特開2021-165654(P2021-165654A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝電子管デバイス株式会社の特許一覧

<>
  • 特開2021165654-放射線検出装置 図000003
  • 特開2021165654-放射線検出装置 図000004
  • 特開2021165654-放射線検出装置 図000005
  • 特開2021165654-放射線検出装置 図000006
  • 特開2021165654-放射線検出装置 図000007
  • 特開2021165654-放射線検出装置 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-165654(P2021-165654A)
(43)【公開日】2021年10月14日
(54)【発明の名称】放射線検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01T 7/00 20060101AFI20210917BHJP
   G01T 1/20 20060101ALN20210917BHJP
【FI】
   G01T7/00 A
   G01T1/20 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-68468(P2020-68468)
(22)【出願日】2020年4月6日
(71)【出願人】
【識別番号】503382542
【氏名又は名称】キヤノン電子管デバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂内 龍之介
【テーマコード(参考)】
2G188
【Fターム(参考)】
2G188BB02
2G188CC17
2G188CC22
2G188DD05
2G188DD11
2G188DD12
2G188DD38
2G188DD47
(57)【要約】
【課題】本実施形態の目的は、強度を向上するとともに防湿性を向上することができる放射線検出装置を提供することにある。
【解決手段】本実施形態の放射線検出装置は、放射線を検出する放射線検出パネルと、前記放射線検出パネルを支持する支持体と、前記放射線検出パネルと対向する入射窓を備え、前記放射線検出パネル及び前記支持体を収容する筐体と、を備え、前記筐体の内部で前記放射線検出パネルを封止する封止構造を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を検出する放射線検出パネルと、
前記放射線検出パネルを支持する支持体と、
前記放射線検出パネルと対向する入射窓を備え、前記放射線検出パネル及び前記支持体を収容する筐体と、を備え、
前記筐体の内部で前記放射線検出パネルを封止する封止構造を有する、放射線検出装置。
【請求項2】
前記封止構造は、前記支持体の側面の全周に亘って設けられた弾性部材を備えている、請求項1に記載の放射線検出装置。
【請求項3】
前記弾性部材は、前記支持体の上面と前記入射窓の下面との間に挟持されている、請求項2に記載の放射線検出装置。
【請求項4】
前記筐体は、さらに、バックカバーと、サイドカバーとを備え、
前記弾性部材は、前記入射窓と前記サイドカバーとの間に挟持されている、請求項3に記載の放射線検出装置。
【請求項5】
さらに、前記バックカバーと前記支持体との間に位置し、前記放射線検出パネルを駆動する駆動回路基板と、
前記放射線検出パネルと前記駆動回路基板とを接続するフレキシブル配線基板と、を備え、
前記支持体は、前記弾性部材と前記放射線検出パネルとの間に、前記フレキシブル配線基板を通す貫通孔を有している、請求項4に記載の放射線検出装置。
【請求項6】
前記サイドカバーと前記弾性部材との間に気密な空間が形成されている、請求項4に記載の放射線検出装置。
【請求項7】
前記入射窓は、全周縁に亘って薄肉部を有し、
前記薄肉部は、前記サイドカバーと前記弾性部材との間に挟持されている、請求項4に記載の放射線検出装置。
【請求項8】
前記入射窓は、前記薄肉部を貫通する貫通孔を有し、
前記サイドカバーは、前記貫通孔に嵌る突起を有し、
前記弾性部材は、前記貫通孔を塞いでいる、請求項7に記載の放射線検出装置。
【請求項9】
前記弾性部材は、前記支持体の側面を囲む連続した環状に形成されている、請求項2に記載の放射線検出装置。
【請求項10】
前記支持体の側面は、複数の辺に沿って形成され、
前記弾性部材は、複数のセグメントを有し、
前記セグメントの各々は、直線状に形成され、前記支持体の辺にそれぞれ設けられている、請求項2に記載の放射線検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、放射線検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線検出装置として、X線検出装置が知られている。X線検出装置は、放射線の一種であるX線を可視光(蛍光)に変換するシンチレータ層と、その光を電気信号に変換する複数の光電変換素子と、を備えている。X線検出装置は、人体等を透過したX線を2次元的な画像情報として検出し、その画像情報を電気信号として外部に出力するものである。
【0003】
近年においては、様々なタイプのX線検出装置が開発されている。例えば、リアルタイム動画を実現させる循環器分野や消化器分野への応用や、X線検出装置の薄型化や軽量化が進んでいる。これにより、X線検出装置の持ち運びが可能となったり、X線画像を撮像するためのフィルム媒体が組み込まれたカセッテ(Cartridge)との置き換えが可能となったりしている。
【0004】
例えば、検出パネル等を内包する筐体の側壁に沿って緩衝材を設ける技術が知られている。また、筐体を保持するフレームの表面及び側面に、衝撃を吸収する弾性部材を設ける技術が知られている。さらに、筐体の側面に配置された弾性部材を着脱自在とする技術も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−346788号公報
【特許文献2】特開2005−6806号公報
【特許文献3】特開2006−6424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
人体に直接接触可能なX線検出装置は、薄型で軽量のため、病室や屋外に持ち運び、使用可能である。このようなX線検出装置には、落下した際の衝撃や人体からの荷重による破損を回避することが求められている。また、シンチレータ層は、水分による劣化を抑制するために、防湿体で覆われるなどしているものの、人体と接触した際に、体液の浸入を抑制することが求められている。
【0007】
本実施形態の目的は、強度を向上するとともに防湿性を向上することができる放射線検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態の放射線検出装置は、
放射線を検出する放射線検出パネルと、前記放射線検出パネルを支持する支持体と、前記放射線検出パネルと対向する入射窓を備え、前記放射線検出パネル及び前記支持体を収容する筐体と、を備え、前記筐体の内部で前記放射線検出パネルを封止する封止構造を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態に係る放射線検出装置1を示す断面図である。
図2図2は、図1に示した放射線検出パネル2の一部を示す分解斜視図である。
図3図3は、図1に示したA部を拡大した断面図である。
図4図4は、図1に示した支持体4の一例を示す平面図である。
図5図5は、弾性部材20の一例を示す平面図である。
図6図6は、弾性部材20の他の例を示す分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
本実施形態においては、放射線検出装置の一例として、X線検出装置について説明する。なお、本実施形態にて開示する主要な構成要素は、X線以外の各種放射線を検出するための放射線検出装置にも適用可能である。
【0012】
図1は、本実施形態に係る放射線検出装置1を示す断面図である。
本実施形態に係る放射線検出装置1は、X線画像検出器、あるいは、X線平面検出器などと称される場合がある。
【0013】
放射線検出装置1は、放射線検出パネル2と、防湿カバー3と、支持体4と、駆動回路基板5と、スペーサ8A及び8Bと、筐体9と、フレキシブル配線基板10と、を備えている。
【0014】
放射線検出パネル2は、後述するように、X線を検出するように構成されており、X線を蛍光に変換するシンチレータ層を備えている。防湿カバー3は、放射線検出パネル2のうち、シンチレータ層22を覆っている。防湿カバー3は、例えば、アルミニウム合金などを用いて形成されている。
【0015】
支持体4は、平板状に形成され、放射線検出パネル2を支持する上面4Aと、上面4Aの反対側の下面4Bと、を有している。上面4Aは、概ね平坦である。放射線検出パネル2は、粘着シートなどの接着剤を介して上面4Aに固定されている。このような支持体4は、例えば、例えば、アルミニウム合金、炭素繊維強化プラスチック(CFRP;Carbon-Fiber-Reinforced Plastic)などを用いて形成され、放射線検出パネル2を安定して保持するために必要な強度を有している。
【0016】
放射線検出パネル2及び防湿カバー3の集合体は、薄い部材を積層して構成されている。このような集合体は、軽く、機械的強度の低いものである。放射線検出パネル2が支持体4に固定されることにより、放射線検出装置1に外部から振動や衝撃が加わった際に放射線検出パネル2の破損を抑制することができる。
【0017】
駆動回路基板5は、支持体4の下面4Bにおいて、スペーサ8Aを介して固定されている。スペーサ8Aを使用することで、支持体4がたとえ金属製であったとしても、支持体4から駆動回路基板5までの電気的絶縁距離を保持することができる。放射線検出パネル2及び駆動回路基板5は、フレキシブル配線基板10を介して接続されている。駆動回路基板5は、放射線検出パネル2を電気的に駆動し、かつ、放射線検出パネル2からの出力信号を電気的に処理するものである。
【0018】
筐体9は、放射線検出パネル2、防湿カバー3、支持体4、駆動回路基板5、フレキシブル配線基板10、及び、スペーサ8A及び8Bを収容している。筐体9は、カバー30と、入射窓31と、を備えている。カバー30は、バックカバー32と、サイドカバー33とで構成されている。入射窓31、バックカバー32、及び、サイドカバー33は、例えば、アルミニウム合金、炭素繊維強化プラスチックなどを用いて形成されている。特に、入射窓31は、X線吸収率の低い材料で形成されている。
【0019】
バックカバー32は、平板状に形成されている。サイドカバー33は、バックカバー32に固定される部分33Aと、部分33Aと対向し入射窓31を押さえる部分33Bと、を有している。サイドカバー33は、部分33Aにおいてねじ34によってバックカバー32に固定されている。一体化されたバックカバー32及びサイドカバー33は、カバー30を構成し、箱状を呈し、X線の入射側に開口部を有している。入射窓31は、平板状に形成され、カバー30の開口部を塞ぐように設けられている。入射窓31は、放射線検出パネル2及び防湿カバー3と対向している。入射窓31は、筐体9の内部を保護する機能を有している。
【0020】
駆動回路基板5は、スペーサ8Bを介してバックカバー32に固定されている。スペーサ8Bを使用することで、バックカバー32がたとえ金属製であったとしても、バックカバー32から駆動回路基板5までの電気的絶縁距離を保持することができる。バックカバー32は、駆動回路基板5及びスペーサ8A及び8Bを介して支持体4などを支持している。
【0021】
放射線検出パネル2、防湿カバー3、支持体4、駆動回路基板5、スペーサ8A及び8B、及び、フレキシブル配線基板10は、筐体9の内部、つまり、入射窓31、バックカバー32、及び、サイドカバー33で囲まれた空間に位置している。また、放射線検出パネル2及び防湿カバー3は、支持体4と入射窓31との間に位置し、駆動回路基板5は、支持体4とバックカバー32との間に位置している。
【0022】
また、放射線検出装置1は、筐体9の内部において、放射線検出パネル2を封止する封止構造を有している。具体的には、放射線検出装置1は、封止構造として、弾性変形自在かつ低透湿性のゴム等の弾性部材20を備えている。弾性部材20は、支持体4の側面4Sに沿って設けられている。後述するが、弾性部材20は、側面4Sの全周に亘って設けられている。図1に示す例では、弾性部材20は、入射窓31とサイドカバー33との間に挟持され、弾性変形している。特に、弾性部材20は、支持体4の上面4Aと入射窓31の下面31Bとの間に挟持され、また、支持体4の下面4Bとサイドカバー33との間(より厳密には、サイドカバー33の部分33Aと下面4Bとの間)に挟持され、弾性変形している。なお、弾性部材20は、入射窓31とバックカバー32との間に挟持されてもよい。
【0023】
これにより、弾性部材20で囲まれた内側に気密な空間51が形成される。空間51は、入射窓31、支持体4、及び、弾性部材20で囲まれた空間51Aと、バックカバー32、支持体4、及び、弾性部材20で囲まれた空間51Bと、を有している。放射線検出パネル2及び防湿カバー3は、空間51Aに配置され、駆動回路基板5は、空間51Bに配置されている。
なお、空間51A及び空間51Bは、支持体4に形成された貫通孔4Hを介して連通している。放射線検出パネル2と駆動回路基板5とを接続するフレキシブル配線基板10は、折り曲げられ、放射線検出パネル2と弾性部材20との間において貫通孔4Hを通り、空間51A及び空間51Bに亘って設けられている。
【0024】
また、サイドカバー33と弾性部材20との間には、気密な空間52が形成される。この空間52は、側面4Sの全周に沿って形成される。空間51及び空間52は、弾性部材20によって仕切られている。
【0025】
図2は、図1に示した放射線検出パネル2の一部を示す分解斜視図である。
放射線検出パネル2は、光電変換基板21と、シンチレータ層22と、を備えている。光電変換基板21は、ガラス基板などの絶縁基板をベースとして形成されている。光電変換基板21は、絶縁基板上に2次元的に形成された複数の光検出部28と、行方向に沿って形成されたゲートラインGLと、列方向に沿って形成されたシグナルラインSLと、を備えている。光検出部28は、スイッチング素子26と、フォトセンサ27と、を備えている。スイッチング素子26は、例えば薄膜トランジスタによって構成されている。フォトセンサ27は、例えばフォトダイオードによって構成されている。スイッチング素子26及びフォトセンサ27は、例えばa−Si(アモルファスシリコン)を基材として形成されている。
【0026】
ゲートラインGLは、同一行のスイッチング素子26のゲート電極に電気的に接続されている。シグナルラインSLは、同一列のスイッチング素子26のソース電極に電気的に接続されている。フォトセンサ27は、スイッチング素子26のドレイン電極に電気的に接続されている。
【0027】
シンチレータ層22は、光電変換基板21上に直接形成されている。シンチレータ層22は、光電変換基板21のX線の入射側に位置している。シンチレータ層22は、例えば、光電変換基板21上にシンチレータ材を蒸着させることにより形成されている。シンチレータ材としては、例えばヨウ化セシウム(CsI)を主成分とする材料を用いることができる。
【0028】
図中に点線で示す入射窓31を透過した放射線(X線)は、シンチレータ層22で可視光である蛍光に変換される。シンチレータ層22で変換された蛍光は、フォトセンサ27で受光され、電気信号に変換される。フォトセンサ27で変換された電気信号は、フレキシブル配線基板10を介して外部に出力される。なお、図2に示す例では、フレキシブル配線基板10は、光電変換基板21の2辺に接続されているが、光電変換基板21の4辺に接続されてもよい。
【0029】
このような本実施形態に係る放射線検出装置1によれば、支持体4の側面4Sの全周に亘って弾性部材20が設けられたことにより、放射線検出装置1の強度を向上することができる。これにより、放射線検出装置1が落下した際などに加わる衝撃が吸収され、放射線検出パネル2の破損を抑制することができる。
【0030】
また、筐体9の内部で放射線検出パネル2が封止されていることにより、防湿性を向上することができる。特に、入射窓31の上面31Aは、人体に接触する場合があり、体液等の水分に晒されるおそれがある。低透湿性の弾性部材20によって筐体9の内部が封止されているため、放射線検出パネル2が配置される空間51への水分の浸入を抑制することができる。
【0031】
また、弾性部材20とサイドカバー33とで囲まれた空間52は、放射線検出パネル2が配置される空間51とは弾性部材20で仕切られている。このため、たとえ入射窓31とサイドカバー33の部分33Bとの隙間から水分が浸入したとしても、空間51への水分の浸入を抑制することができる。
【0032】
図3は、図1に示したA部を拡大した断面図である。
入射窓31の下面31Bは平坦面である一方で、入射窓31の上面31Aの側には段差が形成されている。すなわち、入射窓31は、全周縁に沿った薄肉部311と、薄肉部311で囲まれた厚肉部312と、を有している。薄肉部311の厚さは、厚肉部312の厚さより小さい。
【0033】
薄肉部311は、サイドカバー33と弾性部材20との間(より厳密には、サイドカバー33の部分33Bと弾性部材20との間)に挟持されている。入射窓31の下面31Bは、薄肉部311及び厚肉部312に亘って延びている。つまり、薄肉部311において、下面31Bが弾性部材20に接触している。上面31Aは、厚肉部312に位置し、薄肉部311には延びていない。薄肉部311において、サイドカバー33との接触面31Cは、上面31Aとの間で段差を形成している。
【0034】
入射窓31は、薄肉部311を貫通する貫通孔31Hを有している。サイドカバー33は、部分33Bにおいて、下方に向かって突出した突起33Pを有している。突起33Pの形状については、図3に示した例に限らない。突起33Pは、貫通孔31Hに嵌っている。これにより、サイドカバー33あるいはカバー30と入射窓31との位置決めが可能となる。
【0035】
また、入射窓31の貫通孔31Hは、弾性部材20によって塞がれている。このため、空間51の気密性が確保される。これにより、たとえ入射窓31とサイドカバー33の部分33Bとの隙間から水分が浸入したとしても、空間51への水分の浸入を抑制することができる。
【0036】
図4は、図1に示した支持体4の一例を示す平面図である。
支持体4は、図2に示した2つのフレキシブル配線基板10を通すべく、2辺にそれぞれ貫通孔4Hを有している。図4に示す例では、貫通孔4Hは、平面視において、側面4Sから支持体4の中央部(あるいは、点線で示した放射線検出パネル2の配置領域2A)に向かってくぼんだ凹部として形成されている。貫通孔4Hは、放射線検出パネル2の配置領域2Aには重ならない。
【0037】
図5は、弾性部材20の一例を示す平面図である。
弾性部材20は、支持体4の側面4Sを囲む連続した環状に形成されている。弾性部材20は、貫通孔4Hを塞ぐことなく配置されている。フレキシブル配線基板10は、放射線検出パネル2と弾性部材20との間において、貫通孔4Hを通り、支持体4の背面側に延びている。
【0038】
このように、放射線検出装置1の強度及び防水性を向上する観点、あるいは、放射線検出パネル2が配置される空間51の気密性を確保する観点において、弾性部材20が支持体4の全周に亘って設けられている一方で、支持体4の前面側つまり放射線検出パネル2が配置される空間51Aと、支持体4の背面側つまり駆動回路基板5が配置される空間51Bとは貫通孔4Hを介して連通されている。これにより、フレキシブル配線基板10が空間51A及び空間51Bに亘って設けられ、放射線検出パネル2と駆動回路基板5とを電気的及び機械的に接続することができる。
【0039】
図6は、弾性部材20の他の例を示す分解図である。
図6に示す例は、図5に示した例と比較して、弾性部材20が複数のセグメント201乃至204を有する点で相違している。すなわち、支持体4の側面4Sは、複数の辺に沿って形成されている。図6に示す例では、側面4Sは、4つの辺に沿って形成されている。4つのセグメント201乃至204の各々は、直線状に形成され、支持体4の4つの辺にそれぞれ設けられる。
図6に示した例においても、上記の例と同様の効果が得られる。
【0040】
以上説明した本実施形態によれば、強度を向上するとともに防湿性を向上することができる放射線検出装置を提供することができる。
【0041】
なお、この発明は、上記実施形態そのものに限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1…放射線検出装置 2…放射線検出パネル
4…支持体 4S…側面 4H…貫通孔 5…駆動回路基板
9…筐体 10…フレキシブル配線基板 20…弾性部材
21…光電変換基板 22…シンチレータ層
31…入射窓 311…薄肉部 312…厚肉部 31H…貫通孔
32…バックカバー 33…サイドカバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6