【解決手段】(A)重合性化合物と、(B)光重合開始剤と、(C)紫外線吸収剤および/または(D)ラジカル捕捉剤とを含む活性エネルギー線硬化型インク組成物であって、前記(A)重合性化合物が単官能重合性化合物及び多官能重合性化合物を含み、前記単官能重合性化合物が、特定の分子量及び融点を有する単官能重合性化合物(a−1)、特定の分子量、融点及び粘度を有する単官能重合性化合物(a−2)、および前記(a−1)及び前記(a−2)以外の単官能重合性化合物であって、アミド基と環状構造を有する単官能重合性化合物(a−3)よりなる群から選択される少なくとも一種の単官能重合性化合物(a)を含むことを特徴とするインク組成物である。
(A)重合性化合物と、(B)光重合開始剤と、(C)紫外線吸収剤および/または(D)ラジカル捕捉剤とを含む活性エネルギー線硬化型インク組成物であって、前記(A)重合性化合物が単官能重合性化合物及び多官能重合性化合物を含み、前記単官能重合性化合物が、分子量が250g/mol以下であり且つ融点が25℃以上である単官能重合性化合物(a−1)、分子量が250g/mol以下であり、融点が25℃未満であり且つ25℃における粘度が20mPa・s以上である単官能重合性化合物(a−2)、および前記単官能重合性化合物(a−1)及び前記単官能重合性化合物(a−2)以外の単官能重合性化合物であって、アミド基と環状構造を有する単官能重合性化合物(a−3)よりなる群から選択される少なくとも一種の単官能重合性化合物(a)を含むことを特徴とするインク組成物。
前記多官能重合性化合物が多官能重合性オリゴマーを含み、前記インク組成物中における多官能重合性オリゴマーの量が30質量%以下の範囲内であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のインク組成物。
前記インク組成物が単官能重合性化合物を70〜90質量%、多官能重合性オリゴマーを3〜20質量%の範囲内で含むことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のインク組成物。
前記インク組成物が、厚さ30μmの膜を形成した際の波長380〜800nmの範囲における光線透過率が80%以上となるクリアインクであることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載のインク組成物。
前記インク組成物が、塗料、印刷インキ、インクジェットインク、及び粉体トナーの内の少なくとも1種によって形成される着色層の表面を保護するためのクリアインクであることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれかに記載のインク組成物。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明のインク組成物を詳細に説明する。本発明のインク組成物は、活性エネルギー線硬化型インク組成物であって、(A)重合性化合物と、(B)光重合開始剤と、(C)紫外線吸収剤及び/又は(D)ラジカル捕捉剤とを含む。
【0025】
本明細書において、活性エネルギー線硬化型インク組成物とは、紫外線、可視光線、電子線等の活性エネルギー線の照射により硬化させることができるインク組成物を意味する。また、本明細書において、インクジェット用インク組成物とは、インクジェットプリンタによる印刷(インクジェット印刷ともいう)に用いるためのインク組成物を意味する。
【0026】
本明細書において、印刷とは、印刷手段によって対象の上にインクを適用することを意味し、対象に色付けや、文字や画像等を描くことを目的とするものに制限されず、対象の表面を被覆することを目的としたり、対象に表面処理を行うことを目的としたりすることも含まれる。
【0027】
本発明のインク組成物に用いる(A)重合性化合物は、活性エネルギー線照射時に反応性を示す官能基(例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基又はアリル基を構成する炭素−炭素二重結合等の重合性不飽和基)を介して重合反応を起こす化合物である。なお、重合性化合物は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明のインク組成物中において(A)重合性化合物の量は70〜95質量%であることが好ましい。
【0028】
本発明のインク組成物において、(A)重合性化合物は、単官能重合性化合物及び多官能重合性化合物を含む。ここで、単官能重合性化合物としては、活性エネルギー線照射時に反応性を示す官能基を1つ有する単官能重合性モノマー(例えば1つの重合性不飽和基を有する単官能重合性モノマー)や活性エネルギー線照射時に反応性を示す官能基を1つ有する単官能重合性オリゴマー(例えば、1つの重合性不飽和基を有する単官能重合性オリゴマー)等が挙げられる。多官能重合性化合物としては、活性エネルギー線照射時に反応性を示す官能基を2つ以上有する多官能重合性モノマー(例えば2つ以上の重合性不飽和基を有する多官能重合性モノマー)や活性エネルギー線照射時に反応性を示す官能基を2つ以上有する多官能重合性オリゴマー(例えば、2つ以上の重合性不飽和基を有する多官能重合性オリゴマー)等が挙げられる。
【0029】
本発明のインク組成物中において、単官能重合性化合物、特に単官能重合性モノマーの量は70〜90質量%であることが好ましい。本発明のインク組成物中において、多官能重合性モノマーの量は、例えば30質量%以下であり、好ましくは20質量%以下である。本発明のインク組成物中において、重合性オリゴマーの量は、収縮応力や硬化速度の観点から、3〜30質量%であることが好ましい。なかでも、多官能重合性オリゴマーを3〜20質量%、特には5〜15質量%含むことが好ましく、塗膜の耐候性を向上させる観点から、3官能以上の重合性オリゴマーを含むことがより好ましい。
【0030】
上記単官能重合性モノマーの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシキプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシブチレンモノ(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ジメチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ビニルカプロラクタム、デシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、EO(エチレンオキシド)変性2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルイミダゾール、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、及びエトキシ−ジエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、屋外広告やプラダン等の、人の目に触れる箇所で使用される際には印刷物に臭気を残さないモノマーを用いることが好ましく、トリデシルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−アクリロイルモルフォリン、N−メタクリロイルモルフォリン、1−アクリロイルピロリジン−2−オン、1−メタクリロイルピロリジン−2−オン、1−アクリロイルピペリジン−2−オン、1−メタクリロイルピペリジン−2−オン、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルメタアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタアクリルアミド、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート等が好ましい。
【0031】
上記多官能重合性モノマーのうち、活性エネルギー線照射時に反応性を示す官能基を2つ有する多官能重合性モノマー(2官能重合性モノマー)の具体例としては、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、PO(プロピレンオキシド)変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、屋外広告やプラダン等の、人の目に触れる箇所で使用される際には印刷物に臭気を残さないモノマーを用いることが好ましく、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が好ましい。
【0032】
また、活性エネルギー線照射時に反応性を示す官能基を3つ以上有する多官能重合性モノマー(3官能以上の多官能重合性モノマー)の具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、EO変性ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びEO変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0033】
本明細書において、(メタ)アクリレートの用語は、メタクリレート又はアクリレートを意味する。また、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート等のように、複数であることを示す接頭語が(メタ)アクリレートに付されている場合、各(メタ)アクリレートは同一でも異なっていてもよい。
【0034】
重合性オリゴマーは、好ましくはアクリレートオリゴマーである。また、重合性オリゴマーの官能基数は2〜6であることが好ましく、重合性オリゴマーの分子量は2000〜20000であることが好ましい。ここで、重合性オリゴマーの分子量は、ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
【0035】
アクリレートオリゴマーの具体例としては、ウレタンアクリレートオリゴマー[ウレタン結合(−NHCOO−)を複数持つアクリレートオリゴマー]、アミノアクリレートオリゴマー[アミノ基(−NH
2)を複数持つアクリレートオリゴマー]、エポキシアクリレートオリゴマー[エポキシ基を複数持つアクリレートオリゴマー]、シリコーンアクリレートオリゴマー[シロキサン結合(−SiO−)を複数持つアクリレートオリゴマー]、エステルアクリレートオリゴマー[エステル結合(−COO−)を複数持つアクリレートオリゴマー]及びブタジエンアクリレートオリゴマー[ブタジエン単位を複数持つアクリレートオリゴマー]等が挙げられる。
【0036】
また、アクリレートオリゴマーとして、以下のものが知られている。
ビームセット502H、ビームセット505A−6、ビームセット550B、ビームセット575、ビームセットAQ−17(荒川化学工業社製)、
AH−600、UA−306H、UA−306T、UA−306I、UA−510H、UF−8001G(共栄社化学社製)、
CN910、CN959、CN963、CN964、CN965NS、CN966NS、CN969NS、CN980NS、CN981NS、CN982、CN983NS、CN985、CN991NS、CN996NS、CN2920、CN2921、CN8881NS、CN8883NS、CN9001NS、CN9004、CN9005、CN9009、CN9011、CN9021NS、CN9023、CN9028、CN9030、CN9178NS、CN9290、CN9893NS、CN929、CN989NS、CN968NS、CN9006NS、CN9010NS、CN9025、CN9026、CN9039、CN9062、CN9110NS、CN9029、CN8885NS、CN9013NS、CN973、CN978NS、CN992、CN9167、CN9782、CN9783、CN970、CN971、CN972、CN975NS、CN9165(サートマー社製)、
U−2PPA、U−6LPA、U−10HA、U−10PA、UA−1100H、U−15HA、UA−53H、UA−33H、U−200PA、UA−200PA、UA−160TM、UA−290TM、UA−4200、UA−4400、UA−122P(新中村化学工業社製)、
ニューフロンティアR−1235、R−1220、RST−201、RST−402、R−1301、R−1304、R−1214、R−1302XT、GX−8801A、R−1603、R−1150D(第一工業製薬社製)、
EBECRYL204、EBECRYL205、EBECRYL210、EBECRYL215、EBECRYL220、EBECRYL230、EBECRYL244、EBECRYL245、EBECRYL264、EBECRYL265、EBECRYL270、EBECRYL280/15IB、EBECRYL284、EBECRYL285、EBECRYL294/25HD、EBECRYL1259、EBECRYL1290、KRM8200、EBECRYL4820、EBECRYL4858、EBECRYL5129、EBECRYL8210、EBECRYL8254、EBECRYL8301R、EBECRYL8307、EBECRYL8402、EBECRYL8405、EBECRYL8411、EBECRYL8465、EBECRYL8800、EBECRYL8804、EBECRYL8807、EBECRYL9260、EBECRYL9270、EBECRYL7735、EBECRYL8296、EBECRYL8452、EBECRYL8904、EBECRYL8311、EBECRYL8701、EBECRYL8667(ダイセル・オルネクス社製)、
UV−1700B、UV−6300B、UV−7550B、UV−7600B、UV−7605B、UV−7610B、UV−7630B、UV−7640B、UV−7650B、UV−6630B、UV−7000B、UV−7510B、UV−7461TE、
UV−2000B、UV−2750B、UV−3000B、UV−3200B、UV−3300B、UV−3310B、UV−3700B、UV6640B(日本合成化学社製)、
アートレジンUN−333、UN−350、UN−1255、UN−2600、UN−2700、UN−5590、UN−6060PTM、UN−6200、UN−6202、UN−6300、UN−6301、UN−7600、UN−7700、UN−9000PEP、UN−9200A、UN−3320HA、UN−3320HC、UN−904、UN−906S(根上工業社製)
アロニックスM−6100、M−6250、M−6500、M−7100、M−7300K、M−8030、M−8060、M−8100、M−8530、M−8560、M−9050(東亜合成社製)
【0037】
本発明のインク組成物において、(A)重合性化合物は、分子量が250g/mol以下であり且つ融点が25℃以上である単官能重合性化合物(a−1)、分子量が250g/mol以下であり、融点が25℃未満であり且つ25℃における粘度が20mPa・s以上である単官能重合性化合物(a−2)、および単官能重合性化合物(a−1)及び単官能重合性化合物(a−2)以外の単官能重合性化合物であって、アミド基と環状構造を有する単官能重合性化合物(a−3)よりなる群から選択される少なくとも一種の単官能重合性化合物(a)を含む。
【0038】
単官能重合性化合物(a−1)は、結晶性の高い重合性化合物であり、凝集力が高い。凝集力はファンデルワールス結合に代表される分子間相互作用に由来すると考えられ、これをインクに配合して印刷を行うと、凝集力に由来する結合が形成されることから擬似的に密な膜が形成され、多量の多官能重合性モノマー/オリゴマーを使用せずとも紫外線吸収剤やラジカル捕捉剤のブリードアウトを防ぐことができる。また、この膜は、凝集力に由来する収縮を伴わない結合により密度の高い膜を形成しているため、内部応力に起因するクラックが経時で生じることを抑えることもできる。これにより、クラックを生じさせず、長期の耐候性を実現することが可能となる。また、単官能重合性化合物(a−1)を配合することで、形成される膜のタック(粘着性)を低減することもできる。
【0039】
単官能重合性化合物(a−1)の分子量は、250g/mol以下である。該分子量の下限値は特に制限されないが、例えば100g/mol以上である。分子量が低すぎる場合には、インクに溶解させた際に強い臭気を発することがある。また、単官能重合性化合物(a−1)の融点は、25℃以上であり、40℃以上であることが好ましい。該融点の上限値は特に制限されないが、例えば250℃以下である。単官能重合性化合物(a−1)が液体である場合には、凝集力を高める観点から25℃における粘度が20mPa・s以上であることが好ましい。尚、25℃における粘度はレオメーター(例えば、アントンパール社製Physica MCR301)によって測定することができる。
【0040】
単官能重合性化合物(a−1)は、アミド結合、及びウレタン結合よりなる群から選ばれる構造を有することが好ましく、アミド結合を有することが特に好ましい。単官能重合性化合物(a−1)の具体例としては、イソプロピルアクリルアミド、ter−ブチルアクリルアミド、N−ビニルカプロラクタム等が好適に挙げられる。また、長期の耐候性を実現するためには高い耐水性が求められることから、疎水性官能基を有することが好ましく、水に易溶性でないことがより好ましい。単官能重合性化合物(a−1)は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0041】
また、本発明者は、融点が25℃未満であるために単官能重合性化合物(a−1)に該当しない単官能重合性化合物であっても、25℃における粘度が20mPa・s以上である単官能重合性化合物[即ち、上記単官能重合性化合物(a−2)]であれば、単官能重合性化合物(a−1)と同様に、結晶性の高い重合性化合物であって、凝集力が高く、単官能重合性化合物(a−1)と同様の効果を発揮できることを見出した。
【0042】
単官能重合性化合物(a−2)の分子量は、250g/mol以下である。該分子量の下限値は特に制限されないが、例えば100g/mol以上である。分子量が低すぎる場合には、インクに溶解させた際に強い臭気を発することがある。また、単官能重合性化合物(a−2)は、25℃における粘度が20mPa・s以上であり、50mPa・s以上であることが好ましい。該粘度の上限値は特に制限されないが、例えば10000mPa・s以下である。
【0043】
単官能重合性化合物(a−2)は、アミド結合、及びウレタン結合よりなる群から選ばれる構造を有することが好ましく、アミド結合を有することが特に好ましい。単官能重合性化合物(a−2)の具体例としては、ヒドロキシエチルアクリルアミド等が好適に挙げられる。また、長期の耐候性を実現するためには高い耐水性が求められることから、疎水性官能基を有することが好ましく、水に易溶性でないことがより好ましい。単官能重合性化合物(a−2)は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0044】
さらに、本発明者は、単官能重合性化合物(a−1)及び単官能重合性化合物(a−2)に該当しない単官能重合性化合物であっても、アミド基と環状構造を有する単官能重合性化合物[即ち、上記単官能重合性化合物(a−3)]であれば、単官能重合性化合物(a−1)と同様に、結晶性の高い重合性化合物であって、凝集力が高く、単官能重合性化合物(a−1)と同様の効果を発揮できることを見出した。
【0045】
単官能重合性化合物(a−3)の具体例としては、アクリロイルモルフォリン等が好適に挙げられる。また、長期の耐候性を実現するためには高い耐水性が求められることから、疎水性官能基を有することが好ましく、水に易溶性でないことがより好ましい。単官能重合性化合物(a−3)は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0046】
本発明のインク組成物中における単官能重合性化合物(a)の量は、好ましくは1〜25質量%、より好ましくは2〜20質量%、さらに好ましくは5〜15質量%の範囲内である。単官能重合性化合物(a)の量が多すぎると、インクの粘度が高くなりやすく、印刷時の吐出不良やインク保管時の析出等が発生する場合がある。
【0047】
本発明のインク組成物においては、耐水性を向上させる観点から、多官能重合性化合物を用いることが好ましい。しかしながら、多官能重合性化合物を使用すると、クラックの発生の原因となり得るため、クラックが生じない程度に使用することが望ましい。このため、(A)重合性化合物は、多官能重合性オリゴマーを含むことが好ましく、なかでも3官能以上の重合性オリゴマーを含むことが好ましい。3官能以上の重合性オリゴマーを単官能重合性化合物(a)とあわせて配合し、適当量含むことで、(C)紫外線吸収剤や(D)ラジカル捕捉剤のブリードアウトを抑制するとともに、塗膜の耐候性を確保できる。また、本発明のインク組成物中において、多官能重合性オリゴマーの量は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは3〜20質量%、さらに好ましくは5〜18質量%の範囲内である。
【0048】
本発明のインク組成物に用いる(B)光重合開始剤は、活性エネルギー線を照射されることによって、上述した重合性化合物の重合を開始させる作用を有する。(B)光重合開始剤の量は、インク組成物中1〜25質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることが更に好ましく、3〜15質量%であることが一層好ましい。(B)光重合開始剤の含有量が1質量%未満では、印刷層が硬化不良となることがあり、25質量%を超えると、低温時に析出物が発生してインクの吐出が不安定になることがある。更に、(B)光重合開始剤の開始反応を促進させるため、光増感剤等の助剤を併用することも可能である。
【0049】
(B)光重合開始剤としては、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物等が挙げられるが、硬化性の観点から、照射する活性エネルギー線の波長と光重合開始剤の吸収波長ができるだけ重複するものが好ましい。特に、(B)光重合開始剤は、LED硬化及び硬化時の着色の観点から、アシルホスフィンオキシド系開始剤を含むことが好ましい。なお、(B)光重合開始剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0050】
(B)光重合開始剤の具体例としては、
2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、
ベンゾフェノン、
1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、
2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、
フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、
2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、
2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、
1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、
2,4−ジエチルチオキサントン、
2−イソプロピルチオキサントン、
2−クロロチオキサントン等が挙げられる。
【0051】
これらの中でも、インクの硬化性の観点から、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、及び2,4−ジエチルチオキサントンが好ましく、更にはLED硬化及び硬化時の着色の観点から、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、及び2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドが好ましく、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドが特に好ましい。
【0052】
本発明のインク組成物に使用し得る(C)紫外線吸収剤は、紫外線を吸収し、紫外線による劣化を防止する作用を有する。(C)紫外線吸収剤としては、シアノアクリレート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾエート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物、ベンジリデンカンファー系化合物、無機微粒子等が挙げられ、中でも、紫外線吸収がより短波長にあるヒドロキシフェニルトリアジン系化合物がインクの硬化性の観点から好ましい。また、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物の中でも特に固体のものが好ましく、液体のものよりも流動性が低くブリードアウトしにくい傾向がある。硬化性の観点から、照射する活性エネルギー線の波長と(C)紫外線吸収剤の吸収波長が出来るだけ重複しないものが好ましい。
【0053】
(C)紫外線吸収剤の具体例としては、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルフォニックアシッド、
2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン−2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、
ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、
2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、
2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2―ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−(ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、
メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネートとポリエチレングリコールとの縮合物、
2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2,6−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、
ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
【0054】
本発明のインク組成物中において、(C)紫外線吸収剤の量は、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.5〜10質量%、さらに好ましくは1〜5質量%の範囲内であることが好ましい。紫外線吸収剤の量が多すぎると、印刷層が十分に硬化しない可能性がある。(C)紫外線吸収剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、(C)紫外線吸収剤は、少なくとも2種の紫外線吸収剤を含有することが好ましい。構造が異なる複数種の紫外線吸収剤を用いることで、紫外線吸収剤の効果をより持続させることができる。
【0055】
本発明のインク組成物において、(C)紫外線吸収剤は、(A)重合性化合物との関係において、以下の式(1)で求められる値Bが好ましくは100以上であり、より好ましくは120以上であり、さらに好ましくは200以上である。また、値Bの上限は、例えば20000以下である。
紫外線吸収剤の分子量(g/mol)/|紫外線吸収剤のSP値−重合性化合物の平均SP値|=B … 式(1)
上記式(1)は、紫外線吸収剤(UVA)と印刷層との相溶性(SP値)及びUVAの分子量より導かれる。上記値Bが100以上であると、UVAのブリードアウトの抑制効果が高い。上記値Bが100未満である場合、UVAと重合性化合物のSP値の差(絶対値)が大きく及び/又はUVAの分子量が低いことから、紫外線吸収剤のブリードアウトの抑制効果が低くなる場合がある。
【0056】
[SP値の算出方法]
本明細書において、紫外線吸収剤及び重合性化合物のSP値は、ハンセン溶解度パラメータの値であり、Y−MB法を用いて算出する。
【0057】
[平均SP値の算出方法]
(A)重合性化合物がn種類の重合性化合物からなる場合、各重合性化合物のSP値をそれぞれSP
1、SP
2、・・・、SP
nとし、各重合性化合物の質量分率をW
1、W
2、・・・、W
n(W
1+W
2+・・・+W
n=1)として、以下の式より求められる。
平均SP値=SP
1×W
1+SP
2×W
2+・・・+SP
n×W
n
【0058】
本発明のインク組成物に使用し得る(D)ラジカル捕捉剤は、フリーラジカル等を捕捉し、光安定性を向上させることができる。また、フリーラジカルと反応し、重合反応が起こることを防止する機能を有する物質(いわゆる重合禁止剤)も、(D)ラジカル捕捉剤に含まれる。(D)ラジカル捕捉剤としては、ヒンダードアミン系化合物、ハイドロキノン系化合物、フェノール系化合物、フェノチアジン系化合物、ニトロソ系化合物、N−オキシル系化合物等が挙げられ、特にヒンダードアミン系光安定化剤(HALS)が好ましい。
【0059】
(D)ラジカル捕捉剤の具体例としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−{2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ{4.5}デカン−2,4−ジオン等のヒンダードアミン系化合物、フェノール、o−、m−又はp−クレゾール、2−t−ブチル−4−メチルフェノール、6−t−ブチル−2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−t−ブチルフェノール、4−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2−メチル−4−t−ブチルフェノール、4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェノール等のフェノール系化合物、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、メチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2−メチル−p−ハイドロキノン、2,3−ジメチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン4−メチルベンズカテキン、t−ブチルハイドロキノン、3−メチルベンズカテキン、2−メチル−p−ハイドロキノン、2,3−ジメチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、ベンゾキノン、t−ブチル−p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン等のハイドロキノン系化合物、フェノチアジン等のフェノチアジン系化合物、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等のニトロソ系化合物、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル等のN−オキシル系化合物等が挙げられる。
【0060】
本発明のインク組成物中において、(D)ラジカル捕捉剤の量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下の範囲内であることが好ましい。ラジカル捕捉剤の量が多すぎると、硬化不良の原因となる可能性がある。(D)ラジカル捕捉剤の含有量の下限値は、例えば0.01質量%以上であり、好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上である。(D)ラジカル捕捉剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0061】
本発明のインク組成物は、染料や顔料等の着色剤を含有してもよいが、その場合は、耐候性の観点から、顔料を含有することが好ましい。例えば、金属顔料を用いて、メタリックインクとすることも可能である。なお、着色剤の含有量は、例えばインク組成物中0.1〜15質量%である。また、着色剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0062】
上記着色剤の具体例としては、
C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、7、9、10、12、13、14、15、16、17、24、32、34、35、36、37、41、42、43、49、53、55、60、61、62、63、65、73、74、75、77、81、83、87、93、94、95、97、98、99、100、101、104、105、106、108、109、110、111、113、114、116、117、119、120、123、124、126、127、128、129、130、133、138、139、150、151、152、153、154、155、165、167、168、169、170、172、173、174、175、176、179、180、181、182、183、184、185、191、193、194、199、205、206、209、212、213、214、215、219、
C.I.Pigment Orange 1、2、3、4、5、13、15、16、17、19、20、21、24、31、34、36、38、40、43、46、48、49、51、60、61、62、64、65、66、67、68、69、71、72、73、74、81、
C.I.Pigment Red 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、21、22、23、31、32、38、41、48、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49、52、52:1、52:2、53:1、54、57:1、58、60:1、63、64:1、68、81:1、83、88、89、95、101、104、105、108、112、114、119、122、123、136、144、146、147、149、150、164、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、211、213、214、216、220、220、221、224、226、237、238、239、242、245、247、248、251、253、254、255、256、257、258、260、262、263、264、266、268、269、270、271、272、279、
C.I.Pigment Violet 1、2、3、3:1、3:3、5:1、13、15、16、17、19、23、25、27、29、31、32、36、37、38、42、50、
C.I.Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、16、17:1、24、24:1、25、26、27、28、29、36、56、60、61、62、63、75、79、80、
C.I.Pigment Green 1、4、7、8、10、15、17、26、36、50、
C.I.Pigment Brown 5、6、23、24、25、32、41、42、
C.I.Pigment Black 1、6、7、9、10、11、20、26、28、31、32、34、
C.I.Pigment White 1、2、4、5、6、7、11、12、18、19、21、22、23、26、27、28、
アルミニウムフレーク、ガラスフレーク、パール顔料及び中空粒子等が挙げられる。
【0063】
これらの中でも、印刷層の耐候性と色再現性の観点から、
C.I.Pigment Black 7、
C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 15:4、C.I.Pigment Blue 28、
C.I.Pigment Red 101、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 202、C.I.Pigment Red 254、C.I.Pigment Red 282、
C.I.Pigment Violet 19、
C.I.Pigment White 6、
C.I.Pigment Yellow 42、C.I.Pigment Yellow 120、C.I.Pigment Yellow 138、C.I.Pigment Yellow 139、C.I.Pigment Yellow 150、C.I.Pigment Yellow 151、C.I.Pigment Yellow 155、C.I.Pigment Yellow 213が好ましい。
【0064】
本発明のインク組成物は、機能性付与を目的に種々の化合物を含有してもよく、例えば、得られるインク膜の高度を高くするために炭酸カルシウム、硫酸バリウム等を含有してもよく、得られるインク膜に熱線吸収機能を付与するためにインジウム錫複合酸化物、アンチモン錫複合酸化物等を含有してもよく、得られるインク膜の屈折率を高くするために微粒子酸化チタン、微粒子酸化ジルコニウム等を含有してもよい。
【0065】
吐出安定性の観点から、インク組成物中に分散している顔料粒子は、体積平均粒子径が0.05〜0.4μmであり且つ体積最大粒子径が0.2〜1μmであることが好ましい。体積平均粒子径が0.4μmより大きく且つ体積最大粒子径が1μmよりも大きいと、インク組成物を安定に吐出することが困難となる傾向がある。なお、体積平均粒子径及び体積最大粒子径は、動的光散乱法を用いた測定機器によって測定できる。
【0066】
本発明のインク組成物は、顔料を分散させるために、必要に応じて顔料分散剤を更に含有してもよい。なお、顔料分散剤の含有量は、例えばインク組成物中0.1〜5質量%である。また、顔料分散剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0067】
上記顔料分散剤の具体例としては、
ANTI−TERRA−U、ANTI−TERRA−U100、
ANTI−TERRA−204、ANTI−TERRA−205、
DISPERBYK−101、DISPERBYK−102、
DISPERBYK−103、DISPERBYK−106、
DISPERBYK−108、DISPERBYK−109、
DISPERBYK−110、DISPERBYK−111、
DISPERBYK−112、DISPERBYK−116、
DISPERBYK−130、DISPERBYK−140、
DISPERBYK−142、DISPERBYK−145、
DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、
DISPERBYK−163、DISPERBYK−164、
DISPERBYK−166、DISPERBYK−167、
DISPERBYK−168、DISPERBYK−170、
DISPERBYK−171、DISPERBYK−174、
DISPERBYK−180、DISPERBYK−182、
DISPERBYK−183、DISPERBYK−184、
DISPERBYK−185、DISPERBYK−2000、
DISPERBYK−2001、DISPERBYK−2008、
DISPERBYK−2009、DISPERBYK−2020、
DISPERBYK−2025、DISPERBYK−2050、
DISPERBYK−2070、DISPERBYK−2096、
DISPERBYK−2150、DISPERBYK−2155、
DISPERBYK−2163、DISPERBYK−2164、
BYK−P104、BYK−P104S、BYK−P105、
BYK−9076、BYK−9077、BYK−220S、BYKJET−9150、BYKJET−9151(以上、ビックケミー・ジャパン社製)、
Solsperse3000、Solsperse5000、
Solsperse9000、Solsperse11200、
Solsperse13240、Solsperse13650、
Solsperse13940、Solsperse16000、
Solsperse17000、Solsperse18000、
Solsperse20000、Solsperse21000、
Solsperse24000SC、Solsperse24000GR、
Solsperse26000、Solsperse27000、
Solsperse28000、Solsperse32000、
Solsperse32500、Solsperse32550、
Solsperse32600、Solsperse33000、
Solsperse34750、Solsperse35100、
Solsperse35200、Solsperse36000、
Solsperse36600、Solsperse37500、
Solsperse38500、Solsperse39000、
Solsperse41000、Solsperse54000、
Solsperse55000、Solsperse56000、
Solsperse71000、Solsperse76500、
SolsperseX300(以上、ルブリゾール社製)、
ディスパロンDA−7301、ディスパロンDA−325、ディスパロンDA−375、ディスパロンDA−234(以上、楠本化成社製)、
フローレンAF−1000、フローレンDOPA−15B、フローレンDOPA−15BHFS、フローレンDOPA−17HF、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA−33、フローレンG−600、フローレンG−700、フローレンG−700AMP、フローレンG−700DMEA、フローレンG−820、フローレンG−900、フローレンGW−1500、フローレンKDG−2400、フローレンNC−500、フローレンWK−13E、(以上、共栄社化学社製)、
TEGO Dispers610、TEGO Dispers610S、
TEGO Dispers630、TEGO Dispers650、
TEGO Dispers652、TEGO Dispers655、
TEGO Dispers662C、TEGO Dispers670、
TEGO Dispers685、TEGO Dispers700、
TEGO Dispers710、TEGO Dispers740W、
LIPOTIN A、LIPOTIN BL、
LIPOTIN DB、LIPOTIN SB(以上、エボニック・デグサ社製)、
PB821、PB822、PN411、PA111(以上、味の素ファインテクノ社製)、
テキサホール963、テキサホール964、テキサホール987、テキサホールP60、テキサホールP61、テキサホールP63、テキサホール3250、テキサホールSF71、テキサホールUV20、テキサホールUV21(以上、コグニス社製)、
BorchiGenSN88、BorchiGen0451(以上、ボーシャス社製)等が挙げられる。
【0068】
本発明のインク組成物は、濡れ性の向上等の観点から、表面調整剤を更に含有してもよい。本明細書において、表面調整剤とは、分子構造中に親水性部位と疎水性部位を有し、添加することによりインク組成物の表面張力を調整し得る物質のことを意味する。
【0069】
本発明のインク組成物に使用できる表面調整剤としては、具体的に、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性表面調整剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性表面調整剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性表面調整剤、アクリル系表面調整剤、シリコン系表面調整剤、およびフッ素系表面調整剤などが挙げられる。特に、シリコン系表面調整剤、アクリル系表面調整剤であることが好ましく、ビックケミー社、エボニック社、東レ・ダウコーニング社等の市販品を使用することができる。さらにシリコン系表面調整剤の場合、ポリエーテル変性シリコーンオイルであり、かつHLBが7.6〜12であることが好ましい。
【0070】
本発明のインク組成物中における表面調整剤の量は、使用目的により適宜選択し得るが、例えばインク組成物中0.01〜1質量%であることが好ましい。表面調整剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0071】
上記表面調整剤の具体例としては、
BYK−300、BYK−302、BYK−306、BYK−307、BYK−310、BYK−313、BYK−315N、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−325、BYK−326、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−342、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349、BYK−350、BYK−354、BYK−355、BYK−356、BYK−358N、BYK−361N、BYK−370、BYK−375、BYK−377、BYK−378、BYK−381、BYK−392、BYK−394、BYK−399、BYK−3440、BYK−3441、BYK−3455、BYK−3550、BYK−3560、BYK−3565、BYK−3760、BYK−DYNWET 800N、BYK−SILCLEAN 3700、BYK−SILCLEAN 3701、BYK−SILCLEAN 3720、BYK−UV3500、BYK−UV3505、BYK−UV3510、BYK−UV3530、BYK−UV3535、BYK−UV3570、BYK−UV3575、BYK−UV3576(以上、ビックケミー・ジャパン社製)、
TEGO Flow 300、TEGO Flow 370、TEGO Flow 425、TEGO Flow ATF 2、TEGO Flow ZFS 460、TEGO Glide 100、TEGO Glide 110、TEGO Glide 130、TEGO Glide 406、TEGO Glide 410、TEGO Glide 411、TEGO Glide 415、TEGO Glide 432、TEGO Glide 435、TEGO Glide 440、TEGO Glide 450、TEGO Glide 482、TEGO GlideA 115、TEGO GlideB 1484、TEGO GlideZG 400(以上、エボニック ジャパン社製)、
501W ADDITIVE、FZ−2104、FZ−2110、FZ−2123、FZ−2164、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2215、FZ−2222、FZ−5609、L−7001、L−7002、L−7604、OFX−0193、OFX−0309 FLUID、OFX−5211 FLUID、SF 8410 FLUID、SH3771、SH 3746 FLUID、SH 8400 FLUID、SH 8700 FLUID、Y−7006(以上、東レ・ダウコーニング社製)、
KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−640、KF−642、KF−643、KF−644、KF−945、KF−6004、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017、KF−6020、KF−6204、X−22−2516、X−22−4515(以上、信越化学工業社製)等が挙げられる。
【0072】
これらの中でも、構造およびHLBの観点から、501W ADDITIVE、FZ−2104、FZ−2123、FZ−2215、L−7002、OFX−0309 FLUID、OFX−5211 FLUID、SH 8400 FLUID、KF−351A、KF−353、KF−355A、KF−615A、KF−642、KF−644、KF−6004、KF−6011、KF−6204が好ましい。
【0073】
本発明のインク組成物は、その他の成分として、酸化防止剤、可塑剤、防錆剤、溶剤、非反応性ポリマー、充填剤、消泡剤、荷電制御剤、応力緩和剤、浸透剤、導光材、光輝材、磁性材、蛍光体等の添加剤を必要に応じて使用してもよい。
【0074】
本発明のインク組成物は、必要に応じて適宜選択される各種成分を混合し、必要に応じて、使用するインクジェットプリントヘッドのノズル径の約1/10以下のポアサイズを持つフィルターを用い、得られた混合物を濾過することによって、調製できる。
【0075】
本発明のインク組成物は、その40℃における粘度が、5〜25mPa・sであることが好ましく、5〜20mPa・sであることが更に好ましい。40℃におけるインク粘度が上記特定した範囲内にあれば、良好な吐出安定性が得られる。なお、インク粘度は、コーンプレート型粘度計を用いて測定できる。
【0076】
本発明のインク組成物は、その25℃における表面張力が20〜35mN/mであることが好ましく、23〜33mN/mであることが更に好ましい。25℃におけるインク表面張力が上記特定した範囲内にあれば、良好な吐出安定性が得られる。なお、インク表面張力は、プレート法により測定できる。
【0077】
本発明のインク組成物は、クリアインクであることが好ましい。本明細書において、クリアインクは、厚さ30μmの膜を形成した際の波長380〜800nmの範囲における光線透過率が80%以上となるクリアインクを指し、該光線透過率は好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは97%以上である。本明細書において、光線透過率は、JIS K7361−1:1997「プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法−第1部:シングルビーム法」に準拠して測定される。
【0078】
本発明のインク組成物は、表面保護のために使用されることが好ましい。具体的に、本発明のインク組成物は、着色層、特には染料や有機顔料を含む着色層の表面を保護するためのクリアインクであることが好ましい。着色層は、例えば、塗料、インク(例えば印刷インキ、インクジェットインク)及び粉体トナーの内の少なくとも1種によって形成される着色層である。本発明のインク組成物によって着色層の表面を保護することによって、着色層の耐候性、耐光性が向上し、屋外で使用した場合にも鮮やかな外観を保持することができる。
【0079】
次に、本発明の加飾体の形成方法を説明する。本発明の加飾体の形成方法は、基材上に形成された着色層の表面に、上述した本発明のインク組成物で印刷(好ましくはインクジェット印刷)を行うことを特徴とする。本発明の加飾体の形成方法は、長期耐候性に優れる加飾体を提供することができる。また、大掛かりなラミネート装置等を用いなくても、既存の印刷装置を用いて、加飾体を簡便に提供することができる。
【0080】
本発明の加飾体の形成方法において、基材は、特に限定されるものではないが、工業ラインで用いられる基材が好適に挙げられる。基材の形状としては、例えば、フィルム状、シート状、板状等がある。基材の材質としては、例えば、エポキシ樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、特にはポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリプロピレン(PP)等のプラスチック、鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属、木材、セメント、コンクリート、石膏、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、ガラス等が挙げられる。基材の具体例としては、塩ビシート、ターポリン、プラダン(プラスチック製ダンボール)、アクリル板、フレキシブルボード、ケイ酸カルシウム板、石膏スラグバーライト板、炭酸カルシウム板、木片セメント板、プレキャストコンクリート板、軽量発泡コンクリート(ALC)板、石膏ボード、タイル、及びガラス板等が挙げられる。
【0081】
本発明の加飾体の形成方法において、着色層の付着性や発色性を向上させる観点から、基材は表面処理がなされていてもよい。例えば、基材は、その表面に下塗り層を有していてもよい。
【0082】
着色層は、染料や顔料等の着色剤を含み、色付けされた層であり、これによって加飾が行われる。また、着色層は、染料や有機顔料を含むような、耐候性や耐光性に課題のある層であっても、本発明のインク組成物によって表面が保護されることから、着色層の耐候性、耐光性を向上させることができる。着色層は、例えば、塗料、インク(例えば印刷インキ、インクジェットインク)及び粉体トナーの内の少なくとも1種によって形成される着色層である。
【0083】
着色層は、着色剤の他、樹脂、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、酸化防止剤、可塑剤、防錆剤、充填剤、荷電制御剤、導光材、光輝材、磁性材、蛍光体、ワックス等を必要に応じて含むことができる。
【0084】
着色層は、基材や基材上に形成される下塗り層などの表面の少なくとも一部に形成されている。
【0085】
印刷は、インクジェット印刷方式にて行われることが好適であるものの、これに限定されず、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、フレキソ印刷方式、スクリーン印刷方式、コーター方式等の各種印刷方法によって行うことも可能である。
【0086】
インクジェット印刷には、種々のインクジェットプリンタに使用することができる。インクジェットプリンタとしては、例えば、荷電制御方式又はピエゾ方式によりインク組成物を噴出させるインクジェットプリンタが挙げられる。また、大型インクジェットプリンタ、具体例としては工業ラインで生産される物品への印刷を目的としたインクジェットプリンタも好適に使用できる。
【0087】
本発明のインク組成物を用いた印刷により着色層上にインク層、好ましくはクリアインク層(クリア層ともいう)が形成される。ここで、基材や基材上に形成される下塗り層などの表面の一部に着色層が存在しない箇所がある場合には、インク層は、基材や基材上に形成される下塗り層などの表面に形成されてもよい。
【0088】
本発明のインク組成物を用いた印刷により形成されるインク層は、紫外線等の活性エネルギー線の照射により硬化されることになる。活性エネルギー線の光源としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、LEDランプ等を使用できる。また、インク層を硬化させるために照射する活性エネルギー線の波長は、光重合開始剤の吸収波長と重複していることが好ましく、活性エネルギー線の主波長が350〜400nmであることが好ましい。なお、活性エネルギー線の積算光量は100〜2000mJ/cm
2の範囲にあることが好ましい。
【0089】
本発明のインク組成物は、インクジェット印刷の吐出条件やその後の硬化条件を適宜選択することで、グロス調、マット調等の表面仕上げ加工を行うことができる。例えば、インク組成物が拡がった後、時間を置いて硬化すればグロス調になり、インク滴がレンズ状のまま硬化すればマット調になる。
【0090】
次に、本発明の加飾体を説明する。本発明の加飾体は、基材と、基材上に形成された着色層と、着色層上に形成されたクリア層とを備え、ここで、クリア層は、上述した本発明のインク組成物により形成されることを特徴とする。本発明の加飾体は、長期耐候性に優れる。本発明の加飾体は、上述した本発明の加飾体の形成方法によって製造できる。
【実施例】
【0091】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
【0092】
<インク調製方法>
表1〜5に示す成分を表1〜5に示す量(質量部)で含有する混合物を撹拌・溶解させ均一にした後、濾過を行い、実施例1〜40及び比較例1〜6に示す活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを調製した。
【0093】
以下に、表1〜5に示される成分の詳細を示す。
1)N−ビニルカプロラクタム、分子量139g/mol、融点37℃、SP値19.9
2)N−イソプロピルアクリルアミド、分子量113g/mol、融点62℃、SP値21.5
3)ヒドロキシエチルアクリルアミド、分子量115g/mol、融点22℃、25℃における粘度200mPa・s、SP値29.3
4)アクリロイルモルフォリン、分子量141g/mol、融点−8℃、25℃における粘度10.2mPa・s、SP値22.8
5)4−tertBuシクロヘキシルアクリレート、25℃における粘度8.3mPa・s、SP値16.7
6)テトラヒドロフルフリルアクリレート、25℃における粘度2.7mPa・s、SP値19.0
7)ペンタエリスリトールトリアクリレート、SP値20.8
8)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、SP値18.6
9)アロニックスM−6250、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、官能基数2、東亞合成社製
10)アロニックスM−8100、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、官能基数3以上、東亞合成社製
11)アロニックスM−7100、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、官能基数3以上、東亞合成社製
12)SpeedcureTPO、光重合開始剤、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、Lambson社製
13)TINUVIN 405、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、BASF社製、分子量584、SP値19.5
14)TINUVIN 900、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、BASF社製、分子量448、SP値19.6
15)TINUVIN 400、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、BASF社製、分子量647、SP値23.7
16)TINUVIN PS、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、BASF社製、分子量267、SP値21.4
17)EVERSORB 90、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、台湾永光化学工業股分有限公司製
【0094】
<耐候性試験1.ΔE>
促進耐候性(JIS K 5600−7−7:2008に準拠)
UVインクジェットプリンタにてC.I.Pigment Yellow 150を3%含むUVインクを用いて100%ベタ画像(720x600dpi)で印刷し、硬化した後、当印刷物上にバーコーター#10にて表1〜5のインクを塗布した後、活性エネルギー線(主波長385nm)を照射して充分に硬化させた硬化膜上のL*a*b*測色値と、促進耐候性試験を1500時間後の測色値との色差ΔEを求め、以下の基準に基づいて評価した。結果を表1〜5に示した。
◎:試験前の測色値との色差ΔEが3未満
○:試験前の測色値との色差ΔEが3以上5未満
△:試験前の測色値との色差ΔEが5以上10未満
×:試験前の測色値との色差ΔEが10以上
【0095】
<耐候性試験2.耐クラック性>
促進耐候性(JIS K 5600−7−7:2008に準拠)
<耐候性試験1.ΔE>と同様の方法で硬化膜を作製し、促進耐候性試験を実施した。
試験時間1500時間まで実施した後、以下の基準に基づいて、塗膜外観を目視で評価した。
◎:試験時間1500時間後もクラックが全くない。
〇:試験時間1200−1500時間にクラックが発生。
△:試験時間1000−1200時間後にクラックが発生。
×:試験時間1000時間前にクラックが発生。
【0096】
<硬化性>
アクリル板上にバーコーター#10にて表1〜表5のインクを塗布した後、活性エネルギー線(LED385nm)を2000mW/cm
2、1000mJ/cm
2で照射し、塗膜の硬化具合を指触し評価を行った。
◎:タックが全く無く、指紋も残らない。
〇:ややタックがあるものの、指紋が残らない。
△:タックがあり、強く押さえた際に指紋が一部残る。
×:硬化が不十分で印刷膜に液状感がある。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】
【表3】
【0100】
【表4】
【0101】
【表5】