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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-166206(P2021-166206A)
(43)【公開日】2021年10月14日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/57 20110101AFI20210917BHJP
   H01R 13/24 20060101ALI20210917BHJP
【FI】
   H01R12/57
   H01R13/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【公開請求】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2021-117457(P2021-117457)
(22)【出願日】2021年7月15日
(71)【出願人】
【識別番号】390012977
【氏名又は名称】イリソ電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 崇
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AB01
5E223AB17
5E223AC12
5E223AC23
5E223AC38
5E223BA27
5E223BB01
5E223BB13
5E223CB08
5E223CB31
5E223CB42
5E223CB99
5E223CD01
5E223CD24
5E223DB11
5E223DB21
(57)【要約】
【課題】低背でありながらバネ長が長く、しかも安定した電気的接続を実現することができるコネクタを提供する。
【解決手段】コネクタ10の端子12は、弾性接触部30を備える。弾性接触部30のバネ部31は、少なくとも一部が取付対象物(基板90)の上面よりも下方に位置するように連結板23の下端23aから伸長するので、コネクタ10の高さを低くしつつ、弾性接触部30のバネ長を確保することができる。また、バネ部31は連結板23の下端23aから伸長するところ、連結板23は、固定部21から上方へ延びる一対の側板22同士を幅方向に連結している部分なので、弾性接触部30の基端30aが変位することが抑制される。その結果、弾性接触部30が基板90に接触することが防止される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子を備えるコネクタであって、
前記端子は、
取付対象物に固定される固定部と、
前記固定部から上方へ延び、幅方向に対向する一対の側板と、
板厚方向を前後方向に向け、前記一対の側板同士を幅方向に連結する連結板と、
前記連結板から伸長する弾性接触部と、を備え、
前記弾性接触部は、
少なくとも一部が前記取付対象物の上面よりも下方に位置するように前記連結板の下端から伸長するバネ部と、
前記バネ部に支持されて前後方向に変位可能であり、接続対象物に接触する接触部と、を備える、
コネクタ。
【請求項2】
自由状態において、前記連結板の前記下端は、前記接触部の頂点位置よりも下方に位置する、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記端子は、
吸着ノズルで吸着可能な吸着部と、
前記吸着部と前記連結板とを接続する接続部と、を備え、
前記接続部は、前記連結板の上端と前記吸着部の前端とを接続し、
前記吸着部の前端は、前記連結板の上端よりも前側に位置する、
請求項1又は請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記一対の側板は、前記連結板の上端よりも上方に位置する側板拡大部を有し、
前記側板拡大部は、自由状態又は変形状態における前記弾性接触部の幅方向外側に位置し、
前記側板拡大部は、側面視で、前記接続部と重ならない、
請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記吸着部の後端は、キャリアから切断されたキャリア切断部である、
請求項3又は請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記固定部は、板厚方向を上下方向に向け、取付対象物の上面に半田付け可能に構成され、
前記固定部の前方側には、前方側に開口するスリットが形成される、
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記固定部は、板厚方向を上下方向に向け、取付対象物の上面に半田付け可能に構成され、
前記固定部は、前記一対の側板のそれぞれと一対の曲部を介して接続され、
前記固定部は、前記一対の曲部の後端よりも後側に位置する後方拡大部を有する、
請求項1〜請求項6の何れか一項に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記固定部は、前記一対の曲部の前端よりも前側に位置する部分を備えない、
請求項7に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1記載のコネクタは、接続対象物に接触する接触部と、接触部を支持するバネ部と、を有する。そして、バネ部は、少なくとも一部が基板の上面よりも下方に位置するように構成されている。このような構成により、コネクタの高さ寸法(基板の上面からの高さ寸法)を維持したまま、バネ部のバネ長を長くすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第10355429号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のコネクタは、基板の切欠き部内で、バネ部の一部が基板に接触するように構成される(特許文献1図9)。このため、基板に対するコネクタの取付位置や切欠き部の具体的形状が、バネ部に対する基板の接触状態に影響を及ぼし、バネ部が設計時に想定した変形とは異なる変形をする可能性がある。バネ部が設計時に想定した変形とは異なる変形をすると、安定した電気的接続が損なわれる。
【0005】
そこで、本開示は、低背でありながらバネ長が長く、しかも安定した電気的接続を実現することができるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、本開示のコネクタの構成を前後方向、幅方向、上下方向という方向概念を用いて説明する。これらの方向概念は、コネクタを基準とする方向概念であるから、コネクタの使用時における設置方向(姿勢)を限定するものではない。
【0007】
第1の態様に係るコネクタは、端子を備えるコネクタであって、前記端子は、取付対象物に固定される固定部と、前記固定部から上方へ延び、幅方向に対向する一対の側板と、板厚方向を前後方向に向け、前記一対の側板同士を幅方向に連結する連結板と、前記連結板から伸長する弾性接触部と、を備え、前記弾性接触部は、少なくとも一部が前記取付対象物の上面よりも下方に位置するように前記連結板の下端から伸長するバネ部と、前記バネ部に支持されて前後方向に変位可能であり、接続対象物に接触する接触部と、を備える。
【0008】
上記態様では、コネクタの端子は、取付対象物に固定される固定部と、固定部から上方へ延び幅方向に対向する一対の側板と、一対の側板同士を幅方向に連結する連結板と、連結板から伸長する弾性接触部と、を備える。弾性接触部は、バネ部と、バネ部に支持されて前後方向に変位可能であり、接続対象物に接触する接触部と、を備える。
ここで、バネ部は、少なくとも一部が取付対象物の上面よりも下方に位置するように連結板の下端から伸長する。このため、コネクタの高さを低くしつつ、弾性接触部のバネ長を確保することができる。
また、バネ部は連結板の下端から伸長するところ、連結板は、板厚方向を前後方向に向け、一対の側板同士を幅方向に連結する部分なので、連結板の変形が抑制され、弾性接触部の基端が変位することが抑制される。その結果、弾性接触部が取付対象物に接触することが防止されるので、安定した電気的接続を実現することができる。
【0009】
第2の態様に係るコネクタは、第1の態様において、自由状態において、前記連結板の前記下端は、前記接触部の頂点位置よりも下方に位置する。
【0010】
上記態様では、自由状態において、連結板の下端は、接触部の頂点位置よりも下方に位置する。このため、接触部に後方向の力が加わった場合に、接点部が上方に移動するようにバネ部が変形しやすい。接点部が上方に移動する場合には、弾性接触部の基端付近が後方へ変位しずらくなり、その結果、弾性接触部が取付対象物に接触することがより一層防止される。
【0011】
第3の態様に係るコネクタは、第1又は第2の態様において、前記端子は、吸着ノズルで吸着可能な吸着部と、前記吸着部と前記連結板とを接続する接続部と、を備え、前記接続部は、前記連結板の上端と前記吸着部の前端とを接続し、前記吸着部の前端は、前記連結板の上端よりも前側に位置する。
【0012】
上記態様では、端子は、吸着ノズルで吸着可能な吸着部と、吸着部と連結板とを接続する接続部と、を備える。接続部は、連結板の上端と吸着部の前端とを接続し、吸着部の前端は、連結板の上端よりも前側に位置する。
このため、吸着部の前端と連結板の上端との前後方向位置が一致する態様と比較して、吸着部を前方側に配置することができる。その結果、吸着部が後方側に突出する長さを短くすることができ、コネクタを前後方向で小型化することができる。
なお、吸着部を前方側に配置することで、吸着部をコネクタの重心に近づけることができる場合には、端子を吸着ノズルで吸着して取付対象物に配置するまでの間に、端子が傾いて吸着ノズルから脱落してしまうことが防止される。
【0013】
第4の態様に係るコネクタは、第3の態様において、前記一対の側板は、前記連結板の上端よりも上方に位置する側板拡大部を有し、前記側板拡大部は、自由状態又は変形状態における前記弾性接触部の幅方向外側に位置し、前記側板拡大部は、側面視で、前記接続部と重ならない。
【0014】
上記態様では、一対の側板は、連結板の上端よりも上方に位置する側板拡大部を有する。側板拡大部は、自由状態又は変形状態における弾性接触部の幅方向外側に位置する。側板拡大部は、側面視で、接続部と重ならない。
このため、自由状態又は変形状態における弾性接触部を保護することができると共に、端子の接続部が正しく製造されているか否かを端子の側方から見て検査することができる。
【0015】
第5の態様に係るコネクタは、第3又は第4の態様において、前記吸着部の後端は、キャリアから切断されたキャリア切断部である。
【0016】
上記態様では、吸着部の後端は、キャリアから切断されたキャリア切断部である。このため、板状の部材をプレス加工して連続的に製造するのに適したコネクタとすることができる。
【0017】
第6の態様に係るコネクタは、第1〜第5の何れかの態様において、前記固定部は、板厚方向を上下方向に向け、取付対象物の上面に半田付け可能に構成され、前記固定部の前方側には、前方側に開口するスリットが形成される。
【0018】
上記態様では、固定部は、板厚方向を上下方向に向け、取付対象物の上面に半田付け可能に構成される。そして、固定部の前方側には、前方側に開口するスリットが形成される。このため、固定部の前方側において、取付対象物への取付強度が向上する。その結果、固定部に対し固定部の前方側が立ち上がるような力が加わった場合でも、固定部が取付対象物から外れることが防止される。
【0019】
第7の態様に係るコネクタは、第1〜第6の何れかの態様において、前記固定部は、板厚方向を上下方向に向け、取付対象物の上面に半田付け可能に構成され、前記固定部は、前記一対の側板のそれぞれと一対の曲部を介して接続され、前記固定部は、前記一対の曲部の後端よりも後側に位置する後方拡大部を有する。
【0020】
上記態様では、固定部は、一対の曲部の後端よりも後側に位置する後方拡大部を有する。このため、端子が後方側へ倒れることが抑制される。
【0021】
第8の態様に係るコネクタは、第6の態様において、前記固定部は、前記一対の曲部の前端よりも前側に位置する部分を備えない。
【0022】
上記態様では、固定部は、一対の曲部の前端よりも前側に位置する部分を備えない。このため、取付対象物における端子の取付位置をコネクタ前方側に寄せることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】コネクタの斜視図である。
図2図1とは別の角度から見たコネクタの斜視図である。
図3】コネクタを基板に取り付けた状態を示す斜視図である。
図4】コネクタの断面図である。
図5】接続対象物に接触している状態を示す図である。
図6】コネクタの製造工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、実施形態に係るコネクタ10について説明する。
【0025】
(端子12)
コネクタ10は、導電性の材料で形成された端子12のみで構成される。
【0026】
(取付対象物としての基板90)
コネクタ10が取り付けられる「取付対象物」としての基板90の周縁部には、切欠き部91が形成される。コネクタ10は、切欠き部91内にバネ部31が配置されるように、基板90に取り付けられる。
【0027】
(固定部21、一対の側板22、連結板23)
端子12は、固定部21と、一対の側板22と、連結板23と、を備える。
【0028】
固定部21は、「取付対象物」である基板90に固定される部分である。固定部21は、板厚方向を上下方向に向け、基板90の上面に表面実装される。固定部21は、右側部21Rと左側部21Lとから構成される。右側部21R及び左側部21Lの各々は、側板22の下側に形成された曲部24から幅方向外側に向けて延出される。
【0029】
一対の側板22は、固定部21から上方へ延び、幅方向に対向する部分である。一対の側板22の各々は、板厚方向を幅方向に向ける。一対の側板22の各々は、固定部21の右側部21R及び左側部21Lの各々から曲部24を介して立ち上がるように設けられる。
【0030】
連結板23は、板厚方向を前後方向に向け、一対の側板22同士を幅方向に連結する部分である。連結板23が連結するのは、一対の側板22の後端同士である。連結板23と一対の側板22との間には、上下方向に沿って延びる一対の曲部25が形成される。一方の曲部25と他方の曲部25との間の部分が連結板23である。したがって、連結板23の下端23aは、一対の曲部25の下端と上下方向の位置が一致し、連結板23の上端23bは、一対の曲部25の上端と上下方向の位置が一致する。
【0031】
固定部21には、当該固定部21を後方側に拡大する後方拡大部21aが形成される。後方拡大部21aは、固定部21と側板22との間に形成された曲部24の後端よりも後側に位置する部分である。これにより、端子12が後方側へ倒れることが抑制される。
他方、固定部21には、当該固定部21を前方側に拡大する前方拡大部は形成されない。その結果、固定部21の前端は、曲部24の前端と前後方向の位置が一致する。
【0032】
固定部21の前側には、スリット21bが形成される。スリット21bは、固定部21の前側の縁の一部が後方向へ向けて切り欠かれた形状となっている。これにより、半田フィレットが形成される領域が増加し、固定部21の前方部分における基板90への固定強度が上昇する。スリット21bの形状としては、略U字状や略V字状が挙げられるが、好ましくは図示のように略V字状である。
【0033】
図4に示すように、側板22は、側板一般部22aと、側板拡大部22bと、を有する。側板拡大部22bは、側板22のうち、一対の曲部25の上端(連結板23の上端23b)よりも上側に位置する部分である。側板一般部22aは、側板22のうち、側板拡大部22b以外の部分である。図5に示すように、側板拡大部22bは、変形時の弾性接触部30(具体的には接触部32)の幅方向外側に配置される。これにより、弾性接触部30が適切に保護される。
【0034】
図4に示すように、側板拡大部22bは、側面視で、後述の接続部42と重ならない形状である。
側板22の縁には、第一水平部221と、第一傾斜端部222と、第二水平端部223と、第二傾斜端部224と、垂直端部225と、第三傾斜端部226と、が形成される。
第一水平部221は、曲部25の上端から前方向へ水平に延びる。第一傾斜端部222は、前方向へ向かって上側に傾斜する方向に延びる。第二水平端部223は、前方向に延びる。第二水平端部223は、後述する接続部42の連結板側曲部42aよりも上側に位置する。第二傾斜端部224は、前方向へ向かって下側に傾斜する方向に延びる。垂直端部225は、下方向へ垂直に延びる。垂直端部225は、側板拡大部22bと側板一般部22aとを跨いで形成される。垂直端部225は、側板22の前端を構成しており、曲部24の前端よりも前側に位置する。第三傾斜端部226は、下方向に向けて後方向に傾斜した方向に延びる。
【0035】
(弾性接触部30)
また、端子12は、弾性接触部30を備える。
【0036】
弾性接触部30は、連結板23から伸長し、「接続対象物」に弾性的に接触する部分である。弾性接触部30は、記連結板の下端から伸長するバネ部31と、バネ部31に支持されて接続対象物80に接触する接触部32と、を有する。
【0037】
バネ部31は、連結板23の下端23aから下方向に直線状に延びる基端側直線部31aと、側面視でU字状に曲げられたU曲部31bと、U曲部31bとは逆側に曲げられた逆曲部31cと、をこの順に有する。
基端側直線部31aの上端は、弾性接触部30の基端30aと一致する。基端側直線部31aの下端は、基板90の上面よりも下側に位置する。
U曲部31bは、その基端から先端にかけて、同一の曲率で曲げられている。U曲部31bの伸長方向は、基端では下方向を向き、先端では上方向を向く。つまり、U曲部31bにおいて、バネ部31の伸長方向は略180度方向転換している。
逆曲部31cは、U曲部31bと接触部32との間に形成される。
【0038】
接触部32は、前方向が凸となるように板厚方向に略V字状に曲げられており、曲げられた頂点付近において接続対象物80に接触する。接触部32には、接続対象物80側に突出するビード32aが形成される。
接触部32の板幅(幅方向の寸法)は、基端側直線部31aの板幅よりも小さい。U曲部31b及び逆曲部31cの板幅は、基端側直線部31a側の基端から接触部32側の先端へ向けて漸減している。
【0039】
法線方向を後方向とする平面を接続対象物80の接触面81とした場合、自由状態の端子12を接触面81に向けて前方向に移動したときに、最初に接触面81に接触する位置を、接触部32の頂点位置32Tと呼ぶ。
接触部32の頂点位置32Tは、連結板23の下端23a(弾性接触部30の基端30a)よりも若干上側に位置する。
【0040】
(吸着部41、接続部42)
また、端子12は、吸着ノズルで吸着可能な吸着部41と、吸着部41と連結板23とを接続する接続部42と、を備える。
【0041】
吸着部41は、板厚方向を上下方向に向ける。吸着部41の上側の板面が吸引面として機能する。
接続部42は、連結板23の上端23bと吸着部41の前端41aとを接続する。吸着部41の前端41aは、連結板23の上端23bよりも前側に位置する。
【0042】
接続部42は、連結板側曲部42aと非曲部42bと吸着部側曲部42cとを有する。
連結板側曲部42aは、連結板23の上側に形成され、連結板23の上側部分が前側へ向けて曲げられている。
非曲部42bは、前方向に向けて上方向に傾斜する方向に直線状に延びている。
吸着部側曲部42cは、連結板側曲部42aとは反対側に曲げられて、吸着部41の前端41aに接続している。吸着部側曲部42cは、側板22の第一傾斜端部222の前端よりも後方側、かつ第一傾斜端部222の後端よりも前方側に位置する。
【0043】
接続部42を構成する連結板側曲部42a、非曲部42b及び吸着部側曲部42cは、互いに同一の幅寸法を有する。
吸着部41の幅寸法は、接続部42の幅寸法よりも大きく、具体的には、一対の側板22の幅方向方向内側の面同士の距離よりも若干大きい。
【0044】
(接続対象物80との接触による弾性接触部30の変形)
【0045】
図5は、基板90に取り付けられたコネクタ10が接続対象物80と接続された状態を示す。接続対象物80は、端子12の接触部32に接触する接触面81を有する。接触面81は、接続状態において法線方向を後方向に向ける。
【0046】
端子12の接触部32が接続対象物80からの反力を受け、弾性接触部30が変形している。自由状態の端子12において、接触部32が接続対象物80から後方向の力を受けると、弾性接触部30のバネ部31が変形し、接触部32は、後方かつ上方へ移動すると共に、右側面視で(図4図5に示すように右側から見て)反時計回りに回転する。
つまり、自由状態である変形前と変形後を比較すると、接触部32は、弾性接触部30の基端30a付近を通る幅方向に延びる仮想的な回転軸を中心として、右側面視で反時計回りに回転するように変位する。
【0047】
<作用効果>
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0048】
本実施形態では、コネクタ10の端子12は、取付対象物に固定される固定部21と、幅方向に対向する一対の側板22と、一対の側板22同士を幅方向に連結する連結板23と、連結板23から伸長する弾性接触部30と、を備える。弾性接触部30は、バネ部31と、バネ部31に支持されて前後方向に変位可能であり、接続対象物80に接触する接触部32と、を備える。
ここで、バネ部31は、少なくとも一部が取付対象物(基板90)の上面よりも下方に位置するように連結板23の下端23aから伸長する。このため、コネクタ10の基板表面からの高さを低くしつつ、弾性接触部30のバネ長を確保することができる。
また、バネ部31は連結板23の下端23aから伸長するところ、連結板23は、板厚方向を前後方向に向け、一対の側板22同士を幅方向に連結する部分なので、連結板23の変形が抑制され、弾性接触部30の基端30aが変位することが抑制される。その結果、弾性接触部30が基板90に接触することが防止されるので、安定した電気的接続を実現することができる。
【0049】
また、本実施形態では、自由状態において、連結板23の下端23aは、接触部32の頂点位置32Tよりも下方に位置する。
このため、接触部32に後方向の力が加わった場合に、接触部32が上方に移動するようにバネ部31が変形しやすい。接触部32が上方に移動する場合は、弾性接触部30の基端30a付近が後方へ変位しずらくなり、その結果、弾性接触部30が基板90に接触することがより一層防止される。
【0050】
また、本実施形態では、端子12は、吸着ノズルで吸着可能な吸着部41と、吸着部41と連結板23とを接続する接続部42と、を備える。接続部42は、連結板23の上端23bと吸着部41の前端41aとを接続し、吸着部41の前端41aは、連結板23の上端よりも前側に位置する。
このため、吸着部41の前端41aと連結板23の上端23bとの前後方向位置が一致する態様と比較して、吸着部41を前方側に配置することができる。その結果、吸着部41が後方側に突出する長さを短くすることができ、コネクタ10を前後方向で小型化することができる。
特に、本実施形態では、端子12のうち吸着部41及び接続部42を除いた部分の重心が連結板23よりも前方側に位置するので、吸着部41を前方側に配置することで、吸着部41を端子12の重心に近づけることができる。その結果、端子12を吸着ノズルで吸着して取付対象物(基板90)に配置するまでの間に、端子12が傾いて吸着ノズルから脱落してしまうことが防止される。
【0051】
また、本実施形態では、一対の側板22は、連結板23の上端よりも上方に位置する側板拡大部22bを有する。側板拡大部22bは、自由状態又は変形状態における弾性接触部30の幅方向外側に位置する。側板拡大部22bは、側面視で、接続部42と重ならない。
このため、自由状態又は変形状態における弾性接触部30を保護することができると共に、端子12の接続部42が正しく製造されているか否かを端子12の側方から見て検査することができる。
【0052】
また、本実施形態では、吸着部41の後端41bは、キャリア50(図6)から切断されたキャリア切断部41bである。このため、板状の部材をプレス加工して連続的に製造するのに適したコネクタとすることができる。
すなわち、曲げ加工前の展開図で見てキャリアの送り方向と交差する方向に伸長するバネ部31を備える端子12を製造するに当たって、最もキャリア50に近い吸着部41の後端41bをキャリア切断部41bとすることで、端子12をキャリア50から容易に切断することができる。
【0053】
また、本実施形態では、固定部21の前方側には、前方側に開口するスリット21bが形成される。
このため、固定部21の前方側において、取付対象物(基板90)への取付強度が向上する。その結果、固定部21に対し固定部21の前方側が立ち上がるような力が加わった場合でも、固定部21が取付対象物(基板90)から外れることが防止される。
特に、本実施形態では、接続対象物80との接続状態(図5参照)では、弾性接触部30の弾性復元力として、連結板23に、連結板23の上側を後方側へ向けて倒すような力が作用する。そのため、端子12のうち、固定部21、一対の側板22及び連結板23の部分を端子12の基礎部21,22,23と捉えたときに、端子12の基礎部21,22,23を後方側へ向けて倒すような力が、弾性接触部30から作用する。よって、上記のようなスリット21bが有効である。
【0054】
また、本実施形態では、固定部21は、一対の曲部24の後端よりも後側に位置する後方拡大部21aを有する。このため、端子12が後方側へ倒れることが抑制される。
また、本実施形態では、固定部21は、一対の曲部24の前端よりも前側に位置する部分を備えない。このため、基板90における端子12の取付位置をコネクタ前方側に寄せることができる。
【0055】
また、本実施形態では、端子12は、連結板23の後方に固定部を備えない。このため、取付対象物(基板90)の上面における、端子12の取付に必要な領域を前後方向で小さくできる。
なお、図示は省略するが、前後方向で吸着部41の後端41Bが連結板23と同位置又は連結板23よりも前方に位置するよう、端子12を構成してもよい。このようにすることで、端子12の取付に必要な取付対象物の上面の領域だけでなく、端子12の取付に必要な取付対象物上の空間を前後方向で小さくできる。
【0056】
〔上記実施形態の補足説明〕
なお、本開示は、上記実施形態に限定されない。
【0057】
上記実施形態では、一対の側板22が幅方向に平行に対向する例を説明した。しかし、本開示の一対の側板は、これに限定されず、若干角度をもって幅方向に対向していてもよい。このような一対の側板も、本開示の「幅方向に対向する一対の側板」に相当する。
【0058】
上記実施形態では、コネクタ10が導電性の材料で形成された端子12のみで構成される例を説明した。しかし、本開示のコネクタは、これに限定されず、端子を保持するハウジング等の他の部品を備えてもよい。
【0059】
上記実施形態では、接続対象物80が、接続状態において法線方向を後方向に向ける接触面81を有する例を説明した。しかし、本開示の接続対象物は、これに限定されない。
【0060】
上記実施形態では、固定部21が基板90の上面に表面実装される例を説明した。しかし、本開示の固定部は、これに限定されず、例えばスルーホール実装であってもよい。
【0061】
上記実施形態では、バネ部31が、連結板23から下方へ向けて伸長し、U曲部31bで伸長方向を上方向に転換して、接触部32に接続される例を説明した。しかし、本開示のバネ部は、これに限定されず、連結板から下方へ向けて伸長し、曲部で伸長方向を上に転換した後、更なる曲部で伸長方向を下に転換して、接続部に接続されてもよい。
つまり、上記実施形態では、バネ部の伸長方向を上下方向で転換する曲部(折返し曲部)が、バネ部31に1つ形成された例を説明したが、本開示のバネ部は、折返し曲部が2つ形成されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0062】
10 コネクタ
12 端子
21 固定部
21a 後方拡大部
21b スリット
22 側板
22a 側板一般部
22b 側板拡大部
23 連結板
23a 下端
23b 上端
30 弾性接触部
30a 基端
31 バネ部
32 接触部
32T 頂点位置
41 吸着部
41a 前端
41b 後端(キャリア切断部)
42 接続部
50 キャリア
80 接続対象物
90 基板(取付対象物)
図1
図2
図3
図4
図5
図6