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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-160562(P2021-160562A)
(43)【公開日】2021年10月11日
(54)【発明の名称】車両のバックドア構造
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/10 20060101AFI20210913BHJP
【FI】
   B60J5/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-64329(P2020-64329)
(22)【出願日】2020年3月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】宮川 誠
(72)【発明者】
【氏名】西山 聖也
(72)【発明者】
【氏名】岩谷 英俊
(57)【要約】
【課題】デザイン性能と乗り心地感とを両立することができる車両のバックドア構造を提供する。
【解決手段】上端部から後側下方に延びる上半部とこの上半部の下端に形成された左右に延びるアウタ屈曲部11から下方に延びる下半部とからなるアウタパネル2と、アウタパネルの内面側に連結されたインナパネル3とを備え、インナパネル3は、前方に膨出してインナパネル3の外周縁部を囲繞する上下1対の水平骨格部31,32及び左右1対の側部骨格部33と、前方に膨出して1対の側部骨格部33をアウタ屈曲部11と略同じ高さ位置で車幅方向に連結する横中間骨格部34とが形成され、横中間骨格部34は、後方に凹入すると共に正面視にてアウタ屈曲部11を跨いで上下方向に延びる第1ビード部34s,34tを車幅方向に複数有する。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体上下方向上端部から車体前後方向後側下方に延びる上半部とこの上半部の下端に形成された車幅方向に延びるアウタ屈曲部から下方に延びる下半部とからなるアウタパネルと、このアウタパネルの内面側に連結されたインナパネルとを備えた車両のバックドア構造において、
前記インナパネルは、前方に膨出してインナパネルの外周縁部を囲繞する上下1対の水平骨格部及び左右1対の側部骨格部と、前方に膨出して前記1対の側部骨格部を前記アウタ屈曲部と略同じ高さ位置で車幅方向に連結する横中間骨格部とが形成され、
前記横中間骨格部は、後方に凹入すると共に正面視にて前記アウタ屈曲部を跨いで上下方向に延びる第1ビード部を車幅方向に複数有することを特徴とする車両のバックドア構造。
【請求項2】
前記インナパネルは、前記横中間骨格部と下側水平骨格部の間に形成された開口部と、前記1対の側部骨格部より車幅方向中央側で且つ前記開口部の左右両側近傍部に前方に膨出して前記横中間骨格部と下側水平骨格部を連結する1対の縦中間骨格部とを有することを特徴とする請求項1に記載の車両のバックドア構造。
【請求項3】
前記第1ビード部は、前記開口部の車幅方向外側縁部に連なるように設けられたことを特徴とする請求項2に記載の車両のバックドア構造。
【請求項4】
前記縦中間骨格部は、後方に凹入すると共に前記縦中間骨格部に沿って延びる第2ビード部を有し、
前記第2ビード部は、前記第1ビード部に連なるように設けられたことを特徴とする請求項2に記載の車両のバックドア構造。
【請求項5】
前記1対の縦中間骨格部の車幅方向間隔が上側程広くなるように形成され、
前記第1ビード部は、正面視にて前記アウタ屈曲部に直交するように設けられたことを特徴とする請求項4に記載の車両のバックドア構造。
【請求項6】
前記アウタ屈曲部よりも上側位置にリヤウインドガラスを有し、
前記横中間骨格部の車幅方向中央部分にリヤワイパ駆動装置が取り付けられるワイパ取付部が形成され、
前記ワイパ取付部に前方に突出すると共に前記第1ビード部に連なり上下方向に延びる凸状ビード部を設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両のバックドア構造。
【請求項7】
前記アウタパネルが、後側下方に延びる後面部とこの後面部下端から前側下方に延びる第1傾斜部を有するアッパパネルと、前記第1傾斜部に重ね合わせて接合され前側下方に延びる第2傾斜部とこの第2傾斜部の下端である下側アウタ屈曲部から下方に延びる鉛直部とにより構成され、前記第1ビード部は前記アウタ屈曲部及び下側屈曲部を跨いで上下方向に延びることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の車両のバックドア構造。
【請求項8】
前記第1傾斜部、第2傾斜部及び鉛直部上部を後方から覆うガーニッシュを有し、
前記鉛直部上部から前記下側アウタ屈曲部を介し前記第2傾斜部に亙って後方及び後方下方に突出すると共に上下方向に延びる複数のアウタビード部を設けたことを特徴とする請求項7に記載の車両のバックドア構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アウタパネルと、このアウタパネルの内面側に連結されたインナパネルとを備えた車両のバックドア構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ハッチバック型車両のバックドア(リフトゲートとも言う。)は、車体上部に固定されたヒンジを介して上下方向に揺動可能に取り付けられており、車両後部の開口部を開閉可能に構成されている。バックドアは、乗り心地の観点から、車両走行時の路面振動に対して変形せず、また、車体構成部材として形状が変化しないことに加えて、各種装備品を支持するための支持剛性が求められる。それ故、バックドアを構成するバックドア構成部材には、高い剛性が要求されている。
【0003】
特許文献1の車両のバックドア構造は、上端部から後側下方に延びるアウタパネルと、このアウタパネルの内面側に連結されたインナパネルとを備え、インナパネルには、インナパネルの車幅方向外側縁部から前方に夫々突出した左右1対の側辺部(側部骨格部)と、車幅方向に延びて1対の側辺部の下端部を連結する前方突出状の第1のビード部と、第1のビード部の中間部と1対の側辺部の上部を夫々連結する左右1対の前方突出状の第2のビード部と、車幅方向に延びて1対の第2のビード部の中間部を夫々連結する前方突出状の第3のビード部とが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−097858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の車両のバックドア構造によれば、バックドア開閉時にガススプリング取付部及びラッチ取付部に集中する荷重を、インナパネル全域を用いて分散することができる。
しかし、特許文献1の技術では、デザイン性能と乗り心地感とを十分には両立できない虞がある。デザイン面の要求から、アウタパネルの中段部に車幅方向に延びる屈曲部が形成される状況、例えば、アウタパネルの中段部に車幅方向に延びる装飾用ガーニッシュを装着する状況では、アウタパネルの中段部にガーニッシュを配置(収容)するスペースを確保するため、アウタパネルの構造上、中段部に段差状(クランク状)の屈曲部を形成する必要がある。
【0006】
アウタパネルの中段部に屈曲部が形成された場合、アウタパネルは屈曲部において剛性が低下しているため、屈曲部よりも下側部分が車両走行時の路面振動に共振して前後振動する。この共振に起因したアウタパネルの前後振動により、室内騒音等が生じ、乗員の乗り心地感が悪化する虞がある。特に、車幅寸法が大きいバックドアを採用する際には、屈曲部よりも下側に位置するアウタパネル重量が増加するため、振動の増大が懸念される。
即ち、車両のバックドアにおいて、デザイン性能と乗り心地感との両立は容易ではない。
【0007】
本発明の目的は、デザイン性能と乗り心地感とを両立可能な車両のバックドア構造等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の車両のバックドア構造は、車体上下方向上端部から車体前後方向後側下方に延びる上半部とこの上半部の下端に形成された車幅方向に延びるアウタ屈曲部から下方に延びる下半部とからなるアウタパネルと、このアウタパネルの内面側に連結されたインナパネルとを備えた車両のバックドア構造において、前記インナパネルは、前方に膨出してインナパネルの外周縁部を囲繞する上下1対の水平骨格部及び左右1対の側部骨格部と、前方に膨出して前記1対の側部骨格部を前記アウタ屈曲部と略同じ高さ位置で車幅方向に連結する横中間骨格部が形成され、前記横中間骨格部は、後方に凹入すると共に正面視にて前記アウタ屈曲部を跨いで上下方向に延びる第1ビード部を車幅方向に複数有することを特徴としている。
【0009】
この車両のバックドア構造では、車体上下方向上端部から車体前後方向後側下方に延びる上半部とこの上半部の下端に形成された車幅方向に延びるアウタ屈曲部から下方に延びる下半部とからなるアウタパネルを有するため、外観のデザイン自由度を増加できる。
前記インナパネルは、前方に膨出してインナパネルの外周縁部を囲繞する上下1対の水平骨格部及び左右1対の側部骨格部と、前方に膨出して前記1対の側部骨格部を前記アウタ屈曲部と略同じ高さ位置で車幅方向に連結する横中間骨格部とが形成されているため、別途補強部材を必要とすることなく、骨格部の断面係数を大きくしてインナパネル剛性を増すことができる。前記横中間骨格部は、後方に凹入すると共に正面視にて前記アウタ屈曲部を跨いで上下方向に延びる第1ビード部を車幅方向に複数有するため、第1ビード部のビード効果を用いてアウタ屈曲部を基点とするバックドアの変形を抑制することができ、アウタ屈曲部を有するアウタパネルの剛性を横中間骨格部を介して間接的に高くすることができる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記インナパネルは、前記横中間骨格部と下側水平骨格部の間に形成された開口部と、前記1対の側部骨格部より車幅方向中央側で且つ前記開口部の左右両側近傍部に前方に膨出して前記横中間骨格部と下側水平骨格部を連結する1対の縦中間骨格部とを有することを特徴としている。この構成によれば、インナパネルの軽量化を図りつつ、横中間骨格部に作用する荷重を1対の縦中間骨格部を介してインナパネル全域に分散させることができ、横中間骨格部を補強することができる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記第1ビード部は、前記開口部の車幅方向外側縁部に連なるように設けられたことを特徴としている。この構成によれば、第1ビード部に作用する荷重を開口部の車幅方向外側縁部を介して分散させることができ、横中間骨格部を補強することができる。
【0012】
請求項4の発明は、請求項2の発明において、前記縦中間骨格部は、後方に凹入すると共に前記縦中間骨格部に沿って延びる第2ビード部を有し、前記第2ビード部は、前記第1ビード部に連なるように設けられたことを特徴としている。この構成によれば、第1ビード部に作用する荷重を第2ビード部を介して縦中間骨格部に分散させることができ、横中間骨格部を補強することができる。
【0013】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記1対の縦中間骨格部の車幅方向間隔が上側程広くなるように形成され、前記第1ビード部は、正面視にて前記アウタ屈曲部に直交するように設けられたことを特徴としている。この構成によれば、第2ビード部に連なる第1ビード部同士の間隔を確保することができ、横中間骨格部の補強を効率的に行うことができる。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れか1項の発明において、前記アウタ屈曲部よりも上側位置にリヤウインドガラスを有し、前記横中間骨格部の車幅方向中央部分にリヤワイパ駆動装置が取り付けられるワイパ取付部が形成され、前記ワイパ取付部に前方に突出すると共に前記第1ビード部に連なり上下方向に延びる凸状ビード部を設けたことを特徴としている。この構成によれば、第1ビード部の荷重分散効果を高めつつ、ワイパ取付部を形成することができる。
【0015】
請求項7の発明は、請求項1〜6の何れか1項の発明において、前記アウタパネルが、後側下方に延びる後面部とこの後面部下端から前側下方に延びる第1傾斜部を有するアッパパネルと、前記第1傾斜部に重ね合わせて接合され前側下方に延びる第2傾斜部とこの第2傾斜部の下端である下側アウタ屈曲部から下方に延びる鉛直部とにより構成され、前記第1ビード部は前記アウタ屈曲部及び下側屈曲部を跨いで上下方向に延びることを特徴としている。この構成によれば、アウタパネルが、アウタ屈曲部及び下側アウタ屈曲部を有する複雑な形状の場合であっても、アッパパネルとロアパネルに分割することで生産性を向上することができる。また、分割部分の重ね合わせ部の接合部に集中して荷重が作用し剛性不足になる懸念については、第1ビード部が重ね合わせ部分を跨いで上下方向に延びるため、その剛性を高くすることができる。
【0016】
請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記第1傾斜部、第2傾斜部及び鉛直部上部を後方から覆うガーニッシュを有し、前記鉛直部上部から前記下側アウタ屈曲部を介し前記第2傾斜部に亙って後方及び後方下方に突出すると共に上下方向に延びる複数のアウタビード部を設けたことを特徴としている。この構成によれば、特に下側アウタ屈曲部の剛性及びアッパパネルとロアパネルとの接合箇所付近の剛性を更に向上でき、ガーニッシュを備えた車両のデザイン性能と乗り心地感とを両立することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の車両のバックドア構造によれば、アウタ屈曲部を有するアウタパネルの剛性をインナパネルに設けたビード部を用いて高くすることにより、デザイン性能と乗り心地感とを両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施例1に係るバックドア構造を備えた車両の側面図である。
図2】バックドアを後方から視た分解斜視図である。
図3】ルーフスポイラ及びサイドスポイラを省略したバックドアを後方から視た正面図である。
図4図3からガーニッシュを省略した図である。
図5】アウタパネルの斜視図である。
図6】バックドアを前方から視た正面図である。
図7】ワイパ駆動装置を省略したバックドアを前方から視た正面図である。
図8図6のVIII-VIII線断面図である。
図9図7のIX-IX線断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【実施例1】
【0020】
以下、本発明の実施例1について図1図9に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施例1に係る車両Vは、4ドアハッチバック型乗用車であり、ルーフ部から車体後部のバックドア1にかけて流線形をなしている。
バックドア1は、車体後部を後方から開閉自在に覆うように構成され、車両Vの後部に設けられた開口部をリヤヘッダ後部に固定されたヒンジを回動中心として上下回動可能に形成されている(何れも図示略)。以下、図において、矢印F方向は前方、矢印L方向は左方、矢印U方向は上方を夫々示すものとして説明する。
【0021】
図2に示すように、バックドア1は、車外側に配置された外壁に相当するアウタパネル2と、このアウタパネル2に接合されて車内側に配置された内壁に相当するインナパネル3と、リヤウインドガラス4等を備えている。更に、このバックドア1には、車体上部において左右に延びるルーフスポイラ5と、このルーフスポイラ5の左右端部から後側下方に延びる左右1対のサイドスポイラ6と、ワイパブレードやモータ等を含むワイパ駆動装置7等が装着されている。
【0022】
まず、アウタパネル2について説明する。
図5図8図9に示すように、アウタパネル2は、側面視にて、上端部から後側下方に延びる上半部と、この上半部の下端に形成された車幅方向に延びるアウタ屈曲部11から下方に延びる下半部とから構成されている。
図2図5図8図9に示すように、アウタパネル2は、鋼板製アッパパネル21と、鋼板製ロアパネル22とにより2分割形成されている。アッパパネル21とロアパネル22は、鋼鈑をプレス加工することにより夫々成形されている。
【0023】
アッパパネル21は、側面視にて、後側下方に緩湾曲上に延びる後面部21aと、この後面部21aの下端に相当するアウタ屈曲部11から前側下方に延びる第1傾斜部21b等により構成されている。アウタ屈曲部11は、断面略直角状の屈曲部によって構成され、平面視にて、中央部分が左右両端部分よりも後側に位置するように湾曲している。
後面部21aは、リヤウインドガラス4が装着される略台形状のウインド開口部24を有している。第1傾斜部21bの下端部には、車幅方向において等間隔で前方に膨出した部分楕円状の接合部21cが複数形成されている(図9参照)。
【0024】
図8図9に示すように、ロアパネル22は、前側下方に延びる第2傾斜部22aと、この第2傾斜部22aの下端に相当する下側アウタ屈曲部12から下方に延びる鉛直部22b等により構成されている。下側アウタ屈曲部12は、断面略鈍角状の屈曲部によって構成され、平面視にて、中央部分が左右両端部分よりも後側に位置するように湾曲している。第2傾斜部22aの後部上面は、第1傾斜部21bの前部下面に重畳され、第1傾斜部21bの接合部21cにおいてスポット溶接される。これにより、重畳部分のシール材(シーラ)と、鋼鈑重量を抑制している。
【0025】
鉛直部22bは、アウタ屈曲部11よりも前側で鉛直下方に延びる上側部分と、この上側部分よりも後方に張り出した下側部分によって構成されている。下側部分の車幅方向中央部分には、ライセンスプレート(図示略)を取り付けるためのライセンスプレート取付部22cが形成され、このライセンスプレート取付部22cは、他の領域に比べて前方に凹入している。鉛直部22b(上側部分)は、装飾用ガーニッシュ23と、複数のアウタビード22s等を備えている。
【0026】
図3図8図9に示すように、ガーニッシュ23は、合成樹脂材料で形成され、第1傾斜部21b、第2傾斜部22a及び鉛直部22bの上側部分の後面を覆うように構成されている。それ故、アウタ屈曲部11と下側アウタ屈曲部12の前後方向距離は、ガーニッシュ23を複数のファスナを介してロアパネル22に装着したとき、ガーニッシュ23が鉛直部22bに形成された上側部分(段差部)に収容されると共にアウタ屈曲部11とガーニッシュ23の後面が略同じ前後方向位置になるように設定されている。
【0027】
図4図5に示すように、複数、例えば8つのアウタビード22sは、鉛直部22bの上側部分且つ車幅方向中間部分に配設されている。これらアウタビード22sは、後方に突出すると共に、下側アウタ屈曲部12から鉛直下方に延びるように夫々形成されている。車幅方向中央部分には、4つのアウタビード22sが等間隔に配置され、これら4つのアウタビード22sから車幅方向外側に所定間隔離隔した左右両位置に2つのアウタビード22sが夫々配置されている。尚、後面部21aがアウタパネル2の上半部に相当し、第1,第2傾斜部21b,22a及び鉛直部22bがアウタパネル2の下半部に相当している。
【0028】
次に、インナパネル3について説明する。
インナパネル3は、単一の鋼鈑をプレス加工することにより成形されている。
図6図9に示すように、インナパネル3は、上下1対の水平骨格部31,32と、これら水平骨格部31,32の左端部同士及び右端部同士を夫々連結する左右1対の側部骨格部33と、1対の側部骨格部33の中段部を左右方向に連結する横中間骨格部34と、横中間骨格部34と下側水平骨格部32を連結すると共に上側程左右方向の間隔が増加する左右1対の縦中間骨格部35を備えている。各骨格部31〜35は、前方に膨出することによりアッパパネル21と協働して部分的に開放部を備えた不完全閉断面部を形成している。
【0029】
左右に延びる1対の水平骨格部31,32と上下に延びる1対の側部骨格部33は、協働してインナパネル3の外周縁部を略矩形状に囲繞している。上側水平骨格部31の下部と横中間骨格部34の上部及び1対の側部骨格部33の車幅方向内側端部上側部分は、リヤウインドガラス4が装着される略台形状のウインド開口部36を形成している。
横中間骨格部34と下側水平骨格部32の間で且つ1対の縦中間骨格部35の間には、逆台形状の軽量化用中央開口部37が設けられている。中央開口部37の左右両側縁部は、1対の縦中間骨格部35の車幅方向内側壁部が構成している。
【0030】
図6図7に示すように、1対の縦中間骨格部35に対して中央開口部37と反対側には、左右1対の軽量化用側部開口部38が形成されている。1対の側部開口部38には、側部開口部38を上下に区分するように、下側水平骨格部32と側部骨格部33の連結部分と縦中間骨格部35の中段部を連結する補強連結部38aが夫々設けられている。これら補強連結部38aは、下側水平骨格部32と側部骨格部33の連結部分と、横中間骨格部34の車幅方向中央部とを結ぶ延長線上に夫々形成され、車幅方向内側程高さ位置が高くなるように構成されている。
【0031】
図7図9に示すように、横中間骨格部34は、アウタ屈曲部11と下側アウタ屈曲部12の前方、換言すれば、同じ高さ位置に配設されている。
図6図7図9に示すように、横中間骨格部34は、鉛直状に上下に延びる左右1対の内側第1ビード部34sと、これら1対の内側第1ビード部34sを間に介して設けられると共に鉛直状に上下に延びる左右1対の外側第1ビード部34tを有している。
これら第1ビード部34s,34tは、後方に凹入すると共に正面視にてアウタ屈曲部11と下側アウタ屈曲部12に対して直交状で且つ上下に跨ぐように構成されている。
これにより、アウタ屈曲部11と下側アウタ屈曲部12を基点とするアウタパネル2(下半部)の変形を第1ビード部34s,34tのビード効果を用いて抑制している。
【0032】
横中間骨格部34の車幅方向中央部分には、上側2つ及び下側1つ、合計3つのワイパ取付部34aが形成されている。ワイパ駆動装置7は、取付ブラケット7aを介してワイパ取付部34aに固定されている。上側2つのうち右側のワイパ取付部34aには、前方に突出すると共に上下に延びる凸状ビード部34uが設けられている。取付ブラケット7aの右端部分は、凸状ビード部34uに締結部材を介して締結されている。
【0033】
図6図7図9に示すように、1対の内側第1ビード部34sは、中央開口部37の左右両側縁部に連なるように形成されている。これにより、内側第1ビード部34sに作用する荷重を中央開口部37の左右両側縁部を介して分散している。1対の内側第1ビード部34sのうち右側の内側第1ビード部34sは、上端が凸状ビード部34uの下端に連なり、下端が中央開口部37の右側縁部に連なっている。
【0034】
1対の縦中間骨格部35には、後方に凹入すると共に縦中間骨格部35に沿って延びる第2ビード部35sが夫々形成されている。1対の第2ビード部35sは、上端が横中間骨格部34に夫々連なり、下端が下側水平骨格部32近傍位置で夫々離隔している。
特に、第2ビード部35sの上端は、右側の外側第1ビード部34tの下端と連なるように構成されている。これにより、外側第1ビード部34tに作用する荷重を第2ビード部35sを介して縦中間骨格部35に分散している。
【0035】
次に、バックドア1の作用、効果について説明する。
このバックドア1によれば、上端部から後側下方に延びる上半部とこの上半部の下端に形成された左右に延びるアウタ屈曲部11から下方に延びる下半部とからなるアウタパネル2を有するため、外観のデザイン自由度を増加できる。
インナパネル3は、前方に膨出してインナパネル3の外周縁部を囲繞する上下1対の水平骨格部31,32及び左右1対の側部骨格部33と、前方に膨出して1対の側部骨格部33をアウタ屈曲部11と略同じ高さ位置で車幅方向に連結する横中間骨格部34とが形成されているため、別途補強部材を必要とすることなく、骨格部の断面係数を大きくしてインナパネル3の剛性を増すことができる。横中間骨格部34は、後方に凹入すると共に正面視にてアウタ屈曲部11を跨いで上下方向に延びる第1ビード部34s,34tを車幅方向に複数有するため、第1ビード部34s,34tのビード効果を用いてアウタ屈曲部11を基点とするバックドア1の変形を抑制することができ、アウタ屈曲部11を有するアウタパネル2の剛性を横中間骨格部34を介して間接的に高くすることができる。
【0036】
インナパネル3は、横中間骨格部34と下側水平骨格部32の間に形成された中央開口部37と、1対の側部骨格部33より車幅方向中央側で且つ中央開口部37の左右両側近傍部に前方に膨出して横中間骨格部34と下側水平骨格部32を連結する1対の縦中間骨格部35とを有するため、インナパネル3の軽量化を図りつつ、横中間骨格部34に作用する荷重を1対の縦中間骨格部35を介してインナパネル3全域に分散させることができ、横中間骨格部34を補強することができる。
【0037】
内側第1ビード部34sは、中央開口部37の側縁部に連なるように設けられているため、内側第1ビード部34sに作用する荷重を中央開口部37の側縁部を介して分散させることができ、横中間骨格部34を補強することができる。
【0038】
縦中間骨格部35は、後方に凹入すると共に縦中間骨格部35に沿って延びる第2ビード部35sを有し、第2ビード部35sは、外側第1ビード部34tに連なるように設けられているため、外側第1ビード部34tに作用する荷重を第2ビード部35sを介して縦中間骨格部35に分散させることができ、横中間骨格部34を補強することができる。
【0039】
1対の縦中間骨格部35の車幅方向間隔が上側程広くなるように形成され、外側第1ビード部34tは、正面視にてアウタ屈曲部11に直交するように設けられているため、第2ビード部35sに連なる外側第1ビード部34t同士の間隔を確保することができ、横中間骨格部34の補強を効率的に行うことができる。
【0040】
アウタ屈曲部11よりも上側位置にリヤウインドガラス4を有し、横中間骨格部34の車幅方向中央部分にリヤワイパ駆動装置7が取り付けられるワイパ取付部34aが形成され、ワイパ取付部34aに前方に突出すると共に内側第1ビード部34sに連なり上下方向に延びる凸状ビード部34uを設けたため、内側第1ビード部34sの荷重分散効果を高めつつ、ワイパ取付部34aを形成することができる。
【0041】
アウタパネル2が、後側下方に延びる後面部21aとこの後面部21a下端から前側下方に延びる第1傾斜部21bを有するアッパパネル21と、第1傾斜部21bに重ね合わせて接合され前側下方に延びる第2傾斜部22aとこの第2傾斜部22aの下端である下側アウタ屈曲部12から下方に延びる鉛直部22bを有するロアパネルとにより構成されている。これにより、アウタ屈曲部11及び下側アウタ屈曲部12を有する複雑な形状の場合でもアウタパネル2をアッパパネル21とロアパネル22に分割しているため生産性を向上できる。また、分割部分の重ね合わせ部の車幅方向に間隔を空けた接合部に集中して荷重が作用し剛性不足となる懸念については外側第1ビード34t及び内側第1ビード部34sが重ね合わせ部分を跨いで上下方向に延びるためその剛性を高くすることができる。
【0042】
第1傾斜部21b、第2傾斜部22a及び鉛直部22b上部を後方から覆うガーニッシュ23を有し、鉛直部22b上部から下側アウタ屈曲部12を介し第2傾斜部22aに亙って後方及び後方下方に突出すると共に上下方向に延びる複数のアウタビード部22sとを設けたため、特に下側アウタ屈曲部12の剛性及びアッパパネル21とロアパネル22との接合箇所付近の剛性を更に向上でき、ガーニッシュ23を備えた車両Vのデザイン性能と乗り心地感とを両立することができる。
【0043】
次に、前記実施形態を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施形態においては、横中間骨格部34に、4つの第1ビード部34s,34tを設けた例を説明したが、少なくとも、アウタ屈曲部11(下側アウタ屈曲部12)を跨いで上下方向に延びるビード部であれば良く、第1ビード部34sのみ、或いは第1ビード部34tのみであっても良い。また、ビード部は、単一でも良く、5つ以上設けても良い。
【0044】
2〕前記実施形態においては、アウタ屈曲部11及び下側アウタ屈曲部12を有するアウタパネル2の例を説明したが、少なくとも、1つの屈曲部を有するアウタパネルであれば本発明を適用可能であり、同様の効果を奏することができる。
【0045】
3〕前記実施形態においては、リヤヘッダ後部にヒンジを介して開閉可能に取り付けられたバックドアの例を説明したが、リヤピラー後部にヒンジを介して開閉可能に取り付けられたバックドアに適用することも可能である。
【0046】
4〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態や各実施形態を組み合わせた形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
【符号の説明】
【0047】
1 バックドア
2 アウタパネル
3 インナパネル
4 リヤウインドガラス
7 ワイパ駆動装置
11 アウタ屈曲部
12 下側アウタ屈曲部
21 アッパパネル
21a 後面部
21b 第1傾斜部
22 ロアパネル
22a 第2傾斜部
22b 鉛直部
22s アウタビード部
23 ガーニッシュ
31 上側水平骨格部
32 下側水平骨骨格部
33 側部骨格部
34 横中間骨格部
34a ワイパ取付部
34s 内側第1ビード部
34t 外側第1ビード部
34u 凸状ビード部
35 縦中間骨格部
35s 第2ビード部
37 中央開口部
V 車両
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