【課題】管理対象機器の保守管理に対する習熟度が低い場合であっても操作端末装置の利用者が管理対象機器のアラームの対応を適切に行うことができる遠隔管理システムを提供する。
【解決手段】管理対象機器とサーバ部と操作端末装置とを備える遠隔管理システムは、管理対象機器の状況を示す情報に基づいてアラーム情報を生成するアラーム生成部と、管理対象機器の識別記号と前記管理対象機器が所属する管理グループとを関連付けるグループ情報と、アラーム情報の重要度と色付けとを関連付ける色付け情報とを記憶する記憶部と、を備え、操作端末装置に管理対象機器のアラーム情報に対応するアラームを表示する場合に、記憶部に記憶されたグループ情報に基づいて管理グループ毎に管理対象機器を表示し、記憶部に記憶された色付け情報に基づいて管理対象機器のアラーム情報の重要度に対応する色付けを行ってアラームを表示する。
前記操作端末装置から前記管理対象機器が指定されることにより、前記サーバ部は、前記管理対象機器のアラーム発生時に前記検出部によって検出された前記管理対象機器の運転状況を前記アラーム時運転状況表示部に表示させる、
請求項5に記載の遠隔管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照し、本発明の遠隔管理システムの実施形態について説明する。
【0018】
<第1実施形態>
図1は第1実施形態の遠隔管理システム1の一例を示す図である。
図1に示す例では、遠隔管理システム1が、管理対象機器11A〜11Gと、サーバ部12と、操作端末装置13とを備えている。
図1に示す例では、遠隔管理システム1において7つの管理対象機器11A〜11Gの管理が行われるが、他の例では、遠隔管理システム1において7以外の任意の数の管理対象機器の管理が行われてもよい。
【0019】
図1に示す例では、管理対象機器11A〜11Gが、例えばボイラ、水処理機器、食品機器(食品の解凍、冷却、殺菌、加熱調理、冷水冷却などを行う機器)、メディカル機器(医療用、産業用、研究用などの滅菌などを行う機器)、熱電ソリューション機器(例えばコンプレッサ、燃料電池などのような、熱エネルギーを活用した減電などによってエネルギーシステムの効率化を図る機器)などの機器である。
管理対象機器11Aは、検出部11A1と、アラーム生成部11A2と、通信部11A3と、アラーム出力部(図示せず)とを備えている。検出部11A1は、管理対象機器11Aの状況を検出する。アラーム生成部11A2は、検出部11A1によって検出された管理対象機器11Aの状況に基づいて管理対象機器11Aのアラーム情報を生成する。詳細には、アラーム生成部11A2は、検出部11A1によって検出された管理対象機器11Aの状況が異常である場合に、アラーム情報を生成し、アラーム出力部と通信部11A3に出力する。
管理対象機器11Aの状況を示す情報は、例えば、検出部11A1によって検出された温度、圧力、流量、あるいはその他の状態などの情報である。検出部11A1の検出結果は、電気信号としてアラーム生成部11A2へ出力される。アラーム生成部11A2は、アラーム判定を行う。アラーム生成部11A2は、検出部11A1が出力した電気信号が予め設定された正常範囲から外れる場合に異常であると判定し、アラーム情報を生成する。
アラーム出力部は、アラーム生成部11A2によって生成されたアラーム情報に基づいて、警報ランプによるアラーム表示、ブザー発報、アラーム音声出力などを行う。
通信部11A3は、アラーム生成部11A2によって生成された管理対象機器11Aのアラーム情報をサーバ部12に送信する。管理対象機器11Aが生成したアラーム情報に基づいて、操作端末装置13は管理対象機器11Aのアラーム(A)(
図2参照)を表示する。
管理対象機器11Aはが、アラーム生成部11A2とアラーム出力部を備える。このため、管理対象機器11Aに異常が発生した場合に、管理対象機器11Aにおいてアラーム情報を生成し、管理対象機器11Aの設置現場でアラームを確認することができる。
例えば、管理対象機器11Aの外部においてアラーム情報を生成する場合には、通信部11A3の異常により通信ができない状態では、アラーム情報の生成および生成されたアラーム情報の受信ができない。その結果ため、管理対象機器11Aの設置現場においてアラームを確認できないおそれがある。一方、
図1に示す例では、管理対象機器11Aがアラーム生成部11A2とアラーム出力部を備えるため、管理対象機器11Aの設置現場においてアラームを確実に確認することができる。
図1に示す例では、例えば通信部11A3の異常時であっても、管理対象機器11Aの設置現場においてアラームを確実に確認することができ、管理対象機器11Aの設置現場においてアラームが見落とされることがない。また、管理対象機器11Aと操作端末(図示せず)とを、サーバ部12を経由して通信回線(図示せず)で接続して、管理対象機器11Aのアラーム生成部11A2で生成されたアラーム情報を操作端末に送信し、表示してもよい。
【0020】
図1に示す例では、管理対象機器11B、11C、…、11Gが、管理対象機器11Aと同様に構成されており、検出部11B1、11C1、…、11G1と、アラーム生成部11B2、11C2、…、11G2と、通信部11B3、11C3、…、11G3と、アラーム出力部(図示せず)とを備えている。アラーム生成部11B2は、検出部11B1によって検出された管理対象機器11Bの状況に基づいて管理対象機器11Bのアラーム情報を生成し、アラーム生成部11C2は、検出部11C1によって検出された管理対象機器11Cの状況に基づいて管理対象機器11Cのアラーム情報を生成し、アラーム生成部11G2は、検出部11G1によって検出された管理対象機器11Gの状況に基づいて管理対象機器11Gのアラーム情報を生成する。通信部11B3は、アラーム生成部11B2によって生成された管理対象機器11Bのアラーム情報をサーバ部12に送信し、通信部11C3は、アラーム生成部11C2によって生成された管理対象機器11Cのアラーム情報をサーバ部12に送信し、通信部11G3は、アラーム生成部11G2によって生成された管理対象機器11Gのアラーム情報をサーバ部12に送信する。
他の例では、管理対象機器11B、11C、…、11Gの構成が、管理対象機器11Aの構成とは異なっていてもよい。
【0021】
図1に示す例では、サーバ部12が、通信部121と、表示データ作成部122と、記憶部123とを備えている。
通信部121は、通信部11A3〜11G3によって送信された管理対象機器11A〜11Gのアラーム情報を受信する。記憶部123は、管理対象機器11A〜11Gの識別記号(機器ID)と管理対象機器11A〜11Gが所属する管理グループとを関連付けるグループ情報を記憶している。後述する
図2に示す例では、管理対象機器11A〜11Fが第1の管理グループに所属しており、管理対象機器11Gが第2の管理グループに所属している。
【0022】
図1に示す例では、記憶部123が、アラーム生成部11A2〜11G2によって生成される管理対象機器11A〜11Gのアラーム情報の重要度と、
図2に示す表示画面に表示されるアラームの色付けとを関連付ける色付け情報を記憶している。
表示データ作成部122は、アラーム生成部11A2〜11G2によって生成されるアラーム情報と、記憶部123に記憶されたグループ情報と色付け情報とに基づいて、管理グループ毎の管理対象機器11A〜11F、11Gの表示および管理対象機器11A〜11Gのアラーム情報の重要度に対応する色付けを行ったアラーム(A)、(C)、(F)(
図2参照)の表示に用いられる表示データを作成する。
通信部121は、表示データ作成部122によって作成された表示データを操作端末装置13に送信する。
更に、記憶部123は、アラーム情報と、アラーム情報に対応するアラームコードと、アラームコードに対応するマニュアル(メンテ対応マニュアル)とを記憶すると共に、アラームコードと色付けとを関連付けるアラームコード色付け情報を記憶している。
また、記憶部123は、検出部11A1〜11G1によって検出された管理対象機器11A〜11Gの状況を示す情報を記憶する。つまり、記憶部123は、検出部11A1〜11G1によって過去に検出された管理対象機器11A〜11Gの過去の状況を示す過去情報を記憶している。
【0023】
図1に示す例では、操作端末装置13が、例えば管理対象機器11A〜11Gのメンテ員によって利用される。操作端末装置13は、通信部131と、表示部132と、要求入力部133と、情報収集部134とを備えている。通信部131は、通信部121によって送信された表示データなどを受信する。
表示部132は、アラーム表示部132Aと、参照情報表示部132Bと、過去情報表示部132Cと、設定表示部132Dと、ユーザー情報表示部132Eと、アラーム時運転状況表示部132Fとを備えている。
アラーム表示部132Aは、通信部131によって受信された表示データに基づいてアラーム(
図2に示す例では、アラーム(A)は赤色、アラーム(C)は黄色、アラーム(F)は青色)などを表示する。詳細には、アラーム表示部132Aは、通信部131によって受信された表示データに基づいて、アラーム情報の重要度に応じた所定の色付けを行ってアラームを表示する(
図2に示す例では、アラーム(A)に対応するアラーム情報の重要度>アラーム(C)に対応するアラーム情報の重要度>アラーム(F)に対応するアラーム情報の重要度)。
図2に示す例では、例えば管理対象機器11A〜11Fによって構成される管理グループを担当するメンテ員が、操作端末装置13を介してその管理グループを指定する場合に、アラーム表示部132Aは、その管理グループを構成する管理対象機器11A〜11Fのうちの、アラーム発生中の管理対象機器11Aの機器ID「012345611A」とアラーム(A)とを、アラーム発生中の管理対象機器11Bの機器ID「012345611B」とアラーム(C)とを、アラーム発生中の管理対象機器11Cの機器ID「012345611C」とアラーム(F)とを、関連づけて表示する。
換言すれば、表示部132は、操作端末装置13に管理対象機器11A、11B、11C、11G(
図2参照)のアラーム情報に対応するアラーム(A)、(C)、(F)、(C)(
図2参照)を表示する場合に、記憶部123に記憶されたグループ情報に基づいて管理グループ毎に管理対象機器11A〜11F、11Gを表示し、記憶部123に記憶された色付け情報に基づいて管理対象機器11A、11B、11C、11Gのアラーム情報の重要度に対応する色付けを行ってアラーム(A)、(C)、(F)、(C)を表示する。操作端末装置13から管理グループが指定されることにより、サーバ部12は、管理グループを構成する管理対象機器の機器IDとアラームとをアラーム表示部132Aに表示させる。
また、アラーム表示部132Aは、通信部131によって受信されたアラーム情報に基づいて、アラームとアラームコードとを、同一色の色付けを行って表示する。後述する
図2に示す例では、アラーム表示部132Aが、操作端末装置13の表示画面に管理対象機器11Aのアラーム情報に対応するアラームコード「A200−45」を表示する場合に、記憶部123に記憶された色付け情報とアラームコード色付け情報とに基づいて、管理対象機器11Aのアラーム(A)とアラームコード「A200−45」とを同一の色付けで表示する。更に、アラーム表示部132Aは、記憶部123に記憶された色付け情報とアラームコード色付け情報とに基づいて、管理対象機器11Bのアラーム(C)とアラームコード「A410−16」とを同一の色付けで表示し、管理対象機器11Cのアラーム(F)とアラームコード「C899−05」とを同一の色付けで表示し、管理対象機器11Gのアラーム(C)とアラームコード「C899−05」とを同一の色付けで表示する。
【0024】
参照情報表示部132Bは、例えばアラーム表示部132Aによって表示されたアラームの対応を行う管理対象機器11A〜11Gのメンテ員が参照すべき情報である参照情報を表示する。参照情報表示部132Bは、マニュアル表示部132B1と、機器状況表示部132B2と、接続状況表示部132B3とを備えている。
マニュアル表示部132B1は、操作端末装置13の表示画面に表示されたアラームコードに対応する管理対象機器11A〜11Gのマニュアル(メンテ対応マニュアル)(図示せず)を表示する。機器状況表示部132B2は、管理対象機器11A〜11Gの現在の状況(
図4参照)を表示する。接続状況表示部132B3は、情報収集部134が管理対象機器11A〜11Gから情報収集を行う際のステータス(未接続、接続開始、接続中、接続完了など)(図示せず)を表示する。
つまり、参照情報表示部132Bが表示する参照情報には、管理対象機器11A〜11Gのマニュアルと、検出部11A1〜11G1によって検出された管理対象機器11A〜11Gの状況を示す情報と、情報収集部134のステータスを示す情報とが含まれる。
また、マニュアル表示部132B1は、アラーム表示部132Aによって色付けされて表示されたアラームコードを指定する操作が、操作端末装置13に対して行われた場合に、アラームコードに対応するマニュアルを表示する。
【0025】
過去情報表示部132Cは、過去情報収集部134Bによって収集された過去情報(図示せず)を表示する(過去情報収集部134Bについては後述する。)。過去情報は、上述したように検出部11A1〜11G1によって過去に検出された管理対象機器11A〜11Gの過去の状況を示す情報であり、管理対象機器11の記憶部(図示せず)に記憶されている。過去情報表示部132Cは、管理対象機器11A〜11Gの過去情報を表によって表示する機能と、管理対象機器11A〜11Gの過去情報をグラフによって表示する機能とを有する。
図1に示す例では、過去情報表示部132Cが過去のメンテレポートの表示を行わないが、他の例では、過去情報表示部132Cが過去のメンテレポートの表示を行ってもよい。
【0026】
図1に示す例では、設定表示部132Dが、設定情報収集部134Cによって収集された設定情報に基づいて、管理対象機器11A〜11Gの設定(図示せず)を表示する(設定情報収集部134Cについては後述する。)。設定情報は、管理対象機器11A〜11Gの設定を示す情報であり、管理対象機器11の記憶部(図示せず)に記憶されている。
ユーザー情報表示部132Eは、ユーザー情報収集部134Dによって収集されたユーザー情報(図示せず)を表示する(ユーザー情報収集部134Dについては後述する。)。ユーザー情報は、管理対象機器11A〜11Gの使用者を示す情報であり、記憶部123に記憶されている。
【0027】
アラーム時運転状況表示部132Fは、アラーム発生時における管理対象機器11A〜11Gの運転状況を表示する。詳細には、アラーム時運転状況表示部132Fは、アラーム発生時に検出部11A1〜11G1によって検出された管理対象機器11A〜11Gの運転状況を表示し、アラーム生成部11A2〜11G2がアラーム情報を生成する根拠となった管理対象機器11A〜11Gの運転状況を示す情報を着色して表示する。そのため、1つのアラームに対して複数の原因が存在する場合であっても、メンテ員は見落としなく原因を把握することができる。
つまり、アラーム時運転状況表示部132Fは、アラーム発生時における管理対象機器11A〜11Gの運転状況を表示可能であると共に、検出部11A1〜11G1によって検出される現在の管理対象機器11A〜11Gの運転状況を表示可能に構成されている。また、アラーム生成部11A2〜11G2が、現在の管理対象機器11A〜11Gの運転状況を示す情報を根拠としてアラーム情報を生成する場合、アラーム時運転状況表示部132Fは、アラーム生成部11A2〜11G2がアラーム情報を生成する根拠となる現在の管理対象機器11A〜11Gの運転状況を示す情報を着色して表示する。
アラーム時運転状況表示部132Fによって着色されて表示された管理対象機器11A〜11Gの運転状況を示す情報を指定する操作が、操作端末装置13に対して行われた場合、アラーム時運転状況表示部132Fは、アラームの原因およびアラームの対処方法の少なくともいずれかを含む情報を表示する。
すなわち、
図1に示す例では、管理対象機器11A〜11Gの状況が、アラーム時運転状況表示部132Fによって表示可能であると共に、上述したように機器状況表示部132B2によっても表示可能である。
【0028】
図1に示す例では、表示部132が製造情報、部品情報、特記事項、水分析情報の表示を行わないが、他の例では、表示部132が製造情報、部品情報、特記事項、水分析情報の表示を行ってもよい。
【0029】
図1に示す例では、要求入力部133が、操作端末装置13の利用者(例えば管理対象機器11A〜11Gのメンテ員)による種々の要求を受け付ける。要求入力部133は、第1要求入力部133Aと、第2要求入力部133Bと、第3要求入力部133Cと、第4要求入力部133Dと、第5要求入力部133Eと、第6要求入力部133Fと、第7要求入力部133Gと、第8要求入力部133Hとを備えている。
第1要求入力部133Aは、操作端末装置13の利用者による、上述したアラーム時運転状況の参照情報の要求を受け付ける。
第2要求入力部133Bは、サーバ部12の記憶部123に記憶されている、管理対象機器11A〜11Gのマニュアルの要求を受け付ける。
第3要求入力部133Cは、管理対象機器11によって検出される、管理対象機器11A〜11Gの現在の(または、サンプリング周期等がある場合は最新の)状況を示す情報(
図4参照)の要求を受け付ける。
第4要求入力部133Dは、管理対象機器11に記憶されている過去情報の要求を受け付ける。
【0030】
第5要求入力部133Eは、過去情報の表による表示(図示せず)と、過去情報のグラフによる表示(図示せず)との切り替え要求を受け付ける。過去情報表示部132Cは、所定期間(例えば、1か月および1週間)の過去情報を表示する機能を有する。
第6要求入力部133Fは、過去情報を表示する期間を切り替える要求を受け付ける。
【0031】
第7要求入力部133Gは、管理対象機器11に記憶されている、管理対象機器11A〜11Gの設定を示す情報である設定情報の要求を受け付ける。設定表示部132Dは、管理対象機器11A〜11Gの設定を機種設定(図示せず)として表示する機能と、管理対象機器11A〜11Gの設定を機種設定とは異なる態様(図示せず)で表示する機能とを有する。
第8要求入力部133Hは、機種設定による管理対象機器11A〜11Gの設定の表示と、機種設定とは異なる態様による管理対象機器11A〜11Gの設定の表示との切り替え要求を受け付ける。
【0032】
情報収集部134は、要求入力部133が受け付けた要求に基づいて、管理対象機器11A〜11Gに関する種々の情報を収集する。情報収集部134は、参照情報収集部134Aと、過去情報収集部134Bと、設定情報収集部134Cと、ユーザー情報収集部134Dとアラーム時運転状況情報収集部134Eとを備えている。
参照情報収集部134Aは、参照情報表示部132Bに表示される情報を収集する。参照情報収集部134Aは、第2要求入力部133Bと第3要求入力部133Cとが受け付けた参照情報の要求に基づいて、それぞれマニュアルと管理対象機器11の現在の運転状況に関する参照情報を収集する。
過去情報収集部134Bは、第4要求入力部133Dが受け付けた過去情報の要求に基づいて過去情報を収集する。設定情報収集部134Cは、第7要求入力部133Gが受け付けた設定情報の要求に基づいて設定情報を収集する。ユーザー情報収集部134Dは、操作端末装置13が受け付けたユーザー情報の要求に基づいてユーザー情報を収集する。アラーム時運転状況情報収集部134Eは、第1要求入力部133Aが受け付けたアラーム時運転状況の要求に基づいて、サーバ部12の記憶部123から指定されたアラーム発生時の運転状況の情報を収集し、アラーム時運転状況表示部132Fに表示する。
図1に示す例では、操作端末装置13が情報検索ツール(図示せず)と連動していないが、他の例では、操作端末装置13が情報検索ツールと連動していてもよい。
【0033】
図2は
図1に示すアラーム表示部132Aによるアラームの表示画面の一例を示す図である。詳細には、
図2は、管理対象機器11A〜11Fの使用者を示すユーザー名「〇〇〇〇株式会社」と、管理対象機器11Gの使用者を示すユーザー名「××××株式会社」とを含み、それらの管理対象機器に現在発生中のアラームを表示している。
図2に示す表示画面は、例えば、メンテ員によって操作端末装置13のログイン操作が行われた後に最初に表示される画面である。
図2に示す例では、最新の受信日時「11/30 09:12」のアラーム「C」を含む管理グループ(管理対象機器11A〜11F)が、他の管理グループ(管理対象機器11G)よりも上位に表示されている。
図2に示す例では、アラーム表示部132A(
図1参照)が、管理対象機器11Aのアラーム(A)およびアラームコード「A200−45」と、管理対象機器11Bのアラーム(C)およびアラームコード「A410−16」と、管理対象機器11Cのアラーム(F)およびアラームコード「C899−05」と、管理対象機器11Gのアラーム(C)およびアラームコード「C899−05」とを表示している。詳細には、アラーム表示部132Aが、管理対象機器11Aのアラーム「(A)」およびアラームコード「A200−45」を赤色で表示し、管理対象機器11Bのアラーム「(C)」およびアラームコード「A410−16」を黄色で表示し、管理対象機器11Cのアラーム「(F)」およびアラームコード「C899−05」を青色で表示し、管理対象機器11Gのアラーム「(C)」およびアラームコード「C899−05」を黄色で表示している。
色付けを行う手法としては、例えば「(C)」および「C899−05」の文字自体を色付けする手法、「(C)」の文字を含む例えば矩形の枠(図示せず)の内側、および、「C899−05」の文字を含む矩形の枠の内側を薄く色付けすると共に、「(C)」および「C899−05」の文字を濃く色付けする手法、「(C)」の文字を含む例えば矩形の枠の内側、および、「C899−05」の文字を含む矩形の枠の内側を濃く色付けすると共に、「(C)」および「C899−05」の文字を白抜きにする手法などがある。
つまり、
図2に示す例では、アラーム生成部11A2、11B2、11C2、11G2(
図1参照)が管理対象機器11A、11B、11C、11Gのアラーム情報を生成したため、アラーム表示部132Aによるアラームの表示画面に、管理対象機器11Aのアラーム(A)およびアラームコード「A200−45」と、管理対象機器11Bのアラーム(C)およびアラームコード「A410−16」と、管理対象機器11Cのアラーム(F)およびアラームコード「C899−05」と、管理対象機器11Gのアラーム(C)およびアラームコード「C899−05」とが含まれている。
一方、
図2に示す例では、管理対象機器11D、11E、11Fのアラーム情報が生成されなかったため、アラーム表示部132Aによるアラームの表示画面には、管理対象機器11D、11E、11Fのアラームおよびアラームコードが含まれていない。
【0034】
図2に示す例では、アラームの表示画面に、管理対象機器11Aの赤色のアラームコード「A200−45」に対応する管理対象機器11Aの機種「SQ(AB11)」、機器ID(機番)「012345611A」、異常内容「外部異常入力5入力あり」、受信日時「11/18 12:30」などが含まれている。
また、管理対象機器11Bの黄色のアラームコード「A410−16」に対応する管理対象機器11Bの機種「SQ(AB11)」、機器ID(機番)「012345611B」、異常内容「潤滑油異常」、受信日時「11/18 23:30」などが、アラームの表示画面に含まれている。
更に、管理対象機器11Cの青色のアラームコード「C899−05」に対応する管理対象機器11Cの機種「SQ(AB11)」、機器ID(機番)「012345611C」、異常内容「外部異常入力5入力あり」、受信日時「11/30 09:12」などが、アラームの表示画面に含まれている。
また、管理対象機器11Gの黄色のアラームコード「C899−05」に対応する管理対象機器11Gの機種「SQ(AB11)」、機器ID(機番)「012345611G」、異常内容「外部異常入力5入力あり」、受信日時「11/18 12:30」などが、アラームの表示画面に含まれている。
図2に示す例では、アラームが、アラーム情報の重要度に応じた所定の色付けが行われて表示されるため、管理対象機器にトラブルが発生していることと併せてそのトラブルの重要度を直観的に捉えることができる。習熟度が低いメンテ員が操作端末装置13を利用する場合であっても、操作端末装置13の利用者は、重要なアラームを容易に確認することができる。
【0035】
図2に示す例では、管理グループ毎に管理対象機器11A〜11F、11Gを表示し、管理グループを構成する管理対象機器(例えば管理対象機器11A〜11F)の機器IDおよびアラーム(つまり、管理対象機器11Aの機器ID「012345611A」およびアラーム(A)と、管理対象機器11Bの機器ID「012345611B」およびアラーム(C)と、管理対象機器11Cの機器ID「012345611C」およびアラーム(F)とをアラーム表示部132Aが表示させる。また、
図2には示していないが、操作端末装置13から管理グループが指定される場合、サーバ部12は、管理グループを構成する管理対象機器(例えば管理対象機器11A〜11F)の機器IDおよびアラームをアラーム表示部132Aに表示させる。
このように、関連する管理対象機器を1つの管理グループとして表示することで、複数の管理対象機器で構成されるシステムの状況を俯瞰しながらトラブルの影響を把握することができる。システムとしての能力を捉えることが容易になり、正常な機器の運転条件を調整してトラブルに対応することや、トラブル機器を予備機に入れ替える対応が容易になる。これにより、システムとして能力を維持できるほか、一時的にトラブル機器を隔離し、計画的なメンテナンスを行うなど状況に応じて迅速かつ適切な機器管理を行うことができる。
【0036】
図2に示す例では、第1要求入力部133Aおよび第2要求入力部133Bが、アラーム表示部132A(
図1参照)によるアラームの表示画面に含まれている。
詳細には、管理対象機器11Aに関する表示箇所(行)全体が、管理対象機器11Aの参照情報の要求を受け付ける第1要求入力部133Aとして機能し、管理対象機器11Bに関する表示箇所(行)全体が、管理対象機器11Bのアラーム時運転状況の参照情報の要求を受け付ける第1要求入力部133Aとして機能し、管理対象機器11Cに関する表示箇所(行)全体が、管理対象機器11Cのアラーム時運転状況の参照情報の要求を受け付ける第1要求入力部133Aとして機能し、管理対象機器11Gに関する表示箇所(行)全体が、管理対象機器11Gのアラーム時運転状況の参照情報の要求を受け付ける第1要求入力部133Aとして機能する。
図2に示す例では、管理対象機器11Aのアラームコード「A200−45」の表示箇所(例えばボタン)が、管理対象機器11Aのマニュアルの要求を受け付ける第2要求入力部133Bとして機能する。管理対象機器11Aのアラームコード「A200−45」の表示箇所が、管理対象機器11Aのマニュアルの要求を受け付けた場合に、操作端末装置13の表示画面は、メンテ対応マニュアルの表示画面(図示せず)に遷移する。管理対象機器11Bのアラームコード「A410−16」の表示箇所は、管理対象機器11Bのマニュアルの要求を受け付ける第2要求入力部133Bとして機能する。また、管理対象機器11Cのアラームコード「C899−05」の表示箇所は、管理対象機器11Cのマニュアルの要求を受け付ける第2要求入力部133Bとして機能し、管理対象機器11Gのアラームコード「C899−05」の表示箇所は、管理対象機器11Gのマニュアルの要求を受け付ける第2要求入力部133Bとして機能する。
【0037】
図3は、第1要求入力部133Aとして機能する管理対象機器11Aに関する表示箇所(行)全体(
図2参照)が、管理対象機器11Aの参照情報の要求を受け付けた場合における操作端末装置13の表示画面の遷移の一例を説明するための図である。
図2および
図3に示す例では、管理対象機器11Aに関する表示箇所(行)全体(
図2参照)が、管理対象機器11Aの参照情報の要求を受け付けた場合に、
図2に示す操作端末装置13の表示画面が、
図3に示す操作端末装置13の表示画面に遷移する。
図3に示す操作端末装置13の表示画面の左上部分(
図3の左上部分)には、管理対象機器11Aの機種「SQ(AB11)」と機器ID(機番)「012345611A」とが含まれている。また、
図2に示すアラームの表示画面に含まれていた管理対象機器11Aのアラームコード「A200−45」、受信日時「11/18 12:30」に相当する情報が、
図3に示す操作端末装置13の表示画面の左側部分(「アラーム一覧」を表示するエリアの上部)に含まれている。
上述した「受信日時」として、例えば、サーバ部12がアラームを受信した日時が用いられる。サーバ部12は、管理対象機器11Aにおけるアラーム発生日時を示す情報を管理対象機器11Aから受信して記録しているが、サーバ部12の時計機能の時刻を用いる。そのため、例えばサーバ部12の時計機能の時刻と管理対象機器11Aの時計機能の時刻とにズレが存在する場合であっても、遠隔管理システム1全体としては、時刻の相対的なズレ無しで管理対象機器11A〜11Gの管理を行うことができる。
【0038】
図3に示す操作端末装置13の表示画面の右側部分(「現在の運転状況」を表示するエリアの中央)に含まれている「マニュアルを表示」の表示箇所(例えばボタン)は、管理対象機器11Aのマニュアルの要求を受け付ける第2要求入力部133Bとして機能する。
また、
図3に示す操作端末装置13の表示画面の右側部分(「現在の運転状況」を表示するエリアの中央)に含まれている「接続を開始」の表示箇所(例えばボタン)が、管理対象機器11Aの状況を示す情報の要求を受け付ける第3要求入力部133Cとして機能する。第3要求入力部133Cが、管理対象機器11Aの状況を示す情報の要求を受け付けた場合に、参照情報収集部134A(
図1参照)が、管理対象機器11Aの現在の(または、サンプリング周期等がある場合は最新の)状況を示す情報を、管理対象機器11Aの検出部11A1(
図1参照)からサーバ部12(
図1参照)を介して収集する。
更に、
図3に示す操作端末装置13表示画面の上側部分(「機器に接続していません」の表示箇所)には、管理対象機器11Aの状況を示す情報を収集する参照情報収集部134Aのステータスが、接続状況表示部132B3(
図1参照)によって表示される。
図3に示す操作端末装置13の表示画面の左側部分(「アラーム一覧」を表示するエリア)においては、アラーム時運転状況表示部132Fが、アラーム発生時における管理対象機器11Aの運転状況を表示している。詳細には、アラーム時運転状況表示部132Fは、アラーム発生時に検出部11A1によって検出された管理対象機器11Aの運転状況を表示し、アラーム生成部11A2がアラーム情報を生成する根拠となった管理対象機器11Aの運転状況を示す情報「ブロー残 0時間」を着色して表示している。
換言すれば、操作端末装置13から管理対象機器11Aが指定されることにより、サーバ部12は、管理対象機器11Aのアラーム発生時に検出部11A1によって検出された管理対象機器11Aの運転状況をアラーム時運転状況表示部132Fに表示させる。
【0039】
第3要求入力部133C(「接続を開始」の表示箇所)(
図3参照)が、管理対象機器11A(
図3参照)の状況を示す情報の要求を受け付ける前の時点(第1時点)においては、
図3に示すように、接続状況表示部132B3(
図1参照)が、参照情報収集部134A(
図1参照)のステータスとして、「機器に接続していません」の旨を表示する。つまり、第1時点においては、検出部11A1(
図1参照)によって検出された管理対象機器11Aの状況を示す情報が、サーバ部12(
図1参照)を介して操作端末装置13(
図1参照)に、まだ送信開始されていない。
次いで、第3要求入力部133C(「接続を開始」の表示箇所)が、管理対象機器11Aの状況を示す情報の要求を受け付ける時点(第2時点)においては、接続状況表示部132B3が、参照情報収集部134Aのステータスとして、「SQ(AB11)012345611A(=管理対象機器11A)に接続開始」の旨を表示する。つまり、第2時点において、サーバ部12を介して操作端末装置13と管理対象機器11Aとの接続が開始される。
次いで、第3時点において、接続状況表示部132B3は、参照情報収集部134Aのステータスとして、「SQ(AB11)012345611A(=管理対象機器11A)に接続中」の旨を表示する。つまり、第3時点においては、検出部11A1によって検出された管理対象機器11Aの状況を示す情報が、サーバ部12を介して操作端末装置13に、送信開始される。操作端末装置13は、検出部11A1によって検出された管理対象機器11Aの状況を示す情報のすべてを受信完了していない。
次いで、操作端末装置13が、検出部11A1によって検出された管理対象機器11Aの状況を示す情報のすべてを受信完了した時点(第4時点)において、接続状況表示部132B3が、参照情報収集部134Aのステータスとして、「SQ(AB11)012345611A(=管理対象機器11A)に接続完了」の旨を表示する。
このような表示により、操作端末装置13の利用者は、接続状況を確認することができる。
図3に示す例では、例えば操作端末装置13の利用者が、
図3に示す「通信を切断」の表示箇所(例えばボタン)を操作すると、検出部11A1から操作端末装置13への情報の送信が中止される。
【0040】
すなわち、参照情報表示部132B(
図1参照)の接続状況表示部132B3(
図1参照)は、
図3に示す操作端末装置13の表示画面(詳細には、参照情報表示部132Bによる参照情報の表示画面)から、
図4に示す操作端末装置13の表示画面(詳細には、機器状況表示部132B2による管理対象機器11Aの状況の表示画面)への遷移中に、参照情報収集部134Aのステータスを表示する。
また、第1実施形態の遠隔管理システム1では、
図3に示す操作端末装置13の表示画面から、
図4に示す操作端末装置13の表示画面への遷移中(つまり、操作端末装置13が、検出部11A1によって検出された管理対象機器11Aの状況を示す情報を受信している期間中)に、第2要求入力部133B(
図3参照)が、管理対象機器11Aのマニュアルの要求を受け付けることができる。
【0041】
図3に示す第1時点ならびに第2時点のみならず、第3時点においても、第2要求入力部133B(「マニュアルを表示」の表示箇所)(
図3参照)は、管理対象機器11Aのマニュアルの要求を受け付けることができる。
第2要求入力部133B(「マニュアルを表示」の表示箇所)が管理対象機器11Aのマニュアルの要求を受け付けた場合に、参照情報収集部134A(
図1参照)は、管理対象機器11Aのマニュアルを例えばサーバ部12(
図1参照)から収集する。次いで、マニュアル表示部132B1(
図1参照)は、参照情報収集部134Aによって収集された管理対象機器11Aのマニュアルを表示する。
詳細には、
図1〜
図3に示す例では、
図2に示すアラームの表示画面に含まれる第1要求入力部133A(管理対象機器11Aに関する表示箇所(行)全体(
図2参照))が参照情報の要求を受け付けた場合に、アラーム表示部132A(
図1参照)によるアラームの表示画面(
図2に示す操作端末装置13の表示画面)は、参照情報表示部132B(
図1参照)による参照情報の表示画面(
図3に示す操作端末装置13の表示画面)に遷移する。この遷移後の表示画面(
図3に示す操作端末装置13の表示画面)に、第2要求入力部133B(「マニュアルを表示」の表示箇所)は含まれている。
【0042】
図4は第4時点における操作端末装置13の表示画面の全体の一例を説明するための図である。
図5は
図4に示す操作端末装置13の表示画面においてポップアップ表示が行われた場合の一例を示す図である。
図3に示す表示画面において第3要求入力部133Cが操作されると、参照情報収集部134Aが、管理対象機器11Aの現在の状況を示す情報を、管理対象機器11Aの検出部11A1からサーバ部12を介して収集し、アラーム時運転状況表示部132Fが、
図4に示すように、現在の管理対象機器11Aの運転状況を表示する。つまり、
図4は、操作端末装置13が検出部11A1によって検出された管理対象機器11Aの状況を示す情報のすべてを受信完了した第4時点における操作端末装置13の表示画面の全体の一例を示している。
図4に示す操作端末装置13の表示画面の左側部分(「アラーム一覧」を表示するエリア)においては、アラーム時運転状況表示部132Fが、アラーム発生時における管理対象機器11Aの運転状況を表示している。
第4時点以降に、例えば操作端末装置13の利用者(例えばメンテ員)が、「モニタ」(
図3参照)の表示箇所をクリックまたはタップすると、アラーム時運転状況表示部132Fが、参照情報収集部134A(
図1参照)によって収集された管理対象機器11Aの状況(詳細には、現在の状況、または、サンプリング周期等がある場合は検出された最新の状況)を示す情報に基づいて、管理対象機器11Aの状況(
図4参照)を表示する。この表示により、操作端末装置13の利用者は、管理対象機器11Aの現在の運転状況を確認することができる。
図4に示す例では、操作端末装置13の表示画面の右側部分(「現在の運転状況」を表示するエリア)においては、機器状況表示部132B2が、管理対象機器11Aの現在の運転状況を表示し、正常でないと判定された「エアフィルタ」を着色して表示する。
【0043】
上述したように、
図2に示すアラームの表示画面に含まれる第1要求入力部133A(例えば管理対象機器11Aに関する表示箇所(行)全体(
図2参照))が、参照情報の要求を受け付けた場合に、アラーム表示部132A(
図1参照)によるアラームの表示画面(
図2に示す操作端末装置13の表示画面)は、参照情報表示部132B(
図1参照)による参照情報の表示画面(
図3に示す操作端末装置13の表示画面)に遷移する。この遷移後の表示画面(
図3に示す操作端末装置13の表示画面)に、第3要求入力部133C(「接続を開始」の表示箇所)は含まれている。
すなわち、
図1〜
図3に示す例では、アラーム発生の管理対象機器11Aを選択することで、アラーム状況を示す画面(
図3参照)が表示され、同時に次の操作手順となる「現在の管理対象機器11Aの状況確認(
図3の「接続を開始」)」と「アラームに対処するためのマニュアル表示(
図3の「マニュアルを表示」」の選択画面が表示される。そのため、メンテナンス員の習熟度が低い場合であっても迅速に適切な作業を行うように誘導することができる。また、熟練したメンテ員では次の作業に速やかに移行できることで作業効率が向上する。
【0044】
また、
図3と
図4に示す例では、操作端末装置13の利用者が、
図3に示す操作端末装置13の表示画面にから管理対象機器11Aのアラーム発生時の状況を把握し、さらに
図4に示す現在の運転状況の表示画面から、アラーム発生後の重要な変化(ここでは、異常として検出されエアフィルタ)、つまり、異常の進み具合を把握でき、これらの情報に基づいてアラームコード「A200−45」の適切な対応を速やかに行うことができる。特に習熟度が低いメンテナンス員は、アラーム情報を生成する原因となる検出結果、および正常ではないと判断される現在の運転状況が着色表示されることで、注目すべき項目が容易に分かり、アラームの適切な対応を速やかに行うことができる。
【0045】
図5に示す例では、アラーム時運転状況表示部132Fによって着色されて表示された管理対象機器11Aの運転状況を示す情報「エアフィルタ」(
図4および
図5参照)を指定する操作が、操作端末装置13に対して行われた場合、アラーム時運転状況表示部132Fは、アラームの原因およびアラームの対処方法の少なくともいずれかを含む情報(例えば「エアフィルタが故障の原因」。〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇。)をポップアップ表示する。
故障に原因のポップアップ表示は、習熟度が低いメンテ員に対して、直観的な操作により故障原因の気づきを与えることができ、適切な故障対応へと導くことができる。
また、機器状況表示部132B2によって着色されて表示されたアラーム情報を生成する根拠となった運転状況を示す情報(
図4「ブロー残 0時間」)を指定する操作によるポップアップ表示を行ってもよい。
【0046】
上述したように、
図1〜
図5に示す例では、参照情報(例えばマニュアル、管理対象機器11Aの状況(
図4参照)を示す情報など)の要求を受け付ける第1要求入力部133Aがアラームの表示画面(
図2に示す操作端末装置13の表示画面)に含まれている。
そのため、
図1〜
図5に示す例では、習熟度が低いメンテ員が操作端末装置13を利用する場合であっても、操作端末装置13の利用者は、参照情報を容易に要求することができ(第1要求入力部133Aに対する入力を容易に行うことができ)、参照情報に基づいてアラームの適切な対応を速やかに行うことができる。
更に、
図1〜
図5に示す例では、アラーム表示部132Aによるアラームの表示画面(
図2に示す操作端末装置13の表示画面)に含まれている複数のアラームコード「A200−45」、「A410−16」、「C899−05」のそれぞれが、管理対象機器11Aのマニュアル、管理対象機器11Bのマニュアル、管理対象機器11Cのマニュアルおよび管理対象機器11Gのマニュアルの要求を受け付ける第2要求入力部133Bとして機能する。
そのため、
図1〜
図5に示す例では、アラーム表示部132Aによるアラームの表示画面に含まれている複数のアラームコード「A200−45」、「A410−16」、「C899−05」のそれぞれの表示箇所と第2要求入力部133Bの位置とが異なる場合よりも、速やかに該当するマニュアルを表示でき効率的に作業を行うことできる。また、習熟度が低いメンテ員に対しては、複数のアラームのそれぞれに対応するためのマニュアルを求める操作端末装置13の利用者の直感操作に応えることができる。
【0047】
図4に示す操作端末装置13の表示画面に含まれている第4要求入力部133D(「履歴」の表示箇所)(例えばボタン)が管理対象機器11Aの過去情報の要求を受け付けることによって、
図4に示す操作端末装置13の表示画面(機器状況表示部132B2(
図1参照)による管理対象機器11Aの現在の状況の表示画面)が、過去情報表示部132C(
図1参照)による管理対象機器11Aの過去情報の表示画面(図示せず)に遷移する。
【0048】
過去情報表示部132Cは、管理対象機器11Aの過去の状況を示す過去情報を表によって表示することができる。詳細には、過去情報表示部132Cは、管理対象機器11Aの過去情報を1ケ月分示す1ケ月データとして表示することができる。1ケ月データはエネルギー(燃料、電気)消費量、空気温度、水温度、水質データ、装置温度など管理対象機器の検出器の測定データを含む。また、エネルギー効率など検出器の測定結果から算出されたデータを含む場合もある。
管理対象機器11Aの過去の状況を表によって示す操作端末装置13の表示画面には、管理対象機器11Aの過去情報の表による表示と、管理対象機器11Aの過去情報のグラフによる表示との切り替え要求を受け付ける第5要求入力部133E(「表」「グラフ」の表示箇所)(例えばボタン)が含まれている。第5要求入力部133Eが、管理対象機器11Aの過去情報の表による表示と、管理対象機器11Aの過去情報のグラフによる表示との切り替え要求を受け付けた場合には、管理対象機器11Aの過去情報の表による表示画面が、管理対象機器11Aの過去情報のグラフによる表示画面に遷移する。
また、管理対象機器11Aの過去の状況を表によって示す操作端末装置13の表示画面には、1ケ月データによる管理対象機器11Aの過去情報の表示と、1ケ月データとは異なる態様による管理対象機器11Aの過去情報の表示との切り替え要求を受け付ける第6要求入力部133F(「警報お知らせ積算」「積算記録」「1ケ月データ」「熱管理データ」「履歴データ」の表示箇所)(例えばボタン)が含まれている。第6要求入力部133Fが、1ケ月データによる管理対象機器11Aの過去情報の表示と、1ケ月データとは異なる態様による管理対象機器11Aの過去情報の表示との切り替え要求を受け付けた場合には、1ケ月データによる管理対象機器11Aの過去情報の表示画面が、1ケ月データとは異なる態様による管理対象機器11Aの過去情報の表示画面(例えば警報お知らせ積算を示す管理対象機器11Aの過去情報の表示画面、積算記録を示す管理対象機器11Aの過去情報の表示画面、熱管理データを示す管理対象機器11Aの過去情報の表示画面、あるいは、履歴データを示す管理対象機器11Aの過去情報の表示画面)に遷移する。
【0049】
上述したように、第4要求入力部133D(「履歴」の表示箇所)(
図4参照)が受け付けた管理対象機器11Aの過去情報の要求に基づいて、過去情報表示部132C(
図1参照)が、管理対象機器11Aの過去情報を表示する。
そのため、
図1〜
図5に示す例では、異常を生じた管理対象機器11Aの過去情報から、異常の予兆および通常とは異なる運転状態の有無などを速やかに確認でき、異常に至る経緯や原因の特定を行うことが出来る。また、運転時間などから、異常を生じた管理対象機器を管理グループから外した場合の影響についても検討できる。
【0050】
図4に示す操作端末装置13の表示画面に含まれている第7要求入力部133G(「設定」の表示箇所)(例えばボタン)が管理対象機器11Aの設定を示す設定情報の要求を受け付けることによって、
図4に示す操作端末装置13の表示画面(アラーム時運転状況表示部132Fまたは機器状況表示部132B2(
図1参照)による管理対象機器11Aの現在の状況の表示画面)が、設定表示部132D(
図1参照)による管理対象機器11Aの設定の表示画面(図示せず)に遷移する。
設定表示部132Dは、管理対象機器11Aの設定を表示することができる。
【0051】
上述したように、
図1〜
図5に示す例では、第7要求入力部133G(「設定」の表示箇所)(
図4参照)が受け付けた管理対象機器11Aの設定の要求に基づいて、設定表示部132D(
図1参照)が、管理対象機器11Aの設定を表示する。
そのため、
図1〜
図5に示す例では、習熟度が低いメンテ員が操作端末装置13を利用する場合であっても、操作端末装置13の利用者は、異常を生じた管理対象機器11Aの設定を容易に確認でき、設定情報の確認や変更を速やかに行うことが出来る。
【0052】
<第2実施形態>
以下、本発明の遠隔管理システムの第2実施形態について説明する。
第2実施形態の遠隔管理システム1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の遠隔管理システム1と同様に構成されている。従って、第2実施形態の遠隔管理システム1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の遠隔管理システム1と同様の効果を奏することができる。
【0053】
図6は第2実施形態の遠隔管理システム1の一例を示す図である。
図6に示す例では、サーバ部12が、通信部121と、表示データ作成部122と、記憶部123に加えてアラーム生成部124を備えている。
アラーム生成部124は、例えば、通信部121によって受信された管理対象機器11Aの状況を示す情報(詳細には、検出部11A1によって検出された管理対象機器11Aの状況)に基づいて管理対象機器11Aのアラーム情報を生成し、通信部121によって受信された管理対象機器11Bの状況を示す情報(詳細には、検出部11B1によって検出された管理対象機器11Bの状況)に基づいて管理対象機器11Bのアラーム情報を生成し、通信部121によって受信された管理対象機器11Cの状況を示す情報(詳細には、検出部11C1によって検出された管理対象機器11Cの状況)に基づいて管理対象機器11Cのアラーム情報を生成し、通信部121によって受信された管理対象機器11Gの状況を示す情報(詳細には、検出部11G1によって検出された管理対象機器11Gの状況)に基づいて管理対象機器11Gのアラーム情報を生成する。
表示データ作成部122は、アラーム生成部124によって生成される例えば管理対象機器11A、11B、11C、11Gのアラーム情報と、記憶部123に記憶されたグループ情報と色付け情報とに基づいて、管理グループ毎の管理対象機器11A〜11F、11Gの表示および管理対象機器11A〜11Gのアラーム情報の重要度に対応する色付けを行ったアラーム(A)、(C)、(F)(
図2参照)の表示に用いられる表示データを作成する。
通信部121は、表示データ作成部122によって作成された表示データを操作端末装置13に送信する。
操作端末装置13の通信部131は、通信部121によって送信された表示データを受信し、表示部132は、通信部131によって受信された表示データに基づく表示を行う。
アラーム生成部124がサーバ部12に備えられているため、アラーム生成部124は、サーバ部12に蓄積されたデータを利用した高度なアラーム情報を生成することができる。アラーム生成部124は、例えば、サーバ部12に記憶された運転時間とセンサ検出値のデータに基づいて、メンテナンス対象とする管理対象機器において、運転時間に対するセンサ検出が、該運転時間におけるセンサ検出値の正常範囲を外れる場合は、点検・調整あるいは部品交換が必要であることを出力するなど、予防保全的なアラーム情報を生成することができる。また、アラーム生成部124は、管理対象機器11A〜11Gの運転をより適切に行うことができるように運転設定の変更を提案するなど、保守及び運転管理を支援することを報知する内容を含むアラーム情報を生成することもできる。
【0054】
<第3実施形態>
以下、本発明の遠隔管理システムの第3実施形態について説明する。
第3実施形態の遠隔管理システム1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の遠隔管理システム1と同様に構成されている。従って、第3実施形態の遠隔管理システム1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の遠隔管理システム1と同様の効果を奏することができる。
【0055】
第1実施形態と第2実施形態では、操作端末装置13は情報収集部134を備えたが、これに限らない。サーバ部12は、情報収集部125(図示せず)を備えてもよい。情報収集部125は、通信部121が受信した操作端末装置13が受け付けた要求に基づいて、管理対象機器11A〜11Gに関する種々の情報を収集する。情報収集部125は、参照情報と、過去情報と、設定情報と、ユーザー情報とアラーム時運転状況情報とを収集し、表示データ作成部122へ出力する。表示データ作成部122は、取得した情報の表示データを作成し、通信部121へ出力する。通信部121は、取得した表示データを操作端末装置13に送信する。操作端末装置13は、受信した情報を表示する。
情報収集部125および表示データ作成部122は、サーバ部12に備えられるため、操作端末装置13は、情報を要求する操作を行い、サーバ部12へ情報要求指示を送信した後は、他の作業を行うことができ、効率的に作業を進めることができる。また、操作端末装置13の装置性能が高くない場合でも、管理対象機器11からの情報の収集および表示に時間を要するなどの操作上の不便が生じることを防止できる。
【0056】
<第4実施形態>
以下、本発明の遠隔管理システムの第4実施形態について説明する。
第4実施形態の遠隔管理システム1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の遠隔管理システム1と同様に構成されている。従って、第4実施形態の遠隔管理システム1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の遠隔管理システム1と同様の効果を奏することができる。
【0057】
第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態では、表示データ作成部はサーバ部12が備えたが、これに限らない。表示データ作成部は、操作端末装置13が備えてもよい。この場合、操作端末装置13は、表示データ作成部136(図示せず)とともに記憶部135(図示せず)を備え、表示データ作成に必要な情報を記憶し、記憶した情報に基づいて表示データを作成する。
記憶部135は、管理対象機器11A〜11Gの識別記号(機器ID)と管理対象機器11A〜11Gが所属する管理グループとを関連付けるグループ情報を記憶している。また、記憶部135は、アラーム生成部11A2〜11G2によって生成される管理対象機器11A〜11Gのアラーム情報の重要度と、
図2に示す表示画面に表示されるアラームの色付けとを関連付ける色付け情報を記憶している。
表示データ作成部136は、アラーム生成部11A2〜11G2によって生成されるアラーム情報と、記憶部135に記憶されたグループ情報と色付け情報とに基づいて、管理グループ毎の管理対象機器11A〜11F、11Gの表示および管理対象機器11A〜11Gのアラーム情報の重要度に対応する色付けを行ったアラーム(A)、(C)、(F)(
図2参照)の表示に用いられる表示データを作成する。
表示部132は、表示データ作成部136によって作成された表示データに基づく表示を行う。
操作端末装置13は、表示データ作成部136と記憶部135(図示せず)とを備えるため、操作端末装置13が表示データを取得することで、取得した情報を表示できる。例えば、サーバ部12とは別の場所に記憶された表示データを取得する場合、あるいは通信できない管理対象機器に記憶された表示データを取得する場合においても、操作端末装置13は取得した情報を表示できる。
【0058】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態および各例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。上述した各実施形態および各例に記載の構成を適宜組み合わせてもよい。
【0059】
なお、上述した実施形態における遠隔管理システム1が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。