特開2021-160561(P2021-160561A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-160561(P2021-160561A)
(43)【公開日】2021年10月11日
(54)【発明の名称】車両の後部車体構造
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/10 20060101AFI20210913BHJP
   B60J 5/00 20060101ALI20210913BHJP
   B62D 37/02 20060101ALI20210913BHJP
【FI】
   B60J5/10 Z
   B60J5/00 D
   B62D37/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-64328(P2020-64328)
(22)【出願日】2020年3月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】宮川 誠
(72)【発明者】
【氏名】西山 聖也
(72)【発明者】
【氏名】岩谷 英俊
(57)【要約】
【課題】開操作時におけるバックドアの見栄え悪化を仕様に拘らず回避することができる車両の後部車体構造を提供する。
【解決手段】車体後部に設けられた開口部22と、アウタパネル2とインナパネル3とを有すると共に開口部22を開閉可能なバックドア1と、アウタパネル2の車幅方向外側部分の外面側に配設された上下方向に延びるサイドスポイラ6と、インナパネル3の車幅方向外側部分の内面側に装着された取付ブラケット8と、この取付ブラケット8を介して装着され上下方向に延びるタッチセンサ7とを備え、バックドア1の左端部が開口部22の内周縁部22a近傍位置まで延設され、サイドスポイラ6の左端部がバックドア1の左端部よりも車幅方向外側まで延設されると共に、取付ブラケット8の左端部にサイドスポイラ6の左端部に向かって突出して上下方向に延びる第1突起部8bを形成している。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体後部に設けられた開口部と、アウタパネルとこのアウタパネルの内面側に連結されたインナパネルとを有すると共に前記開口部を開閉可能なバックドアと、前記アウタパネルの車幅方向外側部分の外面側に配設された上下方向に延びるサイドスポイラと、前記インナパネルの車幅方向外側部分の内面側に装着された取付ブラケットと、この取付ブラケットを介して装着され上下方向に延びる異物挟み込み検知用タッチセンサとを備えた車両の後部車体構造において、
前記バックドアの車幅方向外側端部が前記開口部の内周縁部近傍位置まで延設され、前記サイドスポイラの車幅方向外側端部が前記バックドアの車幅方向外側端部よりも車幅方向外側まで延設されると共に、前記取付ブラケットの車幅方向外側端部に前記サイドスポイラの車幅方向外側端部に向かって突出して上下方向に延びる第1突起部を形成したことを特徴とする車両の後部車体構造。
【請求項2】
前記インナパネルの車幅方向外側部分は、前記アウタパネルに連結されると共に車幅方向内側に延びる第1面部と、前記第1面部の車幅方向内側端部から車幅方向内側前方に延びる第2面部と、前記第2面部の車幅方向内側端部から車幅方向内側に延びると共に前記取付ブラケットが装着される第3面部とを有し、
前記第1突起部は、前記第3面部の車幅方向外側の延長面近傍位置まで突出していることを特徴とする請求項1に記載の車両の後部車体構造。
【請求項3】
前記取付ブラケットは、前記第3面部の車幅方向外側端部よりも車幅方向外側において上下方向に延びる第2突起部を有することを特徴とする請求項2に記載の車両の後部車体構造。
【請求項4】
前記サイドスポイラは、前記開口部の後端に連なる後面部の延長面に連なるように構成された本体部と、前記本体部の車幅方向外側端部から内面側に屈曲した屈曲部とを有し、
前記屈曲部の車幅方向外側端部は、前記バックドアの車幅方向外側端部近傍位置に形成されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両の後部車体構造。
【請求項5】
前記第1突起部の車幅方向外側端部は、前記屈曲部の車幅方向外側端部近傍位置に形成されたことを特徴とする請求項4に記載の車両の後部車体構造。
【請求項6】
前記サイドスポイラの車幅方向外側端部は、前記第3面部の車幅方向外側の延長面に交差するように形成されたことを特徴とする請求項2に記載の車両の後部車体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部を開閉可能なバックドアと、このバックドアに取付ブラケットを介して装着された異物挟み込み検知用タッチセンサとを備えた車両の後部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ハッチバック型車両のバックドア(リフトゲートとも言う。)は、車体上部に固定されたヒンジを介して上下方向に回動可能に取り付けられており、車体後部の開口部を開閉可能に構成されている。このバックドアには、運動性能向上及び燃費改善のため、空気抵抗を低減するリヤスポイラが装備されている。リヤスポイラは、リヤウインドガラスの上端側部分を覆うルーフスポイラと、このルーフスポイラの左右両端部からバックドアに沿って下方に延びる左右1対のサイドスポイラとから構成されている。
【0003】
また、近年、ハッチバック型車両のバックドアでは、乗員の利便性を向上するため、モータ等の駆動力でバックドアを開閉駆動するパワーリフトゲート装置を採用している。
このパワーリフトゲート装置では、バックドアの内面側端部に圧電センサからなるタッチセンサを設け、バックドアの閉操作時、閉方向へ移動するバックドアと車体開口部との間において荷物等の異物の挟み込みを圧電センサの変位として検出している。
【0004】
特許文献1のガーニッシュ及びタッチセンサの取り付け構造は、アウタパネルとこのアウタパネルの内面側に連結されたインナパネルとを有すると共に開口部を開閉可能なバックドアと、このバックドアの内面側に取付ブラケットを介して装着された異物挟み込み検知用タッチセンサとを備え、バックドアの車幅方向外側端部が開口部の内周縁部から車幅方向内側に離隔して形成され、インナパネルの車幅方向外側部分は、アウタパネルに連結された第1面部と、第1面部の車幅方向内側端部から車幅方向内側前方に延びると共に取付ブラケットが装着された第2面部と、第2面部の車幅方向内側端部から車幅方向内側に延びる第3面部とを有し、タッチセンサが取付ブラケットの車幅方向外側端部に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016−022760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のガーニッシュ及びタッチセンサの取り付け構造は、サイドスポイラの車幅方向外側端部と取付ブラケットの車幅方向外側端部が近接配置されているため、バックドアの開操作時、構造上、取付ブラケットとサイドスポイラとの隙間からバックドアの構造部品(フレーム或いは補強部材等)が視認されることがない。
しかし、特許文献1の技術では、バックドアの車幅方向外側端部が開口部の内周縁部から離隔して形成されているため、車両の仕様によっては、バックドアの開操作時、見栄えの悪化によって商品性が低下する虞がある。
【0007】
タッチセンサを装着しない仕様(グレード)では、基本的に、取付ブラケットが省略される。そして、取付ブラケットが省略された場合、バックドアの開操作時、サイドスポイラのアウタ部材(意匠部)の裏側に配置されたインナ部材(基部)が乗員に視認可能な状態になって表面に露出されるため、乗員に煩雑感を与え、見栄えの悪化を招く。
そこで、バックドアの車幅方向外側端部を開口部の内周縁部近傍位置まで延設することが考えられる。この場合、バックドアの車幅方向外側端部が、サイドスポイラのインナ部材の内面側を覆っているため、バックドアから取付ブラケットを省略してもインナ部材の外部への露出を回避することができる。
【0008】
しかし、バックドアの車幅方向外側端部を開口部の内周縁部近傍位置まで延設した場合、タッチセンサを装着する仕様であっても、別の要因から見栄えの悪化を招く虞がある。
つまり、バックドアの開操作時、取付ブラケットとサイドスポイラとの隙間からバックドア自身が視認される可能性があり、特に、バックドアのボディ色が高明度である場合や、周囲の色と反対色の場合には、乗員の視認性が高くなり違和感が顕著になる。
即ち、開操作時におけるバックドアの見栄え悪化を仕様に拘らず回避することは容易ではない。
【0009】
本発明の目的は、開操作時におけるバックドアの見栄え悪化を仕様に拘らず回避可能な車両の後部車体構造等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の車両の後部車体構造は、車体後部に設けられた開口部と、アウタパネルとこのアウタパネルの内面側に連結されたインナパネルとを有すると共に前記開口部を開閉可能なバックドアと、前記アウタパネルの車幅方向外側部分の外面側に配設された上下方向に延びるサイドスポイラと、前記インナパネルの車幅方向外側部分の内面側に装着された取付ブラケットと、この取付ブラケットを介して装着され上下方向に延びる異物挟み込み検知用タッチセンサとを備えた車両の後部車体構造において、前記バックドアの車幅方向外側端部が前記開口部の内周縁部近傍位置まで延設され、前記サイドスポイラの車幅方向外側端部が前記バックドアの車幅方向外側端部よりも車幅方向外側まで延設されると共に、前記取付ブラケットの車幅方向外側端部に前記サイドスポイラの車幅方向外側端部に向かって突出して上下方向に延びる第1突起部を形成したことを特徴としている。
【0011】
この車両の後部車体構造では、前記バックドアの車幅方向外側端部が前記開口部の内周縁部近傍位置まで延設されているため、仕様の変更により取付ブラケットが省略されたとしても、バックドアの開操作時、サイドスポイラのインナ部材の露出を回避できる。
前記サイドスポイラの車幅方向外側端部が前記バックドアの車幅方向外側端部よりも車幅方向外側まで延設されているため、サイドスポイラと開口部の後端に連なる後面部との連続性を確保することができ、バックドアの閉操作時における車体後部のデザイン性を向上することができる。前記取付ブラケットの車幅方向外側端部に前記サイドスポイラの車幅方向外側端部に向かって突出して上下方向に延びる第1突起部を形成したため、取付ブラケットとサイドスポイラとの隙間を介して視認されるバックドアの構成部材(ボディ色)を取付ブラケットの第1突起部を用いて遮ることができ、バックドアの開操作時における見栄え悪化を回避することができる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記インナパネルの車幅方向外側部分は、前記アウタパネルに連結されると共に車幅方向内側に延びる第1面部と、前記第1面部の車幅方向内側端部から車幅方向内側前方に延びる第2面部と、前記第2面部の車幅方向内側端部から車幅方向内側に延びると共に前記取付ブラケットが装着される第3面部とを有し、前記第1突起部は、前記第3面部の車幅方向外側の延長面近傍位置まで突出していることを特徴としている。この構成によれば、バックドアの骨格部及び取付ブラケットの装着穴をプレス加工で同時形成でき、取付ブラケットとサイドスポイラとの隙間を介した第3面部の視認を回避することができる。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記取付ブラケットは、前記第3面部の車幅方向外側端部よりも車幅方向外側において上下方向に延びる第2突起部を有することを特徴としている。この構成によれば、取付ブラケットとサイドスポイラとの隙間を介した第3面部の視認を確実に回避することができる。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記サイドスポイラは、前記開口部の後端に連なる後面部の延長面に連なるように構成された本体部と、前記本体部の車幅方向外側端部から内面側に屈曲した屈曲部とを有し、前記屈曲部の車幅方向外側端部は、前記バックドアの車幅方向外側端部近傍位置に形成されたことを特徴としている。この構成によれば、バックドアの閉操作時、サイドスポイラと開口部の後端に連なる後面部との隙を詰めることができ、車体後部のデザイン性を向上することができる。
【0015】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記第1突起部の車幅方向外側端部は、前記屈曲部の車幅方向外側端部近傍位置に形成されたことを特徴としている。この構成によれば、取付ブラケットとサイドスポイラとの隙間を小さくすることができ、仕様に拘らずバックドアの開操作時における見栄え悪化を確実に回避することができる。
【0016】
請求項6の発明は、請求項2の発明において、前記サイドスポイラの車幅方向外側端部は、前記第3面部の車幅方向外側の延長面に交差するように形成されたことを特徴としている。この構成によれば、取付ブラケットとサイドスポイラとの隙間を小さくすることができ、バックドアの閉操作時における見栄えを向上することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の車両の後部車体構造によれば、取付ブラケットとサイドスポイラとの隙間を介して視認されるバックドアの構成部材を取付ブラケットを用いて遮ることにより、開操作時におけるバックドアの見栄え悪化を仕様に拘らず回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施例1に係る後部車体構造を備えた車両の要部側面図である。
図2】後部車体構造を示す要部平面図である。
図3】バックドアを前方から視た要部正面図である。
図4】インナパネルと取付ブラケットを示す要部分解斜視図である。
図5図1のV-V線断面図である。
図6図1のVI-VI線断面図である。
図7図1のVII-VII線断面図である。
図8図1のVIII-VIII線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【実施例1】
【0020】
以下、本発明の実施例1について図1図8に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施例1に係る車両Vは、4ドアハッチバック型乗用車であり、ルーフ部から車体後部のバックドア1にかけて流線形をなしている。
バックドア1は、車体後部を後方から開閉自在に覆うように構成され、車両Vの車体後部に形成された開口部22(図5図8参照)をリヤヘッダ後部に固定されたヒンジ24(図3参照)を回動中心として上下回動可能に構成されている。
【0021】
図2に示すように、車両Vの後壁に相当する後面部21は、平面視にて、車幅方向中央部分が突出した略円弧状に構成されている。図5図8に示すように、車体後部に設けられた開口部22は、その後端部分(枠部分)を形成する内周縁部22aが後面部21の後端部に連なっている。以下、図において、矢印F方向は前方、矢印L方向は左方、矢印U方向は上方を夫々示すものとして説明する。また、車外方向を外面側、車内方向を内面側として説明する。
【0022】
図1図3に示すように、バックドア1は、車外側に配置された外壁に相当するアウタパネル2と、このアウタパネル2に接合されて車内側に配置された内壁に相当するインナパネル3と、リヤウインドガラス4等を備えている。更に、このバックドア1には、車体上部において左右に延びるルーフスポイラ5と、このルーフスポイラ5の左右両端部から後側下方に延びる左右1対のサイドスポイラ6と、左右1対の異物挟み込み検知用タッチセンサ7等が装着されている。
【0023】
まず、アウタパネル2及びインナパネル3について説明する。
図1に示すように、アウタパネル2は、側面視にて、上端部から後側下方に延びる鋼板製アッパパネルと、このアッパパネルの下端から下方に延びる鋼板製ロアパネルとから2分割形成されている。アウタパネル2の左右両下端部には、テールランプ及びブレーキランプからなるランプユニットを装着するための切欠部を設けられている。アッパパネルとロアパネルは、鋼鈑をプレス加工することにより夫々成形されている。
アウタパネル2の外周縁部が折り返され、この折り返し部分にインナパネル3の外周縁部を挟み込む、所謂ヘミング加工によってアウタパネル2とインナパネル3とが連結される。
【0024】
インナパネル3は、単一の鋼鈑をプレス加工することにより成形されている。
図3図4に示すように、インナパネル3は、上側水平骨格部9と、下側水平骨格部(図示略)と、これら両水平骨格部の左端部同士及び右端部同士を夫々連結する左右1対の側部骨格部10等を備えている。各骨格部9,10は、前方に膨出することによりアウタパネル2と協働して部分的に閉断面部を形成している。尚、インナパネル3を含めてバックドア1は、左右対称構造であるため、以下、各部材の左側構造、及び左右1対の部材の場合、左側部材の構造について主に説明する。
【0025】
図5図8に示すように、側部骨格部10の左端部は、開口部22の内周縁部22a近傍位置に配設され、第1面部11と、第2面部12と、第3面部13等を備えている。
第1面部11は、ヘミング加工によりアウタパネル2に連結されると共に左端部から右側に延びている。第2面部12は、第1面部11の右端部から右側前方に傾斜状に延びている。第3面部13は、第2面部12の右端部から右側に延びている。これら第1面部11、第2面部12、及び第3面部13は、閉断面部の一部を構成している。
側部骨格部10の右端部は、アウタパネル2と重ね合わせ接合され、略台形状のリヤウインド開口部23を形成している。符号25は、ダンパ装置に連結するためのボールジョイントである。
【0026】
次に、ルーフスポイラ5及び1対のサイドスポイラ6について説明する。
図1図2に示すように、合成樹脂製(例えば、ABS製)のルーフスポイラ5は、側面視にて、リヤウインドガラス4の上端側部分を覆うように、ルーフパネルの後端部に連なり、アウタパネル2の上端部から後方に張り出すように構成されている。このルーフスポイラ5は、ルーフパネル上を流れる走行風を剥離させるため、リヤウインドガラス4からの上下方向距離が後側程大きくなるように形成されている。
【0027】
1対のサイドスポイラ6は、車体側面を流れる走行風を剥離させるものである。
サイドスポイラ6は、ルーフスポイラ5と同様に、合成樹脂材料で成形され、ルーフスポイラ5の左右両端部からアウタパネル2に沿って下方に延設されると共に各々下側程幅が狭くなるように構成されている。
【0028】
図5図7に示すように、サイドスポイラ6は、意匠部を含むアウタ部材31と、サイドスポイラ6の基部に相当すると共にアウタ部材31を支持してアウタ部材31に剛性を付与するインナ部材32と、このインナ部材32をアウタパネル2に固定する複数のファスナ33を主な構成要素としている。これにより、サイドスポイラ6の仕様を変更する際、アウタ部材31のみを変更してインナ部材32を流用することができる。
【0029】
アウタ部材31は、本体部31aと、この本体部31aの左端部から直線状に延びる稜線を介して内面側に屈曲した屈曲部31bと、本体部31aの右端部から直線状に延びる稜線を介して内面側に屈曲した屈曲部31cとを一体的に備えている。
本体部31aは、後面部21の右方向に延びる延長面に連なるように構成されている。屈曲部31bの左端部は、バックドア1(側部骨格部10)の左端部と開口部22の内周縁部22aとの間に形成された隙間に介設されている。具体的には、屈曲部31bの左端部は、第3面部13の左側延長面fに交差するように形成されている。屈曲部31cの左端部は、シール材を介してリヤウインドガラス4に当接している。
【0030】
インナ部材32は、アウタ部材31の内面側に部分的に当接して複数個所で係合連結されている。図6に示すように、インナ部材32には、複数のファスナ33が設けられている。ファスナ33は、基部がインナ部材32に支持され、先端に形成された係合部がアウタパネル2に形成された開口部2hに係合されている。これにより、サイドスポイラ6が、アウタパネル2に装着される。
【0031】
次に、タッチセンサ7について説明する。
この車両Vは、モータと、このモータを制御する制御装置とを備えたパワーリフトゲート装置を搭載している(何れも図示略)。具体的には、バックドア1が、制御装置に制御されるモータによりヒンジ24の水平軸回りに上下方向に回転駆動される。
制御装置には、タッチセンサ7が電気的に接続されている。タッチセンサ7は、例えば、シリコンやエラストマ等のゴム系発泡材で形成されたプロテクタと、このプロテクタ内に形成された中空部に収容された圧電センサ等によって構成されている。
【0032】
バックドア1の閉操作時、バックドア1と開口部22の内周縁部22aとの間に人体の手或いは荷物等の異物が挟み込まれた場合、異物を挟み込んだ部分の圧電センサが撓んで短絡するため、タッチセンサ7を流れる電流値の変化を用いて異物の挟み込みを検知している。そして、制御装置は、異物の挟み込みを検知した場合、バックドア1の閉作動を開作動に転換させる。
【0033】
図3図8に示すように、タッチセンサ7は、取付ブラケット8を介してインナパネル3(側部骨格部10)の左側部分の内面側に装着されている。このタッチセンサ7は、上側水平骨格部9に対応した位置からリヤウインド開口部23の下端よりも下側位置までインナパネル3の左端部に沿って上下方向に延びるように配索されている。
取付ブラケット8は、合成樹脂材料で成形され、タッチセンサ7が取り付けられた長尺状の本体部8aと、この本体部8aの左端部に形成された第1突起部8bと、この第1突起部8bよりも右方に形成された第2突起部8c等を一体的に備えている。
【0034】
本体部8aは、タッチセンサ7に対応するように、上側水平骨格部9に対応した位置からリヤウインド開口部23の下端よりも下側位置に亙って上下に延びるように設けられ、側部骨格部10の第3面部13の左側部分、第2面部12、及び第1面部11の内面側を覆うように配設されている。
【0035】
本体部8aには、上下方向に4つの開口部8hが等間隔に形成されている。同様に、第3面部13にも、4つの開口部8hに対応した4つの開口部13hが形成されている。
本体部8aと第3面部13は、開口部8hと開口部13hを夫々重畳させた状態で、ファスナ41及びボルト42を介して連結されている。図4図5に示すように、上側2つの開口部8h,13hはファスナ41により固定されている。図4図7に示すように、下側2つの開口部8h,13hはボルト42により締結されている。尚、下側2つの開口部13hの外面側には、合成樹脂製のナット43が固着されている。
【0036】
図4図8に示すように、第1突起部8bは、本体部8aの上端から下端に亙って延設されると共に、本体部8aの左端部から左側後方に突出している。第1突起部8bの先端部(左端部)は、第3面部13の左側延長面fの近傍位置まで突出形成されている。
タッチセンサ7は、本体部8aの内面側(前側)且つ第1突起部8bの右側に隣接した位置に装着されている。
【0037】
本実施態様では、第1突起部8bの先端部を、屈曲部31b(サイドスポイラ6)の先端部(左端部)に部分的に対向した近傍位置に配設している。これにより、第1突起部8bと屈曲部31bが形成する隙間を最小限に抑えているため、例えば、サイドスポイラ6と取付ブラケット8が黒色、バックドア1のボディ色が高明度の赤色であっても、バックドア1の開操作時、乗員によって第1突起部8bと屈曲部31bの隙間からボディ色が視認される可能性を低くしている。
【0038】
図4図7に示すように、第2突起部8cは、本体部8aの上端から中段部下方(下側2つの開口部8hの中間)位置に亙って延設され、第1面部11の右端部近傍位置から第3面部13の左端部までの範囲に形成されている。この第2突起部8cは、第3面部13の左側延長面fの近傍位置まで後側上方に向かって突出している。
これにより、サイドスポイラ6と取付ブラケット8との隙間を介した第3面部13の視認を確実に回避している。
【0039】
図4図7に示すように、本体部8aの中段部外面側には、左右1対の第3突起部8dが形成されている。1対の第3突起部8dは、上から3番目の開口部8hを間に介して第2突起部8cよりも右側領域に配置されている。取付ブラケット8をインナパネル3に装着する際、ボルト42の締結力によって第3突起部8dの先端部が第3面部13に当接して押圧される。
【0040】
次に、後部車体構造の作用、効果について説明する。
この後部車体構造によれば、バックドア1の左端部が開口部22の内周縁部22a近傍位置まで延設されているため、仕様の変更により取付ブラケット8が省略されたとしても、バックドア1の開操作時、サイドスポイラ6のインナ部材32の露出を回避できる。
サイドスポイラ6の左端部がバックドア1の左端部よりも車幅方向外側まで延設されているため、サイドスポイラ6と開口部22の後端に連なる後面部21との連続性を確保することができ、バックドア1の閉操作時における車体後部のデザイン性を向上することができる。取付ブラケット8の左端部にサイドスポイラ6の左端部に向かって突出して上下方向に延びる第1突起部8bを形成したため、取付ブラケット8とサイドスポイラ6との隙間を介して視認されるバックドア1の構成部材(例えば、ボディ色)を取付ブラケット8の第1突起部8bを用いて遮ることができ、バックドア1の開操作時における見栄え悪化を回避することができる。
【0041】
インナパネル3の左側部分は、アウタパネルに連結されると共に右側に延びる第1面部11と、第1面部11の右端部から右側前方に延びる第2面部12と、第2面部12の右端部から右側に延びると共に取付ブラケット8が装着される第3面部13とを有し、第1突起部8bは、第3面部13の左側の延長面fの近傍位置まで突出している。これにより、インナパネル3の側部骨格部10及び取付ブラケット8の装着用開口部13hをプレス加工で同時形成でき、取付ブラケット8とサイドスポイラ6との隙間を介した第3面部13の視認を回避することができる。
【0042】
取付ブラケット8は、第3面部13の左端部よりも左側において上下方向に延びる第2突起部8cを有するため、取付ブラケット8とサイドスポイラ6との隙間を介した第3面部13の視認を確実に回避することができる。
【0043】
サイドスポイラ6は、開口部22の後端に連なる後面部21の延長面に連なるように構成された本体部31aと、本体部31aの左端部から内面側に屈曲した屈曲部31bとを有し、屈曲部31bの左端部は、バックドア1の左端部近傍位置に形成されたため、バックドア1の閉操作時、サイドスポイラ6と開口部22の後端に連なる後面部21との隙を詰めることができ、車体後部のデザイン性を向上することができる。
【0044】
第1突起部8bの左端部は、屈曲部31bの左端部近傍位置に形成されたため、取付ブラケット8とサイドスポイラ6との隙間を小さくすることができ、仕様に拘らずバックドア1の開操作時における見栄え悪化を確実に回避することができる。
【0045】
サイドスポイラ6の屈曲部31bの左端部は、第3面部13の延長面fに交差するように形成されたため、取付ブラケット8とサイドスポイラ6との隙間を小さくすることができ、バックドア1の閉操作時における見栄えを向上することができる。
【0046】
次に、前記実施形態を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施形態においては、1対の側部骨格部10に設置された1対のタッチセンサ7の例を説明したが、タッチセンサ7の形態には関らない。つまり、単一のタッチセンサを用いて1対の側部骨格部10の挟み込み検知を行っても良い。
【0047】
2〕前記実施形態においては、第1面部11、第2面部12、及び第3面部13が閉断面部の一部を構成しているバックドアの例を説明したが、必ずしも閉断面部の一部を構成する必要はなく、第1面部11、第2面部12、及び第3面部13が開断面部の一部を構成しても良い。
【0048】
3〕前記実施形態においては、取付ブラケット8とサイドスポイラ6が黒色である例を説明したが、必ずしも黒色である必要はなく、取付ブラケット8とサイドスポイラ6の色彩に拘らず本発明の効果を奏することが可能である。
【0049】
4〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態や各実施形態を組み合わせた形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
【符号の説明】
【0050】
1 バックドア
2 アウタパネル
3 インナパネル
6 サイドスポイラ
7 タッチセンサ
8 取付ブラケット
8b 第1突起部
8c 第2突起部
11 第1面部
12 第2面部
13 第3面部
21 後面部
22 開口部
22a 内周縁部
31a 本体部
31b 屈曲部
V 車両
図1
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図8