(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-165197(P2021-165197A)
(43)【公開日】2021年10月14日
(54)【発明の名称】テープカッター
(51)【国際特許分類】
B65H 35/07 20060101AFI20210917BHJP
【FI】
B65H35/07 F
B65H35/07 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-69755(P2020-69755)
(22)【出願日】2020年4月8日
(71)【出願人】
【識別番号】720002724
【氏名又は名称】西浦 教代
(72)【発明者】
【氏名】西浦 誠
【テーマコード(参考)】
3F062
【Fターム(参考)】
3F062BA02
3F062BB08
3F062BC01
3F062BD01
3F062BE02
3F062BF03
(57)【要約】
【課題】切断後の粘着テープ端が粘着テープロールへ再付着することや、粘着テープロールの脱落を無くすことと、貼り付け時の粘着テープのたるみを防止することにより、確実で安定した貼り付けが行えるテープカッターを提供する。
【解決手段】ベース部1にホルダー9と梁部12を立設し、その梁部12に保持部2を設け、クッションローラー3とカッター4を設けた構造を有し、梁部12に回転軸6を設け、この回転軸6を中心に回転可能になる様にカバー7を備えたテープカッターにおいて、カバー7に粘着テープロール8の外周面を常に押さえる方向に付勢する付勢手段を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の巻き芯と、前記巻き芯に巻き付けられた粘着テープからなる粘着テープロールを装着し、前記粘着テープロールから前記粘着テープを繰り出し、任意の長さで切断するテープカッターにおいて、
側面にベースを構成し、前記ベースに前記粘着テープロールを遊嵌するホルダーと、前記粘着テープの繰り出し方向には梁部とを立設し、
前記梁部に前記粘着テープロールから繰り出された前記粘着テープを切断するカッターを設け、前記カッターと前記ホルダーとの間に前記カッターで切断後の前記粘着テープを保持するテープ保持部を設け、前記梁部に回転可能に接合したカバーを設けるとともに、
前記カバーを前記粘着テープロールの外周面を押える方向に、少なくとも前記粘着テープ繰り出し中に付勢する付勢手段を有するテープカッター。
【請求項2】
前記カバーは、前記カバーの側面部に前記粘着テープの軸方向の移動を規制するガイドを有することを特徴とする請求項1に記載のテープカッター。
【請求項3】
前記粘着テープの粘着面を接着部位に押し当てるローラーを、前記テープ保持部のテープ繰り出し方向側に設けた請求項1又は2に記載のテープカッター
【請求項4】
前記ローラーは、外周面が弾力性を有する材料で構成されている請求項3に記載のテープカッター
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着ロールテープを装着し、粘着テープの繰り出しや切断を行うテープカッターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図8に従来例であるテープカッターの一部切欠側面図を示し、テープカッターDと称する。
【0003】
テープカッターDにおける粘着テープロール8は、円筒状の巻き芯Sに粘着テープTを巻き付けたものである。
【0004】
ベース部1にホルダー9と、梁部12を立設し、また、その梁部12にベース部1と向き合う形で設けた、ベース部1aを含む部分を主体とし、ベース部1とベース部1aにそれぞれ保持部2を向き合う形で粘着テープTの繰り出し方向に対して、左右1対となる様に設け、ベース部1とベース部1aの間に、ローラー10と、カッター4を設けた構造となり、配置関係は、ベース部1に立設したホルダー9から粘着テープ繰り出し方向に、梁部12があり、保持部2と、ローラー10と、カッター4をこの順序で設けるとともに、梁部12に回転軸6を設け、回転軸6を中心に回転可能になる様に、カバー7を備えている。
【0005】
ホルダー9は、粘着テープロール8を遊嵌状態に保持するための物であり、その機能上外形寸法は、巻き芯Sの内径よりも幾らか小さく形成されていて、粘着テープロール8はその巻き芯Sをホルダー9に嵌めてテープカッターDに取り付けられている。
【0006】
テープ保持部2は、粘着テープロール8から繰り出された粘着テープTを、カッター4にて切断後、次回繰り出し迄の間、粘着テープTの粘着面を繰り出し方向に対して左右両端部を、軽接着状態で、保持する部材である。
【0007】
ローラー10は、回転軸11により取り付けされており、粘着テープロール8から繰り出された、粘着テープTをその、非粘着面側からダンボール等の被貼り付け物の接着部に押し当てて回転軸11を中心に回転させながら繰り出された粘着テープTの粘着面を貼付ける為のものである。
【0008】
カッター4は、テープTを貼り付け後、粘着テープTを、切断し、テープカッターDと被貼り付け物を、切り離す為の物である。
【0009】
カバー7はガイド部Gが備わっていて、回転軸6を中心に自由に回転し、粘着テープロール8の外周面に、離着自由な構造で取り付けされている。実線で示すように粘着テープロール8に被着している時のみ、ガイド部Gの効果で、粘着テープロール8が、ホルダー9から外れ無いようになり、またホルダー9との間に挟まれた、粘着テープロール8を加圧し締め付けた時のみ、粘着テープロール8の回転を規制する事が出来、カバー7を鎖線で示すように、粘着テープロールへの被着を解除すれば粘着テープロール8はホルダー9から取り外す事が出来る。
【0010】
従来のテープカッターは上述のような構成となり、板状の段ボール箱を、箱状に組み立てる場合には次の要領で行っている。
【0011】
まずテープカッターDのカバー7をホルダー9の反対側に回転し、粘着テープロール8をホルダー9に嵌め、粘着テープロール8から粘着テープT を繰り出し、繰り出しテープ保持部2とローラー10の間に通し、カバー7を粘着テープロール8に被着させ、粘着テープロール8がホルダー9から外れ無いように、カバー7とホルダー9との間に粘着テープロール8を挟んで適度な圧力(粘着テープロールの空転は阻止するが粘着テープの繰り出しには影響の無い圧力の事を、本書では、『適度な圧力』と称する。)で締め付けた状態で手に持つ。
【0012】
次に、折り畳まれた板状のダンボールから、箱状態に仮組みされた段ボールを、テープカッターDを持つ手とは反対の手でしっかりと押さえ、型崩れしないように状態を維持し、組み立ての際、一番最初に接合すべき段ボールの合わせ目に、繰り出された粘着テープTを非粘着面側からローラー10で押し付けて貼り付け、(本書では、その事を『初貼り付け』と、称する。)その後テープカッター本体を引き、粘着テープTを繰り出して全ての接合部位に貼り付け後、カバー7とホルダー9との間に挟まれた粘着テープロール8を強く締め付けロックし、繰り出された粘着テープT を、接着部位から浮かせながら前方に倒すように回転させ、カッター4で切断する。その行程の繰り返しである。
【0013】
従来のテープカッターは、上述の様な構造及び作業方法になる。しかしながら、それを実施する難易度は高かった。
【0014】
上述の行程で従来技術のカッターDを使ってダンボールを組み立てする際、粘着テープロール8から粘着テープTを繰り出し、被貼り着け物に貼り付け、繰り出された粘着テープTをカッター4でカット後、テープカッターDに残される粘着テープロール8から繰り出された粘着テープTは、粘着面側をテープ保持部2によって保持されているが、これはあくまでも一時的な軽接着であるため、粘着テープ8の非繰り出し時における不本意な回転(繰り出しを伴わずに粘着テープロール8が空回りする現象をいい、本書ではこれを『空転』と称する)によって、繰り出された粘着テープTが、粘着テープロール8へ戻り、貼り付いてしまう(これを本書では、『再付着』と称する)事や、粘着テープロール8がホルダー9から外れたりする事があり、その結果、粘着テープロール8に、繰り出された粘着テープTの再付着が発生し、その度に粘着テープTの端部を探すのに手間取って、作業時間のロスが生じていた。
【0015】
また上述のダンボール箱の組み立て要領で、『組み立ての際,一番最初に接合すべき段ボールの合わせ目に、繰り出された粘着テープTを、非粘着面側から、ローラー10で押し付けて貼り付け、』とあるが、ダンボール箱の組み立ての際、まずは両手で板状の段ボールを箱状に仮組みをし、開口部を閉じて型を整え、接着をするダンボールの双方の合わせ目の接着部位がきちんと綺麗に合った状態で手で抑え、その状態を維持しながらもう片方の手でテープカッターDを手に取り、確実に初貼付けする事が重要であるが、ダンボール箱の組み立て時の接着をするダンボールの双方の合わせ目は凹凸が出来やすく、従来技術のテープカッターDの、弾力性の無いローラー10では、1例として
図11の様に両端だけの貼り付きになってしまう事などがあるため、確実な初貼り付けができず、その後の粘着テープの繰り出しが行いにくいのが現状である。
【0016】
またダンボール箱の組み立て作業で、粘着テープT を繰り出している最中は、粘着テープTのたるみを取り、綺麗に貼り付ける為にも、カバー7とホルダー9との間に粘着テープロール8を挟んで適度な圧力で締め付けた状態で手に持っているため、粘着テープロール8がホルダー9から外れたり、粘着テープロール8に繰り出された粘着テープTが再付着する事は比較的少ないが、粘着テープTをカッター4でカット後、又はカットの動作による反動などで、適度な圧力で締め付けている手が不意に緩んだ時や、両手で折り畳まれた板状のダンボールを箱状にする時、すなわちテープカッターDを手から離す時、又は離れている時には、テープカッターDのカバー7は回転軸6を中心に自由回転し粘着テープロール8に離着自由な構造構造である為、粘着テープロール8の回転が規制されず、カッター4で切断後の保持部2に保持されている状態の繰り出された粘着テープT が、使用中又は、次の使用
までの保管中において、振動などの外部からの作用によって、カバー7の粘着テープロール8への被着が不本意に解除になる事があり、粘着テープロール8が空転し、粘着テープロール8への再付着が起きたり、その際、ガイドGの効果が得られなくなり、粘着テープロール8がホルダー9から外れる事があり、また、それに伴い再付着が起きる。
【0017】
またカバー7が自由に回転することから、落下や衝撃又は手や衣類などの引っ掛け等により、カバー7が構造の許容範囲以上回転して、破損しやすいと言う欠点もあり、上記不具合が起きないように、粘着テープTを繰り出しての貼り付けの最中は勿論、そうでない時も使用中は常にカバー7とホルダー9との間に粘着テープロール8を適度な圧力で挟んで、締め付けた状態で手に持って作業し、手から離す時は必ず安置するなど、慎重に取り扱う必要があった。
【0018】
またこれらを解決する為の下記先行技術もあるが、問題点がないわけではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2009ー029616 号広報
【特許文献2】実用新案登録第3092176号広報
【0020】
特許文献1は、粘着テープTを保持するホルダ部と、テープ端を適宜の長さで切断するカッティング部とを具えて成り、ホルダ部には筒状の保持体に、例えば拡径方向に弾性的に張り出す拡径弾性体と、防滑体とを具えて成る空転防止機構が設けられ、非繰出時にあっては、拡径弾性体の弾性によって粘着テープの内側をホルダ部または防滑体に密着させて粘着テープの空転を阻止する制動状態とし、一方、粘着テープの繰り出しを行う繰出時にあっては、テープ端を引き出す繰出力によって、拡径弾性体による粘着テープの制動状態を自然に解除して、粘着テープの繰り出しが行えるようにし、非繰出時においてのみ粘着テープの空転を防止する構成を有し、上記の再付着等の不具合を対策しようとするものである。
【0021】
特許文献2は、本体に、一方向ローラと、スイング部材及び弾力部材が設けられていて、一方向ローラは浅溝と凸点とを有する。スイング部材は係止片と噛合部とを有する。弾力部材の止動部方向への力によってスイング部材は止動部で止まり、かつ噛合部が凸点に噛合う。また粘着テープTは、一方向ローラに貼り付けられ、かつ浅溝と係止片とで挟まれている。そのため粘着テープの先端は粘着テープロール部の周辺面に付着せず、粘着テープロール部の逆回転は防止される。といった構成を有し、前述の再付着等の不具合を対策しようとするものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
特許文献1に関しては、シンプルな構造でテープロールの非繰り出し時のみ空転を防止していると言う事ではあるが、構造上、粘着テープを繰り出しする際の、粘着テープの剥離抵抗によっては、(特に紙の、クラフトテープなど、剥離抵抗の低い粘着テープ)繰り出し時に、空転防止機構の防滑体が、粘着テープロールの巻き芯と、接触した状態のままで、対策として確実とは言えない。またその結果、ホルダーに備えてある防滑体の摩耗や、主に紙で出来ている粘着テープロールの巻き芯の削れによるペーパーダストなどの問題もある。
【0023】
またテープカッターDの従来品や本発明にもあるにあるカバー7が無い為、実作業の際、素手の時、又は手袋をしている時、又は滑り止め付きの手袋をしている時など、手の状況によって使い易さが変わってしまう事や、手や手袋が汚れている時には粘着テープロールを汚してしまうことになる。
【0024】
また粘着テープで、気泡緩衝材などの緩衝材を物体にきつく巻き付けたり、また粘着テープをロープがわりとし、物体を縛ったりする際には、かなりの圧力で、粘着テープロールの回転を規制し粘着テープをピンと張った状態にしなければならない事から、カバー7が無いと、直接手や指に摩擦を与えてしまい、皮膚の敏感な方や、水仕事の多い主婦などで、手荒れやあかぎれを患っている者には大変苦痛であると言える。
【0025】
また、本発明にある、クッションローラー3が無いため、被貼着物にテープを貼る際に片手で作業ができず、手でテープカッターを保持し、もう片方の手で粘着テープを摘み、粘着テープを繰り出し、貼り付ける動作が必要となり、段ボールなどの組み立ての際、初貼り付け時には、両手が塞がり、片手で開口部を閉じ、押さえておくことができず、不便である。
【0026】
また特許文献2に関しては、構造が複雑であり、生産コストがかかる事と、構造上、粘着テープの繰り出し方向に対しての、逆回転による空転は防止出来ても、正回転での空転は防止出来ないと言える。
【0027】
また、これら先行技術文献の粘着テープロールの空転を防止した先行技術は、繰り出し過ぎた粘着テープを、故意に粘着テープロールを逆転させ、粘着テープロールに戻す事が構造上出来ず、資源の無駄が生じる
【0028】
。
また先行技術のテープカッターは粘着テープの繰り出し中に粘着テープロールの回転が規制される事を回避する構造の物ばかりであるが、粘着テープ繰り出し中も粘着テープロールの回転を適度な圧力で規制した方が、貼り付け時の粘着テープのたるみが取れ、作業効率が上がると言える事と、手で挟んで締め付けておく力が少なくて済む。
【0029】
現代はネット社会であり、物品販売での発送業務の急激な増加や、フリマアプリの普及により発送を伴う個人売買が定着する中、それに伴い梱包作業などで事業所は勿論、一般家庭にも、一家に一台必要であると言っても過言では無いテープカッターを、本出願人は従来品のテープカッターDを使用にあたり、使用中に常にカバー7とホルダー9との間に粘着テープロール8を挟んで適度な圧力で締め付けた状態で手に持って作業する事により、前記問題を回避出来る事に気付き、使用中又は非使用中にて、常にその状態にしておく事が出来るように、上記、先行技術を熟知した上で、いかにシンプルな構造により、低コストな、使用時や非使用時における、粘着テープの再付着や粘着テープロール8の外れの防止や、テープカッター本体の破損の防止もでき、片手で確実な初貼り付けが行えるなど、いかに使い易くしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0030】
テープカッターDにおいて、カバー7に粘着テープロール8の外周面を常に押さえる方向に付勢する付勢手段をとり、使用中又は非使用中にもカバー7とホルダー9との間に粘着テープロール8を挟んで適度な圧力で常に締め付けた状態に出来る様にして粘着テープロール8の回転を規制し、ローラー10の外周面を弾力性のある素材で構成する。
【発明の効果】
【0031】
本発明においては、上記付勢手段により、テープカッター使用中又は次の使用までの保管中の空転を防止し、粘着テープロール8から繰り出され、保持部に保持された粘着テープTの粘着テープロール8への再付着を防止するとともに、粘着テープロール8のホルダーからの外れも防止する事ができる。
【0032】
また上記付勢手段により、落下や手指、衣類等の引掛けや、その他外部からの作用によりカバー7が構造の許容範囲以上に回転し、カバー7又はテープカッター本体が破損する事の防止が出来る。
【0033】
また上記記載の、弾力性のある素材で構成されたローラーの効果により被貼り付け物の凹凸面への貼り付け時の粘着テープTの密着性が上がり(
図4参照)段ボール箱などの組み立てや、気泡緩衝材などの緩衝材を物体に巻き付けたりする際に、片手で初貼り付けを確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明のテープカッターの粘着テープロールを装着した、粘着テープロール着脱側から見た側面図であり本書では、テープカッターAと称する。
【
図3】テープカッターAの、粘着テープロール8が取り外された状態で、カバー7の反対側から見た図である。
【
図4】テープカッターAに備わったクッションローラー3で、被貼付け物の凹凸部に、粘着テープTを、押し圧着した時の状態の図である。
【
図5】本発明のテープカッターの第2構造例の側面図であり、梁部12とカバー7を板バネで接合する事によりスプリング5と回転軸6の作用を兼ね備え、常にカバー7がホルダー9側に向けて付勢状態になる効果が得られる構造にした物であり、その効果によりにより、カバー7がホルダー9やベース部1付近に被着又は接近した状態の粘着テープロール8を装着する前の図であり、このテープカッターを本書では、テープカッターBと称する。
【
図6】本発明のテープカッターの第3構造例の側面図であり、梁部12とカバー7の接合部分を蛇腹状Jの様に形成し、素材の弾性変形による復元力で、常にカバー7がホルダー9側に向けて付勢状態となる様にした構造で、カバー7がホルダー9やベース部1付近に、被着又は接近した、粘着テープロール8を装着する前の図であり、このテープカッターを本書では、テープカッターCと称する。
【
図7】テープカッターA又はテープカッターDの予備図であり、外観を分かりやすくする為に、斜めから描いた図である。
【
図8】従来品のテープカッターの一部切欠側面図であり、本書では、テープカッターDと称する。
【
図9】テープカッターDを、粘着テープロール8が取り外された状態で、カバー7の反対側から見た図である。
【
図10】テープカッターA又はテープカッターB又はテープカッターC又はテープカッターDの粘着テープロール8が取り外された状態で、カバー7を下にして、後端部から見たベース部1に立設したホルダー9とカバー7の位置関係を示し、また、カバー7に設けられたガイド部Gを、分かりやすく示した図である。
【
図11】テープカッターDに備わったローラー10で、被貼り付け物の凹凸部に、粘着テープTを、押し圧着した時の状態の図である。
【
図12】粘着テープロール8の説明図である。 「
図13」から「
図18」は、本発明のテープカッターA又はテープカッターB又はテープカッターCのベース部1を下に置き、後方のホルダー9側から見た粘着テープロール8のホルダー9への着脱手順の図である。
【
図13】粘着テープロール8の装着手順図であり、カバー7には、スプリングまたは、それらを形成する素材の弾性変形による復元力で、ホルダー9方向に、常に適度な圧力がかかっている事から、粘着テープロール8が取り外された状態では、ホルダー9外周付近ベース部1に被着したカバー7を、粘着テープロール8で押し広げ、ホルダー9とカバー7との間に、粘着テープロール8を嵌め込む為の隙間を作るため、粘着テープロール8の外周面を、カバー7に、あてがった図である。
【
図14】上記
図13に説明した次の工程の図であり、粘着テープロール8の巻き芯Sの内周面Saが、ホルダー9に嵌る位置に来るまで、粘着テープロール8の外周面で、カバー7を押し広げた図である。
【
図15】上記
図14に説明した次の工程の図であり、カバー7を、粘着テープロール8の巻き芯Sの内周面Saが、嵌る位置に来るまで、粘着テープロール8の外周面で、押し広げた状態から、粘着テープロール8を下方にそのままスライドし、ホルダー9に嵌め込み、カバー7と、ホルダー9との間に、粘着テープロール8を挟み込み、適度な圧力で締め付けすると共に、ガイド部Gで粘着テープロール8の、両側面Tsがガードされた、テープカッターA又はテープカッターB又はテープカッターCの、粘着テープロール8を装着した状態の図である。
【
図16】上記
図15で説明した、テープカッターA又はテープカッターB又はテープカッターCに装着された粘着テープロール8をホルダー9から取り外す手順の図であり、カバー7に、スプリング又は、素材の弾性変形による復元力で、常にホルダー9方向に適度な圧力がかかって、ホルダー9との間に粘着テープロール8を挟み込んでいる状態で、カバー7にその復元力とは正反対の、その復元力以上の力を加え、粘着テープロール8の側面TsからガイドGのガードを解除すると共に、粘着テープロール8のカバー7に被着していた外周面あたりを上方にずらし、粘着テープロール8を傾けた状態の図である。
【
図17】上記
図16に説明した次の工程の図であり、
図11の状態から粘着テープロール8をそのまま上方にスライドし、ホルダー9から半分外した図である。
【
図18】上記
図17の次の工程の図であり、
図17の状態から粘着テープロール8をさらに上方にスライドさせ、完全にホルダー9から粘着テープロール8を外した図であり、カバー7は、スプリングまたは、それらを形成する素材の弾性変形による、復元力で、ホルダー9方向に、常に適度な圧力がかかっているため、粘着テープロール8が取り外された状態では、ホルダー9外周付近のベース部1に被着又は接近した状態になった図である 「
図19」から「
図24」はテープカッターAを使って粘着テープを被貼り付け物に貼り付ける手順を示した図である。
【
図19】テープ保持部2に保持されていた粘着テープTをクッションローラー3で被貼り付け物に押し当てた図である。
【
図20】クッションローラー3で被貼り付け物に粘着テープTを確実に張り付けた後クッションローラー3を被貼り付け物から離し、張り付けに必要とする長さ分を、カバー7の付勢効果により、たるみ無く被貼り付け物から浮かせた状態で、粘着テープTを繰り出した図である。
【
図21】テープカッターAの本体を下に移動し、浮かせた状態であった、繰り出された粘着テープTcを被貼り付け物に被着させた状態の図であり、この時にテープカッターAを持つ手とは反対の手で、被貼り付け物に被着させた粘着テープTを上から押さえるなどして、確実に貼り付ける
【
図22】被貼り付け物に確実に貼り付けをした後に、粘着テープTをカッター4で切断する為、テープカッターAの本体を更に下に移動しつつ粘着テープTを繰り出しカッター4にあてがった図である。
【
図23】粘着テープTをカッター4にあてがった状態からテープカッターAを前方に傾ける様に回転させ、粘着テープTをカッター4で切断した図であり、その動作をするにあたり、カバー7とホルダー9との間に挟まれた、粘着テープロール8を、しっかりとテープカッターAを持つ手で絞めこんで、粘着テープロール8の回転を、完全ロックさせた状態で行う。
【
図24】テープカッターAで粘着テープTを貼り付け、及びカット後、被貼り付け物の両端の斜線の様に粘着テープTの浮いている部分を、手などで矢印の方向に押さえ、実線の様に貼り付けする事を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、本発明のテープカッターの粘着テープロールを装着した、粘着テープロール着脱側から見た側面図であり本書では、テープカッターAと称する。
【0036】
図2はテープカッターAに粘着テープロールを装着した、一部切欠側面図である。
【0037】
テープカッターAにおける、粘着テープロール8は、円筒状の巻き芯Sに粘着テープTを巻き付けたものである。
【0038】
テープカッターAは、ベース部1にホルダー9と、梁部12を立設し、また、その梁部12にベース部1と向き合う形で設けた、ベース部1aを含む部分を主体とし、ベース部1とベース部1aにそれぞれ保持部2を向き合う形で粘着テープTの繰り出し方向に対して、左右1対となる様に設け、また、ベース部1とベース部1aの間に、クッションローラー3と、カッター4を設けた構造となり、配置関係は、ベース部1に立設したホルダー9から粘着テープ繰り出し方向に、梁部12があり、保持部2とクッションローラー3と、カッター4をこの順序で設けるとともに、梁部12に回転軸6を設け、回転軸6を中心に回転可能になる様に、カバー7を備えている。
【0039】
テープカッターAのホルダー9は、粘着テープロール8を遊嵌状態に保持するための物であり、その機能上、外形寸法は、巻き芯Sの内径よりも、幾らか小さく形成されていて、粘着テープロール8はその巻き芯Sをホルダー9に嵌めてテープカッターAに取り付けられている。
【0040】
テープカッターAのテープ保持部2は、粘着テープロール8から繰り出された粘着テープTをカッター4にて切断後、次回繰り出し迄の間、粘着テープTの粘着面を繰り出し方向に対して左右両端部を、軽接着状態で、保持する部材である。
【0041】
テープカッターAのクッションローラー3は、繰り出された粘着テープTを、非粘着側から被貼り付け物の接着部位に押し当てて回転軸11を中心に、回転させながら粘着面側を接着部位に確実に貼り付ける為に、硬質芯材Rの外周に、ゴムやスポンジなどの弾力性を有する素材Dでロール状に形成し、被貼り付け物の凹凸にも粘着テープTが密着出来るようになっている。
【0042】
それにより、テープカッターDのローラー10で、被貼り付け物の凹凸部に、粘着テープTを、押し圧着した時の
図11に対し、テープカッターAのクッションローラー3は、
図4の様に、被貼り付け物の凹凸に密着し、確実に被貼り付け物の、貼り付け部に、押圧着が出来る。
【0043】
また、クッションローラー3はスムーズな回転に必要な、強度と、圧着に必要な弾力性の双方を有すれば、硬質芯材Rを必要としない。
【0044】
テープカッターAのカバー7は、回転軸6を中心に回転し、ホルダー9に装着した粘着テープロール8の外周面に、離着可能となる様に設けられ、粘着テープTの繰り出しの際、粘着テープロール8の外周に圧力をかけ、回転を規制しつつ、ガイド部Gにより、粘着テープロールの両側面Tsをガードし、ホルダー9からの外れを防止する為の物であると共に、粘着テープTの貼り付け最中にホルダー9の間に挟まれた粘着テープロール8に圧力をかけながら粘着テープTを繰り出す事で粘着テープTのたるみを取ったり、粘着テープTをロープ代わりに被貼り付け物を縛ったりする事が出来る。
【0045】
本発明は上記テープカッターAのカバー7において、梁部12との、接合部でもある回転軸6近傍にスプリング5を設け、スプリングの弾性変形による復元力の作用が、回転軸6を支点に、ホルダー9方向に適度な圧力がかかる様、カバー7に付勢手段をとり、粘着テープロール8を、ホルダー9との間で、適度な圧力で常に締め付けた状態にする事である。
【0046】
その事により、粘着テープロール8の回転が常に規制され、使用時、非使用時における粘着テープロール8の空転による再付着を防止すると同時に、粘着テープロール8の側面T sがカバー7のガイド部Gによって常にガードされる事で、ホルダー9からの外れも防止でき、また落下や引っ掛けなどで、カバー7自体が許容範囲を超えて回転する事等による破損を防止することが出来る。
【0047】
また、常にテープロール8の回転が適度な圧力により規制されている事で、カバー7とホルダー9との間に粘着テープロール8を挟んで適度な圧力で締め付けた状態で手に持って作業しなくても、粘着テープTを被貼り付け物に貼り付け中に、粘着テープTのたるみが出にくいと言える。
【0048】
またスプリング5の形状は、丸いコイル状な物だけでなく、板バネなどでも良い。また、その板バネで、
図5の様に、梁部12とカバー7を接合することにより回転軸6の役割りも兼ね備えつつ、同様の付勢状態になる構造にしても良い。
【0049】
また、それらの同等の効果を得られる様に、カバー7や、梁部12、又はテープカッター本体を、
図6の様に、一部を蛇腹状Jの様にするなどし、回転軸6の役割りも兼ね備えかつ、その形成する素材の弾性変形による復元力を利用して、同様の付勢状態になる構造にしても良い
【0050】
図5は、本発明のテープカッターの第2構造例の側面図であり、スプリング5と回転軸6が無い代わりに、梁部12とカバー7を板バネで接合し、常にカバー7がホルダー9側に向けて付勢状態になる効果が得られる構造にした物であり、このテープカッターを本書では、テープカッターBと称する。
【0051】
図6は本発明のテープカッターの第3構造例の側面図であり、スプリング5と回転軸6が無い代わりに、ベース部1とカバー7の接合部を、蛇腹状に形成し、その素材の、弾性変形による復元力を利用し、常にカバー7がホルダー9側に向けて付勢状態になる効果が得られる構造にした物であり、このテープカッターを本書では、テープカッターBと称する。
【0052】
また上述の方法以外にも、少なくとも粘着テープTの繰り出し中に、粘着テープロール8を、カバー7とホルダー9で適度な圧力で挟み込んで絞め付けた状態に出来るのであれば、その方法は、限定しない。
【0053】
上述の方法で、粘着テープロール8を、カバー7とホルダー9で挟み込んで、常に適度な圧力で締め付けた状態にし、粘着テープロール8の回転を常に規制する事と、弾力性を有するクッションローラー3を備え、被貼り付け物の貼り付け面の凹凸に対応する事は、テープカッターの使用を快適にする為には、必要不可欠であると言える。
【符号の説明】
【0054】
本書の記載図の異なるテープカッターにおいて、構成が、重複する部分は共通の符号として、その説明とする。
1 ベース部
2 テープ保持部
3 クッションローラー
4 カッター
5 スプリング
6 回転軸
7 ガイド付き粘着テープロール押さえカバー
8 粘着テープロール
9 ホルダー
10 ローラー
11 回転軸
12 梁部
13 板バネ
1a ベース部
S 巻き芯
T 粘着テープ
R 硬質芯材
D 弾力性素材
G ガイド部
Ts 粘着テープロール側面
J 蛇腹状部分