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特開2021-162989ロボットコミュニケーションシステム、コミュニケーションロボット、および遠隔見守り方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-162989(P2021-162989A)
(43)【公開日】2021年10月11日
(54)【発明の名称】ロボットコミュニケーションシステム、コミュニケーションロボット、および遠隔見守り方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20210913BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20210913BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20210913BHJP
   A63H 11/00 20060101ALI20210913BHJP
   A63H 30/04 20060101ALI20210913BHJP
【FI】
   G08B25/04 K
   G08B21/02
   H04M11/00 301
   A63H11/00 Z
   A63H30/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2020-62010(P2020-62010)
(22)【出願日】2020年3月31日
(11)【特許番号】特許第6792733号(P6792733)
(45)【特許公報発行日】2020年11月25日
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】513044784
【氏名又は名称】ユカイ工学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 崇昭
(72)【発明者】
【氏名】川田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】町田 智治
(72)【発明者】
【氏名】青木 俊介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕一郎
【テーマコード(参考)】
2C150
5C086
5C087
5K201
【Fターム(参考)】
2C150CA02
2C150DA23
2C150DD01
2C150DF01
2C150DK02
2C150EE02
2C150EF28
2C150EF30
5C086AA22
5C086BA01
5C086CA01
5C086CA09
5C086CA15
5C086CB01
5C086CB07
5C086CB20
5C086CB26
5C086DA02
5C086DA15
5C086FA02
5C086FA06
5C086FA11
5C086GA06
5C086GA10
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA07
5C087AA32
5C087AA37
5C087DD03
5C087EE06
5C087EE16
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG08
5C087GG52
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG83
5C087GG84
5K201BA03
5K201BA19
5K201CC08
5K201CC10
5K201EA07
5K201EB07
5K201EC06
5K201ED05
5K201ED09
5K201EF03
5K201EF06
(57)【要約】
【課題】離れたユーザの状況を監視カメラなどで直接知らせるコミュニケーション手段に比べ、コミュニケーションの対象となるユーザの負担を軽減し、より緩やかな見守り等を実現する。
【解決手段】高齢者の状況によって予め定められた箇所が稼働する高齢者側ロボット50と、高齢者を見守る子世帯の状況によって予め定められた箇所が稼働する子世帯側ロボット70と、を用い、高齢者側ロボット50の制御情報を子世帯側ロボット70に提供して稼働させ、子世帯側ロボット70の制御情報を高齢者側ロボット50に提供して稼働させること、を特徴とする遠隔見守り方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のユーザの状況によって予め定められた箇所が態様変化するとともに当該第1のユーザの存在場所にて使用される第1のロボットの態様変化に関する情報を取得する取得手段と、
第2のユーザの状況によって予め定められた箇所が態様変化するとともに当該第2のユーザの存在場所にて使用される第2のロボットに対して、前記取得手段により取得した前記第1のロボットの態様変化に関する情報から得られた当該第2のロボットの態様変化に関する情報を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とするロボットコミュニケーションシステム。
【請求項2】
前記出力手段が出力する前記情報は、前記第1のユーザの状況による前記第1のロボットの動作とは異なる動作を前記第2のロボットに対してさせるための情報であることを特徴とする請求項1記載のロボットコミュニケーションシステム。
【請求項3】
前記異なる動作は、前記第1のユーザが危険な状況または危険となり得る状況にあることを前記第2のユーザに緊急報知するための動作を含むことを特徴とする請求項2記載のロボットコミュニケーションシステム。
【請求項4】
前記第1のロボットの態様変化に関する情報は、前記第1のユーザの当該第1のロボットに対する接触、話しかけ、および当該第1のユーザの存在場所の環境情報、の少なくとも何れか一つによる当該第1のロボットの態様変化に関する情報であることを特徴とする請求項1記載のロボットコミュニケーションシステム。
【請求項5】
前記環境情報は、前記第1のユーザの存在場所の環境が危険域に達したまたは達する可能性があることの情報であることを特徴とする請求項4記載のロボットコミュニケーションシステム。
【請求項6】
見守られる被見守り者の状況を認識する認識手段と、
前記認識手段により認識された前記被見守り者の状況により予め定められた箇所が態様変化する態様変化手段と、
態様変化に関する情報を出力する出力手段と、
前記被見守り者を見守る見守り者から態様変化に関する指示情報を取得する指示情報取得手段と、を備え、
前記態様変化手段は、前記指示情報取得手段により取得された前記指示情報により予め定められた箇所が態様変化することを特徴とするコミュニケーションロボット。
【請求項7】
前記認識手段は、前記被見守り者にとって危険な状況または危険となり得る状況を認識し、
前記態様変化手段は、前記被見守り者に代わって擬似的に自らが危険または危険となり得る状況になったときの状態を表現するために前記予め定められた箇所が態様変化することを特徴とする請求項6記載のコミュニケーションロボット。
【請求項8】
距離の離れた被見守り者を見守る見守り者の存在場所にて態様変化するコミュニケーションロボットであって、
前記被見守り者の存在場所にて態様変化する被見守り者側ロボットの態様変化に関する情報を取得する取得手段と、
取得した前記被見守り者側ロボットの態様変化に関する情報から、前記被見守り者が置かれた状況を前記見守り者が理解できる内容で予め定められた箇所が態様変化する態様変化手段と、
を備えたことを特徴とするコミュニケーションロボット。
【請求項9】
見守られる被見守り者の状況によって予め定められた箇所が態様変化するとともに当該被見守り者が存在する存在場所にて使用される被見守り者側のロボットと、当該被見守り者を見守る見守り者側の状況によって予め定められた箇所が態様変化するとともに当該見守り者の存在する存在場所にて使用される見守り者側のロボットと、を用い、
前記被見守り者側のロボットの態様変化に関する被見守り者側の制御情報を前記見守り者側のロボットに提供して当該見守り者側のロボットを態様変化させ、
前記見守り者側のロボットの態様変化に関する見守り者側の制御情報を前記被見守り者側のロボットに提供して当該被見守り者側のロボットを態様変化させること、
を特徴とする遠隔見守り方法。
【請求項10】
前記被見守り者の状況によって、前記被見守り者側のロボットと前記見守り者側のロボットとが異なる動作で態様変化することを特徴とする請求項9記載の遠隔見守り方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットコミュニケーションシステム、コミュニケーションロボット、および遠隔見守り方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、キャラクタ人形等の模型に、スピーカからの再生音に合わせたモーションを実行させる制御システムが提案されている。より詳しくは、模型を利用した娯楽性の高いシステムを提供するために、制御システムは、スピーカ及び可動部を備える模型と無線通信可能に構成され、取得した再生用データを模型に再生させるためのモーション信号を、模型に送信している。
特許文献2では、独居高齢者の異常状態の検知だけでなく、高齢者のプライバシを考慮しつつ、日常生活の様子を遠隔から見守ることを目的とした、歩行音から動線推定を実現する方法および装置が提案されている。より詳しくは、他のセンサ情報との統合により、高齢者がプライバシに関する不安感や緊張感を感じることなく、遠隔にいる身内や介護者が容易に高齢者の日常行動を見守ることのできるサービス提供システムを提供するために、マイクロフォンアレイ装置とセンサ情報統合装置からなる室内空間の歩行音の動線推定を行なっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−75044号公報
【特許文献2】特開2014−191616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、社会における重要な課題の一つとして、高齢者に対する見守りがある。高齢化が進む中、離れて自宅に暮らす独居家族などを見守るニーズが高まっている。
かかる課題を受けて、情報通信技術を利用しての各種見守り・生活支援技術が提案されている。しかしながら、従来の各種見守りシステムでは、「監視されている」といった傾向が強く、例えば監視カメラの設置などについて、お年寄りなどの被見守り側にてシステムの導入が嫌悪され、普及が進んでいないのが現状である。
【0005】
本発明は、離れたユーザの状況を監視カメラなどで直接知らせるコミュニケーション手段に比べ、コミュニケーションの対象となるユーザの負担を軽減し、より緩やかな見守り等を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、第1のユーザの状況によって予め定められた箇所が態様変化するとともに当該第1のユーザの存在場所にて使用される第1のロボットの態様変化に関する情報を取得する取得手段と、第2のユーザの状況によって予め定められた箇所が態様変化するとともに当該第2のユーザの存在場所にて使用される第2のロボットに対して、前記取得手段により取得した前記第1のロボットの態様変化に関する情報から得られた当該第2のロボットの態様変化に関する情報を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とするロボットコミュニケーションシステムである。
請求項2に記載された発明は、前記出力手段が出力する前記情報は、前記第1のユーザの状況による前記第1のロボットの動作とは異なる動作を前記第2のロボットに対してさせるための情報であることを特徴とする請求項1記載のロボットコミュニケーションシステムである。
請求項3に記載された発明は、前記異なる動作は、前記第1のユーザが危険な状況または危険となり得る状況にあることを前記第2のユーザに緊急報知するための動作を含むことを特徴とする請求項2記載のロボットコミュニケーションシステムである。
請求項4に記載された発明は、前記第1のロボットの態様変化に関する情報は、前記第1のユーザの当該第1のロボットに対する接触、話しかけ、および当該第1のユーザの存在場所の環境情報、の少なくとも何れか一つによる当該第1のロボットの態様変化に関する情報であることを特徴とする請求項1記載のロボットコミュニケーションシステムである。
請求項5に記載された発明は、前記環境情報は、前記第1のユーザの存在場所の環境が危険域に達したまたは達する可能性があることの情報であることを特徴とする請求項4記載のロボットコミュニケーションシステムである。
請求項6に記載された発明は、見守られる被見守り者の状況を認識する認識手段と、前記認識手段により認識された前記被見守り者の状況により予め定められた箇所が態様変化する態様変化手段と、態様変化に関する情報を出力する出力手段と、前記被見守り者を見守る見守り者から態様変化に関する指示情報を取得する指示情報取得手段と、を備え、前記態様変化手段は、前記指示情報取得手段により取得された前記指示情報により予め定められた箇所が態様変化することを特徴とするコミュニケーションロボットである。
請求項7に記載された発明は、前記認識手段は、前記被見守り者にとって危険な状況または危険となり得る状況を認識し、前記態様変化手段は、前記被見守り者に代わって擬似的に自らが危険または危険となり得る状況になったときの状態を表現するために前記予め定められた箇所が態様変化することを特徴とする請求項6記載のコミュニケーションロボットである。
請求項8に記載された発明は、距離の離れた被見守り者を見守る見守り者の存在場所にて態様変化するコミュニケーションロボットであって、前記被見守り者の存在場所にて態様変化する被見守り者側ロボットの態様変化に関する情報を取得する取得手段と、取得した前記被見守り者側ロボットの態様変化に関する情報から、前記被見守り者が置かれた状況を前記見守り者が理解できる内容で予め定められた箇所が態様変化する態様変化手段と、を備えたことを特徴とするコミュニケーションロボットである。
請求項9に記載された発明は、見守られる被見守り者の状況によって予め定められた箇所が態様変化するとともに当該被見守り者が存在する存在場所にて使用される被見守り者側のロボットと、当該被見守り者を見守る見守り者側の状況によって予め定められた箇所が態様変化するとともに当該見守り者の存在する存在場所にて使用される見守り者側のロボットと、を用い、前記被見守り者側のロボットの態様変化に関する被見守り者側の制御情報を前記見守り者側のロボットに提供して当該見守り者側のロボットを態様変化させ、前記見守り者側のロボットの態様変化に関する見守り者側の制御情報を前記被見守り者側のロボットに提供して当該被見守り者側のロボットを態様変化させること、を特徴とする遠隔見守り方法である。
請求項10に記載された発明は、前記被見守り者の状況によって、前記被見守り者側のロボットと前記見守り者側のロボットとが異なる動作で態様変化することを特徴とする請求項9記載の遠隔見守り方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、離れたユーザの状況を監視カメラなどで直接知らせるコミュニケーション手段に比べ、コミュニケーションの対象となるユーザの負担を軽減し、より緩やかな見守り等を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態が適用されるロボットコミュニケーションシステムのハードウェア構成を示す図である。
図2】サーバのハードウェア構成を示す図である。
図3】サーバの機能構成を示す図である。
図4】コミュニケーションロボット(高齢者側ロボット、子世帯側ロボット)の機能構成を示す図である。
図5】(5A),(5B)は、コミュニケーションロボット(高齢者側ロボット、子世帯側ロボット)の処理の流れを示すフローチャートである。
図6】サーバの処理の流れを示すフローチャートである。
図7】花を用いたロボットコミュニケーションシステムのハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔ロボットコミュニケーションシステムのハードウェア構成〕
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用されるロボットコミュニケーションシステムのハードウェア構成を示す図である。
ロボットコミュニケーションシステム1は、システム全体を制御するサーバ10と、高齢者の家である高齢者宅60で使用される高齢者側ロボット50と、子供家族などの家である子世帯宅80で使用される子世帯側ロボット70とを有している。高齢者は、見守られる被見守り者の一例であり、第1のユーザの一例である。高齢者側ロボット50は、第1のユーザの存在場所にて使用される第1のロボットである。子供や孫で構成される子世帯は、高齢者を見守る見守り者の一例であり、第2のユーザの一例である。子世帯側ロボット70は、第2のユーザの存在場所にて使用される第2のロボットである。本実施の形態にて例示している高齢者側ロボット50および子世帯側ロボット70は、例えば、ユーザが体を撫でることにより尻尾を振る、といったような、人を癒すセラピーロボットであるとともに、ユーザとの間でコミュニケーションを図るコミュニケーションロボットである。
【0010】
高齢者宅60には、高齢者側ロボット50から情報の送受信を行うとともに、ネットワーク40を介してサーバ10に接続される接続機器61が設けられている。接続機器61としては、例えばWi-Fi(登録商標)ルータが用いられる。但し、高齢者宅にてWi-Fi接続の環境を整えることが難しい場合には、接続機器61として、例えばデータ通信用のSIMカード(Subscriber Identity Module Card)を用いた機器を採用してもよい。かかる場合には、所定の基地局を介してネットワーク40に接続されることとなる。この接続機器61は、通信機能の他に、高齢者に対して各種音声を発するスピーカや、高齢者からの緊急呼び出しボタンなどが配置されているような機器であってもよい。また、高齢者宅60には、存在場所の温湿度などの環境情報を取得するための環境センサ62と、室内の温湿度などを調整するエアコンなどの空調設備63が設けられている。環境センサ62としては、温度センサ、湿度センサ、音感知センサなどが代表例として挙げられる。接続機器61は、環境センサ62からの環境情報を取得し、高齢者側ロボット50の情報とは別に、サーバ10に対して直接、環境情報を送信することもできる。
【0011】
子世帯宅80には、子世帯側ロボット70との間で情報の送受信を行うとともに、ネットワーク40を介してサーバ10に接続される接続機器81が設けられている。接続機器81としては、例えばWi-Fiルータが挙げられる。
なお、子世帯宅80の例えば息子や孫が所有するスマートフォン90にて、サーバ10に接続し、高齢者宅60の温湿度変化や、高齢者の操作、発話などの回数履歴を確認可能である。
【0012】
〔サーバの構成〕
図2は、サーバ10のハードウェア構成を示す図である。
サーバ10は、例えばデスクトップPCやノートPCなどであるコンピュータ装置で構成される。サーバ10は、装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)である制御部11と、演算に際して作業エリアとして用いられるRAM(Random Access Memory)などのメモリ12と、プログラムや各種設定データなどの記憶に用いられるHDD(Hard Disk Drive)や半導体メモリ等の記憶装置である記憶部13と、を有している。また、ネットワーク40を介してデータの送受信を行う通信部14を有している。更に、サーバ10側のユーザからの入力操作を受け付けるキーボード、ポインティングデバイス、タッチパネルなどの操作部15と、ユーザに対して画像やテキスト情報などを表示する液晶ディスプレイなどからなる表示部16と、表示部16を制御する表示制御部17とを有している。
【0013】
図3は、サーバ10の機能構成を示す図である。サーバ10は、高齢者側ロボット50や子世帯側ロボット70の態様変化に関する情報を取得する変化情報取得部21と、例えば高齢者宅60での温湿度や高齢者宅60付近での気象情報など、各種の環境情報を取得する環境情報取得部22とを有している。また、取得した変化情報を解析する解析部23と、解析部23にて解析された変化情報を他のロボットにて態様変化させるために変化情報を変換する変換部24とを有している。また変換部24にて変換された変化制御情報を、子世帯側ロボット70や高齢者側ロボット50に向けて出力する変化制御情報出力部25を有している。この「変化制御情報」は、例えば、見守った結果として通知するために第2のロボットを動かすことに必要な制御情報である。更に、サーバ10は、高齢者側ロボット50や子世帯側ロボット70などの特徴量など、各種情報を記憶するロボット情報記憶部26を有している。また、例えば、熱中症の危険やヒートショックの危険など、例えば高齢者に対して影響が生ずると推測される各種情報を記憶する危険環境情報記憶部27を有している。また更に、高齢者側ロボット50に対してなされた高齢者の操作内容や、高齢者宅60での温湿度変化などを履歴情報として記憶する履歴情報記憶部28と、子世帯宅80のユーザが使用するスマートフォン90などに対して、記憶されている履歴情報等を出力する履歴情報出力部29と、を有する。
【0014】
変化情報取得部21にて取得される「態様変化に関する情報」は、ロボットを態様変化させる起因となった情報も含まれる。例えば、「高齢者がロボットを撫でた」というセンサ情報を、そのまま「態様変化に関する情報」とすることができる。また、センサ情報をもとにロボットが動いた場合に、その動いた情報を、「態様変化に関する情報」とすることもできる。例えば、高齢者がロボットを撫で、ロボットの尻尾が動いた場合に、「尻尾が動いた」という稼働情報を「態様変化に関する情報」とする。
【0015】
ロボット情報記憶部26には、各ロボットを一意に特定する識別情報により区別して、ロボット毎に各種情報が記憶されている。例えばロボットの種別、ロボットを使用するユーザ情報、ユーザ毎に設定されたユニークな態様変化に関する情報、などである。ロボットの種別としては、例えば、ロボットが、操作者が撫でると尻尾が動くセラピーロボットや、ユーザが話しかけると色の変化や揺れが変わるなどの花ロボット(後述)など、種類ごとに区別された情報がある。また、ロボットを使用するユーザ情報としては、見守られる側か、見守る側か、ユーザの年齢、ユーザの住所などの帰属情報、サービス種別、などがある。また、ユニークな態様変化に関する情報としては、見守る時間の設定情報、動きの種類や色の種類、動きの大きさなど、ユーザ毎に好ましい態様変化が挙げられる。
【0016】
解析部23は、変化情報取得部21にて取得した、ある特定のロボットの変化情報を、ロボット情報記憶部26に記憶された各種ロボット情報を用いて解析する。例えば、他のロボットに、その特定のロボットと同じ動きをさせるのか否かを判断する。同じ動きをさせる場合には、取得した態様の変化情報を変化制御情報として、変化制御情報出力部25を介して送信する。同じ動きとしては、例えば、高齢者が高齢者側ロボット50を優しく撫でたことにより、高齢者側ロボット50が優しく尻尾を振った場合、子世帯宅80で使用されている子世帯側ロボット70の尻尾を同じように優しく振るものが挙げられる。
【0017】
一方、異なる動きをさせる場合には、解析部23は、態様の変化情報の解析結果を変換部24に送り、変換部24では、ロボットに応じて態様の変化情報を変換して生成した変化制御情報を、変化制御情報出力部25を介して送信する。異なる動きとしては、例えば、高齢者が高齢者側ロボット50を優しく撫でたことにより、高齢者側ロボット50が優しく尻尾を振った場合、子世帯宅80では、被見守り者(おじいさんやおばあさん)が元気で生活していることを子供や孫などに強調して知らせるために、子世帯側ロボット70の尻尾を大きく元気よく振る、等である。また、ロボットの種別が異なる場合に、そのロボットに応じた態様の変化情報に変換して送ることもできる。例えば、高齢者が高齢者側ロボット50を優しく撫でたことにより、高齢者側ロボット50が優しく尻尾を振った場合、例えば、子世帯宅80では、花ロボットが揺れるように、変化情報を変換して送信する等である。
【0018】
また、解析部23は、環境情報取得部22にて取得した環境情報をもとに、危険環境情報記憶部27に記憶された危険環境情報を用いて、変化情報取得部21にて取得した変化情報の解析も行う。例えば、変化情報取得部21にて取得した変化情報および環境情報取得部22にて取得した環境情報により、解析部23は、高齢者宅60が熱中症危険域に達したことを判断する。高齢者側ロボット50は、被見守り者である高齢者に代わって擬似的に、自らが危険または危険となり得る状況になったときの状態を表現し、例えば尻尾が下がり、うな垂れている様子で高齢者に危険を知らせる。一方、熱中症危険域に達したことを子世帯に知らせるために、サーバ10は、子世帯側ロボット70に対し、尻尾を激しく振り回す、などの変化制御情報を出力する。なお、熱中症危険域に達したような緊急情報は、変化制御情報出力部25を介して、息子や孫のスマートフォン90に出力することができる。但し、この緊急情報は、携帯端末向けであり、子世帯側ロボット70に向けて送信する変化制御情報とは、そのデータ構造等が異なる。
【0019】
〔コミュニケーションロボットの構成〕
次に、高齢者側ロボット50や子世帯側ロボット70などのコミュニケーションロボットについて説明する。
図4は、コミュニケーションロボット(高齢者側ロボット50、子世帯側ロボット70)の機能構成を示す図である。コミュニケーションロボットは、ロボット装置を制御する制御部51と、充電器などの電源部52と、記憶部53とを有している。また、ユーザの状況を認識するセンサ部54を有している。ユーザの「状況」は、ユーザの「所作」や生活音などの「状態」が含まれ、「所作」としては「接触」や「話しかけ」などが含まれる。センサ部54は、例えば「撫でる」などの動きを認識するための圧力センサなどの各種センサからなる。また、例えば「尻尾を振る」などの駆動機構を有する態様変化部55と、自らの態様の変化情報を送信し、他のロボットからの態様の変化制御情報を受信する通信部56を有している。センサ部54にて用いられる圧力センサとしては、例えば、アクティブマトリックス方式の有機薄膜トランジスタからなる、柔らかなフィルム状の面状センサなどを用いることができる。なお、センサ部54としては、人間の声を認識する音声センサや、温度センサ、湿度センサなどが設けられていてもよい。なお、温度センサや湿度センサは、コミュニケーションロボット内に設けず、図1に示した環境センサ62などと連携して機能させるように構成することができる。記憶部53には、センサ部54からの情報をもとに態様変化部55が如何なる動作を行うか、などの各種情報やプログラムなどが記憶されている。また、本実施の形態では、態様変化部55として、予め定められた箇所を稼働させる駆動機構の他に、予め定められた箇所の色が変化する、音を発する、などの状態の変化も含める。
【0020】
〔コミュニケーションロボットの処理〕
次に、高齢者側ロボット50や子世帯側ロボット70などのコミュニケーションロボットの処理について説明する。
図5(5A),(5B)は、コミュニケーションロボット(高齢者側ロボット50、子世帯側ロボット70)の処理の流れを示すフローチャートである。図5(5A)は自ら態様変化に関する情報を発信する処理(第1の処理)を示し、図5(5B)は遠隔地のロボットから受けた変化制御情報をもとに自らが態様変化する処理(第2の処理)を示している。
【0021】
第1の処理では、図5(5A)に示すように、図4に示す制御部51は、センサ部54を介して撫でられたことを認識する(ステップ101)。また、制御部51は、センサ部54を介してユーザの存在場所の環境情報を取得する(ステップ102)。なお、図1に示した環境センサ62などから環境情報を取得する場合には、通信部56を介して環境情報を取得する。そして、制御部51は、態様変化部55により、撫でられ方、および/または環境情報に応じて尻尾を稼働させ、態様変化させる(ステップ103)。例えば、尻尾の動きが撫でられ方によって変わる、熱中症危険域に達した場合に尻尾がうな垂れる、動作が緩慢になる、等である。一方、制御部51は、通信部56を介して、撫でられたというセンサ情報、および/または環境情報を、態様変化に関する情報として送信して(ステップ104)、第1の処理が終了する。図1に示す接続機器61,81は、態様変化に関する情報をコミュニケーションロボット(高齢者側ロボット50、子世帯側ロボット70)から取得し、ネットワーク40を介してサーバに送信する。
【0022】
次に、第2の処理について説明する。
まず、図1に示す接続機器61,81は、ネットワーク40を介し、サーバ10から変化制御情報を取得する。この変化制御情報は、遠隔地にあるコミュニケーションロボットの態様変化に関する情報(変化情報)について、サーバ10にて変換された情報である。
次いで、図5(5B)に示すように、図4に示す制御部51は、まず、接続機器61,81にて取得された態様の変化制御情報を、通信部56を介して取得する(ステップ111)。また、制御部51は、取得した変化制御情報を用いて態様変化部55により尻尾を稼働させ(ステップ112)、第2の処理が終了する。
【0023】
なお、態様変化部55による態様変化は、上記第1の処理と第2の処理とで異ならせることができる。例えば、高齢者側ロボット50に対して実際に高齢者が撫でたときの動きと、遠隔地の子世帯側ロボット70に対して子供等が撫でた情報を取得して動く高齢者側ロボット50の動きと、を異ならせる。高齢者は、高齢者側ロボット50が、自分が撫でたときとは異なる動きをしていることを感じることで、子世帯宅80の子供や孫などの気配を感じ取ることが可能となる。
【0024】
〔サーバの処理〕
次に、サーバ10の処理について、図3および図6を用いて説明する。
図6は、サーバ10の処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、図1に示す高齢者宅60側から子世帯宅80側への通信を例にとって説明する。
【0025】
まず、図3に示す変化情報取得部21は、高齢者側ロボット50から態様変化に関する情報を取得する(ステップ201)。解析部23は、ロボット情報記憶部26に記憶されたロボットの制御情報をもとに、取得した態様変化に関する情報を解析する(ステップ202)。解析部23は、取得した態様変化が、高齢者宅60の環境に起因した態様変化か否かを判断する(ステップ203)。高齢者宅60の環境に起因した態様変化である場合には(ステップ203でYES)、危険環境情報である場合もあるので、ステップ208以下の緊急処理に移行する。高齢者宅60の環境に起因した態様変化でない場合には(ステップ203でNO)、解析部23は、環境情報取得部22が高齢者宅60の環境情報を別に取得したか否かを判断する(ステップ204)。例えば、高齢者宅60の接続機器61から直接、環境情報を取得した場合、などである。高齢者宅60の環境情報を別に取得している場合には(ステップ204でYES)、危険環境情報が含まれる場合を考慮し、ステップ208以下の緊急処理に移行する。高齢者宅60の環境情報を別に取得していない場合には(ステップ204でNO)、ステップ205以下の通常処理に移行する。
【0026】
通常処理にて、解析部23は、子世帯側ロボット70に対して高齢者側ロボット50と同様な動きをさせるか否かを判断する(ステップ205)。同様な動きをさせる場合には(ステップ205でYES)、変換をせずに、変化制御情報出力部25を介して、態様の変化制御情報を出力し(ステップ206)、処理が終了する。子世帯側ロボット70に対して高齢者側ロボット50と同様な動きをさせない場合には(ステップ205でNO)、変換部24にて、ロボット情報記憶部26に記憶されたロボットの制御情報をもとに、異なる動きをさせるための変化情報に変換する(ステップ207)。そして、変換された変化情報を、態様の変化制御情報として変化制御情報出力部25を介して出力し(ステップ206)、処理が終了する。
【0027】
一方、緊急処理にて、解析部23は、取得した環境に起因した態様変化、および/または得られた環境情報もとに、危険環境情報記憶部27に記憶された基準を用いて、高齢者宅60の室内環境を解析する(ステップ208)。危険域に達した、または達する恐れがある、と判断される場合には(ステップ209でYES)、変換部24にて、ロボット情報記憶部26に記憶された情報を用いて、危険報知用の態様の変化情報に変換、または危険報知用の態様の変化情報を作成する(ステップ210)。そして、変換または作成した態様の変化情報について、変化制御情報として変化制御情報出力部25を介して出力し(ステップ206)、処理が終了する。ステップ209で、危険域に達していない、または達する恐れがないと判断される場合には(ステップ209でNO)、ステップ205以下の、上述した通常処理に移行して、処理が実行される。
【0028】
以上のように、本実施の形態が適用されるロボットコミュニケーションシステム1では、高齢者側ロボット50と子世帯側ロボット70との2台を遠隔で連携できるようにした。この高齢者側ロボット50および子世帯側ロボット70は、操作者が撫でると尻尾が動くセラピーロボットである。そして、その1台である高齢者側ロボット50を被見守り者宅である高齢者宅60に設置し、他の1台である子世帯側ロボット70を見守り者宅である子世帯宅80に設置している。なお、2台ではなく、3台、4台、と設置し、複数の見守り者で、被見守り者を見守ることも可能である。
そして、高齢者が高齢者側ロボット50を撫でると、連動して子世帯側ロボット70の尻尾が動作する。撫で方によって尻尾の動作も変化するが、これも連動させることができる。これにより、高齢者が生存していることを、子世帯にて確認できる。
【0029】
また、本実施の形態では、高齢者側ロボット50のセンサ部54に温度センサと湿度センサとを内蔵し、または、高齢者宅60の環境センサ62と連携させている。そして、高齢者宅60の室内温度が熱中症危険域に達した際に、子世帯側ロボット70の尻尾がアラート用の動作をする。例えば、尻尾がうな垂れる、ぶんぶん回る等である。これにより、高齢者の危険を子世帯に知らせる。なお、子世帯のユーザが使用するスマートフォン90などの携帯端末やPC(パーソナルコンピュータ)などでも高齢者宅60の室内環境を確認できるようにしているので、子世帯宅80から高齢者宅60の室内環境を確認でき、その情報をもとに、子世帯が電話等で連絡し、熱中症への注意を促すことができる。これにより、高齢者の熱中症の予防が可能になるとともに、高齢者と子世帯とのコミュニケーションを促すこともできる。一方、ヒートショックの予防では、高齢者宅60の環境センサ62を、例えば居間、廊下、トイレ、風呂場など、複数箇所に設け、その複数箇所の温湿度などの環境情報をもとに、ヒートショックの危険度を察知し、注意を促す態様変化を実行させる。
なお、本実施の形態では、子世帯側ロボット70の危険を知らせる動作は、サーバ10の変換部で変換され、サーバ10から送信された変化制御情報を用いていた。しかし、子世帯側ロボット70の制御部51が、高齢者宅60から送られたそのままの変化情報や温湿度情報を解析し、記憶部53に記憶された変換情報を用いて危険報知動作を自ら行うように構成することもできる。
【0030】
また、本実施の形態では、2台が連携するか否かに関わらず、高齢者宅60の室内環境が熱中症危険域に達した際に、高齢者側ロボット50の尻尾がアラート用の動作をする。アラート用の動作としては、尻尾がうな垂れる、動作が緩慢になる、等である。これにより、被見守り者である高齢者自身で熱中症危険域に達したことを把握し、高齢者側ロボット50の尻尾が正常に動作するように、高齢者自身が空調設備63であるエアコンを入れるように促す。高齢者は、自分自身のためにはエアコンを入れない傾向にあるが、セラピーロボットである高齢者側ロボット50のためにはエアコンを入れることが期待され、熱中症予防の一助にはなるものと考える。
【0031】
〔他の実施の形態:花ペアリング〕
図1では、高齢者側ロボット50および子世帯側ロボット70の一例として、撫でると尻尾を振るセラピーロボットを用いて、本実施の形態を説明した。しかしロボットの種類としては上記に限定されず、例えば、態様が変化する花ロボットなどを用いて見守りサービスを展開することが可能である。
【0032】
図7は、花ロボットを用いたロボットコミュニケーションシステム1のハードウェア構成を示す図である。図7に示すロボットコミュニケーションシステム1では、コミュニケーションロボットとして、花ロボットの高齢者側ロボット50−2と花ロボットの子世帯側ロボット70−2とが、それぞれ高齢者宅60と子世帯宅80とに設けられている。子世帯が被見守り者である高齢者に花をプレゼントし、各世帯に一本ずつの花が設置されている、というシチュエーションである。高齢者側ロボット50−2と子世帯側ロボット70−2は、図4に示す機能構成と同様な機能構成を備えている。図4に示す態様変化部55が、花が揺れたり、垂れ下がったり、萎れたり、といった稼働に加え、花の色が変わる等の態様変化を行う。
【0033】
図7に示す例では、相互に花の揺れによって、高齢者と子世帯との間で気配を伝え合う。例えば、高齢者宅60の高齢者側ロボット50−2にて、図4に示すセンサ部54の音センサ/音声センサによって生活音や発声を感知すると、子世帯側ロボット70−2の花が揺れる等である。また、高齢者側ロボット50−2のセンサ部54は、光センサによって例えば高齢者の動きに伴い光の変化を感知すると、その態様変化を子世帯宅80に伝え、子世帯側ロボット70−2の花が揺れる等である。センサ部54としては、人感センサ、照度センサなどを用いて、高齢者の状況を認識することもできる。
【0034】
また、センサ部54の温湿度センサで、高齢者側ロボット50−2の周辺温度が熱中症危険域に達した場合には、高齢者側ロボット50−2の花が萎れるとともに、子世帯側ロボット70−2の花も萎れる、といった態様変化がなされる。子世帯側ロボット70−2は、高齢者側ロボット50−2の花が萎れるとは異なる動作として、例えば萎れた花が苦しそうに揺れる等、危険を強調して子供等に報知するような態様変化も考えられる。一方で、高齢者側ロボット50−2の置かれている環境が適温である場合には、高齢者側ロボット50−2と子世帯側ロボット70−2の花が美しい色に変化する。更に、高齢者が高齢者側ロボット50−2に定期的に話しかける等の所作を施すと、花の色が変わり、その前までの動きとは異なる新たな揺れ方をする。
なお、高齢者宅60の室内環境は、高齢者宅60の環境センサ62によっても把握できる。例えば、ヒートショックの危険度を察知する場合には、居間、寝室に加え、脱衣所や風呂場、トイレ、廊下、台所などの温湿度の把握が必要である。高齢者側ロボット50−2のセンサ部54に加え、高齢者宅60の複数箇所に設けられた環境センサ62からの情報により、ヒートショックの危険度が認識される。
子世帯宅80側では、スマートフォン90にて、サーバ10に接続し、高齢者宅60の温湿度変化や、高齢者の発話などの回数履歴を確認可能である。
【0035】
なお、高齢者側ロボット50−2や子世帯側ロボット70−2などの花ロボットは、花の種類を変えることも可能である。例えば、チューリップ、ゼラニウム、マーガレット等の種類が選択でき、例えばチューリップでは花の色が大きく変化する、ゼラニウムであれば花びらのグラデーションが変化する等で、態様変化を表現する。また、花の代わりに、盆栽、観葉植物、などを用いることもできる。その際、高齢者宅60と子世帯宅80とで、異なる花や異なる植物を置くことも可能である。かかる場合には、図3に示すサーバ10のロボット情報記憶部26の情報をもとに、変換部24にて、各々のロボットの特性に合わせて変化情報が生成される。このロボット情報記憶部26には、高齢者側ロボット50−2と子世帯側ロボット70−2とが紐付けされ、異なる種類のロボットの特性情報が記憶されている。このロボット情報を用いて変換されることで、送信先の花や植物の種類に合わせた変化制御情報を変化制御情報出力部25から出力できる。
【0036】
以上、詳述したように、本実施の形態によれば、セラピーロボット、花ロボットなど、人が癒される商品を利用して双方向での見守りを行うことが可能となる。高齢者宅60では、子世帯宅80の気配を感じる喜びが与えられる。また、熱中症やヒートショックの予防、高齢者の発話機会などを与えることができる。一方、子世帯宅80では、親である高齢者の緩やかな見守りによる安心が得られる。なお、本実施の形態では、被見守り者として「高齢者」を例に挙げたが、親が留守中の子供、障害を持たれている方、なども被見守り者の一例である。また見守り者としては、子供を見守る親や、老後施設、障害者施設などの担当者も挙げられる。
【符号の説明】
【0037】
10…サーバ、40…ネットワーク、50…高齢者側ロボット、60…高齢者宅、61…接続機器、70…子世帯側ロボット、80…子世帯宅、81…接続機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2020年8月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のユーザの状況によって予め定められた箇所が態様変化するとともに当該第1のユーザの存在場所にて使用される第1のロボットの態様変化に関する情報を取得する取得手段と、
第2のユーザの状況によって予め定められた箇所が態様変化するとともに当該第2のユーザの存在場所にて使用される第2のロボットに対して、前記取得手段により取得した前記第1のロボットの態様変化に関する情報から得られた当該第2のロボットの態様変化に関する情報を出力する出力手段と、を備え
前記出力手段が出力する前記情報は、前記第1のユーザの状況による前記第1のロボットの動作とは異なる動作を前記第2のロボットに対してさせるための情報であり、
前記異なる動作は、前記第1のユーザが危険な状況または危険となり得る状況にあることを前記第2のユーザに緊急報知するための動作を含む
ことを特徴とするロボットコミュニケーションシステム。
【請求項2】
前記第1のユーザが危険な状況または危険となり得る状況は、前記第1のユーザの存在場所の環境が熱中症危険域またはヒートショック危険域に達したまたは達する可能性がある状況であることを特徴とする請求項1記載のロボットコミュニケーションシステム。
【請求項3】
見守られる被見守り者の状況を認識し、認識された前記被見守り者の状況により予め定められた箇所態様変化させ、当該態様変化に関する情報を出力する第1の処理手段と、
前記被見守り者を見守る見守り者から態様変化に関する指示情報を取得し、取得された当該指示情報により予め定められた箇所態様変化させる第2の処理手段と、
を備え、
前記第1の処理手段は、前記被見守り者にとって危険な状況または危険となり得る状況を認識し、前記被見守り者に代わって擬似的に自らが危険または危険となり得る状況になったときの状態を表現するために前記予め定められた箇所が態様変化することを特徴とするコミュニケーションロボット。
【請求項4】
距離の離れた被見守り者を見守る見守り者の存在場所にて態様変化するコミュニケーションロボットであって、
前記被見守り者の存在場所にて態様変化する被見守り者側ロボットの態様変化に関する情報を取得する取得手段と、
取得した前記被見守り者側ロボットの態様変化に関する情報から、前記被見守り者が置かれた状況を前記見守り者が理解できる内容で予め定められた箇所が態様変化する態様変化手段と、を備え
前記取得手段は、前記被見守り者が危険な状況または危険となり得る状況にあることによる危険報知用の態様変化に関する情報を取得し、
前記態様変化手段は、前記被見守り者側ロボットによって報知される態様と異なり危険を強調して前記見守り者に対して前記被見守り者の危険を報知するように態様変化すること
を特徴とするコミュニケーションロボット。
【請求項5】
見守られる被見守り者の状況によって予め定められた箇所が態様変化するとともに当該被見守り者が存在する存在場所にて使用される被見守り者側のロボットと、当該被見守り者を見守る見守り者側の状況によって予め定められた箇所が態様変化するとともに当該見守り者の存在する存在場所にて使用される見守り者側のロボットと、を用い、
前記被見守り者側のロボットの態様変化に関する被見守り者側の制御情報を前記見守り者側のロボットに提供して当該見守り者側のロボットを態様変化させ、
前記見守り者側のロボットの態様変化に関する見守り者側の制御情報を前記被見守り者側のロボットに提供して当該被見守り者側のロボットを態様変化させ
前記被見守り者の存在場所の環境が熱中症危険域またはヒートショック危険域に達したまたは達する可能性がある場合に、前記被見守り者に危険を知らせるために当該被見守り者側のロボットを当該被見守り者に代わって擬似的に自らが危険または危険となり得る状況になったときの状態を表現して態様変化させるとともに、前記見守り者に当該被見守り者の危険を知らせるために当該見守り者側のロボットを態様変化させること
を特徴とする遠隔見守り方法。
【請求項6】
前記被見守り者の状況によって、前記被見守り者側のロボットと前記見守り者側のロボットとが異なる動作で態様変化し、当該見守り者に対して危険を強調して報知することを特徴とする請求項記載の遠隔見守り方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
請求項1に記載された発明は、第1のユーザの状況によって予め定められた箇所が態様変化するとともに当該第1のユーザの存在場所にて使用される第1のロボットの態様変化に関する情報を取得する取得手段と、第2のユーザの状況によって予め定められた箇所が態様変化するとともに当該第2のユーザの存在場所にて使用される第2のロボットに対して、前記取得手段により取得した前記第1のロボットの態様変化に関する情報から得られた当該第2のロボットの態様変化に関する情報を出力する出力手段と、を備え、前記出力手段が出力する前記情報は、前記第1のユーザの状況による前記第1のロボットの動作とは異なる動作を前記第2のロボットに対してさせるための情報であり、前記異なる動作は、前記第1のユーザが危険な状況または危険となり得る状況にあることを前記第2のユーザに緊急報知するための動作を含むことを特徴とするロボットコミュニケーションシステムである。
請求項2に記載された発明は、前記第1のユーザが危険な状況または危険となり得る状況は、前記第1のユーザの存在場所の環境が熱中症危険域またはヒートショック危険域に達したまたは達する可能性がある状況であることを特徴とする請求項1記載のロボットコミュニケーションシステムである。
請求項に記載された発明は、見守られる被見守り者の状況を認識し、認識された前記被見守り者の状況により予め定められた箇所態様変化させ、当該態様変化に関する情報を出力する第1の処理手段と、前記被見守り者を見守る見守り者から態様変化に関する指示情報を取得し、取得された当該指示情報により予め定められた箇所態様変化させる第2の処理手段と、を備え、前記第1の処理手段は、前記被見守り者にとって危険な状況または危険となり得る状況を認識し、前記被見守り者に代わって擬似的に自らが危険または危険となり得る状況になったときの状態を表現するために前記予め定められた箇所が態様変化することを特徴とするコミュニケーションロボットである。
請求項に記載された発明は、距離の離れた被見守り者を見守る見守り者の存在場所にて態様変化するコミュニケーションロボットであって、前記被見守り者の存在場所にて態様変化する被見守り者側ロボットの態様変化に関する情報を取得する取得手段と、取得した前記被見守り者側ロボットの態様変化に関する情報から、前記被見守り者が置かれた状況を前記見守り者が理解できる内容で予め定められた箇所が態様変化する態様変化手段と、を備え、前記取得手段は、前記被見守り者が危険な状況または危険となり得る状況にあることによる危険報知用の態様変化に関する情報を取得し、前記態様変化手段は、前記被見守り者側ロボットによって報知される態様と異なり危険を強調して前記見守り者に対して前記被見守り者の危険を報知するように態様変化することを特徴とするコミュニケーションロボットである。
請求項に記載された発明は、見守られる被見守り者の状況によって予め定められた箇所が態様変化するとともに当該被見守り者が存在する存在場所にて使用される被見守り者側のロボットと、当該被見守り者を見守る見守り者側の状況によって予め定められた箇所が態様変化するとともに当該見守り者の存在する存在場所にて使用される見守り者側のロボットと、を用い、前記被見守り者側のロボットの態様変化に関する被見守り者側の制御情報を前記見守り者側のロボットに提供して当該見守り者側のロボットを態様変化させ、前記見守り者側のロボットの態様変化に関する見守り者側の制御情報を前記被見守り者側のロボットに提供して当該被見守り者側のロボットを態様変化させ、前記被見守り者の存在場所の環境が熱中症危険域またはヒートショック危険域に達したまたは達する可能性がある場合に、前記被見守り者に危険を知らせるために当該被見守り者側のロボットを当該被見守り者に代わって擬似的に自らが危険または危険となり得る状況になったときの状態を表現して態様変化させるとともに、前記見守り者に当該被見守り者の危険を知らせるために当該見守り者側のロボットを態様変化させることを特徴とする遠隔見守り方法である。
請求項に記載された発明は、前記被見守り者の状況によって、前記被見守り者側のロボットと前記見守り者側のロボットとが異なる動作で態様変化し、当該見守り者に対して危険を強調して報知することを特徴とする請求項記載の遠隔見守り方法である。