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特開2021-166121燃料電池発電システム及び燃料電池発電システムの運転方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-166121(P2021-166121A)
(43)【公開日】2021年10月14日
(54)【発明の名称】燃料電池発電システム及び燃料電池発電システムの運転方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20210917BHJP
   H01M 8/04537 20160101ALI20210917BHJP
   H01M 8/04746 20160101ALI20210917BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20210917BHJP
   H01M 8/04111 20160101ALI20210917BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20210917BHJP
【FI】
   H01M8/04 J
   H01M8/04537
   H01M8/04746
   H01M8/00 A
   H01M8/04111
   H01M8/12 101
   H01M8/12 102B
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2020-68028(P2020-68028)
(22)【出願日】2020年4月6日
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱パワー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】岩井 康
(72)【発明者】
【氏名】眞竹 徳久
(72)【発明者】
【氏名】大澤 弘行
(72)【発明者】
【氏名】加藤 芳樹
(72)【発明者】
【氏名】久留 長生
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB06
5H127AA07
5H127AB25
5H127AB27
5H127AB29
5H127AC01
5H127AC15
5H127BA05
5H127BA12
5H127BA38
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB37
5H127DB69
5H127DC22
(57)【要約】
【課題】燃料電池の出力変化速度を大きくすることが可能な燃料電池発電システムを提供する。
【解決手段】燃料電池発電システムは、燃料電池と、前記燃料電池に酸化性ガスを供給するための酸化性ガス供給ラインに設けられる少なくとも1つの圧縮機と、前記少なくとも1つの圧縮機のうち第1圧縮機を駆動可能に構成された第1モータと、前記第1モータと電力系統との間に設けられ、前記第1モータのトルクを調節可能な1以上の電力変換器と、を備える。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池と、
前記燃料電池に酸化性ガスを供給するための酸化性ガス供給ラインに設けられる少なくとも1つの圧縮機と、
前記少なくとも1つの圧縮機のうち第1圧縮機を駆動可能に構成された第1モータと、
前記第1モータと電力系統との間に設けられ、前記第1モータのトルクを調節可能な1以上の電力変換器と、
を備える燃料電池発電システム。
【請求項2】
前記燃料電池の出力要求値に対応する前記燃料電池への前記酸化性ガスの供給量が実現されるように、前記第1モータのトルクを調節するように前記1以上の電力変換器を制御するためのコントローラを備える
請求項1に記載の燃料電池発電システム。
【請求項3】
前記1以上の電力変換器は、前記電力系統と前記第1モータとの間に設けられた交流交流変換器を含む
請求項1又は2に記載の燃料電池発電システム。
【請求項4】
前記1以上の電力変換器は、
前記燃料電池と前記電力系統との間に設けられるインバータと、
前記燃料電池と前記インバータとの間の第1直流電路との間に設けられる直流交流変換器と、
を含む
請求項1又は2に記載の燃料電池発電システム。
【請求項5】
前記インバータと前記第1モータとの間の第2直流電路に接続されるモータ用蓄電池を備える
請求項4に記載の燃料電池発電システム。
【請求項6】
前記燃料電池からの排ガスにより駆動されるとともに、前記少なくとも1つの圧縮機のうちいずれかを駆動するように構成された少なくとも1つのタービンを備える
請求項1乃至5の何れか一項に記載の燃料電池発電システム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのタービンは、前記第1圧縮機を駆動するように構成された第1タービンを含む
請求項6に記載の燃料電池発電システム。
【請求項8】
前記第1モータは、前記第1タービンに駆動されて回生運転可能に構成された
請求項7に記載の燃料電池発電システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの圧縮機は、前記酸化性ガス供給ライン上にて前記第1圧縮機と直列に設けられる第2圧縮機を含む
請求項6乃至8の何れか一項に記載の燃料電池発電システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのタービンは、前記第2圧縮機を駆動するように構成された第2タービンを含む
請求項9に記載の燃料電池発電システム。
【請求項11】
前記第2圧縮機を駆動するためのモータを備える
請求項9又は10に記載の燃料電池発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃料電池発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池を含む発電システムとして、加圧された酸化性ガス(例えば空気)が燃料電池の酸素側電極に供給されるように構成された加圧型の燃料電池発電システムが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、タービンにより駆動される圧縮機で圧縮した空気を燃料電池の空気極に供給する加圧空気供給システムを含む燃料電池システムが開示されている。この加圧空気供給システムでは、燃料電池システムの通常運転時には、燃料電池の燃料極からの排燃料ガスと、燃料電池の空気極からの排空気との燃焼で生成される燃焼ガスにより、上述のタービンが駆動されるようになっている。また、特許文献1には、燃料電池システム及び加圧空気供給システムの起動時に、圧縮機を駆動するタービンの出力が十分高くなるまで、圧縮機の駆動をモータで補助することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6591112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、加圧型の燃料電池発電システムの通常運転時において、出力要求に応じて燃料電池の出力を変化(増減)させることがある。このとき、燃料電池への燃料供給量については、燃料供給バルブの開度調節等により、出力要求に応じて比較的迅速に増減可能であるが、一方、燃料電池への酸化性ガス供給量については迅速に変化させることが難しい場合がある。これは、例えば燃料電池からの排ガスを用いてタービンを駆動する場合、タービンに駆動される圧縮機による燃料電池への酸化性ガス供給量は燃料電池からの排ガスの量や温度に依存するが、燃料電池の容積が比較的大きいため、燃料電池からの排ガス量や温度を迅速に増減させることが難しい等の理由による。したがって、燃料電池の出力変化速度を大きくすることができず、実運用において負荷追従性が十分でない場合がある。
特に太陽電池や風力発電などの再生可能エネルギのような負荷変動の大きな電力系統に組み込む場合にはより良好な負荷追従性と作動安定性が求められる。
【0006】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、燃料電池の出力変化速度を大きくすることが可能な燃料電池発電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の少なくとも一実施形態に係る燃料電池発電システムは、
燃料電池と、
前記燃料電池に酸化性ガスを供給するための酸化性ガス供給ラインに設けられる少なくとも1つの圧縮機と、
前記少なくとも1つの圧縮機のうち第1圧縮機を駆動可能に構成された第1モータと、
前記第1モータと電力系統との間に設けられ、前記第1モータのトルクを調節可能な電力変換器と、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、燃料電池の出力変化速度を大きくすることが可能な燃料電池発電システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係るSOFCモジュール(燃料電池モジュール)の概略図である。
図2】一実施形態に係るSOFCモジュール(燃料電池モジュール)を構成するSOFCカートリッジ(燃料電池カートリッジ)の概略的な断面図である。
図3】一実施形態に係るSOFCモジュール(燃料電池モジュール)を構成するセルスタックの概略的な断面図である。
図4】一実施形態に係る燃料電池発電システムの構成を示す概略図である。
図5】一実施形態に係る燃料電池発電システムの構成を示す概略図である。
図6】一実施形態に係る燃料電池発電システムの構成を示す概略図である。
図7】一実施形態に係る燃料電池発電システムの構成を示す概略図である。
図8】一実施形態に係る燃料電池発電システムの構成を示す概略図である。
図9】一実施形態に係る燃料電池発電システムの構成を示す概略図である。
図10】一実施形態に係る燃料電池発電システムの構成を示す概略図である。
図11】典型的な燃料電池発電システムの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0011】
以下においては、説明の便宜上、紙面を基準として「上」及び「下」の表現を用いて説明した各構成要素の位置関係は、各々鉛直上方側、鉛直下方側を示すものである。また、本実施形態では、上下方向と水平方向で同様な効果を得られるものは、紙面における上下方向が必ずしも鉛直上下方向に限定することなく、例えば鉛直方向に直交する水平方向に対応してもよい。
【0012】
以下において、燃料電池発電システムを構成する燃料電池として固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell, SOFC)を採用した実施形態について説明するが、幾つかの実施形態では、燃料電池発電システムを構成する燃料電池として、SOFC以外のタイプの燃料電池(例えば溶融炭酸塩型燃料電池(Molten−carbonate fuel cells, MCFC)等)を採用してもよい。
【0013】
(燃料電池の構成)
まず、図1図3を参照して、幾つかの実施形態に係る燃料電池発電システムを構成する燃料電池について説明する。なお、本明細書における燃料電池は、以下に説明する燃料電池モジュール、燃料電池カートリッジ、又はセルスタックであってもよい。図1は、一実施形態に係るSOFCモジュール(燃料電池モジュール)の概略図である。図2は、一実施形態に係るSOFCモジュール(燃料電池モジュール)を構成するSOFCカートリッジ(燃料電池カートリッジ)の概略的な断面図である。図3は、一実施形態に係るSOFCモジュール(燃料電池モジュール)を構成するセルスタックの概略的な断面図である。
【0014】
SOFCモジュール(燃料電池モジュール)201は、図1に示すように、例えば、複数のSOFCカートリッジ(燃料電池カートリッジ)203と、これら複数のSOFCカートリッジ203を収納する圧力容器205とを備える。なお、図1には円筒形のSOFCのセルスタック101を例示しているが、必ずしもこの限りである必要はなく、例えば平板形のセルスタックであってもよい。また、SOFCモジュール201は、燃料ガス供給管207と複数の燃料ガス供給枝管207a及び燃料ガス排出管209と複数の燃料ガス排出枝管209aとを備える。また、SOFCモジュール201は、酸化性ガス供給管(不図示)と酸化性ガス供給枝管(不図示)及び酸化性ガス排出管(不図示)と複数の酸化性ガス排出枝管(不図示)とを備える。
【0015】
燃料ガス供給管207は、圧力容器205の内部に設けられ、SOFCモジュール201の発電量に対応して所定ガス組成と所定流量の燃料ガスを供給する燃料ガス供給部に接続されると共に、複数の燃料ガス供給枝管207aに接続されている。この燃料ガス供給管207は、上述の燃料ガス供給部から供給される所定流量の燃料ガスを、複数の燃料ガス供給枝管207aに分岐して導くものである。また、燃料ガス供給枝管207aは、燃料ガス供給管207に接続されると共に、複数のSOFCカートリッジ203に接続されている。この燃料ガス供給枝管207aは、燃料ガス供給管207から供給される燃料ガスを複数のSOFCカートリッジ203に略均等の流量で導き、複数のSOFCカートリッジ203の発電性能を略均一化させるものである。
【0016】
燃料ガス排出枝管209aは、複数のSOFCカートリッジ203に接続されると共に、燃料ガス排出管209に接続されている。この燃料ガス排出枝管209aは、SOFCカートリッジ203から排出される排燃料ガスを燃料ガス排出管209に導くものである。また、燃料ガス排出管209は、複数の燃料ガス排出枝管209aに接続されると共に、一部が圧力容器205の外部に配置されている。この燃料ガス排出管209は、燃料ガス排出枝管209aから略均等の流量で導出される排燃料ガスを圧力容器205の外部に導くものである。
【0017】
圧力容器205は、内部の圧力が0.1MPa〜約3MPa、内部の温度が大気温度〜約550℃で運用されるので、耐圧性と酸化性ガス中に含まれる酸素などの酸化剤に対する耐食性を保有する材質が利用される。例えばSUS304などのステンレス系材が好適である。
【0018】
ここで、本実施形態においては、複数のSOFCカートリッジ203が集合化されて圧力容器205に収納される態様について説明しているが、これに限られず例えば、SOFCカートリッジ203が集合化されずに圧力容器205内に収納される態様とすることもできる。
【0019】
SOFCカートリッジ203は、図2に示す通り、複数のセルスタック101と、発電室215と、燃料ガス供給ヘッダ217と、燃料ガス排出ヘッダ219と、酸化性ガス(空気)供給ヘッダ221と、酸化性ガス排出ヘッダ223とを備える。また、SOFCカートリッジ203は、上部管板225aと、下部管板225bと、上部断熱体227aと、下部断熱体227bとを備える。なお、本実施形態においては、SOFCカートリッジ203は、燃料ガス供給ヘッダ217と燃料ガス排出ヘッダ219と酸化性ガス供給ヘッダ221と酸化性ガス排出ヘッダ223とが図2のように配置されることで、燃料ガスと酸化性ガスとがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れる構造となっているが、必ずしもこの必要はなく、例えば、セルスタック101の内側と外側とを平行して流れる、または酸化性ガスがセルスタック101の長手方向と直交する方向へ流れるようにしても良い。
【0020】
発電室215は、上部断熱体227aと下部断熱体227bとの間に形成された領域である。この発電室215は、セルスタック101の燃料電池セル105が配置された領域であり、燃料ガスと酸化性ガスとを電気化学的に反応させて発電を行う領域である。また、この発電室215のセルスタック101長手方向の中央部付近での温度は、温度計測部(温度センサや熱電対など)で監視され、燃料電池モジュール201の定常運転時に、およそ700℃〜1000℃の高温雰囲気となる。
【0021】
燃料ガス供給ヘッダ217は、SOFCカートリッジ203の上部ケーシング229aと上部管板225aとに囲まれた領域であり、上部ケーシング229aの上部に設けられた燃料ガス供給孔231aによって、燃料ガス供給枝管207aと連通されている。また、複数のセルスタック101は、上部管板225aとシール部材237aにより接合されており、燃料ガス供給ヘッダ217は、燃料ガス供給枝管207aから燃料ガス供給孔231aを介して供給される燃料ガスを、複数のセルスタック101の基体管103の内部に略均一流量で導き、複数のセルスタック101の発電性能を略均一化させるものである。
【0022】
燃料ガス排出ヘッダ219は、SOFCカートリッジ203の下部ケーシング229bと下部管板225bとに囲まれた領域であり、下部ケーシング229bに備えられた燃料ガス排出孔231bによって、図示しない燃料ガス排出枝管209aと連通されている。また、複数のセルスタック101は、下部管板225bとシール部材237bにより接合されており、燃料ガス排出ヘッダ219は、複数のセルスタック101の基体管103の内部を通過して燃料ガス排出ヘッダ219に供給される排燃料ガスを集約して、燃料ガス排出孔231bを介して燃料ガス排出枝管209aに導くものである。
【0023】
SOFCモジュール201の発電量に対応して所定ガス組成と所定流量の酸化性ガスを酸化性ガス供給枝管へと分岐して、複数のSOFCカートリッジ203へ供給する。酸化性ガス供給ヘッダ221は、SOFCカートリッジ203の下部ケーシング229bと下部管板225bと下部断熱体(支持体)227bとに囲まれた領域であり、下部ケーシング229bの側面に設けられた酸化性ガス供給孔233aによって、図示しない酸化性ガス供給枝管と連通されている。この酸化性ガス供給ヘッダ221は、図示しない酸化性ガス供給枝管から酸化性ガス供給孔233aを介して供給される所定流量の酸化性ガスを、後述する酸化性ガス供給隙間235aを介して発電室215に導くものである。
【0024】
酸化性ガス排出ヘッダ223は、SOFCカートリッジ203の上部ケーシング229aと上部管板225aと上部断熱体(支持体)227aとに囲まれた領域であり、上部ケーシング229aの側面に設けられた酸化性ガス排出孔233bによって、図示しない酸化性ガス排出枝管と連通されている。この酸化性ガス排出ヘッダ223は、発電室215から、後述する酸化性ガス排出隙間235bを介して酸化性ガス排出ヘッダ223に供給される排酸化性ガスを、酸化性ガス排出孔233bを介して図示しない酸化性ガス排出枝管に導くものである。
【0025】
上部管板225aは、上部ケーシング229aの天板と上部断熱体227aとの間に、上部管板225aと上部ケーシング229aの天板と上部断熱体227aとが略平行になるように、上部ケーシング229aの側板に固定されている。また上部管板225aは、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101の本数に対応した複数の孔を有し、該孔にはセルスタック101が夫々挿入されている。この上部管板225aは、複数のセルスタック101の一方の端部をシール部材237a及び接着部材のいずれか一方又は両方を介して気密に支持すると共に、燃料ガス供給ヘッダ217と酸化性ガス排出ヘッダ223とを隔離するものである。
【0026】
上部断熱体227aは、上部ケーシング229aの下端部に、上部断熱体227aと上部ケーシング229aの天板と上部管板225aとが略平行になるように配置され、上部ケーシング229aの側板に固定されている。また、上部断熱体227aには、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101の本数に対応して、複数の孔が設けられている。この孔の直径はセルスタック101の外径よりも大きく設定されている。上部断熱体227aは、この孔の内面と、上部断熱体227aに挿通されたセルスタック101の外面との間に形成された酸化性ガス排出隙間235bを備える。
【0027】
この上部断熱体227aは、発電室215と酸化性ガス排出ヘッダ223とを仕切るものであり、上部管板225aの周囲の雰囲気が高温化し強度低下や酸化性ガス中に含まれる酸化剤による腐食が増加することを抑制する。上部管板225a等はインコネルなどの高温耐久性のある金属材料から成るが、上部管板225a等が発電室215内の高温に晒されて上部管板225a等内の温度差が大きくなることで熱変形することを防ぐものである。また、上部断熱体227aは、発電室215を通過して高温に晒された排酸化性ガスを、酸化性ガス排出隙間235bを通過させて酸化性ガス排出ヘッダ223に導くものである。
【0028】
本実施形態によれば、上述したSOFCカートリッジ203の構造により、燃料ガスと酸化性ガスとがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れるものとなっている。このことにより、排酸化性ガスは、基体管103の内部を通って発電室215に供給される燃料ガスとの間で熱交換がなされ、金属材料から成る上部管板225a等が座屈などの変形をしない温度に冷却されて酸化性ガス排出ヘッダ223に供給される。また、燃料ガスは、発電室215から排出される排酸化性ガスとの熱交換により昇温され、発電室215に供給される。その結果、ヒーター等を用いることなく発電に適した温度に予熱昇温された燃料ガスを発電室215に供給することができる。
【0029】
下部管板225bは、下部ケーシング229bの底板と下部断熱体227bとの間に、下部管板225bと下部ケーシング229bの底板と下部断熱体227bとが略平行になるように下部ケーシング229bの側板に固定されている。また下部管板225bは、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101の本数に対応した複数の孔を有し、該孔にはセルスタック101が夫々挿入されている。この下部管板225bは、複数のセルスタック101の他方の端部をシール部材237b及び接着部材のいずれか一方又は両方を介して気密に支持すると共に、燃料ガス排出ヘッダ219と酸化性ガス供給ヘッダ221とを隔離するものである。
【0030】
下部断熱体227bは、下部ケーシング229bの上端部に、下部断熱体227bと下部ケーシング229bの底板と下部管板225bとが略平行になるように配置され、下部ケーシング229bの側板に固定されている。また、下部断熱体227bには、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101の本数に対応して、複数の孔が設けられている。この孔の直径はセルスタック101の外径よりも大きく設定されている。下部断熱体227bは、この孔の内面と、下部断熱体227bに挿通されたセルスタック101の外面との間に形成された酸化性ガス供給隙間235aを備える。
【0031】
この下部断熱体227bは、発電室215と酸化性ガス供給ヘッダ221とを仕切るものであり、下部管板225bの周囲の雰囲気が高温化し強度低下や酸化性ガス中に含まれる酸化剤による腐食が増加することを抑制する。下部管板225b等はインコネルなどの高温耐久性のある金属材料から成るが、下部管板225b等が高温に晒されて下部管板225b等内の温度差が大きくなることで熱変形することを防ぐものである。また、下部断熱体227bは、酸化性ガス供給ヘッダ221に供給される酸化性ガスを、酸化性ガス供給隙間235aを通過させて発電室215に導くものである。
【0032】
本実施形態によれば、上述したSOFCカートリッジ203の構造により、燃料ガスと酸化性ガスとがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れるものとなっている。このことにより、基体管103の内部を通って発電室215を通過した排燃料ガスは、発電室215に供給される酸化性ガスとの間で熱交換がなされ、金属材料から成る下部管板225b等が座屈などの変形をしない温度に冷却されて燃料ガス排出ヘッダ219に供給される。また、酸化性ガスは排燃料ガスとの熱交換により昇温され、発電室215に供給される。その結果、ヒーター等を用いることなく発電に必要な温度に昇温された酸化性ガスを発電室215に供給することができる。
【0033】
発電室215で発電された直流電力は、複数の燃料電池セル105に設けたNi/YSZ等からなるリード膜115によりセルスタック101の端部付近まで導出した後に、SOFCカートリッジ203の集電棒(不図示)に集電板(不図示)を介して集電して、各SOFCカートリッジ203の外部へと取り出される。前記集電棒によってSOFCカートリッジ203の外部に導出された直流電力は、各SOFCカートリッジ203の発電電力を所定の直列数および並列数へと相互に接続され、SOFCモジュール201の外部へと導出されて、図示しないパワーコンディショナ等の電力変換装置(インバータなど)により所定の交流電力へと変換されて、電力供給先(例えば、負荷設備や電力系統)へと供給される。
【0034】
図3に示すように、セルスタック101は、一例として円筒形状の基体管103と、基体管103の外周面に複数形成された燃料電池セル105と、隣り合う燃料電池セル105の間に形成されたインターコネクタ107とを備える。燃料電池セル105は、燃料側電極109と固体電解質膜(電解質)111と酸素側電極113とが積層して形成されている。また、セルスタック101は、基体管103の外周面に形成された複数の燃料電池セル105の内、基体管103の軸方向において最も端の一端に形成された燃料電池セル105の酸素側電極113に、インターコネクタ107を介して電気的に接続されたリード膜115を備え、最も端の他端に形成された燃料電池セル105の燃料側電極109に電気的に接続されたリード膜115を備える。
【0035】
基体管103は、多孔質材料からなり、例えば、CaO安定化ZrO(CSZ)、CSZと酸化ニッケル(NiO)との混合物(CSZ+NiO)、又はY安定化ZrO(YSZ)、又はMgAlなどを主成分とされる。この基体管103は、燃料電池セル105とインターコネクタ107とリード膜115とを支持すると共に、基体管103の内周面に供給される燃料ガスを基体管103の細孔を介して基体管103の外周面に形成される燃料側電極109に拡散させるものである。
【0036】
燃料側電極109は、Niとジルコニア系電解質材料との複合材の酸化物で構成され、例えば、Ni/YSZが用いられる。燃料側電極109の厚さは50μm〜250μmであり、燃料側電極109はスラリーをスクリーン印刷して形成されてもよい。この場合、燃料側電極109は、燃料側電極109の成分であるNiが燃料ガスに対して触媒作用を備える。この触媒作用は、基体管103を介して供給された燃料ガス、例えば、メタン(CH)と水蒸気との混合ガスを反応させ、水素(H)と一酸化炭素(CO)に改質するものである。また、燃料側電極109は、改質により得られる水素(H)及び一酸化炭素(CO)と、固体電解質膜111を介して供給される酸素イオン(O2−)とを固体電解質膜111との界面付近において電気化学的に反応させて水(HO)及び二酸化炭素(CO)を生成するものである。なお、燃料電池セル105は、この時、酸素イオンから放出される電子によって発電する。
固体酸化物形燃料電池の燃料側電極109に供給し利用できる燃料ガスとしては、水素(H)および一酸化炭素(CO)、メタン(CH)などの炭化水素系ガス、都市ガス、天然ガスのほか、石油、メタノール、及び石炭などの炭素含有原料をガス化設備により製造したガス化ガスなどが挙げられる。
【0037】
固体電解質膜111は、ガスを通しにくい気密性と、高温で高い酸素イオン導電性とを備えるYSZが主として用いられる。この固体電解質膜111は、酸素側電極で生成される酸素イオン(O2−)を燃料側電極に移動させるものである。燃料側電極109の表面上に位置する固体電解質膜111の膜厚は10μm〜100μmであり固体電解質膜111はスラリーをスクリーン印刷して形成されてもよい。
【0038】
酸素側電極113は、例えば、LaSrMnO系酸化物、又はLaCoO系酸化物で構成され、酸素側電極113はスラリーをスクリーン印刷またはディスペンサを用いて塗布される。この酸素側電極113は、固体電解質膜111との界面付近において、供給される空気等の酸化性ガス中の酸素を解離させて酸素イオン(O2−)を生成するものである。
酸素側電極113は2層構成とすることもできる。この場合、固体電解質膜111側の酸素側電極層(酸素側電極中間層)は高いイオン導電性を示し、触媒活性に優れる材料で構成される。酸素側電極中間層上の酸素側電極層(酸素側電極導電層)は、Sr及びCaドープLaMnOで表されるペロブスカイト型酸化物で構成されても良い。こうすることにより、発電性能をより向上させることができる。
酸化性ガスとは,酸素を略15%〜30%含むガスであり、代表的には空気が好適であるが、空気以外にも燃焼排ガスと空気の混合ガスや、酸素と空気の混合ガスなどが使用可能である。
【0039】
インターコネクタ107は、SrTiO系などのM1−xTiO(Mはアルカリ土類金属元素、Lはランタノイド元素)で表される導電性ペロブスカイト型酸化物から構成され、スラリーをスクリーン印刷する。インターコネクタ107は、燃料ガスと酸化性ガスとが混合しないように緻密な膜となっている。また、インターコネクタ107は、酸化雰囲気と還元雰囲気との両雰囲気下で安定した耐久性と電気導電性を備える。このインターコネクタ107は、隣り合う燃料電池セル105において、一方の燃料電池セル105の酸素側電極113と他方の燃料電池セル105の燃料側電極109とを電気的に接続し、隣り合う燃料電池セル105同士を直列に接続するものである。
【0040】
リード膜115は、電子伝導性を備えること、及びセルスタック101を構成する他の材料との熱膨張係数が近いことが必要であることから、Ni/YSZ等のNiとジルコニア系電解質材料との複合材やSrTiO系などのM1−xTiO(Mはアルカリ土類金属元素、Lはランタノイド元素)で構成されている。このリード膜115は、インターコネクタ107により直列に接続される複数の燃料電池セル105で発電された直流電力をセルスタック101の端部付近まで導出するものである。
【0041】
幾つかの実施形態では、上述のように燃料側電極又は酸素側電極と基体管を別々に設けるのではなく、燃料側電極又は酸素側電極を厚く形成して基体管を兼用するようにしてもよい。また、本実施形態での基体管は円筒形状を用いたもので説明するが、基体管は筒状であればよく、必ずしも断面が円形に限定されなく、例えば楕円形状でもよい。円筒の周側面を垂直に押し潰した扁平円筒(Flat tubular)等のセルスタックでもよい。
【0042】
(燃料電池発電システムの構成)
次に、図4図10を参照して、幾つかの実施形態に係る燃料電池発電システム(以下、「発電システム」ともいう。)について説明する。図4図10は、それぞれ、一実施形態に係る燃料電池発電システムの構成を示す概略図である。
【0043】
図4図10に示すように、一実施系形態に係る発電システム(燃料電池発電システム)1は、燃料電池モジュール201(図1参照)を含む燃料電池部2(燃料電池)と、燃料電池部2と電力系統90との間に設けられるインバータ20と、を備えている。
【0044】
インバータ20は、燃料電池部2の出力端子と電力系統90とを接続する送電ライン27上に設けられる。送電ライン27は、燃料電池部2とインバータ20との間の直流電線である第1直流電路21と、インバータ20と電力系統90との間の交流電路28と、を含む。インバータ20は、燃料電池部2からの直流電力を交流電力に変換して、送電ライン27を介して電力系統90に供給可能に構成される。インバータ20と電力系統90との間には、インバータ20と電力系統90との接続状態を切替えるための開閉器29が設けられていてもよい。
【0045】
電力系統90は、電力事業者が管理する電力系統91であってもよく、あるいは、電力系統91とは別の独立電源系統92であってもよい。また、開閉器29は、インバータ20の接続先を、上述の電力系統91と独立電源系統92との間で切替え可能に構成されていてもよい。
【0046】
インバータ20と燃料電池部2との間の第1直流電路21には、燃料電池部2により生成された電力を蓄電するための負荷変動吸収用蓄電池(不図示)が接続されていてもよい。燃料電池部2による生成電力を予め負荷変動吸収用蓄電池に蓄電することで、電力系統90からの出力需要に柔軟に対応することが可能となる。
【0047】
燃料電池部2には、燃料供給ライン40、排燃料ガスライン42、酸化性ガス供給ライン44、及び、排酸化性ガスライン46が接続される。
【0048】
燃料供給ライン40は、燃料電池モジュール201(燃料電池部2)の燃料側電極109(すなわち、燃料電池モジュール201を構成する燃料電池セル105の燃料側電極109)に燃料ガスを供給するように構成される。燃料供給ライン40には、燃料電池モジュール201への燃料供給量を調節するための燃料調節バルブ(不図示)が設けられている。排燃料ガスライン42は、燃料電池部2からの排燃料ガスが流れるように構成される。
【0049】
酸化性ガス供給ライン44は、燃料電池モジュール201(燃料電池部2)の酸素側電極113(すなわち、燃料電池モジュール201を構成する燃料電池セル105の酸素側電極113)に酸化性ガス(例えば空気)を供給するように構成される。排酸化性ガスライン46は、燃料電池部2からの排酸化性ガスが流れるように構成される。
【0050】
なお、上述の燃料供給ライン40は、燃料電池モジュール201における燃料ガス供給管207又は燃料ガス供給枝管207a(図1参照)に対応する。また、上述の酸化性ガス供給ライン44は、燃料電池モジュール201における酸化性ガス供給管又は酸化性ガス供給枝管(図1において不図示)に対応する。
【0051】
図4図10に示す発電システム1は、酸化性ガス供給ライン44に設けられる少なくとも1つの圧縮機4と、少なくとも1つの圧縮機4のうち、第1圧縮機6を駆動可能に構成された第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)と、第1モータと電力系統90との間に設けられる少なくとも1つの電力変換器23と、備えている。図4図5図6図9及び図10に示す例示的な実施形態では、第1モータは、発電機としても使用可能なモータ/発電機18を含む。図7及び図8に示す例示的な実施形態では、第1モータはモータ17を含む。
【0052】
少なくとも1つの圧縮機4は、酸化性ガス供給ライン44を流れる酸化性ガス(即ち燃料電池部2に供給される酸化性ガス)を圧縮するように構成される。圧縮機4で加圧された酸化性ガスを、酸化性ガス供給ライン44を介して燃料電池部2の酸素側電極113に供給することで、酸化性ガスを加圧しない場合に比べて、燃料電池部2での発電効率を高めることができる。
【0053】
幾つかの実施形態では、発電システム1は、酸化性ガス供給ライン44において直列に設けられる複数の圧縮機4を含んでいてもよい。複数の圧縮機4は、第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)によって駆動可能な第1圧縮機6に加えて、第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)以外の駆動源によって駆動されるように構成された第2圧縮機8を含んでいてもよい。
【0054】
図4図6に示す例示的な実施形態では、酸化性ガス供給ライン44上に1つの圧縮機4が設けられており、該圧縮機4が第1圧縮機6である。
【0055】
図7図10に示す例示的な実施形態では、酸化性ガス供給ライン44上に2つの圧縮機4が直列に設けられており、これらのうち一方が第1圧縮機6であり、他方は第2圧縮機8である。図7図9及び図10に示す例示的な実施形態では、第1圧縮機6は、酸化性ガス供給ライン44にて第2圧縮機8の上流側に設けられている。図8に示す例示的な実施形態では、第1圧縮機6は、酸化性ガス供給ライン44にて第2圧縮機8の下流側に設けられている。
【0056】
発電システム1は、燃料電池部2からの排ガスによって駆動されるとともに、少なくとも1つの圧縮機4のうち何れかを駆動するように構成されたタービン10を備えていてもよい。ここで、燃料電池部2からの排ガスとは、燃料電池部2からの排燃料ガス又は排酸化性ガスに由来するガスのことであり、例えば、燃料電池部2からの排燃料ガスを燃焼させて生成される燃焼ガスであってもよい。タービン10を設けることで、燃料電池部2からの排ガスのエネルギーを用いて圧縮機4を駆動することができ、これにより燃料電池部2を含む発電システム1を連続的に運転することができる。
【0057】
図4図10に示す例示的な実施形態では、発電システム1は、燃料電池部2からの排燃料ガスに含まれる未利用燃料成分(メタン、水素又は一酸化炭素等)を燃焼させるように構成された燃焼器16を含み、燃焼器16で生成される燃焼ガスによってタービン10が駆動されるようになっている。燃焼器16には、排燃料ガスライン42及び排酸化性ガスライン46をそれぞれ介して、燃料電池部2からの排燃料ガス及び排酸化性ガスが供給されるようになっており、排酸化性ガス中の酸素を酸化剤として排燃料ガス中の未利用燃料成分が燃焼されるようになっている。
【0058】
図4図6図9及び図10に示す例示的な実施形態では、タービン10は、第1圧縮機6を駆動するように構成された第1タービン12を含む。第1タービン12と第1圧縮機6とは回転シャフトを介して接続され、燃焼器16からの燃焼ガスによって第1タービン12が回転駆動されると、回転シャフトを介して第1タービン12に接続される第1圧縮機6が回転駆動される。すなわち、第1タービン12は、第1圧縮機6とともにターボチャージャを構成する。
【0059】
図7図10に示す例示的な実施形態では、タービン10は、第2圧縮機8を駆動するように構成された第2タービン14を含む。第2タービン14と第2圧縮機8とは回転シャフトを介して接続され、燃焼器16からの燃焼ガスによって第2タービン14が回転駆動されると、回転シャフトを介して第2タービン14に接続される第2圧縮機8が回転駆動される。すなわち、第2タービン14は、第2圧縮機8とともにターボチャージャを構成する。
【0060】
第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)は、電力変換器23を介して、電力系統90(図示する例においては電力系統91)又は第1直流電路21(送電ライン27のうち、インバータ20と燃料電池部2との間の部分)に接続されてもよい。
【0061】
図4及び図10に示す例示的な実施形態では、電力変換器23は、第1モータ(モータ/発電機18)と電力系統90との間に設けられる交流交流変換器25を含み、第1モータ(モータ/発電機18)は、交流交流変換器25を介して電力系統91に接続される。交流交流変換器25は、電源系統91からの交流電力の電圧及び/又は周波数を適切に変換して第1モータ(モータ/発電機18)に供給可能に構成される。このように第1モータ(モータ/発電機18)を駆動することで、第1圧縮機6を駆動することができる。すなわち、第1モータ(モータ/発電機18)には、電力系統90からの電力を、交流交流変換器25を介して、また、インバータ20及び第1直流電路21を経由せず、供給可能である。
【0062】
図5図9に示す例示的な実施形態では、電力変換器23は、第1直流電路21(送電ライン27のうち、インバータ20と燃料電池部2との間の部分)に接続される第2直流電路22と第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)との間に設けられる直流交流変換器26と、インバータ20と、を含み、第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)は、直流交流変換器26及び第2直流電路22を介して第1直流電路21に接続される。直流交流変換器26は、第2直流電路22からの直流電力を交流電力に変換して第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)に供給可能に構成される。このように第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)を駆動することで、第1圧縮機6を駆動することができる。すなわち、第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)には、インバータ20(電力変換器23)、第1直流電路21、第2直流電路22及び直流交流変換器26(電力変換器23)を介して電力系統90からの電力を供給可能であるとともに、第1直流電路21、第2直流電路22及び直流交流変換器26(電力変換器23)を介して燃料電池部2からの電力を供給可能である。
【0063】
第1モータは、例えば図5図6及び図9に示すように、第1圧縮機6に接続される第1タービン12によって駆動される発電機として機能するモータ/発電機18であってもよい。すなわち、第1モータ(モータ/発電機18)は、回生運転可能に構成されていてもよい。これにより、第1タービン12にて必要以上の出力が発生する場合に、第1モータ(モータ/発電機18)で回生運転をすることで余剰エネルギーを回収することができ、発電システム1の効率を向上させることができる。発電機として動作する第1モータ(モータ/発電機18)によって生成される交流電力は、直流交流変換器26によって直流電力に変換され、第2直流電路22に送られるようになっていてもよい。なお、第2直流電路22上にて、直流交流変換器26と第1直流電路21との間には、直流交流変換器26からの直流電力の電圧を調節するためのDC/DCチョッパ24が設けられていてもよい。
【0064】
上述のように、燃料電池部2からの排ガスによりターボチャージャ(第1タービン12及び第1圧縮機6、又は、第2タービン14及び第2圧縮機8)を駆動することで加圧された酸化性ガスを燃料電池部2に供給する発電システム1では、タービン10(第1タービン12又は第2タービン14)の出力は、タービン10入口の排ガス量や排ガス温度に依存する。したがって、発電システム1の起動後に、燃料電池部2の発電室215(図2参照)の温度及び排ガスの温度が適度に高くなってターボチャージャの自立運転が確立した後は、燃料電池部2の発電量に変化がなければ、該ターボチャージャは所定範囲内の回転数で自立運転を継続できる。なお、ターボチャージャの自立運転とは、モータや起動用圧縮機等の補助を得ずに、燃料電池部2からの排ガスだけでターボチャージャが安定して動作する状態を意味する。これに対し、発電システム1の起動時には、ターボチャージャはモータや起動用圧縮機等の補助を得ながら回転数及び酸化性ガスの吐出量を増加させていく。
【0065】
一方、燃料電池部2への酸化性ガス供給量は、発電出力に応じて燃料電池部2の発電室215の温度を適正範囲内(燃料電池部2による発電効率が低下しない、あるいは、燃料電池部2を過剰な高温から保護するような温度範囲内)に維持するため、燃料電池部2の出力要求値に見合う供給量にする必要がある。したがって、電力需要の変化に伴い燃料電池部2の出力要求値が変更されるときには、変更後の出力要求値に見合う量の酸化性ガスを燃料電池部2に供給する必要があり、このため、所望の酸化性ガス供給量を実現すべく、圧縮機4(第1圧縮機6又は第2圧縮機8)の回転数を増減させる必要がある。
【0066】
ここで、燃料電池部2の系内容積は比較的大きいことから、燃料電池部2からの排ガス量や排ガス温度を急速に増減することは難しく、タービン10(第1タービン12又は第2タービン14)の出力を急速に変更させることは難しい。よって、図11に示すようなタービン10によってのみ圧縮機が駆動されるような発電システムでは、燃料電池部2の出力要求値の変化に合わせて酸化性ガス供給量を急速に変化させることができず、その結果、燃料電池部2の出力変化速度を大きくすることが難しい。
【0067】
この点、上述の実施形態では、電力系統90又は燃料電池部2から供給される電力により第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)を補助(アシスト)することで、第1圧縮機6で圧縮される酸化性ガスを出力要求値の変化に応じた所望の変化量となるよう燃料電池部2に供給可能となるよう構成される。そして、電力変換器23(交流交流変換器25又は直流交流変換器26)により第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)のトルクを制御することで、燃料電池部2の出力要求値に対応する酸化性ガス供給量に応じて第1圧縮機6の回転数を調節することができるので、これにより燃料電池部2への酸化性ガス供給量を迅速に変化させることができる。例えば、燃料電池部2の出力を変化させる必要が生じたときに、タービン10を駆動する燃料電池部2からの排ガスが十分なエネルギーを有しない場合であっても、不足分を第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)で補うことで、第1圧縮機6の回転数を迅速に調節して、燃料電池部2への酸化性ガス供給量を迅速に変化させることができる。よって、燃料電池部2の出力変化速度を大きくすることができ、燃料電池部2を含む発電システム1の負荷応答性を向上することができる。また、このため、燃料電池部2により生成された電力を蓄電することで、出力要求の変化に応じて応答性良く電力を出力可能となるため、負荷変動吸収用の大容量の蓄電池の設置を省略できる場合がある。
【0068】
また、例えば図5図9に示す実施形態のように、燃料電池部2と第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)とでインバータ20を共用する場合は、設備コストを低減できる。よって、設備コストを低減しながら、燃料電池部2の出力変化速度を大きくして燃料電池部2の負荷追従性を向上させることができる。
【0069】
図4図10に示すように、発電システム1は、電力変換器23(交流交流変換器25又は直流交流変換器26)を制御するためのコントローラ50をさらに備えていてもよい。コントローラ50は、燃料電池部2の出力要求値に対応する燃料電池部2への酸化性ガスの供給量が実現されるように、すなわち、このような酸化性ガスの供給量が実現される第1圧縮機6の回転数となるように、第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)のトルクを調節するように電力変換器23(交流交流変換器25又は直流交流変換器26)を制御するように構成されていてもよい。
【0070】
より具体的に、一実施形態では、コントローラ50は以下のように構成されていてもよい。すなわち、コントローラ50は、中央配電所(ディスパッチセンター)からの燃料電池の出力要求値(デマンド)を受け付ける。そして、出力要求値に対応する酸化性ガスの供給量を得るために必要な第1圧縮機6の目標回転数を実現するための第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)のトルクを演算し、算出された第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)のトルクを得るために必要な有効電流から電力変換器23(交流交流変換器25又は直流交流変換器26)に与えるべきPWM制御指令を生成する。このように生成されたPWM制御指令に基づき、電力変換器23(交流交流変換器25又は直流交流変換器26)のスイッチング素子(例えばIGBT)のスイッチング制御を行うことで、第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)のトルクが所望の値に調節される。
【0071】
このように、コントローラ50により電力変換器23(交流交流変換器25又は直流交流変換器26)を制御するようにしたので、燃料電池部2の出力要求値に対応する酸化性ガス供給量に応じて第1圧縮機6の回転数を適切に調節することができる。よって、燃料電池部2への酸化性ガス供給量を迅速に変化させることができ、燃料電池部2の出力変化速度を大きくすることができ、負荷追従性を向上させることができる。
【0072】
なお、電力需要増加に伴い燃料電池部2の出力要求値が増加されるときには、出力要求値に対応して燃料電池部2への酸化性ガスの目標供給量も増加するので、コントローラ50によって、この目標供給量を実現する第1圧縮機6の回転数が得られるような第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)のトルクが演算され、該トルクに基づいて電力変換器23(交流交流変換器25又は直流交流変換器26)が制御されることにより、第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)に電圧が印加される。
【0073】
また、電力需要低減に伴い燃料電池部2の出力要求値が低減されるときには、出力要求値に対応して燃料電池部2への酸化性ガスの目標供給量も低減するので、この目標供給量を実現する第1圧縮機6の回転数が得られるように、第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)のトルクが演算され、該トルクに基づいて電力変換器23(交流交流変換器25又は直流交流変換器26)が制御される。この際、図5図6及び図9に示す実施形態のように、第1モータ(モータ/発電機18)がタービン10によって駆動されて発電機として機能するように構成されている場合には、第1モータ(モータ/発電機18)のトルクが演算された目標値となるまで、第1モータ(モータ/発電機18)に回生運転をさせるようにしてもよい。あるいは、一実施形態では、第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)のトルクが演算された目標値となるように、酸化性ガス供給ライン44から分岐して燃料電池部2をバイパスするように設けられるバイパスライン(不図示)のバイパス弁(不図示)の開度を調節することにより、燃料電池部2への酸化性ガス供給量及び燃料電池部2からの排酸化性ガス量を低減するようにしてもよい。
【0074】
幾つかの実施形態では、例えば図6図9に示すように、発電システム1は、インバータ20と第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)との間の第2直流電路22に接続されるモータ用蓄電池34を備えていてもよい。なお、モータ用蓄電池34と第2直流電路22との間には、モータ用蓄電池34からの直流電力の電圧を調節するためのDC/DCチョッパ36が設けられていてもよい。
【0075】
上述の実施形態によれば、インバータ20と第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)との間の第2直流電路22に接続されるモータ用蓄電池34から供給される電力により第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)を駆動することができる。よって、系統遮断時等、電力系統90からの電力供給を受けられない場合であっても、モータ用蓄電池34からの電力供給により第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)を駆動し、これにより第1圧縮機6を駆動することで、燃料電池部2を含む発電システム1を適切に運転することができる。また、燃料電池部2と電力系統90との間に設けられるインバータ20と、第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)との間の第2直流電路22にモータ用蓄電池34を接続するようにしたので、インバータ20とは別のモータ用蓄電池34用のインバータを個別に設ける必要がない。また、モータ用蓄電池34は、第1圧縮機6の駆動を補助するために必要な電力を賄うことができれば十分であり、比較的小容量のもので足りる。このため、コスト増大を抑制することができる。
【0076】
なお、幾つかの実施形態(例えば図5及び図8に示す実施形態)では、第1モータ(モータ/発電機18)による回生運転によって生成される電力を、モータ用蓄電池34に蓄電するように構成されていてもよい。
【0077】
既に説明したように、図7図10に示す例示的な実施形態では、発電システム1は、酸化性ガス供給ライン44上にて第1圧縮機6と直列に設けられる第2圧縮機8を含む。
【0078】
上述の実施形態では、第1圧縮機6と、第1圧縮機6と直列に設けられる第2圧縮機8と、を併用するようにしたので、第1圧縮機6として比較的低容量の圧縮機を採用することができる。このため、第1圧縮機6を駆動するための第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)も比較的出力が小さいものを採用することができ、これにより、コスト増加を効果的に抑制しながら、燃料電池の負荷追従性を向上させることができる。
【0079】
また、図7図10に示す例示的な実施形態では、発電システム1は、第2圧縮機8を駆動するように構成された第2タービン14を含む。すなわち、該発電システム1は、酸化性ガス供給ライン44に設けられる第2圧縮機8と、回転シャフトを介して第2圧縮機8に接続され、燃料電池部2からの排ガスによって駆動されるように構成された第2タービン14と、を含むターボチャージャを備える。
【0080】
上述の実施形態によれば、第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)によって駆動される第1圧縮機6と、第2タービン14によって駆動される第2圧縮機8と、を併用する。よって、燃料電池部2の出力を変化させる必要が生じたときに、第2タービン14を駆動する燃料電池部2の排ガスが十分なエネルギーを有しない場合であっても、不足分を第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)で補うことで、第1圧縮機6の回転数を迅速に調節して、燃料電池部2への酸化性ガス供給量を迅速に変化させることができる。よって、燃料電池部2の出力変化速度を大きくすることができ、燃料電池部2の負荷追従性を向上させることができる。
【0081】
また、図10に示す実施形態では、発電システム1は、第2圧縮機8を駆動するように構成された第2タービン14および第2モータ19を含む。すなわち、該発電システム1は、酸化性ガス供給ライン44に設けられる第2圧縮機8と、回転シャフトを介して第2圧縮機8に接続され、燃料電池部2からの排ガスおよび第2モータ19によって駆動されるように構成された第2タービン14と、を含むターボチャージャを備える。
【0082】
上述の実施形態によれば、第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)によって駆動される第1圧縮機6と、第2タービン14および第2モータ19によって駆動される第2圧縮機8と、を併用する。よって、起動時など、第2タービン14を駆動する燃料電池部2の排ガスが十分なエネルギーを有しない場合であっても、不足分を系統からの電力等で駆動する第2モータ19で補うことで、第1圧縮機6の回転数を必要な値に調節して、燃料電池部2への酸化性ガス供給量を所望の量とすることができる。よって、よりスムーズな起動と燃料電池部2の出力変化速度を大きくすることができ、燃料電池部2の負荷追従性を向上させることができる。なお、第2モータ19は、発電機としても使用可能なモータ/発電機であってもよい。
【0083】
図7及び図8に示す発電システム1は、第2圧縮機8及び第2タービン14(ターボチャージャ)を含む既存の発電システムに対して、第1圧縮機6及び第1モータ(モータ17)を追加設置することで得られる。また、図9及び図10に示す発電システム1は、第2圧縮機8及び第2タービン14(ターボチャージャ)を含む既存の発電システムに対して、第1圧縮機及び第1タービン(ターボチャージャ)並びに第1モータ(モータ/発電機18)を追加設置することで得られる。
【0084】
すなわち、図7図10に示す実施形態に係る発電システム1は、第2圧縮機8及び第2タービン14(ターボチャージャ)を含む既存の加圧型の燃料電池発電システムに対して、第1モータ(モータ/発電機18又はモータ17)で駆動可能な第1圧縮機6又はターボチャージャ(第1圧縮機6及び第1タービン12)を追加設置することで得られる。したがって、第1圧縮機6又は第1圧縮機6を含むターボチャージャは、既存のターボチャージャ(第2圧縮機8及び第2タービン14)とは独立して設置可能であるため、自由な設備配置や機種選定が可能である。
【0085】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0086】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る燃料電池発電システム(1)は、
燃料電池(例えば上述の燃料電池部2)と、
前記燃料電池に酸化性ガスを供給するための酸化性ガス供給ライン(44)に設けられる少なくとも1つの圧縮機(4)と、
前記少なくとも1つの圧縮機のうち第1圧縮機(6)を駆動可能に構成された第1モータ(例えば上述のモータ/発電機18又はモータ17)と、
前記第1モータと電力系統(90)との間に設けられ、前記第1モータのトルクを調節可能な1以上の電力変換器(23)と、
を備える。
【0087】
上記(1)の構成によれば、電力系統から供給される電力により第1モータを駆動することで、第1圧縮機で圧縮される酸化性ガスを燃料電池に供給可能となる。また、電力変換器により第1モータのトルクを制御することで、燃料電池の出力要求値に対応する酸化性ガス供給量に応じて第1圧縮機の回転数を調節することができるので、これにより燃料電池への酸化性ガス供給量を迅速に変化させることができ、燃料電池の出力変化速度を大きくすることができる。よって、燃料電池の負荷追従性を向上させることができる。
【0088】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記燃料電池発電システムは、
前記燃料電池の出力要求値に対応する前記燃料電池への前記酸化性ガスの供給量が実現されるように、前記第1モータのトルクを調節するように前記電力変換器を制御するためのコントローラ(50)を備える。
【0089】
上記(2)の構成によれば、コントローラにより電力変換器を制御するようにしたので、燃料電池の出力要求値に対応する酸化性ガス供給量に応じて第1圧縮機の回転数を適切に調節することができる。よって、燃料電池への酸化性ガス供給量を迅速に変化させることができ、燃料電池の出力変化速度を大きくすることができ、負荷追従性を向上させることができる。
【0090】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、
前記1以上の電力変換器は、前記電力系統と前記第1モータとの間に設けられた交流交流変換器(25)を含む。
【0091】
上記(3)の構成によれば、交流電路に設けられた交流交流変換器により第1モータのトルクを適切に制御することができる。これにより、燃料電池の出力要求値に対応する酸化性ガス供給量に応じて第1圧縮機の回転数を調節することができるので、燃料電池への酸化性ガス供給量を迅速に変化させることができ、燃料電池の出力変化速度を大きくすることができる。
【0092】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、
前記1以上の電力変換器は、
前記燃料電池と前記電力系統との間に設けられるインバータ(20)と、
前記燃料電池と前記インバータとの間の第1直流電路との間に設けられる直流交流変換器(25)と、
を含む。
【0093】
上記(4)の構成によれば、電力系統又は燃料電池から供給される電力により第1モータを駆動することで、第1圧縮機で圧縮される酸化性ガスを燃料電池に供給可能となる。また、インバータ及び/又は直流交流変換器により第1モータのトルクを適切に制御することができる。これにより、燃料電池の出力要求値に対応する酸化性ガス供給量に応じて第1圧縮機の回転数を調節することができるので、燃料電池への酸化性ガス供給量を迅速に変化させることができ、燃料電池の出力変化速度を大きくすることができる。また、燃料電池と第1モータとでインバータを共用するようにしたので、設備コストを低減できる。よって、設備コストを低減しながら、燃料電池の出力変化速度を大きくして燃料電池の負荷追従性を向上させることができる。
【0094】
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、
前記燃料電池発電システムは、
前記インバータと前記第1モータとの間の第2直流電路(22)に接続されるモータ用蓄電池(34)を備える。
【0095】
上記(5)の構成によれば、インバータと第1モータとの間の第2直流電路に接続されるモータ用蓄電池から供給される電力により第1モータを駆動することができる。よって、系統遮断時等、電力系統からの電力供給を受けられない場合であっても、モータ用蓄電池からの電力供給により第1モータを駆動し、これにより第1圧縮機の駆動を補助することで、燃料電池の出力変化速度を大きくすることが可能である。また、燃料電池と電力系統との間に設けられるインバータと、第1モータとの間の第2直流電路にモータ用蓄電池を接続するようにしたので、前述のインバータとは別のモータ用蓄電池用のインバータを個別に設ける必要がない。また、モータ用蓄電池は、第1圧縮機の駆動を補助するために必要な電力を賄うことができれば十分であり、比較的小容量のもので足りる。このため、コスト増大を抑制することができる。
【0096】
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの構成において、
前記燃料電池発電システムは、
前記燃料電池からの排ガスにより駆動されるとともに、前記少なくとも1つの圧縮機のうちいずれかを駆動するように構成された少なくとも1つのタービン(10)を備える。
【0097】
上記(6)の構成によれば、燃料電池からの排ガスで駆動されるタービンにより駆動される圧縮機で圧縮した酸化性ガスを燃料電池に供給可能である。また、燃料電池の出力を変化させる必要が生じたときに、タービンを駆動する燃料電池の排ガスが十分なエネルギーを有しない場合であっても、不足分を第1モータで補うことで、第1圧縮機の回転数を迅速に調節して、燃料電池への酸化性ガス供給量を迅速に変化させることができる。よって、燃料電池の出力変化速度を大きくすることができ、燃料電池の負荷追従性を向上させることができる。
【0098】
(7)幾つかの実施形態では、上記(6)の構成において、
前記少なくとも1つのタービンは、前記第1圧縮機を駆動するように構成された第1タービン(12)を含む。
【0099】
上記(7)の構成によれば、第1圧縮機は、燃料電池からの排ガスで駆動される第1タービンにより駆動されるのに加え、第1モータにより駆動されることが可能である。よって、燃料電池の出力を変化させる必要が生じたときに、第1タービンを駆動する燃料電池の排ガスが十分なエネルギーを有しない場合であっても、不足分を第1モータで補うことで、第1圧縮機の回転数を迅速に調節して、燃料電池への酸化性ガス供給量を迅速に変化させることができる。よって、燃料電池の出力変化速度を大きくすることができ、燃料電池の負荷追従性を向上させることができる。
【0100】
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)の構成において、
前記第1モータは、前記第1タービンに駆動されて回生運転可能に構成される。
【0101】
上記(8)の構成によれば、第1タービンにて必要以上の出力が発生する場合に、第1モータで回生運転をすることで余剰エネルギーを回収することができる。これにより、燃料電池発電システムの効率を向上させることができる。
【0102】
(9)幾つかの実施形態では、上記(6)乃至(8)の何れかの構成において、
前記少なくとも1つの圧縮機は、前記酸化性ガス供給ライン上にて前記第1圧縮機と直列に設けられる第2圧縮機(8)を含む。
【0103】
上記(9)の構成によれば、第1圧縮機と、第1圧縮機と直列に設けられる第2圧縮機と、を併用するようにしたので、第1圧縮機として比較的低容量の圧縮機を採用することができる。このため、第1圧縮機を駆動するための第1モータも比較的出力が小さいものを採用することができ、これにより、コスト増大を効果的に抑制しながら、燃料電池の負荷追従性を向上させることができる。
【0104】
(10)幾つかの実施形態では、上記(9)の構成において、
前記少なくとも1つのタービンは、前記第2圧縮機を駆動するように構成された第2タービン(14)を含む。
【0105】
上記(10)の構成によれば、第1モータによって駆動される第1圧縮機と、第2タービンによって駆動される第2圧縮機と、を併用する。よって、燃料電池の出力を変化させる必要が生じたときに、第2タービンを駆動する燃料電池の排ガスが十分なエネルギーを有しない場合であっても、不足分を第1モータで補うことで、第1圧縮機の回転数を迅速に調節して、燃料電池への酸化性ガス供給量を迅速に変化させることができる。よって、燃料電池の出力変化速度を大きくすることができ、燃料電池の負荷追従性を向上させることができる。
【0106】
(11)幾つかの実施形態では、上記(9)又は(10)の構成において、
前記発電システムは、
前記第2圧縮機を駆動するための第2モータ(19)を備える。
【0107】
上記(11)の構成によれば、第1モータによって駆動される第1圧縮機と、第2モータによって駆動される第2圧縮機8と、を併用する。よって、起動時など、第2タービンを駆動する燃料電池からの排ガスが十分なエネルギーを有しない場合であっても、不足分を第2モータで補うことで、第1圧縮機の回転数を必要な値に調節して、燃料電池への酸化性ガス供給量を所望の量とすることができる。よって、よりスムーズな起動と燃料電池部の出力変化速度を大きくすることができ、燃料電池の負荷追従性を向上させることができる。
【0108】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0109】
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【符号の説明】
【0110】
1 発電システム(燃料電池発電システム)
2 燃料電池部
4 圧縮機
6 第1圧縮機
8 第2圧縮機
10 タービン
12 第1タービン
14 第2タービン
16 燃焼器
17 モータ(第1モータ)
18 モータ/発電機(第1モータ)
19 第2モータ
20 インバータ
21 第1直流電路
22 第2直流電路
23 電力変換器
24 DC/DCチョッパ
25 交流交流変換器
26 直流交流変換器
27 送電ライン
28 交流電路
29 開閉器
30 蓄電池
34 モータ用蓄電池
36 DC/DCチョッパ
40 燃料供給ライン
42 排燃料ガスライン
44 酸化性ガス供給ライン
46 排酸化性ガスライン
50 コントローラ
90 電力系統
91 電力系統
92 独立電源系統
101 セルスタック
103 基体管
105 燃料電池セル
107 インターコネクタ
109 燃料側電極
111 固体電解質膜
113 酸素側電極
115 リード膜
201 SOFCモジュール(燃料電池モジュール)
203 SOFCカートリッジ
205 圧力容器
207 燃料ガス供給管
207a 燃料ガス供給枝管
209 燃料ガス排出管
209a 燃料ガス排出枝管
215 発電室
217 燃料ガス供給ヘッダ
219 燃料ガス排出ヘッダ
221 酸化性ガス供給ヘッダ
223 酸化性ガス排出ヘッダ
225a 上部管板
225b 下部管板
227a 上部断熱体
227b 下部断熱体
229a 上部ケーシング
229b 下部ケーシング
231a 燃料ガス供給孔
231b 燃料ガス排出孔
233a 酸化性ガス供給孔
233b 酸化性ガス排出孔
235a 酸化性ガス供給隙間
235b 酸化性ガス排出隙間
237a シール部材
237b シール部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2021年7月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池と、
前記燃料電池に酸化性ガスを供給するための酸化性ガス供給ラインに設けられる少なくとも1つの圧縮機と、
前記少なくとも1つの圧縮機のうち第1圧縮機を駆動可能に構成された第1モータと、
前記第1モータと電力系統との間に設けられ、前記第1モータのトルクを調節可能な1以上の電力変換器と、
前記燃料電池の負荷変動時において前記燃料電池の出力要求値に対応する前記燃料電池への前記酸化性ガスの供給量が実現されるように、前記第1モータのトルクを調節するように前記1以上の電力変換器を制御するためのコントローラと、
を備える燃料電池発電システム。
【請求項2】
前記コントローラは、前記出力要求値から前記第1モータのトルクを算出し、前記トルクを得るために必要な有効電流に基づき前記電力変換器に与えるPWM制御指令を生成し、前記PWM制御指令に基づき電力変換器を制御するように構成された
請求項1に記載の燃料電池発電システム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記出力要求値が増加されるとき、前記出力要求値に対応する前記燃料電池への前記酸化性ガスの供給量が実現されるように、前記第1モータのトルクを増加させる
請求項1又は2に記載の燃料電池発電システム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記出力要求値が低減されるとき、前記出力要求値に対応する前記燃料電池への前記酸化性ガスの供給量が実現されるように、前記第1モータに回生運転をさせることで前記第1モータのトルクを減少させる
請求項1乃至3の何れか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記酸化性ガス供給ラインから分岐して前記燃料電池をバイパスするように設けられるバイパスラインと、
前記バイパスラインに設けられるバイパス弁と、を備え、
前記コントローラは、前記出力要求値が低減されるとき、前記出力要求値に対応する前記燃料電池への前記酸化性ガスの供給量が実現されるように、前記バイパス弁の開度を調節することで前記第1モータのトルクを減少させる
請求項1乃至3の何れか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
燃料電池と、
前記燃料電池に酸化性ガスを供給するための酸化性ガス供給ラインに設けられる少なくとも1つの圧縮機と、
前記少なくとも1つの圧縮機のうち第1圧縮機を駆動可能に構成された第1モータと、
前記第1モータと電力系統との間に設けられ、前記第1モータのトルクを調節可能な1以上の電力変換器と、
を備え、
前記1以上の電力変換器は、前記電力系統と前記第1モータとの間に設けられた交流交流変換器を含み、
前記第1モータは、前記電力系統と前記燃料電池とを接続するための電路を介さずに前記電力系統に接続されている
燃料電池発電システム。
【請求項7】
前記1以上の電力変換器は、
前記燃料電池と前記電力系統との間に設けられるインバータと、
前記燃料電池と前記インバータとの間の第1直流電路との間に設けられる直流交流変換器と、
を含む
請求項1乃至5の何れか一項に記載の燃料電池発電システム。
【請求項8】
前記インバータと前記第1モータとの間の第2直流電路に接続されるモータ用蓄電池を備える
請求項に記載の燃料電池発電システム。
【請求項9】
前記燃料電池からの排ガスにより駆動されるとともに、前記少なくとも1つの圧縮機のうちいずれかを駆動するように構成された少なくとも1つのタービンを備える
請求項1乃至の何れか一項に記載の燃料電池発電システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのタービンは、前記第1圧縮機を駆動するように構成された第1タービンを含む
請求項に記載の燃料電池発電システム。
【請求項11】
前記第1モータは、前記第1タービンに駆動されて回生運転可能に構成された
請求項10に記載の燃料電池発電システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの圧縮機は、前記酸化性ガス供給ライン上にて前記第1圧縮機と直列に設けられる第2圧縮機を含む
請求項乃至11の何れか一項に記載の燃料電池発電システム。
【請求項13】
前記コントローラは、前記出力要求値に対応する前記燃料電池への前記酸化性ガスの供給量のうち、前記第2圧縮機の運転では不足する供給量を算出し、前記不足する供給量を前記第1圧縮機の運転で補うように、前記1以上の電力変換器を制御して第1モータのトルクを調節するように構成された
請求項12に記載の燃料電池発電システム。
【請求項14】
前記少なくとも1つのタービンは、前記第2圧縮機を駆動するように構成された第2タービンを含む
請求項12又は13に記載の燃料電池発電システム。
【請求項15】
前記第2圧縮機を駆動するためのモータを備える
請求項12乃至14の何れか一項に記載の燃料電池発電システム。
【請求項16】
燃料電池と、
前記燃料電池に酸化性ガスを供給するための酸化性ガス供給ラインに設けられる少なくとも1つの圧縮機と、
前記少なくとも1つの圧縮機のうち第1圧縮機を駆動可能に構成された第1モータと、
前記第1モータと電力系統との間に設けられ、前記第1モータのトルクを調節可能な1以上の電力変換器と、
を含む燃料電池発電システムの運転方法であって、
前記燃料電池の負荷変動時において前記燃料電池の出力要求値に対応する前記燃料電池への前記酸化性ガスの供給量が実現されるように、前記第1モータのトルクを調節するように前記1以上の電力変換器を制御するステップ
を備える燃料電池発電システムの運転方法。