特開2021-162488(P2021-162488A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-162488(P2021-162488A)
(43)【公開日】2021年10月11日
(54)【発明の名称】柱状ハニカムフィルタの検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/08 20060101AFI20210913BHJP
   G01N 15/06 20060101ALI20210913BHJP
   G01N 21/47 20060101ALI20210913BHJP
【FI】
   G01N15/08 A
   G01N15/06 D
   G01N15/06 C
   G01N15/08 C
   G01N21/47 Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-64973(P2020-64973)
(22)【出願日】2020年3月31日
(11)【特許番号】特許第6756939号(P6756939)
(45)【特許公報発行日】2020年9月16日
(71)【出願人】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 祥弘
(72)【発明者】
【氏名】神山 貴量
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 祐二
(72)【発明者】
【氏名】石井 豊
(72)【発明者】
【氏名】金光 孝晃
(72)【発明者】
【氏名】村井 真
(72)【発明者】
【氏名】岩出 将成
(72)【発明者】
【氏名】寺拝 貴史
(72)【発明者】
【氏名】倉橋 良太
(72)【発明者】
【氏名】深谷 晃成
(72)【発明者】
【氏名】戎谷 健司
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA03
2G059AA05
2G059BB01
2G059BB08
2G059BB15
2G059EE02
2G059FF01
2G059FF04
2G059GG01
2G059HH02
2G059KK04
2G059MM02
2G059MM03
2G059MM12
(57)【要約】
【課題】フィルタ全体としての品質を判定可能な柱状ハニカムフィルタの検査方法を提供する。
【解決手段】ハニカム状第一底面及びハニカム状第二底面を有する柱状ハニカムフィルタの検査方法であって、微粒子を含有する気体を前記第一底面に流入させる工程と、前記第一底面に流入した前記気体が前記フィルタを通過して前記第二底面から流出している状態で、カメラを用いて、シート状の光に覆われた前記第二底面全体を撮像し、前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体の画像を生成する工程と、前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体の画像から前記第二底面の検査エリアを選択し、検査エリアにおける各画素の輝度の総和に関する情報を測定する工程と、前記気体が前記第一底面に流入する前の前記気体中の微粒子濃度に関係する情報と、前記輝度の総和に関する情報に少なくとも基づいて前記フィルタの品質を判定する工程と、を含む方法。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハニカム状第一底面及びハニカム状第二底面を有する柱状ハニカムフィルタの検査方法であって、
前記フィルタを前記第一底面が下側、前記第二底面が上側に位置するように配置する工程と、
微粒子を含有する気体を前記第一底面に流入させる工程と、
前記第一底面に流入する前の前記気体中の微粒子濃度に関する情報を測定する工程と、
前記第二底面の直上近傍において、前記第二底面に平行なシート状の光を前記第二底面全体を覆うように照射する工程と、
前記第一底面に流入した前記気体が前記フィルタを通過して前記第二底面から流出している状態で、前記シート状の光の上方に設置されたカメラを用いて、前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体を撮像し、前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体の画像を生成する工程と、
前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体の画像から前記第二底面の検査エリアを選択し、検査エリアにおける各画素の輝度の総和に関する情報を測定する工程と、
前記気体が前記第一底面に流入する前の前記気体中の微粒子濃度に関係する情報と、前記輝度の総和に関する情報に少なくとも基づいて前記フィルタの品質を判定する工程と、
を含む方法。
【請求項2】
前記気体中の微粒子濃度に関係する情報が前記気体の光吸収係数であるか、又は、光透過率である請求項1に記載の検査方法。
【請求項3】
前記輝度の総和に関する情報が、前記シート状の光に覆われた前記第二底面を表す各画素の輝度の総和であるか、又は、当該輝度の総和を検査エリアの画素数で除した平均輝度である請求項1又は2に記載の検査方法。
【請求項4】
検査エリアは前記第二底面全体の90%〜100%の面積を包含する請求項1〜3の何れか一項に記載の検査方法。
【請求項5】
前記シート状の光がレーザー、又は、スリット光LEDを光源とする請求項1〜4の何れか一項に記載の検査方法。
【請求項6】
前記判定する工程は、一方の座標軸が前記気体中の微粒子濃度に関係する情報を示し、他方の座標軸が前記輝度の総和に関する情報を示す二次元座標上に、前記微粒子濃度に関する情報を測定する工程及び前記輝度の総和に関する情報を測定する工程で得られた測定値をプロットし、当該プロットした点の座標位置と予め定めた当該二次元座標上に引いた判定ラインの位置関係に基づいて、前記フィルタの品質を判定することを含む請求項1〜5の何れか一項に記載の検査方法。
【請求項7】
前記微粒子濃度に関する情報を測定する工程と、前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体をカメラで撮像する工程のタイムラグが10秒以内である請求項1〜6の何れか一項に記載の検査方法。
【請求項8】
前記フィルタは、特定の品番を付与すべき柱状ハニカムフィルタであり、
前記判定する工程は、
当該品番と同じ品番が付与された柱状ハニカムフィルタについて予め求めた、前記微粒子濃度に関する情報、前記輝度の総和に関する情報、及び所定条件における排ガス中の粒子状物質の捕集性能に関する情報の相関関係に基づき、
前記微粒子濃度に関する情報を測定する工程及び前記輝度の総和に関する情報を測定する工程で得られた測定値から、前記フィルタについて当該所定条件における排ガス中の粒子状物質の捕集性能を推定することを含む、
請求項1〜7の何れか一項に記載の検査方法。
【請求項9】
前記相関関係は、前記同じ品番が付与された柱状ハニカムフィルタについて、一方の座標軸が当該所定条件における排ガス中の粒子状物質の捕集性能に関する情報を示し、他方の座標軸が前記輝度の総和に関する情報を示す二次元座標上に、前記微粒子濃度に関する情報と関連付けて、プロットされている請求項8に記載の検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柱状ハニカムフィルタの検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジン及びガソリンエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中にはスス等の粒子状物質(以下、PM:Particulate Matterと記す。)が含まれる。ススは人体に対し有害であり排出が規制されている。現在、排ガス規制に対応するために、通気性のある小細孔隔壁に排ガスを通過させ、スス等のPMを濾過するDPF及びGPFに代表されるフィルタが幅広く用いられている。
【0003】
PMを捕集するためのフィルタとしては、第一底面から第二底面まで高さ方向に延び、第一底面が開口して第二底面に目封止部を有する複数の第一セルと、第一セルに隔壁を挟んで隣接配置されており、第一底面から第二底面まで高さ方向に延び、第一底面に目封止部を有し第二底面が開口する複数の第二セルとを備えたウォールフロー式の柱状ハニカム構造体(以下、「柱状ハニカムフィルタ」ともいう。)が知られている。
【0004】
近年、排ガス規制強化に伴い、より厳しいPMの排出基準(PN規制:Particle Matterの個数規制)が導入されており、フィルタにはPMの高捕集性能(PN高捕集効率)が要求されている。そのため、フィルタが出荷される前にPN捕集効率を検査し、要求スペックを満たさないフィルタが市場に流通するのを防止することが望ましい。しかしながら、実際の排ガスをフィルタに通して品質検査をすることは時間及びコストの観点から必ずしも現実的ではないため、代替的な簡易検査方法が開発されてきた。
【0005】
従来の簡易検査方法の代表的な方法としては、微粒子を含むガス流を柱状ハニカムフィルタの入口底面に供給し、柱状ハニカムフィルタの出口底面から出るガス流に光を照射しながら出口底面を観察し、そこから漏出する微粒子を可視化することにより欠陥部を検出する方法が知られている(特許文献1〜6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2017/061383号
【特許文献2】特開2013−234952号公報
【特許文献3】特開2012−063349号公報
【特許文献4】国際公開第2009/028709号
【特許文献5】特開2009−092480号公報
【特許文献6】特開2009−258090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の簡易検査方法によれば、柱状ハニカムフィルタにおける欠陥部を検出したり、その分布を取得したりすることは可能である。しかしながら、欠陥部を検出したとしても、検査対象となった柱状ハニカムフィルタが、要求されるPN捕集効率を満たすか否かは不明である。欠陥部の状態及び数によっては、要求スペックを満たす可能性もある。要求スペックを満たすにもかかわらず、僅かな欠陥部の存在により欠陥品として取り扱うのは製品の歩留まり低下につながるため好ましくない。
【0008】
上記事情に鑑み、本発明は一実施形態において、フィルタ全体としての品質を判定可能な柱状ハニカムフィルタの検査方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討したところ、フィルタの検査を、欠陥部の有無や分布に基づいて実施するのではなく、フィルタの出口底面から漏出する微粒子全体の量に基づいて実施することで、フィルタ全体としての品質を判定可能な簡易検査を行うことができることを見出した。本発明は当該知見に基づいて完成したものであり、以下に例示される。
【0010】
[1]
ハニカム状第一底面及びハニカム状第二底面を有する柱状ハニカムフィルタの検査方法であって、
前記フィルタを前記第一底面が下側、前記第二底面が上側に位置するように配置する工程と、
微粒子を含有する気体を前記第一底面に流入させる工程と、
前記第一底面に流入する前の前記気体中の微粒子濃度に関する情報を測定する工程と、
前記第二底面の直上近傍において、前記第二底面に平行なシート状の光を前記第二底面全体を覆うように照射する工程と、
前記第一底面に流入した前記気体が前記フィルタを通過して前記第二底面から流出している状態で、前記シート状の光の上方に設置されたカメラを用いて、前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体を撮像し、前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体の画像を生成する工程と、
前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体の画像から前記第二底面の検査エリアを選択し、検査エリアにおける各画素の輝度の総和に関する情報を測定する工程と、
前記気体が前記第一底面に流入する前の前記気体中の微粒子濃度に関係する情報と、前記輝度の総和に関する情報に少なくとも基づいて前記フィルタの品質を判定する工程と、
を含む方法。
[2]
前記気体中の微粒子濃度に関係する情報が前記気体の光吸収係数であるか、又は、光透過率である[1]の検査方法。
[3]
前記輝度の総和に関する情報が、前記シート状の光に覆われた前記第二底面を表す各画素の輝度の総和であるか、又は、当該輝度の総和を検査エリアの画素数で除した平均輝度である[1]又は[2]の検査方法。
[4]
検査エリアは前記第二底面全体の90%〜100%の面積を包含する[1]〜[3]の何れか一項に記載の検査方法。
[5]
前記シート状の光がレーザー、又は、スリット光LEDを光源とする[1]〜[4]の何れか一項に記載の検査方法。
[6]
前記判定する工程は、一方の座標軸が前記気体中の微粒子濃度に関係する情報を示し、他方の座標軸が前記輝度の総和に関する情報を示す二次元座標上に、前記微粒子濃度に関する情報を測定する工程及び前記輝度の総和に関する情報を測定する工程で得られた測定値をプロットし、当該プロットした点の座標位置と予め定めた当該二次元座標上に引いた判定ラインの位置関係に基づいて、前記フィルタの品質を判定することを含む[1]〜[5]の何れか一項に記載の検査方法。
[7]
前記微粒子濃度に関する情報を測定する工程と、前記微粒子濃度に関する情報を測定する工程と、前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体をカメラで撮像する工程のタイムラグが10秒以内である[1]〜[6]の何れか一項に記載の検査方法。
[8]
前記フィルタは、特定の品番を付与すべき柱状ハニカムフィルタであり、
前記判定する工程は、
当該品番と同じ品番が付与された柱状ハニカムフィルタについて予め求めた、前記微粒子濃度に関する情報、前記輝度の総和に関する情報、及び所定条件における排ガス中の粒子状物質の捕集性能に関する情報の相関関係に基づき、
前記微粒子濃度に関する情報を測定する工程及び前記輝度の総和に関する情報を測定する工程で得られた測定値から、前記フィルタについて当該所定条件における排ガス中の粒子状物質の捕集性能を推定することを含む、
[1]〜[7]の何れか一項に記載の検査方法。
[9]
前記相関関係は、前記同じ品番が付与された柱状ハニカムフィルタについて、一方の座標軸が当該所定条件における排ガス中の粒子状物質の捕集性能に関する情報を示し、他方の座標軸が前記輝度の総和に関する情報を示す二次元座標上に、前記微粒子濃度に関する情報と関連付けて、プロットされている[8]に記載の検査方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一実施形態に係る検査方法よれば、フィルタ全体としての品質、とりわけPN捕集効率についての判定結果を簡易的に得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】柱状ハニカムフィルタの一例を模式的に示す斜視図である。
図2】柱状ハニカムフィルタの一例をセルの延びる方向に直交する方向から観察したときの模式的な断面図である。
図3】柱状ハニカムフィルタの検査装置の構成例を示す模式図である。
図4】シート状の光が当たることで可視化された微粒子を捉えた画像の例である。
図5】実施例で作製した種々の捕集性能を有する柱状ハニカムフィルタについて、光吸収係数をx軸、輝度の総和をy軸として、二次元座標上に検査結果をプロットしたグラフである。
図6】同じ品番の柱状ハニカムフィルタについて、PN捕集効率(%)をx軸、光吸収係数が2m-1〜3m-1のときの輝度の総和をy軸として、二次元座標上にプロットした結果である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
【0014】
<1.柱状ハニカムフィルタ>
本発明に係る検査方法において検査対象となるウォールフロー式の柱状ハニカム構造体(柱状ハニカムフィルタ)の実施形態について説明する。柱状ハニカムフィルタは、燃焼装置、典型的には車両に搭載されるエンジンからの排ガスラインに装着されるススを捕集するDPF(Diesel Particulate Filter)及びGPF(Gasoline Particulate Filter)として使用可能である。本発明に係る柱状ハニカムフィルタは、例えば、排気管内に設置することができる。
【0015】
図1及び図2には、柱状ハニカムフィルタ(100)の模式的な斜視図及び断面図がそれぞれ例示されている。この柱状ハニカムフィルタ(100)は、外周側壁(102)と、外周側壁(102)の内周側に配置され、第一底面(104)から第二底面(106)まで延び、第一底面(104)が開口して第二底面(106)に目封止部(109)を有する複数の第1セル(108)と、外周側壁(102)の内周側に配置され、第一底面(104)から第二底面(106)まで延び、第一底面(104)に目封止部(109)を有し、第二底面(106)が開口する複数の第2セル(110)とを備える。この柱状ハニカムフィルタ(100)においては、第1セル(108)及び第2セル(110)が多孔質の隔壁(112)を挟んで交互に隣接配置されていることにより、第一底面(104)及び第二底面(106)はそれぞれハニカム状を呈している。
【0016】
柱状ハニカムフィルタ(100)の上流側の第一底面(104)にスス等の粒子状物質(PM)を含む排ガスが供給されると、排ガスは第1セル(108)に導入されて第1セル(108)内を下流に向かって進む。第1セル(108)は下流側の第二底面(106)に目封止部(109)を有するため、排ガスは第1セル(108)と第2セル(110)を区画する多孔質の隔壁(112)を透過して第2セル(110)に流入する。粒子状物質は隔壁(112)を通過できないため、第1セル(108)内に捕集され、堆積する。粒子状物質が除去された後、第2セル(110)に流入した清浄な排ガスは第2セル(110)内を下流に向かって進み、下流側の第二底面(106)から流出する。
【0017】
本実施形態に係る柱状ハニカムフィルタを構成する材料としては、限定的ではないが、多孔質セラミックスを挙げることができる。セラミックスとしては、コージェライト、ムライト、リン酸ジルコニウム、チタン酸アルミニウム、炭化珪素、珪素−炭化珪素複合材(例:Si結合SiC)、コージェライト−炭化珪素複合体、ジルコニア、スピネル、インディアライト、サフィリン、コランダム、チタニア、窒化珪素等が挙げられる。そして、これらのセラミックスは、1種を単独で含有するものでもよいし、2種以上を同時に含有するものであってもよい。
【0018】
隔壁の表面や、その内部にPM燃焼を補助するような触媒を担持してもよい。触媒は、例えば、貴金属(Pt、Pd、Rh等)、アルカリ金属(Li、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(Ca、Ba、Sr等)、希土類(Ce、Sm、Gd、Nd、Y、Zr、Ca、La、Pr等)、遷移金属(Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Sc、Ti、V、Cr等)等を適宜含有することができる。
【0019】
柱状ハニカムフィルタの底面形状に制限はないが、例えば円形、楕円形、レーストラック形及び長円形等のラウンド形状、三角形、四角形等の多角形とすることができる。図示の柱状ハニカムフィルタ(100)は、底面形状が円形状であり、全体として円柱状である。
【0020】
セルの流路方向に垂直な断面におけるセルの形状に制限はないが、四角形、六角形、八角形、又はこれらの組み合わせであることが好ましい。これらのなかでも、正方形及び六角形が好ましい。セル形状をこのようにすることにより、柱状ハニカム構造体に流体を流したときの圧力損失を小さくすることができる。
【0021】
セル密度(単位断面積当たりのセルの数)についても特に制限はなく、例えば6〜2000セル/平方インチ(0.9〜311セル/cm2)、更に好ましくは50〜1000セル/平方インチ(7.8〜155セル/cm2)、特に好ましくは100〜400セル/平方インチ(15.5〜62.0セル/cm2)とすることができる。
【0022】
柱状ハニカムフィルタは、一体成形品として提供することも可能である。また、柱状ハニカムフィルタは、それぞれが外周側壁を有する複数の柱状ハニカムフィルタのセグメントを、側面同士で接合して一体化し、セグメント接合体として提供することも可能である。柱状ハニカムフィルタをセグメント接合体として提供することにより、耐熱衝撃性を高めることができる。
【0023】
<2.柱状ハニカムフィルタの製造方法>
柱状ハニカムフィルタの製造方法について以下に例示的に説明する。まず、セラミックス原料、分散媒、造孔材及びバインダーを含有する原料組成物を混練して坏土を形成した後、坏土を押出成形することにより所望の柱状ハニカム成形体に成形する。原料組成物中には分散剤等の添加剤を必要に応じて配合することができる。押出成形に際しては、所望の全体形状、セル形状、隔壁厚み、セル密度等を有する口金を用いることができる。
【0024】
柱状ハニカム成形体を乾燥した後、柱状ハニカム成形体の両底面に目封止部を形成した上で目封止部を乾燥し、目封止部を有する柱状ハニカム成形体を得る。この後、柱状ハニカム成形体に対して脱脂及び焼成を実施することで柱状ハニカムフィルタが製造される。
【0025】
セラミックス原料としては、焼成後に上述したセラミックスを形成することのできる原料を使用することができる。セラミックス原料は例えば粉末の形態で提供することができる。セラミックス原料としては、コージェライト、ムライト、ジルコン、チタン酸アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、ジルコニア、スピネル、インディアライト、サフィリン、コランダム、チタニア等のセラミックスを得るための原料が挙げられる。具体的には、限定的ではないが、シリカ、タルク、アルミナ、カオリン、蛇紋石、パイロフェライト、ブルーサイト、ベーマイト、ムライト、マグネサイト、水酸化アルミニウム等が挙げられる。セラミックス原料は、1種類を単独で使用するものであっても、2種類以上を組み合わせて使用するものであってもよい。
【0026】
DPF及びGPF等のフィルタ用途の場合、セラミックスとしてコージェライトを好適に使用することができる。この場合、セラミックス原料としてはコージェライト化原料を使用することができる。コージェライト化原料とは、焼成によりコージェライトとなる原料である。コージェライト化原料は、アルミナ(Al23)(アルミナに変換される水酸化アルミニウムの分を含む):30〜45質量%、マグネシア(MgO):11〜17質量%及びシリカ(SiO2):42〜57質量%の化学組成からなることが望ましい。
【0027】
分散媒としては、水、又は水とアルコール等の有機溶媒との混合溶媒等を挙げることができるが、特に水を好適に用いることができる。
【0028】
造孔材としては、焼成後に気孔となるものであれば、特に限定されず、例えば、小麦粉、澱粉、発泡樹脂、吸水性樹脂、多孔質シリカ、炭素(例:グラファイト)、セラミックスバルーン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、アクリル、フェノール等を挙げることができる。造孔材は、1種類を単独で使用するものであっても、2種類以上を組み合わせて使用するものであってもよい。造孔材の含有量は、焼成体の気孔率を高めるという観点からは、セラミックス原料100質量部に対して0.5質量部以上であることが好ましく、2質量部以上であるのがより好ましく、3質量部以上であるのが更により好ましい。造孔材の含有量は、焼成体の強度を確保するという観点からは、セラミックス原料100質量部に対して10質量部以下であることが好ましく、7質量部以下であるのがより好ましく、4質量部以下であるのが更により好ましい。
【0029】
バインダーとしては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の有機バインダーを例示することができる。特に、メチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを併用することが好適である。また、バインダーの含有量は、ハニカム成形体の強度を高めるという観点から、セラミックス原料100質量部に対して4質量部以上であることが好ましく、5質量部以上であるのがより好ましく、6質量部以上であるのが更により好ましい。バインダーの含有量は、焼成工程での異常発熱によるキレ発生を抑制する観点から、セラミックス原料100質量部に対して9質量部以下であることが好ましく、8質量部以下であるのがより好ましく、7質量部以下であるのが更により好ましい。バインダーは、1種類を単独で使用するものであっても、2種類以上を組み合わせて使用するものであってもよい。
【0030】
分散剤には、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリエーテルポリオール等を用いることができる。分散剤は、1種類を単独で使用するものであっても、2種類以上を組み合わせて使用するものであってもよい。分散剤の含有量は、セラミックス原料100質量部に対して0〜2質量部であることが好ましい。
【0031】
柱状ハニカム成形体の底面を目封止する方法は、特に限定されるものではなく、周知の手法を採用することができる。目封止部の材料については、特に制限はないが、強度や耐熱性の観点からセラミックスであることが好ましい。セラミックスとしては、コージェライト、ムライト、ジルコン、チタン酸アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、ジルコニア、スピネル、インディアライト、サフィリン、コランダム、及びチタニアからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するセラミックス材料であることが好ましい。焼成時の膨張率を同じにでき、耐久性の向上につながるため、目封止部はハニカム成形体の本体部分と同じ材料組成とすることが更により好ましい。
【0032】
ハニカム成形体を乾燥した後、脱脂及び焼成を実施することで柱状ハニカムフィルタを製造することができる。乾燥工程、脱脂工程及び焼成工程の条件はハニカム成形体の材料組成に応じて公知の条件を採用すればよく、特段に説明を要しないが以下に具体的な条件の例を挙げる。
【0033】
乾燥工程においては、例えば、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等の従来公知の乾燥方法を用いることができる。なかでも、成形体全体を迅速かつ均一に乾燥することができる点で、熱風乾燥と、マイクロ波乾燥又は誘電乾燥とを組み合わせた乾燥方法が好ましい。目封止部を形成する場合は、乾燥したハニカム成形体の両底面に目封止部を形成した上で目封止部を乾燥することが好ましい。
【0034】
次に脱脂工程について説明する。バインダーの燃焼温度は200℃程度、造孔材の燃焼温度は300〜1000℃程度である。従って、脱脂工程はハニカム成形体を200〜1000℃程度の範囲に加熱して実施すればよい。加熱時間は特に限定されないが、通常は、10〜100時間程度である。脱脂工程を経た後のハニカム成形体は仮焼体と称される。
【0035】
焼成工程は、ハニカム成形体の材料組成にもよるが、例えば仮焼体を1350〜1600℃に加熱して、3〜10時間保持することで行うことができる。
【0036】
焼成後のハニカム成形体は、そのままフィルタとして使用してもよいが、PN捕集効率を高めるために、PMを捕集するための多孔質膜を隔壁上に別途形成してもよい。多孔質膜の形成方法は公知の任意の方法を採用することができる。一実施形態において、多孔質膜は炭化珪素、コージェライト、アルミナ、シリカ、ムライト及びアルミニウムチタネートから選択される一種又は二種以上を合計で50質量%以上含有することができる。
【0037】
<3.柱状ハニカムフィルタの検査方法>
前述した柱状ハニカムフィルタの検査方法の実施形態について以下に詳述する。
本発明の一実施形態によれば、
ハニカム状第一底面及びハニカム状第二底面を有する柱状ハニカムフィルタの検査方法であって、
前記フィルタを前記第一底面が下側、前記第二底面が上側に位置するように配置する工程と、
微粒子を含有する気体を前記第一底面に流入させる工程と、
前記第一底面に流入する前の前記気体中の微粒子濃度に関する情報を測定する工程と、
前記第二底面の直上近傍において、前記第二底面に平行なシート状の光を前記第二底面全体を覆うように照射する工程と、
前記第一底面に流入した前記気体が前記フィルタを通過して前記第二底面から流出している状態で、前記シート状の光の上方に設置されたカメラを用いて、前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体を撮像し、前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体の画像を生成する工程と、
前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体の画像から前記第二底面の検査エリアを選択し、検査エリアにおける各画素の輝度の総和に関する情報を測定する工程と、
前記気体が前記第一底面に流入する前の前記気体中の微粒子濃度に関係する情報と、前記輝度の総和に関する情報に少なくとも基づいて前記フィルタの品質を判定する工程と、
を含む方法が提供される。
【0038】
<1.フィルタの配置工程>
本発明に係る柱状ハニカムフィルタの検査方法の一実施形態においては、前記フィルタを第一底面(入口側底面)が下側、第二底面(出口側底面)が上側に位置するように配置する工程が実施される。典型的には、セルの延びる方向が鉛直方向に平行となるように、前記フィルタを配置する。柱状ハニカムフィルタをこのように配置することで、後述する工程において、第二底面から流出する気体中の微粒子濃度に基づいた輝度の総和に関する情報を正確に測定しやすくなる。
【0039】
<2.微粒子含有気体のフィルタへの流入工程>
本発明に係る柱状ハニカムフィルタの検査方法の一実施形態においては、微粒子を含有する気体を前記第一底面に流入させる工程が実施される。当該工程は、所定位置に柱状ハニカムフィルタを配置した後に実施するのが通常である。微粒子を含有する気体としては、実際のエンジンを運転し、その排ガスを使用してもよく、特に制限はない。しかしながら、検査条件を再現しやすい点や、簡便であるという点から、微粒子を含有する気体は、例えば空気中で線香などの香類を燃焼させる方法、空気中でグリコール類及び/又は水を噴霧することによりこれらの微粒子を発生させる方法、固体二酸化炭素、液体窒素、噴霧器及び超音波加湿器などにより水の微粒子を発生させる方法、市販の標準粒子発生装置を用いる方法、並びに、炭酸カルシウム等の微粒子粉末を振動装置やブロアなどで発塵させる方法で得ることが好ましい。中でも、入手の容易性、取り扱いのし易さ、及びコストの観点からは、微粒子を含有する気体は、空気中で線香などの香類を燃焼させる方法が好適である。
【0040】
微粒子のキャリアとなる気体としては、特に制限はないが、例えば、空気、窒素、ヘリウム、水素、アルゴン等が挙げられ、中でも空気がコスト及び安全性の観点から好ましい。
【0041】
微粒子を含有する気体中の微粒子の粒度分布は、実際の排ガス中に含まれる微粒子の粒度分布に近いほうが、検査精度が高まるため好ましい。例えば、自動車排ガス中に含まれる微粒子の、静電式粒子分級器及び凝集粒子カウンター等により求めた累積粒度分布における個数基準のメジアン径(D50)は、50〜100nmである。従って、検査に使用する微粒子を含有する気体中の微粒子のD50もこの範囲であることが理想的である。しかしながら、実際の排ガス中に含まれる微粒子の粒度分布と異なる粒度分布をもつ微粒子であっても、700nm程度までは捕集メカニズムが同じであるという理由により、使用可能である。
【0042】
微粒子の捕集は主に以下の4つに分けられる。
(1)拡散(粒子のブラウン運動により流れとは異なる動きをして捕集される)
(2)さえぎり(流れに乗っていても物理的に接触し捕集される)
(3)沈降(大きい粒子では重力によって流れから外れ通り抜けない)
(4)慣性(大きい粒子では流れ方向が変化してもその流れに乗りきらず衝突し捕集される)
700nm程度までの粒子では、拡散とさえぎりが支配的である為、これよりも小さな微粒子を含有する気体を使用すれば実際の捕集性能を模擬可能である。
【0043】
従って、一実施形態において、静電式粒子分級器及び凝集粒子カウンター等により求めた累積粒度分布において、微粒子の個数基準のメジアン径(D50)は、50〜500nmとすることができ、100〜300nmとすることもできる。線香を燃焼させた場合には、この範囲の粒度分布が安定して得られるため、再現性の高い評価結果が得られる。
【0044】
<3.微粒子濃度に関する情報の測定工程>
本発明に係る柱状ハニカムフィルタの検査方法の一実施形態においては、前記第一底面に流入する前の前記気体中の微粒子濃度に関する情報を測定する工程が実施される。フィルタの品質が同じであっても、前記第一底面に流入する前の気体中の微粒子濃度が低ければ、前記第二底面から流出する気体中の微粒子濃度が低くなる一方、前記第一底面に流入する前の気体中の微粒子濃度が高ければ、前記第二底面から流出する気体中の微粒子濃度も高くなる。このことから、フィルタの品質は、前記第二底面から流出する気体中の微粒子濃度に関する情報のみならず、前記第一底面に流入する前の気体中の微粒子濃度に関する情報を考慮して判定することで、検査精度を高めることができる。当該濃度測定はフィルタの配置前に行ってもよいし、フィルタの配置後に行ってもよい。
【0045】
微粒子濃度に関する情報としては、例えば、前記気体の光吸収係数及び光透過率が挙げられ、何れを採用することもできる。光吸収係数は微粒子濃度が高くなるほど高くなり、光透過率は微粒子濃度が高くなるほど低くなる。光吸収係数又は光透過率を測定することにより、微粒子濃度に関する情報を迅速に得ることができるので好ましい。光吸収係数又は光透過率は、オパシメータを使用することで測定可能である。オパシメータによる光吸収係数又は光透過率の測定時間は、数秒(例:約3秒)である。オパシメータの中でも、光透過式のオパシメータが測定精度及び再現性の観点から好ましい。光透過式のオパシメータでは光源とセンサの間を、微粒子を含有する気体が通過するときの吸収と散乱による光強度の減衰率を測定する。Beer−Lambertの法則により、式(1)が成立する。また、式(2)によってオパシティN(%)が得られ、式(3)によって光吸収係数k(m-1)が得られる。式(4)は光透過率p(%)を表す。
I=I0-kL=I0×(1−N/100) ・・・(1)
N=(1−I/I0)×100 ・・・(2)
k=−1/L×ln(1−N/100)・・・(3)
p=I/I0×100・・・(4)
(式中、I0は気体中に微粒子がないときの光強度、Iは微粒子を含有する気体が流れているときの光強度、Lは測定セル長(m)を表す。)
従って、気体中の微粒子濃度に関する情報には、オパシティも含まれる。また、気体中の微粒子濃度に関する情報はこれらに限らず、微粒子濃度自体でもよいし、他の方式による煙濃度計で測定される情報とすることも可能である。
【0046】
前記第一底面に流入する前の前記気体中の微粒子濃度は、適宜設定すればよく、特に制限はないが、検査精度を高めるという観点から、例えば、オパシメータで測定される光吸収係数が0.5〜5m-1の範囲にある気体を好ましく使用することができ、当該光吸収係数が2〜3m-1の範囲となる気体をより好ましく使用することができる。
【0047】
前記第一底面に流入する前の気体中の微粒子濃度は必ずしも一定ではなく、経時変化し得る。このため、前記第一底面に流入する前の前記気体中の微粒子濃度に関する情報を測定する工程は、複数回実施してもよい。その場合、複数回の測定値の平均値を使用することも可能である。
【0048】
<4.光の照射工程>
本発明に係る柱状ハニカムフィルタの検査方法の一実施形態においては、前記第二底面の直上近傍において、前記第二底面に平行なシート状の光を前記第二底面全体を覆うように照射する工程が実施される。当該工程を実施することで、前記第二底面全体について、後述する輝度総和に関する正確な情報を容易に測定可能となる。前記第二底面に平行なシート状の光を照射する位置は、検査精度の観点から、前記第二底面の直上近傍とする。直上近傍の具体的な距離は、検査精度が大幅に低下しない範囲で適宜設定可能であるが、例えば、シート状の光と前記第二底面の距離を10mm以下とすることができ、5mm以下とすることが好ましい。
【0049】
「前記第二底面に平行なシート状の光」における「平行」という用語は、数学的な厳密な意味での平行のみならず実質的な平行も含む概念である。例えば、シート状の光と前記第二底面とのなす角が3°以下である光である場合には、当該シート状の光は「前記第二底面に平行なシート状の光」であるということができる。シート状の光と前記第二底面とのなす角度は2°以下であることが好ましく、1°以下であることがより好ましい。
【0050】
前記シート状の光の光源には特に制限はないが、例えばレーザー(シートレーザー光源)又はスリット光LEDを利用することが可能である。また、照射する光の波長についても、カメラでの撮像が可能な範囲であれば、特に制限はないが、例えば、650nm程度(赤色レーザ光)、532nm程度(緑色レーザ光)、400nm程度(紫色レーザ光)等を採用出来る。
【0051】
照射するレーザー出力は、限定的ではないが、例えば、10〜50mWとすることができ、典型的には20〜26mWとすることができる。この範囲のレーザー出力とすることで僅かな粒子でも検出できるという利点が得られる。レーザー出力はパワーメータで測定可能である。
【0052】
<5.撮像工程>
本発明に係る柱状ハニカムフィルタの検査方法の一実施形態においては、前記第一底面に流入した前記気体が前記フィルタを通過して前記第二底面から流出している状態で、前記シート状の光の上方に設置されたカメラを用いて、前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体を撮像し、前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体の画像を生成する工程が実施される。
【0053】
カメラとしては、カラーカメラ及びモノクロカメラの何れでもよいが、輝度情報だけ分かればよいので、モノクロカメラを使用することが好ましい。また、カメラは、検査精度を高める観点から、100万以上の画素数を有することが好ましく、500万以上の画素数を有することがより好ましい。カメラによる撮影方向は、前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体を上方から撮像できる限りにおいて、特に制限はないが、レーザー散乱光を捉えやすくする為に、カメラの撮影方向(レンズの中心における法線方向)が、柱状ハニカムフィルタの前記第二底面となす角度θが、10〜80°であることが好ましく、40〜50°であることがより好ましい。
【0054】
生成された画像は、LCD及び有機ELディスプレイ等の表示装置に表示されるようにしてもよい。また、カメラに記録装置を接続することによって、生成された画像を電子データとして保存し、管理してもよい。
【0055】
前記第一底面に流入する前の気体中の微粒子濃度は必ずしも一定ではなく、経時変化し得る。このため、前記微粒子濃度に関する情報を測定する工程と、前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体をカメラで撮像する工程のタイミングが大きくずれると、検査精度が低下するおそれがある。このため、前記微粒子濃度に関する情報を測定する工程と、前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体をカメラで撮像する工程のタイムラグは10秒以内であることが好ましい。また、前記微粒子濃度に関する情報を測定する工程が先に行われ、カメラで前記第二底面を撮像する工程が後に行われることが好ましい。但し、前記微粒子濃度が安定している場合には、カメラで前記第二底面を撮像する工程が先に行われ、前記微粒子濃度に関する情報を測定する工程が後に行われてもよい。また両工程を同時に実施してもよい。ここで、タイムラグとは、前記微粒子濃度に関する情報を測定する工程の開始時点と、前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体をカメラで撮像する工程の開示時点の時間差をいう。
【0056】
前記第一底面に流入する前の気体中の微粒子濃度が経時変化することを考慮して、前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体をカメラで撮像する工程は、複数回実施してもよい。
【0057】
<6.輝度総和に関する情報の測定工程>
本発明に係る柱状ハニカムフィルタの検査方法の一実施形態においては、前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体の画像から前記第二底面の検査エリアを選択し、検査エリアにおける各画素の輝度の総和に関する情報を測定する工程が実施される。
【0058】
シート状の光が微粒子に当たると散乱し、カメラの方向に散乱した光はカメラに輝点として検出されるため、画像上における輝度が高くなる。従って、柱状ハニカムフィルタを流出した気体中の微粒子濃度が高いほど、全体的に画像が明るくなる。従って、検査エリアにおける各画素の輝度の総和に関する情報を測定することで、フィルタの品質、例えばPN捕集効率を判断することが可能となる。当該輝度の総和に関する情報としては、限定的ではないが、例えば、前記シート状の光に覆われた前記第二底面を表す各画素の輝度の総和、又は、当該輝度の総和を検査エリアの画素数で除した平均輝度を利用することが簡便である。
【0059】
また、前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体をカメラで撮像する工程が複数回実施された場合には、輝度総和に関する情報をそれぞれの画像について測定し、複数回の測定値の平均値を使用することも可能である。
【0060】
フィルタ自体の品質検査エリアは、フィルタ全体としての品質を判定するという観点からは、前記第二底面全体の80%〜100%の面積を包含することが好ましく、前記第二底面全体の90%〜100%の面積を包含することがより好ましく、前記第二底面全体の95%〜100%の面積を包含することが更により好ましい。
【0061】
<7.品質の判定工程>
本発明に係る柱状ハニカムフィルタの検査方法の一実施形態においては、前記気体が前記第一底面に流入する前の前記気体中の微粒子濃度に関係する情報と、前記輝度の総和に関する情報に少なくとも基づいて前記フィルタの品質を判定する工程が実施される。
【0062】
前記第二底面の画像における各画素の輝度の総和に関する情報は、前記気体が前記第一底面に流入する前の前記気体中の微粒子濃度に関する情報、及び柱状ハニカムフィルタの品質、例えばPMの捕集性能に依存する。このため、これらの情報に基づき、柱状ハニカムフィルタの品質を判定することが可能となる。
【0063】
具体的な品質の判定方法の例について説明する。PMに対する捕集性能が既知の柱状ハニカムフィルタについて、前記気体中の微粒子濃度に関係する情報と、前記輝度の総和に関する情報を測定する。次いで、一方の座標軸が前記気体中の微粒子濃度に関係する情報を示し、他方の座標軸が前記輝度の総和に関する情報を示す二次元座標上に、その結果をプロットすることでPMに対する捕集性能が既知の柱状ハニカムフィルタについての検量線が得られる。PMに対する捕集性能が異なる複数の柱状ハニカムフィルタについて検量線を作成してもよい。当該検量線は判定ラインとして用いることができる。
【0064】
次いで、検査対象の柱状ハニカムフィルタについて本発明の一実施形態に係る検査方法を実施し、前記微粒子濃度に関する情報を測定する工程及び前記輝度の総和に関する情報を測定する工程で得られた測定値を、当該二次元座標上にプロットする。判定ラインとの位置関係に基づき、検査対象の柱状ハニカムフィルタ全体の品質、とりわけPMの捕集性能を判定することができる。例えば、PMの捕集性能が合格品と不合格品の境界に位置することが確認されている柱状ハニカムフィルタについて検量線を作成し、これを判定ラインとして用いることで、検査の合否判定に使用することも可能である。つまり、検査対象の柱状ハニカムフィルタについてプロットした座標値が、判定ラインよりも上の場合は不合格、判定ラインよりも下の場合は合格と判定することが可能である。当該判定は人間が行ってもよいし、コンピュータを用いて自動で行ってもよい。
【0065】
品質の判定方法の別の例を説明する。製品としての柱状ハニカムフィルタは、仕様に応じた品番が付与されることが通例である。従って、品質の判定は、検査対象の柱状ハニカムフィルタと同じ品番の柱状ハニカムフィルタのデータに基づいて実施すると、検査精度を高めることができる。本明細書において、同じ品番の柱状ハニカムフィルタというのは、PN捕集効率を向上するための多孔質膜を隔壁上に形成する前の設計上の仕様が同じ柱状ハニカムフィルタのことを指す。例えば、全体形状、隔壁の材質、セルの流路方向に垂直な断面におけるセル形状、セル密度(単位断面積当たりのセルの数)、隔壁厚み(口金の仕様に基づく公称値)が少なくとも設計上同じである柱状ハニカムフィルタは同じ品番である。
【0066】
従って、前記判定する工程は一実施形態において、
検査対象の柱状ハニカムフィルタは、特定の品番を付与すべき柱状ハニカムフィルタであり、
当該品番と同じ品番が付与された柱状ハニカムフィルタについて予め求めた、前記微粒子濃度に関する情報、前記輝度の総和に関する情報、及び所定条件における排ガス中の粒子状物質の捕集性能に関する情報の相関関係に基づき、
前記微粒子濃度に関する情報を測定する工程及び前記輝度の総和に関する情報を測定する工程で得られた測定値から、前記フィルタについて当該所定条件における排ガス中の粒子状物質の捕集性能を推定することを含む。
【0067】
前記相関関係は二次元座標上にプロットされていると視覚的に理解しやすい。そこで、前記相関関係は一実施形態において、前記同じ品番が付与された柱状ハニカムフィルタについて、一方の座標軸が当該所定条件における排ガス中の粒子状物質の捕集性能に関する情報を示し、他方の座標軸が前記輝度の総和に関する情報を示す二次元座標上に、前記微粒子濃度に関する情報と関連付けて、プロットすることができる。排ガス中の粒子状物質の捕集性能に関する情報及び前記輝度の総和に関する情報を、二次元座標上にプロットする際の、前記微粒子濃度に関する情報は同一であることが望ましいが、検査精度に著しく悪影響を及ぼさない限り多少の範囲があっても構わない。例えば、排ガス中の粒子状物質の捕集性能に関する情報及び前記輝度の総和に関する情報が、決定係数が0.7以上の相関関係を有する、好ましくは決定係数が0.8以上の相関関係を有することができれば、前記微粒子濃度に関する情報に範囲があっても構わない。例示的には、前記微粒子濃度に関する情報が光吸収係数の場合、光吸収係数の最大値と最小値の差を1.5m-1以下とすることができ、1.0m-1以下とすることが好ましい。
【0068】
<8.検査装置の構成例>
図3には、本発明に係る検査方法を実施するための検査装置(30)の構成例が模式的に示されている。検査装置(30)は、煙室(31)、オパシメータ(32)、シートレーザー光源(33)、及びカメラ(34)を備える。煙室(31)は、空気導入ポート(31a)、煙室出口(31b)、及び煙発生手段(31c)を備える。図示の実施形態においては、空気導入ポート(31a)は煙室(31)の側壁に、煙室出口(31b)は煙室(31)の天井壁に、煙発生手段(31c)は床に設置されている。煙室出口(31b)の上には検査対象となる柱状ハニカムフィルタ(100)を載置することができる。
【0069】
煙室出口(31b)にはダンパー(31d)が設置されており、煙室(31)からの煙の流出を制御可能である。煙室出口(31b)の開口部の縁には、環状の弾性部材(ウレタンゴム等)が敷かれており、その上に柱状ハニカムフィルタ(100)の第一底面(104)の外周側壁(102)の部分を載置可能である。弾性部材の上に柱状ハニカムフィルタ(100)を載置することで、煙室出口(31b)と第一底面(104)の隙間が自重によりシールされるため、煙が漏出するのを防止することができる。
【0070】
オパシメータ(32)は煙室(31)内の微粒子濃度に関する情報を測定することができるようにサンプリングプローブ(32a)が煙室(31)と接続されている。
【0071】
シートレーザー光源(33)は、載置される柱状ハニカムフィルタ(100)の前記第二底面(106)の直上近傍において、前記第二底面(106)に平行なシートレーザー光(33a)を、前記第二底面(106)全体を覆うように照射できる位置に設置される。シートレーザー光源(33)は、柱状ハニカムフィルタ(100)の高さに応じて、昇降機等を用いて高さ調整可能に構成してもよい。
【0072】
カメラ(34)は、シートレーザー光源(33)からシートレーザー光(33a)が照射されたときに、シートレーザー光(33a)の上方から、シートレーザー光(33a)に覆われた前記第二底面(106)全体を撮像可能な位置及び向きに設置される。
【0073】
煙発生手段(31c)としては先述した種々の手段が使用可能であるが、例えば線香を使用することができる。
【0074】
検査装置(30)を用いた測定手順の例について説明する。煙発生手段(31c)から煙を発生させる。煙室(31)内の煙濃度が安定したところで、煙室出口(31b)の上に検査対象となる柱状ハニカムフィルタを載置する。シートレーザー光源(33)からシートレーザー光(33a)の照射を開始し、煙室出口(31b)のダンパー(31d)を開き、空気導入ポート(31a)を介して煙室(31)内に空気を導入すると共に、オパシメータ(32)により微粒子濃度に関する情報の測定を開始する。空気は例えば圧縮空気を使用することができ、流量制御弁を用いて流量を制御することが好ましい。柱状ハニカムフィルタ(100)の載置、シートレーザー光(33a)の照射、ダンパー(31d)を開く動作、煙室(31)内への空気の導入、及びオパシメータ(32)の測定の順序については特に制限はないが、煙室(31)の煙濃度を安定化させる為に、全てほぼ同じタイミング(例:10秒以内、好ましくは5秒以内)とすることが好ましい。また、前記微粒子濃度に関する情報を測定する工程と、前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体をカメラで撮像する工程のタイムラグが10秒以内となるように、オパシメータ(32)及びカメラ(34)を操作することが望ましい。
【実施例】
【0075】
以下、本発明及びその利点をより良く理解するための実施例を例示するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0076】
(試験例1)
<柱状ハニカムフィルタの製造>
コージェライト化原料100質量部に、造孔材を1.5質量部、分散媒を60質量部、有機バインダーを6質量部、分散剤を1.0質量部、それぞれ添加し、混合、混練して坏土を調製した。コージェライト化原料としては、アルミナ、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、及びシリカを使用した。分散媒としては水を使用し、造孔材としては、グラファイト等のカーボン、小麦粉、澱粉、フェノール樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリエチレン、又はポリエチレンテレフタレート等の有機造孔材を使用し、有機バインダーとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等を使用し、分散剤としては界面活性効果を有する物質、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール、ラウリン酸カリウム石鹸等を使用した。
【0077】
この坏土を押出成形機に投入し、所定形状の口金を介して押出成形することにより円柱状のハニカム成形体を得た。得られたハニカム成形体を誘電乾燥及び熱風乾燥した後、所定の寸法となるように両底面を切断してハニカム乾燥体を得た。
【0078】
ハニカム乾燥体の仕様は以下である。
全体形状:直径132mm×高さ120mmの円柱状
セルの流路方向に垂直な断面におけるセル形状:正方形
セル密度(単位断面積当たりのセルの数):200セル/inch2
隔壁厚み:8mil(200μm)(口金の仕様に基づく公称値)
【0079】
得られたハニカム乾燥体について、第1セル及び第2セルが交互に隣接配置するようにコージェライトを材料として目封止した後に、大気雰囲気下で1410〜1450℃の温度で、3〜10時間焼成し、柱状ハニカムフィルタを得た。捕集効率を向上するため製品の隔壁に付与する多孔質膜質量を変化させることにより、PN捕集効率が57.0%、84.0%、90.9%及び92.8%の柱状ハニカムフィルタをそれぞれ作製した。ここで、PN捕集効率は以下の試験条件でPN捕集効率を測定したときの実測値である。ここで、捕集効率は、(入口側の粒子個数−出口側の粒子個数)/入口側の粒子個数×100(%)の式により計算される。
(試験条件)
軽油を燃料としたバーナーにより、PMを含む150℃の排ガスを発生させた。この排ガスを、4Nm2/分の流量で、1分間、柱状ハニカムフィルタに供給し、柱状ハニカムフィルタにPMを捕集させ、柱状ハニカムフィルタの入口側(ガス流れ方向の上流側)および出口側(ガス流れ方向下流側)にて排ガス中のPN(排出粒子数)を、PNカウンターによって測定した。
【0080】
以下、捕集効率が57.0%の柱状ハニカムフィルタを「57.0%品」、捕集効率が84.0%の柱状ハニカムフィルタを「84.0%品」、捕集効率が90.9%の柱状ハニカムフィルタを「90.9%品」、捕集効率が92.8%の柱状ハニカムフィルタを「92.8%品」と呼ぶ。
【0081】
<検査の実施>
上記で作製した各柱状ハニカムフィルタに対して、図3に示す構成の検査装置を使って検査を行った。検査条件は以下である。
・オパシメータ:HORIBA製オパシメータMEXA−600SW
・シートレーザー光源:GlobalLaser社製GreenLyte−MV−EXCEL(波長532nm、出力22mW±0.5mWのグリーンレーザー)
・煙室内への空気流量:50L/min
・微粒子発生手段:線香(設置する数を2〜8本の間で増減させることで煙室内の微粒子濃度を調整した。)
・モノクロカメラ:竹中システム機器株式会社製FC5100(画素数500万)
・柱状ハニカムフィルタの第二底面とシートレーザー光の距離:4.5mm
・検査エリア:第二底面全体の面積に対して97%
【0082】
オパシメータによる光吸収係数(微粒子濃度に関する情報)の測定は、煙を柱状ハニカムフィルタに流し始めてから27秒後に1回実施した(測定時間は約3秒)。また、シートレーザー光に覆われた前記第二底面全体をカメラにより撮像するタイミングは、煙を柱状ハニカムフィルタに流し始めてから21秒後から30秒後まで毎秒1回撮影した。撮像の結果得られた前記第二底面全体の画像から前記第二底面の検査エリアを選択し、検査エリアにおける各画素の輝度の総和を測定した。輝度の総和は10回の測定値の平均値を採用した。
【0083】
上記検査は、煙室内の微粒子濃度を変化させて、複数回実施した。検査結果を、光吸収係数をx軸、輝度の総和をy軸として、二次元座標上にプロットした。得られたグラフを図5に示す。合わせて、最小二乗法により求めた回帰直線及び決定係数(R2)をグラフ中に示す。グラフから分かるように、光吸収係数(微粒子濃度に関する情報)と輝度の総和は高い相関があることが分かる。また、PMの捕集効率に応じて回帰直線が変化することも分かる。この結果から、捕集効率が未知の柱状ハニカムフィルタについて同様の検査を行って光吸収係数及び輝度の総和を当該グラフ上にプロットすると、当該柱状ハニカムフィルタのPMの捕集効率、すなわち、フィルタ全体としての品質の判定を行うことができることが理解できる。
【0084】
(試験例2)
試験例1に係る「57.0%品」、「84.0%品」、「90.9%品」、及び「92.8%品」を複数作製した。これらは、多孔質膜を隔壁上に形成する前の設計上の仕様が同じであることから同じ品番の柱状ハニカムフィルタである。得られた各柱状ハニカムフィルタに対して、図3に示す構成の検査装置を使って試験例1と同様の検査を行った。得られた検査結果に基づき、PN捕集効率(%)をx軸、光吸収係数が2m-1〜3m-1のときの輝度の総和をy軸として、二次元座標上にプロットした。得られたグラフを図6に示す。合わせて、最小二乗法により求めた回帰直線及び決定係数(R2)をグラフに示す。グラフから分かるように、同じ品番のフィルタについて、光吸収係数(微粒子濃度に関する情報)が所定の範囲であれば、輝度総和から捕集効率が推定できる。
【符号の説明】
【0085】
100 柱状ハニカム構造体
102 外周側壁
104 第一底面
106 第二底面
108 第一セル
109 目封止部
110 第二セル
112 隔壁
30 検査装置
31 煙室
31a 空気導入ポート
31b 煙室出口
31c 煙発生手段
31d ダンパー
32 オパシメータ
32a サンプリングプローブ
33 シートレーザー光源
33a シートレーザー光
34 カメラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2020年7月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハニカム状第一底面及びハニカム状第二底面を有する柱状ハニカムフィルタの検査方法であって、
前記フィルタを前記第一底面が下側、前記第二底面が上側に位置するように配置する工程と、
微粒子を含有する気体を前記第一底面に流入させる工程と、
前記第一底面に流入する前の前記気体中の微粒子濃度に関する情報を測定する工程と、
前記第二底面の直上近傍において、前記第二底面に平行なシート状の光を前記第二底面全体を覆うように照射する工程と、
前記第一底面に流入した前記気体が前記フィルタを通過して前記第二底面から流出している状態で、前記シート状の光の上方に設置されたカメラを用いて、前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体を撮像し、前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体の画像を生成する工程と、
前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体の画像から前記第二底面の検査エリアを選択し、検査エリアにおける各画素の輝度の総和に関する情報を測定する工程と、
前記フィルタの品質に対する、前記気体が前記第一底面に流入する前の前記気体中の微粒子濃度に関係する情報と、前記輝度の総和に関する情報との関係に少なくとも基づいて前記フィルタの品質を判定する工程と、
を含む方法。
【請求項2】
前記気体中の微粒子濃度に関係する情報が前記気体の光吸収係数であるか、又は、光透過率である請求項1に記載の検査方法。
【請求項3】
前記輝度の総和に関する情報が、前記シート状の光に覆われた前記第二底面を表す各画素の輝度の総和であるか、又は、当該輝度の総和を検査エリアの画素数で除した平均輝度である請求項1又は2に記載の検査方法。
【請求項4】
検査エリアは前記第二底面全体の90%〜100%の面積を包含する請求項1〜3の何れか一項に記載の検査方法。
【請求項5】
前記シート状の光がレーザー、又は、スリット光LEDを光源とする請求項1〜4の何れか一項に記載の検査方法。
【請求項6】
前記判定する工程は、一方の座標軸が前記気体中の微粒子濃度に関係する情報を示し、他方の座標軸が前記輝度の総和に関する情報を示す二次元座標上に、前記微粒子濃度に関する情報を測定する工程及び前記輝度の総和に関する情報を測定する工程で得られた測定値をプロットし、当該プロットした点の座標位置と予め定めた当該二次元座標上に引いた判定ラインの位置関係に基づいて、前記フィルタの品質を判定することを含む請求項1〜5の何れか一項に記載の検査方法。
【請求項7】
前記微粒子濃度に関する情報を測定する工程と、前記シート状の光に覆われた前記第二底面全体をカメラで撮像する工程のタイムラグが10秒以内である請求項1〜6の何れか一項に記載の検査方法。
【請求項8】
前記フィルタは、特定の品番を付与すべき柱状ハニカムフィルタであり、
前記判定する工程は、
当該品番と同じ品番が付与された柱状ハニカムフィルタについて予め求めた、前記微粒子濃度に関する情報、前記輝度の総和に関する情報、及び所定条件における排ガス中の粒子状物質の捕集性能に関する情報の相関関係に基づき、
前記微粒子濃度に関する情報を測定する工程及び前記輝度の総和に関する情報を測定する工程で得られた測定値から、前記フィルタについて当該所定条件における排ガス中の粒子状物質の捕集性能を推定することを含む、
請求項1〜7の何れか一項に記載の検査方法。
【請求項9】
前記相関関係は、前記同じ品番が付与された柱状ハニカムフィルタについて、一方の座標軸が当該所定条件における排ガス中の粒子状物質の捕集性能に関する情報を示し、他方の座標軸が前記輝度の総和に関する情報を示す二次元座標上に、前記微粒子濃度に関する情報と関連付けて、プロットされている請求項8に記載の検査方法。