特開2021-160808(P2021-160808A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2021160808-多層容器 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-160808(P2021-160808A)
(43)【公開日】2021年10月11日
(54)【発明の名称】多層容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/00 20060101AFI20210913BHJP
   C08L 67/00 20060101ALI20210913BHJP
   B32B 1/02 20060101ALI20210913BHJP
   B32B 27/36 20060101ALI20210913BHJP
   B32B 27/18 20060101ALI20210913BHJP
【FI】
   B65D1/00 111
   C08L67/00
   B32B1/02
   B32B27/36
   B32B27/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2020-65849(P2020-65849)
(22)【出願日】2020年4月1日
(71)【出願人】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】加藤 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】江口 鉄明
(72)【発明者】
【氏名】倉橋 雄飛
【テーマコード(参考)】
3E033
4F100
4J002
【Fターム(参考)】
3E033BA07
3E033BA17
3E033BA18
3E033BA21
3E033BB08
3E033CA15
3E033FA03
4F100AK41A
4F100AK41B
4F100AK41C
4F100AK42A
4F100AK42B
4F100AK42C
4F100BA02
4F100BA03
4F100BA07
4F100DA01A
4F100GB16
4F100JB16A
4F100JD03A
4F100JD14A
4J002CF061
4J002DB006
4J002FD206
(57)【要約】
【課題】層間剥離を起こしにくく且つ酸素バリア性も良い多層容器を提供する。
【解決手段】本発明によれば、多層容器であって、第1の熱可塑性ポリエステル樹脂に酸素吸収剤が添加されてなる酸素吸収層を備え、前記第1の熱可塑性ポリエステル樹脂のIV値が0.65〜1.00である、多層容器が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層容器であって、
第1の熱可塑性ポリエステル樹脂に酸素吸収剤が添加されてなる酸素吸収層を備え、
前記第1の熱可塑性ポリエステル樹脂のIV値が0.65〜1.00である、多層容器。
【請求項2】
請求項1に記載の多層容器であって、
第2の熱可塑性ポリエステル樹脂からなる外層を備え、
前記外層は前記酸素吸収層の外側に隣接しており、
前記第2の熱可塑性ポリエステル樹脂のIV値が前記第1の熱可塑性ポリエステル樹脂のIV値よりも大きい、多層容器。
【請求項3】
請求項2に記載の多層容器であって、
前記第2の熱可塑性ポリエステル樹脂のIV値が1.00以上である、多層容器。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の多層容器であって、
前記第1の熱可塑性ポリエステル樹脂と第2の熱可塑性ポリエステル樹脂のIV値の差が0.20〜0.40である、多層容器。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の多層容器であって、
第2の熱可塑性ポリエステル樹脂からなる内層を備え、
前記内層は前記酸素吸収層の内側に隣接している、多層容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性ポリエステル樹脂で構成される多層容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品、医薬品、化粧品等の種々の液体を充填包装する容器として、熱可塑性ポリエステル樹脂製の容器がある。このような容器は、軽量であり、機械的強度、耐熱性、耐薬品性、再利用性等に優れるため、広範に使用されている。例えば、引用文献1には、ポリエチレンテレフタレート樹脂に酸素吸収剤を添加してなる層(酸素吸収層)を備えた多層容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−82206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような多層容器では酸素吸収層とその他の層との接着性が十分でないことがあり、また、層構成によっては酸素バリア性も不十分となることがあった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、層間剥離を起こしにくく且つ酸素バリア性も良い多層容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、多層容器であって、第1の熱可塑性ポリエステル樹脂に酸素吸収剤が添加されてなる酸素吸収層を備え、前記第1の熱可塑性ポリエステル樹脂のIV値が0.65〜1.00である、多層容器が提供される。
【0007】
本発明者らは、多層容器において、酸素吸収剤を混合する熱可塑性ポリエステル樹脂(第1の熱可塑性ポリエステル樹脂)のIV値によって、層間剥離の生じやすさ及び酸素バリア性が異なることを発見した。そして、この知見に基づいた実験により、第1の熱可塑性ポリエステル樹脂のIV値を0.65〜1.00とすることで、層間剥離を起こしにくく酸素バリア性も良い多層容器を得ることができることを見出し、本発明の完成に至った。
【0008】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
【0009】
好ましくは、第2の熱可塑性ポリエステル樹脂からなる外層を備え、前記外層は前記酸素吸収層の外側に隣接しており、前記第2の熱可塑性ポリエステル樹脂のIV値が前記第1の熱可塑性ポリエステル樹脂のIV値よりも大きい。
【0010】
好ましくは、前記第2の熱可塑性ポリエステル樹脂のIV値が1.00以上である。
【0011】
好ましくは、前記第1の熱可塑性ポリエステル樹脂と第2の熱可塑性ポリエステル樹脂のIV値の差が0.20〜0.40である。
【0012】
好ましくは、第2の熱可塑性ポリエステル樹脂からなる内層を備え、前記内層は前記酸素吸収層の内側に隣接している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態の多層容器の層構成を示す図である。
図2】本発明の第2実施形態の多層容器の層構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。
【0015】
本発明の多層容器は、食品、医薬品、化粧品等の種々の液体を充填包装するために利用されるものであり、層間剥離を起こしにくく、且つ酸素バリア性も良いという効果を奏するものである。
【0016】
1.第1実施形態
本発明の第1実施形態の多層容器は、図1に示すように、多層構造の樹脂層10を有する。樹脂層10は、容器の外側から順に、外層1、酸素吸収層2及び内層3を備える。本実施形態において、外層1及び内層3は熱可塑性ポリエステル樹脂で構成され、酸素吸収層2は熱可塑性ポリエステル樹脂に酸素吸収剤が添加されて構成される。ここで、酸素吸収層2を構成する熱可塑性ポリエステル樹脂を第1の熱可塑性ポリエステル樹脂、外層1及び内層3を構成する熱可塑性ポリエステル樹脂を第2の熱可塑性ポリエステル樹脂と呼ぶ。本実施形態の多層容器は、多層パリソンを用いたダイレクトブロー成形によって製造することが好ましい。ただし、インジェクションブロー成形等、他の成形方法を用いることも可能である。以下、多層容器を構成する各層を具体的に説明する。
【0017】
<外層1>
外層1は、容器の外面を構成する層であり、上述したように第2の熱可塑性ポリエステル樹脂で構成される。第2の熱可塑性ポリエステル樹脂は、ホモタイプであっても共重合タイプであっても良い。なお、熱可塑性ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸とジオールとを重縮合させて得られる樹脂であり、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート、シクロヘキサンジメタノール/ポリエチレンテレフタレートコポリマー等が好ましく用いられる。本発明では、ポリエチレンテレフタレート樹脂(以下、PET樹脂と呼ぶ)を用いることが特に好ましい。
【0018】
第2の熱可塑性ポリエステル樹脂としては、例えば、IV値が0.9以上のものを用いることが好ましく、1.0以上のものを用いることがより好ましい。ここで、IV値は、固有粘度とも呼ばれ、JIS K 7367−5によって求められる。特に、PET樹脂のIV値はJIS K 7390−1−2015に規定され、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(=6/4)混合溶媒を用いて,JIS K 7367−1及び JIS K 7367−5 によって求めるか,又は,JIS K 7390−2 の附属書 C によって,メルトボリュームフローレイト(MVR)を求め,相関式を用いてIV値に換算して求める。また、第2の熱可塑性ポリエステル樹脂のIV値は、0.9〜1.3であることが好ましく、1.0〜1.2であることがより好ましい。第2の熱可塑性ポリエステル樹脂のIV値は、具体的には例えば、0.90,0.91,0.92,0.93,0.94,0.95,0.96,0.97,0.98,0.99,1.00,1.01,1.02,1.03,1.04,1.05,1.06,1.07,1.08,1.09,1.10,1.11,1.12,1.13,1.14,1.15,1.16,1.17,1.18,1.19,1.20,1.21,1.22,1.23,1.24,1.25,1.26,1.27,1.28,1.29,1.30であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。なお、上記のIV値を有する熱可塑性ポリエステル樹脂は、ダイレクトブロー成形に適したものとなっている。具体的には、IV値を高くすることで、パリソンのドローダウンを防止し、成形性を向上させることが可能となっている。また、IV値を高くすることで、他の層との接着性を向上させ、容器の耐衝撃強度を向上させることも可能となっている。
【0019】
<酸素吸収層2>
酸素吸収層2は、外層1と内層3の中間の層であり、上述したように、第1の熱可塑性ポリエステル樹脂に酸素吸収剤が添加されて構成される。第1の熱可塑性ポリエステル樹脂は、ホモタイプであっても共重合タイプであっても良い。第2の熱可塑性ポリエステル樹脂は、第1の熱可塑性ポリエステル樹脂と同様、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート、シクロヘキサンジメタノール/ポリエチレンテレフタレートコポリマー等が好ましく用いられる。また、本発明では、PET樹脂を用いることが特に好ましい。
【0020】
第1の熱可塑性ポリエステル樹脂としては、例えば、IV値が0.65〜1.00のものを用いることが好ましい。第1の熱可塑性ポリエステル樹脂のIV値は、具体的には例えば、0.65,0.66,0.67,0.68,0.69,0.70,0.71,0.72,0.73,0.74,0.75,0.76,0.77,0.78,0.79,0.80,0.81,0.82,0.83,0.84,0.85,0.86,0.87,0.88,0.89,0.90,0.91,0.92,0.93,0.94,0.95,0.96,0.97,0.98,0.99,1.00であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。なお、上記のIV値を有する熱可塑性ポリエステル樹脂は、後述するように、酸素吸収剤を混合するのに適したものとなっている。
【0021】
酸素吸収剤は、熱可塑性ポリエステル樹脂と混合できるものであれば特に限定されないが、例えば、ポリアミド材料及び脱酸素材料を有するものが好ましい。ポリアミド材料としては、芳香族ポリアミド、特にメタキシリレンジアミン(HNCH−m−C−CHNH)とアジピン酸(HOC(CHCOH)の重合によって形成されるポリマーが好ましい。また、脱酸素材料としては、遷移金属脱酸素材料が好ましく、鉄、コバルト、銅、マンガン、亜鉛、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金又はこれらの組み合わせの塩又は錯体が好ましい。特に、コバルト化合物は最も好ましい脱酸素材料である。
【0022】
また、酸素吸収層2における酸素吸収剤の配合量は、例えば第1の熱可塑性ポリエステル樹脂に対して0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは1〜3重量%配合とされる。具体的には例えば、上記第1の熱可塑性ポリエステル樹脂のペレットに上記酸素吸収剤のペレットを2%の割合で混合(ドライブレンド)することにより、外層1及び内層3を構成する第2の熱可塑性ポリエステル樹脂とともに多層パリソンを形成する。
【0023】
<内層3>
内層3は、容器の内面を構成する層であり、外層1と同様、第2の熱可塑性ポリエステル樹脂で構成される。ただし、外層1と異なる物性の熱可塑性ポリエステル樹脂、すなわち第2の熱可塑性ポリエステル樹脂以外の熱可塑性ポリエステル樹脂を用いることも可能である。
【0024】
なお、本実施形態において、外層1に用いられる第2の熱可塑性ポリエステル樹脂のIV値は、酸素吸収層2に用いられる第1の熱可塑性ポリエステル樹脂のIV値よりも大きいことが好ましい。また、好ましくは、第1の熱可塑性ポリエステル樹脂と第2の熱可塑性ポリエステル樹脂のIV値の差は、0.20〜0.40である。
【0025】
本実施形態の多層容器では、上記層構成を有していることにより、層間剥離を起こしにくく、且つ酸素バリア性も良い多層容器を得ることができる。また、酸素吸収層2の内側に内層3を設けていることから、酸素吸収剤が内容液と接触することを避けることが可能となっている。
【0026】
2.第2実施形態
本発明の第2実施形態の多層容器は、図2に示すように、多層構造の樹脂層10を有する。樹脂層10は、容器の外側から順に、外層1と酸素吸収層2とを備える。本実施形態では、外層1が容器の外面を構成する層であり、酸素吸収層2が容器の内面を構成する層である。本実施形態において、外層1は熱可塑性ポリエステル樹脂で構成され、酸素吸収層2は熱可塑性ポリエステル樹脂に酸素吸収剤が添加されて構成される。ここで、酸素吸収層2を構成する熱可塑性ポリエステル樹脂を第1の熱可塑性ポリエステル樹脂、外層1及び内層3を構成する熱可塑性ポリエステル樹脂を第2の熱可塑性ポリエステル樹脂と呼ぶ。本実施形態の多層容器は、多層パリソンを用いたダイレクトブロー成形によって製造可能である。第1の熱可塑性ポリエステル樹脂、第2の熱可塑性ポリエステル樹脂及び酸素吸収剤としては、第1実施形態で説明したものと同様のものを用いることができる。
【0027】
本実施形態の多層容器であっても、上記層構成により、層間剥離を起こしにくく、且つ酸素バリア性も良い多層容器を得ることができる。
【実施例】
【0028】
1.酸素バリア性試験
酸素吸収層2に用いる熱可塑性ポリエステル樹脂(第1の熱可塑性ポリエステル樹脂)を異ならせたサンプル1〜サンプル5の5つのサンプル容器による、酸素バリア性試験を行った。なお、実施例では、熱可塑性ポリエステル樹脂として全てPET樹脂を用いている。
【0029】
2.サンプル容器
5つのサンプル容器の構成は以下の通りである。
<層構成>
いずれも第2実施形態に示す外層1と酸素吸収層2の二層構造の容器である。
<外層1>
外層1を構成する第2の熱可塑性ポリエステル樹脂として、それぞれユニチカ株式会社製のPET樹脂「SA−8339P」を用いた。当該樹脂のIV値は1.13である。
<酸素吸収層2>
酸素吸収剤として、それぞれヴァルスパー・ソーシング・インコーポレーテッド社製酸素バリア剤(商品名:ValOR Activ115J)を用いた。
また、酸素吸収層2に用いる熱可塑性ポリエステル樹脂(第1の熱可塑性ポリエステル樹脂)は、以下のものを用いた。なお、酸素吸収剤はそれぞれ2%の割合で混合(ドライブレンド)された。
サンプル1:ユニチカ株式会社製PET樹脂「SA−8339P」(IV値:1.13)
サンプル2:ユニチカ株式会社製PET樹脂「SA−1206」(IV値:1.07)
サンプル3:三井化学株式会社製PET樹脂「SA−135T」(IV値:0.82)
サンプル4:ユニチカ株式会社製PET樹脂「MA−2101M」(IV値:0.62)
サンプル5:ユニチカ株式会社製PET樹脂「MA−1340P」(IV値:0.57)
<成形方法>
それぞれ、上記層構成の多層パリソンを用いたダイレクトブロー成形により成形した。
【0030】
3.試験方法
メチレンブルー試薬による試験を行った。メチレンブルー試薬は、酸素と反応して透明色から青色に着色される試薬である。このメチレンブルー試薬を各サンプル容器いっぱいに充填し、容器口部をアルミシールで密封した。そして、試薬を充填した日を0日目とし、各容器を大気下に置いて、容器底部近傍まで試薬が着色された日を変色開始日と規定した。この環境においては、大気中に含まれる酸素が容器内の試薬に触れると試薬が変色する。したがって、本試験では、変色開始日が遅いサンプルほど酸素バリア性が高いと言える。
【0031】
4.試験結果
【表1】
表1は、各サンプルの酸素吸収層2に用いる熱可塑性ポリエステル樹脂(PET樹脂)のIV値と、変色開始日を示している。表1の試験結果に示すように、変色開始日は、サンプル1〜サンプル3ではIV値が低くなるほど遅くなり、サンプル3〜サンプル5ではIV値が低くなるほど早くなった。すなわち、酸素バリア性は、IV値が低すぎても高すぎても悪化し、サンプル3のIV値:0.82付近で酸素バリア性が最も良くなることが示された。
【0032】
なお、サンプル1〜サンプル3においてIV値が小さくなるほど酸素バリア性が向上した理由としては、IV値が低いほど酸素吸収剤が均等に混合されやすくなることが考えられる。一方、サンプル3〜サンプル5においてIV値が小さくなるほど酸素バリア性が低下した理由としては、サンプル4、サンプル5では層間剥離が生じており、IV値が小さすぎると層間剥離が生じやすくなることが考えられる。
【符号の説明】
【0033】
1: 外層
2: 酸素吸収層
3: 内層
10: 樹脂層
図1
図2