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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-16615(P2021-16615A)
(43)【公開日】2021年2月15日
(54)【発明の名称】軽量断熱飲料容器
(51)【国際特許分類】
   A47J 41/00 20060101AFI20210118BHJP
   B65D 41/04 20060101ALI20210118BHJP
   B65D 23/02 20060101ALI20210118BHJP
   A47J 41/02 20060101ALI20210118BHJP
【FI】
   A47J41/00 302
   B65D41/04
   B65D23/02
   A47J41/00 304C
   A47J41/02 102B
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-134514(P2019-134514)
(22)【出願日】2019年7月22日
(71)【出願人】
【識別番号】519244588
【氏名又は名称】リップラップ カンパニー ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】RIPRUP Company S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(74)【代理人】
【識別番号】100092853
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ドクター ビッセン モニーク
(72)【発明者】
【氏名】シュッカー ヨーゼフ
【テーマコード(参考)】
3E062
3E084
4B002
【Fターム(参考)】
3E062AA09
3E062AB02
3E062AC09
3E062JC09
3E084AA22
3E084AB10
3E084BA01
3E084CA01
3E084CC01
3E084DA01
3E084DB12
3E084DC01
3E084FA09
3E084FB01
3E084GA04
3E084GB04
3E084HA03
3E084HB01
3E084HC02
3E084HC06
3E084HC10
3E084HD01
3E084LB02
3E084LD01
4B002AA02
4B002BA42
4B002CA13
4B002CA32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】床に落下したら内側フラスコが破損するのを防止し、さらに、視覚的外観を改善する。
【解決手段】飲料を収容する飲料容器において、基材を形成する金属製の内側フラスコ104は飲料を収容するように構成される、内側フラスコと、外側フラスコ102と、内側フラスコと外側フラスコとの間に設けられる断熱層103と、飲料を飲料容器に注ぎ入れ、または注ぎ出すための開口部108と、を備え、内側フラスコの基材はその内側面を不活性金属コーティング106により被覆される。また、飲料容器蓋を飲料容器に解除可能にロックするために、飲料容器の補ロック手段と係合するように構成されるロック手段と、飲料容器のシール面と係止するように構成されるシール部と、を備え、シール部により囲まれる、少なくとも蓋の部材は、不活性金属コーティングにより覆われる、飲料容器蓋。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を収容する飲料容器において、
‐基材を形成する金属製の内側フラスコであって、前記内部フラスコは飲料を収容するように構成される、内側フラスコと;
‐外側フラスコと;
‐前記内側フラスコと前記外側フラスコとの間に設けられる断熱層と;
‐飲料を前記飲料容器に注ぎ入れるため、または前記飲料容器から飲料を注ぎ出すための開口部と、を備え、
‐前記内側フラスコの基材はその内側面を不活性金属コーティングにより被覆される、飲料容器。
【請求項2】
‐前記不活性金属コーティングは、前記内側フラスコの金属または蓋の金属が飲料に入ることを防止する厚さを有する、請求項1に記載の飲料容器。
【請求項3】
前記不活性金属コーティングは、少なくとも約95%非多孔質であり、好ましくは約99%非多孔質であり、さらに好ましくは約99.9%非多孔質である、請求項1に記載の飲料容器。
【請求項4】
前記不活性金属コーティングの厚さは、前記不活性金属コーティングの表面が1cmあたり100個未満の細孔である細孔密度、好ましくは1cmあたり50個未満の細孔、さらに好ましくは1cmあたり10個未満の細孔、最も好ましくは1cmあたり5個未満の細孔である細孔密度を有するように選択される、請求項1に記載の飲料容器。
【請求項5】
前記不活性金属コーティングは、以下のうち少なくとも1つ
‐金;
‐白金;
‐パラジウム;
‐ルテニウム;
‐銀;
‐チタン
を含む、請求項1に記載の飲料容器。
【請求項6】
前記不活性金属コーティングは、
‐金、白金、パラジウム、ルテニウム、銀および銅のうち少なくとも1つを含む合金を含む、請求項1に記載の飲料容器。
【請求項7】
前記合金は硬質金を含むのであって、前記硬質金は金、コバルトおよび銅のうち少なくとも1つを含む合金である、請求項6に記載の飲料容器。
【請求項8】
前記不活性金属コーティングおよび/または前記硬質金の硬さは、約150HV〜約250HV、好ましくは約120HV〜約360HVの範囲にあってよい、請求項1に記載の飲料容器。
【請求項9】
前記不活性金属コーティングは、約0.08μm〜約0.8μm、好ましくは約0.15μm〜約0.6μm、さらに好ましくは約0.3μm〜約0.8μm、よりさらに好ましくは約0.6μm〜約1μm、最も好ましくは約0.1μm〜約0.2μmの厚さを有する、請求項1に記載の飲料容器。
【請求項10】
以下のうち少なくとも1つ
‐前記内側フラスコは鋼製であること、
‐前記外側フラスコは鋼製であること、
により特徴付けられる、請求項1に記載の飲料容器。
【請求項11】
前記断熱層は前記内側フラスコと前記外側フラスコとの間に真空に設けられる、請求項1に記載の飲料容器。
【請求項12】
前記外側フラスコと前記内側フラスコとは前記飲料容器の上部で接続される、請求項1に記載の飲料容器。
【請求項13】
前記飲料容器は前記上部の外面にねじ山部を有する、請求項1に記載の飲料容器。
【請求項14】
飲用時にユーザの唇が触れる前記飲料容器の外側先端部は、前記不活性金属コーティングにより覆われる、請求項1に記載の飲料容器。
【請求項15】
飲料容器蓋において、
‐前記蓋を飲料容器に解除可能にロックするために、前記飲料容器の補ロック手段と係合するように構成されるロック手段と;
‐前記飲料容器のシール面と係止するように構成されるシール部と、を備え、
‐前記シール部により囲まれる、少なくとも前記蓋の部材は、不活性金属コーティングにより覆われる、飲料容器蓋。
【請求項16】
‐前記不活性金属コーティングは、前記内側フラスコの金属または蓋の金属が飲料に入ることを防止する厚さを有する、請求項15に記載の飲料容器。
【請求項17】
前記不活性金属コーティングは、少なくとも約95%非多孔質であり、好ましくは約99%非多孔質であり、さらに好ましくは約99.9%非多孔質である、請求項15に記載の飲料容器。
【請求項18】
前記不活性金属コーティングの厚さは、前記不活性金属コーティングの表面が1cmあたり100個未満の細孔である細孔密度、好ましくは1cmあたり50個未満の細孔、さらに好ましくは1cmあたり10個未満の細孔、最も好ましくは1cmあたり5個未満の細孔である細孔密度を有するように選択される、請求項15に記載の飲料容器。
【請求項19】
前記不活性金属コーティングは、以下のうち少なくとも1つ
‐金;
‐白金;
‐パラジウム;
‐ルテニウム;
‐銀;
‐チタン
を含む、請求項15に記載の飲料容器。
【請求項20】
前記不活性金属コーティングは、
‐金、白金、パラジウム、ルテニウム、銀および銅のうち少なくとも1つを含む合金を含む、請求項15に記載の飲料容器。
【請求項21】
前記合金は硬質金を含むのであって、前記硬質金は金、コバルトおよび銅のうち少なくとも1つを含む合金である、請求項20に記載の飲料容器。
【請求項22】
前記不活性金属コーティングおよび/または前記硬質金の硬さは、約150HV〜約250HV、好ましくは約120HV〜約360HVの範囲にあってよい、請求項15に記載の飲料容器。
【請求項23】
前記不活性金属コーティングは、約0.08μm〜約0.8μm、好ましくは約0.15μm〜約0.6μm、さらに好ましくは約0.3μm〜約0.8μm、よりさらに好ましくは約0.6μm〜約1μm、最も好ましくは約0.1μm〜約0.2μmの厚さを有する、請求項15に記載の飲料容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量断熱飲料容器に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術においてサーモスジャグが知られている。一般に、サーモスジャグはガラス製の内側フラスコと合成樹脂製の外側フラスコを有する。そのようなサーモジャグは衝撃に対して敏感で、サーモスジャグが床に落下したら内側フラスコが破損する場合がある。さらに、合成樹脂製の外側フラスコの視覚的外観はすべてのユーザに対して魅力的であるわけではない。先行技術のサーモスジャグが高重量であることは望ましくない。
【0003】
また、金属、例えば鋼製の内側フラスコおよび外側フラスコを製造することが知られている。しかし、鋼粒子が飲料内に拡散することが試験により証明されている。このことは健康の観点から望ましくなく、そして風味を劣化させる。金属臭は多くのユーザにとって望ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、改善された軽量断熱飲料容器、特に携帯用飲料ボトルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の課題は請求項1の飲料容器および請求項15の蓋により解決される。
【0006】
本発明は、内側フラスコと、外側フラスコと、断熱層とを有する飲料を収容する飲料ボトルを開示する。内側フラスコは基材を形成する金属からなる。内側フラスコは飲料を収容するように構成される。内側フラスコの基材は不活性金属であってよい。断熱層は内側フラスコと外側フラスコとの間に設けられる。飲料容器は飲料を飲料容器に注ぎ入れるため、または飲料容器から飲料を注ぎ出すため、特に飲料を内側フラスコに注ぎ入れるため、または内側フラスコから注ぎ出すための開口部を有する。内側フラスコはその内側面を不活性金属コーティングにより被覆される。
【0007】
また、本発明は、蓋を飲料容器に解除可能にロックするために、飲料容器の補ロック手段と係合するように構成されるロック手段を有する飲料容器蓋を開示する。飲料容器蓋は飲料容器のシール面と係止するように構成されるシール部をさらに有する。シール部により囲まれる、少なくとも蓋の部材は、不活性金属コーティングにより覆われる。ロック手段と補ロック手段は、それぞれ、互いに係合する雌ねじ部と雄ねじ部であってよい。蓋は金属、例えば鋼からなってよい。
【0008】
また、本発明は、蓋を有する飲料容器を開示する。
【0009】
不活性コーティングにより、飲料が内側フラスコの基材または蓋に拡散すること、かつ/または内側フラスコの分子が飲料に拡散することが防止される。さらに、不活性金属コーティングは内側フラスコと蓋の酸化を防ぐ。また、不活性金属コーティングにより、内側フラスコの基材または蓋に形成される酸化物が飲料に入ることが防止される。不活性金属コーティングにより、容器の金属臭または飲料の金属風味が防止される。
【0010】
不活性金属コーティングは、内側フラスコの金属または蓋の金属が飲料に入ることを防止する厚さを有してよい。不活性金属コーティングは、その表面の少なくとも約95%が非多孔質であり、好ましくはその表面の約99%が非多孔質であり、さらに好ましくはその表面の約99.9%が非多孔質である。これにより、内側フラスコの基材もしくは蓋の金属または他の分子が飲料に入ることを効果的に防止する、不活性金属コーティングの薄層が設けられる。不活性金属コーティングの厚さは、不活性金属コーティングの表面が1cmあたり100個未満の細孔である細孔密度、好ましくは1cmあたり50個未満の細孔、さらに好ましくは1cmあたり10個未満の細孔、最も好ましくは1cmあたり5個未満の細孔である細孔密度を有するように選択されてよい。
【0011】
不活性金属コーティングは、金、白金、パラジウム、ルテニウム、銀および/またはチタンを含んでよい。
【0012】
不活性金属コーティングは、金、白金、パラジウム、ルテニウム、銀および/またはチタンを含む合金を含んでよい。好ましい実施形態において、合金は硬質金を含んでよい。この硬質金は、層の硬さを増加させるために、コバルトおよび/または銅の合金成分を含んでよい。硬質金は40〜120HV(HV:ビッカース硬さ)を有する純金よりも摩耗および擦傷に対して耐性がある。不活性金属コーティングおよび/または硬質金の硬さは、約150HV〜約250HV、好ましくは約120HV〜約360HVの範囲にあってよい。硬質金は、使用中の摩耗がなく許容範囲内の努力により製造可能であるという有利な点を有する。
【0013】
不活性金属コーティングは、少なくとも約0.1μm、好ましくは少なくとも約0.4μm、さらに好ましくは少なくとも約0.8μmの厚さを有してよい。不活性金属コーティングは、約0.08μm〜約0.8μm、好ましくは約0.5μm〜約0.6μm、さらに好ましくは約0.3μm〜約0.8μm、よりさらに好ましくは約0.6μm〜約1μm、最も好ましくは約0.1μm〜約0.2μmの範囲にある厚さを有してよい。これにより、飲料が不活性金属コーティングを通過できず、内側フラスコの基材と接触できないような、内側フラスコの基材または蓋の確実な封止が可能になる。
【0014】
内側フラスコの基材、外側フラスコおよび/または蓋は鋼製、特にステンレス鋼、V2A鋼、V3A鋼、V4A鋼またはV5A鋼であってよい。
【0015】
好ましくは、内側フラスコの基材は引抜加工により製造されてよく、特に内側フラスコの基材は引抜加工により製造されてよい。引抜加工中、基材は合成樹脂層により保護されてよく、このようにして引抜工具から機械的に分離されてよい。これにより、内側フラスコの基材の滑面が達成されてよい。不活性金属コーティングは電気亜鉛めっきにより積層されてよい。
【0016】
断熱層は内側フラスコと外側フラスコとの間に真空に設けられてよい。
【0017】
外側フラスコと内側フラスコとは飲料容器の上部で、例えば溶接により、接続されてよい。飲料容器は上部の外面、特に外側フラスコにねじ山部を有してよい。雄ねじ部が好ましい。この実施形態において、飲料容器は携帯用飲料ボトルであってよい。
【0018】
飲用時にユーザの唇が触れる飲料容器の外側先端部は、不活性金属コーティングにより覆われてよい。特に、不活性金属コーティングにより覆われる外側先端部は、飲料容器の先端から少なくとも約5mm、好ましくは少なくとも約8mm、さらに好ましくは少なくとも約1cm、最も好ましくは少なくとも約2cm延在してよい。
【0019】
不活性金属コーティングにより、飲料が金属風味を帯びることが防止されるか、または飲料容器から金属臭がすることが防止される。また、蓋の不活性金属コーティングにより、飲料から金属臭がすることが回避される。飲料容器の先端部の不活性金属コーティングにより、飲料容器のユーザが飲料容器からの飲用時に金属臭を感じることが回避される。
【0020】
飲料容器の内側フラスコがガラス製ではないため、飲料容器は軽量で耐衝撃性を有する。さらに、内側フラスコの内面は不活性金属コーティングにより化学的に不活性である。好ましい実施形態において、容器は携帯用飲料ボトルである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
以下、本発明を、本発明の一例であり限定的でない実施形態を示す図面を参照して、さらに詳細に説明する。
図1図1は、本発明による飲料容器の断面図である。
図2図2は、本発明による蓋の断面上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面は概略的に過ぎず、発明の理解のために示される。図面において図示は縮尺通りではない。図1は、基材を形成する(不活性でない)金属製の内側フラスコ104を有する、飲料を収容する携帯用飲料ボトル100の断面図を示す。内側フラスコ104は飲料を収容するように構成される。飲料ボトル100は外側フラスコ102をさらに有する。断熱層103は内側フラスコ104と外側フラスコ102との間に設けられる。断熱層103は真空により設けられてよい。飲料をボトル100に注ぎ入れるため、またはボトル100から飲料を注ぎ出すための開口部108は、内側フラスコ104および/または外側フラスコ102,104の上部110に設けられる。内側フラスコ104は内面を不活性金属コーティング106により覆われる。不活性金属コーティング106は、内側フラスコ104の基材の金属が飲料に入ることを防止する厚さを有する。
【0023】
不活性金属コーティング106は好ましくは非多孔質である。細孔により飲料は内側フラスコ104の(不活性でない)基材と接触する。不活性金属コーティング106の厚さは、不活性金属コーティング106の表面が少なくとも95%非多孔質であり、好ましくは99%非多孔質であり、さらに好ましくは99.9%非多孔質であるように選択される。
【0024】
不活性金属コーティング106の厚さは、不活性金属コーティング106の表面が1cmあたり100個未満の細孔である細孔密度、好ましくは1cmあたり50個未満の細孔、さらに好ましくは1cmあたり10個未満の細孔、最も好ましくは1cmあたり5個未満の細孔である細孔密度を有するように選択される。
【0025】
不活性金属コーティング106は、金、白金、パラジウム、ルテニウム、銀および/またはチタンを含んでよい。不活性金属コーティング106は、金、白金、パラジウム、ルテニウム、銀および/またはチタンを含む合金からなってよい。
【0026】
不活性金属コーティング106は、少なくとも約0.1μm〜約0.4μmの厚さを有してよい。
【0027】
内側フラスコ104の基材は鋼、例えばステンレス鋼、V2A鋼、V3A鋼、V4A鋼またはV5A鋼からなってよい。外側フラスコ102は鋼、例えばステンレス鋼からなってよい。
【0028】
断熱層103は真空であってよい。外側フラスコ102と内側フラスコ104とはその上部110で、例えば溶接により、接続されてよい。飲料ボトル100は上部の外面にねじ山部114を有してよい。
【0029】
不活性金属コーティング106により、内側フラスコ104の基材の不活性でない金属が飲料に入ることが防止される。これにより、より健康的な飲料をユーザに提供できる。さらに、ボトル100の金属臭または飲料の金属風味が防止される。
【0030】
先端部112は不活性金属コーティング106により覆われてよい。特に、不活性金属コーティング106により覆われる先端部112は、飲料ボトル100の先端から少なくとも約5mm、好ましくは少なくとも約8mm、さらに好ましくは少なくとも約1cm、最も好ましくは少なくとも約2cm延在する。ユーザの唇が不活性でない金属、例えば鋼に触れないため、ユーザはその唇に金属風味を感じない。
【0031】
図2は、蓋200の内側部の上面図を示す。蓋200は飲料ボトル100の上部110に設けられる雄ねじ部114と係合するように構成される雌ねじ部214を有する。蓋200は蓋200に固定されるシール部209、好ましくは円状のシール部209を有する。シール部209に囲まれる部材210には、不活性金属コーティング210が設けられる。蓋200は(不活性でない)金属、例えば鋼、V2A鋼、V3A鋼、V4A鋼またはV5A鋼から製造されてよい。シール部209は、飲料ボトル100の上部110の開口部108のまわりに設けられるシール面109と協働してよい。蓋200がボトル100に形成される雄ねじ部114と蓋200に形成される雌ねじ部214によりボトル100にねじって閉められると、シール部209は飲料がボトル100から流れ出すことを防止する。
【0032】
飲料はシール部209に囲まれる部材210を流れることができるため、シール部209に囲まれる部材210は、飲料ボトル100内の飲料が金属イオン、金属分子または金属酸化物分子などによる汚染を避けるために、不活性金属コーティング210により覆われる。
【0033】
本発明は、衝撃に対して敏感でなく、飲料が(不活性でない)金属により汚染されることが避けられる、軽量断熱ボトルを達成する。
【0034】
不活性金属コーティング106,210はガルバニ法により製造できるため、不活性金属コーティング106,210のコストは比較的低い。
図1
図2