(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-159523(P2021-159523A)
(43)【公開日】2021年10月11日
(54)【発明の名称】球状装飾体
(51)【国際特許分類】
A44C 13/00 20060101AFI20210913BHJP
A44C 27/00 20060101ALI20210913BHJP
A44C 7/00 20060101ALN20210913BHJP
【FI】
A44C13/00
A44C27/00
A44C7/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2020-66329(P2020-66329)
(22)【出願日】2020年4月1日
(71)【出願人】
【識別番号】390026963
【氏名又は名称】株式会社ムラオ
(74)【代理人】
【識別番号】100083183
【弁理士】
【氏名又は名称】西 良久
(72)【発明者】
【氏名】村尾 嘉章
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114AA02
3B114AA21
3B114HH00
3B114JB03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】組み立てが容易で、装飾性に優れた球状装飾体を提供する。
【解決手段】貫通孔3を有する球体2と、該貫通孔に挿入し球体に嵌合して固定される保持体1と、該保持体に固定される装飾石とからなっており、保持体が、貫通孔の一方の開口を塞ぐ環状のフランジ4を上部に有し、該フランジの下方に装飾石を固定する石留め部と、装飾石の下部を収納する収納部6と、収納部から下方に延びる軸部7とを有し、該軸部の下部に貫通孔の他方の開口を塞いで球体に固定される連結部8を有し、該連結部の底面に前記球体の下方に突出する下部棒体11の先端を突入し固定する固定用のネジ孔9を設けてなることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔を有する球体と、該貫通孔に挿入し球体に嵌合して固定される保持体と、該保持体に固定される装飾石とからなっており、
保持体が、貫通孔の一方の開口を塞ぐ環状のフランジを上部に有し、該フランジの下方に装飾石を固定する石留め部と、装飾石の下部を収納する収納部と、収納部から下方に延びる軸部とを有し、該軸部の下部に貫通孔の他方の開口を塞いで球体に固定される連結部を有し、
該連結部の底面に前記球体の下方に突出する下部棒体の先端を突入し固定する固定用の孔を設けてなることを特徴とする球状装飾体。
【請求項2】
石留め部がドイツ留め構造またはハリ留め構造により装飾石を固定してなることを特徴とする請求項1に記載の球状装飾体。
【請求項3】
石留め部が0.1mmを超える厚みからなっていることを特徴とする請求項1または2に記載の球状装飾体。
【請求項4】
球体がミラーボールからなっていることを特徴とする請求項1から3に記載の球状装飾体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球体に宝石や装飾用の石を立体的に取り付けた球状装飾体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2001−120317号の装飾装身具では、貴金属製薄板をプレスして得た立体と、この立体に外側よりプレスして形成した窪み部と、窪み部内に嵌め込まれた貴石と、窪み部の開口縁を窪み部側にプレス変形させて貴石を取り付ける鍔部と、から形成されたことを特徴とする装身具、および貴金属製薄板を立体形状にプレスする第1工程、貴石を嵌め込む部位にV字状窪み部を形成する第2工程、貴石を窪み部内に嵌め込む第3工程、窪み部の開口縁を窪み内部に向けてプレス加工する第4工程、とからなる装身具の製法が提案されている。
上記構成では貴金属製薄板をプレスして半球状基材を形成し、同時に貴石をはめ込む鍔部を前記基材と共に一体形成しているため、立体と鍔部とを分けて成型することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−120317号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明が解決しようとする問題点は、組み立てが容易で、装飾性に優れた球状装飾体を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1の発明では、
貫通孔を有する球体と、該貫通孔に挿入し球体に嵌合して固定される保持体と、該保持体に固定される装飾石とからなっており、
保持体が、貫通孔の一方の開口を塞ぐ環状のフランジを上部に有し、該フランジの下方に装飾石を固定する石留め部と、装飾石の下部を収納する収納部と、収納部から下方に延びる軸部とを有し、該軸部の下部に貫通孔の他方の開口を塞いで球体に固定される連結部を有し、
該連結部の底面に前記球体の下方に突出する下部棒体の先端を突入し固定する固定用の孔を設けてなることを特徴とする。
前記石留め部は例えばドイツ留めが行われるが、ハリ留め構造によれば装飾石の表面を高く支持して固定できる。
石留め部は0.1mmを超える厚みからなっていることが好ましい。
球体はミラーボール形状であってもよい。
【発明の効果】
【0006】
この発明は球体と、装飾石を固定する保持部とで構成したので、球体の材質やデザインの自由度が高い。
また、装飾石の石留めを保持部で行うことができるので、球体の形状に制約されることがない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】丸玉ピアスの実施例1を示す全体図であり保持部を点線で示す。
【
図2】同丸玉ピアスの球体を断面で示す全体図である。
【
図3】保持部を装飾石を装着した実施例を示す全体図である。
【
図5】(a)球体を断面で示した保持部の異なる態様を示す参考図、(b)球体を断面で示した保持部の別の態様を示す参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、この発明の球状装飾体をカン付き丸玉ピアスに適用した好適実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0009】
丸玉ピアス10は、
図1および
図2に示すように、ダイアモンドなどの装飾石Dを固定する保持部1と、貫通孔3を有する球体2からなる立体とを別体とし、前記球体2の貫通孔3に保持部1を固定した構成からなっている。
貫通孔3は、保持部1を略隙間無く収納する空間でもよいし、上部と下部を収納する所定形状の一対の開口部を有し、他は中空からなるものでもよい。
【0010】
保持部1は、金属からなっており、
図3および
図4で明瞭なように、上縁部に円環状のフランジ部4が形成されており、球体2の貫通孔3の一方で大径に形成された開口部3aに嵌合し掛止められる。
該フランジ部4の内壁の中途位置には石留め用の環状の石留め部5が形成されており、その下方には截頭円錐状の空間からなり、装飾石Dの下部を収納する空間からなる収納部6が形成されている。
【0011】
該収納部6の下には軸部7が延びており、軸部7の下端には連結部8が一体に形成されており、球体2の他方の小径の開口3bを塞ぐと共に球体2に固定されている。
上記連結部8には、底部で開口する固定用孔の一例としてネジ孔9が穿設されている。
このネジ孔9には、カンとなる下部棒体11の上端のネジ12を螺合して連結部8に下部棒体11を固定し、全体として丸玉ピアス10が形成される。
この発明では、下部棒体11と連結部8の固定には、螺着、接着剤の塗布、かしめ等の公知の固定手段を1つまたは複数組み合わせて使用してもよい。
【0012】
ここで、装飾石Dを石留め部5に固定するには実施例ではドイツ留めを用いている。
この場合、
図2では、石留め位置から装飾石の高さが0.37mmであって、装飾石Dの上面の高さがフランジ部4の上端とほぼ同じ高さとなる。
この発明では、ハリ留めによる石留めを行うことで高さをフランジ部4より高く見せるようにすることもできる(
図5(a)(b)産商)。
【0013】
また、本実施例では、石留め部5の厚みが0.1mm以下の場合は、装飾石Dが正面から見て円形が保てなくなるが、0.1mmを超える厚みとすることで正面から見て円形を保つことができ、好ましい。
図示例の場合、
図3では石留め部5の厚みが0.05mmであり正面から見て真円形がやや保てないが、
図4では石留め部5の厚みが0.12mmであり正面から見て真円が正確に保たれており、好ましい。
【0014】
上記実施例では、丸玉ピアスとした場合を示したが、この発明では、球体に代えてミラーボールの形状のピアスとしてもよく、この場合も、ミラーボールに貫通孔3を設け、保持部1を嵌合すればよい。
その他の構成は、前記実施例と同様であるので、その説明を省略する。
【符号の説明】
【0015】
1 保持部
2 球体
3 貫通孔
4 フランジ部
5 石留め部
6 収納部
7 軸部
8 連結部
9 固定用孔
10 丸玉ピアス
11 下部棒体(カン)
12 ネジ
D 装飾石