【解決手段】情報処理装置2000は複数の発注情報10を取得する。発注情報10には、注文されたカスタマイズ可能家具に関する情報が含まれており、その中にはカスタマイズ可能家具の作成に使用する1つ以上の部材それぞれに関する部材情報12が含まれている。部材情報12は部材の種類とサイズを対応づけている。情報処理装置2000は、複数の発注情報10それぞれから抽出した部材情報12を、部材の種類ごとにグループ分けする。これにより、部材の種類ごとにその種類の部材に関する部材情報12を含むグループ20が出来上がる。情報処理装置2000は、グループ20ごとに、そのグループ20に含まれる各部材情報12が示す各部材のサイズに基づき、そのグループ20に対応する種類の部材の原材料30に対する各部材の割り付けを決定する。
前記決定部は、前記原材料の使用量を最小化する最適化問題を解く処理を実行することで、前記原材料に対する各部材の割り付けを決定する、請求項1に記載の情報処理装置。
前記取得部は、所定の期間ごとにその期間内の発注に関する発注情報を取得するか、又は所定数の発注が行われるごとに当該所定数の発注それぞれに関する発注情報を取得する、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また各ブロック図において、特に説明がない限り、各ブロックは、ハードウエア単位の構成ではなく機能単位の構成を表している。
【0015】
[実施形態1]
図1は、実施形態1の情報処理装置2000の動作を概念的に例示する図である。なお、
図1は、情報処理装置2000の理解を容易にするためにその動作の一例を示しているにすぎず、情報処理装置2000の機能を何ら限定するものではない。
【0016】
情報処理装置2000は、複数のカスタマイズ可能家具(カスタマイズ可能家具や、セミカスタマイズ可能家具)の注文に基づき、それらの家具の作成に使用する複数の部材を、原材料30からどのように切り出すかを決定する。部材は、原材料30から切り出す(原材料30を切断する)ことで得られる。例えば部材は、板材や柱材などである。なお、部材は、木製のものであってもよいし、木製以外(例えば金属製)のものであってもよい。或る部材が切り出される原材料30は、その部材よりもサイズが大きい。言い換えれば、原材料30からは、複数の部材を切り出すことができる。
【0017】
まず情報処理装置2000は、複数の発注情報10を取得する。発注情報10には、注文されたカスタマイズ可能家具に関する情報が含まれており、その中には、カスタマイズ可能家具の作成に使用する1つ以上の部材それぞれに関する部材情報12が含まれている。部材情報12は、部材の種類とサイズを対応づけている。
【0018】
情報処理装置2000は、複数の発注情報10それぞれから抽出した部材情報12を、部材の種類ごとにグループ分けする。これにより、部材の種類ごとに、その種類の部材に関する部材情報12を含むグループ20が出来上がる。例えば
図1において、グループ20−1は、種類Aの部材に関する部材情報12である部材情報12−1、部材情報12−4、部材情報12−5、及び部材情報12−6を含む。一方、グループ20−2は、種類Bの部材に関する部材情報12である部材情報12−2、部材情報12−3、部材情報12−7、部材情報12−8、及び部材情報12−9を含む。
【0019】
情報処理装置2000は、部材の種類ごとに、その種類の部材の原材料30に対する割り付け(原材料30のどの部分から各部材を切り出すか)を決定する。具体的には、情報処理装置2000は、グループ20ごとに、そのグループ20に含まれる各部材情報12が示す各部材のサイズに基づき、そのグループ20に対応する種類の部材の原材料30に対する各部材の割り付けを決定する。例えば
図1の例では、種類Aの部材の原材料30−Aに対し、種類Aに関するグループ20−1に含まれる部材情報12によって示される各部材が割り付けられている。同様に、種類Bの部材の原材料30−Bに対し、種類Bに関するグループ20−2に含まれる部材情報12によって示される各部材が割り付けられている。
【0020】
なお、割り付けの決定には、原材料30の数を決定する処理も含まれる。すなわち、1つのグループ20に含まれる全ての部材を得るために必要な原材料30が複数となることもあるため、情報処理装置2000は、グループ20ごとに、そのグループ20に含まれる部材を得るために必要な原材料30の数、及び各原材料30のどの部分から各部材を切り出すのかを決定する。
【0021】
<作用・効果>
本実施形態の情報処理装置2000によれば、複数の発注情報10に示される部材情報12が、部材の種類ごとに分類される。そして、部材の種類ごとに、その種類の原材料30に対する部材の割り付けが決定される。こうすることで、複数の様々な家具を作成する際に使用する部材を、原材料から効率よく切り出すことができる。
【0022】
ここで、大量生産が行われる一般的な家具では、使用する部材が同一である家具を大量に生産するため、予め原材料から部材をどのように切り出すかを決定しておくことができる。そのため、顧客の注文を受けた後に部材をどのように切り出すかを考えるような場面はないと考えられる。
【0023】
これに対し、カスタマイズ可能な家具を扱う場合、注文が行われるまで、どのような部材がどの程度家具の作成に必要になるかが分からない。たとえ同一種類の家具の注文を複数受け付けたとしても、顧客によってカスタマイズ内容が様々であることから、それらの家具の作成に使用される部材の量やサイズが異なることが多い。
【0024】
本実施形態の情報処理装置2000によれば、このように注文を受け付けた後で初めて必要な部材の量やサイズが決まるというカスタマイズ可能な家具の受注生産を行う状況において、原材料に対する部材の割り付けを適切に決定することができる。ここで、情報処理装置2000は、それぞれ異なる注文についての家具の作成で使用される同一種類の部材を組み合わせることができる。その際、それぞれ異なる日に行われた注文や、それぞれ異なる顧客によって行われた注文であっても、組み合わせることが可能である。このことから、情報処理装置2000によれば、カスタマイズ可能な家具の生産に必要な原材料の量を少なくし、家具の生産コストを小さくすることができる。また、部材の切り出しを行う作業者の労力を軽減することもできる。
【0025】
以下、本実施形態についてさらに詳細を述べる。
【0026】
<機能構成の例>
図2は、情報処理装置2000の機能構成を例示するブロック図である。情報処理装置2000は、取得部2020、グループ分け部2040、及び決定部2060を有する。取得部2020は、発注情報10を複数取得する。前述したように、発注情報10は部材情報12を含む。部材情報12は、カスタマイズ可能家具の作成に使用される1つ以上の部材それぞれについて、その種類及びサイズの組み合わせを示す。グループ分け部2040は、取得した複数の発注情報10それぞれに含まれる部材情報12を、その部材情報12が示す部材の種類ごとに、グループ20に分ける。決定部2060は、グループ20ごとに、そのグループ20に含まれる各部材情報12が示す各部材について、原材料30に対する割り付けを決定する。この割り付けは、各部材のサイズに基づいて決定される。
【0027】
<情報処理装置2000のハードウエア構成の例>
情報処理装置2000の各機能構成部は、各機能構成部を実現するハードウエア(例:ハードワイヤードされた電子回路など)で実現されてもよいし、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせ(例:電子回路とそれを制御するプログラムの組み合わせなど)で実現されてもよい。以下、情報処理装置2000の各機能構成部がハードウエアとソフトウエアとの組み合わせで実現される場合について、さらに説明する。
【0028】
図3は、情報処理装置2000を実現するための計算機1000を例示する図である。計算機1000は、任意の種類の計算機である。例えば計算機1000は、Personal Computer(PC)、サーバマシン、タブレット端末、又はスマートフォンなどである。計算機1000は、情報処理装置2000を実現するために設計された専用の計算機であってもよいし、汎用の計算機であってもよい。
【0029】
プロセッサ1040は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)などの種々のプロセッサである。メモリ1060は、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現される主記憶装置である。ストレージデバイス1080は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又は ROM(Read Only Memory)などを用いて実現される補助記憶装置である。
【0030】
入出力インタフェース1100は、計算機1000と入出力デバイスとを接続するためのインタフェースである。例えば入出力インタフェース1100には、キーボードなどの入力装置や、ディスプレイ装置などの出力装置が接続される。ネットワークインタフェース1120は、計算機1000を通信網に接続するためのインタフェースである。この通信網は、例えば LAN(Local Area Network)や WAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1120が通信網に接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
【0031】
ストレージデバイス1080は、情報処理装置2000の各機能構成部を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1040は、これら各プログラムモジュールをメモリ1060に読み出して実行することで、各プログラムモジュールに対応する機能を実現する。
【0032】
<処理の流れ>
図4は、実施形態1の情報処理装置2000によって実行される処理の流れを例示するフローチャートである。取得部2020は、発注情報10を複数取得する(S102)。グループ分け部2040は、取得した複数の発注情報10それぞれに含まれる部材情報12を、その部材情報12が示す部材の種類ごとに、グループ20に分ける(S104)。決定部2060は、グループ20ごとに、そのグループ20に含まれる各部材情報12が示す各部材のサイズに基づき、それらの部材の原材料30に対する割り付けを決定する(S106)。
【0033】
<発注情報10と部材情報12について>
発注情報10は、カスタマイズ可能家具に関する情報を含むものであり、少なくとも部材情報12を含む。部材情報12は、部材の種類とサイズとを対応づけた情報である。例えば、種類がAであり、サイズが 20cm*30cm*2cm という部材についての部材情報12は、「種類:種類A、サイズ:20cm*30cm*2cm」という情報を示す。
【0034】
なお、1つのカスタマイズ可能家具において、同一種類かつ同一サイズの部材が複数使用される場合、部材情報12は、部材の数をさらに示してもよい。ただし、部材の数に関する情報を部材情報12に含める代わりに、部材の数と同じ数の部材情報12を発注情報10に含めるようにしてもよい。例えば、種類がAであり、サイズが 20cm*30cm*2cm という部材を3つ使用する場合において、「種類:種類A、サイズ:20cm*30cm*2cm、数:3」という1つの部材情報12を発注情報10に含めてもよいし、「種類:種類A、サイズ:20cm*30cm*2cm」という部材情報12を3つ発注情報10に含めてもよい。
【0035】
発注情報10が含む部材情報12以外の情報は任意である。例えば発注情報10は、カスタマイズ可能家具の種類(収納棚、テーブル、又はテレビ台など)を示す情報、カスタマイズ可能家具の作成に使用するその他の部材に関する情報、注文者に関する情報、及び納期に関する情報などを含む。
【0036】
<部材の種類について>
部材は、その種類を基準としてグループ分けされる。このグループ分けの基準となる「部材の種類」は、例えば、その部材が切り出される原材料30の種類(木や金属の種類)や色などによって定められる。さらに、部材の種類は、原材料30の種類などに加え、部材の厚みによって定められてもよい。この場合、原材料30の種類が互いに同一である部材であっても、厚さが 1cm の部材と厚さが 2cm の部材は、互いに異なる種類のものとして区別される。このような区別をすることにより、原材料30から部材を切り出す際、厚さ方向についての切断が必要なくなる。すなわち、厚さがそれぞれ異なる複数の原材料30を用意しておき、部材の切り出しは、その部材の厚さと同じ厚さを持つ原材料30から切り出すようにすればよい。
【0037】
なお、このように厚さが互いに異なる部材については互いに異なる種類のものとして扱う場合、部材のサイズは、縦の長さと横の長さで定めることができる。このようなケースにおける部材情報12は、例えば、「種類:(木の種類A,厚さ 2cm)、サイズ:20cm*30cm」といった情報となる。
【0038】
<発注情報10の取得:S102>
取得部2020は、複数の発注情報10を取得する(S102)。取得部2020が発注情報10を取得する方法には、任意の方法を採用することができる。例えば取得部2020は、発注情報10が記憶されている記憶装置にアクセスして、発注情報10を取得する。この記憶装置は、情報処理装置2000の内部に設けられているもの(例えばストレージデバイス1080)であってもよいし、情報処理装置2000の外部に設けられているもの(例えば、NAS(Network Attached Storage))であってもよい。その他にも例えば、取得部2020は、他の装置(例えば、発注情報10を生成する装置)から送信される発注情報10を受信することで、発注情報10を取得してもよい。
【0039】
ここで、原材料30に対する部材の割り付けは、ロット単位で行われる。1ロットには、例えば、所定期間内(例えば一週間)の発注に対応する全ての発注情報10や、所定数の発注情報10が含まれる。前者の場合、例えば取得部2020は、所定期間に一度、記憶装置から発注情報10を取得する。後者の場合、例えば取得部2020は、記憶装置から、まだ取得していない所定数の発注情報10を取得する。
【0040】
ただし、取得部2020は、1ロットに含まれる発注情報10を複数回に分けて取得してもよい。この場合、例えばグループ分け部2040が、取得部2020が発注情報10を1ロット分取得し終えたタイミングで、処理を開始する。
【0041】
<部材情報12のグループ分け:S104>
グループ分け部2040は、複数の部材情報12を部材の種類ごとに分類して、グループ20に分ける(S104)。以下、このグループ分けの流れを、フローチャートを用いて例示する。
図5は、グループ分け部2040によるグループ分けの処理の流れを例示するフローチャートである。
【0042】
S202からS212は、取得した全ての発注情報10から得られる全ての部材情報12それぞれについて一回ずつ行われるループ処理である。S202において、グループ分け部2040は、まだ処理対象としていない部材情報12が存在するか否かを判定する。既に全ての部材情報12を処理対象とした場合、
図5の処理は終了する。一方、まだ処理対象としていない部材情報12が存在する場合、グループ分け部2040は、まだ処理対象としていない部材情報12のうちの1つを選択する。ここで選択された部材情報12を、部材情報iと表記する。
【0043】
グループ分け部2040は、部材情報iが示す部材の種類に対応するグループ20が存在するか否かを判定する(S204)。なお、ループ処理Aの初回実行時には、グループ20が1つも存在しないものとする。部材情報iが示す部材の種類に対応するグループ20が存在する場合(S204:YES)、グループ分け部2040は、部材情報iを、部材情報iが示す種類に対応するグループ20に入れる(S206)。部材情報iが示す部材の種類に対応するグループ20が存在しない場合(S204:YES)、グループ分け部2040は、部材情報iが示す部材の種類に対応するグループ20を新たに生成し(S208)、生成したグループ20に部材情報iを入れる(S210)。
【0044】
S212はループ処理Aの終端であるため、
図5の処理は、S202に戻る。
【0045】
<決定部2060による決定:S106>
決定部2060は、グループ20ごとに、そのグループ20に含まれる各部材情報12が示す各部材のサイズに基づき、それらの部材の原材料30に対する割り付けを決定する(S106)。この処理は、例えば、グループ20ごとに、原材料30の使用量を最小化する最適化問題を解くアルゴリズムを実行することで実現できる。以下、この最適化問題の目的関数と制約条件について説明する。なお、以下で説明する目的関数及び制約条件の下で最適化問題を解くアルゴリズムには、既存のアルゴリズムを利用することができる。
【0046】
この最適化問題は、「部材の切り出しに要する原材料30の使用量を算出する関数」を目的関数とし、その目的関数を最小化する問題である。ここで、原材料30の使用量には、部材として切り出した部分の量だけでなく、部材として使えない部分(いわゆる端材)の量も含まれる。
【0047】
例えば決定部2060は、原材料30の使用数を、原材料30の使用量として扱う。この場合、決定部2060は、原材料30の使用数が最小となる部材の割り付け方法を決定する。なお、原材料30の使用数が最小となる割り付け方法が複数ある場合、決定部2060は、それらの方法のうちのいずれか1つを任意に選んでもよいし、端材の量が最小となる(すなわち、原材料30の利用効率が最大となる)方法を選んでもよい。
【0048】
上記最適化問題の制約条件として、原材料30のサイズが含まれる。そのために決定部2060は、原材料30のサイズに関する情報を取得する。この情報を原材料情報と呼ぶ。原材料情報は、原材料30の種類とサイズとを対応づけた情報である。原材料30の種類とサイズの定め方は、部材の種類とサイズの定め方と同様である。なお、原材料情報は、種類とサイズに加え、在庫数をさらに示すことが好適である。
【0049】
決定部2060は、或るグループ20に含まれる部材情報12が示す部材の割り付けを決定する際、種類及び厚さがその部材と同じである原材料30に関する原材料情報を取得する。例えば決定部2060は、原材料情報のデータベースを、原材料30の種類及び厚さを条件として検索することで、その種類及び厚さを示す原材料情報を取得する。
【0050】
決定部2060は、上記最適化問題を解くアルゴリズムに対し、切り出す各部材のサイズと原材料30のサイズを入力する。これにより、各部材の原材料30に対する割り付けが決定される。
【0051】
ここで、種類及び厚さが同一の原材料30について、サイズのバリエーションが複数存在してもよい。例えば、「種類:種類A、サイズ:20cm*30cm*2cm」という原材料30と、「種類:種類A、サイズ:50cm*50cm*2cm」という原材料30という2つが存在しうる。これら2つは、種類が種類Aである点、及び厚さが 2cm である点で共通しているが、縦と横の長さが異なる。
【0052】
このようなケースでは、種類と厚さを条件として原材料情報を検索した結果、複数の原材料情報が得られる。そこで例えば、決定部2060は、上記最適化問題を解くアルゴリズムに対し、切り出す各部材のサイズと、複数の原材料30それぞれのサイズとを入力する。これにより、各部材の原材料30に対する割り付けが決定される。なお、入力として、各原材料30の在庫数を加えてもよい。この場合、最適化問題における制約として、利用可能な各原材料30の数がその在庫数以下であるという制約が加わる。
【0053】
なお、原材料30としては、予め用意されたもの(例えば、木材や金属材料を提供する業者から購入するもの)だけでなく、部材を切り出した結果として生じた端材を利用してもよい。このような端材の利用は、その端材の情報を、前述した原材料情報として登録することによって可能となる。例えば、原材料30として利用可能な端材のサイズの下限値を定めておき、その下限値以上のサイズを持つ端材を、その端材が切り出されたロットより後のロットにおいて、原材料30として利用するようにする。端材のサイズの下限値は、例えば、縦の長さと横の長さのいずれか一方及び双方や、面積として定めることができる。
【0054】
<決定した割り付けを示す情報の出力>
情報処理装置2000は、決定した部材の割り付けを示す情報の生成及び出力を行う。ここで、部材の割り付けを示す情報を、割り付け情報と呼ぶ。例えば割り付け情報は、原材料30の種類、原材料30の切断箇所、及び切断されることで得られる原材料30の各部分に対応する部材を示す情報である。この情報は、図面で表されることが好ましい。なお、上述した決定部2060による割り付けの決定を図面で表す技術には、既存の技術を利用することができる。
【0055】
図6は、割り付け情報を例示する図である。
図6において、割り付け情報は符号60で表されている。割り付け情報60は、原材料30の名前、割り付け図面、及び割り付けられた部材に関する情報を示している。原材料30の名前は、原材料30の種類を表している。割り付け図面は、原材料30の切断方法を示している。原材料30において、直線の交点に示されている数字は、切断の順序を表している。また、部材の中の数字は、部材に割り与えたIDである。
【0056】
部材に関する情報は、どのIDの部材が、どの注文のどの部材に利用されるものなのかを表している。後者は、発注情報10の識別子と、その発注情報10内における部材情報12の識別子とをハイフンで結んだ文字列(「001−01」など)で表されている。
【0057】
割り付け情報の出力先は様々である。例えば割り付け情報は、情報処理装置2000からアクセス可能な記憶装置に記憶される。その他にも例えば、割り付け情報は、情報処理装置2000に接続されているディスプレイ装置に表示されてもよい。その他にも例えば、割り付け情報は、情報処理装置2000と通信可能に接続されている他のコンピュータに対して送信されてもよい。
【0058】
<情報処理装置2000を含む受注生産システムの構成例>
図7は、情報処理装置2000を含む受注生産システム200を例示する図である。この受注生産システム200は、カスタマイズ可能家具について、対象家具の発注を受け付ける処理、工場に対して生産を依頼する処理、及び生産した家具を配送する処理を行う。例えば受注生産システム200は、カスタマイズ可能家具の受注販売を行う会社Xによって管理される。ただし、受注生産システム200の管理は、会社Xから管理を依頼された他者によって行われてもよい。
【0059】
システム100は、カスタマイズ可能家具の発注を受け付ける Web サイトを提供する Web サーバ110、及び情報処理装置2000などを有する。
【0060】
顧客は、ユーザ端末130(例えば携帯端末)を利用して Web サーバ110にアクセスし、所望する家具(以下、対象家具)の種類及びカスタマイズ内容を指定して、家具の発注を行う。Web サーバ110は、対象家具の作成に必要な部材を特定して、対象家具について発注情報10を生成して、記憶装置に記憶させる。
【0061】
情報処理装置2000は、前述したように、複数の発注情報10をロット単位で処理する。例えば、情報処理装置2000は、一週間に一度、過去一週間の間に受け付けた発注に関する発注情報10を用いて、原材料30に対する部材の割り付けを決定し、割り付け情報を生成する。
【0062】
情報処理装置2000は、生成した割り付け情報や対象家具の設計図面などを含む生産依頼情報を、工場Yの工場端末120に対して送信する。工場Yでは、カスタマイズ内容に基づいて、部材の生産や加工が行われる。その中には、割り付け情報に基づいて原材料30から部材を切り出す作業も含まれる。その他にも例えば、部材にダボ穴を設けたり、部材に着色を行ったりする作業が行われる。なお、部材を組み立てて対象家具を作成する作業は、工場Yが行うようにしてもよいし、会社Xが行うようにしてもよいし、ユーザが行うようにしてもよい。
【0063】
ここで、
図7において対象家具の生産に携わっている工場は工場Yの1つであるが、対象家具の生産に複数の工場が携わってもよい。この場合、情報処理装置2000は、それぞれの工場用に生産依頼情報を生成して送信する。
【0064】
工場Yでの生産作業が完了した後、配送が行われる。部材の組み立てを会社Xが行う場合、工場Yから会社Xへ部材の配送を行う。そして、会社Xで部材を組み立てて対象家具を完成させた後、会社Xからユーザへ対象家具の配送を行う。部材の組み立てを工場Yで行う場合、完成した対象家具が、会社Xを経由してユーザに配送されるか、又は工場Yから直接ユーザに配送される。部材の組み立てをユーザが行う場合、部材が、会社Xを経由してユーザに配送されるか、又は工場Yから直接ユーザに配送される。
【0065】
なお、工場が複数ある場合、例えば各工場から会社Xに対して部材を配送する。そして、各工場から配送された部材を会社Xで組み立てて対象家具を完成させ、会社Xからユーザに対して対象家具を配送する。その他にも例えば、各工場から配送された部材をひとまとめにして梱包し、会社Xからユーザに対して配送するようにしてもよい。この場合、部材の組み立てはユーザによって行われる。
【0066】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0067】
以下、参考形態の例を付記する。
1. 少なくとも一部の構成をカスタマイズ可能なカスタマイズ可能家具の発注情報を複数取得する取得部を有し、
前記発注情報は、前記カスタマイズ可能家具の作成に使用される1つ以上の部材それぞれについて、その種類及びサイズの組み合わせを示す部材情報を含み、
前記取得した複数の発注情報それぞれに含まれる部材情報を、その部材情報が示す部材の種類ごとにグループ分けするグループ分け部と、
前記グループごとに、そのグループに含まれる各前記部材情報が示す各部材のサイズに基づき、そのグループに対応する種類の部材について、原材料に対する割り付けを決定する決定部と、を有する情報処理装置。
2. 前記決定部は、前記原材料の使用量を最小化する最適化問題を解く処理を実行することで、前記原材料に対する各部材の割り付けを決定する、1.に記載の情報処理装置。
3. 前記取得部は、所定の期間ごとにその期間内の発注に関する発注情報を取得するか、又は所定数の発注が行われるごとに当該所定数の発注それぞれに関する発注情報を取得する、1.又は2.に記載の情報処理装置。
【0068】
4. コンピュータによって実行される制御方法であって、
少なくとも一部の構成をカスタマイズ可能なカスタマイズ可能家具の発注情報を複数取得する取得ステップを有し、
前記発注情報は、前記カスタマイズ可能家具の作成に使用される1つ以上の部材それぞれについて、その種類及びサイズの組み合わせを示す部材情報を含み、
前記取得した複数の発注情報それぞれに含まれる部材情報を、その部材情報が示す部材の種類ごとにグループ分けするグループ分けステップと、
前記グループごとに、そのグループに含まれる各前記部材情報が示す各部材のサイズに基づき、そのグループに対応する種類の部材について、原材料に対する割り付けを決定する決定ステップと、を有する制御方法。
5. 前記決定ステップにおいて、前記原材料の使用量を最小化する最適化問題を解く処理を実行することで、前記原材料に対する各部材の割り付けを決定する、4.に記載の制御方法。
6. 前記取得ステップにおいて、所定の期間ごとにその期間内の発注に関する発注情報を取得するか、又は所定数の発注が行われるごとに当該所定数の発注それぞれに関する発注情報を取得する、4.又は5.に記載の制御方法。
【0069】
7. 4.乃至6.いずれか一つに記載の情報処理装置の各ステップをコンピュータに実行させるプログラム。