【実施例】
【0035】
以下に、参考例、実施例、比較例及び試験例を挙げ、本発明を更に詳細に説明する。
【0036】
参考例A1及びA2
精製水にクエン酸水和物、安息香酸ナトリウムを添加して溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液でpHを調整した。次いで、LMペクチン、HMペクチンを溶解させ、該溶液にさらに精製水を加えて全量100mlとし、水酸化ナトリウムでpHを微調整した。各試験液をガラスビンに充填後殺菌し、参考例A1及びA2の水性液体飲料を得た。それぞれの処方を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
試験例(風味確認試験)
風味確認試験では、不快な臭い及び不快な味について、参考例A1及びA2について絶対評価をした。なお、サンプルの評価は訓練された官能パネル3名で実施し、表2に示す評価基準に従い採点した。採点結果は評価項目ごとに平均点を算出し、表3に示した。
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
表3の結果から明らかなように、HMペクチン溶液とは異なり、LMペクチン溶液には特有の不快な臭いと味があることが確認された。
【0042】
参考例A3〜A6
精製水にクエン酸水和物、安息香酸ナトリウムを添加して溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液でpHを調整した。次いで、LMペクチンを溶解させ、該溶液にさらに精製水を加えて全量100mlとし、水酸化ナトリウムでpHを微調整した。各試験液をガラスビンに充填後殺菌し、参考例A3〜A6の水性液体飲料を得た。それぞれの処方を表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】
試験例(風味確認試験)
風味確認試験では、不快な臭い及び不快な味について、参考例A3〜A6について絶対評価をした。なお、サンプルの評価は訓練された官能パネル3名で実施し、表5に示す評価基準に従い採点した。採点結果は評価項目ごとに平均点を算出し、表6に示した。
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】
表6の結果から明らかなように、LMペクチン溶液には特有の不快な臭いと味があることが確認された。
【0048】
実施例A1〜A14及び比較例A1
精製水にクエン酸水和物、安息香酸ナトリウム、ソバ抽出物を添加して溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液でpHを調整した。次いで、LMペクチンを溶解させ、該溶液にさらに精製水を加えて全量100mlとし、水酸化ナトリウムでpHを微調整した。各試験液をガラスビンに充填後殺菌し、実施例A1の水性液体飲料を得た。以下の実施例A2〜A14、比較例A1も実施例A1と同様に調製した。それぞれの処方を表7及び表8に示す。
【0049】
【表7】
【0050】
【表8】
【0051】
試験例(風味確認試験)
風味確認試験では、LMペクチン特有の不快な臭いと味について、比較例A1をコントロールとして各サンプルを相対的に評価した。なお、サンプルの評価は訓練された官能パネル3名で実施し、表9に示す評価基準に従い採点した。採点結果は評価項目ごとに平均点を算出し、表10に示した。
【0052】
【表9】
【0053】
【表10】
【0054】
表10から明らかなように、実施例A1〜A14ではLMペクチンの不快な臭いと味が大きく抑えられた。以上の結果から、LMペクチン特有の不快な臭いや味を特定のポリフェノールを配合することで改善することができた。
【0055】
実施例A15〜A17及び比較例A2
精製水にクエン酸水和物、安息香酸ナトリウム、ヒハツ抽出物を添加して溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液又は塩酸水溶液でpHを調整した。次いで、LMペクチンを溶解させ、該溶液にさらに精製水を加えて全量100mlとし、水酸化ナトリウムでpHを微調整した。各試験液をガラスビンに充填後殺菌し、実施例A15の水性液体飲料を得た。以下の実施例A16〜A17、比較例A2も実施例A15と同様に調製した。それぞれの処方を表11に示す。
【0056】
【表11】
【0057】
試験例(風味確認試験)
風味確認試験では、LMペクチン特有の不快な臭いと味について、比較例A1をコントロールとして各サンプルを相対的に評価した。なお、サンプルの評価は訓練された官能パネル3名で実施し、表9に示す評価基準に従い採点した。採点結果は評価項目ごとに平均点を算出し、表12に示した。
【0058】
【表12】
【0059】
表12から明らかなように、実施例A15〜A17ではLMペクチンの不快な臭いと不快な味が大きく抑えられた。一方、バラ科のローズヒップを配合した比較例A2では同様の効果は認められなかった。以上の結果から、LMペクチン特有の不快な臭いや味を特定の香辛料・生薬抽出物を配合することで改善することができた。
【0060】
実施例A18〜A33
精製水にクエン酸水和物、安息香酸ナトリウム、ヘスペリジンを添加して溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液でpHを調整した。次いで、LMペクチンを溶解させ、該溶液にさらに精製水を加えて全量100mlとし、水酸化ナトリウムでpHを微調整した。各試験液をガラスビンに充填後殺菌し、実施例A18の水性液体飲料を得た。以下の実施例A19〜A33も実施例A18と同様に調製した。それぞれの処方を表13及び表14に示す。
【0061】
【表13】
【0062】
【表14】
【0063】
試験例(風味確認試験)
風味確認試験では、LMペクチン特有の不快な臭いと味について、比較例A1をコントロールとして各サンプルを相対的に評価した。なお、サンプルの評価は訓練された官能パネル3名で実施し、表9に示す評価基準に従い採点した。採点結果は評価項目ごとに平均点を算出し、表15及び表16に示した。
【0064】
【表15】
【0065】
【表16】
【0066】
表15及び表16から明らかなように、実施例A18〜A25及び実施例A26〜A33ではLMペクチンの不快な臭いと味が大きく抑えられた。以上の結果から、LMペクチン特有の不快な臭いや味を特定のポリフェノールを配合することで改善することができた。
【0067】
実施例A34〜A81
精製水にクエン酸水和物、安息香酸ナトリウム、コショウ抽出物を添加して溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液又は塩酸水溶液でpHを調整した。次いで、LMペクチンを溶解させ、該溶液にさらに精製水を加えて全量100mlとし、水酸化ナトリウムでpHを微調整した。各試験液をガラスビンに充填後殺菌し、実施例A34の水性液体飲料を得た。以下の実施例A35〜A81も実施例A34と同様に調製した。それぞれの処方を表17〜20に示す。
【0068】
【表17】
【0069】
【表18】
【0070】
【表19】
【0071】
【表20】
【0072】
試験例(風味確認試験)
風味確認試験では、LMペクチン特有の不快な臭いと味について、比較例A1をコントロールとして各サンプルを相対的に評価した。なお、サンプルの評価は訓練された官能パネル3名で実施し、表9に示す評価基準に従い採点した。採点結果は評価項目ごとに平均点を算出し、表21〜表23に示した。
【0073】
【表21】
【0074】
【表22】
【0075】
【表23】
【0076】
表21〜表23から明らかなように、実施例A34〜A53及び実施例A54〜A81ではLMペクチンの不快な臭いと不快な味が大きく抑えられた。以上の結果から、LMペクチン特有の不快な臭いや味を特定の香辛料・生薬抽出物を配合することで改善することができた。
【0077】
参考例B1及びB2
精製水にクエン酸水和物、安息香酸ナトリウムを添加して溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液でpHを調整した。次いで、LMペクチン、HMペクチンを溶解させ、該溶液にさらに精製水を加えて全量100mlとし、水酸化ナトリウムでpHを微調整した。各試験液をガラスビンに充填後殺菌し、参考例B1及びB2の水性液体飲料を得た。それぞれの処方を表24に示す。
【0078】
【表24】
【0079】
試験例(風味確認試験)
風味確認試験では、不快な臭いと不快な味について、参考例B1及びB2について絶対評価をした。なお、サンプルの評価は訓練された官能パネル3名に試飲させ、表25に示す評価基準に従い採点した。採点結果は評価項目ごとに平均点を算出し、表26に示した。
【0080】
【表25】
【0081】
【表26】
【0082】
表26の結果から明らかなように、HMペクチン溶液とは異なり、LMペクチン溶液には特有の不快な臭いと味があることが確認された。
【0083】
実施例B1〜B2及び比較例B1〜B2
精製水にクエン酸水和物、安息香酸ナトリウム、葉酸を添加して溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液でpHを調整した。次いで、LMペクチンを溶解させ、該溶液にさらに精製水を加えて全量100mlとし、水酸化ナトリウム又は塩酸でpHを微調整した。各試験液をガラスビンに充填後殺菌し、実施例B1の水性液体飲料を得た。以下の実施例B2、比較例B1〜B2も実施例B1と同様に調製した。それぞれの処方を表27に示す。
【0084】
【表27】
【0085】
試験例(風味確認試験)
風味確認試験では、LMペクチン特有の不快な味について、比較例B1をコントロールとして各サンプルを相対的に評価した。なお、サンプルの評価は訓練された官能パネル3名に試飲させ、表28に示す評価基準に従い採点した。採点結果は評価項目ごとに平均点を算出し、表29に示した。
【0086】
【表28】
【0087】
【表29】
【0088】
表29から明らかなように、ピリミジン誘導体である葉酸又はカフェインを含む実施例B1〜B2ではLMペクチンの不快な味が大きく抑えられた。一方、ビタミンB6を含む比較例B2では同様の効果は認められなかった。以上の結果から、LMペクチン特有の不快な味を、ピリミジン誘導体である葉酸又はカフェインを配合することで改善することができた。
【0089】
実施例B3〜B5及び比較例B3
精製水にクエン酸水和物、安息香酸ナトリウム、マグネシウムを添加して溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液でpHを調整した。次いで、LMペクチンを溶解させ、該溶液にさらに精製水を加えて全量100mlとし、水酸化ナトリウム又は塩酸でpHを微調整した。各試験液をガラスビンに充填後殺菌し、実施例B3の水性液体飲料を得た。マグネシウムを含有する原材料として米黒酢を配合した実施例B4、大麦黒酢を配合した実施例B5、比較例B3も実施例B3と同様に調製した。それぞれの処方を表30に示す。なお、表中のカッコ内の含有量は、各成分に含まれるマグネシウム又は銅の含有量(mg)を示す。
【0090】
【表30】
【0091】
試験例(風味確認試験)
風味確認試験では、LMペクチン特有の不快な味について、比較例B1をコントロールとして各サンプルを相対的に評価した。なお、サンプルの評価は訓練された官能パネル3名に試飲させ、表28に示す評価基準に従い採点した。採点結果は評価項目ごとに平均点を算出し、表31に示した。
【0092】
【表31】
【0093】
表31から明らかなように、マグネシウムを含む実施例B3〜B5ではLMペクチンの不快な味が大きく抑えられた。一方、銅を含む比較例B3は調製後にゲル化してしまい、配合できないことがわかった。以上の結果から、LMペクチン特有の不快な味をマグネシウム又はマグネシウム含有成分を配合することで改善することができた。
【0094】
実施例B6、B7及び比較例B4〜B7
精製水にクエン酸水和物、安息香酸ナトリウム、アスタキサンチンを添加して溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液でpHを調整した。次いで、LMペクチンを溶解させ、該溶液にさらに精製水を加えて全量100mlとし、水酸化ナトリウム又は塩酸でpHを微調整した。各試験液をガラスビンに充填後殺菌し、実施例B6の水性液体飲料を得た。以下の実施例B7、比較例B4〜B7も実施例B6と同様に調製した。それぞれの処方を表32に示す。
【0095】
【表32】
【0096】
試験例(風味確認試験)
風味確認試験では、LMペクチン特有の不快な臭いと不快な味について、比較例B1をコントロールとして各サンプルを相対的に評価した。なお、サンプルの評価は訓練された官能パネル3名に試飲させ、表28に示す評価基準に従い採点した。採点結果は評価項目ごとに平均点を算出し、表33に示した。
【0097】
【表33】
【0098】
表33から明らかなように、天然色素であるアスタキサンチン又はクルクミンを含む実施例B6及びB7ではLMペクチンの不快な臭いや不快な味が大きく抑えられた。一方、合成色素である食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色40号、食用黄色5号を含む比較例B4〜B7では同様の効果は認められなかった。以上の結果から、LMペクチン特有の不快な臭いや不快な味について、天然色素であるカロテノイドやクルクミノイドを配合することで合成色素と比較して顕著に改善することができた。
【0099】
実施例B8、B9及び比較例B8〜B10
精製水にクエン酸水和物、安息香酸ナトリウム、希少糖含有シロップを添加して溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液でpHを調整した。次いで、LMペクチンを溶解させ、該溶液にさらに精製水を加えて全量100mlとし、水酸化ナトリウム又は塩酸でpHを微調整した。各試験液をガラスビンに充填後殺菌し、実施例B8の水性液体飲料を得た。以下の実施例B9、比較例B8〜B10も実施例B8と同様に調製した。それぞれの処方を表34に示す。なお、表中のカッコ内の含有量は、成分に含まれるプシコースの含有量(mg)を示す。
【0100】
【表34】
【0101】
試験例(風味確認試験)
風味確認試験では、LMペクチン特有の不快な臭いについて、比較例B1をコントロールとして各サンプルを相対的に評価した。なお、サンプルの評価は訓練された官能パネル3名に試飲させ、表28に示す評価基準に従い採点した。採点結果は評価項目ごとに平均点を算出し、表35に示した。
【0102】
【表35】
【0103】
表35から明らかなように、香りに影響を与えない甘味剤であるにもかかわらず、実施例B8及びB9ではLMペクチンの不快な臭いが大きく抑えられた。一方、比較例B8〜B10では同様の効果は認められなかった。以上の結果から、LMペクチン特有の不快な臭いについて、希少糖含有シロップは果糖ブドウ糖液糖と比較して顕著に改善していたため、プシコースに特異な効果があることが確認できた。なお、その効果は同じ単糖類である果糖と比較して顕著であった。また、エリスリトールは同じ糖アルコールであるソルビトールと比較して顕著にLMペクチン特有の不快な臭いを改善することができた。
【0104】
実施例B10〜B38
精製水にクエン酸水和物、安息香酸ナトリウム、リコピンを添加して溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液でpHを調整した。次いで、LMペクチンを溶解させ、該溶液にさらに精製水を加えて全量100mlとし、水酸化ナトリウム又は塩酸でpHを微調整した。各試験液をガラスビンに充填後殺菌し、実施例B10の水性液体飲料を得た。以下の実施例B11〜B38も実施例B10と同様に調製した。それぞれの処方を表36〜38に示す。なお、表中のカッコ内の含有量は、各成分に含まれるマグネシウムの含有量(mg)を示す。
【0105】
【表36】
【0106】
【表37】
【0107】
【表38】
【0108】
試験例(風味確認試験)
風味確認試験では、LMペクチン特有の不快な味について、比較例B1をコントロールとして各サンプルを相対的に評価した。なお、サンプルの評価は訓練された官能パネル3名に試飲させ、表28に示す評価基準に従い採点した。採点結果は評価項目ごとに平均点を算出し、表39〜41に示した。
【0109】
【表39】
【0110】
【表40】
【0111】
【表41】
【0112】
表39から明らかなように、カロテノイド色素であるリコピン、ルテインを含む実施例B10〜B11、ピリミジン誘導体であるイノシン酸を含む実施例B12、単糖であるアラビノース、パラチノースを含む実施例B13〜B14及びその他天然色素を含む実施例B15〜B20ではLMペクチンの不快な臭いと味が大きく抑えられた。また、表40及び表41から明らかなように、ピリミジン誘導体である葉酸を含む実施例B21〜B24、マグネシウムを含む実施例B25〜B26、カロテノイド色素であるリコピンを含む実施例B27〜B30、クルクミノイドであるクルクミンを含む実施例B31〜B34及び単糖であるエリスリトールを含む実施例B35〜B38ではさまざまな添加量やpHにおいてLMペクチンの不快な臭いと味が大きく抑えられた。以上の結果から、LMペクチン特有の不快な味を、ピリミジン誘導体、マグネシウム、カロテノイド、クルクミノイド及びエリスリトールを配合することで改善することができた。
【0113】
参考例C1及びC2
精製水にクエン酸水和物、安息香酸ナトリウムを添加して溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液でpHを調整した。次いで、LMペクチン、HMペクチンをそれぞれ溶解させ、該溶液にさらに精製水を加えて全量100mlとし、水酸化ナトリウムでpHを微調整した。各試験液をガラスビンに充填後殺菌し、参考例C1及びC2の水性液体飲料を得た。それぞれの処方を表42に示す。
【0114】
【表42】
【0115】
試験例(風味確認試験)
風味確認試験では、不快な味と不快な臭いについて、参考例C1及びC2について絶対評価をした。なお、サンプルの評価は訓練された官能パネル3名に試飲させ、表43に示す評価基準に従い採点した。採点結果は評価項目ごとに平均点を算出し、表44に示した。
【0116】
【表43】
【0117】
【表44】
【0118】
表44の結果から明らかなように、HMペクチン溶液とは異なり、LMペクチン溶液には特有の不快な味と不快な臭いがあることが確認された。
【0119】
実施例C1〜C6及び比較例C1〜C2
精製水にクエン酸水和物、安息香酸ナトリウム、ヒアルロン酸を添加して溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液でpHを調整した。次いで、LMペクチンを溶解させ、該溶液にさらに精製水を加えて全量100mlとし、水酸化ナトリウム又は塩酸でpHを微調整した。各試験液をガラスビンに充填後殺菌し、実施例C1の水性液体飲料を得た。以下の実施例C2〜C6、比較例C1〜C2も実施例C1と同様に調製した。なお、実施例C1〜C6及び比較例C2は65℃で6日間保管したものを評価に用いた。それぞれの処方を表45に示す。
【0120】
【表45】
【0121】
試験例(風味確認試験)
風味確認試験では、LMペクチン特有の不快な味と不快な臭いについて、比較例C1をコントロールとして各サンプルを相対的に評価した。なお、サンプルの評価は訓練された官能パネル3名に試飲させ、表46に示す評価基準に従い採点した。採点結果は評価項目ごとに平均点を算出し、表47に示した。
【0122】
【表46】
【0123】
【表47】
【0124】
表47から明らかなように、LMペクチンのみでは65℃で6日保管後にLMペクチン特有の不快な臭いと味が非常に強くなった。一方、グリコサミノグリカンであるヒアルロン酸やプロテオグリカン、コンドロイチン硫酸を配合したサンプルやグルコサミンやN−アセチルグルコサミン、グルクロン酸を配合したサンプルでは、比較例C2と比較して経時的なLMペクチン特有の不快な臭いと味の増強が抑えられた。
【0125】
実施例C7〜C14
精製水にクエン酸水和物、安息香酸ナトリウム、アガロオリゴ糖を添加して溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液でpHを調整した。次いで、LMペクチンを溶解させ、該溶液にさらに精製水を加えて全量100mlとし、水酸化ナトリウム又は塩酸でpHを微調整した。各試験液をガラスビンに充填後殺菌し、実施例C7の水性液体飲料を得た。実施例C8〜C14も実施例C7と同様に調製した。なお、実施例C7〜C14は65℃で6日間保管したものを評価に用いた。それぞれの処方を表48に示す。
【0126】
【表48】
【0127】
試験例(風味確認試験)
風味確認試験では、LMペクチン特有の不快な味と不快な臭いについて、比較例C1をコントロールとして各サンプルを相対的に評価した。なお、サンプルの評価は訓練された官能パネル3名に試飲させ、表46に示す評価基準に従い採点した。採点結果は評価項目ごとに平均点を算出し、表49に示した。
【0128】
【表49】
【0129】
表49から明らかなように、比較例C2と比べて、構成糖にガラクトース、マンノース、フルクトースを含む多糖類であるアガロオリゴ糖、イヌリン、グルコマンナン並びにポリデキストロース、β−グルカン、ハイアミロースコーンスターチ、ピリジン構造を有する成分であるビタミンB6、ナイアシンを配合したサンプルでは経時的なLMペクチンの不快な臭いと味の増強が抑えられた。
【0130】
実施例C15〜C17
精製水にクエン酸水和物、安息香酸ナトリウム、DHA・EPAを添加して溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液でpHを調整した。次いで、LMペクチンを溶解させ、該溶液にさらに精製水を加えて全量100mlとし、水酸化ナトリウム又は塩酸でpHを微調整した。各試験液をガラスビンに充填後殺菌し、実施例C15の水性液体飲料を得た。実施例C16〜C17も実施例C15と同様に調製した。なお、実施例C15〜C17は65℃で6日間保管したものを評価に用いた。それぞれの処方を表50に示す。
【0131】
【表50】
【0132】
試験例(風味確認試験)
風味確認試験では、LMペクチン特有の不快な味と不快な臭いについて、比較例C1をコントロールとして各サンプルを相対的に評価した。なお、サンプルの評価は訓練された官能パネル3名に試飲させ、表46に示す評価基準に従い採点した。採点結果は評価項目ごとに平均点を算出し、表51に示した。
【0133】
【表51】
【0134】
表51から明らかなように、比較例C2と比べて、不飽和脂肪酸であるDHA・EPA、α−リノレン酸やイソプレン構造を有する成分であるビタミンEを配合したサンプルでは経時的なLMペクチンの不快な臭いと味の増強が抑えられた。
【0135】
実施例C18〜C59
精製水にクエン酸水和物、安息香酸ナトリウム、キニーネを添加して溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液でpHを調整した。次いで、LMペクチンを溶解させ、該溶液にさらに精製水を加えて全量100mlとし、水酸化ナトリウム又は塩酸でpHを微調整した。各試験液をガラスビンに充填後殺菌し、実施例C18の水性液体飲料を得た。実施例C19〜C59も実施例C18と同様に調製した。なお、実施例C18〜C59は65℃で6日間保管したものを評価に用いた。それぞれの処方を表52〜表54に示す。
【0136】
【表52】
【0137】
【表53】
【0138】
【表54】
【0139】
試験例(風味確認試験)
風味確認試験では、LMペクチン特有の不快な味と不快な臭いについて、比較例C1をコントロールとして各サンプルを相対的に評価した。なお、サンプルの評価は訓練された官能パネル3名に試飲させ、表46に示す評価基準に従い採点した。採点結果は評価項目ごとに平均点を算出し、表55〜表57に示した。
【0140】
【表55】
【0141】
【表56】
【0142】
【表57】
【0143】
表55から明らかなように、比較例C2と比べて、キニーネ、ベルベリン、キトサン、フコイダン、アラキドン酸、ビタミンK、ビタミンA、植物ステロール(βシトステロール)、クアッシンを配合したサンプルでは経時的なLMペクチンの不快な臭いと味の増強が抑えられた。また、表56〜表57から明らかなように、比較例C2と比べて、ビタミンB6、ヒアルロン酸、グルコマンナン、ポリデキストロース、ハイアミロースコーンスターチ、DHA・EPA、ビタミンE−アセテート及びコエンザイムQ10を配合したサンプルでは経時的なLMペクチンの不快な臭いと味の増強が抑えられた。