【手段】本体の前側に前輪及び前輪支持部材、前記本体の後側に後輪及び後輪支持部材が付設された2輪のオートバイクの姿態と、2足歩行の恐竜の姿態との間で可逆的に変化可能な形態変化玩具であって、オートバイクの前輪の上方まで突出する本体前部が恐竜の頭部を、本体中間部が恐竜の胴部を、本体中間部の上部が恐竜の首部及び背部を、本体中間部の下部が恐竜の腹部を、後輪の上方まで突出する本体後部が恐竜の尾部を構成し、前輪を恐竜のときに本体中間部に収容し、後輪を恐竜の脛部とした。
本体の前側に前輪及び前輪支持部材、前記本体の後側に後輪及び後輪支持部材が付設された2輪のオートバイクの姿態と、2足歩行の恐竜の姿態との間で可逆的に変化可能な形態変化玩具であって、
前記オートバイクの前記前輪の上方まで突出する本体前部が前記恐竜の頭部を、本体中間部が前記恐竜の胴部を、本体中間部の上部が前記恐竜の首部及び背部を、前記本体中間部の下部が前記恐竜の腹部を、前記後輪の上方まで突出する本体後部が前記恐竜の尾部を構成し、
前記オートバイクの姿態では前記本体中間部の前端は前記前輪に対向し、その対向部分には前輪入出口が形成され、前記本体中間部の内部には、前記前輪入出口に連通する前輪収容部が形成され、
前記後輪支持部材は、前後方向に延在し、前記本体中間部に対して後輪車軸に平行な第1軸を中心に回動可能に連結されるとともに、前記後輪よりも後方に突出して下方に屈曲され、その屈曲部分を足先部とする前記恐竜の脚を構成し、
前記後輪支持部材を前記本体後部から離間する方向に回動させることにより起立させ、前記前輪を前記前輪収容部に収容させることで前記オートバイクの姿態から前記恐竜の姿態へと変化し、前記後輪支持部材を前記本体後部に接近する方向に回動させて折り畳み、前記前輪を前記前輪収容部から突出させることで前記恐竜の姿態から前記オートバイクの姿態へと変化することを特徴とする形態変化玩具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、装身具や装備品のないシンプルな恐竜の姿態に変化するようなものでは、車輪等が露出すると、露出する場所、大きさ、範囲によっては、それが邪魔となり、姿態が不自然となってしまい、興趣性が損なわれることになる。
本発明は、かかる問題点に鑑みなされたものでは、車両の姿態から恐竜の姿態へ変化した場合にも違和感の少ない形態変化玩具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の手段は、
本体の前側に前輪及び前輪支持部材、前記本体の後側に後輪及び後輪支持部材が付設された2輪のオートバイクの姿態と、2足歩行の恐竜の姿態との間で可逆的に変化可能な形態変化玩具であって、
前記オートバイクの前記前輪の上方まで突出する本体前部が前記恐竜の頭部を、本体中間部が前記恐竜の胴部を、本体中間部の上部が前記恐竜の首部及び背部を、前記本体中間部の下部が前記恐竜の腹部を、前記後輪の上方まで突出する本体後部が前記恐竜の尾部を構成し、
前記オートバイクの姿態では前記本体中間部の前端は前記前輪に対向し、その対向部分には前輪入出口が形成され、前記本体中間部の内部には、前記前輪入出口に連通する前輪収容部が形成され、
前記後輪支持部材は、前後方向に延在し、前記本体中間部に対して後輪車軸に平行な第1軸を中心に回動可能に連結されるとともに、前記後輪よりも後方に突出して下方に屈曲され、その屈曲部分を足先部とする前記恐竜の脚を構成し、
前記後輪支持部材を前記本体後部から離間する方向に回動させることにより起立させ、前記前輪を前記前輪収容部に収容させることで前記オートバイクの姿態から前記恐竜の姿態へと変化し、前記後輪支持部材を前記本体後部に接近する方向に回動させて折り畳み、前記前輪を前記前輪収容部から突出させることで前記恐竜の姿態から前記オートバイクの姿態へと変化することを特徴とする。
【0006】
第2の手段は、第1の手段であって、前記本体中間部の内部には、前記後輪支持部材と前記前輪支持部材とを連動させる連動機構が設けられていることを特徴とする。
【0007】
第3の手段は、第2の手段であって、
前記本体中間部の内部には、前記前輪の入出を案内する前輪案内機構が設けられ、
前記連動機構は、前記後輪支持部材と一体的に回動する回動体を備え、前記前輪支持部材に付設された連結部と前記回動体とをピンと長孔との係合によって連結し、前記後輪支持部材と前記前輪支持部材とを連動させることを特徴とする。
【0008】
第4の手段は、第1の手段から第3の手段のいずれか一の手段であって、
前記後輪は半割りされた左右の半輪から構成され、
前記後輪支持部材は各半輪を支持する左半輪支持片と右半輪支持片とから構成され、前記左半輪支持片と前記右半輪支持片とが一体的に回動するように構成され、
前記左半輪支持片及び前記右半輪支持片とは、それぞれ、前記第1軸によって支持され前記恐竜の上脚を構成する第1部分と、前記第1軸に直交する面に平行な第2軸を介して前記第1部分に回動可能に連結され前記恐竜の下脚を構成する第2部分とから構成され、
前記本体中間部には、凹部が形成されたカム面が形成され、
前記第2部分には前記カム面に摺接する摺接部が形成され、前記後輪支持部材を回動させる際に、前記第1部分と前記第2部分との間に掛けられたスプリングによって、前記摺接部は前記カム面に押し付けられ、前記恐竜となったときに前記摺接部が前記凹部に係合し前記第2部分が前記第1部分に対して外方に回動して開脚されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
第1の手段によれば、恐竜の姿態となった場合には、後輪が恐竜の姿態の脛部となり、前輪は本体中間部に収容されるので、恐竜の姿態となったときの違和感が少なくて済む。
【0010】
第2の手段及び第3の手段によれば、後輪支持部材を動作させれば、後輪支持部材と連動して前輪支持部材が動作して前輪を本体中間部に収容することができる。つまり、ワンモーション、ワンステップで変形させることができる。
【0011】
第4の手段によれば,恐竜の姿態となったときに、上脚に対して下脚を開脚させることができる。また、スプリングによって開脚させているため、操作性に優れるとともに、後輪支持部材の破損を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の形態変化玩具を説明する。
【0014】
図1は、実施形態の形態変化玩具がオートバイクの姿態となったときの斜視図、
図2は、実施形態の形態変化玩具が恐竜の姿態となったときの斜視図、
図3は、オートバイクの分解斜視図である。
実施形態の形態変化玩具は、2輪のオートバイクの姿態と、2足歩行の恐竜の姿態との間で可逆的に変化する。
オートバイク100は、
図1に示すように、本体1の前側に前輪2及び前輪支持部材20、本体1の後側に後輪3及び後輪支持部材30が付設された構造を有している。そして、前輪2及び後輪3はオートバイク100が自立できる幅となっている。
また、恐竜200は、
図2に示すように、頭部A、胴部B、尾部C、手部D及び脚部Eから構成されている。
そして、この形態変化玩具では、オートバイク100の姿態の状態で、片方の手で本体1を掴み、他方の手で後輪支持部材30を掴んで軸30aを中心に回動させ、本体1に対して後輪支持部材30を直立させることにより、前輪2の一部が本体1に引き込まれ、恐竜200に変形する。
この場合、オートバイク100の本体1は恐竜200の頭部A、胴部B、尾部C及び手部Dとなり、オートバイク100の後輪支持部材30は恐竜200の脚部Eとなる。また、前輪2の露出部分は恐竜200の喉部B1となり、後輪3は恐竜200の脛部E1となる。
【0015】
(1)本体1
図4に示すように、本体1は、本体前部10、本体中間部11及び本体後部12を備える。
【0016】
(本体前部10)
本体前部10は、本体中間部11の前端から前方に突出し、前輪2の上方まで延びている。この本体前部10は、オートバイク100の前部装備品を象って形成されている。この本体前部10は恐竜200となった場合には頭部Aを構成するもので、本体前部10には口10aや目10b等の形態が付されている。
この本体前部10は軸10cを介して本体中間部11に取り付けられ、軸10cを中心として少しばかり上下動可能となっている。
【0017】
(本体中間部11)
本体中間部11は、オートバイク100の前輪2と後輪3との間に位置する部分である。
本体中間部11の上部はオートバイク100のタンクやシートを象って形成され、シートに対応する部分は凹部11aとなっている。また、タンクに対応する部分は凹部11aの前壁を構成し、
図3に示すように前方に膨出した形となっている。この膨出部11bは恐竜200の首部B2を構成し、本体中間部11の残部の上部は恐竜200の背部B3を構成する。
本体中間部11の前端は前輪2に対向している。この本体中間部11の前端には、下端左右に前方に張り出す突片11cが1つずつ形成されている。この突片11cは恐竜200の手部Dの下腕を構成するもので、本体中間部11の前端部及び突片11cに亘って恐竜200の手部Dの形態が付されている。
また、本体中間部11には、前輪2に対向する部分に前輪入出口11dが形成されている。
【0018】
本体中間部11の後側には、下端部左右に脚連結部11eが1つずつ形成されている。左右の脚連結部11eは左右で対称な構造となっている。
各脚連結部11eには、上記軸30aが挿通される軸孔11fが形成されている。各脚連結部11eの外面には、後輪支持部材30の内面が摺接する摺接面11gが形成されている。また、摺接面11gには、軸孔11fに連なる側面視扇状の凹部11hが形成されている。さらに、摺接面11gには、凹部11hとは異なる場所に弾性爪11iが形成されている。
【0019】
(本体後部12)
本体後部12は、本体中間部11の後側上部から後方に突出している。本体後部12は棒状に形成され、後端側に向けて先細りとなっている。本体後部12の上端には台形板状の突片12aが形成されている。この本体後部12は、オートバイク100の後輪フェンダを象って形成されている。この本体後部12は恐竜200の尾部Cを構成するもので、本体後部12には恐竜200の尾部Cの形態が付されている。この本体後部12の先端は、オートバイク100のときには、後述の後輪支持部材30の後端とりも後方に位置している。
【0020】
(2)後輪3及び後輪支持部材30
後輪3は、互いに別体の左半輪3a及び右半輪3bから構成され(
図2参照)、左半輪3aと右半輪3bとが合わさって1つの後輪3が構成されている。
また、後輪支持部材30は、左半輪支持片31a及び右半輪支持片31bから構成され、左半輪支持片31aと右半輪支持片31bとが合わさって1つの後輪支持部材30が構成されている。左半輪支持片31aには左半輪3aが支持され、右半輪支持片31bには右半輪3bが支持されている。左半輪支持片31aと右半輪支持片31bとは左右で対称な構造となっている。なお、左半輪支持片31aと右半輪支持片31bとは一体的に回動するように軸30aにより連結されている。
各半輪支持片31(左半輪支持片31a及び右半輪支持片31bを区別しない場合には半輪支持片31とする。)は前後方向に延在しており、後輪3よりも後方まで突出し、この突出部30bは下方に屈曲している。この屈曲された突出部30bは恐竜200の足先部を構成する。突出部30bの後縁は後方に向けて下り傾斜となっており、当該後縁は恐竜200の足裏を構成する。この屈曲部の先端はオートバイク100の姿態のときには接地しない。一方、屈曲部の先端は恐竜200の姿態のときには前輪2よりも前方に位置する。
【0021】
各半輪支持片31は、本体中間部11と外側に重なる第1部分310と、後輪3の外側に重なる第2部分311とから構成されている。第1部分310と第2部分311とは、側面で幅広となっており、特に、第2部分311は後輪3の半分以上を被覆している。第1部分310にはエンジン等の絵柄が付されている。また、第2部分311にはマフラー等の絵柄が付されている。第1部分310は恐竜200の上脚を構成し、第2部分311は恐竜200の下脚を構成する。
【0022】
第1部分310と第2部分311とは軸32を介して連結され、第2部分311は第1部分310に対して開閉可能となっている。軸32にはコイルスプリング又はトーションスプリング(図示せず)が巻回され、スプリングの一端は第1部分310に掛けられ、スプリングの他端は第2部分311に掛けられ、第2部分311は第1部分310に対して開脚する方向に付勢されている。第1部分310の内側には被係止部310aが形成され、第2部分311の内側には摺接部311aが形成されている。
【0023】
図6(A)は、オートバイク100の姿態のときの摺接部311aと摺接面11gとの係合関係を、
図6(B)は、恐竜200の姿態のときの摺接部311aと摺接面11gとの係合関係を示している。
図6(A)に示すように、オートバイク100の姿態のときには第1部分310の内面と摺接部311aとが摺接面11gに当接しており、脚部Eの回動に伴って摺接面11gに摺接する。この状態では、第1部分310の外面と第2部分311の外面とはほぼ面一となっている。そして、恐竜200の姿態となったときには、
図6(B)に示すように、摺接部311aが凹部11hに落ち込む。すなわち、摺接部311aが摺接する部分はカム面を構成している。一方、第1部分310の内面は摺接面11gに当接している。これによって、第2部分311は第1部分310に対して開脚される。
なお、恐竜200の姿態となったときには、被係止部310aは弾性爪11iに係合して、その状態が保持される。
【0024】
(3)前輪案内機構40
図7は、オートバイク100の内部構造を示している。
同図に示すように、本体中間部11の内部には、前輪入出口11dに連通する前輪収容部41が形成されている。前輪収容部41には、前輪支持部材20に連結されたスライド体42が設置されている。このスライド体42の左右側面には凸条42aが付設されている。この凸条42aは、本体中間部11の内壁に形成され且つ後方に向けて上り勾配を持つ案内溝43に係合している。そして、スライド体42ひいては前輪2は案内溝43に沿って移動可能となっている。そして、前輪2の一部が前輪収容部41に収容されたとき、つまり、恐竜200の姿態となったときには、
図8に示すように、前輪41が恐竜200の首下まで後退する。
なお、スライド体42の下側には矩形板状の連結部44が形成されている。この連結部44にはスライド体42の移動方向に直交する方向で長尺な長孔44aが形成されている。
【0025】
(4)連動機構50
図7に示すように、後輪支持部材30の軸30aには、後輪支持部材30と一体的に回動する回動体51が設けられている。この回動体51の自由端部にはピン51aが付設されており、このピン51aは上記長孔44aに挿入されている。したがって、後輪支持部材30が回動すると、回動体51も回動し、ピン51aを介してスライド体42も移動する。
【0026】
このように構成された形態変化玩具によれば次のような作用効果を奏する。
すなわち、後輪支持部材30を本体1に対して下方に回動させると。それに伴って、前輪2が本体1内に引き込まれ、前輪2が恐竜200の喉部B1を構成する。そして、後輪3は恐竜の脚部Eの脛部E1を構成する。このようにすれば、前輪2及び後輪3が目立たなくなるので、違和感がなくなることになる。
また、第2部分311が第1部分310に対して開くので、起立しやすくなる。
また、第2部分311が第1部分310に対してスプリングの付勢力によって開くようになっているので、恐竜200となった場合に安定して起立させることができる。また、スプリングがあることよって、第1部分310に対する第2部分311の開脚を妨げるように後輪3を左右方向から強く摘まんで後輪支持部材30を回動して恐竜200に変形させることもでき、回動の際の摘み加減を調整しながら回動する必要がないことから、操作性に優れるとともに、回動の際に後輪支持部材30に加わる負担が少なくなり後輪支持部材30の破損が防げることになる。
【0027】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能であることは言うまでもない。
【0028】
例えば、上記実施形態の形態変化玩具では、後輪支持部材30と前輪支持部材20とを連動機構50によって連動させるようにしたが、独立に動作させるようにしてもよい。この場合には、前輪支持部材20を各位置で位置決めするための位置決め手段(弾性爪等)を設けることが好ましい。