【課題】複式簿記形式の会計情報である会計レコードに基づいて、素人にも分かり易く、分析がし易い適切な形式の目的レコードを生成する会計処理装置及びプログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】複式簿記形式の会計情報を一又は複数の会計レコードとして取得する会計データ取得手段と、会計レコードに計上された借方金額を含む情報である借方情報を抽出する借方情報抽出手段と、会計レコードに計上された貸方金額を含む情報である貸方情報を抽出する貸方情報抽出手段と、借方情報及び貸方情報を、別々のレコードとしてそれぞれ生成する生成手段と、生成手段によって生成されたレコードである目的レコードが順次記憶され且つ借方金額及び貸方情報が同一項目に入力される目的データテーブルと、を備えた。
目的データテーブルの貸方金額又は借方金額の何れか一方の情報が格納される項目に格納された情報が、貸方金額と借方金額との何れかの情報であるのかを示す情報が格納される項目を、該目的データテーブルに設けた
請求項1乃至6の何れかに記載の会計処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は本発明の会計処理装置を適用した会計処理コンピュータの構成を示すブロック図である。会計処理コンピュータ(会計処理装置)10は、CPUやRAM等を含み且つプログラムの実行によって各種機能を実装する処理ユニット(制御部)11と、各種情報が記憶されるHDD又はSSD等から構成された記憶装置(記憶部)12と、マウス及びキーボード等から構成され且つ各種情報を入力する入力インターフェースである入力手段13と、ディスプレイ及びスピーカ等から構成され且つ各種情報を出力する出力インターフェースである出力手段14と、ネットワーク20を介した無線通信又は有線通信を可能とするネットワークインターフェースである通信手段15と、を備えている。
【0018】
処理ユニット11は、借方金額及び貸方金額の情報が含まれた複式簿記形式の会計情報を、一又は複数の会計レコードとして記憶装置12に記憶する会計データ記憶処理を行う会計データ記憶手段11aと、記憶装置12に記憶された会計レコード、ネットワーク20を介して情報端末30から送信されてくる会計レコードまたは入力手段13によって入力された会計レコードを取得する会計データ取得処理を行う会計データ取得手段11bとを有している。
【0019】
また、処理ユニット11は、会計データ取得処理によって取得された会計レコードに計上された借方金額毎に、該借方金額を含む借方情報を抽出する借方情報抽出処理を行う借方情報抽出手段11cと、会計データ取得処理によって取得された会計レコードに計上された貸方金額毎に、該貸方金額を含む貸方情報を抽出する貸方情報抽出処理を行う貸方情報抽出手段11dと、前記借方情報及び前記貸方情報を同種の別々のレコードである目的レコードとして生成する生成処理を行う生成手段11eとを有している。
【0020】
さらに、処理ユニット11は、生成処理によって生成される目的レコードを記憶装置12に順次記憶する目的データ記憶処理を行う目的データ記憶手段11fと、記憶装置12に記憶された目的レコードを、出力手段14によりユーザに提供するか、或いはネットワーク20を介して情報端末30に提供する目的データ提供処理を行う目的データ提供手段11gとを有している。
【0021】
記憶装置12には、前記会計レコードが順次記憶されるデータ記憶領域である会計データテーブル12aと、前記目的レコードが順次記憶されるデータ記憶領域である目的データテーブル12bとが設けられている。
【0022】
図2は、会計データテーブルのデータ構造を示す一覧表である。会計データテーブル12aに設けられた項目(言い換えると、一の会計レコードを構成するフィールド)として、一の取引の借方の勘定科目の情報である借方勘定科目情報が入力される「借方勘定」と、該取引の借方の金額の情報である借方金額情報が入力される「借方金額」と、該取引の概要(摘要)の情報である摘要情報が入力される「摘要」と、該取引の日付の情報である日付情報が入力される「日付」と、該取引の貸方の勘定科目の情報である貸方勘定科目情報が入力される「貸方勘定」と、該取引の貸方の金額の情報である貸方金額情報が入力される「貸方金額」と、後述するユニークID情報であるID記号又はID番号(本例では、ID番号)が入力される「ユニークID」とが設けられている。
【0023】
この会計データテーブル12aのデータ構造は、一の取引を複数のレコードで記述することが可能な複合仕訳の形式に対応している。
【0024】
例えば、同図において、会計データテーブル12aの上から3番目に会計レコードである第3会計レコードは、「借方勘定」のフィールドに格納された借方勘定科目情報が「短期借入金」であり、「借方金額」のフィールドに格納された借方金額情報が「120,000円」であり、「貸方勘定」のフィールドに格納された貸方勘定科目情報が「普通預金」でり、「貸方金額」のフィールドに格納された貸方金額情報が「131,370円」である。
【0025】
会計データテーブル12aの上から4番目に会計レコードである第4会計レコードは、「借方勘定」のフィールドに格納された借方勘定科目情報が「支払利息」であり、「借方金額」のフィールドに格納された借方金額情報が「11,370円」であり、「貸方勘定」のフィールドに格納される貸方勘定科目情報がブランク(空情報)であり、「貸方金額」のフィールドに格納される貸方金額情報がブランク(空情報)である。
【0026】
第3会計レコードと、第4会計レコードとは、借入という一の取引を表している。ちなみに、一の取引を複数の会計レコードによって記述する場合、この複数の会計レコードに含まれた借方金額の総合計と、貸方金額の総合計とは、当然等しくなる。
【0027】
一方、このようなデータ構造によれば、一の取引が一の会計レコードによって記述される場合も当然想定される。例えば、
図2に示す会計データテーブル12aの上から1番目の会計レコードである第1会計レコードと、2番目の会計レコードである第2会計レコードとが、これに該当する。
【0028】
上述のようにして一の取引を複数の会計レコードによって記述する場合、この複数の各会計レコードのユニークID情報は同一のものになる。例えば、第3会計レコード及び第4会計レコードの「ユニークID」の項目には、同一のユニークID情報(本例ではID番号)である「4」が入力され、この2つの会計レコードが同一の一の取引から生成されていることを示している。
【0029】
すなわち、ID番号は、同一の取引から生成された複数の会計レコード同士を関連付ける関連付けIDの情報として機能する。このため、異なる取引から生成された会計レコードの間では、ID番号が重複しないようにして、各会計レコードの「ユニークID」の項目に任意のID番号が入力される。
【0030】
ちなみに、会計データ取得手段11bは、上述した通り、記憶装置12に一旦記憶された会計レコードを取得するか、或いは、入力手段13又は通信手段15からダイレクトに会計レコードを取得するように構成されている。
【0031】
入力手段13又は通信手段15からダイレクトに取得される会計レコードには、ID番号が付与されていないため、このタイミングで、会計データテーブル12aに記憶されている会計レコードを参照し、異なる取引の間で重複しないように任意に選定されたID番号を、該会計レコードに追加し、この状態の会計レコードを、前記会計データテーブル12aに格納する。
【0032】
言い換えると、ID番号が含まれた会計レコードが、借方情報抽出処理及び貸方情報抽出処理の処理対象になる。
【0033】
図3は、借方情報のデータ構造を示す一覧表である。同図に示す通り、会計レコードから借方情報抽出処理によって抽出される借方情報には、抽出対象の会計レコードにおける「ユニークID」のフィールドに格納されたID番号と、「借方勘定」のフィールドに格納された情報である借方勘定科目情報と、「借方金額」のフィールドに格納された借方金額情報と、「摘要」のフィールドに格納された摘要情報と、「日付」のフィールドに格納された日付情報が含まれている。
【0034】
図4は、貸方情報のデータ構造を示す一覧表である。同図に示す通り、会計レコードから貸方情報抽出処理によって抽出される貸方情報には、抽出対象の会計レコードにおける「ユニークID」のフィールドに格納されたID番号と、「貸方勘定」のフィールドに格納された情報である貸方勘定科目情報と、「貸方金額」のフィールドに格納された貸方金額情報と、「摘要」のフィールドに格納された摘要情報と、「日付」のフィールドに格納された日付情報が含まれている。
【0035】
ちなみに、
図2、
図3及び
図4に示すデータ構造によれば、一の会計レコードからは、生成処理によって、借方情報又は貸方情報の少なくとも一方が生成され、場合によっては借方情報及び貸方情報の両方が生成される。
【0036】
例えば、第1会計レコード、第2会計レコード及び第3会計レコードの夫々からは、借方情報及び貸方情報の両方が抽出される一方で、第4会計レコードは、貸方勘定科目情報及び貸方金額情報がブランクであるため、借方情報のみが抽出される。
【0037】
図5は、目的データテーブルのデータ構造を示す一覧表である。目的データテーブル12bは、項目(フィールド)として、「ユニークID」と、「勘定」と、「金額」と、「摘要」と、「日付」と、生成元の情報が借方情報と貸方情報との何れであるかを示す情報が格納される「貸借」とを有している。
【0038】
前記生成処理によって借方情報から目的レコードを生成する場合、目的レコードにおいて、目的テーブル12bの「ユニークID」の項目に格納される情報が、借方情報に含まれるユニークID情報になり、目的テーブル12bの「勘定」の項目に格納される情報が、借方情報に含まれる借方勘定科目情報になり、目的テーブル12bの「金額」の項目に格納される情報が、借方情報に含まれる借方金額情報になり、目的テーブル12bの「摘要」の項目に格納される情報が、借方情報に含まれる摘要情報になり、目的テーブル12bの「貸借」の項目には、「勘定」の項目に格納される情報が借方勘定科目情報であり且つ「金額」の項目に格納される情報が借方金額情報であること(言い換えると、生成元の情報が借方情報であること)を示す「借方」が格納される。
【0039】
前記生成処理によって貸方情報から目的レコードを生成する場合、目的レコードにおいて、目的テーブル12bの「ユニークID」の項目に格納される情報が、貸方情報に含まれるユニークID情報になり、目的テーブル12bの「勘定」の項目に格納される情報が、貸方情報に含まれる貸方勘定科目情報になり、目的テーブル12bの「金額」の項目に格納される情報が、貸方情報に含まれる貸方金額情報になり、目的テーブル12bの「摘要」の項目に格納される情報が、貸方情報に含まれる摘要情報になり、目的テーブル12bの「貸借」の項目には、「勘定」の項目に格納される情報が貸方勘定科目情報であり且つ「金額」の項目に格納される情報が貸方金額情報であること(言い換えると、生成元の情報が貸方情報であること)を示す「貸方」が格納される。
【0040】
すなわち、目的データテーブル12bにおいては、借方情報の借方金額情報が格納される項目と、貸方情報の貸方金額情報が格納される項目とは、同一の項目である「金額」に設定される。言い換えると、目的データテーブル12bの一覧表において、同一の項目である「金額」の項目に、貸方金額情報及び借方金額情報が縦一列に並べられて複数格納される。
【0041】
また、借方情報又は貸方情報を介して、ユニークID情報が、会計レコードから目的レコードに承継される。このため、同一の会計レコードから生成された目的レコード同士のユニークID情報は同一になる。すなわち、ユニークIDは、同一の会計レコードから生成された複数の目的レコード同士を関連付ける関連付けIDとしても機能している。
【0042】
ちなみに、生成処理によって借方情報毎に一の目的レコードが生成され、生成処理によって借方情報毎に一の目的レコードが生成される。このため、例えば、
図2に示す4つの会計レコードからは、
図5に示す通り、7つの目的レコードが生成される。
【0043】
具体的には、一の取引が記述された第1会計レコードから抽出された1つの借方情報及び1つの貸方情報によって計2つの目的レコードが生成され、一の取引が記述された第2会計レコードから抽出された1つの借方情報及び1つの貸方情報によって計2つの目的レコードが生成される。一方、1つの取引が記述された第3会計レコード及び第4会計レコードから抽出された2つの借方情報及び1つの貸方情報によって計3つの目的レコードが生成される。
【0044】
図6は会計処理コンピュータの目的レコード生成時の処理フロー図である。会計処理コンピュータ10は、予め定めた所定の条件である開始条件を満たした場合、処理を開始して、ステップS101に進む。具体的には、目的レコードを生成していない会計レコードが会計データテーブル12aに一定数蓄積されたことや、入力手段13から会計情報が入力されたことや、ネットワーク20経由で情報端末30から会計情報が入力されたこと等を前記開始条件とする。
【0045】
ステップS101では、会計データ取得手段11bが、前記会計データ取得処理を行い、処理対象となる会計レコードを、一の取引(一の会計情報)毎に取得し、ステップS102に進む。ちなみに、会計レコードの記憶装置12への記憶に関し、前記会計データ記憶手段11aによる会計データ記憶処理により、入力手段13から入力された会計情報または通信手段15によってネットワーク20経由で情報端末30から入力された会計情報が、会計レコードとして、順次会計データテーブル12aに蓄積されている。
【0046】
ステップS102では、借方情報抽出手段11cが前記会計データ取得処理により取得された会計レコードに対して前記借方情報抽出処理を行い、該会計レコードから、
図3に示す借方情報を抽出し、ステップS103に進む。
【0047】
ちなみに、会計レコードの「借方勘定」及び「借方金額」がブランクになっている場合には、抽出対象となるデータが無いことを意味しているため、ステップS102の処理は行わず、ステップS103に進む。
【0048】
ステップS103では、貸方情報抽出手段11dが前記会計データ取得処理により取得された会計レコードに対して前記貸方情報抽出処理を行い、該会計レコードから、
図4に示す貸方情報を抽出し、ステップS104に進む。
【0049】
ちなみに、会計レコードの「貸方勘定」及び「貸方金額」がブランクになっている場合には、抽出対象となるデータが無いことを意味しているため、ステップS103の処理は行わず、ステップS104に進む。
【0050】
ところで、前記複合仕訳では、一の会計レコード中の借方情報である借方勘定科目情報及び借方金額情報がブランクになることは原則としてなく、該会計レコード中の貸方情報である貸方勘定科目情報及び借方金額情報はブランクになる場合があるが、本実施形態のデータ構造によれば、貸方勘定科目情報及び貸方金額情報がブランクになるようなものにも対応可能であり、汎用性が高い。
【0051】
ステップS104では、生成手段11eが、前記借方情報抽出処理によって抽出された借方情報と、前記貸方情報抽出処理によって抽出された貸方情報とに対して、前記生成処理を行い、借方情報の数と貸方情報の数とを合算した数の前記目的レコードを生成し、ステップS105に進む。ちなみに、例えば、第3会計レコード及び第4会計レコードからは、上述した通り、2つの借方情報と、1つの貸方情報とが抽出され、これらの情報から3つの目的レコードが生成される。
【0052】
ステップS105では、目的データ記憶手段11fが前記目的データ記憶処理を行い、前記生成処理によって生成された各目的レコードを、目的データテーブル12bに記憶し、処理を終了させる。
【0053】
目的データテーブル12bに記憶された目的レコードは、目的データ提供手段11gによる前記目的データ提供処理によって、出力手段14から出力されるか、或いは、通信手段15によりネットワーク20経由で情報端末30に送信されることにより、その内容が提供される。
【0054】
以上のように構成される会計処理コンピュータ10によれば、目的データテーブル12bの一覧表内において、貸方金額情報と借方金額情報とが同一の項目である「金額」において、縦一列に並べられるため、お金の流れが把握し易く、分析も容易になる他、集計する際の仕訳の誤りのチェックも行い易い。
【0055】
なお、この会計データテーブル12aを、単式仕訳に対応させることも勿論可能である。この場合、一の取引は1つの会計レコードで記述されることになる。この他、会計データテーブル12aの項目も
図2に示すものに限定されるものではなく、項目をさらに増加させてもよい。また、会計レコード毎に異なるユニークID情報を付与することも勿論可能である。
【0056】
次に、
図1及び
図7に基づき、本発明の別実施形態につき、上述の形態と異なる点を説明する。
【0057】
各目的レコードに含まれるユニークID情報を用いれば、上述した通り、該目的レコードから元の会計レコードを復元できる。このような復元の処理を実現させるため、処理ユニット11には、目的データテーブル12bに記憶された一又は複数の目的レコードを取得する目的データ取得処理を行う目的データ取得手段11hと、目的データ取得手段11hによって取得された一又は複数の目的レコードから、ユニークID情報を用いて元の会計レコードを復元する復元処理を行う復元手段11iと、生成処理によって生成された会計レコード又は会計データテーブル12aに記憶された会計レコードを、出力手段14又は通信手段15を介して提供する会計レコード提供処理を行う会計レコード提供手段11jと、が設けられている。
【0058】
図7は会計処理コンピュータの会計レコード復元時の処理フロー図である。入力手段13による手動の開始操作等の予め定めた所定の条件が満たされると、ステップS201から処理を開始する。ステップS201では、前記目的データ取得処理を行い、ステップS202に進む。
【0059】
ステップS202では、前記復元処理を行い、ステップS203に進む。ステップS203では、前記復元処理によって復元した会計レコードに対して、前記会計データ記憶処理を行い、ステップS204に進む。ステップS204では、前記復元処理によって復元した会計レコードに対して、前記会計データ提供処理を実行し、処理を終了させる。
【0060】
以上のように構成される会計処理コンピュータ10によれば、目的レコードから会計レコードが復元できるため、目的レコードと会計レコードの何れか一方を記憶装置12に記憶していればよくなり、記憶装置12の必要データ容量の削減に寄与する。
【0061】
なお、ステップS203及びステップS204の何れか一方の処理は、その目的に応じて、省略可能になる。例えば、会計データ記憶処理において、これから記憶しようとしている会計レコードが会計データテーブル12aに既に記憶されている場合には、ステップS203の処理を行う必要がないため、何の処理も行わずに、ステップS204に進む。
【0062】
次に、
図8に基づき、本発明の別実施形態につき、上述の形態と異なる点を説明する。
【0063】
図8は本発明の別実施形態に係る目的データテーブルのデータ構造を示す一覧表である。生成処理によって生成される目的レコードが記憶される目的データテーブル12bは、上述の実施形態と比較した新たな項目(フィールド)として、「金額2」を追加している。この「金額2」の項目に入力される金額2情報は、借方情報から生成された目的レコードの場合には借方金額情報と同一になり、貸方情報から生成された目的レコードの場合には貸方金額情報に係る金額に(−1)を乗算した金額になる。
【0064】
例えば、借方金額が「200,000円」の借方情報から生成される会計レコードにおける「金額2」のフィールドには「200,000円」が格納される。一方、貸方金額が「200,000円」の貸方情報から生成される会計レコードにおける「金額2」のフィールドには「−200,000円」が格納される。
【0065】
以上のような目的データテーブル12bのデータ構成によれば、「金額2」の項目において、借方金額が+の金額で、貸方金額が−の金額で、縦一列に並べて格納されるため、それらを単純に合算することによって、現在の資産等が容易に算出可能になり、お金の分析や流れの把握等がさらに容易になる。
【0066】
次に、
図9に基づき、本発明の別実施形態につき、上述の形態と異なる点を説明する。
【0067】
図9は本発明の別実施形態に係る会計データテーブルのデータ構造を示す一覧表である。同図に示す会計データテーブル12aは、上述の実施形態と比較した新たな項目(フィールド)として、独自に設定した科目情報がそれぞれ格納される「小科目」及び「大科目」の項目と、会計対象である会社又は個人事業貫の名前の情報である会計対象情報が格納される「会社名/個人事情主名」の項目とが追加されている。
【0068】
独自の科目情報は、会計対象毎に独自に設定することも可能であり、一種類でもよいが、複数に階層化してもよく、階層化する場合には、その階層の数だけ項目を設ける必要がある。
図9に示す例では、2段階に階層化され、「小科目」の項目には独自の小科目の情報である小科目情報が格納され、「大科目」の項目には独自の大科目の情報である大科目情報が格納される。
【0069】
これらの追加の項目は、当然、借方情報、貸方情報及び会計レコードの構成要素に引き継がれ、適宜利用される。
【0070】
以上のような会計データテーブル12a及び目的データベース12bのデータ構成によれば、会計処理を請け負う税理士事務所等において、取引先である会計対象の会社又は個人事業主が複数存在する場合にも対応可能になる。また、独自の科目を階層化させて導入することが可能になるため、その税理士事務所の独自のノウハウを導入することも可能になるし、或いは、取引先毎に独自の科目設定を行い、クライアント毎に柔軟な対応が可能になる。
【0071】
次に、
図10に基づき、本発明の別実施形態につき、上述の形態と異なる点を説明する。
【0072】
図10は本発明の別実施形態に係る会計データテーブルのデータ構造を示す一覧表である。同図に示す会計データテーブル12aは、上述の実施形態と比較した新たな項目(フィールド)として、仕分時のメモの情報が格納される「仕分メモ」と、会計レコード毎に目印の有無の情報が格納される「付箋」と、「振替」、「経理」の作成元の情報が格納される「作成元」と、借方の課税の区分の情報が「対象外」、「非課仕入」、「課対仕入10%内」又は「課対仕入軽減8%内」等のように格納される「借方税区分」と、借方税額の情報が格納される「借方税額」と、借方の補助情報が格納される「借方補助」と、借方の部門の情報が格納される「借方部門」と、会計年度毎に異なるIDとなる年度ID情報が格納される「年度ID」と、会計の明細の情報が格納される「明細情報」と、会計月毎に異なるIDとなる月度ID情報が格納される「月度ID」と、決算仕訳の情報が格納される「決算仕訳」と、「法人一般」等の科目体系の情報が格納される「科目体系」と、貸方の課税の区分の情報が格納される「貸方税区分」と、貸方税額の情報が格納される「貸方税額」と、貸方の補助情報が格納される「貸方補助」と、貸方の部門の情報が格納される「貸方部門」とが追加されている。
【0073】
これらの追加の項目は、当然、借方情報、貸方情報及び会計レコードの構成要素に引き継がれ、適宜利用される。
【0074】
以上のような詳細な項目を設定した会計データテーブル12aによれば、きめ細かい会計処理が可能になり、汎用性が向上する。