(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-160359(P2021-160359A)
(43)【公開日】2021年10月11日
(54)【発明の名称】防水段ボール、その製造方法及び製造装置、並びにその使用
(51)【国際特許分類】
B32B 3/28 20060101AFI20210913BHJP
B31F 1/20 20060101ALI20210913BHJP
【FI】
B32B3/28 B
B31F1/20
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2021-37241(P2021-37241)
(22)【出願日】2021年3月9日
(31)【優先権主張番号】109110807
(32)【優先日】2020年3月30日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】520373936
【氏名又は名称】台灣龍盟複合材料股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 博明
(74)【代理人】
【識別番号】100115451
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 武史
(72)【発明者】
【氏名】何 鼎賢
【テーマコード(参考)】
3E078
4F100
【Fターム(参考)】
3E078BB01
3E078CC41X
4F100AC00A
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4F100AK01A
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4F100DE00D
4F100EJ40
4F100GB15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】防水性及び耐凍性を有し、冷蔵・冷凍製品の包装に適している防水段ボール、その製造方法、及び製造装置、並びにその使用を提供する。
【解決手段】防水段ボールは、第1の波状面を有する少なくとも一つのストーン中芯12と、ストーン接着剤16で前記第1の波状面の山部に貼着された少なくとも一つのストーン表紙14と、を含み、前記ストーン接着剤は、プラスチックと無機材料とを含み、前記プラスチックが前記ストーン接着剤に占める重量百分率は30wt%〜70wt%であり、前記無機材料が前記ストーン接着剤に占める重量百分率は70wt%〜30wt%である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の波状面を有する少なくとも一つのストーン中芯と、
ストーン接着剤で前記第1の波状面の山部に貼着された少なくとも一つのストーン表紙と、を含み、
前記ストーン接着剤は、プラスチックと無機材料とを含み、前記プラスチックが前記ストーン接着剤に占める重量百分率は30wt%〜70wt%であり、前記無機材料が前記ストーン接着剤に占める重量百分率は70wt%〜30wt%である
防水段ボール。
【請求項2】
前記プラスチックは、ポリオレフィン(polyolefin)組成物を含む
請求項1に記載の防水段ボール。
【請求項3】
前記ポリオレフィン組成物は、ポリプロピレン(MPP)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、メタロセン線状低密度ポリエチレン(metallocene linear low density polyethylene、MLLDPE)又はそれらの組み合わせを含む結晶性材料を含む
請求項2に記載の防水段ボール。
【請求項4】
前記プラスチックが前記ストーン接着剤に占める重量百分率は30wt%〜50wt%であり、前記無機材料が前記ストーン接着剤に占める重量百分率は70wt%〜50wt%である
請求項1に記載の防水段ボール。
【請求項5】
前記無機材料は、粒径が2μm〜10μmの無機粉末である
請求項1に記載の防水段ボール。
【請求項6】
前記少なくとも一つのストーン表紙の数は複数であり、
前記少なくとも一つのストーン中芯は前記第1の波状面と背向する第2の波状面を有し、
単層の防水段ボールを形成するように、前記複数のストーン表紙の一つは、前記ストーン接着剤で前記第1の波状面の山部に貼着されており、前記複数のストーン表紙の別の一つは、前記ストーン接着剤で前記第2の波状面の山部に貼着されている
請求項1に記載の防水段ボール。
【請求項7】
前記少なくとも一つのストーン中芯の数は複数であり、前記複数のストーン表紙の二つの間にそれぞれ挟まれており、
各前記ストーン中芯は、前記第1の波状面の山部は前記ストーン接着剤で前記複数のストーン表紙の一つに貼着され、前記第2の波状面の山部は前記ストーン接着剤で前記複数のストーン表紙の別の一つに貼着され、前記防水段ボールの厚さは0.6mm〜6.0mmである
請求項6に記載の防水段ボール。
【請求項8】
前記少なくとも一つのストーン中芯は、0.10mm〜0.25mmの厚さt、及び0.6mm〜6.0mmの波高さHを有する波状となるものである
請求項1に記載の防水段ボール。
【請求項9】
前記少なくとも一つのストーン中芯において、隣接する山部と谷部との間の距離を水平距離dと定義し、
Fno=単位距離D/水平距離dである半波の数Fnoが定義され、
但し、単位距離Dが28cm〜32cmであり、水平距離dが1.9mm〜5.0mmであり、Fnoが60〜120であり、水平距離dに対する波高さHの比H/dは0.9〜1.8である請求項8に記載の防水段ボール。
【請求項10】
ストーン中芯を提供するステップと、
段ボール成型装置で第1の波状面を有するように前記ストーン中芯を波状にさせるステップと、
プラスチックと無機材料とを含むストーン接着剤を提供し、前記プラスチックが前記ストーン接着剤に占める重量百分率は30wt%〜70wt%であり、前記無機材料が前記ストーン接着剤に占める重量百分率は70wt%〜30wt%であるステップと、
接着剤塗布装置で前記ストーン接着剤を前記ストーン中芯の前記第1の波状面の山部に塗布するステップと、
ストーン表紙を前記ストーン中芯の前記第1の波状面の山部に貼着させるステップと、
を含む
防水段ボールの製造方法。
【請求項11】
前記段ボール成型装置は、互いに噛合する第1の歯車及び第2の歯車を含み、前記ストーン中芯は前記第1の歯車と前記第2の歯車との間に配置され、前記第1の歯車と前記第2の歯車との間を通過した後に、波状のものとなる
請求項10に記載の防水段ボールの製造方法。
【請求項12】
前記段ボール成型装置は負圧装置を含み、前記第2の歯車は、前記第2の歯車の表面から凹んだ複数の負圧溝を含み、
前記負圧装置を前記第2の歯車の前記複数の負圧溝に連通させることで波状になった前記ストーン中芯を前記第2の歯車に吸着させる
請求項11に記載の防水段ボールの製造方法。
【請求項13】
前記接着剤塗布装置は、互いに隣接する複数のローラと、ストーン接着剤を前記複数のローラ間に提供するためのストーン接着剤供給手段とを含み、前記複数のローラの一つは、前記段ボール成型装置の前記第2の歯車に隣接するとともに、波状になった前記ストーン中芯の少なくとも一つの山部に接触し、前記複数のローラ及び前記段ボール成型装置が回動すると、前記ストーン接着剤は、前記複数のローラに従って前記段ボール成型装置の前記第2の歯車に向かって移動し、前記ストーン接着剤を前記ストーン中芯の山部に塗布させる
請求項11に記載の防水段ボールの製造方法。
【請求項14】
前記段ボール成型装置の前記第2の歯車は、プレスロールに隣接し、波状になった前記ストーン中芯及び前記ストーン表紙は、前記第2の歯車と前記プレスロールとの間を同時に通過し、前記プレスロールによって前記ストーン接着剤が塗布された前記ストーン中芯と前記ストーン表紙とを緊密に貼着させる
請求項11に記載の防水段ボールの製造方法。
【請求項15】
前記プラスチックは、ポリオレフィン組成物を含み、
前記ポリオレフィン組成物は、ポリプロピレン(MPP)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、メタロセン線状低密度ポリエチレン(metallocene linear low density polyethylene、MLLDPE)又はそれらの組み合わせを含む結晶性材料を含む
請求項10に記載の防水段ボールの製造方法。
【請求項16】
前記無機材料は、粒径が2μm〜10μmの無機粉末である
請求項10に記載の防水段ボールの製造方法。
【請求項17】
波状になった前記少なくとも一つのストーン中芯は、0.10mm〜0.25mmの厚さt、及び0.6mm〜6.0mmの波高さHを有する
請求項10に記載の防水段ボールの製造方法。
【請求項18】
波状になった前記少なくとも一つのストーン中芯において、隣接する山部と谷部との間の距離を水平距離dと定義し、
Fno=単位距離D/水平距離dである半波の数Fnoが定義され、
但し、単位距離Dが28cm〜32cmであり、水平距離dが1.9mm〜5.0mmであり、Fnoが60〜120であり、水平距離dに対する波高さHの比H/dは0.9〜1.8である
請求項17に記載の防水段ボールの製造方法。
【請求項19】
ストーン中芯を提供するためのストーン中芯の供給手段と、段ボール成型装置と、ストーン接着剤を提供するための接着剤塗布装置と、ストーン表紙を提供するためのストーン表紙の供給手段と、プレスロールとを含み、
前記段ボール成型装置は、前記ストーン中芯を介して前記ストーン中芯の供給手段に連結され、前記ストーン中芯が前記段ボール成型装置を通過した後に、第1の波状面を有する波状のものとなり、
前記接着剤塗布装置は、前記段ボール成型装置に隣接し、前記ストーン接着剤を前記ストーン中芯の前記第1の波状面の山部に塗布させ、
前記プレスロールは、前記ストーン表紙を介して前記ストーン表紙の供給手段に連結され、前記段ボール成型装置に隣接し、波状になった前記ストーン中芯及び前記ストーン表紙が前記段ボール成型装置と前記プレスロールとの間を同時に通過するとき、前記ストーン接着剤を塗布した前記ストーン中芯の前記第1の波状面の山部と前記ストーン表紙とを互いに貼着させる
防水段ボールの製造装置。
【請求項20】
前記段ボール成型装置は、互いに噛合する第1の歯車及び第2の歯車を含み、
前記ストーン中芯は、前記第1の歯車と前記第2の歯車との間に配置され、前記第1の歯車と前記第2の歯車との間を通過した後に、波状になる
請求項19に記載の防水段ボールの製造装置。
【請求項21】
前記段ボール成型装置は負圧装置を含み、前記第2の歯車は前記第2の歯車の表面から凹んだ複数の負圧溝を含み、
波状になった前記ストーン中芯を前記第2の歯車に吸着させるように、前記負圧装置が前記第2の歯車の前記複数の負圧溝に連通している
請求項20に記載の防水段ボールの製造装置。
【請求項22】
前記接着剤塗布装置は、互いに隣接する複数のローラと、ストーン接着剤を前記複数のローラに提供するためのストーン接着剤供給手段とを含み、前記複数のローラの一つは、前記段ボール成型装置の前記第2の歯車に隣接するとともに、波状になった前記ストーン中芯の少なくとも一つの山部に接触し、前記複数のローラ及び前記段ボール成型装置が回動すると、前記ストーン接着剤は、前記複数のローラに従って前記段ボール成型装置の前記第2の歯車に向かって移動し、前記ストーン接着剤を前記ストーン中芯の山部に塗布させる
請求項20に記載の防水段ボールの製造装置。
【請求項23】
前記ストーン中芯の前記第1の波状面の山部に前記ストーン接着剤の塗布量を制御するために、隣接する前記ローラ同士間の距離は調整可能に制御されるよう配置されている
請求項22に記載の防水段ボールの製造装置。
【請求項24】
請求項1に記載の防水段ボールを冷凍シーフード、肉類、又は5℃〜13℃の水冷果物・野菜の包装に用いるための使用。
【請求項25】
前記防水段ボールは、防水段ボール箱、防水段ボール袋又は防水段ボールループに作製される
請求項24に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水段ボールに関し、特に防水性及び耐冷凍性を有し、自然に分解可能な防水段ボール、その製造方法及び製造装置、並びにその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、包装に用いられる紙箱、特に、防水段ボール箱は、パルプ紙で製造されているが、パルプ源は樹木繊維から由来することが多い。現在、一部の紙製造業者は、積極的にFSC(森林管理協議会、Forest Stewardship Council)のラベル認証を得ようとしているが、樹木の生長が遅いため、ほとんどの環境保全機構は、森林の木竹の伐採を減少させるために、やはり紙の使用量を減らすことを推奨する。
【0003】
一般的に、パルプ紙製の段ボール箱は、十分な強度を有し、持ち運びや運搬が容易であるため、様々な産業で包装や製品の保護に広く使用されている。しかし、通常、段ボール箱で冷蔵・冷凍品を包装する場合、冷蔵・冷凍装置から取り出した段ボール箱は、環境温度が上昇するため、段ボール箱の表面に凝縮水が発生する。段ボール箱の表面の水滴を素早く除去しないと、水滴が段ボール箱に浸透し、段ボール箱が濡れて脆弱になる。この結果、運搬し難くなり、特に破損しやすくなるため、段ボール箱に収容される物品を破損する可能性もある。
【0004】
また、パルプ紙製の段ボールは、マイナス40℃以下の低温に耐えられない。パルプ紙自体が水分を吸収しやすいため、パルプ紙製の段ボール箱を低温冷凍装置内に放置する場合、水気の冷凍膨張により、段ボール箱自体の繊維構造の破壊を引き起こしやすく、これにより、低温冷凍装置内に長時間放置された段ボール箱は徐々に壊れて破損し、使用することができなくなる。一方、冷凍・解凍を繰り返すと、パルプ紙製の段ボール箱が濡れて脆弱になり、運搬が困難である上に、カビや細菌が発生しやすくなり、包装された食材の衛生面でのリスクが高まる。カビや細菌が発生することを防ぐために、パルプ紙製の段ボール箱の中には、抗菌・抗カビ剤を混合する。しかし、一部の抗菌・抗カビ剤は、包装された食品に浸透する可能性がある。食品安全上の懸念を高める。通常、パルプ紙、特に再生紙は、多くの濃酸、濃アルカリ又は高濃度漂白剤の水溶液を使用する必要があり、これらのパルプ紙を処理するための必要な薬剤は、使用水量に対する要求が非常に大きく、環境へのダメージが大きい。
【0005】
従来のパルプ紙製の段ボール箱の代わりにプラスチック製の中空板が市販されていることが知られている。その生産速度は15M/minであり、かつ、多量のプラスチックと少量の無機粉末とによって製造する必要がある。これは明らかに、世界中の国々が提唱しているプラスチック規制・削減政策に明らかに反しており、かつ抗菌効果がない。
【0006】
以上に述べたように、既存の段ボール箱は、樹木を伐採して製造する必要があり、それにより森林環境に悪影響を与え、しかも、パルプ紙製の段ボール箱は冷蔵・冷凍環境に対する耐久性が低い。一方、プラスチック製の中空板で段ボールを製造する場合、生産量を増やすために複数の生産ラインが必要となり、かつ大量のプラスチックを使用して生産する必要がある。したがって、既存のパルプ紙又はプラスチック製の中空板で製造された段ボール箱に存在する問題を解決するために、新たな段ボール箱を製造する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の目的は、厚さが0.6mm〜6.0mmで、主要成分が天然鉱石を研磨した無機粉末を含み、かつ、少量のプラスチックを配合して粘着してなる防水段ボールを提供することにある。したがって、樹木繊維ペーストの使用を完全に回避できる。さらに、従来のパルプ紙製の防水段ボールに比べて、本発明の防水段ボールの製造方法によれば、環境水資源の消費量を最小限に抑えるという利点があり、かつ、顕著な防水・耐凍効果を有する。冷蔵・冷凍環境への出入りを繰り返しても、防水段ボールは、構造強度が高く、持ち運びや運搬が容易であり、破損することはない。したがって、本発明の防水段ボールは、果物や野菜魚や肉製品などの冷蔵・冷凍物品の包装に用いることができる。本発明の防水段ボールは、マイナス40℃以下の低温に耐えることができ、かつ、水を吸収しない。炭酸カルシウムは、細菌の発生を防止することができため、カビや細菌を発生しない。これによって、包装された食材の衛生を確保し、しかも、抗菌・防カビ剤を別途添加する必要がなく、食品安全上の懸念はない。また、本発明の防水段ボールは簡単な消毒ステップによって、リサイクル及び再利用することができ、廃棄物削減の目的を達成できる。なお、従来のパルプ紙製の防水段ボールに比べて、本発明の防水段ボールは製造コストを大幅に低減させることができ、紙箱の使用量を減少させることができ、それにより森林の樹木の伐採を減らすことができる。しかも、本発明の防水段ボールは天然の石粉末で製造され、自然環境で迅速に分解することができるため、環境の持続可能な発展及び保護の目的を達成することができる。
【0008】
さらに、ポリプロピレン(PP)製プラスチック中空板で製造された防水段ボールは、最大の製造速度は僅か10M/min〜15M/minであるが、本発明の防水段ボールによれば、生産速度150M/min以上に達することができ、しかも、少量(30wt%以下)のプラスチックで製造するため、大量生産が可能であるとともに、プラスチック削減の目的を達成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の防水段ボールは、第1の波状面を有する少なくとも一つのストーン中芯と、ストーン接着剤で前記第1の波状面の山部に貼着された少なくとも一つのストーン表紙と、を含み、前記ストーン接着剤は、プラスチックと無機材料とを含み、前記プラスチックが前記ストーン接着剤に占める重量百分率は30wt%〜70wt%であり、前記無機材料が前記ストーン接着剤に占める重量百分率は70wt%〜30wt%である
【0010】
本発明のもう一つの目的は、少なくとも以下のステップを含む防水段ボールの製造方法を提供することにある。
ストーン中芯を提供する。
段ボール成型装置で第1の波状面を有するように前記ストーン中芯を波状にさせる。
プラスチックと無機材料とを含むストーン接着剤を提供し、前記プラスチックが前記ストーン接着剤に占める重量百分率は30wt%〜70wt%であり、前記無機材料が前記ストーン接着剤に占める重量百分率は70wt%〜30wt%である。
接着剤塗布装置で前記ストーン接着剤を前記ストーン中芯の前記第1の波状面の山部に塗布する。
ストーン表紙を前記ストーン中芯の前記第1の波状面の山部に貼着させる。
【0011】
本発明のもう一つの目的は、ストーン中芯を提供するためのストーン中芯の供給手段と、段ボール成型装置と、ストーン接着剤を提供するための接着剤塗布装置と、ストーン表紙を提供するためのストーン表紙の供給手段と、プレスロールとを含む防水段ボール紙の製造装置を提供することにある。前記段ボール成型装置は、前記ストーン中芯を介して前記ストーン中芯の供給手段に連結され、前記ストーン中芯が前記段ボール成型装置を通過した後に、第1の波状面を有する波状のものとなり、前記接着剤塗布装置は、前記段ボール成型装置に隣接し、前記ストーン接着剤を前記ストーン中芯の前記第1の波状面の山部に塗布させ、前記プレスロールは、前記ストーン表紙を介して前記ストーン表紙の供給手段に連結され、前記段ボール成型装置に隣接し、波状になった前記ストーン中芯及び前記ストーン表紙が前記段ボール成型装置と前記プレスロールとの間を同時に通過するとき、前記ストーン接着剤を塗布した前記ストーン中芯の前記第1の波状面の山部と前記ストーン表紙とを互いに貼着させる。
【0012】
本発明の他の目的は、上述した防水段ボールを冷凍シーフード、肉類、又は5℃〜13℃の水冷果物・野菜の包装に用いるための使用を提供することにある。
【発明の効果】
【0013】
本発明の防水段ボールによれば、主要成分が天然鉱石を研磨した無機粉末を含み、かつ、少量のプラスチックを配合して粘着してなる。したがって、樹木繊維ペーストの使用を完全に回避できる。さらに、従来のパルプ紙製の防水段ボールに比べて、本発明の防水段ボールによれば、顕著な防水・耐凍効果を有する。冷蔵・冷凍環境への出入りを繰り返しても、防水段ボールは依然として良好な構造強度を有し、持ち運びや運搬が容易であり、破損することはない。したがって、本発明の防水段ボールは、果物や野菜魚や肉製品などの冷蔵・冷凍物品の包装に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第一実施形態の防水段ボールの構造を示す模式図である。
【
図2】本発明の第二実施形態の防水段ボールの構造を示す模式図である。
【
図3】本発明の第三実施形態の防水段ボールの構造を示す模式図である。
【
図4】本発明の好ましい実施形態の防水段ボールの製造方法を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の好ましい実施形態の防水段ボールの製造装置を示す模式図である。
【
図6】本発明の好ましい実施形態の段ボール成型装置の第2の歯車の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1を参照すると、
図1は、本発明の第一実施形態の防水段ボールの構造を示す模式図である。防水段ボール1Aは、ストーン中芯12とストーン表紙14とを含み、ストーン中芯12は、第1の波状面121を有し、ストーン表紙14は、ストーン接着剤(図示せず)で第1の波状面121の山部122に貼着されている。
【0016】
ストーン接着剤は、プラスチックと無機材料とを含み、プラスチックがストーン接着剤に占める重量百分率は30wt%〜70wt%であり、無機材料がストーン接着剤に占める重量百分率は70wt%〜30wt%である。本発明の第一実施形態において、プラスチックがストーン接着剤に占める重量百分率は、30wt%〜50wt%であることが好ましい。無機材料がストーン接着剤に占める重量百分率は、70wt%〜50wt%であることが好ましい。
【0017】
本発明第一実施形態において、プラスチックは、ポリオレフィン(polyolefin)組成物を含む。前記ポリオレフィン組成物は、ポリプロピレン(MPP)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、メタロセン線形低密度ポリエチレン(metallocene linear low density polyethylene、MLLDPE)又はそれらの組み合わせを含む結晶性材料を含む。本発明の第一実施形態において、無機材料は、例えば、白色又は重金属を含まない他の無機材料であってもよく、それは天然鉱石を粉砕することによって得られる無機粉末であり、主要成分がミクロンの炭酸カルシウム(CaCO
3)であり、粒径が2μm〜10μmの無機粉末である。
【0018】
本発明第一実施形態において、ストーン中芯12及びストーン表紙14は、それぞれ材料層である。材料層は、無機材料、プラスチック及び添加剤を含み、無機材料と、プラスチックと助剤とは互いに共押出され混合している。本発明の実施形態において、無機材料が材料層に占める重量百分率は60wt%〜85wt%であり、プラスチックが材料層に占める重量百分率は15wt%〜40wt%であり、実際の必要に応じて添加剤を別途添加する。添加剤が材料層に占める重量百分率は2wt%より小さい。本発明の実施形態において、無機材料は、例えば炭酸カルシウム(CaCO
3)であってもよいが、これに限定されない。プラスチックは、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)又はそれらの組み合わせであってもよいが、これに限定されない。添加剤は、例えば加工助剤、潤滑剤、増靭剤又はそれらの組み合わせであってもよいが、これに限定されない。潤滑剤は、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム又はそれらの組み合わせであってもよいが、これに限定されない。
【0019】
なお、実際に、ストーン中芯12は、台湾ルンメンの台湾特許第I535913号明細書に記載された5層の分解可能(自然分解可能)な環境に優しい紙であってもよく、ストーン表紙14は、台湾ルンメンの台湾特許第379272号明細書に記載された環境に優しい紙の製造方法によって製造された環境に優しい紙であってもよい。
【0020】
図2は、本発明の第二実施形態の防水段ボールの構造を示す模式図である。
図2を参照すると、第二実施形態の防水段ボール1Bと第一実施形態の防水段ボール1Aとの相違は、防水段ボール1Bが防水段ボール1Aよりも、もう1層のストーン表紙14を有することにある。本発明の第二実施形態において、ストーン中芯12、ストーン表紙14及びストーン接着剤の組成が第一実施形態のものと同じであるため、ここで繰り返し説明しない。
【0021】
防水段ボール1Bは、1層のストーン中芯12及び2層のストーン表紙14を含み、ストーン中芯12は、互いに背向する第1の波状面121及び第2の波状面123を有し、単層(single wall)の防水段ボール1Bを形成するように、2層のストーン表紙14の一方は、ストーン接着剤(図示せず)で第1の波状面121の山部122に貼着されており、他方はストーン接着剤(図示せず)で第2の波状面123の山部124に貼着されている。
【0022】
図2において、ストーン中芯12は、厚さtを有し、波高さHを有する波状となるものである。本発明の第二実施形態において、厚さtは0.10mm〜0.25mmであり、波高さHは0.6mm〜6.0mmである。一般的に、厚さtがないほど、防水段ボール1Bの平均圧壊強度(FCR値)が低下し、厚さtがあるほど、防水段ボール1Bの平均圧壊強度(FCR値)が上昇する。本発明の第二実施形態において、厚さtが0.10mm未満の場合、ストーン中芯12が薄すぎるため、その構造支持力が弱くなりすぎ、これによって、防水段ボール1Bの平均圧壊強度(FCR値)が極端に低下し、使用できない。厚さtが0.25mmよりもある場合、平均圧壊強度(FCR値)は良好であるが、ストーン中芯12が厚すぎるため、防水段ボール紙1Bの重量が増加し、かつ、材料コスト及び製造コストが増加する。一般的に、波高さHがあるほど、防水段ボール1Bの平均圧壊強度(FCR値)が低下するが、波高さHがないほど、防水段ボール1Bの平均圧壊強度(FCR値)が上昇する。本発明の第二実施形態において、波高さHが6.0mmよりもある場合、ストーン中芯12の波高さHが高くなりすぎるため、その構造支持力が弱くなりすぎ、これによって、防水段ボール1Bの平均圧壊強度(FCR値)が極端に低下し、使用できない。波高さHが6.0mm未満の場合、平均圧壊強度(FCR値)は良好であるが、ストーン中芯12の波高さHがなさすぎるため、防水段ボール紙1Bの全体の比重が高すぎ、実用的な価値を有さず、かつ材料コスト及び製造コストが増加する。
【0023】
なお、ストーン中芯12において、隣接する山部(即ち、第2の波状面123の山部124)と谷部(即ち、第1の波状面121の山部122)との間の距離を水平距離dと定義し、半波の数Fno=単位距離D/水平距離dであると定義する。本発明の第二実施形態において、単位距離Dが28cm〜32cmであるが、30cmであることが好ましい。水平距離dが1.9mm〜5.0mmであり、Fnoが60〜120であり、水平距離dに対する波高さHの比H/dは0.9〜1.8である。 一般的に、半波数Fnoが小さいほど、防水段ボール1Bの平均圧壊強度(FCR値)が低下するが、半波数Fnoが大きいほど、防水段ボール1Bの平均圧壊強度(FCR値)が上昇する。本発明の第二実施形態において、半波数Fnoが60未満の場合、ストーン中芯12の半波数Fnoが不十分であるため、その構造支持力が弱くなりすぎ、これによって、防水段ボール1Bの平均圧壊強度(FCR値)が極端に悪くなり、使用できない。半波数Fnoが120より大きい場合、平均圧壊強度(FCR値)は良好であるが、ストーン中芯12の半波数Fnoが大きすぎるため、防水段ボール1Bの全体の比重が高すぎ、実用的な価値を有さず、かつ、材料コスト及び製造コストが増加する。一方、水平距離dに対する波高さHの比H/dが大きいほど、防水段ボール1Bの平均圧壊強度(FCR値)が低下するが、水平距離dに対する波高さHの比H/dが小さいほど、防水段ボール1Bの平均圧壊強度(FCR値)が上昇する。本発明の第二実施形態において、水平距離dに対する波高さHの比H/dが1.8より大きいの場合、ストーン中芯12の半波数Fnoが不十分であるため、その構造支持力が弱くなりすぎ、これによって、防水段ボール1Bの平均圧壊強度(FCR値)が極端に悪くなり、使用できない。水平距離dに対する波高さHの比H/dが0.9未満の場合、平均圧壊強度(FCR値)は良好であるが、ストーン中芯12の半波数Fnoが大きすぎるため、防水段ボール1Bの全体の比重が高すぎ、実用的な価値を有さず、かつ、材料コスト及び製造コストが増加する。
【0024】
さらに、防水段ボール紙1Bの平均圧壊強度(FCR値)も、ストーン表紙14の厚さに比例する。すなわち、ストーン表紙14の厚さがあるほど、防水段ボール1Bの平均圧壊強度(FCR値)が上昇する。逆に、ストーン表紙14の厚さがないほど、防水段ボール紙1Bの平均圧壊強度(FCR値)は低下する。
【0025】
防水段ボール1Bの平均圧壊強度(FCR値)も、ストーン中芯12の硬度に比例し、即ち、ストーン中芯12が硬いほど、防水段ボール紙1Bの平均圧縮強度(FCR値)が強くなる。逆に、ストーン中芯12が軟らかいほど、防水段ボール紙1Bの平均圧縮強度(FCR値)は弱くなる。ストーン中芯12の硬度は、その組成に関係する。ストーン中芯12における無機材料の割合が高いほど、ストーン中芯12は硬くなる。例えば、80wt%の無機材料を含むストーン中芯12の硬度は、50wt%の無機材料を含むストーン中芯12の硬度よりも大きい。また、ストーン中芯12の硬度が、その厚さに関係する。ストーン中芯12の厚さが厚いほど、ストーン中芯12は硬くなる。ストーン中芯12の厚さが薄いほど、ストーン中芯12は柔らかくなる。一例では、ストーン中芯12における無機材料の割合を調整することで所望の厚さを有するストーン中芯12を製造し、最適な平均圧縮強度(FCR値)を得ることができる。
【0026】
図3は、本発明の第三実施形態の防水段ボールの構造を示す模式図である。
図3を参照すると、第三実施形態の防水段ボール1Cと第二実施形態の防水段ボール1Bとの相違は、防水段ボール1Cは、防水段ボール1Bに対して、もう1層のストーン中芯12の層数及びもう1層のストーン表紙14を有することにある。本発明の第三実施形態において、ストーン中芯12、ストーン表紙14及びストーン接着剤の組成が第一実施形態のと同じであるため、ここで繰り返し説明しない。
【0027】
防水段ボール1Cは、2層のストーン中芯12及び3層のストーン表紙14を含み、各ストーン中芯12は、これらのストーン表紙14の二つの間にそれぞれ挟まれており、各ストーン中芯12の第1の波状面121の山部122は、ストーン接着剤で前記2つのストーン表紙14の一方に貼着され、第2の波状面123の山部124はストーン接着剤で前記2つのストーン表紙14の他方に貼着されている。
【0028】
つぎに、
図1、
図4〜
図6を参照する。
図4は本発明の好ましい実施形態の防水段ボールの製造方法を示すフローチャートであり、
図5は本発明の好ましい実施形態の防水段ボールの製造装置を示す模式図であり、
図6は本発明の好ましい実施形態の段ボール成型装置の第2の歯車の上面図である。
図4及び
図5では防水段ボール1Aの製造方法を例として説明する。
【0029】
防水段ボール1Aの製造方法は、少なくとも以下のステップS01〜S05を含む。
ステップS01:ストーン中芯12を提供する。
ステップS02:段ボール成型装置26で第1の波状面121を有するようにストーン中芯12を波状にさせる。
ステップS03:プラスチックと無機材料とを含むストーン接着剤16を提供する。
ステップS04:接着剤塗布装置28でストーン接着剤16をストーン中芯12の第1の波状面121の山部122に塗布する。
ステップS05:ストーン表紙14をストーン中芯12の第1の波状面121の山部122に貼着させる。
【0030】
本発明の実施形態において、プラスチックがストーン接着剤に占める重量百分率は30wt%〜70wt%であり、無機材料がストーン接着剤に占める重量百分率は70wt%〜30wt%である。本発明の実施形態において、プラスチックがストーン接着剤に占める重量百分率は30wt%〜50wt%であることが好ましく、無機材料がに占める重量百分率は70wt%〜50wt%であることが好ましい。
【0031】
図5に示すように、防水段ボールの製造装置2は、ストーン中芯12を提供するためのストーン中芯の供給手段22と、段ボール成型装置26と、ストーン接着剤16を提供するための接着剤塗布装置28と、ストーン表紙14を提供するためのストーン表紙の供給手段24と、プレスロール20とを含み、段ボール成型装置26は、ストーン中芯12を介してストーン中芯の供給手段22に連結され、ストーン中芯12が段ボール成型装置26を通過した後に、第1の波状面121を有する波状のものとなる。接着剤塗布装置28は、段ボール成型装置26に隣接し、ストーン接着剤16をストーン中芯12の第1の波状面121の山部122に塗布させる。プレスロール20は、ストーン表紙14を介してストーン表紙の供給手段24に連結され、段ボール成型装置26に隣接し、波状になったストーン中芯12及びストーン表紙14が段ボール成型装置26とプレスロール20との間を同時に通過するとき、ストーン接着剤16を塗布したストーン中芯12の第1の波状面121の山部122とストーン表紙14とを互いに貼着させる。
【0032】
本発明第一実施形態において、ストーン中芯12及びストーン表紙14は、それぞれ材料層である。材料層は、無機材料、プラスチック及び添加剤を含み、無機材料とプラスチックと助剤とは互いに共押出され混合している。本発明の実施形態において、無機材料が材料層に占める重量百分率は60wt%〜85wt%であり、プラスチックが材料層に占める重量百分率は15wt%〜40wt%であり、実際の必要に応じて添加剤を別途添加する。添加剤が材料層に占める重量百分率は2wt%より小さい。本発明の実施形態において、無機材料は、例えば炭酸カルシウム(CaCO
3)であってもよいが、これに限定されない。プラスチックは、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)又はそれらの組み合わせであってもよいが、これに限定されない、添加剤は、例えば加工助剤、潤滑剤、増靭剤又はそれらの組み合わせであってもよいが、これに限定されない。潤滑剤は、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム 又はそれらの組み合わせであってもよいが、これに限定されない。
【0033】
なお、実際に、ストーン中芯12は、台湾ルンメンの台湾特許第I535913号に記載された5層の分解可能(自然分解可能)な環境に優しい紙であってもよく、ストーン表紙14は、台湾ルンメンの台湾特許第379272号に記載された環境に優しい紙の製造方法によって製造された環境に優しい紙であってもよい。
【0034】
図5に示すように、段ボール成型装置26は、互いに噛合する第1の歯車262及び第2の歯車264を含む。ストーン中芯12は第1の歯車262と第2の歯車264との間に配置され、第1の歯車262と第2の歯車264との間を通過した後に、波状のものとなる。さらに、第1の歯車262と第2の歯車264とが互いに噛合するため、ストーン中芯12が第1の歯車262と第2の歯車264との間を通過すると、第1の歯車262の歯山及び第2の歯車264の歯山263は、ストーン中芯12を波状に押圧する。本発明の実施形態において、第1の歯車262と第2の歯車264との間の最小距離は、ストーン中芯12の厚さ以上である。
【0035】
図5及び
図6を参照すると、段ボール成型装置26は、負圧装置266を含み、第2の歯車264は、第2の歯車264の表面から凹んだ複数の負圧溝265を含む。負圧装置266を第2の歯車264の負圧溝265に連通させることで波状になったストーン中芯12を第2の歯車264に吸着させる。
【0036】
図5では、接着剤塗布装置28は、互いに隣接する複数のローラ282、284、286、及び、ストーン接着剤16をローラ284と286との間に提供するためのストーン接着剤供給手段288を含む。ローラ282、284、286の一つ(即ち、ローラ282)は段ボール成型装置26の第2の歯車264に隣接するとともに、波状になったストーン中芯12の少なくとも一つの山部122に接触する。本発明の実施形態において、ストーン中芯12の第1の波状面121の山部122におけるストーン接着剤16の塗布量を制御するために、ローラ282、284、286において隣接する同士(ローラ282、284、又はローラ284、286)は、そのピッチを調整可能に制御される。本発明の実施形態において、ストーン接着剤16に比較的良好な流動性を付与し、それをストーン中芯12の第1の波状面121の山部122に塗布させるために、ローラ282、284、286の少なくとも一つは、ストーン接着剤16を加熱することができる。本発明の実施形態において、ストーン接着剤16を70℃〜100℃に加熱するが、80℃〜90℃に加熱することが好ましい。これによって、ストーン接着剤16を溶融状態に加熱して、ストーン中芯12の第1の波状面121の山部122に塗布することができる。ストーン接着剤16が冷却したら、ストーン中芯12とストーン表紙14との間に固定してストーン中芯12及びストーン表紙14を貼着する。尚、ストーン接着剤16を130℃〜180℃に加熱して溶融状態になると、ストーン接着剤16が低い周囲温度による急速な冷却を回避するように、防水段ボール1Aの製造環境も160℃〜130℃に保持する。この場合、ストーン中芯12及びストーン表紙14は僅かに軟化し、かつ、溶融状態のストーン接着剤16をストーン中芯12及びストーン表紙14に塗布するとき、ストーン中芯12及びストーン表紙14がストーン接着剤16に接触する箇所は僅かに溶融し、これによって、ストーン中芯12及びストーン表紙14の一部がストーン接着剤16と混合する。これによって、ストーン接着剤16が冷却したら、ストーン中芯12とストーン表紙14とがより緊密に結合され、外力に引っ張られて分離しにくい。
【0037】
ローラ282、284、286と、段ボール成型装置26の第1の歯車262及び第2の歯車264とが回動すると、ストーン接着剤16は、ローラ282、284、286に従って段ボール成型装置26の第2の歯車264に向かって移動し、ストーン接着剤16をストーン中芯12の山部122に塗布させる。
【0038】
段ボール成型装置26の第2の歯車264がプレスロール20に隣接し、しかも、波状になったストーン中芯12及びストーン表紙14が第2の歯車264とプレスロール20との間を同時に通過する。本発明の実施形態において、プレスロール20を介して、ストーン接着剤16を塗布したストーン中芯12とストーン表紙14とを緊密に貼着させる。本発明の実施形態において、プレスロール20と第2の歯車264との間の最小距離は、ストーン中芯12とストーン表紙14との合計厚さの以下である。
【0039】
本発明の実施形態において、第一実施形態の防水段ボール1A、第二実施形態の防水段ボール1B及び第三実施形態の防水段ボール1Cのそれぞれをシーフードや果物・野菜の包装に用いることができるが、これらに限定されない、本発明の各実施形態の防水段ボール1A、1B、1Cは、各種物品を包装するために使用できる。本発明の各実施形態の防水段ボール1A、1B、1Cは、冷凍シーフード、肉類、又は5℃〜13℃の水冷果物・野菜の包装に用いることができる。例えば、防水段ボール1A、1B、1Cを、各種物品の包装材として、防水段ボール箱、防水段ボール袋又は防水段ボールループに更に加工することができる。
【0040】
本発明の設計によれば、防水段ボールの主要成分は、天然鉱石を研磨した無機粉末及び少量のプラスチックを配合して粘着してなるため、樹木繊維ペーストの使用を完全に回避できる。さらに、従来のパルプ紙製の防水段ボールに比べて、本発明の防水段ボールは、顕著な防水・耐凍効果を有する。冷蔵・冷凍環境への出入りを繰り返しても、防水段ボールは依然として良好な構造強度を有し、持ち運びや運搬が容易であり、破損することはない。したがって、本発明の防水段ボールは、果物や野菜魚や肉製品などの冷蔵・冷凍物品の包装に用いることができる。本発明の防水段ボールは、マイナス40℃以下の低温に耐えることができ、かつ、水を吸収しない。炭酸カルシウムの化学的性質は、カビや細菌の発生を防止することができるため、包装された食材の衛生を確保し、しかも、抗菌・防カビ剤を別途添加する必要がなく、食品安全上の懸念はない。液体が注入した容器(ボトル水、飲料又は調味料)を包装する場合、液漏れが発生すると、従来のパルプ紙からなる段ボールは吸水しやすいため破損・崩壊し、包装された容器が飛散することがある。さらに、下方のパルプ紙製の段ボールの吸水による破損・崩壊を起こすこともある。この場合、パルプ紙製の段ボールは、非常に吸水しやすいため、カビや細菌を発生しがちである。パルプ紙製の段ボールに比べて、本発明の防水段ボールは、吸水による破損・崩壊することはないため、包装された容器が飛散せず、液体を含む他の容器の完全性を保護することができ、積み重ねた防水段ボール箱を積み重ねた状態に保持することができる。一方、本発明の防水段ボールは、吸水しないため、それ自体がカビや細菌を発生しない。
【0041】
また、本発明の防水段ボールは簡単な消毒ステップによって、リサイクル及び再利用することができ、廃棄物削減の目的を達成する。なお、従来のパルプ紙製の防水段ボールに比べて、本発明の防水段ボールは製造コストを大幅に低減させ、紙箱の使用量を減少させることができ、これにより、森林の樹木の伐採を減らすことができる。しかも、本発明の防水段ボールは、天然の石粉末で製造され、自然環境で迅速に分解することができるため、環境の持続可能な発展及び保護の目的を達成することができる。
【0042】
上記は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明の明細書及び保護範囲内で行われる均等変化は、いずれも本発明の保護範囲に含む。
【符号の説明】
【0043】
1A、1B、1C 防水段ボール
2 防水段ボールの製造装置
12 ストーン中芯
121 第1の波状面
123 第2の波状面
122、124 山部
14 ストーン表紙
16 ストーン接着剤
20 プレスロール
22 ストーン中芯の供給手段
24 ストーン表紙の供給手段
26 段ボール成型装置
28 接着剤塗布装置
262 第1の歯車
263 歯山
264 第2の歯車
265 負圧溝
266 負圧装置
282、284、286 ローラ
288 ストーン接着剤供給手段
S01、S02、S03、S04、S05 ステップ