【解決手段】 本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、所定の炭素数を有するポリカルボン酸及び所定の炭素数を有するポリオールの縮合重合体である結晶性ポリエステルポリオール、所定の数平均分子量を有する微結晶性ポリエステルポリオール、所定の数平均分子量を有する非結晶性ポリエステルポリオール及び所定の数平均分子量を有するポリエーテルポリオールを含むポリオールと、ポリイソシアネートとの反応物であり且つ末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有し、ポリオールは、結晶性ポリエステルポリオール、微結晶性ポリエステルポリオール、非結晶性ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールを所定量ずつ含有していることを特徴とする。
カルボキシ基中の炭素を除いた炭素数が2〜14であるポリカルボン酸及び炭素数が2〜8であるポリオールの縮合重合体である結晶性ポリエステルポリオール、数平均分子量が3000〜6000である微結晶性ポリエステルポリオール、数平均分子量が3000〜6000である非結晶性ポリエステルポリオール及び数平均分子量が500〜7000であるポリエーテルポリオールを含むポリオールと、ポリイソシアネートとの反応物であり且つ末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有し、
上記結晶性ポリエステルポリオール、上記微結晶性ポリエステルポリオール、上記非結晶性ポリエステルポリオール及び上記ポリエーテルポリオールの総量を100質量%とした時、
上記ポリオールは、上記結晶性ポリエステルポリオール15〜35質量%、上記微結晶性ポリエステルポリオール20〜50質量%、上記非結晶性ポリエステルポリオール10〜50質量%及び上記ポリエーテルポリオール5〜30質量%を含有していることを特徴とする湿気硬化型ホットメルト接着剤。
熱可塑性樹脂は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体及びポリカプロラクトンからなる群から選ばれた少なくとも一種の熱可塑性樹脂を含有していることを特徴とする請求項2に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、所定のポリオールを含有するポリオールと、ポリイソシアネートとの反応物であり且つ末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有する。ウレタンプレポリマーは、空気及び/又は基材に含まれている水分によって架橋反応を生じて硬化する。
【0019】
ポリオールとポリイソシアネートとの反応は、汎用の要領で行なわれればよい。例えば、反応容器中にポリイソシアネートを仕込み、予め水分を除去したポリオールをそれぞれ別に又は添加剤なども含めて混合した後に滴下し、加熱状態で水酸基とイソシアネート基を反応させることによって得ることができる。又は、反応容器中にポリオールや添加剤などを仕込み、加熱溶融して分散させた後に水分を除去し、その後に、ポリイソシアネートを仕込んで、水酸基とイソシアネート基の反応を行ってもよい。ウレタンプレポリマーの製造は通常、無溶剤で行うことができるが、反応を阻害しない溶剤中で行うこともできる。溶剤の具体例としては、例えば、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、トルエンなどが挙げられる。ポリオールの水酸基とポリイソシアネートのイソシアネート基との反応において、必要に応じて、ウレタン化触媒を使用することができる。ウレタン化触媒は、特に限定されず、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸錫、ジブチル錫ジラウレートなどが挙げられる。ウレタンか触媒は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。一分子中のイソシアネート基数が2より大きいポリメリックイソシアネート(例えば、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、クルードトルエンポリイソシアネートなど)は、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度を低減するために、ジイソシアネートと併用することが好ましい。ジイソシアネートを用いてポリオールの一部を上述の要領で反応させてウレタンプレポリマーを製造後、反応系中に、一分子中のイソシアネート基数が2より大きいポリメリックイソシアネートを添加してポリオールと反応させてウレタンプレポリマーを製造してもよい。
【0020】
ポリオールとポリイソシアネートとの反応において、ポリオール中の水酸基のモル数と、ポリイソシアネート中のイソシアネート基のモル数との比(イソシアネート基のモル数/水酸基のモル数)は、1.3〜4.0が好ましく、1.5〜3.0がより好ましい。モル比が1.5以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の塗工性が向上する。モル比が3.0以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期剥離性が向上する。
【0021】
[ポリオール]
湿気硬化型ホットメルト接着剤に含有されているウレタンプレポリマーは、所定のポリオールを含有するポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)との反応物である。ウレタンプレポリマーは、分子末端にイソシアネート基を有しており、分子両末端にイソシアネート基を有していることが好ましい。
【0022】
ポリオール(A)は、後述する、結晶性ポリエステルポリオール(A1)、微結晶性ポリエステルポリオール(A2)、非結晶性ポリエステルポリオール(A3)及びポリエーテルポリオール(A4)を含有している。
【0023】
ポリオール(A)中において、結晶性ポリエステルポリオール(A1)、微結晶性ポリエステルポリオール(A2)、非結晶性ポリエステルポリオール(A3)及びポリエーテルポリオール(A4)の総量は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%が特に好ましい。
【0024】
[結晶性ポリエステルポリオール(A1)]
結晶性ポリエステルポリオール(A1)は、カルボキシ基(−COOH)中の炭素を除いた炭素数が2〜14であるポリカルボン酸と、炭素数が2〜8であるポリオールとの縮合重合体である。即ち、結晶性ポリエステルポリオール(A1)は、カルボキシ基中の炭素を除いた炭素数が2〜14であるポリカルボン酸と、炭素数が2〜8であるポリオールとが、ポリカルボン酸のカルボキシル基とポリオールの水酸基においてエステル反応を生じて縮合重合して得られる重合体である。ポリカルボン酸とポリオールとの縮合重合反応は汎用の方法を用いて行なわれればよい。なお、ポリカルボン酸において規定している、カルボキシ基中の炭素を除いた炭素数とは、分子中に含まれる炭素総数から全てのカルボキシ基中の炭素総数を引いて得られる炭素数をいう。
【0025】
ポリカルボン酸において、カルボキシ基中の炭素を除いた炭素数は2〜14であり、10〜12が好ましい。カルボキシ基中の炭素を除いた炭素数が2以上であると、結晶性ポリエステルポリオール(A1)の結晶性が向上し、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上し好ましい。カルボキシ基中の炭素を除いた炭素数が14以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上し好ましい。
【0026】
ポリカルボン酸は、2価のカルボン酸(HOOC−R
1−COOH)であることが好ましい。2価のカルボン酸であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度を低減することができる。R
1の炭素数は、2〜14であり、10〜12がより好ましい。R
1の炭素数が上記範囲内であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上する。
【0027】
R
1は、脂肪族鎖であることが好ましく、直鎖状の脂肪族鎖であることがより好ましい。R
1が脂肪族鎖であると、結晶性ポリエステルポリオール(A1)の結晶性が向上し、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上し好ましい。R
1が直鎖状であると、結晶性ポリエステルポリオール(A1)の結晶性が向上し、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上し好ましい。R
1が直鎖状とは、炭素が分岐することなく直線状に結合していることをいう。R
1は、直鎖状のアルキレン基(−CnH
2n−)が好ましい。但し、nは自然数である。
【0028】
カルボキシ基(−COOH)中の炭素を除いた炭素数が2〜14であるポリカルボン酸は、特に限定されず、例えば、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸(1,10−デカンジカルボン酸)、1,14−テトラデカンジカルボン酸などが挙げられ、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸が好ましい。なお、ポリカルボン酸は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0029】
ポリオールの炭素数は2〜8であり、2〜6が好ましい。ポリオールの炭素数が2以上であると、結晶性ポリエステルポリオール(A1)の結晶性が向上し、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上し好ましい。ポリオールの炭素数が8以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度を低減できるので好ましい。
【0030】
ポリオールは、2価のアルコール(HO−R
2−OH)であることが好ましい。2価のアルコールであると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度を低減することができる。R
2の炭素数は2〜8が好ましく、2〜6がより好ましい。R
2の炭素数が上記範囲内であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上する。
【0031】
R
2は、脂肪族鎖であることが好ましく、直鎖状の脂肪族鎖であることがより好ましい。R
2が脂肪族鎖であると、結晶性ポリエステルポリオール(A1)の結晶性が向上し、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上し好ましい。R
2が直鎖状であると、結晶性ポリエステルポリオール(A1)の結晶性が向上し、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上し好ましい。R
2が直鎖状とは、炭素が分岐することなく直線状に結合していることをいう。R
2は、直鎖状のアルキレン基(−CmH
2m−)が好ましい。但し、mは自然数である。mは、結晶性ポリエステルポリオール(A1)の結晶性が向上し、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上するので、偶数が好ましい。
【0032】
炭素数が2〜8であるポリオールは、特に限定されず、1,2−エタンジオール(エチレングリコール)、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオールなどが挙げられ、1,6−ヘキサンジオール、1、2−エタンジオール(エチレングリコール)が好ましく、1,6−ヘキサンジオールがより好ましい。なお、ポリオールは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0033】
結晶性ポリエステルポリオール(A1)は結晶性である。結晶性ポリエステルポリオールとは、JIS K7121に規定される示差走査熱量測定(DSC)の測定において、10℃/分の昇温速度で測定した融解曲線の吸熱量(以下、単に「吸熱量」ということがある)が10cal/g(40J/g)以上であるポリエステルポリオールである。
【0034】
結晶性ポリエステルポリオール(A1)の数平均分子量は、1000〜20000が好ましく、1500〜10000がより好ましく、1800〜7000がより好ましく、2000〜6000がより好ましく、2500〜5000がより好ましく、3000〜4500がより好ましく、3200〜4000がより好ましい。結晶性ポリエステルポリオール(A1)の数平均分子量が1000以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上し、初期接着性が向上する。結晶性ポリエステルポリオール(A1)の数平均分子量が20000以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度を低減できるので好ましい。
【0035】
本発明において、ポリオールの数平均分子量は下記の要領で測定された値をいう。ポリオールの数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法を用いて測定することができる。具体的には、試料を1.0質量%濃度となるようにテトラヒドロフラン(THF)に溶解させることにより試料溶液を調製する。この試料溶液を用いてGPC法により、標準ポリスチレンを基準として、屈折率検出計を用いてポリオールの数平均分子量を測定する。
【0036】
測定装置としては、例えば、送液装置がLC−9A、屈折率検出計がRID−6A、カラムオーブンがCTO−6A、データ解析装置がC−R4Aからなるシステム(いずれも島津製作所社製)を使用することができる。GPCカラムとしては、例えば、GPC−805(排除限界400万)3本、GPC−804(排除限界40万)1本(以上すべて島津製作所社製)をこの順に接続して使用することができる。又、測定条件は、試料注入量25μL(リットル)で、溶出液テトラヒドロフラン(THF)、送液量1.0mL/分、カラム温度45℃とする。
【0037】
結晶性ポリエステルポリオール(A1)の水酸基価は、20〜50が好ましく、25〜45がより好ましく、30〜35が特に好ましい。結晶性ポリエステルポリオール(A1)の水酸基価が20以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上する。結晶性ポリエステルポリオール(A1)の水酸基価が50以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度を低減することができる。
【0038】
なお、本発明において、ポリオールの水酸基価は、ポリオール1gをアセチル化させたとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数を意味する(JIS K0070:1992 2.1(5))。具体的には、無水酢酸によりポリオール中の水酸基をアセチル化した後、使われなかった無水酢酸を水酸化カリウムで滴定することにより測定できる(JIS K0070:1992 3.1(中和滴定法))。
【0039】
ポリオール(A)中において、結晶性ポリエステルポリオール(A1)の含有量は、結晶性ポリエステルポリオール(A1)、微結晶性ポリエステルポリオール(A2)、非結晶性ポリエステルポリオール(A3)及びポリエーテルポリオール(A4)の総量を100質量%とした時、15〜35質量%であり、18〜33質量%が好ましく、20〜30質量%がより好ましい。結晶性ポリエステルポリオール(A1)の含有量が15質量%以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上する。結晶性ポリエステルポリオール(A1)の含有量が35質量%以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上する。
【0040】
[微結晶性ポリエステルポリオール(A2)]
ポリオール(A)は、微結晶性ポリエステルポリオール(A2)を含有している。微結晶性ポリエステルポリオール(A2)は、ポリカルボン酸とポリオールとの縮合重合体である。即ち、微結晶性ポリエステルポリオール(A2)は、ポリカルボン酸とポリオールとが、ポリカルボン酸のカルボキシル基とポリオールの水酸基においてエステル反応を生じて縮合重合して得られる重合体である。
【0041】
ポリカルボン酸としては、特に限定されず、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタル酸、2,6−ナフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、ドデカメチレンジカルボン酸などが挙げられ、アジピン酸及びテレフタル酸が好ましく、アジピン酸がより好ましい。なお、ポリカルボン酸は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0042】
ポリオールとしては、特に限定されず、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオールなどが挙げられ、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコールが好ましく、1,6−ヘキサンジオールがより好ましい。なお、ポリオールは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0043】
ポリエステルポリオール(A2)は微結晶性である。微結晶性ポリエステルポリオール(A2)とは、JIS K7121に規定される示差走査熱量測定(DSC)の測定において、10℃/分の昇温速度で測定した融解曲線の吸熱量が2.5cal/g(10J/g)以上で且つ10cal/g(40J/g)未満のポリエステルポリオールである。
【0044】
微結晶性ポリエステルポリオール(A2)の数平均分子量は、3000〜6000であり、3000〜5000が好ましく、4000〜4800がより好ましい。微結晶性ポリエステルポリオール(A2)の数平均分子量が3000以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着力が向上する。微結晶性ポリエステルポリオール(A2)の数平均分子量が6000以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度を低減でき好ましい。
【0045】
微結晶性ポリエステルポリオール(A2)の水酸基価は、20〜50が好ましく、20〜40がより好ましく、20〜30が特に好ましい。微結晶性ポリエステルポリオール(A2)の水酸基価が20以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上するので好ましい。微結晶性ポリエステルポリオール(A2)の水酸基価が50以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度を低減でき好ましい。
【0046】
ポリオール(A)中において、微結晶性ポリエステルポリオール(A2)の含有量は、結晶性ポリエステルポリオール(A1)、微結晶性ポリエステルポリオール(A2)、非結晶性ポリエステルポリオール(A3)及びポリエーテルポリオール(A4)の総量を100質量%とした時、20〜50質量%であり、20〜45量%が好ましく、25〜45質量%が特に好ましい。微結晶性ポリエステルポリオール(A2)の含有量が20質量%以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上する。微結晶性ポリエステルポリオール(A2)の含有量が50質量%以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上する。
【0047】
[非結晶性ポリエステルポリオール(A3)]
ポリオール(A)は、非結晶性ポリエステルポリオール(A3)を含有している。非結晶性ポリエステルポリオール(A3)は、ポリカルボン酸とポリオールとの縮合重合体である。即ち、非結晶性ポリエステルポリオール(A3)は、ポリカルボン酸とポリオールとが、ポリカルボン酸のカルボキシル基とポリオールの水酸基においてエステル反応を生じて縮合重合して得られる重合体である。
【0048】
ポリカルボン酸としては、特に限定されず、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、1,5−ナフタル酸、2,6−ナフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、ドデカメチレンジカルボン酸などが挙げられ、アジピン酸、テレフタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸が好ましく、アジピン酸、テレフタル酸、無水フタル酸がより好ましく、アジピン酸、テレフタル酸及び無水フタル酸を含有していることが好ましい。なお、ポリカルボン酸は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0049】
ポリオールとしては、特に限定されず、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオールなどが挙げられ、エチレングリコール、1,6−ヘキサンジオールが好ましく、エチレングリコールがより好ましい。なお、ポリオールは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0050】
ポリエステルポリオール(A3)は非結晶性である。非結晶性ポリエステルポリオール(A3)とは、JIS K7121に規定される示差走査熱量測定(DSC)の測定において、10℃/分の昇温速度で測定した融解曲線の吸熱量が2.5cal/g(10J/g)未満であるポリエステルポリオールである。
【0051】
非結晶性ポリエステルポリオール(A3)の数平均分子量は、3000〜6000であり、3100〜5000が好ましく、3200〜4000がより好ましく、3300〜3800が特に好ましい。非結晶性ポリエステルポリオール(A3)の数平均分子量が3000以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着力が向上する。微結晶性ポリエステルポリオール(A2)の数平均分子量が6000以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度を低減することができる。
【0052】
非結晶性ポリエステルポリオール(A3)の水酸基価は、20〜50が好ましく、20〜40がより好ましく、20〜35が特に好ましい。非結晶性ポリエステルポリオール(A3)の水酸基価が20以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上する。非結晶性ポリエステルポリオール(A3)の水酸基価が50以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度を低減できる。
【0053】
ポリオール(A)中において、非結晶性ポリエステルポリオール(A3)の含有量は、結晶性ポリエステルポリオール(A1)、微結晶性ポリエステルポリオール(A2)、非結晶性ポリエステルポリオール(A3)及びポリエーテルポリオール(A4)の総量を100質量%とした時、10〜50質量%であり、11〜40量%が好ましく、12〜30質量%がより好ましく、13〜20質量%が特に好ましい。非結晶性ポリエステルポリオール(A3)の含有量が10質量%以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上する。非結晶性ポリエステルポリオール(A3)の含有量が50質量%以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上する。
【0054】
[ポリエーテルポリオール(A4)]
ポリオール(A)は、ポリエーテルポリオール(A4)を含有している。ポリエーテルポリオール(A4)としては、特に限定されない。ポリエーテルポリオール(A4)としては、一般式:HO−(R
3−O)p−H(式中、R
3は炭素数が1〜14のアルキレン基を表し、pは、繰り返し単位の数であって正の整数である。)で表される繰り返し単位を含有する重合体、ビスフェノールA分子骨格の活性水素部分にアルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシドなど)を付加反応させて得られるポリエーテルポリオールが好ましい。ポリエーテルポリオール(A4)の主鎖骨格は一種のみの繰り返し単位からなっていてもよいし、二種以上の繰り返し単位を含んでいてもよく、又、二種以上の重合体ブロックを含んでいてもよい。なお、ポリエーテルポリオール(A4)は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0055】
上述の一般式:HO−(R
3−O)p−Hで表される繰り返し単位を含有する重合体の主鎖骨格[−(R
3−O)p−]としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド、ポリテトラメチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド共重合体、及びポリプロピレンオキサイド−ポリブチレンオキサイド共重合体などが挙げられる。なかでも、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上するので、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド共重合体が好ましい。
【0056】
ビスフェノールA分子骨格の活性水素部分にアルキレンオキシドを付加反応させて得られるポリエーテルポリオールとしては、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上するので、ビスフェノールA分子骨格の活性水素部分にプロピレンオキシドを付加反応させて得られるポリエーテルポリオール、ビスフェノールA分子骨格の活性水素部分にエチレンオキシドを付加反応させて得られるポリエーテルポリオールが好ましい。
【0057】
ポリエーテルポリオール(A4)の数平均分子量は、500〜7000であり、600〜6000が好ましく、650〜5000がより好ましく、700〜4000がより好ましく、750〜3000がより好ましく、760〜2500が特に好ましい。ポリエーテルポリオール(A4)の数平均分子量が500以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上し好ましい。ポリエーテルポリオール(A4)の数平均分子量が7000以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度を低減できる。
【0058】
ポリエーテルポリオール(A4)の水酸基価は、50〜200が好ましく、80〜180がより好ましく、100〜150が特に好ましい。ポリエーテルポリオール(A4)の水酸基価が50以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上する。ポリエーテルポリオール(A4)の水酸基価が200以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度を低減できる。
【0059】
ポリオール(A)中において、ポリエーテルポリオール(A4)の含有量は、結晶性ポリエステルポリオール(A1)、微結晶性ポリエステルポリオール(A2)、非結晶性ポリエステルポリオール(A3)及びポリエーテルポリオール(A4)の総量を100質量%とした時、5〜30質量%であり、6〜25質量%が好ましく、7〜20質量%がより好ましく、8〜15質量%が特に好ましい。ポリエーテルポリオール(A4)の含有量が5質量%以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上する。ポリエーテルポリオール(A4)の含有量が30質量%以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上する。
【0060】
ポリオール(A)には、湿気硬化型ホットメルト接着剤の効果を損なわない範囲内で、上記ポリエステルポリオール以外のポリエステルポリオール、上記ポリエーテルポリオール以外のポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトン、ポリカーボネートポリオールなどのポリオールが含有されていてもよい。
【0061】
[ポリイソシアネート]
湿気硬化型ホットメルト接着剤は、ウレタンプレポリマーを含有しているが、このウレタンプレポリマーは、上記ポリオール(A)とポリイソシアネートとの反応物である。ウレタンプレポリマーは、ポリオール(A)とポリイソシアネートとが、ポリオール(A)の水酸基とポリイソシアネートのイソシアネート基とでウレタン結合を形成しながら縮合重合して得られる生成物である。
【0062】
上記ポリイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI、4,4’体、2,4体、2,2’体又はこれらの混合物)、カルボジイミド変成MDI、カルボジイミド化ジフェニルメタンポリイソシアネート、トリレンジイソオシアネート(TDI、2,4体、2,6体又はこれらの混合物)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(水添MDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられ、芳香環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環など)を含有するポリイソシアネートが好ましい。これらの中でも、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上するので、ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変成MDIが好ましく、ジフェニルメタンジイソシアネートがより好ましい。
【0063】
[熱可塑性樹脂]
湿気硬化型ホットメルト接着剤は、ウレタンプレポリマー以外に、数平均分子量が7000〜100000である熱可塑性樹脂を含有していてもよい。湿気硬化型ホットメルト接着剤が熱可塑性樹脂を含有していると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の結晶性が向上し、初期接着性が向上すると共に、湿気硬化型ホットメルト接着剤の熱安定性が向上する。熱可塑性樹脂は、湿気硬化型ホットメルト接着剤の熱安定性が向上するので、ウレタン結合を含有していないことが好ましい。熱可塑性樹脂は、湿気硬化型ホットメルト接着剤の熱安定性が向上するので、イソシアネート基を含有していないことが好ましい。
【0064】
熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン誘導体、ポリイソブテン、ポリオレフィン類、ポリアルキレンオキサイド類、ポリアミド類、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ニトロブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、ポリスチレン−block−ポリ(エチレン−co−ブチレン)−block−ポリスチレン(SEBS)、水添ニトロブタジエンゴム(水添NBR)、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(水添SBS)、水添スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(水添SIS)、水添ポリスチレン−block−ポリ(エチレン−co−ブチレン)−block−ポリスチレン(水添SEBS)などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、官能基変性体であってもよい。なお、熱可塑性樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0065】
熱可塑性樹脂としては、初期接着性が向上するので、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体及びポリカプロラクトンが好ましく、ポリカプロラクトンがより好ましい。
【0066】
熱可塑性樹脂の数平均分子量は、7000〜100000が好ましく、7000を超え且つ90000以下がより好ましく、8000〜80000がより好ましく、10000〜60000がより好ましく、20000〜50000が特に好ましい。熱可塑性樹脂の数平均分子量が7000以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上する。熱可塑性樹脂の数平均分子量が100000以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤を構成している他の化合物との相溶性が向上し、湿気硬化型ホットメルト接着剤のゲル化を抑制することができるので好ましい。
【0067】
熱可塑性樹脂の数平均分子量は、上述したポリオールの数平均分子量と同様の要領で測定された値をいう。
【0068】
湿気硬化型ホットメルト接着剤中における熱可塑性樹脂の含有量は、ウレタンプレポリマー100質量部に対して0.5〜30質量部が好ましく、1〜25質量部がより好ましく、3〜20質量部がより好ましく、5〜15質量部が特に好ましい。熱可塑性樹脂の含有量が0.5質量部以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上する。熱可塑性樹脂の含有量が30質量部以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤を構成している他の化合物との相溶性が向上し、湿気硬化型ホットメルト接着剤のゲル化を抑制することができるので好ましい。
【0069】
[加水分解性シリル基を有する重合体]
湿気硬化型ホットメルト接着剤は、加水分解性シリル基を有する重合体を含有していてもよい。加水分解性シリル基を有する重合体は、一分子中に少なくとも1個の架橋可能な加水分解性シリル基を有する。加水分解性シリル基を有する重合体は、イソシアネート基を含有していないことが好ましい。
【0070】
加水分解性シリル基は、加水分解性基が珪素原子に結合した基である。この加水分解性基としては、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシド基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシド基などが挙げられる。
【0071】
加水分解性シリル基としては、反応後に有害な副生成物を生成しないので、アルコキシ基が珪素原子に結合したアルコキシシリル基が好ましい。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、及びベンジルオキシ基などを挙げることができ、メトキシ基及びエトキシ基が好ましい。
【0072】
アルコキシ基が珪素原子に結合したアルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリフェノキシシリル基等のトリアルコキシシリル基;メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基などのジアルコキシシリル基;ジメチルメトキシシリル基、ジメチルエトキシシリル基などのモノアルコキシシリル基などが挙げられる。加水分解性シリル基を有する重合体は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0073】
加水分解性シリル基を有する熱可塑性樹脂の主鎖としては、ポリアルキレンオキサイド、ポリエーテルポリオール、(メタ)アクリレート系重合体、ポリオレフィン、及びポリエステルが好ましく挙げられ、ポリアルキレンオキサイドがより好ましい。ポリアルキレンオキサイドとしては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイドなどが挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、これらのランダム共重合体やブロック共重合体、ビスフェノールAのポリオキシアルキレン変性体などが挙げられる。
【0074】
(メタ)アクリレート系重合体を構成するモノマーとしては、アルキル基の炭素数が1〜12であるアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。上記アルキル基の炭素数は2〜8がより好ましい。なお、本発明において、(メタ)アクリレートは、メタクリレート又はアクリレートを意味する。
【0075】
ポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレンなどのα−オレフィンの単独重合体又は共重合体が挙げられる。ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン(例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒法ポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)など)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−α−オレフィン共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体など)などが挙げられる。
【0076】
ポリエステルとしては、ポリエステルポリオールが好ましい。ポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコールなどのグリコールと、テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、コハク酸、フタル酸、アジピン酸などのジカルボン酸とを縮合重合させて得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
【0077】
加水分解性シリル基を有する重合体の含有量は、ウレタンプレポリマー100質量部に対して0.05〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましく、0.1〜1質量部が特に好ましい。加水分解性シリル基を有する重合体の含有量が0.05質量部以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着性が向上する。加水分解性シリル基を有する重合体の含有量が10質量部以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上する。
【0078】
[添加剤]
湿気硬化型ホットメルト接着剤は、その作用効果を阻害しない範囲で、粘着付与剤、オイル、可塑剤、触媒、安定剤、充填材、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、香料、顔料、染料などを含有していてもよい。
【0079】
粘着付与剤としては、特に限定されず、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族石油樹脂、芳香族石油樹脂などが挙げられる。なお、粘着付与剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0080】
粘着付与剤の環球式軟化点は、常温での湿気硬化型ホットメルト接着剤からの溶出防止及び湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融時に十分に溶融させることができるので、90〜150℃が好ましい。粘着付与剤の環球式軟化点は、JIS K6863に準拠して測定された温度である(測定法としてグリセリン浴中に試料を充てんした環を水平に支え、試料中央に置いた球が底板に触れたときの温度を測定する)。
【0081】
オイルとしては、特に限定されず、例えば、一般にゴムの軟化剤としてプロセスオイル、エクステンダーオイル、ソフナーなどと称される公知のオイルに含まれている芳香族成分、ナフテン系オイル、パラフィン系オイルなどが挙げられる。なお、オイルは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0082】
可塑剤は、特に限定されず、例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル類、フタル酸ジオクチルなどのフタル酸エステル類、グリセリンモノオレイン酸エステルなどの脂肪酸−塩基酸エステル類、アジピン酸ジオクチルなどの脂肪酸二塩基酸エステル類、オレイン酸ブチル、アセチルリシリノール酸メチルなどの脂肪族エステル類、トリメリット酸エステル類、塩素化パラフィン類、アルキルジフェニル、部分水添ターフェニルなどの炭化水素系可塑剤、プロセスオイル類、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジルなどのエポキシ可塑剤類、ビニル系モノマーを重合して得られるビニル系重合体、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステルなどのポリアルキレングリコールのエステル類などが挙げられる。なお、可塑剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0083】
触媒は、湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化性を向上させるために用いられる。触媒としては、特に限定されず、例えば、アミン系触媒、錫系触媒などが挙げられる。なお、触媒は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0084】
アミン系触媒としては、モルホリン系化合物が好ましく、具体的には、2,2’−ジモルホリノジエチルエーテル、ビス(2,6−ジメチルモルホリノエチル)エーテル、ビス(2−(2,6−ジメチル−4−モルホリノ)エチル)−(2−(4−モルホリノ)エチル)アミン、ビス(2−(2,6−ジメチル−4−モルホリノ)エチル)−(2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2−(4−モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2−(4−モルホリノ)プロピル)アミン、トリス(2−(4−モルホリノ)ブチル)アミン、トリス(2−(2、6−ジメチル−4−モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2−(2、6−ジエチル−4−モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2−(2−エチル−4−モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2−(2−エチル−4−モルホリノ)エチルアミンなどが挙げられる。
【0085】
錫系触媒としては、特に限定されず、例えば、酢酸第1錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクタン酸第1錫などが挙げられる。これらは単独または2種以上併用しても構わない。
【0086】
湿気硬化型ホットメルト接着剤が安定剤を含有していると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常温における硬化速度を低下させることなく、湿気硬化型ホットメルト接着剤の熱安定性を向上させることができる。
【0087】
安定剤は、有機燐系安定剤が好ましい。有機系安定剤としては、例えば、トリクレシルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)フォスフェート、トリブトキシエチルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、オクチルジフェニルフォスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)フォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、トリフェニルホスファイト、トリフェニルフォスフィン、トリフェニルフォスフィンオキサイド、芳香族リン酸縮合エステルなどが挙げられる。
【0088】
安定剤は、常温(25℃)で固体であることが好ましい。安定剤としては、トリフェニルフォスフェート、トリフェニルフォスフィン、トリフェニルフォスフィンオキサイド、芳香族リン酸縮合エステルが好ましい。
【0089】
充填材としては、特に限定されず、例えば、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水珪素、含水珪素、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック、ベントナイト、有機ベントナイト、シラスバルーン、ガラスミクロバルーン、フェノール樹脂や塩化ビニリデン樹脂などの有機ミクロバルーン、ポリ塩化ビニル(PVC)粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末など樹脂粉末などが挙げられる。なお、充填材は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0090】
酸化防止剤としては、特に限定されず、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、モノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、ポリフェノール系酸化防止剤などが挙げられる。なお、酸化防止剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0091】
光安定剤としては、特に限定されず、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤が好ましく、アミン部分が3級アミンであるヒンダードアミン系光安定剤がより好ましい。光安定剤としては、例えば、N.N’,N’’,N’’’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートなどが挙げられる。なお、光安定剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0092】
紫外線吸収剤としては、特に限定されず、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などが挙げられる。なお、紫外線吸収剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0093】
[湿気硬化型ホットメルト接着剤]
湿気硬化型ホットメルト接着剤の製造方法は特に限定されない。湿気硬化型ホットメルト接着剤の製造方法は、例えば、上述した要領で製造されたウレタンプレポリマーに、必要に応じて、熱可塑性樹脂、添加剤などを添加した上で加熱溶融して均一に混合することによって製造することができる。
【0094】
湿気硬化型ホットメルト接着剤の120℃における溶融粘度は、10000〜60000mPa・sが好ましく、25000〜55000mPa・sがより好ましく、2800〜50000mPa・sがより好ましい。湿気硬化型ホットメルト接着剤の120℃における溶融粘度が10000mPa・s以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上する。湿気硬化型ホットメルト接着剤の120℃における溶融粘度が60000mPa・s以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着性が向上する。なお、湿気硬化型ホットメルト接着剤の120℃における溶融粘度は、B型粘度計を用いて日本接着剤工業会規格JAI−7−1999に準拠して温度120℃、回転速度20rpmの条件下にて測定して得られた溶融粘度をいう。なお、B型粘度計としては、例えば、ブルックフィールド社から商品名「B型粘度計デジタルレオメーターDVII(ローターNo.29)」にて市販されている。
【0095】
湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期クリープ性は、30mm以下が好ましく、20mm以下がより好ましく、15mmが特に好ましい。なお、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期クリープ性は下記の要領で測定された値をいう。
【0096】
湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着強度は、30N/inch以上が好ましく、40N/inch以上が好ましく、50N/inch以上が特に好ましい。湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着強度は、100N/inch以下が好ましい。なお、湿気硬化型ホットメルト接着剤の常態接着強度は下記の要領で測定された値をいう。
【0097】
湿気硬化型ホットメルト接着剤の使用要領を説明する。湿気硬化型ホットメルト接着剤を使用するには、湿気硬化型ホットメルト接着剤を加熱して溶融させた後、溶融状態の湿気硬化型ホットメルト接着剤を基材(被着体)又は表面シート(好ましくは表面シート)に塗布する。基材上に表面シートを湿気硬化型ホットメルト接着剤を介して貼り合わせる。このとき、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、長時間に亘って優れた初期接着力を維持する。従って、基材の出隅部の表面に表面シートをこの表面シートの復元力に抗して、山折り状に基材表面の形状に沿った状態に密着させて確実に保持することができる。表面シートを基材表面の入隅部に谷折れ状に沿った状態に沿わせた場合、表面シートの屈曲部において、表面シートの復元力によって、表面シートが基材の入隅部から離間する方向に剥離応力が加わるが、この剥離応力に抗して湿気硬化型ホットメルト接着剤によって表面シートを基材の入隅部に沿って密着させて確実に保持することができる。
【0098】
更に、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、貼り合わせ直後、例えば、5〜15分の間に基材表面に湿気硬化型ホットメルト接着剤を残存させることなく、表面シートを基材表面から剥離することができるという、優れた初期剥離性を有することから、基材上に表面シートを貼り合わせた後、貼り合わせに失敗した場合、表面シートを基材表面から容易に剥離して基材の再利用を容易に行なうことができ、貼り合わせの失敗に起因した基材の廃棄量を削減することができる。
【0099】
しかる後、湿気硬化型ホットメルト接着剤を好ましくは20〜25℃にて相対湿度50〜60%の環境下に120〜200時間に亘って放置することによって湿気硬化型ホットメルト接着剤を硬化させて、表面シートを基材上に接着一体化することができる。
【実施例】
【0100】
以下に、本発明を実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0101】
実施例及び比較例において用いられたポリオール、ポリイソシアネート及び熱可塑性樹脂を下記に示す。
【0102】
[ポリオール(A)]
[結晶性ポリエステルポリオール(A1)]
・結晶性ポリエステルポリオール(A11)(エボニックデグサ社製 商品名「ダイナコール7380」、吸熱量:25cal/g、水酸基価:31、数平均分子量:3500、1,10−デカンジカルボン酸及び1,6−ヘキサンジオールの縮合重合体、1,10−デカンジカルボン酸におけるカルボキシ基中の炭素を除いた炭素数:10、1,6−ヘキサンジオールの炭素数:6)
・結晶性ポリエステルポリオール(A12)(豊国製油社製 商品名「HS 2H−350S」、吸熱量:25cal/g、水酸基価:32、数平均分子量:3500、セバシン酸及び1,6−ヘキサンジオールの縮合重合体、セバシン酸におけるカルボキシ基中の炭素を除いた炭素数:8、1,6−ヘキサンジオールの炭素数:6)
・結晶性ポリエステルポリオール(A13)(豊国製油社製 商品名「HS 2H−451A」、吸熱量:18cal/g、水酸基価:25、数平均分子量:4500、アジピン酸及び1,6−ヘキサンジオールの縮合重合体、アジピン酸におけるカルボキシ基中の炭素を除いた炭素数:4、1,6−ヘキサンジオールの炭素数:6)
【0103】
[微結晶性ポリエステルポリオール(A2)]
・微結晶性ポリエステルポリオール(A2)(豊国製油社製 商品名「HS 2H−458T」、吸熱量:6cal/g、水酸基価:25、数平均分子量:4500、アジピン酸及びテレフタル酸と、1,6−ヘキサンジオールとの縮合重合体)
【0104】
[非結晶性ポリエステルポリオール(A3)]
・非結晶性ポリエステルポリオール(A3)(豊国製油社製 商品名「ポリオール2000」、吸熱量:2cal/g、水酸基価:32、数平均分子量:3500、アジピン酸、テレフタル酸及び無水フタル酸と、エチレングリコールとの縮合重合体)
【0105】
[ポリエーテルポリオール(A4)]
・ポリエーテルポリオール(A41)(AGC社製 商品名「エクセノール2020」、ポリプロピレングリコール、水酸基価:56、数平均分子量:2000)
・ポリエーテルポリオール(A42)(ADEKA社製 商品名「BPX55」、ビスフェノールA分子骨格の活性水素部分にプロピレンオキシドを付加反応させて得られるポリエーテルポリオール、水酸基価:143、数平均分子量:800)
【0106】
[熱可塑性樹脂]
・ポリカプロラクトン(ダイセル社製 商品名「プラクセルH4」、数平均分子量:40000、ウレタン結合及び加水分解性シリル基を有しない)
【0107】
[加水分解性シリル基を有する重合体]
・加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイド(カネカ社製 商品名「MSポリマーS−303」、数平均分子量:8000、ウレタン結合及びイソシアネート基を有しない)
【0108】
[ポリイソシアネート]
・4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
【0109】
(実施例1〜8、比較例1〜3)
撹拌羽を備えた3リットルの4ツ口フラスコに、ポリオール(A)を表1に示した所定量ずつ供給し、120℃に加熱溶融して混合した後に、フラスコ内を1mmHg以下まで減圧してポリオール(A)を脱水処理した。フラスコ内を窒素パージした後、ポリオール(A)を80℃に保持した。
【0110】
なお、ポリオール(A)中における結晶性ポリエステルポリオール(A1)、微結晶性ポリエステルポリオール(A2)、非結晶性ポリエステルポリオール(A3)及びポリエーテルポリオール(A4)の含有割合(質量%)を表2に示した。
【0111】
フラスコ内に所定量のポリイソシアネートとして4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを供給し、窒素雰囲気下にて、ポリオール(A)と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとを80℃にて3時間反応させてウレタンプレポリマーを製造した。ポリオールとポリイソシアネートとの反応において、ポリオール中の水酸基のモル数と、ポリイソシアネート中のイソシアネート基のモル数との比(イソシアネート基のモル数/水酸基のモル数)を表1に示した。
【0112】
得られたウレタンプレポリマーを80℃に保持した状態で、ウレタンプレポリマー100質量部に表1に示した所定量のポリカプロラクトンを添加して湿気硬化型ホットメルト接着剤を製造した。得られた湿気硬化型ホットメルト接着剤は、25℃で固体であった。
【0113】
得られた湿気硬化型ホットメルト接着剤について、溶融粘度、初期クリープ性(初期接着性)、初期剥離性、常態接着性及び折り返し部保持性を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
【0114】
[溶融粘度]
湿気硬化型ホットメルト接着剤の120℃における溶融粘度をB型粘度計[ブルックフィールド社製 商品名「B型粘度計デジタルレオメーターDVII(ローターNo.29)」を用いて日本接着剤工業会規格JAI−7−1999に準拠して温度120℃、回転速度20rpmの条件下にて測定した。
【0115】
[初期クリープ性(初期接着性)]
湿気硬化型ホットメルト接着剤を120℃に加熱して溶融させた。溶融状態の湿気硬化型ホットメルト接着剤を平面長方形状(縦150cm×横50cm)で且つ厚みが180μmのポリオレフィン系樹脂シートの一面全面に塗工厚み40μmで塗工した。
【0116】
次に、表面温度を40℃に保持したアルミニウム製の板状の基材の表面に、ポリオレフィン系樹脂シートを湿気硬化型ホットメルト接着剤が基材側となるように重ね合わせた後、ポリオレフィン系樹脂シート上にゴムロールを転動させて、積層シートを作製した。積層シートから幅1インチ(2.54cm)、長さ15cmの短冊状の試験片を切り出した。
【0117】
アルミニウム製の基材の表面にポリオレフィン系樹脂シートを湿気硬化型ホットメルト接着剤を介して重ね合わせてから1分経過した後に、試験片をそのポリオレフィン系樹脂シート部分が下側となるように水平状に配設すると共に、ポリオレフィン系樹脂シート部分の長さ方向の端部に100gの錘を取り付けた。
【0118】
試験片のポリオレフィン系樹脂シート部分に錘を取り付けてから10分経過後に、アルミニウム製の基材部分からポリオレフィン系樹脂シート部分が剥離した長さを測定した。
【0119】
[折り返し部保持性]
湿気硬化型ホットメルト接着剤を120℃に加熱して溶融させた。溶融状態の湿気硬化型ホットメルト接着剤を平面長方形状(縦150cm×横50cm)で且つ厚みが180μmのポリオレフィン系樹脂シートの一面全面に塗工厚み40μmにて塗工した。
【0120】
次に、表面温度を40℃に保持したアルミニウム製の板状の基材を用意した。基材は、縦200cm×横60cm×厚み15cmの直方体形状であった。
【0121】
基材の上面(縦200cm×横60cm)に、ポリオレフィン系樹脂シートを湿気硬化型ホットメルト接着剤の塗工面が基材側となるように重ね合わせた。この時、ポリオレフィン系樹脂シートの端部が基材の上面と側面とが交差する稜線から所定の突出長だけはみ出した状態とした。しかる後、基材の上面に重ね合わせたポリオレフィン系樹脂シートの部分上にゴムロールを転動させた。
【0122】
次に、ポリオレフィン系樹脂シートにおける基材の稜線からはみ出した突出端部を基材の稜線から屈曲させて基材の側面に重ね合わせた後、基材の側面に重ね合わせたポリオレフィン系樹脂シートの突出端部上に、ゴムロールを転動させて試験片を作製した。
【0123】
試験片の作製後から10分経過後、ポリオレフィン系樹脂シートの突出端部が基材の側面から剥離しているか否かを目視観察し、突出端部の少なくとも一部が基材の側面から剥離している場合を「剥離している」とした。
【0124】
ポリオレフィン系樹脂シートの突出端部の突出長さを10mmから1mm間隔で短くし、上述の要領でポリオレフィン系樹脂シートの突出端部の剥離の有無を測定し、ポリオレフィン系樹脂シートの突出端部の剥離が生じなかった時の突出端部の最も短い長さを「折り返し部収まり性」とした。なお、比較例2は、ポリオレフィン系樹脂シートの突出端部の突出長さが10mmの場合も剥離が生じた。
【0125】
[初期剥離性]
湿気硬化型ホットメルト接着剤を120℃に加熱して溶融させた。溶融状態の湿気硬化型ホットメルト接着剤を平面長方形状(縦150cm×横50cm)で且つ厚みが180μmのポリオレフィン系樹脂シートの一面全面に塗工厚み40μmで塗工した。
【0126】
次に、表面温度を40℃に保持したアルミニウム製の板状の基材の表面に、ポリオレフィン系樹脂シートを湿気硬化型ホットメルト接着剤が基材側となるように全面的に重ね合わせた後、ポリオレフィン系樹脂シート上にゴムロールを転動させて、積層シートを作製した。10分経過後に、ポリオレフィン系樹脂シートを板状の基材の表面から剥離し、剥離状態を目視観察した。基材と湿気硬化型ホットメルト接着剤との界面で剥離しており、基材表面に湿気硬化型ホットメルト接着剤が残存していなかった場合を「界面剥離」と、湿気硬化型ホットメルト接着剤において凝集破壊していた場合を「凝集破壊」と表記した。
【0127】
[常態接着性]
初期クリープ性の測定時と同様の要領で試験片を作製した。得られた試験片を23℃、相対湿度55%の雰囲気下にて1週間に亘って養生して湿気硬化型ホットメルト接着剤を湿気硬化させた。
【0128】
次に、基材表面からポリオレフィン系樹脂シートを、剥離角度180°、剥離速度50mm/分で剥離し、この時の平均の剥離強度を常態接着強度(N/inch)として測定した。
【表1】
【0129】
【表2】