【実施例】
【0075】
<使用成分>
ナノカーボン粒子分散液
グラフェン粒子分散液1 NS−Grande−2003(ナノサミット株式会社製、溶媒:水、濃度:50mg/mL、平均グラフェン厚み:5nm、平均粒径:1000nm)
グラフェン及びCNT粒子分散液2 NS−Grande−2003(ナノサミット株式会社製、溶媒:水、濃度:50mg/mL、平均グラフェン厚み:5nm、平均粒径:1000nm):NS−Avanza−2003(ナノサミット株式会社製、溶媒:水、濃度:7.5mg/mL、CNT直径:2.7nm、CNT長さ:1950nm)=1:0.15の混合分散液
CNT粒子分散液3 NS−Avanza−2003(ナノサミット株式会社製、溶媒:水、濃度:7.5mg/mL、CNT直径:2.7nm、CNT長さ:1950nm)
【0076】
過マンガン酸カリウム(富士フイルム和光純薬株式会社製)
【0077】
pH調整剤
硫酸(富士フイルム和光純薬株式会社製)
【0078】
水溶性溶媒
メタノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)
【0079】
水溶性ポリマー
レオクリスタI-2SX(2質量%セルロースナノファイバー(CNF)水溶液、第一工業製薬株式会社製)
【0080】
アルコール
エタノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)
【0081】
<測定方法>
[ナノカーボン粒子の作製]
グラフェン粒子分散液1、並びにグラフェン及びCNT粒子分散液2をそれぞれ濾紙(株式会社アドバンテック製メンブレンフィルター(ポリカーボネートタイプ)、孔径0.2μm)により濾過した。濾紙上に残った各粒子を60℃で乾燥して、ナノカーボン粒子を得た。
【0082】
[酸化マンガン−ナノカーボン複合粒子の作製]
実施例1〜5で得られた酸化マンガン−ナノカーボン複合粒子分散液をそれぞれ濾紙(株式会社アドバンテック製メンブレンフィルター(ポリカーボネートタイプ)、孔径0.2μm)により濾過した。濾紙上に残った酸化マンガン−ナノカーボン複合粒子をメタノール100gにより洗浄後、60℃で乾燥して、酸化マンガン−ナノカーボン複合粒子を得た。
【0083】
[平均最大径]
日本電子株式会社製走査型電子顕微鏡JSM-IT100を用い、[ナノカーボン粒子の作製]及び[酸化マンガン−ナノカーボン複合粒子の作製]で得られた粒子について観察を行った。粒子を無作為に20個選択して、各粒子の最大径を測定し、算術平均した値を平均最大径とした。
【0084】
[平均厚さ]
各ナノカーボン粒子分散液をSi/SiO膜上に塗布し、乾燥させてナノカーボン粒子を得た。このようにして得たナノカーボン粒子について、Agilent Technologies社製原子間力顕微鏡5500 Scanning Probe Microscopeを用い、粒子を無作為に20個選択して、各粒子の厚さを測定し、算術平均した値をナノカーボン粒子の平均厚さとした。
【0085】
[ラマンスペクトルにおけるGバンドとDバンドの強度比(G/D比)]
日本分光株式会社製ラマン分光光度計ポータブルラマン分光光度計RMP-31を用い、露光時間は10秒、積算回数を10回として、[ナノカーボン粒子の作製]及び[酸化マンガン−ナノカーボン複合粒子の作製]で得られた粒子について測定を行った。1580cm
−1付近のピークであるGバンド、1350cm
−1付近のピークであるDバンドのピーク高さの比をG/D比として算出した。
【0086】
[ナノカーボン粒子中の炭素原子に対するマンガンの含有量]
日本電子株式会社製エネルギー分散型X線分光器JSM-IT100を用い、[酸化マンガン−ナノカーボン複合粒子の作製]で得られた複合粒子について測定を行った。得られた元素分析における炭素及びマンガンの原子数より、ナノカーボン粒子中の炭素原子に対するマンガンの含有量を算出した。
【0087】
[TG−DTA測定]
株式会社日立ハイテクサイエンス製EXSTAR6000 TG/DTA 6200を用い、空気中にて、25℃から1000℃まで10℃/分の昇温条件で、[酸化マンガン−ナノカーボン複合粒子の作製]で得られた複合粒子についてTG−DTA測定を行った。この条件で、ナノカーボン粒子は完全燃焼し、測定後の残渣は酸化マンガンであると考えられる。測定後の残渣から、複合粒子中の酸化マンガンの含有量を算出した。
【0088】
<ナノカーボン粒子の測定結果>
グラフェン粒子分散液1中のグラフェン粒子について、SEM像を
図1及び2に、ラマンスペクトルを
図3に、AFM像を
図4にそれぞれ示す。
図1及び2から、粒径1μm程度のグラフェン片が折り重なり5μm程度の粒子を形成し、粒子同士が積層している様子が観察できる。
図3より、ラマンスペクトルのG/D比は2.95であった。グラフェン粒子分散液1中のグラフェン粒子の平均最大径、平均厚さ及びG/D比を表1に示す。
【0089】
グラフェン及びCNT粒子分散液2中のグラフェン粒子について、SEM像を
図5及び6に、ラマンスペクトルを
図7に、AFM像を
図8にそれぞれ示す。
図5及び6から、粒径1μm程度のグラフェン片が孤立分散したCNTと折り重なるように積層している様子が観察できる。特に
図6から、グラフェン片の間にCNTが入り込んだ構造が観察できる。
図7より、ラマンスペクトルのG/D比は12.45であった。
図8は代表的なグラフェン片のAFM像である。グラフェン-CNT複合体に含まれるグラフェンの厚みを求めたところ、平均厚さ10nm、粒径1〜3μm程度であった。グラフェンの層間にCNTが入り込んだ構造をしており、グラフェン片一枚ごとの正確な厚み及び粒径測定は不可能であった。グラフェン及びCNT粒子分散液2中のグラフェン及びCNT粒子のG/D比を表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
<酸化マンガン−ナノカーボン複合粒子分散液の作製>
実施例1
グラフェン粒子分散液1 100gに、過マンガンカリウム1.46gを添加・混合して、過マンガンカリウムを完全に溶解させた。こうして得た分散液に硫酸を滴下、混合してpHを5.0に調整した。その後、pH調整済の分散液を80℃に60分間加熱して、酸化マンガン−グラフェン複合粒子分散液を作製した。
【0092】
実施例2
グラフェン及びCNT粒子分散液2 100gに、50mmol/Lの過マンガンカリウム水溶液600gを添加・混合した。こうして得た分散液に硫酸を滴下、混合してpHを5.0に調整した。その後、pH調整済の分散液を80℃に60分間加熱して、酸化マンガン−グラフェン/CNT複合粒子分散液を作製した。
【0093】
実施例3
グラフェン粒子分散液1 100gに、メタノール1000gを添加して、グラフェン粒子を再沈殿させ、濾過によりグラフェン粒子を回収した。回収したグラフェン粒子を乾燥させることなく、水:エタノール=99.5:0.5(g/g)(第二の溶媒)5gに添加・混合して、グラフェン粒子を再度分散させた。
【0094】
このようにして得たグラフェン粒子分散液5gに、65mmol/Lの過マンガンカリウム水溶液30gを添加・混合した。こうして得た分散液に硫酸を滴下、混合してpHを5.0に調整した。その後、pH調整済の分散液を80℃に60分間加熱して、酸化マンガン−グラフェン複合粒子分散液を作製した。
【0095】
実施例4
グラフェン粒子分散液1 100gに、0.2質量%のCNF水溶液(水溶性ポリマー)2gを添加・混合した後、50mmol/Lの過マンガンカリウム水溶液200gを添加・混合した。こうして得た分散液を80℃に60分間加熱して、酸化マンガン−グラフェン複合粒子分散液を作製した。
【0096】
実施例5
CNT粒子分散液3 100gに、過マンガンカリウム0.75gを添加・混合して、過マンガンカリウムを完全に溶解させた。こうして得た分散液に硫酸を滴下、混合してpHを4.0に調整した。その後、pH調整済の分散液を80℃に60分間加熱して、酸化マンガン−CNT複合粒子分散液を作製した。
【0097】
<酸化マンガン−ナノカーボン複合粒子の測定結果>
実施例1〜5で得た酸化マンガン−ナノカーボン複合粒子分散液について、[酸化マンガン−ナノカーボン複合粒子の作製]に記載した方法により測定試料を作製し、SEM観察、ラマン分光測定及びエネルギー分散型X線分光測定を行った。
【0098】
実施例1の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン−グラフェン複合粒子について、SEM像を
図9及び10に、ラマンスペクトルを
図11に、EDS測定結果を
図12及び13にそれぞれ示す。
【0099】
図9及び10から、粒径1μm以上のグラフェン表面に粒子状及び柱状の酸化マンガンが成長している様子が観察できる。
図11より、ラマンスペクトルのG/D比は2.95であった。
図12及び13は、
図9のSEM像に相当する領域におけるEDS測定結果である。
図12より、Mn/C=9.09(=6.85/75.32)mol%であることがわかる。
図13から、C、Mn及びOが均一に存在していることが確認できる。
【0100】
図14は、実施例1の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン−グラフェン複合粒子のTG−DTA測定結果を示す。空気中にて、25℃から1000℃まで10℃/分で昇温した結果、25質量%の残渣を確認した。この残渣についてのEDS測定結果を
図15に示す。
図15より、この残渣がK、Mn及びOのみから構成されることを確認できた。空気中においてナノカーボン粒子の燃焼温度が600℃前後であることを考慮すれば、
図14のTG−DTA測定によりグラフェンが完全燃焼したと考えられ、残渣である25質量%は酸化マンガンであることを確認できた。
実施例1の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン−グラフェン複合粒子の物性を表2に示す。
【0101】
実施例2の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン−グラフェン/CNT複合粒子について、SEM像を
図16に、ラマンスペクトルを
図17に、EDS測定結果を
図18及び19にそれぞれ示す。
【0102】
図16は、代表的な酸化マンガン−グラフェン/CNT複合粒子のSEM像である。粒径1μm以上のグラフェンの表面及びCNTの表面に粒子状の酸化マンガンが成長している様子が観察できる。
図17より、ラマンスペクトルのG/D比は10.86であった。
図18及び19は、
図16のSEM像を含む領域をより広域で観察したEDS測定結果である。
図18より、Mn/C=12.48(=7.64/61.20)mol%であることがわかる。
図19から、C、Mn及びOが均一に存在していることが確認できる。
【0103】
図20は、実施例2の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン−グラフェン/CNT複合粒子のTG−DTA測定結果を示す。空気中にて、25℃から1000℃まで10℃/分で昇温した結果、酸化マンガンの含有量55質量%を確認した。
実施例2の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン−グラフェン/CNT複合粒子の物性を表2に示す。
【0104】
実施例3の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン−グラフェン複合粒子について、SEM像を
図21に、ラマンスペクトルを
図22に、EDS測定結果を
図23及び24にそれぞれ示す。
【0105】
図21は、代表的な酸化マンガン−グラフェン複合粒子のSEM像である。粒径1μm以上のグラフェンの表面に粒子状の酸化マンガンが成長している様子が観察できる。実施例2の複合粒子に比べ、柱状の酸化マンガン量が多い(
図16を参照)。
図22より、ラマンスペクトルのG/D比は9.92であった。
図23及び24は、
図21のSEM像に相当する領域におけるEDS測定結果である。
図23より、Mn/C=8.18(=5.39/65.88)mol%であることがわかる。
図24から、C、Mn及びOが均一に存在していることが確認できる。
【0106】
図25は、実施例3の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン−グラフェン複合粒子のTG−DTA測定結果を示す。空気中にて、25℃から1000℃まで10℃/分で昇温した結果、酸化マンガンの含有量32質量%を確認した。
実施例3の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン−グラフェン複合粒子の物性を表2に示す。
【0107】
実施例4の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン−グラフェン複合粒子について、SEM像を
図26に、ラマンスペクトルを
図27に、EDS測定結果を
図28及び29にそれぞれ示す。
【0108】
図26は、代表的な酸化マンガン−グラフェン複合粒子のSEM像である。水溶性ポリマーであるCNFがないときは粒子同士の間に明瞭な界面が存在していたが、CNFの添加により界面があいまいになっていることが観察できる。
図27より、ラマンスペクトルのG/D比は12.70であった。
図28及び29は、
図26のSEM像を含む領域をより広域で観察したEDS測定結果である。
図28より、Mn/C=15.44(=7.73/50.05)mol%であることがわかる。
図29から、Mnが均一に存在していることが確認できる。
【0109】
図30は、実施例4の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン−グラフェン複合粒子のTG−DTA測定結果を示す。空気中にて、25℃から1000℃まで10℃/分で昇温した結果、酸化マンガンの含有量50質量%を確認した。
実施例4の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン−グラフェン複合粒子の物性を表2に示す。
【0110】
実施例5の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン−CNT複合粒子について、SEM像を
図31に、ラマンスペクトルを
図32に、EDS測定結果を
図33及び34にそれぞれ示す。
【0111】
図31は、代表的な酸化マンガン−CNT複合粒子のSEM像である。粒径10〜25μmの複合粒子を観察することができる。
図32より、ラマンスペクトルのG/D比は8.65であった。
図33及び34は、
図31のSEM像を含む領域をより広域で観察したEDS測定結果である。
図33より、Mn/C=67.68(=15.41/22.77)mol%であることがわかる。
図34から、C、Mn及びOが均一に存在していることが確認できる。
【0112】
図35は、実施例5の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン−CNT複合粒子のTG−DTA測定結果を示す。空気中にて、25℃から1000℃まで10℃/分で昇温した結果、酸化マンガンの含有量52質量%を確認した。
実施例5の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン−グラフェン複合粒子の物性を表2に示す。
【0113】
実施例1〜5の分散液の作製条件及び実施例1〜5の分散液を乾燥させて得た酸化マンガン−ナノカーボン複合粒子の物性を表2に示す。
【0114】
【表2】
【0115】
実施例1〜5で得られた酸化マンガン−ナノカーボン複合粒子は、マンガンの含有量がナノカーボン粒子中の炭素原子に対し3〜70mol%であり、G/D比が2.0〜100であることが確認できた。また、実施例1、3及び4の酸化マンガン−グラフェン複合粒子は、平均最大径が0.5〜25.0μmであることが確認できた。
【0116】
<静電容量の評価>
実施例1〜5で得られた酸化マンガン−ナノカーボン複合粒子分散液について、[酸化マンガン−ナノカーボン複合粒子の作製]に記載した方法により、酸化マンガン−ナノカーボン複合粒子を得た。
【0117】
実施例6
実施例1の複合粒子50mg及び20%ナフィオン(商標)分散溶液DE2020 CSタイプ(富士フイルム和光純薬株式会社製)0.1mgに8mLの脱イオン水を加え十分に混錬し、グラッシーカーボン電極(GCEガラス状カーボン電極、6.0×3.0 mm、ビー・エー・エス株式会社製)上にドロップキャストし、80℃で乾燥することで作用電極を作製した。ALS600E電気化学アナライザー(ビー・エー・エス株式会社製)を用い、Ag/AgClを参照極、Pt線を対極として3電極法でのサイクリックボルタンメトリー測定を行った。その結果を
図36及び37に示す。
【0118】
図36では電解液として6M LiCl水溶液を使用し、−0.6Vから0.6Vまでを100mV/sec、10mV/secでそれぞれ測定した。特に0V以上の領域においてCV曲線の囲う面積が大きく、高い静電容量が期待できることが判明した。
そこで
図37では、電解液として0.5M Na
2SO
4水溶液を使用し、0Vから0.8Vまでを100mV/sec及び10mV/secでそれぞれ測定した。また、100mV/secにおいて100回の充放電を繰り返した後、100mV/secにて再測定を行った結果も記載している。初回測定時の静電容量は10mV/secでは395F/g、100mV/secでは300F/gとなった。
いずれも明確な酸化還元ピークは存在せず、電気二重層キャパシタとしての使用に適していることが示唆された。
【0119】
実施例7
実施例1の複合粒子の代わりに実施例2の複合粒子を用いた以外は、実施例6と同様にして3電極法でのサイクリックボルタンメトリー測定を行った。電解液として0.5M Na
2SO
4水溶液を使用し、電圧域は0Vから0.8Vまでを測定した。その結果を
図38及び39に示す。
図38では掃引速度100mV/secにて10,000回の測定を行った。掃引1回目と10,000回のいずれも静電容量170±20F/gとなった。
図39では掃引速度10mV/sにて10,000回の測定を行った。初回の静電容量は430F/gであったが、10,000サイクル後は385F/gとなった。CV曲線の変化から酸化マンガンの結晶構造が変化したことが示唆された。いずれも明確な酸化還元ピークは存在せず、電気二重層キャパシタとしての使用に適していることが示唆された。
【0120】
実施例8
実施例1の複合粒子の代わりに実施例3の複合粒子を用いた以外は、実施例6と同様にして3電極法でのサイクリックボルタンメトリー測定を行った。電解液として0.5M Na
2SO
4水溶液を使用し、電圧域は0Vから0.8Vまでを測定した。その結果を
図40に示す。
図40では掃引速度10mV/sec及び100mV/secにて測定を行った。静電容量は、掃引速度10mV/secのとき71F/g、100mV/secのとき53F/gとなった。
いずれも明確な酸化還元ピークは存在せず、電気二重層キャパシタとしての使用に適していることが示唆された。
【0121】
実施例9
実施例1の複合粒子の代わりに実施例4の複合粒子を用いた以外は、実施例6と同様にして3電極法でのサイクリックボルタンメトリー測定を行った。電解液として0.5M Na
2SO
4水溶液を使用し、電圧域は0Vから0.8Vまでを測定した。その結果を
図41に示す。
図41では掃引速度10mV/sec及び100mV/secにて測定を行った。静電容量は、掃引速度10mV/secのとき186F/g、100mV/secのとき112F/gとなった。
いずれも明確な酸化還元ピークは存在せず、電気二重層キャパシタとしての使用に適していることが示唆された。
【0122】
実施例10
実施例1の複合粒子の代わりに実施例5の複合粒子を用いた以外は、実施例6と同様にして3電極法でのサイクリックボルタンメトリー測定を行った。電解液として0.5M Na
2SO
4水溶液を使用し、電圧域は0Vから0.8Vまでを測定した。その結果を
図42に示す。
図42では掃引速度10mV/sec及び100mV/secにて測定を行った。静電容量は、掃引速度10mV/secのとき530F/g、100mV/secのとき98F/gとなった。
いずれも明確な酸化還元ピークは存在せず、電気二重層キャパシタとしての使用に適していることが示唆された。
【0123】
実施例6〜10のサイクリックボルタンメトリー測定において、電解液として0.5M Na
2SO
4水溶液を使用し、0Vから0.8Vまでを10mV/sec及び100mV/secでそれぞれ1回目に掃引した場合の静電容量を表3に示す。
【0124】
【表3】
【0125】
実施例6〜10では、マンガンの含有量がナノカーボン粒子中の炭素原子に対し3〜70mol%であり、ラマンスペクトルにおけるGバンドとDバンドの強度比(G/D比)が2.0〜100である、酸化マンガン−ナノカーボン複合粒子を使用している。
いずれも明確な酸化還元ピークは存在せず、サイクリックボルタンメトリーの0〜0.8Vでの静電容量が高いため、電気二重層キャパシタとしての使用に適していることが示唆された。実施例2の酸化マンガン−グラフェン/CNT複合粒子を用いた実施例7では、掃引速度10mV/sec及び100mV/secにて10,000回の掃引を繰り返したところ、いずれの条件でも静電容量の低下が小さく、良好であった。
【0126】
実施例11
電極の作製1
実施例2の酸化マンガン−ナノカーボン複合粒子90質量部、カーボンブラック(デンカブラック(登録商標)、デンカ株式会社製)5質量部、メタクリル酸メチル−ブタジエン(MBR)樹脂(コアテックス MBT-8049、ムサシノケミカル株式会社製)5質量部、及び溶媒として水200質量部を混合してペースト状にし、塗工用組成物を調製した。
得られた塗工用組成物を、エッチドアルミ集電箔(30CB、日本蓄電器工業株式会社製)の片面に乾燥後の厚さが100−200μmとなるようにバーコート法により塗布し、180℃で乾燥して、集電箔上に酸化マンガン−ナノカーボン複合粒子が接合した電極を得た。
【0127】
このようにして得た電極を使用して2電極法のコインセルを組み、充放電試験装置SPEC90476 PFX2011 Basic Package(菊水電子工業株式会社製)を用い、定電流測定により充放電挙動の観察を行った。セルのアセンブリには集電体は前述のエッチドアルミ集電箔、バインダーはメタクリル酸メチル−ブタジエン(MBR)樹脂、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液、導電補助剤としてカーボンブラック(デンカブラック(登録商標)、デンカ株式会社製)、セパレータとしてセルロースセパレータ(TF4535、ニッポン高度紙工業株式会社製)、電解液として1M Et
4NBF
4/炭酸プロピレンを使用した。
正極、負極とも複合粒子を使用したコインセルを使用し、充放電速度3A/gにて測定電圧0−2.4Vまでの条件下での測定結果を
図43に示す。正極にやし殻由来の炭素材料を賦活処理してなる活性炭(YP50F、株式会社クラレ製)を使用し、負極に複合粒子を使用したコインセルを使用し、充放電速度3A/gにて測定電圧0−2.4Vまでの条件下での測定結果を
図44に示す。
【0128】
図43では1回目の静電容量74F/g、エネルギー密度81Wh/kgとなったが、1,000回の充放電後、静電容量が64%減少した。
図44では負極のみに複合粒子を使用したが、1,000回の充放電後でも18%の容量減少に抑えられており、充放電特性に優れている。このことからも負極としての性能が高いことが示唆された。