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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-159427(P2021-159427A)
(43)【公開日】2021年10月11日
(54)【発明の名称】アクセサリー
(51)【国際特許分類】
   A44C 1/00 20060101AFI20210913BHJP
【FI】
   A44C1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-65376(P2020-65376)
(22)【出願日】2020年3月31日
(71)【出願人】
【識別番号】508335989
【氏名又は名称】長谷川 文夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154195
【弁理士】
【氏名又は名称】丸林 敬子
(74)【代理人】
【識別番号】100171826
【弁理士】
【氏名又は名称】丸林 啓介
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 文夫
(72)【発明者】
【氏名】郭瑞欽
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114AA03
3B114BB09
3B114EC13
(57)【要約】
【課題】内側留具で外側留具の形状を保持して品質の高いアクセサリーを提供する。
【解決手段】外側取付孔32及び内側取付孔42が取付凸部21に順々に嵌め込まれ、取付凸部21の内側中央部41より後方に突出した部分が押し潰されて頭部22を構成し、頭部22と飾り具2とで外側中央部31と内側中央部41とが前後方向より挟まれて支持されて、飾り具2と外側留具3と内側留具4とが互いに一体に組み立てられ、第1紐収容部51と第2紐収容部52と第3紐収容部53とが外側留具3と内側留具4との協働により形成され、更に、外側留具3の紐通路35側及び内側留具4の紐通路35側の一方又は両方が空間部36側から後側に広がるような負荷を受けた場合には第1内側湾曲部43の端部と第2内側湾曲部44の端部とが外側中央部31又は第1外側湾曲部33及び第2外側湾曲部34に衝突して外側中央部31の後方への塑性変形を防止する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飾り具と1つの金属板からなる外側留具と1つの金属板からなる内側留具とからなるアクセサリー1であって、
前記飾り具は当該飾り具の裏面から後方に突出するように設けられた取付凸部を備えており、
前記外側留具は、平坦状の外側中央部と、当該外側中央部に前後方向への貫通孔として設けられた外側取付孔と、前記外側中央部の一端から後方及び前記外側中央部の側に弧状に折り曲げられた第1外側湾曲部と、前記外側中央部の他端から後方及び前記外側中央部の側に弧状に折り曲げられた第2外側湾曲部と、前記第1外側湾曲部と前記第2外側湾曲部との間の隙間として形成された紐通路と、前記外側中央部と前記第1外側湾曲部と第2外側湾曲部とで囲まれた空間部とを備えており、
前記内側留具は、前記空間部に配置される大きさであり、かつ、平坦状の内側中央部と、当該内側中央部に前後方向への貫通孔として設けられた内側取付孔と、前記内側中央部の一端から後方へ突出するように弧状に折り曲げられた第1内側湾曲部と、前記内側中央部の他端から後方へ突出するように弧状に折り曲げられた第2内側湾曲部とを備えており、
前記外側取付孔が前記取付凸部に嵌め込まれ、前記外側中央部が前記飾り具の裏面に接触し、前記内側取付孔が前記取付凸部の前記外側中央部より後方に突出した部分に嵌め込まれた、前記取付凸部の前記内側中央部より後方に突出した部分が後方から前記内側中央部側に押し潰されて前記内側取付孔よりも外側に広がった頭部を構成し、当該頭部と前記飾り具とで前記外側中央部と前記内側中央部とが前後方向より挟まれて支持されたことにより、前記飾り具と前記外側留具と前記内側留具とが互いに一体に組み立てられ、前記空間部に第1紐収容部と第2紐収容部と第3紐収容部とが前記外側留具と前記内側留具との協働により形成され、更に、前記第1湾曲部の前記紐通路側又は前記第2湾曲部の前記紐通路側が後方への負荷を受けた場合には前記第1内側湾曲部の端部と前記第2内側湾曲部の端部との一方又は両方が前記外側中央部又は前記第1外側湾曲部及び前記第2外側湾曲部に衝突して前記外側中央部の後方への塑性変形を防止するように構成されたことを特徴とするアクセサリー。
【請求項2】
前記外側留具の金属板及び内側留具の金属板の一方又は両方が真鍮の板材にニッケルメッキの施されたことを特徴とする請求項1又は2記載のアクセサリー。
【請求項3】
前記頭部が平板状に形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載のアクセサリー。
【請求項4】
前記外側留具及び前記内側留具の一方又は両方の前記取付凸部を回転中心とする回転を阻止するストッパー部が前記飾り具の裏面に設けられたことを特徴とする請求項1記載のアクセサリー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内側留具で外側留具の形状を保持するアクセサリーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1で開示されたアクセサリーは、飾り具に取り付けられた留具がループタイなどの紐に装着されるようになっている。しかしながら、留具の中央部に設けられた取付孔が飾り具の裏面から後方に突出するように設けられた取付凸部に嵌め込まれ、当該取付凸部の前記取付孔より後方に突出した部分が後方から前記飾り具の裏面側に押し潰されて前記内側取付孔よりも外側に広がった頭部を構成することにより、留具が飾り具に裏面に取り付けられた構造になっている。このため、紐がアクセサリーの後方から隙間を通過して留具の紐収容部に取り込まれた状態において、留具の一端部又は他端部が紐から後方への負荷を受けた場合に、留具の中央部が取付凸部の所から塑性変形して品質の低下を招くという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−115254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、内側留具で外側留具の形状を保持して品質を向上することができるアクセサリーの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、飾り具と1つの金属板からなる外側留具と1つの金属板からなる内側留具とからなるアクセサリー1であって、
前記飾り具は当該飾り具の裏面から後方に突出するように設けられた取付凸部を備えており、
前記外側留具は、平坦状の外側中央部と、当該外側中央部に前後方向への貫通孔として設けられた外側取付孔と、前記外側中央部の一端から後方及び前記外側中央部の側に弧状に折り曲げられた第1外側湾曲部と、前記外側中央部の他端から後方及び前記外側中央部の側に弧状に折り曲げられた第2外側湾曲部と、前記第1外側湾曲部と前記第2外側湾曲部との間の隙間として形成された紐通路と、前記外側中央部と前記第1外側湾曲部と第2外側湾曲部とで囲まれた空間部とを備えており、前記内側留具は、前記空間部に配置される大きさであり、かつ、平坦状の内側中央部と、当該内側中央部に前後方向への貫通孔として設けられた内側取付孔と、前記内側中央部の一端から後方へ突出するように弧状に折り曲げられた第1内側湾曲部と、前記内側中央部の他端から後方へ突出するように弧状に折り曲げられた第2内側湾曲部とを備えており、前記外側取付孔が前記取付凸部に嵌め込まれ、前記外側中央部が前記飾り具の裏面に接触し、前記内側取付孔が前記取付凸部の前記外側中央部より後方に突出した部分に嵌め込まれた、前記取付凸部の前記内側中央部より後方に突出した部分が後方から前記内側中央部側に押し潰されて前記内側取付孔よりも外側に広がった頭部を構成し、当該頭部と前記飾り具とで前記外側中央部と前記内側中央部とが前後方向より挟まれて支持されたことにより、前記飾り具と前記外側留具と前記内側留具とが互いに一体に組み立てられ、前記空間部に第1紐収容部と第2紐収容部と第3紐収容部とが前記外側留具と前記内側留具との協働により形成され、更に、前記第1湾曲部の前記紐通路側又は前記第2湾曲部の前記紐通路側が後方への負荷を受けた場合には前記第1内側湾曲部の端部と前記第2内側湾曲部の端部との一方又は両方が前記外側中央部又は前記第1外側湾曲部及び前記第2外側湾曲部に衝突して前記外側中央部の後方への塑性変形を防止するように構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、紐が紐通路から第1紐収容部又は第2紐収容部に取り込まれた状態において、第1湾曲部の前記紐通路側又は前記第2湾曲部の前記紐通路側が紐から後方への負荷を受けたとしても、第1内側湾曲部の端部と第2内側湾曲部の端部とが前記外側中央部又は第1外側湾曲部及び第2外側湾曲部に衝突して前記外側中央部が前記取付凸部の所から後方に塑性変形しないようを当該外側中央部の塑性変形を防止するように構成されているので、内側留具で外側留具の形状を保持し、アクセサリーの品質を向上することができるという効果がある。又、本発明は、紐が外側留具と内側留具との協働により形成された第1紐収容部と第2収容部とに収容された場合でも外側留具と内側留具とに対する紐の接触抵抗が増加し、又、紐が外側留具と内側留具との協働により形成された第3紐収容部に収容された場合でも外側留具と内側留具とに対する紐の接触抵抗が増加するので、飾り具が大形となって重くなっても、飾り具の紐に対するずり落ちを防止し、飾り具の紐に対する調整位置を適切に保ち、アクセサリーの品質を向上することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】発明を実施するための形態1に係るアクセサリーを示し、a図は飾り具と外側留具と内側留具とを分解した斜視図、b図は飾り具の取付凸部に外側留具の取付孔と内側留具の取付孔とが嵌め込まれ部分を破断した平面図、c図は飾り具の取付凸部が押し潰されて飾り具と外側留具孔と内側留具とが組み立てられた一部を破断した平面図。
図2】発明を実施するための形態1に係る平紐に取り付けられたアクセサリーの平面図。
図3】発明を実施するための形態1に係る丸紐に取り付けられたアクセサリーの平面図。
図4】発明を実施するための形態1に係る装飾物を構成するアクセサリーの斜視図。
図5】発明を実施するための形態1に係る装身具を構成するアクセサリーの斜視図。
図6】発明を実施するための形態1に係る取付凸部のかしめ加工の工程を示す模式図。
図7】発明を実施するための形態2に係るアクセサリーの飾り具と外側留具と内側留具とを分解した斜視図。
図8】発明を実施するための形態2に係るアクセサリーの飾り具と外側留具と内側留具との結合構造を示す縦端面図。
図9】発明を実施するための形態3に係るアクセサリーの飾り具と外側留具と内側留具とを分解した斜視図。
図10】発明を実施するための形態3に係るアクセサリーの飾り具と外側留具と内側留具との結合構造を示す縦端面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1を用いて、発明を実施するための形態に係る装飾具または装身具としてのアクセサリー1の構造について説明する。図1のa図に示すように、アクセサリー1は、飾り具2と1つの矩形状の金属板からなる外側留具3と1つの矩形状の金属板からなる内側留具4とを備える。飾り具2の形状は、方形に限定されるものではなく、三角形、多角形、円形、楕円形、動物、植物、それら以外の物品を見る人に思い浮かべさせる形状でも適用可能である。飾り具2の表面には、図外の飾り模様が設けられる。飾り具2の裏面には、棒状の取付凸部21が飾り具2の裏面から後方に直線的に突出して設けられる。
【0009】
外側留具3の金属板は真鍮の板材にニッケルメッキを施した構成になっているので、外側留具3を構成する金属板の弾性及び硬さが真鍮の板材だけの場合よりも向上している。上記ニッケルメッキの上に金メッキ等のメッキを施してもよい。外側留具3は、外側中央部31と外側取付孔32と第1外側湾曲部33と第2外側湾曲部34と紐通路35と空間部36とを備える。
【0010】
外側中央部31は平坦状になっている。外側取付孔32は外側中央部31に前後方向への貫通孔として設けられた孔になっている。第1外側湾曲部33は外側中央部31の一端から後方及び外側中央部31の側に弧状に折り曲げられている。第2外側湾曲部34は外側中央部31の他端から後方及び外側中央部31の側に弧状に折り曲げられている。紐通路35は第1外側湾曲部33と第2外側湾曲部34との間の上下方向及び前後方向に開口する隙間として形成されている。空間部36は外側中央部31と第1外側湾曲部33と第2外側湾曲部34とで囲まれ、上下方向に開口している。
【0011】
図1のa図では、外側留具3が外側中央部31と外側取付孔32と第1外側湾曲部33と第2外側湾曲部34と紐通路35と空間部36とに加え、第1外側湾曲部31の端部から外側中央部31の側に延びた延長部37と、延長部37の端部に前後方向に凹凸となる波状に形成された案内部38と、第2外側湾曲部34の端に上下方向に開口する筒状に折り曲げられた筒部39とを備えてた構造になっている。よって、紐通路35が案内部38と筒部39との間の上下方向及び前後方向に開口する隙間として形成され、空間部36が外側中央部31と第1外側湾曲部33と第2外側湾曲部34と延長部37と案内部38と筒部39とで囲まれ、上下方向に開口している。延長部37は案内部38を筒部39側に近づけるものである。案内部38及び筒部39は図2の平紐61又は図3の丸紐62を滑らかに誘導するものである。案内部38は図2に示すように平紐61を支持する機能も備えている。尚、図1のa図に戻り、延長部37と案内部38と筒部39が設けられていなくて、第1外側湾曲部33の端部が紐通路35側に延長され、第2外側湾曲部34の端部が紐通路35側に延長され、第1外側湾曲部33の紐通路35側に延長された端部と第2外側湾曲部34の紐通路35側に延長された端部との間に紐通路35が形成された構造でも適用可能である。
【0012】
案内部38の紐通路35側の端部の上下に位置する隅部38aは弧状又は斜面からなる面取り部として形成され、隅部38aへの紐のひっかかりが防止できるようになっている。筒部39の紐通路35側の端部の上下に位置する隅部37aは弧状又は斜面からなる面取り部として形成され、隅部38aへの紐のひっかかりが防止できるようになっている。筒部39の後部は案内部38の端部よりも後方に配置され、紐通路35への紐の挿入が容易になる。外側取付孔32は三角形又は五角形以上の多角形又は楕円形でも適用可能である。
【0013】
内側留具4は、空間部36に配置される大きさであり、かつ、内側中央部41と内側取付孔42と第1内側湾曲部43と第2内側湾曲部44とを備える。内側中央部41は平坦状になっている。内側取付孔42は内側中央部41に前後方向への貫通孔として設けられた孔になっている。第1内側湾曲部43は内側中央部41の一端から後方へ突出するように弧状に折り曲げられている。第2内側湾曲部44は内側中央部41の他端から後方へ突出するように弧状に折り曲げられている。
【0014】
内側留具4の金属板は真鍮の板材にニッケルメッキを施した構成になっているので、内側留具4を構成する金属板の弾性及び硬さが真鍮の板材だけの場合よりも向上している。上記ニッケルメッキの上に金メッキ等のメッキを施してもよい。
【0015】
第1内側湾曲部43の端部の上下に位置する隅部43aは弧状又は斜面からなる面取り部として形成され、隅部43aへの紐のひっかかりが防止できるようになっている。第2内側湾曲部44の端部の上下に位置する隅部44aは弧状又は斜面からなる面取り部として形成され、隅部44aへの紐のひっかかりが防止できるようになっている。内側取付孔42は三角形又は五角形以上の多角形又は楕円形でも適用可能である。
【0016】
そして、図1のb図に示すように、外側取付孔32が取付凸部21に嵌め込まれ、外側中央部31が飾り具2の裏面に接触し、内側取付孔42が取付凸部21の外側中央部31より後方に突出した部分に嵌め込まれ、内側中央部41が外側中央部31の裏面に接触した状態になる。
【0017】
その状態において、図1のc図に示すように、取付凸部21の内側中央部41より後方に突出した後端部がかしめ加工によって後方から内側中央部41側に押し潰されて内側取付孔42よりも外側に広がった頭部22を平板状に形成している。具体的には、外側取付孔32の内部に配置された取付凸部21の部分及び内側取付孔42の内部に配置された取付凸部21の部分が塑性変形して飾り具2の裏面と平行な方向に広がって外側取付孔32及び内側取付孔42を埋め尽くし、取付凸部21の内側中央部41より後方に突出した後端部が塑性変形して飾り具2の裏面と平行な方向に広がって内側取付孔42を覆い隠しかつ外側留具3の内側取付孔42の周りの裏面に接触して頭部11を平板状に形成し、外側留具3及び内側留具4が飾り具2に固定されて回転しなくなる。
【0018】
前記のように頭部22と飾り具2とで外側中央部31と内側中央部41とが前後方向より挟まれて固定されて回転しなくなるように支持されることにより、飾り具2と外側留具3と内側留具4とが互いに一体に組み立てられ、空間部36に第1紐収容部51と第2紐収容部52と第3紐収容部53とが外側留具3と内側留具4との協働により形成されている。第1紐収容部51は外側第1湾曲部33と内側第1湾曲部43とを備え、第2紐収容部52は外側第2湾曲部36と内側第2湾曲部44とを備え、第3紐収容部53は案内部38と筒部39と内側第1湾曲部43と内側第2湾曲部44とを備えている。又、前記平板状に形成され頭部22の外周部が内側第1湾曲部43と内側第2湾曲部44との双方に接触するかまたは接触する程度に近接するように外形が大きくなったことにより、頭部22の外側留具3及び内側留具4を支持する強度が高くなる。
【0019】
前記頭部22と飾り具2とで外側中央部31と内側中央部41とが前後方向より挟まれて固定されて回転しなくなるように支持された状態にあっては、第1内側湾曲部43及び第2内側湾曲部44は外側留具3に接触するか又は接触する程度に近接して外側留具3との間に隙間が有ってもよい。これにより、延長部37又は案内部38又は筒部39が後方への負荷を受けた場合には第1内側湾曲部43の端部と第2内側湾曲部44の端部とが外側中央部31又は第1外側湾曲部33及び第2外側湾曲部34に衝突して外側中央部31の後方への塑性変形を防止するように構成されている。
【0020】
図2を用いて、発明を実施するための形態1に係るアクセサリー1が平紐61に取り付けられた態様について説明する。2本の平紐61が一本ずつアクセサリー1の後方から矢印Xで示すように隙間38を通過して第3紐収容部53に取り込まれ、2本の平紐61が互いに前後方向に重ね合わされた状態で第3紐収容部53に収容される。この重ね合わされた2本の平紐61の前部が第1内側湾曲部43の後方への凸状部及び第2内側湾曲部44の後方への凸状部で圧縮されて当該凸状部を覆うように接触し、前記重ね合わされた2本の平紐61の後部が案内部38と筒部39とで圧縮されて当該案内部38と筒部39とを覆うように接触し、後方向に重ね合われたて2本の平紐61の左右側部が第1外側湾曲部33と第2外側が湾曲部36とから離れて第1紐収容部51と第2紐収容部52に配置されている。
【0021】
つまり、重ね合わされた2本の平紐61の前部と後部とが前後方向から押し潰され、その反動として、重ね合わされた2本の平紐61の左右側部が膨らむ。これによって平紐61が外側留具3と内側留具4との協働により形成された第3紐収容部53に収容された場合でも外側留具3と内側留具4とに対する平紐61の接触抵抗が増加するので、飾り具2が大形になり重くなっても、飾り具2の平紐61に対するずり落ちを防止し、飾り具2の平紐61に対する調整位置が保たれ、アクセサリー1として品質を向上することができる。
【0022】
アクセサリー1が平紐61に取り付けられた状態において、人が平紐61の外側留具3よりも上方の部分を片方の手で持つとともに別の手でアクセサリー1を持って引き下げるか、または、人が平紐61の外側留具3よりも下方の部分を片方の手で持つとともに別の手でアクセサリー1を持って引き上げることによって、アクセサリー1の平紐61に取り付けられる位置を簡単に変えることができる。
【0023】
図3を用いて、発明を実施するための形態1に係るアクセサリー1が丸紐62に取り付けられた態様について説明する。2本の丸紐62が1本ずつアクセサリー1の後方から矢印Xで示すように隙間38を通過して第1紐収容部51と第2紐収容部52とに個別に取り込まれて収容される。第1紐収容部51に収容された1本の丸紐62の前部が第1内側湾曲部43の後方への凸状部で圧縮されて当該凸状部を覆うように接触し、この1本の丸紐62の後部が第1外側湾曲部33で圧縮されて第1外側湾曲部33を覆うように接触し、この1本の丸紐62の一側部が延長部37と第1内側湾曲部43との間の隙間に配置されている。又、第2紐収容部52に収容された別の1本の丸紐62の前部が第2内側湾曲部43の後方への凸状部で圧縮されて当該凸状部を覆うように接触し、この別の1本の丸紐62の後部が第2外側湾曲部34で圧縮されて第2外側湾曲部34を覆うように接触し、この別の1本の丸紐62の一側部が筒部39と第2内側湾曲部44との間の隙間に配置されている。
【0024】
つまり、2本の丸紐62の前部と後部とが前後方向から押し潰され、その反動として、2本の丸紐62の一側部が膨らむ。これによって2本の丸紐62が外側留具3と内側留具4との協働により形成された第1紐収容部51と第2紐収容部52とに個別に収容された場合でも外側留具3と内側留具4とに対する丸紐62の接触抵抗が増加するので、飾り具2が大形になり重くなっても、飾り具2の丸紐62に対するずり落ちを防止し、飾り具2の重ね合わされた丸紐62に対する調整位置が保たれ、アクセサリー1として品質を向上することができる。
【0025】
アクセサリー1が丸紐62に取り付けられた状態において、人が丸紐62の外側留具3よりも上方の部分を片方の手で持つとともに別の手でアクセサリー1を持って引き下げるか、または、人が丸紐62の外側留具3よりも下方の部分を片方の手で持つとともに別の手でアクセサリー1を持って引き上げることによって、アクセサリー1の丸紐62に取り付けられる位置を簡単に変えることができる。
【0026】
図4及び5を用いて、発明を実施するための形態1に係るアクセサリー1の使い方を説明する。図4は、装飾具を構成するアクセサリー1は、部屋の壁71に設けられたにフック72に吊下げられた紐63に取り付けられた場合である。図5は、装身具を構成するアクセサリー1は、人73に着用された上着74の襟75に吊下げられた紐63に取り付けられた場合である。紐63のアクセサリー1に装着された2本になった部分63aが図2の2本の平紐61または図3の2本の丸紐62に相当する。
【0027】
図6に示すように、発明を実施するための形態1に係るアクセアリ1の飾り具2と外側留具3と内側留具4とが互いに組み立てられる場合について説明する。金属板からプレス加工で外側留具3として成形された一次加工品の形について説明する。外側留具3の案内部38が第1外側湾曲部33側を中心として後方へ斜めに移動され、筒部39が第2外側湾部36側を中心として後方へ斜めに移動され、案内部38と筒部39との対向間隔つまり紐通路35の通路幅Lがかしめ工具81の通る大きさに設定されている。通路幅Lはかしめ工具81の横方向の外形になるべく近い寸法に設定されると、二次成形による第1外側湾曲部33の弧状の形と第2外側湾部34の弧状の形とが良好になる。
【0028】
前記一次加工品として成形された外側留具3の外側取付孔32がかしめ受台82の上に置かれた飾り具2の取付凸部21に挿入され、外側中央部31が飾り具2の裏面の上に置かれる。そして、内側留具4の内側取付孔42が取付凸部21に挿入され、内側中央部41が外側中央部31の上に置かれる。その後、かしめ工具81が下降して取付凸部21の内側中央部41より上方に突出した後端部が上方から内側中央部41側に押し潰されて内側取付孔42よりも外側に広がった頭部22(図1のC参照)を構成し、一次加工品としての外側留具3及び内側留具4が飾り具2に固定され、飾り具2と一次加工品としての外側留具3と内側留具4とが互いに一体に組み立てられる。
【0029】
その後、二次成形が一次成形品としての外側留具3に施される。つまり、3仮想線で示した二次成形型83の型部分83a;83bが内側留具4を避けつつ第1外側湾曲部33と第2外側湾曲部34とに挿入されて内側留具4の側に押し付けられる。その状態において、案内部38と筒部39とが内側留具4側に押される。尚、案内部38と筒部39とが内側留具4側に押される際、型部分83a;83bが横方向に移動しないように、二次成形型83の内側留具4を避けた部分で一体になっている。
【0030】
これによって、第1外側湾曲部33と第2外側湾曲部34とが二次成形型83によって図1のC図に示すような正規の弧状になり、紐通路35が図1のC図に示すような正規の通路幅に形成され、第1紐収容部51と第2紐収容部52と第3紐収容部53と図1のC図に示すような正規の形に形成された態様になる。
【0031】
図7及び8を用いて、発明を実施するための形態2に係るアクセサリー1の構造について説明する。図7に示すように、発明を実施するための形態2に係るアクセサリー1は、外側留具3又は外側留具3及び内側留具4の双方の取付凸部21を回転中心とする回転を阻止するストッパー部23が飾り具2の裏面に凹部として設けられた構造が図1に示す発明を実施するための形態1のアクセサリー1の構造と異なり、外側留具3と内側留4とは同じ構造である。ストッパー部23は取付凸部21の周囲において飾り具2の裏面から前方に向けて内部に窪みかつ飾り具2の裏面に開口し、外側中央部41を飾り具2の裏面側から収容可能な凹部として形成されている。よって、発明を実施するための形態2に係るアクセサリー1にあっては、取付凸部21がストッパー部23における凹部の裏面から後方に直線状に突出するように設けられているとも言える。
【0032】
そして、図8に示すように、外側取付孔32が取付凸部21に嵌め込まれ、外側中央部31がストッパー部23に収容されてストッパー部23の裏面に接触する。その後、内側取付孔42が取付凸部21の外側中央部31より後方に突出した部分に嵌め込まれ、内側中央部41が外側中央部31の裏面に接触した状態になる。その状態おいて、取付凸部21の内側中央部41より後方に突出した後端部がかしめ加工によって後方から内側中央部41側に押し潰されて内側取付孔42よりも外側に広がった頭部22を平板状に形成し、飾り具2と外側留具3と内側留具4とが互いに一体に組み立てられる。このように、飾り具2と外側留具3と内側留具4とが互いに一体に組み立てられ、外側中央部31がストッパー部23に収容されたことで、外側留具3の取付凸部21を回転中心とする回転を阻止する回り止めが構成されるので、外側取付孔32が円形孔でも、外側留具3の取付凸部21を回転中心とする回転が阻止される。
【0033】
尚、図示はされていないが、ストッパー部23が外側中央部31及び内側中央部41の双方を収容可能な深さであれば、外側中央部31及び内側中央部41がストッパー部23に収容されたことで、外側留具3の取付凸部21を回転中心とする回転を阻止する回り止め及び内側留具4の取付凸部21を回転中心とする回転を阻止する回り止めを構成しているので、外側取付孔32が円形孔でも外側留具3の取付凸部21を回転中心とする回転を阻止することができ、内側取付孔42が円形孔でも外側留具3の取付凸部21を回転中心とする回転を阻止することができる。
【0034】
図9及び図10を用いて、発明を実施するための形態3に係るアクセサリー1の構造について説明する。図9に示すように、発明を実施するための形態3に係るアクセサリー1は、外側留具3又は外側留具3及び内側留具4の双方の取付凸部21を回転中心とする回転を阻止するストッパー部24が飾り具2の裏面に凸部として設けられた構造が図1に示す発明を実施するための形態1及び図8に示す発明を実施するための形態2に係るアクセサリー1の構造と異なり、外側留具3と内側留4とが同じ構造である。ストッパー部24は取付凸部21の周囲において飾り具2の裏面から後方に突出しかつ外側留具3及び内側留具4の一方又は両方の取付凸部21を回転中心とする回転を阻止するものであって、取付凸部21よりも上方に離れた位置で横方向に直線状に延びた凸部として形成されている。
【0035】
そして、図10に示すように、外側取付孔32が取付凸部21に嵌め込まれ、外側取付孔32の上縁部がストッパー部24と飾り具2の裏面に沿う方向で対向して接触するか又は接触する程度に近接し、外側中央部31が飾り具2の裏面に接触する。その後、内側取付孔42が取付凸部21の外側中央部31より後方に突出した部分に嵌め込まれ、内側中央部41が外側中央部31の裏面に接触した状態になる。その状態おいて、取付凸部21の内側中央部41より後方に突出した部分がかしめ加工によって後方から内側中央部41側に押し潰されて内側取付孔42よりも外側に広がった頭部22を平板状に形成し、飾り具2と外側留具3と内側留具4とが互いに一体に組み立てられる。このように、飾り具2と外側留具3と内側留具4とが互いに一体に組み立てられると、外側中央部31の上縁部がストッパー部24と飾り具2の裏面に沿う方向で対向して接触するか又は接触する程度に近接したことで、外側留具3の取付凸部21を回転中心とする回転を阻止する回り止めが構成されるので、外側取付孔32が円形孔でも、外側留具3の取付凸部21を回転中心とする回転が阻止される。
【0036】
尚、ストッパー部24は取付凸部21よりも下方で横方向に直線状に延びていて取付凸部21に嵌め込まれた外側取付孔32の下縁部がストッパー部24と飾り具2の裏面に沿う方向で対向して接触するか又は接触する程度に近接することで外側留具3の取付凸部21を回転中心とする回転を阻止する回り止めを構成してもよい。
【0037】
又、ストッパー部24の高さつまり飾り具2の裏面からの突出寸法が外側中央部31及び内側中央部41の双方を受け止め得る寸法であれば、外側中央部31の上縁部及び内側中央部41の上縁部がストッパー部24と飾り具2の裏面に沿う方向で対向して接触するか又は接触する程度に近接したことで、外側留具3の取付凸部21を回転中心とする回転を阻止する回り止め及び内側留具4の取付凸部21を回転中心とする回転を阻止する回り止めを構成しているので、外側取付孔32が円形孔でも外側留具3の取付凸部21を回転中心とする回転を阻止することができ、内側取付孔42が円形孔でも外側留具3の取付凸部21を回転中心とする回転を阻止することができる。
【0038】
又、ストッパー部24が取付凸部21を境として横方向に分けて設けられても良い。又、頭部22は半球形であっても良い。
【符号の説明】
【0039】
1 アクセサリー
2 飾り具
3 外側留具
4 内側留具
21 取付凸部
22 頭部
23 ストッパー部(凹部)
24 ストッパー部(凸部)
31 外側中央部
32 外側取付孔
33 第1外側湾曲部
34 第2外側湾曲部
35 紐通路
36 空間部
37 延長部
38 案内部
38a 案内部38の隅部
39 筒部
41 内側中央部
42 内側取付孔
43 第1内側湾曲部
43a 第2内側湾曲部43の隅部
44 第2内側湾曲部
44a 第2内側湾曲部44の隅部
51 第1紐収容部
52 第2紐収容部
53 第3紐収容部
61 平紐
62 丸紐
63 紐63
63a 紐63のアクセサリー1に装着された2本になった部分
71 壁
72 フック
73 人
74 上着
75 襟
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10