【解決手段】本発明のデータ連携サーバ2は、電子棚札4の表示を更新する更新内容及び更新予定時刻を受信可能な更新情報受信部211と、電子棚札4の表示を更新内容に応じて更新予定時刻に更新させる更新指令を外部に送信可能な更新指令部212と、を備える。データ連携サーバ2は、電子棚札4の表示の更新状況を受信可能な更新状況受信部をさらに備えることが好ましい。また、データ連携サーバ2は、更新指令部による更新指令の送信履歴と、外部装置が更新指令を受信したことを示す更新指令の受信履歴とを比較する履歴比較部をさらに備えることが好ましい。
  前記更新指令部による前記更新指令の送信履歴と、外部装置が前記更新指令を受信したことを示す前記更新指令の受信履歴とを比較する履歴比較部をさらに備える、請求項1から3のいずれか1項に記載のデータ連携サーバ。
  前記更新指令部は、略同一の更新予定時刻に紐付けられた複数の前記更新指令情報を所定の時間間隔をおいて前記外部に順次送信可能である、請求項1から4のいずれか1項に記載のデータ連携サーバ。
【発明を実施するための形態】
【0027】
  以下、本発明を実施するための好適な形態の一例について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
 
【0028】
<データ連携システム1>
  
図1は、本実施形態におけるデータ連携システム1の概略構成を示す模式図である。データ連携システム1は、データ連携サーバ2と、1つ又は複数のコンピュータ3と、1つ又は複数の棚札4と、複数の応対者端末5とを含んで構成される。棚札4は、タイムセールのために棚札に表示される商品表示情報を時間帯に応じて更新する際の小売業者の労力を軽減できることから、電子棚札であることが好ましい。以下、棚札4は電子棚札4であるものとして説明を行う。データ連携サーバ2と、コンピュータ3と、電子棚札4と、応対者端末5とは、ネットワーク6を介して接続されている。また、データ連携サーバ2は、ネットワーク6を介して1つ又は複数の顧客端末9と接続可能に構成されている。
 
【0029】
〔データ連携サーバ2〕
  データ連携サーバ2(以下、単にサーバ2とも称する)は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、を含んで構成される。
 
【0030】
[制御部21]
  制御部21は、CPU(Central  Processing  Unit)、RAM(Random  Access  Memory)、及びROM(Read  Only  Memory)等を備える。
 
【0031】
  制御部21は、所定のプログラムを読み込み、必要に応じて記憶部22及び/又は通信部23と協働することで、サーバ2におけるソフトウェア構成の要素である更新情報受信部211、更新指令部212、端末位置取得部213、呼出指令受信部214、応対指令送信部215等を実現する。
 
【0032】
[記憶部22]
  記憶部22は、データやファイルが記憶される装置であって、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等による、データのストレージ部を有する。記憶部22には、制御部21のマイクロコンピューターで実行される制御プログラム等が記憶されている。
 
【0033】
  記憶部22には、更新情報テーブル221、応対者端末テーブル222、棚札テーブル223等が記憶されている。
 
【0034】
[通信部23]
  通信部23は、サーバ2をその他の機器と通信可能にするためのデバイスを有する。デバイスの種類は特に限定されるものでなく、例えばイーサネット規格に対応したネットワークカード、IEEE802.11に準拠したWi−Fi(Wireless  Fidelity)対応デバイス、IEEE802.15.4に準拠したZigbee対応デバイス、Bluetooth規格に準拠したBluetooth機器等を有する。通信部23は、USB規格に準拠した汎用バス等のバス、RS−232C規格ポートなどのシリアルポート、IEEE  1284準拠のインタフェースなどのパラレルポート等を有してもよい。大量のデータをやり取りするために、通信部23は、イーサネット規格に対応したネットワークカードを有することが好ましい。また、通信部23は、Wi−Fi対応デバイス、Zigbee対応デバイス、又はBluetooth機器等の無線通信を行う機器を有することも好ましい。通信部23が無線通信を行う機器を有することにより、電子棚札4が通信ケーブルのない場所に設置されていても、サーバ2と電子棚札4との通信を行える。
 
【0035】
〔コンピュータ3〕
  コンピュータ3の種類は、特に限定されない。コンピュータ3は、例えば、メインフレーム、ミッドレンジコンピュータ、サーバ、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、タブレット端末等を備える。処理能力から、コンピュータ3は、ミッドレンジコンピュータ又はサーバを含むことが、好ましい。コンピュータ3は、基幹システム、EC(electronic  commerce)システム、販売時点情報管理(POS)システム、等を実現するプログラムを実行するよう構成されていても良い。コンピュータ3がこれらのプログラムを実行するよう構成されていることにより、百貨店や量販店等の小売業者が有するこれらのシステムを実現するコンピュータを、コンピュータ3として利用できる。コンピュータ3は、上述の各種システムをEAI(Enterprise  application  integration)によって連携及び/又は統合するよう構成されていても良い。コンピュータ3が上述の各種システムをEAIによって連携及び/又は統合するよう構成されていることにより、百貨店や量販店等の小売業者が有するEAIによって連携及び/又は統合されるシステムの1つとして、データ連携システム1を実現できる。
 
【0036】
〔電子棚札4〕
  電子棚札4は、制御部41と、記憶部42と、通信部43と、表示部44と、を含んで構成される。制御部41のハードウェア構成は、制御部21と同様である。
 
【0037】
[記憶部42]
  記憶部42は、データやファイルが記憶される装置であって、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等による、データのストレージ部を有する。電子棚札4への組み込みに適した大きさの実現が容易であることから、記憶部42は、半導体メモリ及び/又はメモリカードであることが好ましい。記憶部42には、制御部41のマイクロコンピューターで実行される制御プログラム等が記憶されている。
 
【0038】
[通信部43]
  通信部43は、電子棚札4をその他の機器と通信可能にするためのデバイス、例えばイーサネット規格に対応したネットワークカード、IEEE802.11に準拠したWi−Fi(Wireless  Fidelity)対応デバイス、Bluetooth規格に準拠したBluetooth機器、ISO/IEC  18092又はISO/IEC  21481に準拠した近距離無線通信(NFC、Near  field  communication)装置等を有する。通信部43は、USB規格に準拠した汎用バス等のバス、RS−232C規格ポートなどのシリアルポート、IEEE  1284準拠のインタフェースなどのパラレルポート等を有してもよい。通信部43は、Wi−Fi対応デバイス又はBluetooth機器等の無線通信を行う機器を有することが好ましい。通信部43が無線通信を行う機器を有することにより、通信ケーブルがない場所であっても電子棚札4をネットワーク6に接続できる。
 
【0039】
[表示部44]
  表示部44の種類は、特に限定されない。表示部44として、例えば、電子ペーパー、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)等が挙げられる。消費電力が小さいことから、表示部44は、電子ペーパーであることが好ましい。表示部44は、発光ダイオード(LED、light  emitting  diode)を含むこともできる。表示部44は、音声を再生するスピーカー装置を含むこともできる。
 
【0040】
〔応対者端末5〕
  応対者端末5の種類は、特に限定されない。応対者端末5は、例えば、タブレット端末、スマートフォン、スマートウォッチ、スマートグラス等を備える。処理能力と携帯性と価格との兼ね合いから、応対者端末5は、タブレット端末を備えることが、特に好ましい。応対者端末5は、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)、電子ペーパー等で構成された表示部54を備えることが好ましい。
 
【0041】
〔ネットワーク6〕
  ネットワーク6は、サーバ2と、コンピュータ3と、電子棚札4と、応対者端末5とを接続する。ネットワーク6の種類は特に限定されず、パーソナルエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、インターネット、Wi−Fiネットワーク、Bluetooth規格に対応した近距離無線通信網等、あるいはこれらを含むネットワークを複数組み合わせたネットワーク等が挙げられる。通信ケーブルがない場所であっても電子棚札4をネットワーク6に接続できることから、ネットワーク6は、Wi−Fiネットワーク、Bluetooth規格に対応した近距離無線通信網等の無線通信ネットワークを含むことが好ましい。
 
【0042】
〔顧客端末9〕
  顧客端末9の種類は、特に限定されない。顧客端末9は、例えば、タブレット端末、スマートフォン、スマートウォッチ、スマートグラス等を備える。顧客端末9は、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)、電子ペーパー等で構成された表示部94を備えることが好ましい。顧客端末9には、データ連携システム1に関する顧客端末アプリケーションがインストールされている。
 
【0043】
<データ連携システム1を用いたデータ連携の手順>
  以下、
図2〜
図11を参照しながら、データ連携システム1を用いた、応対者端末5に応対指令を送信するデータ連携の手順について説明する。
 
【0044】
〔メインフローチャート〕
  
図2は、本実施形態におけるデータ連携の手順を示すメインフローチャートの一例である。
 
【0045】
[ステップS1:更新指令の送信]
  まず、制御部21は、後に
図3を参照しながら説明する更新指令の送信処理を行う(ステップS1)。更新指令の送信処理は、サーバ2の制御部21がコンピュータ3から電子棚札4の表示の更新情報を受信して記憶部22に記憶し、更新予定時刻を参照して未送信の更新情報に関する更新指令を電子棚札4に送信する処理である。制御部21は、更新指令の送信処理を行うと、処理をステップS2に移す。
 
【0046】
[ステップS2:応対者端末位置の取得処理]
  続いて、制御部21は、後に
図6を参照しながら説明する応対者端末位置の取得処理を行う(ステップS2)。応対者端末位置の取得処理は、サーバ2の制御部21が応対者端末5から応対者端末位置を受信して記憶部22に記憶する処理である。制御部21は、応対者端末位置の取得処理を行うと、処理をステップS3に移す。
 
【0047】
[ステップS3:応対指令の送信処理]
  続いて、制御部21は、後に
図8を参照しながら説明する応対指令の送信処理を行う(ステップS3)。応対指令の送信処理は、呼出指令を受信し、記憶部22から棚札位置を読み出し、棚札位置から所定範囲内に応対者端末5があるか否かを判別して、棚札位置から所定範囲内にある応対者端末5に応対指令を送信する処理である。制御部21は、応対指令の送信処理を行うと、処理をステップS1に戻し、ステップS1〜S3を繰り返す。
 
【0048】
〔更新指令の送信処理の流れ〕
  
図3は、ステップS1で行われる更新指令の送信処理を行う手順の一例を示すフローチャートである。以下では、
図3を参照しながら、ステップS1で行われる更新指令の送信処理の好ましい手順についてより詳しく説明する。
 
【0049】
[ステップS11:更新情報を受信したか判定]
  まず、制御部21は、記憶部22及び通信部23と協働して更新情報受信部211を実行し、コンピュータ3から更新情報を受信したか否かを判定する(ステップS11)。更新情報を受信したならば、制御部21は、処理をステップS12に移す。更新情報を受信していないならば、制御部21は、処理をステップS13に移す。
 
【0050】
  更新情報は、電子棚札4の表示を更新する更新内容及び更新予定時刻を含む。更新内容は、特に限定されるものではない。更新内容として、商品等の情報である商品情報、商品等の価格である商品価格、商品等に関する図表、発光ダイオードの点灯及び消灯、商品等に関する音声、等が挙げられる。更新内容は、商品価格を含むことが好ましい。商品価格を含むことにより、時間帯に応じて電子棚札4に表示される商品価格を変更するタイムセールを実現できる。更新内容は、商品情報を含むことが好ましい。商品情報を含むことにより、価格だけでなく商品情報をも用いたタイムセールを実現できる。更新内容は、図表を含むことが好ましい。図表を含むことにより、電子棚札4にタイムセール中であることを示すイラストやアイコンを表示するタイムセールを実現できる。更新内容は、発光ダイオードの点灯及び消灯を含むことが好ましい。発光ダイオードの点灯及び消灯を含むことにより、発光ダイオードの明滅によってタイムセール中であることを示し、タイムセールの効果を高めることができる。更新内容は、音声を含むことが好ましい。音声を含むことにより、タイムセールの開始や終了を告知する音声を電子棚札4に再生させて、タイムセールの効果を高めることができる。
 
【0051】
  更新内容の書式は、特に限定されるものではない。更新内容の書式として、当該技術分野で公知のテキストデータの各種書式、画像データの各種書式、音声データの各種書式、マルチメディアデータの各種書式等が挙げられる。また、更新内容の書式は、電子棚札4に適合したインタフェースファイルを含むことが好ましい。更新内容の書式が電子棚札4に適合したインタフェースファイルを含んでいれば、電子棚札4の機能を十分に発揮できる。したがって、電子棚札4を用いたタイムセールをより効果的に実現できる。
 
【0052】
  更新予定時刻の書式は、特に限定されるものではない。更新する日時を示す文字列又はデータ列、特定曜日の特定時刻に繰り返し更新するよう指定する文字列又はデータ列、特定期間の特定時刻に繰り返し更新するよう指定する文字列又はデータ列、更新を行う開始時刻と更新前の態様に戻す終了時刻とを指定する文字列又はデータ列、等が挙げられる。更新する日時を示す文字列又はデータ列であれば、タイムセールが始まる日時や終わる日時に電子棚札4に商品情報を表示させられる。特定曜日の特定時刻に繰り返し更新するよう指定する文字列又はデータ列であれば、特定の曜日に繰り返し行われるタイムセールが始まる日時や終わる日時に電子棚札4に商品情報を表示させられる。特定期間の特定時刻に繰り返し更新するよう指定する文字列又はデータ列であれば、特定の期間に繰り返し行われるタイムセールが始まる日時や終わる日時に電子棚札4に商品情報を表示させられる。更新を行う開始時刻と更新前の態様に戻す終了時刻とを指定する文字列又はデータ列であれば、開始時刻に電子棚札4の表示を更新内容の態様に変更し、終了時刻に電子棚札4の表示を元の態様に戻せる。これら多様な書式を指定可能であることにより、電子棚札4を用いた様々なタイムセールを実現できる。更新予定時刻の基準時刻は、特に限定されるものではない。基準時刻として、例えば、協定標準時(UTC)、日本標準時(JST)、システム1の管理者が設定した独自の基準時刻であるバッチ日付、等が挙げられる。これら多様な基準時刻を指定可能であることにより、システム1の利用環境を問わずに、電子棚札4を用いたタイムセールを実現できる。
 
【0053】
[ステップS12:更新情報を記憶]
  制御部21は、記憶部22と協働して更新情報受信部211を実行し、ステップS11で受信した更新情報を、更新情報テーブル221に記憶する(ステップS12)。制御部21は、処理をステップS13に移す。
 
【0054】
  図4は、更新情報テーブル221の一例である。更新情報テーブル221は、更新情報を区別するID、後述する更新指令を送信済であるか否かを示す送信済フラグ、ステップS1で受信した更新予定時刻及び更新内容、を含む。IDを含むことにより、更新情報テーブル221が記憶する複数の更新情報にアクセスできる。送信済フラグを含むことにより、更新情報が送信済であるか否かを区別して未送信の更新情報のみを送信できる。更新予定時刻を含むことにより、タイムセールの開始時又は終了時等の更新予定時刻に、電子棚札4の表示を更新できる。更新内容を含むことにより、電子棚札4の表示を更新内容に応じて更新できる。
 
【0055】
  更新情報テーブル221は、電子棚札4の表示が更新内容に応じて更新済であるか否かを示す更新状態を含むこともできる。更新状態を含むことにより、電子棚札4の表示が更新済であるか否かを区別して未更新の更新情報のみを送信できる。これにより、電子棚札4の表示がより確実に更新され、電子棚札4を用いたタイムセールを確実に行える。また、更新状態を含むことにより、電子棚札4の表示の更新状態を小売業者やコンピュータ3に通知できる。小売業者は電子棚札4の表示を逐一確認することなく更新状態を知ることができるため、電子棚札4を用いたタイムセールをより円滑に実現できる。また、コンピュータ3がPOSシステムを実現している場合、あるいは、POSシステムとの連携及び/又は統合を行うEAIを実現している場合、コンピュータ3は、電子棚札4の表示が更新済であるか否かを用いてPOSシステムが会計時に適用する価格を変更できる。したがって、POSシステムを操作する小売業者の負担を抑えつつ、電子棚札4を用いたタイムセールを実現できる。
 
【0056】
  更新情報テーブル221は、更新状態に加えて電子棚札4をグループ分けするグループ情報を含むこともできる。グループ情報を含むことにより、特定のグループに含まれる電子棚札4の表示のみを更新できる。また、電子棚札4の表示が更新済であるか否かをグループごとに区別して未更新のグループの更新情報のみを送信できる。これにより、グループ分けされた電子棚札4の表示がより確実に更新され、電子棚札4を用いたタイムセールを確実に行える。グループ情報は、特に限定されるものではない。グループ情報として、例えば、商品に付与されるJANコード、EANコード、ITFコード等を利用できる。グループ情報の書式として、これら既存のコードを用いることにより、小売業者は少ない労力でグループ情報を設定できる。グループ情報の書式は、JANコードであることが好ましい。商品のバーコード等に記載されているJANコードであれば、データ連携サーバとPOSシステムとの連携が容易である。したがって、小売業者は、より少ない労力で効果的に電子棚札4を利用できる。
 
【0057】
  図4に示す更新情報テーブル221は、日本時間2020年4月1日の13時00分から15時00分までに「USBケーブル(2m)」のタイムセールを行う更新情報と、日本時間2020年4月1日の15時00分から「BDメディア」のタイムセールを行う更新情報とを記憶している。以下、
図3の例を用いて、更新情報テーブル221に記憶された更新情報それぞれについて、詳細に説明する。この例では電子棚札4の表示をタイムセール価格の態様に変更するID:0001の更新情報と、通常価格の態様に変更するID:0002の更新情報との2つの更新情報を用いてタイムセールを実現しているが、更新予定時刻が開始時刻と終了時刻とを含むように構成し、1つの更新情報でタイムセールを行うこともできる。
 
【0058】
  図4のID:0001の行は、電子棚札4に送信済である、更新予定時刻が日本時間2020年4月1日の13時00分である更新情報を示している。この更新情報は、電子棚札4の表示をタイムセール価格の態様に更新するものである。ID:0001の更新情報は、日本時間2020年4月1日の13時00分に電子棚札4の表示を、商品名「USBケーブル(2m)!!特売品!!」、商品価格「¥999−」に更新し、さらに、SALEを示す意匠が入った図表を表示するよう更新を示す更新情報である。これにより、タイムセールが始まる13時00分に、電子棚札4をタイムセール価格の態様に更新することができる。
図4に示すように、商品名は商品の名称に加えてのタイムセールに関する注釈等(ID:0001の商品名の「!!特売品!!」の部分等)、追加の情報を含むことができる。追加の情報を含むことにより、タイムセールをより効果的に行える。電子棚札4の表示が更新済であるため、更新状態は「更新済」となっている。グループ情報には、商品名「USBケーブル(2m)」に対応するJANコードの「4912345678904」が記憶されている。これにより、グループ情報「4912345678904」に対応する電子棚札4の表示のみを更新できる。
 
【0059】
  ID:0002の行は、電子棚札4に送信済でない(未送信の)、更新予定時刻が日本時間2020年4月1日の15時00分である更新情報を示している。この更新情報は、電子棚札4の表示を通常価格の態様に更新するものである。ID:0002の更新情報は、日本時間2020年4月1日の15時00分に電子棚札4の表示を、商品名「USBケーブル(2m)」、商品価格「¥1198−」に更新し、さらに、「定番」の商品であることを示す意匠が入った図表を表示するよう更新を示す更新情報である。これにより、タイムセールが終わる15時00分に、電子棚札4を通常価格の態様に更新することができる。
図4では、電子棚札4の表示がまだ更新されていないため、更新状態は「未更新」となっている。グループ情報には、ID:0001と同じJANコード「4912345678904」が記憶されている。これにより、グループ情報「4912345678904」に対応する電子棚札4の表示のみを更新できる。すなわち、ID:0001の更新情報でタイムセール価格の態様に表示更新された電子棚札4の表示のみを、通常価格の態様に更新できる。
 
【0060】
  ID:0003の行は、「BDメディア」のタイムセールを行う更新情報である。グループ情報にID:0001、0002の「USBケーブル(2m)」と異なるJANコード「4998765432104」が記憶されているため、「USBケーブル(2m)」に対応する電子棚札4の表示を更新することなく、「BDメディア」に対応する電子棚札4の表示のみを更新して、タイムセールを行える。
 
【0061】
[ステップS13:未送信の更新情報があるか判定]
  
図3に戻る。制御部21は、記憶部22と協働して更新指令部212を実行し、更新情報テーブル221に更新予定時刻が現在時刻と同じ又は現在時刻以前であり、かつ、送信済フラグが未送信である更新情報があるか否かを判定する(ステップS13)。該当する更新情報があれば、制御部21は、処理をステップS14に移す。該当する更新情報がなければ、制御部21は、処理をステップS2に移す。
 
【0062】
  更新予定時刻が現在時刻と同じ又は現在時刻以前であり、かつ、送信済フラグが未送信である更新情報があるか否かを判定するため、タイムセールの開始時刻又は終了時刻等に対応する更新予定時刻が更新予定時刻と同じ基準時刻に対応するよう補正した現在時刻と同じかそれ以前であり、かつ未送信である更新情報がある場合にのみ電子棚札4の表示を更新する処理を行える。したがって、サーバ2の負荷が軽減され、より少ない負担でタイムセールを実現できる。
 
【0063】
[ステップS14:未送信の更新情報を読み出す]
  制御部21は、記憶部22と協働して更新指令部212を実行し、更新情報テーブル221に記憶された更新予定時刻が現在時刻と同じ又は現在時刻以前であり、かつ、送信済フラグが未送信である更新情報を1つ読み出す(ステップS14)。制御部21は、処理をステップS15に移す。
 
【0064】
  更新予定時刻が現在時刻と同じ又は現在時刻以前であり、かつ、送信済フラグが未送信である更新情報を読み出すため、タイムセールの開始時刻又は終了時刻等に対応する更新予定時刻が更新予定時刻と同じ基準時刻に対応するよう補正した現在時刻と同じかそれ以前であり、かつ未送信である更新情報に応じて電子棚札4の表示を更新する処理を行える。したがって、タイムセールに対応した送信を要する更新情報を用いて電子棚札4の表示を更新できる。
 
【0065】
[ステップS15:更新指令を送信]
  制御部21は、記憶部22と協働して更新指令部212を実行し、ステップS14で読み出された更新情報を用いて更新指令を生成し、電子棚札4に送信する(ステップS15)。制御部21は、処理をステップS16に移す。
 
【0066】
  更新指令の書式は、特に限定されるものではない。表示更新指令の書式として、当該技術分野で公知のテキストデータの各種書式、画像データの各種書式、音声データの各種書式、マルチメディアデータの各種書式等が挙げられる。また、更新指令の書式は、電子棚札4に適合したインタフェースファイルを含むことが好ましい。電子棚札4に適合したインタフェースファイルを含んでいれば、電子棚札4の機能を十分に発揮できる。したがって、電子棚札4を用いたタイムセールをより効果的に実現できる。更新指令は、グループ情報を含むこともできる。グループ情報を含むことにより、グループ情報に対応する電子棚札4の表示のみを更新できる。これにより、複数の電子棚札4の一部の表示のみを更新する、より効果的なタイムセールを実現できる。
 
【0067】
  更新指令が送信されると、電子棚札4は更新指令を受信し、表示を更新する。
図5は、
図4のID:0001及びID:0002の更新情報に対応する更新指令による電子棚札4の表示更新を示す概念図である。以下、
図4と
図5とを用いて、13時00分から15時00分までのタイムセールに対応する電子棚札4の表示更新の、更新指令による実現を説明する。
 
【0068】
  図5(A)は、電子棚札4の表示部44に表示された、通常価格の態様の表示について、その一例を示す図である。表示部44は、商品名表示部441、商品価格表示部442、図表表示部443を含む。
図5(A)は、商品名表示部441に商品名「USBケーブル(2m)」、商品価格表示部442に通常価格である「¥1198−」が表示され、図表表示部443に「定番」を示す意匠が表示されていることを示している。
 
【0069】
  タイムセールの開始時刻である13時00分になり、更新指令部212によって電子棚札4の表示をタイムセール価格の態様に更新する
図4のID:0001に対応する更新指令が送信されると、電子棚札4はこの更新指令を受信し、表示部44の表示を
図5(B)のようなタイムセール価格の態様に更新する。
図5(B)は、商品名表示部441に商品名「USBケーブル(2m)」とタイムセールに関する注釈「!!特売品!!」、商品価格表示部442に「¥999−」が表示され、図表表示部443にタイムセールに関する「SALE」を示す意匠が表示されていることを示している。このように、更新指令部212が更新指令を送信することによって、電子棚札4の表示は、
図5(A)と商品価格等が異なるタイムセール価格の態様に更新される。
 
【0070】
  タイムセールの終了時刻である15時00分になり、更新指令部212によって電子棚札4の表示を通常価格の態様に更新する
図4のID:0002に対応する更新指令が送信されると、電子棚札4はこの更新指令を受信し、表示部44の表示を通常価格の態様である
図5(A)に更新する。
 
【0071】
  このように、更新指令部212がタイムセールの開始時刻に更新指令を送信することによって、タイムセールの開始時刻に電子棚札4の表示をタイムセール価格の態様に更新し、タイムセールの終了時刻に更新指令を送信することによって、タイムセールの終了時刻に電子棚札4の表示を通常価格の態様に更新できる。すなわち、電子棚札4がタイムセールの時間帯にのみタイムセール価格の態様で表示を行う、電子棚札4を用いたタイムセールを実現できる。
 
【0072】
[ステップS16:送信済フラグの付与]
  制御部21は、記憶部22と協働して更新指令部212を実行し、更新情報テーブル221に記憶されたステップS14で読み出された更新情報に送信済フラグを付与する(ステップS16)。制御部21は、処理をステップS2に移す。
 
【0073】
  送信済フラグを付与することにより、送信を必要としない送信済の更新情報についてのみ、更新指令を送信する処理を行わないことができる。したがって、サーバ2の負荷が軽減され、より少ない負担でタイムセールを実現できる。
 
【0074】
  更新指令部212は、電子棚札4から表示が更新済であるか否かを示す更新状況を受信することもできる。更新状況を受信することにより、電子棚札4の表示が更新済であるか否かを区別して未更新の更新情報のみを送信できる。これにより、電子棚札4の表示がより確実に更新され、電子棚札4を用いたタイムセールを確実に行える。受信した更新状況は、更新情報テーブル221に更新状態として記憶できる。また、更新状況を受信することにより、電子棚札4の表示の更新状況を小売業者やコンピュータ3に通知できる。小売業者は電子棚札4の表示を逐一確認することなく更新状態を知ることができるため、電子棚札4を用いたタイムセールをより円滑に実現できる。また、コンピュータ3がPOSシステムを実現している場合、あるいは、POSシステムとの連携及び/又は統合を行うEAIを実現している場合、コンピュータ3は、電子棚札4の表示が更新済であるか否かを用いてPOSシステムが会計時に適用する価格を変更できる。したがって、POSシステムを操作する小売業者の負担を抑えつつ、電子棚札4を用いたタイムセールを実現できる。
 
【0075】
  更新指令部212は、更新状況に加えてグループ情報を受信することもできる。グループ情報を受信することにより、電子棚札4の表示が更新済であるか否かをグループごとに区別できる。そして、未更新のグループの更新情報のみを送信できる。これにより、グループ分けされた電子棚札4の表示がより確実に更新され、電子棚札4を用いたタイムセールを確実に行える。グループ情報は、特に限定されるものではない。グループ情報として、例えば、商品に付与されるJANコード、EANコード、ITFコード等を利用できる。グループ情報の書式として、これら商品に付与される既存のコードを用いることにより、小売業者は少ない労力でグループ情報を設定できる。グループ情報の書式は、JANコードであることが好ましい。商品のバーコード等に記載されているJANコードであれば、グループ情報を新たに用意して割り当てる必要がない。したがって、小売業者は、より少ない労力で効果的に電子棚札を利用できる。
 
【0076】
  ステップS1の処理手順により、時間帯に応じて電子棚札に表示される商品表示情報を変更可能にすることで、小売業者の労力を軽減するデータ連携サーバを提供できる。
 
【0077】
〔応対者端末位置の取得処理の流れ〕
  
図6は、ステップS2で行われる応対者端末位置の取得処理を行う手順の一例を示すフローチャートである。以下では、
図6を参照しながら、ステップS2で行われる応対者端末位置の取得処理の好ましい手順についてより詳しく説明する。
 
【0078】
[ステップS21:応対者端末位置を受信したか判定]
  まず、制御部21は、記憶部22及び通信部23と協働して端末位置取得部213を実行し、応対者端末5から応対者端末位置を受信したか否かを判定する(ステップS21)。応対者端末位置を受信したならば、制御部21は、処理をステップS22に移す。応対者端末位置を受信していないならば、制御部21は、処理をステップS3に移す。
 
【0079】
[ステップS22:応対者端末位置の記憶]
  制御部21は、記憶部22と協働して端末位置取得部213を実行し、ステップS21で受信した応対者端末位置を応対者端末テーブル222に記憶する(ステップS22)。制御部21は、処理をステップS3に移す。
 
【0080】
  図7は、応対者端末5に関する情報を記憶する応対者端末テーブル222の一例である。応対者端末テーブル222は、応対者端末5を区別するID、応対者端末5の位置を示す応対者端末位置、を含む。IDを含むことにより、応対者端末テーブル222が記憶する複数の応対者端末に関する情報にアクセスできる。応対者端末5の位置を示す応対者端末位置を含むことにより、ステップS21で受信した応対者端末位置を記憶できる。応対者端末テーブル222は、応対者端末5を割り当てられた応対者の手すき状態を記憶する、手すき状態を含んでもよい。手すき状態を含むことにより、後述する応対指令の送信において、手すき状態の応対者に応対指令を送信するよう構成できる。これにより、応対者端末テーブル222は、応対者端末5を割り当てられた応対者の商品等に関する知識の有無を記憶する、応対者知識を含んでもよい。応対者知識を含むことにより、後述する応対指令の送信において、商品等に関する知識を有する応対者に応対指令を送信するよう構成できる。
 
【0081】
  応対者端末テーブル222が含む応対者端末5に関する情報について、
図7を用いてより詳細に説明する。ID:R0001の行は、応対者端末5を識別するIDがR0001である応対者端末5に関する情報を記憶している。応対者端末位置には、応対者端末5の位置を示す座標が記憶される。座標の書式は、特に限定されない。座標の書式は、緯度と経度を用いた地理的な座標でもよく、サーバ2、コンピュータ3、電子棚札4等の設置位置を基準とした相対座標でもよく、電子棚札4が設置された場所を分割したエリアのいずれにいるかを示す情報でもよい。
図7の例では、コンピュータ3に対する相対座標である(N3m,W6m)が記憶されている。これにより、ID:R0001の応対者端末5がコンピュータ3から北に3m、西に6m進んだ場所にあることがわかる。応対者端末位置が記憶されているため、後述する応対指令の送信において、顧客の位置から所定範囲内にある応対者端末5に応対指令を送信できる。手すき状態には、ID:R0001の応対者端末5を割り当てられた応対者が手すきであることが記憶されている。これにより、ID:R0001の応対者端末5を割り当てられた応対者は、後述する応対指令の送信に適した手すき状態の応対者であることがわかる。応対者知識には、ID:R0001の応対者端末5を割り当てられた応対者がテレビ、冷蔵庫、洗濯機、ラジオ、オーディオに関する商品等知識を有していることが記憶されている。これにより、ID:R0001の応対者端末5を割り当てられた応対者は、後述する応対指令の送信において、これらの商品等に関する商品説明を行える応対者であることがわかる。
 
【0082】
  ID:R0003の行は、応対者端末5を識別するIDがR0003である応対者端末5に関する情報を記憶している。記憶された情報から、この応対者は、応対中であるために応対できず、また、ID:R0001の応対者端末5を割り当てられた応対者とは異なる商品等知識を有していることがわかる。このように、応対者端末テーブル222が応対者端末5に関する情報を記憶するため、応対者端末5それぞれの位置、手すき状態、応対者知識を用いた応対指令の送信を行える。
 
【0083】
〔応対者端末位置の取得処理の流れ〕
  
図8は、ステップS3で行われる応対指令の送信処理を行う手順の一例を示すフローチャートである。以下では、
図8を参照しながら、ステップS3で行われる応対指令の送信処理の好ましい手順についてより詳しく説明する。
 
【0084】
[ステップS31:呼出指令を受信したか判定]
  まず、制御部21は、記憶部22及び通信部23と協働して呼出指令受信部214を実行し、顧客から呼出指令を受信したか否かを判定する(ステップS31)。呼出指令を受信したならば、制御部21は、処理をステップS32に移す。呼出指令を受信していないならば、制御部21は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からS3を繰り返す。
 
【0085】
  呼出指令は、棚札識別情報を含む。呼出指令が棚札識別情報を含むことにより、後述する棚札テーブル223に記憶された棚札位置を用いて、顧客が興味を持った商品等に関する電子棚札4の棚札位置を読み出せる。顧客が興味を持った商品等に関する電子棚札4は顧客から見える位置、すなわち顧客の位置の周辺にあるから、棚札識別情報は、顧客の位置に関する顧客位置情報でもある。
 
【0086】
  呼出指令の送信手段及び受信手段は、特に限定されない。
図9は、顧客が呼出指令を送信する手段の一例を示す図である。
 
【0087】
  図9(A)は、電子棚札4の表示部44の棚札識別情報表示領域444に表示された棚札識別情報を用いた呼出指令送信の一例である。顧客は、顧客端末9(図示せず)にインストールされた顧客端末アプリケーションを起動し、顧客端末9が備えるカメラ装置を用いて棚札識別情報表示領域444を撮影して棚札識別情報を読み取り、棚札識別情報を含む呼出指令を、サーバ2に送信する。電子棚札4の表示部44の棚札識別情報表示領域444を用いた呼出指令送信であれば、顧客は、棚札識別情報表示領域444を撮影する簡易な操作によって、呼出指令を送信できる。また、電子棚札4は、表示部44に棚札識別情報表示領域444に棚札識別情報を表示できるため、呼出指令送信の実現にかかるコストを抑えられる。
 
【0088】
  図9(B)は、顧客端末9にインストールされた顧客端末アプリケーションを用いた呼出指令送信の一例である。顧客は、顧客端末アプリケーションを起動して電子棚札4に関する商品等を選択し、顧客端末9の表示部94に表示された呼出指令送信領域941をタップする等して操作して、サーバ2に棚札識別情報を含む呼出指令を送信する。商品等を選択する方式は、特に限定されない。商品等を選択する方式の一例として、顧客端末アプリケーションが記憶する棚札識別情報と紐付けられた商品等から顧客が選択する方式、顧客端末9がNFCを介して電子棚札4が備えるRFID(radio  frequency  identifier)等から棚札識別情報を読み取る方式、が挙げられる。顧客端末9にインストールされた顧客端末アプリケーションを用いた呼出指令送信であれば、顧客は、顧客端末アプリケーションからの選択や、NFCを用いた棚札識別情報の読み取る等の簡易な操作によって、商品等を選択し、呼出指令を送信できる。
 
【0089】
  図9(C)は、電子棚札4が備える呼出指令送信部46を用いた呼出指令送信の一例である。顧客は、呼出指令送信部46を操作して、棚札識別情報444を含む呼出指令を、サーバ2に送信する。電子棚札4が備える呼出指令送信部46を用いた呼出指令送信であれば、顧客端末9を持たない顧客であっても、呼出指令を送信できる。
 
【0090】
[ステップS32:棚札位置の読出]
  
図8に戻る。制御部21は、記憶部22と協働して呼出指令受信部214を実行し、棚札テーブル223から、ステップS31で受信した棚札識別情報に関する棚札位置を読み出す(ステップS32)。制御部21は、処理をステップS33に移す。
 
【0091】
  図10は、電子棚札4に関する情報を記憶する棚札テーブル223の一例である。棚札テーブル223は、電子棚札4を区別するID、電子棚札4を識別する棚札識別情報、電子棚札4の位置に関する棚札位置を含む。IDを含むことにより、棚札テーブル223が記憶する複数の電子棚札4に関する情報にアクセスできる。棚札識別情報を含むことにより、ステップS31で受信した棚札識別情報に紐付けられた電子棚札4に関する情報にアクセスできる。棚札位置を含むことにより、ステップS31で受信した棚札識別情報に紐付けられた電子棚札4の位置を読み出して、電子棚札4の周辺にいる顧客の位置に関する顧客位置情報として扱える。
 
【0092】
  棚札テーブル223は、複数の電子棚札4をグループ分けする1つ又は複数のグループ情報を含んでもよい。グループ情報を含むことにより、グループ情報に基づく電子棚札4の表示内容の更新を行える。また、後述する応対指令送信において、グループ情報に基づいて、適切な商品知識を有する応対者に割り当てられた応対者端末5に応対指令を送信できる。
 
【0093】
  棚札テーブル223は、商品等に関する商品等情報を含んでもよい。商品等情報を含むことにより、後述する応対指令の送信において、応対者端末5に商品等情報を送信できる。応対者は、商品等情報を用いた、より的確な商品説明を行える。商品等情報は、特に限定されない。商品等情報は、例えば、商品等を説明する商品説明、商品等に関する画像、商品等に関するAR(Augmented  Reality;拡張現実)データ、店頭在庫数、口頭説明を要するか否かの情報、等を含む。商品説明を含むため、応対者は、商品説明を用いたより的確な商品説明を行える。画像及び/又はARデータを含むため、応対者は、商品の画像やARデータを用いたより的確な商品説明を行える。店頭在庫数を含むため、応対者は、店頭在庫がない場合に、商品等の取り寄せに関する対応を応対の前に準備して、より的確な商品説明を行える。口頭説明を要するか否かの情報を含むため、応対者は、口頭説明を要する商品等について応対の前に準備して、より的確な商品説明を行える。
 
【0094】
  棚札テーブル223が含む電子棚札4に関する情報について、
図10を用いてより詳細に説明する。ID:0001の行は、電子棚札4を識別するIDが0001である電子棚札4に関する情報を記憶している。
図10では、棚札識別情報として、棚札を識別する二次元コード及び文字列が記憶されている。棚札識別情報が二次元コードを含むことにより、ステップS31において送信された呼出指令が、電子棚札4に二次元コードの形式で表示された棚札識別情報444を含んでいても、電子棚札4に関する情報を読み出せる。棚札識別情報が文字列を含むことにより、ステップS31において送信された呼出指令が、文字列の形式による棚札識別情報を含んでいても、電子棚札4に関する情報を読み出せる。グループ情報には、電子棚札4に関する商品のJANコードである4912345678904と、小物類という商品分類とが記憶されている。グループ情報がJANコードを含むことにより、商品等の種別ごとに割り当てられたJANコードに基づく電子棚札4の表示内容の更新を行える。グループ情報が商品分類を含むことにより、後述する応対指令送信において、グループ情報が含む商品分類に基づいて、適切な商品知識を有する応対者に割り当てられた応対者端末5に応対指令を送信できる。
 
【0095】
  商品等情報には、商品等を説明する商品説明、商品等に関する画像、商品等に関するARデータ、店頭在庫数、口頭説明を要するか否かの情報、が含まれている。商品等を説明する商品説明には、USBケーブル(2m)という商品の名称、USB3.0というこのケーブルが対応している通信規格、Type  Aオスというコネクタ形状等の商品等に関する商品説明が記憶されている。したがって、応対者は、商品説明に含まれるこれらの情報を用いた的確な説明を行える。画像には、商品等に関する画像が記憶され、ARデータには、商品等に関するARデータが記憶されている。画像及び/又はARデータを含むため、応対者は、商品の画像やARデータを用いたより的確な商品説明を行える。店頭在庫数には、商品等の店頭在庫が10個であることを示す「10」が記憶されている。店頭在庫数を含むため、応対者は、店頭在庫がない場合に、商品等の取り寄せに関する対応を応対の前に準備して、より的確な商品説明を行える。口頭説明には、口頭説明を要するか否かの情報が含まれている。これにより、応対者は、口頭説明を要する商品等について応対の前に準備して、より的確な商品説明を行える。
 
【0096】
[ステップS33:所定範囲内に応対者端末があるか否かを判定]
  
図8に戻る。制御部21は、記憶部22及び通信部23と協働して応対指令送信部215を実行し、棚札位置から所定範囲内に応対者端末5があるか否かを判定する(ステップS33)。応対者端末5があるなら、制御部21は、処理をステップS34に移す。応対者端末5がないならば、制御部21は、所定の例外処理を行い、処理をステップS1に戻し、ステップS1からS3を繰り返す。所定範囲内に応対者端末があるか否かを判定するため、棚札位置から所定範囲内に応対者端末5がない場合に、サーバ2の管理者や応対者に顧客への応対を促す所定の例外処理を行える。所定範囲内であるか否かの判定手段は、特に限定されない。所定範囲内であるか否かの判定手段として、例えば、棚札位置から一定距離内であるか否かに基づく判定手段、棚札位置から一定時間内に移動できるか否かに基づく判定手段、が挙げられる。所定の例外処理は、特に限定されない。所定の例外処理として、例えば、1つ又は複数の応対者端末5及び/又はサーバ2の管理者に、所定範囲内に応対者端末5がないことを報知して顧客への応対を促す処理が挙げられる。
 
【0097】
  図11は、棚札位置から所定範囲内に応対者端末5があるか否かを判定する処理を示す概念図である。
図11は、店舗800において、顧客821が、電子棚札822に関する商品等に興味を持ち、電子棚札822に紐付けられた棚札識別情報を含む呼出指令を送信した場合を示している。また、店舗800には、応対者823、824、825がいる。
 
【0098】
  図11(A)は、棚札位置から一定距離内であるか否かに基づく判定手段を用いた、棚札位置から所定範囲内に応対者端末5があるか否かを判定する処理の一例である。電子棚札822の棚札位置から一定距離内を示す範囲831には、応対者823が含まれる。したがって、応対指令送信部215は、棚札位置から所定範囲内に応対者端末5があると判定する。棚札位置から一定距離内であるか否かに基づく判定手段を用いれば、2点間の距離を求める簡易な計算によって、棚札位置から所定範囲内に応対者端末5があるか否かを判定できる。
 
【0099】
  図11(B)は、棚札位置から一定時間内に移動できるか否かに基づく判定手段を用いた、棚札位置から所定範囲内に応対者端末5があるか否かを判定する処理の一例である。電子棚札822の棚札位置から一定時間内に移動できることを示す範囲832は、店舗800が備える壁や陳列棚等の障害物を考慮して設定されうる。範囲832には、応対者824が含まれる。したがって、応対指令送信部215は、棚札位置から所定範囲内に応対者端末5があると判定する。棚札位置から一定時間内に移動できるか否かに基づく判定手段を用いれば、店舗800が備える壁や陳列棚等の障害物を考慮した、迅速な応対の可否とより深く関連する基準によって、棚札位置から所定範囲内に応対者端末5があるか否かを判定できる。
 
【0100】
[ステップS34:応対指令の送信]
  
図8に戻る。制御部21は、記憶部22と協働して応対指令送信部215を実行し、棚札位置から所定範囲内にある応対者端末5に応対指令を送信する(ステップS32)。制御部21は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS3を繰り返す。応対指令は、棚札識別情報に紐付けられた、顧客の周囲にある電子棚札4の棚札位置を含む。棚札位置から所定範囲内にある応対者端末5に応対指令を送信するため、応対者は、顧客の求めに応じて迅速に顧客のところに向かい、的確な商品説明を行える。
 
【0101】
  応対指令送信部215は、さらに、呼出指令を送信した顧客端末9及び/又は受信した棚札識別情報に紐付けられた電子棚札4に、顧客の位置まで応対者が移動するのにかかる時間を表示して報知するよう指令してもよい。顧客の位置まで応対者が移動するのにかかる時間を表示して報知するよう指令することにより、顧客は、応対者が到着するまでの時間がわかり、安心して待つことができる。これにより、応対者がいつ来るのかわからず不安を感じた顧客が何度も呼出指令を送信して必要以上の人数の応対者を呼び出すことを避けられる。そして、一人の顧客のところに必要以上の人数の応対者が集中して、応対者が他の顧客のところへ迅速に向かえない状況を避けられる。また、顧客は、応対者が到着するまでの時間がわかるため、他の商品を見るなどして応対者が到着するまでの時間を有効利用でき、顧客満足度が高まる。したがって、顧客の求めに応じて販売員が迅速に顧客のところに向かい的確な商品説明を可能にする体制を、経営面で可能な限り効率よく提供することができる。
 
【0102】
  図11を用いて、棚札位置から所定範囲内にある応対者端末5への応対指令の送信について説明する。
図11は、店舗800において、顧客821が、電子棚札822に関する商品等に興味を持ち、電子棚札822に紐付けられた棚札識別情報を含む呼出指令を送信した場合を示している。また、店舗800には、応対者823、824、825がいる。
 
【0103】
  図11(A)は、顧客位置から一定距離内であるか否かに基づく判定手段を用いて、棚札位置から所定範囲内に応対者端末5があるか否かを判別する場合を示している。
図11(A)では、顧客821の周辺にある電子棚札822の棚札位置から一定距離内を示す範囲831の中に、応対者823がいる。応対指令送信部215は、応対者823に割り当てられた応対者端末5に、応対指令を送信する。応対者823は、応対指令に応じて、棚札位置で示される位置の周辺にいる顧客のところに迅速に向かい、的確な商品説明を行う。
 
【0104】
  図11(B)は、顧客位置から一定時間内に移動できるか否かに基づく判定手段を用いて、棚札位置から所定範囲内に応対者端末5があるか否かを判別する場合を示している。
図11(B)では、顧客821の周辺にある電子棚札822の棚札位置から一定時間内に移動できることを示す範囲832の中に、応対者824がいる。応対指令送信部215は、応対者824に割り当てられた応対者端末5に、応対指令を送信する。応対者824は、応対指令に応じて、棚札位置で示される位置の周辺にいる顧客のところに迅速に向かい、的確な商品説明を行う。
 
【0105】
  応対指令送信部215は、応対者端末テーブル222に記憶された手すき状態を用いて、手すき状態である応対者端末5に応対指令を送信してもよい。ある顧客に商品説明を行っていて手すき状態でない応対者に、別の顧客からの呼出指令に応じて、応対が指令されると、応対者は、このある顧客への商品説明を中断して別の顧客のところに向かうか、このある顧客への商品説明を終えてから別の顧客のところに向かうかを選ぶことになる。前者であれば商品説明を中断されたこのある顧客の顧客満足度が下がり、後者であれば別の顧客のところへ迅速に向かえず、別の顧客の顧客満足度が下がる。すなわち、手すき状態でない応対者を割り当てられた応対者端末5に応対指令が送信されると、応対者が最善を尽くしても、いずれかの顧客の顧客満足度を下げてしまう。手すき状態である応対者端末5に応対指令を送信すれば、手すき状態である応対者が応対を指令されて迅速に顧客のところに向かうため、他の顧客の顧客満足度を下げることなく、呼出指令を送信した顧客の顧客満足度を高めることができる。したがって、顧客の求めに応じて手すき状態の販売員が迅速に顧客のところに向かい的確な商品説明を可能にする体制を、経営面で可能な限り効率よく提供することができる。
 
【0106】
  応対指令送信部215は、応対者端末テーブル222に記憶された商品知識を用いて、棚札識別情報に関する商品等の知識を有する応対者を割り当てられた応対者端末5に応対指令を送信してもよい。商品等の知識を有する応対者を割り当てられた応対者端末5に応対指令を送信することにより、顧客が必要としている知識のある応対者が、応対を行える。これにより、呼び出された応対者が知識の不足のために的確な商品説明を行えず、顧客満足度を下げることを防げる。したがって、顧客の求めに応じて商品等に関する知識のある販売員が迅速に顧客のところに向かい的確な商品説明を可能にする体制を、経営面で可能な限り効率よく提供することができる。
 
【0107】
  データ連携システム1は、ステップS2及びステップS3を実現する上述の手順で応対者端末5に応対指令を送信するため、顧客の求めに応じて販売員が迅速に顧客のところに向かい的確な商品説明を可能にする体制を経営面で可能な限り効率よく提供できる。
 
【0108】
<データ連携サーバの使用例>
  続いて、本実施形態におけるサーバ2の使用例を説明する。
 
【0109】
  本実施形態によると、サーバ2は、ネットワーク6を介し、コンピュータ3、電子棚札4及び応対者端末5と接続可能に構成されている。
 
【0110】
〔更新情報の送信〕
  小売業者は、コンピュータ3を介してサーバ2に、タイムセールの開始時刻に電子棚札4の表示をタイムセール価格の態様に更新する更新情報を送信する。小売業者は、タイムセールの終了時刻に電子棚札4の表示を通常価格の態様に更新する更新情報を送信することもできる。
 
【0111】
〔更新情報の受信と記憶〕
  サーバ2は、コンピュータ3から送信された更新情報を受信し、更新情報テーブル221に記憶する。
 
【0112】
〔更新指令の送信〕
  更新情報に含まれる更新予定時刻になると、サーバ2は、電子棚札4に電子棚札4の表示を更新する更新指令を送信する。タイムセールの開始時刻であれば、電子棚札4の表示をタイムセール価格の態様に更新する更新指令が送信される。タイムセールの終了時刻であれば、電子棚札4の表示を通常価格の態様に更新する更新指令が送信される。
 
【0113】
〔表示の更新〕
  電子棚札4は、更新指令を受信し、更新指令に含まれる更新内容を用いて表示部44の表示を更新する。タイムセールの開始時刻であれば、表示部44の表示がタイムセール価格の態様に更新される。タイムセールの終了時刻であれば、表示部44の表示が通常価格の態様に更新される。
 
【0114】
  本実施形態に記載のサーバ2によれば、更新情報受信部221は、コンピュータ3から更新内容及び更新予定時刻を含む更新情報を受信して更新情報テーブル221に記憶する。更新情報は、商品名、商品価格、図表等を有する更新内容を含むため、電子棚札4にこれらの多様な更新内容を表示する、効果的なタイムセールを実現できる。更新情報は、更新予定時刻を含むため、タイムセールの開始時刻、終了時刻等の更新予定時刻に、電子棚札4の表示を更新してタイムセールを実現できる。
 
【0115】
  更新情報テーブル221は、ID、送信済フラグ、更新予定時刻、更新内容を含むため、更新予定時刻に未送信の更新情報を読み出して、電子棚札4の表示を更新内容に応じて変更する更新指令を確実に送信できる。
 
【0116】
  更新指令部212は、更新予定時刻に更新情報に対応する更新指令を送信する。タイムセールの開始時刻に、電子棚札4の表示をタイムセール価格の態様に更新する更新指令が送信され、タイムセールの終了時刻に、電子棚札4の表示を通常価格の態様に更新する更新指令が送信されるため、タイムセールの開始時刻に電子棚札4の表示がタイムセール価格の態様に更新され、終了時刻に電子棚札4の表示が通常価格の態様に更新される。これにより、時間帯に応じて電子棚札4に表示される商品表示情報を変更する、電子棚札4を用いたタイムセールを実現できる。
 
【0117】
〔応対者端末位置の取得〕
  端末位置取得部213は、応対者端末5の位置を取得し、応対者端末テーブル222に記憶する。
 
【0118】
〔呼出指令の受信〕
  電子棚札4に関する商品等に興味を持った顧客は、顧客端末9、電子棚札4の呼出指令送信部46等を介してサーバ2に棚札識別情報を含む呼出指令を送信する。呼出指令受信部214は、呼出指令を受信し、棚札テーブル223から棚札識別情報に紐付けられた棚札位置を読み出す。
 
【0119】
〔応対指令の送信〕
  応対指令送信部215は、棚札位置から所定範囲内にある応対者端末5の有無を判定する。棚札位置から所定範囲内に応対者端末5があれば、所定範囲内にある応対者端末5に棚札位置を含む応対指令を送信する。そして、応対者端末5を割り当てられた応対者は、棚札位置を用いて迅速に電子棚札4の周辺にいる顧客のところに向かい、商品説明を行う。棚札位置から所定範囲内に応対者端末5がなければ、サーバ2の管理者や応対者に顧客への応対を促す所定の例外処理を行う。
 
【0120】
  よって、本実施形態に記載のサーバ2によれば、時間帯に応じて電子棚札に表示される商品表示情報を変更可能にすることで、小売業者の労力を軽減するデータ連携サーバを提供できる。
 
【0121】
<変形例>
  以下、本実施形態に記載の発明における種々の変形例を例示する。
 
【0122】
〔変形例1〕  (更新指令の履歴の比較)
  本変形例では、更新指令部による更新指令の送信履歴と、外部装置が更新指令を受信したことを示す更新指令の受信履歴とを比較する履歴比較部をさらに備える。
 
【0123】
  外部装置は、特に限定されない。外部装置として、電子棚札4、電子棚札4の表示を更新するサーバ装置、データ連携サーバ2と電子棚札4との通信を中継するゲートウェイ、等が挙げられる。
 
【0124】
  図12は、本変形例における送信履歴及び受信履歴の一例と、送信履歴と受信履歴との比較の一例とを示す図である。
図12(A)は、更新指令部による更新指令の送信履歴の一例を示す図である。
図12(B)は、更新指令部による更新指令の受信履歴の一例を示す図である。
図12(C)は、履歴比較部による送信履歴と受信履歴との比較を示す概念図である。
 
【0125】
  図12(A)に示す送信履歴は、送信された更新指令に対応する更新情報のIDと、更新指令の送信時刻とを含む。IDを含むことにより、送信履歴に対応する更新情報を容易に特定できる。同様に、更新情報に対応する送信履歴も、容易に特定できる。送信時刻を含むことにより、更新指令が送信された時刻を取得できる。
 
【0126】
  図12(B)に示す受信履歴は、外部装置が受信した更新指令に対応する更新情報のIDと、更新指令の受信時刻とを含む。IDを含むことにより、受信履歴に対応する更新情報を容易に特定できる。同様に、更新情報に対応する受信履歴も、容易に特定できる。受信時刻を含むことにより、更新指令が受信された時刻を取得できる。
 
【0127】
  図12(C)は、
図12(A)に示した送信履歴と、
図12(B)に示した受信履歴との比較を示している。送信履歴は、ID:0001、ID:0002、ID:0003の更新情報に対応する更新指令が送信されたことを示しているが、受信履歴は、ID:0001、ID:0003の更新情報に対応する更新指令が受信されたことを示しており、ID:0002の更新情報に対応する更新指令は受信されていない。このように、送信履歴と受信履歴とを比較することで、ID:0002の更新情報に対応する更新指令のようなサーバ2が送信したにもかかわらず、外部装置によって受信されていない更新指令を特定できる。サーバ2は、このようにして特定した更新指令を、再度送信できる。したがって、更新指令がより確実に送信され、電子棚札4への棚札識別情報の表示がより確実に行われる。これにより、時間帯に応じて電子棚札に表示される商品表示情報をより確実に変更可能にすることで、小売業者の労力を軽減するデータ連携サーバを提供できる。
 
【0128】
  図12(C)に示すID:0003の更新情報に対応する更新指令の送信履歴及び受信履歴の比較では、受信時刻が送信時刻に対して2分間遅れている。送信履歴と受信履歴とを比較することで、ID:0003の更新情報に対応する更新指令のような、送信から受信までに時間がかかった更新指令を特定できる。サーバ2は、このようにして特定した送信から受信までに時間がかかった更新指令や送信時刻と受信時刻との差を、コンピュータ3等を介して小売業者に通知できる。これにより、小売業者はデータ連携システム1のネットワーク6を見直すなどの対応を行い、電子棚札4への棚札識別情報の表示をより確実なものとできる。したがって、時間帯に応じて電子棚札に表示される商品表示情報をより確実に変更可能とすることで、小売業者の労力を軽減するデータ連携サーバを提供できる。
 
【0129】
  本変形例によれば、更新指令部による更新指令の送信履歴と、外部装置が更新指令を受信したことを示す更新指令の受信履歴とを比較して、サーバ2と外部装置との間の更新指令の整合性を検証できる。そして、サーバ2は、この検証結果を用いて、更新指令を再度送信する等して、電子棚札4に表示される商品表示情報をより確実に変更できる。したがって、時間帯に応じて電子棚札4に表示される商品表示情報をより確実に変更して、小売業者の労力(人的コスト、金銭的コスト)を大きく軽減可能なデータ連携サーバ2を提供できる。
 
【0130】
〔変形例2〕  (更新指令の順次送信)
  本変形例では、更新指令部は、略同一の更新予定時刻に紐付けられた複数の更新指令情報を所定の時間間隔をおいて外部に順次送信可能である。複数の更新指令情報を所定の時間間隔をおいて外部に順次送信することにより、略同一の更新予定時刻に紐付けられた複数の更新指令情報が、ネットワーク6の通信帯域が許す上限を超えて送信され、ネットワーク6に通信要求過多による輻輳崩壊や、更新指令情報の不達等の通信障害を引き起こすことを防げる。したがって、略同一の更新予定時刻に紐付けられた複数の更新指令情報があっても、電子棚札4の表示が、これら複数の更新指令情報によってより確実に更新される。
 
【0131】
  所定の時間間隔は、1秒以上であることが好ましく、5秒以上であることがさらに好ましく、20秒以上であることが最も好ましい。このような所定の時間間隔をおくことにより、表示更新指令の送信に必要な時間を確保でき、電子棚札4の表示情報がより確実に更新される。所定の時間間隔は、10分以下であることが好ましく、5分以下であることがさらに好ましく、3分以下であることが最も好ましい。このような所定の時間間隔をおくことにより、十分に短い遅延で、電子棚札4の表示が更新される。
 
【0132】
  以下、
図13を参照しながら、略同一の更新予定時刻に紐付けられた複数の更新指令情報を所定の時間間隔をおいて外部に順次送信するデータ連携の手順について説明する。
 
【0133】
〔更新指令を順次送信するデータ連携に関するフローチャート〕
  
図13は、本変形例におけるステップS1の更新指令の送信処理を行う手順を示すフローチャートの一例である。本変形例の記憶部22は、最終送信時刻を記憶する最終送信時刻変数を含む。
 
【0134】
[ステップS11:更新情報を受信したか判定]
[ステップS12:更新情報を記憶]
  ステップS11及びステップS12は、ステップS13の代わりにステップS51に処理を移すことを除き、上述の基本実施例における更新指令の送信に関する処理と同様である。
 
【0135】
[ステップS51:最終送信時刻から所定時間が経過したか判定]
  制御部21は、記憶部22と協働して更新指令部212を実行し、最終送信時刻変数から最終送信時刻を読み出し、最終送信時刻から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS51)。所定時間が経過していれば、制御部21は、処理をステップS13に移す。所定時間が経過していなければ、制御部21は、処理をステップS2に移す。
 
【0136】
  最終送信時刻から所定時間が経過したか否かを判定することにより、略同一の更新予定時刻に紐付けられた複数の更新指令情報が、ネットワーク6の通信帯域が許す上限を超えて送信されることを防げる。したがって、無線通信を用いて構成されているなどによりネットワーク6の通信帯域が限られていても、略同一の時刻における複数の更新指令情報の送信が、ネットワーク6に通信要求過多による輻輳崩壊や、更新指令情報の不達等の通信障害を引き起こすことを防げる。
 
【0137】
[ステップS13:未送信の更新情報があるか判定]
[ステップS14:未送信の更新情報を読み出す]
[ステップS15:更新指令を送信]
  ステップS13からステップS15は、上述の基本実施例における更新指令の送信に関する処理と同様である。
 
【0138】
[ステップS16:送信済フラグの付与]
  ステップS16は、ステップS2に処理を移す代わりにステップS52に処理を移すことを除き、上述の基本実施例における更新指令の送信に関する処理と同様である。
 
【0139】
[ステップS52:最終送信時刻の更新]
  制御部21は、記憶部22と協働して更新指令部212を実行し、最終送信時刻変数に現在時刻を記憶する(ステップS52)。制御部21は、処理をステップS2に移す。
 
【0140】
  最終送信時刻変数に現在時刻を記憶することにより、最終送信時刻から所定時間が経過する前に更新指令を送信することを防げる。したがって、略同一の時刻における複数の更新指令情報の送信が、通信要求過多による輻輳崩壊や、更新指令の不達等の通信障害をネットワーク6に引き起こすことを防げる。ネットワーク6の通信障害が防がれるため、更新指令は、電子棚札4により確実に受信され、電子棚札4の表示を更新する。
 
【0141】
  本変形例によれば、サーバ2と電子棚札4との通信における通信帯域が限られている等によって同時に複数の更新指令を送信できない場合でも、複数の更新指令を順次送信して電子棚札4の表示を順次変更できる。したがって、本変形例によれば、略同一の更新予定時刻に紐付けられた複数の更新指令情報を同時に送信できない場合であっても、時間帯に応じて電子棚札4に表示される商品表示情報を順次変更して、小売業者の労力(人的コスト、金銭的コスト)を大きく軽減可能なデータ連携サーバ2を提供できる。
 
【0142】
〔変形例3〕  (周囲情報の取得)
  本変形例では、複数の電子棚札4のうち少なくとも一部の電子棚札4は、周囲の状況に関する情報(周囲情報)を検知して取得可能な周囲情報取得部45と、前記周囲情報を外部に送信可能な周囲情報送信部411とをさらに備え、サーバ2は、周囲情報を受信して顧客分布を作成する周囲情報受信部216をさらに備える。
図14は、本変形例におけるデータ連携システム1のシステム構成を示す図である。本変形例では、コンピュータ3は、表示部34を含むこともできる。表示部34を含むことにより、顧客分布を表示部34に表示できる。
 
【0143】
  周囲情報取得部45は、特に限定されない。周囲情報取得部45として、例えば、赤外線、超音波等を用いて周囲の人間の所在を感知する人感センサ、周囲を撮影するカメラ装置、周囲の音を集音するマイクロフォン等が挙げられる。周囲情報取得部45は、周囲の人間の所在を感知する人感センサを含むことが好ましい。人感センサを含むことにより、周囲情報取得部45の実現にかかるコストを抑えつつ、電子棚札4が含む人感センサが感知した周囲の人間の所在から、顧客分布を作成できる。
 
【0144】
  図15は、本変形例における周囲情報の取得と、顧客分布の作成を示す概念図である。
図15(A)は、店舗800を示す図である。店舗800には、周囲情報取得部45及び周囲情報送信部411を備える電子棚札801、802、803、804が設置されている。電子棚札801は、その周囲に3人の顧客811がいることを感知し、周囲情報送信部411を介して感知した顧客の人数をサーバ2に送信する。サーバ2の周囲情報受信部216はこの顧客の人数を受信し、電子棚札801に対応する顧客分布表示領域341にこの人数を表示するよう、コンピュータ3に指令する。そして、コンピュータ3の表示部34の顧客分布表示領域341に、電子棚札801の周囲に3人の顧客がいることを示す情報が表示される(
図15(B))。同様に、電子棚札802、803、804もそれぞれの周囲にいる顧客の人数を検知して送信し、対応する顧客分布表示領域342、343、344に、電子棚札802、803、804の周囲にいる顧客の人数2人、1人、0人を示す情報が表示される(
図15(B))。こうやって、周囲情報取得部45が検知して取得した周囲情報から、
図15(B)に示す顧客分布が作成され、表示部34に表示される。
 
【0145】
  このように周囲情報から顧客分布を作成することにより、コンピュータ3を利用する店舗800の管理者は、応答者に顧客の人数が多い電子棚札801の周囲や、電子棚札802の周囲で作業し、顧客への応対に備えるよう指示できる。あるいは、周囲情報受信部216は、コンピュータ3ではなく、応答者端末5に顧客分布を表示するよう指令し、応答者それぞれが顧客への応対に備えて顧客の人数が多い場所へ移動することもできる。したがって、顧客の求めに応じて販売員が迅速に顧客のところに向かい的確な商品説明を可能にする体制を経営面で可能な限り効率よく提供することの可能なデータ連携システムを提供できる。
 
【0146】
  本変形例によれば、電子棚札4から送信された周囲情報を用いて、ある時間帯に所定の条件を満たす周囲情報を送信した電子棚札4の表示のみを変更するなど、時間帯に応じた電子棚札4の表示変更をより柔軟に行い、小売業者の労力(人的コスト、金銭的コスト)を大きく軽減可能なデータ連携サーバ2を提供できる。さらに、本変形例によれば、サーバ2は、複数の電子棚札4が検知した周囲の状況を受信し、周囲の状況から顧客分布を作成可能であるため、応対者は、より迅速に顧客のところへ向かえるよう、顧客分布に基づいた位置で応対指令の受信を待機できる。したがって、顧客の求めに応じて販売員が迅速に顧客のところに向かい的確な商品説明を可能にする体制を、経営面で可能な限り効率よく提供することができる。
 
【0147】
〔変形例4〕  (中継装置を介した更新指令の送信)
  本変形例では、データ連携システム1は、ネットワーク6を介してサーバ2と接続可能な1つ又は複数の中継装置7を備え、電子棚札4は、ネットワーク6とは異なるネットワーク8を介して中継装置7と接続可能に構成されている。
 
【0148】
  中継装置7は、特に限定されない。中継装置7として、更新指令の受信に応じて電子棚札4に表示を更新する指令を送信するサーバ装置、電子棚札4に表示を更新する指令を中継するゲートウェイ等が挙げられる。中継装置7は、サーバ2が送信した更新指令を、電子棚札4の表示の更新に適した書式の指令に変換可能であってもよい。電子棚札4は、開発者や販売者の違い等によって、表示更新を行う更新指令の書式が異なる場合がある。中継装置7が、更新指令を変換可能であることにより、更新指令の書式が相異なる電子棚札4が含まれていたとしても、サーバ2は、これらの書式の違いに対応するための多額の開発コストを費やすことなく、電子棚札4の表示を更新できる。したがって、更新指令の書式が相異なる電子棚札4を用いた、時間帯に応じて電子棚札に表示される商品表示情報を変更可能にすることで、小売業者の労力を軽減するデータ連携サーバを提供できる。
 
【0149】
  ネットワーク8は、特に限定されない。通信ケーブルがない場所であっても電子棚札4をネットワーク8に接続できることから、ネットワーク8は、Wi−Fiネットワーク、Bluetooth規格に対応した近距離無線通信網等の無線通信ネットワークを含むことが好ましい。
 
【0150】
  データ連携システム1は、ネットワーク6を介してサーバ2と接続可能な1つ又は複数の中継装置7を備え、電子棚札4は、ネットワーク6とは異なるネットワーク8を介して中継装置7と接続可能に構成されていることにより、ネットワーク6を長距離の通信に適したインターネット等で構成し、ネットワーク8を通信距離において劣るものの通信ケーブルを必要としない長所を備えた無線通信ネットワークで構成することができる。したがって、本変形例によれば、サーバ2から離れた場所であっても通信ケーブルを用いない電子棚札4の設置が可能となり、スペース等の理由からサーバ2を設置できず、通信ケーブルも設置できない店舗に対しても、時間帯に応じて電子棚札に表示される商品表示情報を変更可能にすることで、小売業者の労力を軽減するデータ連携システム1を提供できる。
 
【0151】
〔変形例5〕  (商品等情報を用いた応対指令の送信)
  本変形例では、サーバ2は、顧客端末9から商品等に関する商品等情報の表示指令を受信可能な表示指令受信手段と、顧客端末9に、商品等情報の表示指令を送信可能な表示指令送信部と、をさらに備え、応対指令送信部215は、呼出指令を受信した場合のほか、商品等情報が所定情報である場合も、顧客の位置から所定範囲内にある応対者端末5に前記応対指令を送信可能であるよう構成されている。
 
【0152】
〔応対者端末位置の取得処理の流れ〕
  
図17は、本変形例において、ステップS3の手順の後に実行される商品等情報の送信処理手順の一例を示すフローチャートである。以下では、
図17を参照しながら、商品等情報の送信処理の好ましい手順についてより詳しく説明する。
 
【0153】
[ステップS41:表示指令を受信したか判定]
  まず、制御部21は、記憶部22及び通信部23と協働して表示指令送信部を実行し、顧客端末9から表示指令を受信したか否かを判定する(ステップS41)。表示指令を受信したならば、制御部21は、処理をステップS42に移す。表示指令を受信していないならば、制御部21は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からS47を繰り返す。
 
【0154】
[ステップS42:商品等情報の読出]
  制御部21は、記憶部22及び通信部23と協働して表示指令送信部を実行し、記憶部22に記憶された商品等情報を読み出す(ステップS42)。制御部21は、処理をステップS43に移す。商品等情報は、棚札テーブル223に記憶させてもよく、商品等情報を記憶する別のテーブルに記憶させてもよい。
 
【0155】
  商品等情報は、特に限定されない。商品等情報は、例えば、商品等を説明する商品説明、商品等に関する画像、商品等に関するAR(Augmented  Reality;拡張現実)データ、店頭在庫数、口頭説明を要するか否かの情報、等を含む。商品説明を含むことにより、顧客は呼出指令を送信することなく、商品等に関する商品説明を得られる。画像及び/又はARデータを含むことにより、顧客は呼出指令を送信することなく、商品等に関する画像及び/又はARデータを閲覧できる。店頭在庫数を含むことにより、顧客は、応対者に取り寄せを依頼するために呼出指令を送信するか否かを検討できる。口頭説明を要するか否かの情報を含むことにより、顧客は、購入に際して呼出指令を送信して応対者を呼び出す必要があるか否かを判断しうる。
 
【0156】
[ステップS43:商品等情報の送信]
  
図17に戻る。制御部21は、記憶部22及び通信部23と協働して表示指令送信部を実行し、ステップS42で読み出した商品等情報を、ステップS41で受信した表示指令を送信した顧客端末9に送信する(ステップS43)。制御部21は、処理をステップS44に移す。商品等情報を顧客端末9に送信するため、顧客は商品等情報を得られ、顧客満足度が高まる。
 
【0157】
[ステップS44:商品等情報が所定情報か判定]
  制御部21は、記憶部22及び通信部23と協働して応対指令送信部215を実行し、商品等情報が所定情報か否かを判定する(ステップS44)。商品等情報が所定情報であれば、制御部21は、処理をステップS45に移す。商品等情報が所定情報でなければ、制御部21は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からS47を繰り返す。商品等情報が所定情報か否かを判定するため、商品等情報が所定情報である場合に、応対指令を送信して応対者に応対を指令できる。
 
【0158】
  図10を用いて、商品等情報が所定情報である場合の一例を説明する。
図10の棚札テーブル223のID:0002には、店頭在庫数が0であることが記憶されている。このような場合、応対者が呼び出されれば、この商品の取り寄せ手段や、倉庫に在庫があるか否かを顧客に説明することで、顧客満足度を高めうる。しかし、顧客は、店頭在庫がない場合に呼出指令を送信して応対者を呼び出すとは限らない。応対者が呼び出されなければ、商品の取り寄せ手段や倉庫に在庫があること等を伝えられないため、顧客は商品を購入できず、顧客満足度が下がる。所定情報として店頭在庫数が0であることを用い、店頭在庫数が0である場合に応対指令を送信すれば、応対者は、顧客のところへ迅速に向かい、取り寄せ手段や倉庫の在庫の有無等の的確な商品説明を行える。
 
【0159】
  図10の棚札テーブル223のID:0003には、口頭説明が必要であることが記憶されている。このような場合、応対者が呼び出されれば、必要な口頭説明を行って、顧客満足度を高めうる。この例では、応対者は、商品が中古であること、商品に傷があること、商品の配送地域が限られることを説明して、顧客満足度を高めうる。しかし、顧客は、口頭説明が必要であることを知らないから、呼出指令を送信して応対者を呼び出すとは限らない。応対者が呼び出されなければ、購入手続きをはじめるまでこれらの口頭説明が行われないだろう。そして、購入手続きを行おうとした顧客が、商品が中古である、商品に傷がある、商品の配送地域に含まれない等で商品を購入しなければ、的確な説明が行われなかったために無駄足を踏まされたと感じて、顧客満足度が低下しうる。所定情報として口頭説明を必要とすることを用いて応対指令を送信すれば、応対者は、顧客のところへ迅速に向かい、的確な商品説明を行える。
 
【0160】
[ステップS45:棚札位置の読出]
  
図17に戻る。ステップS45は、制御部21が、処理をS46に移すことを除き、上述のステップS32と同じである。
 
【0161】
[ステップS46:所定範囲内に応対者端末があるか判定]
  ステップS46は、所定範囲内に応対者端末がある場合に、制御部21が、処理をS47に移すことを除き、上述のステップS33と同じである。
 
【0162】
[ステップS47:所定範囲内にある応対者端末に応対指令を送信]
  ステップS47は、上述のステップS34と同じである。
 
【0163】
  本変形例によれば、顧客端末9から電子棚札4に関する商品及び/又は役務に関する商品等情報の表示指令を受信し、顧客端末9に、商品等情報の表示指令を送信して、顧客端末9に商品等情報を表示できる。すなわち、電子棚札4に表示された表示情報以外の有益な情報を顧客端末9に表示して、顧客満足度を高められる。これにより、商品等情報の表示で足りる商品説明のための呼出指令の送信頻度が軽減されうる。そして、商品等情報の表示で足りる商品説明に費やす時間が軽減された応対者は、応対者の説明を要する商品等の内容に関して、より多くの時間をかけて的確な説明を行い、顧客満足度を高めうる。あるいは、応対者数の対顧客数比をより低くして、経営面での効率を高めることもできる。したがって、顧客の求めに応じて販売員が迅速に顧客のところに向かい的確な商品説明を可能にする体制を、経営面で可能な限り効率よく提供することができる。
 
【0164】
  さらに、本変形例によれば、商品等情報が所定情報である場合も、顧客の位置から所定範囲内にある応対者端末5に応対指令を送信して、応対者に応対を指令できる。例えば、商品等情報が、店頭在庫がないという所定情報であることに応じて応対者に応対を指令すれば、応対者は、顧客のところへ迅速に向かい、店頭在庫はないが取り寄せ可能であるとの商品説明を行い、顧客満足度を高められる。あるいは、商品等情報が、応対者の説明がなければ販売できない商品だとの所定情報であることに応じて応対者に応対を指令すれば、応対者は、顧客のところへ迅速に向かい、商品の販売に必要な商品説明を行い、顧客満足度を高められる。所定情報がその他の情報である場合も同様に、応対者は、顧客のところへ迅速に向かい的確な商品説明を行える。このように、商品等情報が所定情報である場合にも応対指令を送信することで、応対者は、呼出指令の受信を待つことなく迅速に顧客のところに向かい的確な商品説明を行える。したがって、顧客の求めに応じて販売員が迅速に顧客のところに向かい的確な商品説明を可能にする体制を、経営面で可能な限り効率よく提供することができる。
 
【0165】
〔変形例6〕  (移動状況の報知)
  本変形例では、サーバ2は、応対指令の送信対象である応対者端末5から送信された移動開始情報を受信可能な移動開始情報受信部と、移動開始情報を受信した場合に、応対者が顧客の位置に向かっていることの顧客への報知を指令する移動状況報知指令部とをさらに備える。
 
【0166】
〔移動状況の送信処理の流れ〕
  
図18は、本変形例において、ステップS3の手順の後に実行される移動状況の送信処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下では、
図18を参照しながら、移動状況の送信処理の好ましい手順についてより詳しく説明する。
 
【0167】
[ステップS51:移動開始情報を受信したか判定]
  制御部21は、記憶部22と協働して移動開始情報受信部を実行し、応対者端末5から移動開始情報を受信したか否かを判定する(ステップS51)。移動開始情報を受信しているならば、制御部21は、処理をステップS52に移す。移動開始情報を受信していないならば、制御部21は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS52を繰り返す。移動開始情報を受信したか否かを判定するため、応対者の移動状況を、顧客に報知できる。
 
【0168】
[ステップS52:移動状況の送信]
  制御部21は、記憶部22と協働して移動状況報知指令部212を実行し、呼出指令を送信した顧客端末9及び/又は棚札識別情報に紐付けられた電子棚札4に応対者が顧客の位置に向かっていることを報知するよう指令する(ステップS52)。制御部21は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS52を繰り返す。顧客端末9に応対者が顧客の位置に向かっていることを報知するよう指令するため、顧客は、応対者がやってきて応対されることを知り、応対者の到着まで安心して待つことができる。棚札識別情報に紐付けられた電子棚札4に応対者が顧客の位置に向かっていることを報知するため、顧客は、電子棚札4の表示によって、応対者がやってきて応対されることを知り、応対者の到着まで安心して待つことができる。これらの手段のいずれか、あるいは両方によって報知可能であるため、店舗等の状況に応じた多様な手段で、応対者がやってきて応対されることを報知し、顧客満足度を高められる。
 
【0169】
  本変形例によれば、応対者端末5から送信された移動開始情報を受信して応対者が顧客のところに向かっていることを顧客に報知するため、顧客は、応対者がやってきて応対されることを知り、応対者の到着まで安心して待つことができる。これにより、応対者が来るか否かに不安を感じた顧客が何度も呼出指令を送信して必要以上の人数の応対者を呼び出すことを避けられる。そして、一人の顧客のところに必要以上の人数の応対者が集中して、応対者が他の顧客のところへ迅速に向かえない状況を避けられる。したがって、顧客の求めに応じて販売員が迅速に顧客のところに向かい的確な商品説明を可能にする体制を、経営面で可能な限り効率よく提供することができる。
 
【0170】
〔変形例7〕  (所定利益の付与)
  本変形例では、複数の電子棚札4のうち、少なくとも一部の電子棚札4には、顧客端末9が読み取り可能な棚札識別情報が設けられ、サーバ2は、棚札識別情報が読み取られたことを、顧客端末9を識別する顧客端末識別情報とともに受信可能な被読取情報受信部と、一の顧客端末9から所定数の異なる棚札識別情報が読み取られた場合に、前記一の顧客端末に所定利益を付与可能な利益付与手段とをさらに備える。記憶部22は、顧客端末識別情報と1つ又は複数の棚札識別情報とを紐つけて記憶する所定利益関連テーブルをさらに備える。
 
【0171】
  図9を用いて、本変形例の棚札識別情報の読み取りを説明する。
図9(A)は、電子棚札4の表示部44の棚札識別情報表示領域444に表示された棚札識別情報を用いた棚札識別情報の読み取りの一例である。顧客は、顧客端末9(図示せず)にインストールされた顧客端末アプリケーションを起動し、顧客端末9が備えるカメラ装置を用いて棚札識別情報表示領域444に表示された棚札識別情報を撮影して読み取り、読み取った棚札識別情報を、サーバ2に送信する。電子棚札4の表示部44の棚札識別情報表示領域444を用いた棚札識別情報の読み取りであれば、顧客は、顧客端末9が備えるカメラ装置を用いて棚札識別情報表示領域444を撮影する簡易な操作によって、棚札識別情報を読み取って、端末識別情報とともに送信できる。また、電子棚札4は、表示部44の棚札識別情報表示領域444に棚札識別情報を表示できるため、棚札識別情報の設置にかかるコストを抑えられる。
 
【0172】
  図9(B)は、顧客端末9にインストールされた顧客端末アプリケーションを用いた棚札識別情報の読み取りの一例である。顧客は、顧客端末アプリケーションを起動して、近距離無線通信を介して電子棚札4が備えるRFID等から棚札識別情報を受信して読み取り、読み取った棚札識別情報を、サーバ2に送信する。顧客端末9にインストールされた顧客端末アプリケーションを用いた棚札識別情報の読み取りであれば、顧客は、近距離無線通信を用いた棚札識別情報の読み取りという簡易な操作によって、棚札識別情報を読み取って端末識別情報とともに送信できる。
 
【0173】
  被読取情報受信部は、棚札識別情報と端末識別情報とを受信し、これらを紐つけて所定利益関連テーブルに記憶する。被読取情報受信部は、所定利益関連テーブルを用いて、端末識別情報と紐付けられたこの顧客端末9から所定数の異なる棚札識別情報を受信したか否かを判定する。この顧客端末9から所定数の異なる棚札識別情報を受信している、すなわち、顧客端末9が所定数の棚札識別情報を読み取っていれば、利益付与手段によって、顧客端末9に所定利益を付与する。
 
【0174】
  本変形例によれば、顧客端末9への所定利益の付与によって、顧客満足度が高まる。さらに、所定利益の付与によって顧客による顧客端末9を用いた棚札識別情報の読み取りが促進されるため、顧客が興味を抱いた商品及び/又は役務を示す電子棚札4が読み取られ、サーバ2に受信される。これにより、応対者は、顧客が興味を抱いた商品等を、顧客から呼出指令を受信する前に知って、より迅速に顧客のところへ向かえるよう準備できる。したがって、顧客の求めに応じて販売員が迅速に顧客のところに向かい的確な商品説明を可能にする体制を、経営面で可能な限り効率よく提供することができる。
 
【0175】
  以上、本発明の実施形態及び各種変形例について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態及び各種変形例に限るものではない。また、本発明の実施形態及び各種変形例に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したものに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態及び各種変形例に記載されたものに限定されるものではない。
 
【0176】
  また、上述した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。