、処理空間30で焼却処理されて不純物の消滅したクリーンな空気が排出される。ここで、排出口50に不純物又は/及び臭気を除去する効果のあるバイオ菌を有するバイオフィルターを備えてもよい。万一、処理空間30内で消滅できなかった不純物があったとしても、その不純物のより確実な消滅を実現できるからである。
【0015】
トップカバー3の先端に設けられたイルミネーション点灯ランプ4は、処理空間30内に吸入された空気に不純物が混じっている場合に、センサー5がこの不純物を感知して色を変化させるものである。これにより、空気処理装置1で空気が処理されることを視覚的に認識できる。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本願発明に係る空気処理装置は、空気中のウイルス又は細菌等の不純物を確実且つ安全に浄化する装置としてそれ単独の装置として又は他の装置に組み込んで利用できるものである。
【符号の説明】
【0017】
1 空気処理装置
2 筐体部
3 トップカバー
4 点灯ランプ
5 センサー
6 コンセント
10 吸入口
11 フィルター部
20 ファン
21 ファンロータ
22 ファン固定部品
23 ファンモーター
30 処理空間
31 レーザー装置基盤
32 レーザー装置基盤収納スペース
33 レーザーソケット
34 レーザーモジュール
35 レーザーレンズ
38 紫外線基盤
39 紫外線モジュール
40 紫外線装置基盤収納スペース
43 防塵ガラス(光線源基盤への粉塵等の侵入防止)
45 反射部材
46 反射部材押さえ
48 レーザー吸収板
49 配線カバー(4か所)
50 排出口
52 ファン用メッシュカバー
53 ファン用メッシュ押さえリング
【手続補正書】
【提出日】2021年8月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内又は室外の空気を取り入れる吸入口と、
吸入した空気を処理する処理空間と、
処理した空気を排出する排出口と、を備え、
処理空間では、プラズマ、レーザー、紫外線を2つ以上組み合わせて融合した光線の照射によって空気中のウイルス又は細菌を含む不純物を焼却し消滅させることを特徴とした空気処理装置。
【請求項2】
不純物又は/及び臭気を除去する効果のあるバイオ菌を有するバイオフィルターを排出口に備えることを特徴とした請求項1記載の空気処理装置。
【請求項3】
装置の下部に光線源と、光線源の上方に反射部材と、を備えることを特徴とした請求項1又は2に記載の空気処理装置。