【解決手段】施工中のトンネル1の周辺地山2に注入機60から注入材を注入する。注入機60に設けた注入機側処理装置20によって注入情報を取得する。在庫管理処理装置30の記憶部32には、トンネル補助工法に用いられる資材の在庫情報32a、及び資材の使用数量と注入情報との関係を表す関係情報32dが記憶されている。在庫管理処理装置30の処理部31によって、注入機側処理装置20から注入情報を受け付け、受け付けた注入情報及び関係情報に基づいて、記憶部32の在庫情報32aを更新し、一定条件下で在庫情報32aを利用端末40,50に送信する。
施工中のトンネルの周辺地山に注入機から注入材を注入するトンネル補助工法用の在庫管理を、前記注入機において注入情報を取得する注入機側処理装置と、前記注入機側処理装置及び利用端末と通信可能な在庫管理処理装置とによって実行するトンネル補助工法用在庫管理方法であって、
前記在庫管理処理装置が、前記トンネル補助工法に用いられる資材の在庫情報、及び前記資材の使用数量と前記注入情報との関係を表す関係情報を記憶する記憶部と、処理部とを備えており、前記処理部において実行される、
前記注入機側処理装置から前記注入情報を受け付ける工程と、
前記受け付けた注入情報及び前記関係情報に基づいて、前記記憶部の在庫情報を更新する工程と、
一定条件下で前記記憶部の在庫情報を利用端末に送信する工程と、
を含むことを特徴とするトンネル補助工法用在庫管理方法。
施工中のトンネルの周辺地山に注入機から注入材を注入するトンネル補助工法用の在庫管理を、前記注入機に設けられて注入情報を取得する注入機側コンピュータと通信可能な在庫管理コンピュータに実行させるためのトンネル補助工法用在庫管理プログラムであって、
前記在庫管理コンピュータが、前記トンネル補助工法に用いられる資材の在庫情報、及び前記資材の使用数量と前記注入情報との関係を表す関係情報を記憶する記憶部と、処理部とを備えており、前記処理部において、
前記注入機側処理装置から前記注入情報を受け付ける処理と、
前記受け付けた注入情報及び前記関係情報に基づいて、前記記憶部の在庫情報を更新する処理と、
一定条件下で前記記憶部の在庫情報を利用端末に送信する処理と、
を実行させるトンネル補助工法用在庫管理プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
各資材は、工事の進捗に応じて、工事管理者の出荷指示に基づき、資材供給者からトンネル施工現場に供給される。工事請負者がその資材を使って施工を行う。
工事管理者が資材供給者に対して、供給すべき資材の品目、数量、納入日時などを的確に指示するためには、トンネル施工現場における各資材の在庫を把握している必要がある。このため、工事管理者は頻繁に、例えば一週間から二週間に1回の頻度で各資材の在庫数を数える作業を行っている。
【0006】
しかし、前述したように、資材点数が多く数量も膨大であるうえに、資材を使って工事を行うのは工事請負者であり、工事請負者が独自に、資材を使いやすいように保管場所を変更することもあるため、工事管理者は使用状況及び在庫状況を把握しきれないことが多く、在庫管理は容易でない。資材の在庫が一点でも無くなると施工作業に支障が出るため、余分に供給指示することもなされており、余計な在庫をかかえるケースもある。
本発明は、かかる事情に鑑み、トンネル補助工法に用いられる資材の在庫管理をコンピュータシステムによって支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明方法は、施工中のトンネルの周辺地山に注入機から注入材を注入するトンネル補助工法用の在庫管理を、前記注入機において注入情報を取得する注入機側処理装置と、前記注入機側処理装置及び利用端末と通信可能な在庫管理処理装置とによって実行するトンネル補助工法用在庫管理方法であって、
前記在庫管理処理装置が、前記トンネル補助工法に用いられる資材の在庫情報、及び前記資材の使用数量と前記注入情報との関係を表す関係情報を記憶する記憶部と、処理部とを備えており、前記処理部において実行される、
前記注入機側処理装置から前記注入情報を受け付ける工程と、
前記受け付けた注入情報及び前記関係情報に基づいて、前記記憶部の在庫情報を更新する工程と、
一定条件下で前記記憶部の在庫情報を利用端末に送信する工程と、
を含むことを特徴とする。
これによって、資材の使用数量を在庫情報に反映することで、資材の在庫状況が把握でき、工事管理者の在庫管理の手間、労力が軽減される。
一定条件としては、資材の在庫数量が基準数量を下回った場合、工事管理者の利用端末や資材供給者の利用端末から在庫情報の閲覧要求があった場合、1のトンネル断面の補助工法が完了したとの情報が入った場合、決まった時間が到来した場合などが挙げられる。
【0008】
本発明装置は、施工中のトンネルの周辺地山に注入機から注入材を注入するトンネル補助工法用の在庫管理処理装置であって、
前記トンネル補助工法に用いられる資材の在庫情報、及び前記資材の使用数量と前記注入機による注入情報との関係を表す関係情報を記憶する記憶部と、処理部を備え、前記処理部が、
前記注入機に設けられて前記注入情報を取得する注入機側処理装置から前記注入情報を受け付ける注入情報受付部と、
前記受け付けた注入情報及び前記関係情報に基づいて、前記記憶部の在庫情報を更新する更新部と、
一定条件下で、前記記憶部の在庫情報を利用端末に送信する送信処理部と、
を含むことを特徴とする。
本発明装置によれば、資材のおおまかな在庫状況が把握でき、工事管理者の在庫管理の手間、労力が軽減される。
前記送信処理部は、工事管理者の利用端末及び資材供給者の利用端末にそれぞれ前記在庫情報の送信を行うことが好ましい。
【0009】
前記在庫管理処理装置において、
前記処理部が、利用端末から資材の出荷情報を受け付ける出荷情報受付部を、更に含み、
前記更新部は、前記出荷情報の受け付けがあったとき、該出荷情報に基づいて前記記憶部の在庫情報を更新することが好ましい。
例えば、資材供給者が資材を出荷したとき、その出荷情報を資材供給者の利用端末から在庫管理処理装置に送信(アップロード)すると、在庫管理処理装置は、その出荷内容を在庫情報に反映させる。
【0010】
前記在庫管理処理装置において、
前記処理部が、利用端末から資材の在庫の修正情報を受け付ける修正受付部を、更に含み、
前記更新部が、前記修正情報の受け付けがあったとき、該修正情報に基づいて前記記憶部の在庫情報を更新することが好ましい。
例えば、工事管理者が実際の在庫を点検し、在庫管理処理装置に記憶された在庫情報と違っているとき、在庫の修正情報を工事管理者の利用端末から在庫管理処理装置に送信(アップロード)すると、在庫管理処理装置は、その修正情報に基づいて在庫情報を修正する。
【0011】
本発明プログラムは、施工中のトンネルの周辺地山に注入機から注入材を注入するトンネル補助工法用の在庫管理を、前記注入機に設けられて注入情報を取得する注入機側コンピュータと通信可能な在庫管理コンピュータに実行させるためのトンネル補助工法用在庫管理プログラムであって、
前記在庫管理コンピュータが、前記トンネル補助工法に用いられる資材の在庫情報、及び前記資材の使用数量と前記注入情報との関係を表す関係情報を記憶する記憶部と、処理部とを備えており、前記処理部において、
前記注入機側処理装置から前記注入情報を受け付ける処理と、
前記受け付けた注入情報及び前記関係情報に基づいて、前記記憶部の在庫情報を更新する処理と、
一定条件下で前記記憶部の在庫情報を利用端末に送信する処理と、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、トンネル補助工法に用いられる資材の在庫管理を支援することによって、工事管理者等の負担を軽減できる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、本実施形態のトンネル補助工法用在庫管理処理システム10は、注入機側処理装置20と、在庫管理処理装置30と、工事管理者Aの利用端末40と、資材供給者Bの利用端末50を備えている。例えば注入機側処理装置20は、ノートパソコン(PC)によって構成されている。在庫管理処理装置30は、クラウドなどのサーバーコンピュータによって構成されている。利用端末40,50は、ノートパソコン、デスクトップパソコン、タブレット、スマートフォンその他のPCによって構成されている。これらコンピュータ20,30,40,50は、インターネット回線などの公衆通信網11を介して相互に通信可能である。好ましくは、在庫管理処理装置30が在庫情報のウェブページを有し、利用端末40,50のブラウザで前記ウェブページを閲覧可能である。
【0015】
図1に示すように、注入機側処理装置20(注入機側コンピュータ)は、施工中のトンネル1に配置されている。
トンネル1の周辺の地山2には多数(
図1では1つだけ図示)の先受け鋼管(又は中空ボルト)3が打ち込まれている。トンネル1内に注入機60が設置されている。注入機60は、複数(
図1では1つだけ図示)の注入ポンプ61と、操作盤62と、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)63を備えている。注入ポンプ61から延びる注入ホース64が、注入材を注入しようとする先受け鋼管3に接続されている。注入材4として例えばシリカレジンなどのウレタン系発泡樹脂が、注入ポンプ61から送出され、注入ホース64及び先受け鋼管3内を経て、周辺地山2に注入されて硬化する。これによって、地山2が安定化される。先受け鋼管3の内部空間は、注入材4の注入孔3aを構成する。
【0016】
図2に示すように、操作盤62には、モニタ62gの他、注入ポンプ61の運転開始つまみ62a、運転停止つまみ62b、注入流速設定ボリューム62c、工法種別指定つまみ62d、リセットボタン62e、トータルリセットボタン62fなどが設けられている。
工法種別指定つまみ62dは、施工しようとするトンネル補助工法の具体的な工法種別を指定するものである。工法種別としては、AGF工法、Fp(フォアポーリング)工法、鏡ボルト工法などが挙げられる。何れの工法においても、20〜30以上の多種類の資材が用いられる。
【0017】
リセットボタン62eは、注入孔3aごとの積算注入量などのデータをリセットするものである。リセットボタン62eの押下は、1つの注入孔3aの注入完了の合図となる。リセットの回数は、注入済の注入孔3aの数すなわち先受け鋼管3の数と対応する。
トータルリセットボタン62fは、1のトンネル断面における注入作業が完了したときに押下される。トータルリセットボタン62fの押下は、1のトンネル断面におけるトンネル補助工法が完了した合図となる。
【0018】
図2に示すように、PLC63は、演算処理部63aと、入出力部63bと、LAN通信部63cを含む。演算処理部63aは、マイクロプロセッサやマイクロコントロールユニットによって構成されている。入出力部63bには、操作盤62及び注入圧センサ65等の入力機器、並びにインバータ68(ポンプ駆動回路)等の出力機器が接続されている。注入圧センサ65は、注入材4の注入圧を検知する。
PLC63は、運転開始つまみ62a及び運転停止つまみ62b等による指令に基づいて、インバータ68を介して注入ポンプ61の運転制御を行なう。かつPLC63によって注入材4の注入情報が取得される。注入情報は、工法種別、注入材4の注入量、リセット回数(先受け鋼管3の本数)、注入時刻などを含む。
注入量(kg)は、注入流速(kg/min)の時間積分によって算出してもよく、注入ポンプ11の1回転あたりの吐出流量と回転回数の積によって算出してもよく、流量計の積算値より算出してもよい。
【0019】
図1に示すように、さらに、注入機60には、前記ノートPCからなる注入機側処理装置20が搭載されている。
図2に示すように、注入機側処理装置20は、CPU21、ディスプレイ22、記憶部23、通信部24を含む。注入機側処理装置20とPLC63とは、有線のローカルエリアネットワーク(LAN)66によって相互にデータ通信可能に接続されている。記憶部23には、PLC63からの注入情報が記憶される。注入機側処理装置20は、注入情報を保存するデータロガーとして機能する。
【0020】
更に好ましくは、注入機側処理装置20は、前記注入情報を用いて、各トンネル断面の注入孔ごとの注入状況をグラフや図表にして表示する機能(プログラム)を有している。好ましくは、図表としては、トンネル断面を模した図中に注入孔ごとの注入状況を色分け表示したものが作成される。図示は省略するが、工事管理者Aや工事請負者Cのスマートフォン、タブレットなどの携帯端末にも、同様の注入状況を示すグラフや図表が表示されるようになっている。これによって、注入状況をリアルタイムで直観的に把握できる。
【0021】
図3に示すように、在庫管理処理装置30(在庫管理コンピュータ)は、処理部31と、記憶部32を備えている。処理部31は、CPUなどによって構成され、注入情報受付部31a、更新部31b、送信処理部31c、出荷情報受付部31d、修正受付部31eなどとしての機能を有する。
【0022】
記憶部32には、トンネル補助工法に用いられる各種資材の在庫情報32aと、各資材の在庫数量の基準数量情報32bと、関係データベース32d(関係情報)と、トンネル補助工法用在庫管理プログラム32pが格納されている。
在庫情報32aは、随時更新可能である。
【0023】
基準数量情報32bは、例えば各資材が1日あたりに消費される予測数量、各資材の出荷指示が出されてから施工現場に入荷されるまでの平均日数などを考慮して、在庫不足が生じない範囲内で設定される。
【0024】
図4に示すように、関係データベース32dは、関連資材の使用数量と注入情報との関係を示すデータであり、AGF工法、Fp工法、鏡ボルト工法などの工法種別ごとに作成されている。要するに、工法種別に応じて必要な資材は概略決まっており、かつ注入孔3aの単位数又は単位長さあたりの各資材の概略の使用数量(単位使用数量)は経験的にわかっているから、これがデータベース化されている。
【0025】
例えば、一般的なAGF工法における先端管の単位使用数量(1の注入孔あたりの本数)は1本、中間管の単位使用数量は2本、端末管の単位使用数量は1本である。
パイロットビットが、平均して2本の注入孔ごとに損耗して交換する必要があるときは、1本の注入孔あたりのパイロットビットの単位使用数量は、0.5とする。固い岩盤を掘削するために損耗速度が平均より速いと予測されるときは、補正係数を乗じることで単位使用数量をより小さい値にしてもよい。
【0026】
トンネル補助工法用在庫管理プログラム32pは、注入情報受付処理、更新処理、送信処理、出荷情報受付処理、修正受付処理などを在庫管理処理装置30(在庫管理コンピュータ)に実行させる。
【0027】
トンネル1の施工時には、トンネル補助工法用在庫管理処理システム10によって、補助工法用の各種資材の在庫管理が次のようにして行われる。
説明の簡単化のために、記憶部32には、各資材の現在の在庫数量が正しく記憶されているものとする。
操作盤62の操作つまみ62a〜62f等の操作に応じて、PLC63が、注入ポンプ61を制御しながら、工法種別、注入材4の注入量、リセット回数(先受け鋼管3の本数)、注入時刻などの注入情報を随時、注入機側処理装置20へ送信する。
注入機側処理装置20は、PLC63からの前記注入情報を取得して記憶部23に記憶する。
【0028】
1のトンネル断面におけるすべての注入孔3aへの注入作業が完了したときは、工事請負者Cによってトータルリセットボタン62fが押下される。該トータルリセットボタン62fの押下情報が、PLC63から注入機側処理装置20へ送信される。これを受けた注入機側処理装置20は、そのトンネル断面に含まれる注入孔3aの注入情報を在庫管理処理装置30へ送信する。
なお、該送信のタイミングは、トータルリセットボタン62fが押下時に限られず、決まった時間置きでもよく、注入機側処理装置20がPLC63から注入情報を取得する度でもよく、注入機側処理装置20における注入情報の蓄積量が所定以上になったときでもよい。
【0029】
図5のフローチャートに示すように、在庫管理処理装置30においては、プログラム32pによって以下の処理が実行される。
まず、注入情報受付部31aとしての処理部31が、注入機側処理装置20から前記注入情報を受け付ける(ステップ100〜101)。
【0030】
次に、更新部31bとしての処理部31が、前記受け付けた注入情報に基づいて、記憶部32の在庫情報32aを更新する(ステップ102)。具体的には、関係データベース32dから、対応する工法種別における注入孔3aあたりの関連資材の単位使用数量を読み取る。該単位使用数量と注入情報中の注入孔数等から、前回の更新時以降の各資材の使用数量を算出する。算出した使用数量を記憶部32に現在記憶している在庫数量から差し引き、差し引き後の在庫数量を新たな在庫情報32aとして、記憶部32に上書き保存する。
【0031】
さらに、送信処理部31cとしての処理部31は、一定条件下で前記記憶部32の在庫情報を利用端末40,50に送信する。
例えば、工事管理者Aの利用端末40や資材供給者Bの利用端末50のブラウザによって在庫管理処理装置30のウェブページにアクセスして在庫情報の閲覧要求を出すと、該閲覧要求を前記一定条件として(ステップ103)、在庫管理処理装置30が記憶部32の在庫情報を利用端末40,50に送信する(ステップ104)。
【0032】
在庫管理処理装置30のウェブページには、各資材の在庫情報の閲覧ページが設けられていることが好ましい。これによって、工事管理者Aや資材供給者Bは、利用端末40,50のブラウザによって在庫情報を閲覧でき、在庫状況を常時把握できる。
ブラウザは、汎用のインターネットブラウザであってもよく、当該トンネル補助工法用在庫管理処理システム10の専用ブラウザであってもよい。
【0033】
また、処理部31は、前記記憶部32の在庫情報における各資材の在庫数量が基準数量情報32bの基準数量を下回らないかを監視し(ステップ105)、下回ったときを前記一定条件とし、利用端末40,50にその在庫情報を送信する(ステップ106)。送信形式は、好ましくは電子メールである。電子メールは工事管理者Aの利用端末40宛てとし、そのカーボンコピーを資材供給者Bの利用端末50宛てに送信してもよい。
【0034】
該電子メールを受信した工事管理者A及び資材供給者Bは、どの資材が在庫不足になろうとしているのかを把握できる。工事管理者Aはその資材の出荷指示を的確に出すことができる。資材供給者Bは、その資材の出荷準備を行ない、出荷指示を受けたときは速やかに出荷を行うことができる。
【0035】
より好ましくは、少なくとも工事管理者Aの利用端末40宛ての電子メールには、資材供給者Bへの出荷指示票が添付されている。該出荷指示票の写しが資材供給者Bの利用端末50宛ての電子メールにも添付されていてもよい。
さらに好ましくは、前記出荷指示票には、基準数量を下回った資材の識別情報(品名、型式など)、及び予測される所要出荷数量が、処理部31によって記入されている。
これによって、工事管理者Aが出荷指示票を作成する手間を大幅に軽減できる。さらに出荷数量の過不足を防止できる。
【0036】
資材供給者Bは、工事管理者Aからの出荷指示を受けて資材の出荷を行なったときは、その資材の識別情報(品名、型式など)、出荷数量、予想納品日時などを含む出荷情報を利用端末50のブラウザによって在庫管理処理装置30に送信(アップロード)する。
【0037】
在庫管理処理装置30における、出荷情報受付部31dとしての処理部31は、利用端末50からの前記出荷情報を受け付ける(ステップ107〜108)。在庫管理処理装置30のウェブページには、出荷情報を受け付けるための出荷情報受付ページが設けられていることが好ましい。
さらに、更新部31bとしての処理部31が、前記受け付けた出荷情報に基づいて、記憶部32の在庫情報32aを更新する(ステップ109)。具体的には、出荷情報中の資材に関する現在の在庫情報32aの在庫数量に出荷情報中の出荷数量を加算し、加算後の数量を新たな在庫情報32aとして上書き保存する。
該出荷情報に基づく更新(上書き保存)のタイミングは、出荷情報の受付時でもよく、出荷情報における予想納品日時であってもよい。
これによって、出荷内容を在庫情報に反映させることができる。
【0038】
工事管理者Aがトンネル施工現場で各資材の実際の在庫を点検し、正確な在庫情報を得た場合において、前記正確な在庫情報と在庫管理処理装置30における在庫情報とが違っているときは、工事管理者Aは、利用端末40のブラウザによって在庫管理処理装置30に当該資材の在庫の修正情報を送信(アップロード)する。
【0039】
在庫管理処理装置30における、修正受付部31eとしての処理部31は、利用端末40からの前記修正情報を受け付ける(ステップ110〜111)。在庫管理処理装置30のウェブページには、修正情報を受け付けるための修正受付ページが設けられていることが好ましい。
さらに、更新部31bとしての処理部31が、前記受け付けた修正情報に基づいて、記憶部32の在庫情報32aを更新する(ステップ112)。
【0040】
これによって、実際に点検して得た正確な在庫情報を、記憶部43の在庫情報32aに反映させることができる。すなわち、注入情報及び関係データベース32dによる在庫数量の推測誤差を修正でき、在庫情報32aの正確度を高めることができる。
このように、在庫管理処理システム10によれば、トンネル補助工法に用いられる資材の在庫管理を支援することによって、工事管理者A等の負担を軽減できる。資材のおおまかな在庫状況が把握でき、工事管理者Aによる在庫管理の手間、労力を大幅に軽減できる。
【0041】
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
たとえば、在庫管理処理装置30(在庫管理コンピュータ)は、非クラウドのサーバーコンピュータであってもよく、ノートパソコン(好ましくは据え置かれたノートパソコン)、デスクトップパソコンであってもよい。
注入機側処理装置20(注入機側コンピュータ)は、ノートPCに限らず、デスクトップPCでもよく、タブレットまたはスマートフォンであってもよい。
図5に示すフローチャートは一例であって、処理順番などを適宜変更してもよい。例えばステップ107〜109とステップ110〜112の前後関係を入れ替えてもよくステップ107とステップ110の判断処理を併行して行ってもよい。