【解決手段】支援サーバ15は、予測演算ユニット22と、アラート情報発生部23と、メッセージ処理ユニット24とを備える。予測演算ユニット22は、被管理者の業務ツールの利用情報を、被管理者の精神的な不良をきたすリスクを予測する予測モデルに適用して被管理者のメンタルスコアを求める。アラート情報発生部23は、メンタルスコアが閾値を超えた場合に被管理者に関するアラート情報を発生する。メッセージ処理ユニット24は、アラート情報に基づいて、アラート情報が発生した被管理者と、被管理者の利用情報に基づいて特定される関係者との少なくともいずれか一方に対してメッセージデータを送信する。
被管理者の業務ツールの利用情報を、前記被管理者の精神的な不良をきたすリスクを予測する予測モデルに適用して前記被管理者のメンタルスコアを求める予測演算ユニットと、
前記メンタルスコアが閾値を超えた場合に前記被管理者に関するアラート情報を発生するアラート情報発生部と、
前記アラート情報に基づいて、前記アラート情報が発生した前記被管理者と、前記被管理者の前記利用情報に基づいて特定される関係者との少なくともいずれか一方に対してメッセージデータを送信するメッセージ処理ユニットと
を備える業務支援装置。
前記メッセージ記憶部には、前記複数のメッセージ要素のそれぞれが前記第1メンタルスコアの第1種別と前記第2メンタルスコアの第2種別とのいずれか一方に紐付けられて記憶されており、
前記メッセージ処理ユニットは、
前記第1メンタルスコアを含む前記アラート情報を取得した場合に、前記第1種別に紐付けられた前記メッセージ要素を前記メッセージ記憶部から取得し、前記メッセージデータを送信する請求項6記載の業務支援装置。
前記アラート情報発生部は、前記アラート情報が発生した前記被管理者の前記メンタルスコアを前記関係者に送信する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の業務支援装置。
前記利用情報は、前記被管理者が前記業務ツールにおいて入力することにより取得されたテキストデータと、前記被管理者の前記業務ツールの利用ログとの少なくともいずれか一方を有する請求項1ないし8のいずれか1項に記載の業務支援装置。
被管理者の精神的な不良をきたすリスクを予測する予測モデルが構築されている予測演算ユニットにより、前記被管理者の業務ツールの利用情報を前記予測モデルに適用して前記被管理者のメンタルスコアを求める予測演算ステップと、
アラート情報を発生するアラート情報発生部により、前記メンタルスコアが閾値を超えた場合に前記被管理者に関するアラート情報を発生するアラート情報発生ステップと、
前記アラート情報に基づいてメッセージデータを送信するメッセージ処理ユニットにより、前記アラート情報が発生した前記被管理者と、前記被管理者の前記利用情報に基づいて特定される関係者との少なくともいずれか一方に対してメッセージデータを送信するメッセージ処理ステップと
を有する業務支援方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載される装置は、組織の構成員のエンゲージメントスコア以外のメンタル面については把握できない。また、特許文献2は、出勤簿データを機械学習した学習モデルを用いて、社員が療養(休職)するかしないかを予測しているにすぎない。そこで、組織の構成員、例えば組織の中でも管理されている立場にある被管理者を、より的確にサポートすることができる手法が望まれる。また、特許文献3は、ユーザのパフォーマンスの履歴に基づいた解析結果を基に、アドバイス等を表示するにすぎず、パフォーマンスよりもより短いサイクルで変動しやすく、また、周囲の環境等によって変動しやすいメンタルな側面は考慮されず、そのため被管理者を十分にサポートすることはできない。
【0009】
そこで、本発明は、組織における被管理者をより的確にサポートし、よって組織の業務を支援する業務支援装置、業務支援方法、業務支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の業務支援装置は、予測演算ユニットと、アラート情報発生部と、メッセージ処理ユニットとを備える。予測演算ユニットは、被管理者の業務ツールの利用情報を、被管理者の精神的な不良をきたすリスクを予測する予測モデルに適用して被管理者のメンタルスコアを求める。アラート情報発生部は、メンタルスコアが閾値を超えた場合に被管理者に関するアラート情報を発生する。メッセージ処理ユニットは、アラート情報に基づいて、アラート情報が発生した被管理者と、被管理者の利用情報に基づいて特定される関係者との少なくともいずれか一方に対してメッセージデータを送信する。
【0011】
メッセージデータは、被管理者に関して問い合わせるアンケートデータであることが好ましい。
【0012】
アンケートデータに対する被管理者の回答情報を取得して関係者に送信する回答処理部を備えることが好ましい。回答処理部は、回答情報を予測演算ユニットへ送信し、予測演算ユニットは、取得した回答情報を学習することが好ましい。
【0013】
メッセージ処理ユニットは、複数のメッセージ要素がそれぞれメンタルスコアに紐付けられて記憶されたメッセージ記憶部を有し、アラート情報を取得した場合に、取得したアラート情報に含まれるメンタルスコアに紐付けられたメッセージ要素をメッセージ記憶部から取得して、メッセージデータを送信することが好ましい。
【0014】
予測演算ユニットは、互いに異なる種別の第1メンタルスコアと第2メンタルスコアとを求め、アラート情報発生部は、第1メンタルスコアと第2メンタルスコアとのうち少なくともいずれか一方が閾値を超えた場合に、閾値を超えた少なくともいずれか一方に基づいてアラート情報を発生することが好ましい。
【0015】
メッセージ記憶部には、複数のメッセージ要素のそれぞれが第1メンタルスコアの第1種別と第2メンタルスコアの第2種別とのいずれか一方に紐付けられて記憶されており、メッセージ処理ユニットは、第1メンタルスコアを含むアラート情報を取得した場合に、第1種別に紐付けられた前記メッセージ要素をメッセージ記憶部から取得し、メッセージデータを送信することが好ましい。
【0016】
アラート情報発生部は、アラート情報が発生した被管理者のメンタルスコアを関係者に送信することが好ましい。
【0017】
利用情報は、被管理者が業務ツールにおいて入力することにより取得されたテキストデータと、被管理者の業務ツールの利用ログとの少なくともいずれか一方を有することが好ましい。
【0018】
利用ログを時間毎に集計して管理者に送信する集計部をさらに備えることが好ましい。
【0019】
本発明の業務支援方法は、予測演算ステップと、アラート情報発生ステップと、メッセージ処理ステップとを有する。予測演算ステップは、被管理者の精神的な不良をきたすリスクを予測する予測モデルが構築されている予測演算ユニットにより、被管理者の業務ツールの利用情報を予測モデルに適用して被管理者のメンタルスコアを求める。アラート情報発生ステップは、アラート情報を発生するアラート情報発生部により、メンタルスコアが閾値を超えた場合に被管理者に関するアラート情報を発生する。メッセージ処理ステップは、アラート情報に基づいてメッセージデータを送信するメッセージ処理ユニットにより、アラート情報が発生した被管理者と、被管理者の利用情報に基づいて特定される関係者との少なくともいずれか一方に対してメッセージデータを送信する。
【0020】
本発明の業務支援プログラムは、被管理者の業務ツールの利用情報を、前記被管理者の精神的な不良をきたすリスクを予測する予測モデルに適用して前記被管理者のメンタルスコアを求め、前記メンタルスコアが閾値を超えた場合に前記被管理者に関するアラート情報を発生し、前記アラート情報に基づいて、前記アラート情報が発生した前記被管理者と、前記被管理者の前記利用情報に基づいて特定される関係者との少なくともいずれか一方に対してメッセージデータを送信する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、組織の被管理者を、より的確にサポートし、よって、組織の業務を支援することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1において、業務支援システム11は、組織において管理される立場にある被管理者と被管理者を管理する立場にある管理者とを含む組織の業務を支援するためのものである。業務支援システム11は、被管理者端末13A,13B,13C,・・・のそれぞれと、管理者端末14A,14B,・・・のそれぞれと、支援サーバ15とは、通信ネットワーク18を介して互いに接続しており、これにより通信、すなわち情報(データ)の送受信ができるようになっている。なお、以下の説明においては、被管理者端末13A,13B,13C,・・・のそれぞれを区別しない場合には被管理者端末13と記載し、管理者端末14A,14B,・・・のそれぞれを区別しない場合には管理者端末14と記載する。
【0024】
通信ネットワーク18には、支援サーバ15と異なる他のサーバが接続していてもよく、本例では業務ツールサーバ(以下、ツールサーバと称する)19が接続している。これにより、業務支援システム11を構成している被管理者端末13、管理者端末14、及び支援サーバ15のそれぞれは、ツールサーバ19と通信できるようになっている。
【0025】
通信ネットワーク18には、被管理者端末13及び管理者端末14と異なる他の端末が接続していてもよい。例としては、支援サーバ15を管理(設定、メンテナンス等を含む)する支援サーバ管理端末(図示無し)が挙げられる。ただし、被管理者端末13と管理者端末14とのいずれか一方を支援サーバ管理端末として用いてもよい。
【0026】
被管理者端末13は被管理者が使用する端末であり、管理者端末14は管理者が使用する端末である。被管理者は企業の従業員のように、管理者としての例えば上司により管理される者である。被管理者と管理者とは、特定の観点において相対的な管理関係にある者であり、組織の構造、業務毎等に応じて管理関係が変わってもよい。例えば組織の構造が複数の階層を有する階層構造である場合には、下位の階層の組織長は、当該組織の他の構成員を管理する管理者であるが、上位の階層の組織長との関係においては被管理者である。また、組織における例えば役職等が同じであり、階層組織においては管理と被管理との相対的な管理関係に無い第1構成員と第2構成員とが、特定の業務において一方が当該業務の責任者となって、他方を管理する管理者となる場合もある。
【0027】
被管理者端末13及び管理者端末14は、パーソナルコンピュータである。しかし被管理者端末13及び管理者端末14はパーソナルコンピュータに限られず、タブレット端末、スマートフォンなど公知のものを用いることができる。被管理者端末13と管理者端末14とは、入力部と、画像を表示する表示部とを備え、入力部は、例えば、キーボードや、タッチパネルディスプレイなどである。また、表示部は液晶ディスプレイなどであり、入力部としてタッチパネルディスプレイを用いた場合にはこれを表示部として用いてよい。
【0028】
被管理者端末13と管理者端末14とには、支援サーバ15及びツールサーバ19と送受信するための共通のアプリケーションソフトウェア(以下、単に「アプリ」と称する)がインストールされている。
【0029】
図1においては被管理者端末13の数を3つとし、管理者端末14の数を2つとして便宜上描いているが、被管理者端末13及び管理者端末14の各数はこの例に限られず、本例でも多数の被管理者端末13と管理者端末14とを用いている。
【0030】
ツールサーバ19は、業務に用いられ、通信ネットワーク18を介して情報を送受信することができる業務ツールの処理プログラムを記憶している。業務ツールは、数値化可能な例えばテキストデータ及び画像データとの少なくともいずれか一方の情報を送受信する。業務ツールとしては、例えばコミュニケーションツール、業務管理ツール、データ管理ツール、人事労務管理ツール等があり、これらのうちの複数のツール機能を併せもつものでもよい。
【0031】
コミュニケーションツールは、利用者の入力により取得したテキストデータを送受信する業務ツールの一例であり、テキストデータに加えてテキストデータ以外のデータ(例えば数値データや画像データ)を送受信できるものでもよい。
【0032】
業務管理ツールは、組織及び組織を構成する各人の業務を管理するためのデータを送受信する業務ツールであり、テキストデータと数値データと画像データとの少なくともいずれかひとつを送受信する。業務管理データとしては、例えばスケジュール管理ツール等がある。スケジュール管理ツールは、カレンダ機能、すなわち日時や、会議、行事、業務等の各予定、参加者等を管理する業務ツールである。なお、コミュニケーションツールと業務管理ツールとの両方の機能をもった業務ツールでもよい。データ管理ツールは、種々の形式のデータを取り出し可能に保存するものである。データ管理ツールは、例えば利用者間でデータを共有したり互いに送受するために用いられる。
【0033】
人事労務管理ツールは、組織の構成及び構造、組織に属する者のプロフィール(生年月日,年齢,組織に入った年,組織での所属部署,関連する業務,所属部署及び関連する業務における例えば上司などの管理者,勤怠情報等)等を管理するためのデータを送受信する業務ツールである。人事労務管理ツールも、テキストデータと数値データと画像データとの少なくともいずれかひとつを送受信する。
【0034】
業務ツールは、市販されているものでもよく、例えば、slack(登録商標)、Microsoft Teams、Outlook(登録商標)、特定の組織内で用いられるメール機能をもったメールツール、G Suite(登録商標)、GitHub、SmartHR(登録商標)等が挙げられる。また、複数の業務ツールを併用してもよい。複数の業務ツールを用いる場合には、ツールサーバ19を複数の業務ツールのサーバ装置で構成してこれらを統括的に制御する制御部(図示無し)を介して通信ネットワークに接続させてもよいし、複数の業務ツールのサーバ装置の各々をツールサーバ19として、それぞれを独立して通信ネットワークに接続させてもよい。
【0035】
ツールサーバ19は、リアルタイムサーバとして機能し、被管理者端末13と管理者端末14とが通信する場合に、被管理者端末13と管理者端末14との間で通信される各種情報を送受信する。ツールサーバ19は、さらに、複数の被管理者端末13の間で通信される各種情報、及び、複数の管理者端末14の間で通信される各種情報についても、同様に送受信する。送受信した情報は、利用情報として利用情報記憶部19a(
図2参照)に記憶する。利用情報は、テキストデータと利用ログとの少なくともいずれか一方を有することが好ましく、本例ではこれらの両方を利用情報として利用情報記憶部19aに記憶している。
【0036】
テキストデータは、被管理者が被管理者端末13において入力することにより取得されたものである。なお、管理者が管理者端末14において入力することにより取得されたテキストデータも利用情報として利用情報記憶部19aに記憶してもよい。利用ログとしては、ログイン情報(日時等)、アクション(送受信したテキストデータや画像データ及びこれらの種別等)、送信先の識別情報(送信先ID)、受信した受信情報の送信元の識別情報(送信元ID)、コメント(テキストデータや画像データの送受信)の回数、コメントのデータマイニング、リアクションタイム(受信から当該受信に対する応答としての送信までの時間、及び/または送信日時)等がある。
【0037】
支援サーバ15は、被管理者及び管理者が関与する業務を支援する業務支援装置の一例である。支援サーバ15は、被管理者端末13と管理者端末14との少なくともいずれか一方と、ツールサーバ19とのそれぞれと各種情報の送受信を行う。この例では、被管理者端末13と管理者端末14との両方と、ツールサーバ19とのそれぞれと各種情報の送受信を行っている。
【0038】
支援サーバ15は、リアルタイムサーバとして機能し、被管理者端末13と管理者端末14とツールサーバ19との少なくともいずれか2つの間、複数の被管理者端末13間、複数の管理者端末14間とのそれぞれで通信を行う場合に、これら各間で通信される各種情報を送受信する。
【0039】
ツールサーバ19及び支援サーバ15はコンピュータで構成されており、ハードディスクなどの記憶部(図示無し)に記憶された情報処理プログラムを実行することにより、後述の各部などとして機能する。
【0040】
例えば、被管理者の業務ツールの利用情報を、被管理者の精神的な不良をきたすリスクを予測する予測モデルに適用して被管理者のメンタルスコアを求める予測演算ステップと、メンタルスコアが閾値を超えた場合に被管理者に関するアラート情報を発生するアラート情報発生ステップと、アラート情報に基づいて、アラート情報が発生した被管理者と、被管理者の利用情報に基づいて特定される関係者との少なくともいずれか一方に対してメッセージデータを送信するメッセージ処理ステップとの処理をコンピュータに実行させる情報処理プログラム(業務支援プログラム)をコンピュータに実行させることで、コンピュータが支援サーバ15として機能する。
【0041】
図2において、ツールサーバ19は前述の利用情報記憶部19aを備える。ツールサーバ19は、利用情報記憶部19aへの記憶に加えて、被管理者が被管理者端末13から被管理者の識別情報(以下、被管理者IDと称する)と被管理者が利用した業務ツールにおいて用いている識別情報(ユーザID)と利用情報とを取得した場合に、被管理者IDと被管理者の利用情報とを紐付けて(関連付けて)、利用情報記憶部19aに記憶するとともに、支援サーバ15に送信する。なお、各業務ツールにおいて利用者毎に識別情報が設定されている場合には、ツールサーバ19は、その識別情報をユーザIDとしてさらに紐付けて記憶している。
【0042】
支援サーバ15は、予測演算ユニット22と、アラート情報発生部23と、メッセージ処理ユニット24とを備えており、さらに特定部27を備えることが好ましく、本例でも特定部27を備えている。
【0043】
管理者端末14を使用する管理者は、被管理者端末13を使用した被管理者が業務ツールを利用した利用情報に基づいて特定される関係者の一例である。特定部27は、被管理者が利用した業務ツールの利用情報に基づいて、被管理者の関係者を特定する。特定部27は、関係者を特定する基準値として、利用情報の種類毎に設定された閾値が記憶されている第1記憶部(図示無し)を有する。例えば、利用情報の種類を、特定のコミュニケーションツール(slack等)におけるメッセージの過去の送受信回数とし、閾値を100回として設定した場合には、これら送受信回数と閾値とが第1記憶部に記憶されている。また、利用情報の種類を、業務管理ツールでの会議での過去の同席回数とし、閾値を10回として設定した場合には、これら同席回数と閾値とが同様に第1記憶部に記憶されている。また、利用情報の種類を、人事労務管理ツールで取得されている所属部署の上司とし、閾値として上司である場合を閾値1として、上司ではない場合を0(ゼロ)などの1未満の値としてもよい。これらの利用情報の種類と閾値とは、支援サーバ15における初期設定として予め設定されていてもよいし、支援サーバ15を管理する支援サーバ管理端末により設定したり、再設定してもよい。
【0044】
特定部27は、ツールサーバ19から、被管理者IDを含む情報を取得した場合に、被管理者IDの利用情報の種類毎にその閾値を第1記憶部から取得して、閾値と比較し、閾値を超えた者の識別番号を関係者の識別番号(関係者ID)として特定する。特定部27は、被管理者IDと特定した関係者IDとを紐付けて、特定部27に備えられた第2記憶部(図示無し)に記憶する。この例の特定部27は、支援サーバ15に設けてあるが、支援サーバ15の代わりにツールサーバ19に設けてもよい。
【0045】
予測演算ユニット22は、被管理者の精神的な不良をきたすリスク(以下、メンタルリスクと称する)の程度を数値(点数)化したメンタルスコアを求めるためのものである。予測演算ユニット22には、被管理者のメンタルリスクを予測する予測モデルが構築されている。予測演算ユニット22は、ツールサーバ19に接続するように構成されており、被管理者IDに紐付けられた利用情報を利用情報記憶部19aから取得した場合に、利用情報を予測モデルに適用して被管理者のメンタルスコアを求め、アラート情報発生部23に被管理者IDとメンタルスコアとを出力する。なお、予測演算ユニット22については別の図面を用いて後述する。
【0046】
予測演算ユニット22は、互いに異なる種別の第1メンタルスコアと第2メンタルスコアとを求めることが好ましく、本例でもそのようにしている。互いに異なる種別とは、精神的な観点で異なる種類にわけられたものであり、例えば、ストレスを感じている程度であるストレススコア、組織に対する思い入れや愛着心の程度であるエンゲージメントスコア、幸福感の程度を示す幸福度スコアなどの種別がある。本例の予測演算ユニット22は、第1メンタルスコアと第2メンタルスコアとに加えて、さらに種別が異なる第3メンタルスコアも求めている。このように、第1メンタルスコアと第2メンタルスコアに加えて、第3,第4,第5・・・というようにさらなる他の種別のメンタルスコアを求めてもよい。
【0047】
予測演算ユニット22が、第1メンタルスコアと第2メンタルスコアとを、取得した利用情報および後述のアンケートの結果を機械学習により学習した予測モデルにより求めることができる。例えば、過去に業務ツールへのログイン時間が長く、ネガティブ(否定的、悲観的など)な語彙や単語等を高い頻度で入力した被管理者がおり、当該被管理者がアンケートに対して行った回答の内容によりストレスが高いと判定されていて、これらの情報を予測モデルが学習していたとする。この場合には、予測モデルは同様の利用情報を有する被管理者に対しても第1メンタルスコアとしてのストレススコアを高く出力する。また、過去にポジティブ(肯定的、前向きなど)な語彙や単語等を高い頻度で入力した被管理者のエンゲージメントがアンケートの結果により高いと判定されており、これらの情報を予測モデルが学習していたとする。この場合には、予測モデルは同様の利用情報を有する被管理者に対しても第1メンタルスコアとしてのエンゲージメントスコアを高く出力する。
【0048】
アラート情報発生部23は、メンタルスコアが閾値を超えた場合に被管理者に関するアラート情報を発生する。本例のアラート情報発生部23は、メンタルスコアについて設定された閾値を記憶するスコア閾値記憶部(図示無し)を備えている。アラート情報発生部23は、被管理者IDとメンタルスコアとを取得した場合に、スコア閾値記憶部から閾値を読み出して、取得したメンタルスコアと比較する。そして、メンタルスコアが閾値を超えた場合には、被管理者IDと精神的な不良をきたすリスクが有ることを示すアラートと関係者IDとを含む情報をアラート情報として、メッセージ処理ユニット24に出力する。なお、アラート情報発生部23は、被管理者IDを取得した場合に、特定部27の第2記憶部(図示無し)から被管理者IDに紐付けられた関係者IDを特定し、特定した関係者ID(この例では管理者IDである)を取得する。なお、メンタルスコアの閾値は、支援サーバ15における初期設定として予め設定されていてもよいし、支援サーバ15を管理する支援サーバ管理端末により設定したり、再設定してもよい。
【0049】
予測演算ユニット22が第1メンタルスコアと第2メンタルスコアとを求める場合には、アラート情報発生部23は、第1メンタルスコアと第2メンタルスコアとのうち少なくともいずれか一方が閾値を超えた場合に、閾値を超えた少なくともいずれか一方に基づいてアラート情報を発生する。
【0050】
アラート情報発生部23は、アラート情報が発生した被管理者のメンタルスコアを管理者に送信することが好ましく、本例でもそのようにしている。アラート情報発生部23は、管理者へメールやコミュニケーションツール(例えばslack等)でアラート情報を送信してもよいが他の方法でもよい。例えば、アラート情報を、メッセージの送信先(被管理者と管理者との少なくともいずれか一方)がアクセスできる所定のデータ格納場所に格納し、メールやコミュニケーションツールにアラート情報の所在をURL等で案内する手法でもよく、本例でもこの手法を用いている。
【0051】
メッセージ処理ユニット24は、アラート情報を取得した場合に、取得したアラート情報に基づいて、アラート情報が発生した被管理者と、被管理者の利用情報に基づいて特定される関係者との少なくともいずれか一方に対してメッセージデータを送信する。アラート情報が発生した被管理者にメッセージデータを送信する場合には、アラート情報に含まれる被管理者IDから送信先である被管理者を特定してメッセージデータを送信する。被管理者に送信するメッセージデータは、被管理者に対するメッセージを含む情報である。管理者にメッセージデータを送信する場合には、アラート情報に含まれる管理者IDから送信先である管理者を特定してメッセージデータを送信する。管理者に送信する場合には、アラート情報に含まれる被管理者IDから特定した被管理者に関するメッセージ、かつ、管理者に対するメッセージを含む情報をメッセージデータとして管理者に送信する。
【0052】
メッセージデータの送信は、メールやコミュニケーションツール(例えばslack等)で行ってもよいが他の方法でもよい。例えば、メッセージを、メッセージの送信先(被管理者と管理者との少なくともいずれか一方)がアクセスできる所定のデータ格納場所に格納し、メールやコミュニケーションツールにメッセージの所在をURL等で案内する手法でもよく、本例でもこの手法を用いている。
【0053】
メッセージは、送信先に対して回答を求めるアンケート(問合せ)でもよいし、回答を求めない(回答を非要求とする)アドバイス(助言)でもよい。アンケートとしては、例えば、「睡眠・休養がとれていますか」、「プライベートで困っていることがありますか」等がある。アドバイスの例としては、「リラックスしてください」、「休日にゆっくり休養することがおすすめです」などが挙げられる。
【0054】
本例のメッセージ処理ユニット24は、メッセージ記憶部24aと、作成部24bとを備え、メッセージ記憶部24aには、メッセージを構成する複数のメッセージ要素がメンタルスコアに紐付けられて記憶されている。メッセージ要素は、メッセージを構成する単位であり、例えば「睡眠がとれていますか」、「休養がとれていますか」等である。メッセージ要素は、支援サーバ15の初期設定として予め設定されてメッセージ記憶部24aに記憶されていてもよいし、支援サーバ15を管理する支援サーバ管理端末により設定、あるいは再設定してメッセージ記憶部24aに記憶してもよい。
【0055】
作成部24bは、アラート情報のメンタルスコアを取得した場合に、メッセージ記憶部24aから、取得したメンタルスコアに紐付けられたメッセージ単位を特定して読み出す。読み出したメッセージ単位がひとつの場合にはそのメッセージ単位をメッセージとして、出力する。本例では、読み出したメッセージ単位が複数である場合には、それら複数を組み合わせてひとつのメッセージとしている。例えば、「睡眠がとれていますか」と「休養がとれていますか」の2つのメッセージ単位が読み出された場合には、これらを組み合わせて「睡眠・休養がとれていますか」というひとつのメッセージにしている。ただし、読み出したメッセージ単位が複数である場合には、複数のメッセージ単位のそれぞれをメッセージとしてもよい。
【0056】
作成部24bは、メッセージデータを被管理者に送信する場合には、アラート情報に含まれる被管理者IDから被管理者を特定し、特定した被管理者を送信先にして出力する。管理者に送信する場合も同様に、アラート情報に含まれる管理者IDから特定した管理者を送信先にして出力する。メッセージデータを、被管理者と管理者とのうちいずれに送信するか、または、両方に送信するかは、支援サーバ15の初期設定として予め設定されていてもよいし、支援サーバ15を管理する支援サーバ管理端末により設定、あるいは再設定してもよく、作成部24bは設定された送信先に送信する。
【0057】
予測演算ユニット22が第1メッセージスコアと第2メッセージスコアとを求めてアラート情報発生部23がそれら各メッセージスコアに応じたアラート情報を発生する場合には、メッセージ記憶部24aには、複数のメッセージのそれぞれが第1メンタルスコアのメンタル種別(以下、第1種別と称する)と第2メンタルスコアのメンタル種別(以下、第2種別と称する)とのいずれか一方に紐付けられて記憶されていることが好ましく、本例でもそのようにしている。この場合、メッセージ処理ユニット24の作成部24bは、第1メンタルスコアを含むアラート情報を取得した場合に、第1種別に紐付けられたメッセージ要素をメッセージ記憶部から取得し、メッセージデータを送信する。
【0058】
メッセージ処理ユニット24は、さらに回答処理部24cを有することが好ましく、本例でもそのようにしている。回答処理部24cは、メッセージがアンケートである場合のメッセージデータ(以下、アンケートデータと称する)に対して被管理者が回答した情報(以下、回答情報と称する)を取得し、管理者に送信する。回答情報は、被管理者IDと被管理者の回答とを含んでいる。なお、メッセージ処理ユニット24には取得したアラート情報を記憶する記憶部(図示無し)を設けておき、回答処理部24cは、回答情報を取得した場合に、当該記憶部のアラート情報から、被管理者IDに紐付けられた管理者IDを特定することで、回答情報を管理者に送信している。ただし、管理者IDの特定手法はこの例に限られない。例えば、回答処理部24cは、回答情報を取得した場合に、特定部27にアクセスして特定部27の第2記憶部(図示無し)から被管理者IDに紐付けられた管理者IDを特定してもよい。なお、回答情報は、管理者に直接送信してもよいし、他の機能部を介して間接的に送信してもよい。本例では、他の機能部である後述の集計部28を介して管理者へ送信している。
【0059】
回答情報の送信は、メールやコミュニケーションツール(例えばslack等)で行ってもよいが他の方法でもよい。例えば、回答処理部24cが取得した回答情報を、メッセージの送信先である管理者がアクセスできる所定のデータ格納場所に格納し、回答処理部24cが管理者に対するメールやコミュニケーションツールに回答情報の所在をURL等で案内する手法でもよく、本例でもこの手法を用いている。
【0060】
回答処理部24cは、取得した回答情報を、さらに予測演算ユニット22へ送信することが好ましく、本例でもそのようにしている。この場合、予測演算ユニット22は、取得した回答情報を学習する。
【0061】
支援サーバ15は、さらに、利用ログを時間毎に集計して管理者に送信する集計部28をさらに備えることが好ましく、本例でもそのようにしている。集計部28は、予め設定されたタイミングで、利用情報記憶部19aにアクセスし、集計の対象期間に対応する所定の利用ログを取得して集計する。ただし、集計部28は、予め設定されたタイミングの代わりに、管理者により管理者端末14から送信される集計要求に応じて集計してもよい。集計部28は、集計して求めた利用ログの集計結果を、管理者へ送信する。なお、本例の集計部28は、前述のように被管理者端末13から取得した回答情報を管理者へ送信する。
【0062】
図3において、予測演算ユニット22は、自然言語処理部31と数値解析部33と予測演算部35とを備える。自然言語処理部31は、ツールサーバ19からの被管理者IDと管理者IDと利用情報とを取得した場合に、利用情報に含まれる言語データを数値データに変換する変換処理を行い、数値解析部33に出力する。言語データは、業務ツールの利用によって入力されたテキストデータや、会議の参加者名や開催日時のデータ等、利用ログの日時データ、送信先ID等である。数値解析部33は、自然言語処理部31から数値データを取得した場合に、数値データを解析して、予測演算部35に構築された予測モデルに適用する演算用データとする。
【0063】
予測演算部35は、演算用データを取得して、構築されている予測モデルに適用して、メンタルスコアを求める。予測モデルは、被管理者の過去の利用情報と、過去の回答情報とを学習させて構築されたものである。ツールサーバ19からの被管理者の利用情報と、その後取得されるメッセージ処理ユニット24からの回答情報とが予測モデルに適用されることにより、予測演算部35は学習を繰り返し、これにより予測モデルの構築を繰り返す。予測演算部35には、流通しているソフトウェアを用いることができ、市販されているソフトウェア、オープンソースソフトウェア(OSS)でもよい。例えば、TensorFlow(Google社が中心となって開発しているOSSである)、PyTorch(Facebook社が中心となって開発しているOSSである)、Scikit−learn(コミュニティが中心となって開発しているOSSである)等が挙げられる。
【0064】
上記構成の作用を説明する。被管理者が被管理者端末13を用いて業務ツールを利用すると、ツールサーバ19は、
図4に示すように、被管理者のログイン時刻などの利用ログと入力部により入力したテキストデータ等を取得し、利用情報記憶部19aに記憶する。なお、業務ツール毎に前述のユーザIDがある場合には、利用情報がユーザIDと関連付けられて記憶されてもよい(
図5,
図6参照)。ツールサーバ19は、また、被管理者IDと被管理者の利用情報と管理者IDとを予測演算ユニット22へ送信する。ツールサーバ19は、被管理者IDに加えて、業務ツールでのユーザIDを予測演算ユニット22へ送信してもよい。
【0065】
予測演算ユニット22は、被管理者IDと被管理者の利用情報と管理者IDとを取得すると、学習によって構築された予測モデルに利用情報を適用し、メンタルスコアを被管理者IDに対応させて求める(
図7参照)。予測演算ユニット22が業務ツールのユーザIDを取得した場合には、メンタルスコアをユーザIDに対応させて求めてもよい。求めたメンタルスコアは、被管理者IDとともにアラート情報発生部23に送られる。予測モデルに適用する利用情報が、被管理者の入力により取得されたテキストデータの場合には、テキストデータに反映されている被管理者のメンタル面が予測モデルに適用されるから、メンタルスコアの精度がよい。
【0066】
一例として、コミュニケーションツールで入力するテキストの末尾が「しました!」や「しました!!!」のように「!」となっている場合が多い被管理者は、これらのデータが予測モデルの構築の際の学習データとなっている。この予測モデルに対して、当該被管理者が、同じコミュニケーションツールでのテキストの入力において、末尾が「しました。」「しました・・・」などのように「。」や「・・・」である利用情報を適用した場合には、メンタルスコアが閾値に近づくように増加した値となり、場合によっては閾値を超えた値として求められる。また、利用ログとして例えば受信したテキストに対してレスポンスを送信するまでの時間が数秒である被管理者は、それらのデータが予測モデルの構築の際の学習データとなっている。この予測モデルに対して、当該被管理者が、レスポンスを送信するまでの時間が3時間あるいは1日である利用情報を適用した場合には、同様に、メンタルスコアが閾値に近づくように増加した値となり、場合によっては閾値を超えた値として求められる。
【0067】
アラート情報発生部23は、予測演算ユニット22から被管理者IDとメンタルスコアとを受信すると、スコア閾値記憶部(図示無し)から読み出した閾値と取得したメンタルスコアとを比較する。取得したメンタルスコアが閾値を超えた場合には、アラート情報を、本例ではメッセージ処理ユニット24と管理者端末14とに送信する。管理者が管理者端末14においてアラート情報を受信すると、被管理者について発生したメンタル状態のアラートが表示部に表示される。これにより、管理者は、被管理者のメンタル状態を把握することができるから、被管理者の業務態様や被管理者とのコミュニケーションの態様を検討して、被管理者をよりサポートすることができる。
【0068】
メッセージ処理ユニット24が、管理者とアラート情報が発生した被管理者とのうち被管理者に、アンケートやアドバイス等のメッセージを含むメッセージデータを送信した場合には、メッセージデータを受信した被管理者はメンタルな側面でサポートされていることが感じられ、例えば安心感が得られたり孤立感が低減する等、メンタルな側面での支えが得られ、より的確なサポートとなる。その結果、被管理者はパフォーマンスが向上し、組織の業務がより円滑に進んだり、より効率的に進んだりする。このように、支援サーバ15によって業務が支援される。
【0069】
メッセージ処理ユニット24が、被管理者と管理者とのうち管理者にメッセージデータを送信した場合には、メッセージデータを受信した管理者は、アラート情報が発生した被管理者に関して、例えば業務の割当て量を見直したり、コミュニケーションをより多くとるなどの対応を図ることができ、被管理者に対するサポートが向上する。その結果、被管理者はパフォーマンスが向上し、組織の業務がより円滑に進んだり、より効率的に進んだりする。さらには、メッセージを受信した管理者は、管理者が管理する組織全体の業務態様を見直したり、当該組織の人間関係等に対してより注意して改善策を講じられる。その結果、組織の業務態様がより改善される。また、この構成によれば、問題を抱えている被管理者のみに対して効率的に対策が講じられる。
【0070】
本例では予測演算ユニット22が互いに異なる複数の種類のメンタルスコアを求め、それらメンタルスコアのそれぞれについて、アラート情報発生部23が閾値を超えたか否かを判定し、閾値を超えた種別のメンタルスコアに基づいてアラート情報を発生するから、被管理者のメンタルリスクがより精緻に把握され、被管理者のメンタル状態に応じたサポートが的確になされる。
【0071】
また、メッセージデータはアラート情報に基づいて送信され、すなわちメッセージデータのメッセージはアラート情報に基づいて作成されて送られる。例えば、アラート情報のメンタルスコアのレベルやその傾向などに応じて、メッセージが作成され(
図8参照)て送られる。これによりメンタルリスクが所定のレベルにある被管理者がより確実にサポートされる。また、アラート情報は、予測演算ユニット22に構築されている予測モデルに適用して求められたメンタルスコアを基に発生しているから、発生したアラート情報は高い確からしさ(確度)をもつ。さらに、メンタルスコアは、被管理者の利用情報であるテキストデータと利用ログとの少なくともいずれか一方を予測モデルに適用して求めたものであるから、アラート情報の確からしさは非常に高い。
【0072】
本例のメッセージ処理ユニット24は、アラート情報発生部23からのアラート情報に応答して、アラート情報に含まれるメンタルスコアに紐付けられたメッセージ要素をメッセージ記憶部24aから読み出し、メッセージを生成してメッセージデータを送信する。これにより、メッセージデータのメッセージは被管理者のメンタル状態により即したものとなるから、被管理者に対するサポートがより充実したものとなる。
【0073】
メッセージ処理ユニット24の作成部24bは、第1メンタルスコアを含むアラート情報に応答して、アラート情報の第1メンタルスコアの第1種別に紐付けられたメッセージ要素をメッセージ記憶部24aから取得する。取得したメッセージ要素がひとつである場合には、そのメッセージ要素をメッセージとしてアンケートデータ等のメッセージデータを作成して被管理者端末に送信する。取得したメッセージ要素が複数ある場合には、本例では前述のように複数のメッセージ要素を組み合わせてひとつのメッセージを作成し、メッセージデータを送信する。このように、メンタルスコアを複数の観点でそれぞれ求めてアラートが発生し、また、メッセージが作成されて送信されるから、被管理者に対するサポートがより的確なものとなる。
【0074】
メッセージ処理ユニット24が被管理者にメッセージデータを送信し、そのメッセージデータが、被管理者に回答を要求するアンケートメッセージである場合には、被管理者は、メッセージに対する回答を入力して回答情報を送信する。メッセージ処理ユニット24の回答処理部24cは、被管理者が送信した回答情報を受信し、集計部28を介して管理者へ送信する。管理者が管理者端末14において回答情報を受信すると、回答が表示部の表示されて管理者は被管理者の回答を確認することができる。これにより、管理者は、被管理者のメンタル状態をより把握することができるから、被管理者の業務態様や被管理者とのコミュニケーションの態様を検討して、被管理者をよりサポートすることができる。
【0075】
被管理者からの回答情報は、予測演算ユニット22へ送信されると、予測演算ユニットは、回答情報を自然言語処理部31と数値解析部33とで処理し、予測演算部35の予測モデルに適用して学習する。これにより、予測演算ユニットは、予測モデルを再構築する。このように、予測演算ユニットが求めたメンタルスコアと、回答情報での回答とが関連付けられて学習されるから、予測モデルはより高度に精緻化された予測をするものになる。その結果、以降の被管理者のメンタルスコアは、より的確に求められる。
【0076】
また、集計部28(
図2参照)は、被管理者の利用ログを集計して管理者へ送信する。管理者は管理者端末14により支援サーバ15にアクセスすることにより、あるいはアクセスに加えて集計要求を送信することにより、管理者端末14は集計部28から被管理者の利用ログの集計結果を取得して表示部に表示する。これにより、管理者は被管理者の行動態様等を把握することができる。これにより、管理者は、被管理者に対してより的確なサポートを行うことができる。
【0077】
なお、管理者端末14の表示部には、
図9に示すように、被管理者としての従業員名と、従業員毎の各種データが表示される。表示される第1画像G11は、管理者端末14に設けた画像生成部(図示無し)より生成してもよいし、支援サーバ15に設けた画像生成部(図示無し)で生成して、支援サーバ15から管理者端末14に、生成した画像データを送っても構わない。従業員毎の各種データとしては、
図9に示す一例では、メンタルスコアと、業務関連指標データと、対人関係指標データとしている。このように、メンタルスコアが被管理者の一覧表示に表示されるから、管理者はメンタルスコアに問題有る被管理者を迅速に見つけられる。
【0078】
業務関連指標データは、業務に関連する指標のデータであり、例えば業務時間または業務負荷に関連する指標のデータである。業務関連指標データとしては、利用ログの集計結果としての業務ツール解析結果、アンケートに対する被管理者の回答結果が含まれている。また、対人関連指標データは、コミュニケーションまたは人間関係に関する指標のデータである。対人関連指標データとしては、業務ツール解析結果やアンケートに対する回答結果が含まれている。
【0079】
本例では、一覧表示された被管理者の中から特定のひとりの表示部分を選択することにより、
図10に示すように、選択された被管理者の詳細なデータを表示することができるように構成してある。また、
図10では図示を略してあるが、特定の一被管理者の詳細データを表示する被管理者詳細表示画面である第2画面G12から、第1画面G11(
図9参照)に切り替える切替ボタンも表示されており、この切替ボタンを選択することにより、第1画面G11に切り替わる。このように、被管理者の一覧表示画面である第1画面G11と、特定の一被管理者の詳細データを表示する被管理者詳細表示画面である第2画面G12とは切替可能となっているから、管理者は迅速に被管理者のメンタル状態を把握することができる。ただし、切替手法については本例に限定されず、他の切替手法でもよい。
【0080】
なお、
図9及び
図10においては、メンタルスコアの表示を「良」の文字で示しており、これはメンタルスコアが閾値以下であり、良好であることを意味している。メンタルスコアが閾値を超えた場合には、良好ではないことを意味する文字が表示される。ただし、メンタルスコアの表示は、文字に限定されず、例えばマークや記号等の画像でもよい。また、管理者端末14での表示態様、すなわち、表示する内容、表示する位置、表示する複数の内容の配置等は、本例に限定されず、適宜変えてもよい。また、第1画面G11及び第2画面G12は、表示部(ディスプレイ)の画面として説明したが、画面の少なくとも一部領域における表示画像であってもよい。