特開2021-167771(P2021-167771A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 丸一株式会社の特許一覧

<>
  • 特開2021167771-漏水の検査方法 図000003
  • 特開2021167771-漏水の検査方法 図000004
  • 特開2021167771-漏水の検査方法 図000005
  • 特開2021167771-漏水の検査方法 図000006
  • 特開2021167771-漏水の検査方法 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-167771(P2021-167771A)
(43)【公開日】2021年10月21日
(54)【発明の名称】漏水の検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/28 20060101AFI20210924BHJP
   G01M 3/26 20060101ALI20210924BHJP
   F17D 5/02 20060101ALI20210924BHJP
【FI】
   G01M3/28 R
   G01M3/26 M
   F17D5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-71232(P2020-71232)
(22)【出願日】2020年4月10日
(71)【出願人】
【識別番号】000157212
【氏名又は名称】丸一株式会社
(72)【発明者】
【氏名】服部 大輔
【テーマコード(参考)】
2G067
3J071
【Fターム(参考)】
2G067AA13
2G067BB04
2G067BB26
2G067BB32
2G067CC04
2G067DD02
3J071AA12
3J071CC07
3J071EE24
3J071EE37
(57)【要約】      (修正有)
【課題】配管の漏水の検査方法の作業性向上を課題とする。
【解決手段】複数階を有する建物の配管1は、複数階を上下に貫通する立て管2と、立て管2に接続され、各階に略水平に配置される横配管3と、横配管3上に設けられた、空調機器と接続するための枝管4から構成されている。点検作業階の床面近傍の立て管2は、検査機器6からの加圧空気が送り込まれるための検査機器接続部53を備えている。上記配管1の漏水の検査は、まず、点検作業階の立て管2について、床下側となる配管1の流路を閉塞するとともに、点検作業階の上階の立て管2について、床上側となる配管1の流路を閉塞する。次に、横配管3について、枝管4端部を含む横配管2の開放部分を閉塞し、検査機器接続部53に検査機器6を接続して、検査機器6の加圧空気を送り込んで立て管2内を加圧し、配管1内の空気圧の変化により、立て管2及び横配管3の漏水箇所の有無を判断する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数階を有する建物の配管の漏水を検査する検査方法であって、
建物の配管は、複数階を上下に貫通する立て管と、
立て管に接続され、各階の天面付近に略水平に配置される横配管と、
横配管上に設けられた、空調機器と接続するための枝管と、
からなり、
点検作業階の床面近傍の立て管に、検査機器からの加圧空気が送り込まれるための検査機器接続部を備え、
点検を行う立て管内の流路を閉塞し、
横配管について、枝管端部を含む横配管の開放部分を閉塞し、
検査機器接続部に検査機器を接続して、検査機器の加圧空気を送り込んで立て管内を加圧し、配管内の空気圧の変化により、立て管及び横配管の漏水箇所の有無を判断することを特徴とする、漏水の検査方法。
【請求項2】
複数階を有する建物の配管の漏水を検査する検査方法であって、
建物の配管は、複数階を上下に貫通する立て管と、
立て管に接続され、各階の天面付近略水平に配置される横配管と、
横配管上に設けられた、空調機器と接続するための枝管と、
からなり、
横配管上に、検査機器からの加圧空気が送り込まれるための検査機器接続部を設け、
横配管の枝管端部を含む横配管の開放部分、及び検査機器接続部から立て管までの間の流路を閉塞し、検査機器接続部に検査機器を接続して、検査機器の加圧空気を送り込んで横配管内を加圧し、配管内の空気圧の変化により、横配管の漏水箇所の有無を判断することを特徴とする、漏水の検査方法。
【請求項3】
前記横配管は、
立て管に最も近い枝管と、立て管との接続部との間に、管体を上下方向に配置した鉛直部を有し、当該鉛直部上に前記検査機器接続部を設けたことを特徴とする、請求項2に記載の漏水の検査方法。
【請求項4】
複数階を有する建物の配管の漏水を検査する検査方法であって、
建物の配管は、複数階を上下に貫通する立て管と、
立て管に接続され、各階の天面付近に略水平に配置される横配管と、
横配管上に設けられた、空調機器と接続するための枝管と、
からなり、
点検作業階の床面近傍の立て管に、検査機器からの加圧空気が送り込まれるための検査機器接続部を備え、
各階の横配管の内、立て管との接続部との間の流路、及び点検を行う立て管内の流路を閉塞し、検査機器接続部に検査機器を接続して、検査機器の加圧空気を送り込んで立て管内を加圧し、配管内の空気圧の変化により、立て管の漏水箇所の有無を判断することを特徴とする、漏水の検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調機器から連続する配管に取り付けられて、漏水の有無を判断する漏水の検査方法に関するものである。
【0002】
従来の漏水の検査方法として、特許文献1に記載された空気圧試験による検査方法が知られている。当該特許文献1に記載の検査方法は、多層階からなる建物に対し、所定区間毎に配管を閉塞し、コンプレッサー及び圧力測定装置を有する検査機器を用いて、検査対象となる配管内を規定以上まで昇圧させた後、配管内の空気圧の変化を測定することで行われる。この時、所定時間後において配管内の空気圧に変動が無い場合、配管の接続箇所等の気密が確保されており、配管内の漏洩が無いことが確認できる。
【0003】
上記検査方法を用いた配管に対する空気圧を用いた漏水の検査は、以下のように行われる。尚、漏水の検査を行う建物の配管は、上層と下層を繋ぎ垂直に設置される立て管と、各層に沿って配置され、立て管へと排水する横配管を備えている。又、横配管は空調機器と接続される複数の枝管が接続されている。
【0004】
まず、図5に示すように、空調機器と接続される一の枝管に対して検査機器を接続する。次に、他の枝管端部と横配管端部、及び立て管を閉塞し、コンプレッサーによって配管内に加圧空気を送り込み、配管内を昇圧させる。そして、所定時間が経過した後、配管内の圧力を計測し、当該圧力に変動が無い場合、漏洩が無いものとして検査を終了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2−212733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記立て管、横配管、枝管から成る配管の漏水の検査は、検査機器が接続される枝管が各階の高所に配置されている。そのため、点検作業階の床面上に検査機器を配置した場合、検査機器と枝管が離間していることから当該検査機器と枝管の脱着が困難であった。一方で、脚立等を用いて検査機器を枝管近傍まで運搬した状態で検査機器と枝管を脱着することもまた困難であった。
【0007】
本発明は上記問題に鑑み発明されたものであって、配管の漏水の検査方法の作業性向上を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための請求項1に記載の本発明は、複数階を有する建物の配管の漏水を検査する検査方法であって、
建物の配管は、複数階を上下に貫通する立て管と、
立て管に接続され、各階の天面付近に略水平に配置される横配管と、
横配管上に設けられた、空調機器と接続するための枝管と、
からなり、
点検作業階の床面近傍の立て管に、検査機器からの加圧空気が送り込まれるための検査機器接続部を備え、
点検を行う立て管内の流路を閉塞し、
横配管について、枝管端部を含む横配管の開放部分を閉塞し、
検査機器接続部に検査機器を接続して、検査機器の加圧空気を送り込んで立て管内を加圧し、配管内の空気圧の変化により、立て管及び横配管の漏水箇所の有無を判断することを特徴とする、漏水の検査方法である。
【0009】
請求項2に記載の本発明は、複数階を有する建物の配管の漏水を検査する検査方法であって、
建物の配管は、複数階を上下に貫通する立て管と、
立て管に接続され、各階の天面付近略水平に配置される横配管と、
横配管上に設けられた、空調機器と接続するための枝管と、
からなり、
横配管上に、検査機器からの加圧空気が送り込まれるための検査機器接続部を設け、
横配管の枝管端部を含む横配管の開放部分、及び検査機器接続部から立て管までの間の流路を閉塞し、検査機器接続部に検査機器を接続して、検査機器の加圧空気を送り込んで横配管内を加圧し、配管内の空気圧の変化により、横配管の漏水箇所の有無を判断することを特徴とする、漏水の検査方法である。
【0010】
請求項3に記載の本発明は、前記横配管は、
立て管に最も近い枝管と、立て管との接続部との間に、管体を上下方向に配置した鉛直部を有し、当該鉛直部上に前記検査機器接続部を設けたことを特徴とする、請求項2に記載の漏水の検査方法である。
【0011】
請求項4に記載の本発明は、複数階を有する建物の配管の漏水を検査する検査方法であって、
建物の配管は、複数階を上下に貫通する立て管と、
立て管に接続され、各階の天面付近に略水平に配置される横配管と、
横配管上に設けられた、空調機器と接続するための枝管と、
からなり、
点検作業階の床面近傍の立て管に、検査機器からの加圧空気が送り込まれるための検査機器接続部を備え、
各階の横配管の内、立て管との接続部との間の流路、及び点検を行う立て管内の流路を閉塞し、検査機器接続部に検査機器を接続して、検査機器の加圧空気を送り込んで立て管内を加圧し、配管内の空気圧の変化により、立て管の漏水箇所の有無を判断することを特徴とする、漏水の検査方法である。
【発明の効果】
【0012】
上記請求項1及び請求項4に記載の本発明によれば、点検作業階の床面近傍の立て管に検査機器と接続される検査機器接続部が備えられているため、点検作業階の床面上に検査機器を載置した状態で容易に漏水検査を行うことができる。
請求項2に記載の本発明によれば、検査機器と検査機器接続部との距離が近くなるため、容易に漏水検査を行うことができる。又、請求項3に記載の本発明によれば、横配管に鉛直部を設けるとともに、当該鉛直部に検査機器と接続される検査機器接続部が備えられていることから、検査機器と検査機器接続部との距離を更に近くし、容易に漏水検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第一実施形態に係る配管及び漏水の検査方法を示す構成図である。
図2】第二実施形態に係る配管及び横配管の漏水の検査方法を示す構成図である。
図3】第二実施形態に係る配管及び立て管の漏水の検査方法を示す構成図である。
図4】その他の実施形態を示す構成図である。
図5】従来の漏水の検査方法を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の漏水の検査方法について説明する。尚、以下に記載する説明は実施形態の理解を容易にするものであって、これによって本発明が制限して理解されるものではない。
【0015】
(第一実施形態)
図1は、検査機器6を用いて漏水の検査を行う配管1の構成図であって、立て管2、横配管3、枝管4、継手部材5から構成されている。又、配管1は継手部材5によって、立て管2の床面近傍に検査機器接続部53を備えている。
【0016】
立て管2は複数階を有する建物の上層と下層を貫通し、上下方向に延設された管体であり、横配管3と立て管2の接続部よりも下方であって、各階の床面付近の高さ位置に継手部材5が取り付けられている。
横配管3は各階の天面近傍において略水平に延設されるとともに、一端が上記立て管2に接続され、他端には掃除口31が形成されている。又、横配管3は立て管2に最も近い枝管4と、立て管2との接続部との間に、管体を上下方向に配置した鉛直部32を有している。当該鉛直部32は、横配管3と立て管2を接続する際の高さ位置を調整する。
枝管4は横配管3上において複数個所設けられ、各空調機器(図示せず)と接続されて、当該空調機器の使用により発生するドレン排水を横配管3へと排出する。
【0017】
継手部材5は各階の床面近傍の立て管2に接続された継手であり、点検口51、閉塞部材52、検査機器接続部53を有している。尚、点検作業階に取り付けられた継手部材5と、他階に取り付けられた継手部材5は同一の部材であり、同一の番号を付してその説明を省略する。
閉塞部材52は継手部材5内部の流路と密接する板状の部材であり、点検口51から継手部材5内に脱着可能となっている。尚、継手部材5は漏水の検査完了後に閉塞部材52を取り外すことにより、立て管2内の流路を開放することができる。
検査機器接続部53は後述する検査機器6が接続される開口であり、点検作業階の床面近傍に配置され、当該検査機器接続部53より検査機器6の加圧空気が配管1内に送り込まれる。尚、検査機器接続部53は検査機器6が接続されない場合、閉止栓によって閉塞されている。
【0018】
検査機器6は、コンプレッサーと圧力測定装置を有している。当該検査機器6はコンプレッサーによって、検査機器接続部53を介して配管1に対して加圧空気を送り込み、配管1内を昇圧させるとともに、圧力測定装置によって配管1内の圧力変動を測定する。
【0019】
以下に、上記検査機器6を用いた配管1の漏水の検査方法について説明する。尚、第一実施形態においては立て管2が先行して施工された後に、各階において横配管3が施工される。又、継手部材5は検査機器接続部53が閉塞部材52よりも上流側に位置するように取り付けられている。
【0020】
まず、横配管3他端に形成された掃除口31、及び全ての枝管4を閉塞し、横配管3の全ての開放部分を閉塞する。次に、点検作業階及び上階の継手部材5に対し、点検口51より閉塞部材52を取り付け、点検作業階の床下側となる立て管2内の流路、及び上階の継手部材5よりも床上側の立て管2内の流路を閉塞する。この時、点検作業階の横配管3、枝管4内の流路、点検作業階の継手部材5と点検作業階の上階に取り付けられた継手部材5との間の流路が密閉される。
次に、検査機器6を継手部材5の検査機器接続部53に接続し、コンプレッサーによって加圧空気を配管1内に送り込み、所定時間配管1内の空気圧の変化を圧力測定装置によって計測する。この時、配管1内の空気圧変動が計測されない場合、又は許容範囲内の減少量である場合、配管1内の流路には漏洩が無いものとして漏水検査を終了する。作業終了後は検査機器6と継手部材5の接続を解除し、検査機器接続部53を閉止栓によって閉塞するとともに、閉塞部材52を継手部材5から取り外し、流路を開放させる。尚、続いて上階の漏水検査を行う場合には、上階の継手部材5内に閉塞部材52を配置したまま、当該上階を点検作業階として、継手部材5に検査機器6を接続し、上階の漏水検査を行う。
【0021】
尚、上記漏水検査が終了した後に、各階層の天井面が、図1において二点鎖線に示す高さ位置において、横配管3と立て管2の接続部よりも下方に形成される。
【0022】
上記第一実施形態においては、点検作業階の床面近傍の立て管2に検査機器6と接続される検査機器接続部53が備えられているため、点検作業階の床面上に検査機器6を載置した状態で容易に漏水検査を行うことができる。特に、横配管3と立て管2の接続部よりも下方に継手部材5が取り付けられ、検査機器接続部53が備えられることによって、容易に漏水検査を行うことができる。
【0023】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
図2は、検査機器6を用いて漏水の検査を行う配管1の構成図であって、立て管2、横配管3、枝管4、継手部材5から構成されている。又、配管1は継手部材5によって、立て管2の床面近傍、及び横配管3の鉛直部32に検査機器接続部53を備えている。
【0024】
立て管2は複数階を有する建物の上層と下層を貫通し、上下方向に延設された管体であり、横配管3と立て管2の接続部よりも下方であって、点検作業階及び複数階下の床面付近の高さ位置に継手部材5が取り付けられている。
横配管3は各階の天面近傍において略水平に延設されるとともに、一端が上記立て管2に接続され、他端には掃除口31が形成されている。又、横配管3は立て管2に最も近い枝管4と、立て管2との接続部との間に、管体を上下方向に配置した鉛直部32を有している。当該鉛直部32は、横配管3と立て管2を接続する際の高さ位置を調整する。尚、本実施形態においては、鉛直部32に継手部材5が取り付けられている。
枝管4は横配管3上において複数個所設けられ、各空調機器(図示せず)と接続されて、当該空調機器の使用により発生するドレン排水を横配管3へと排出する。
【0025】
継手部材5は立て管2及び横配管3の鉛直部32に接続された継手であり、点検口51、閉塞部材52、検査機器接続部53を有している。尚、立て管2及び横配管3に取り付けられた各継手部材5は同一の部材であり、同一の番号を付してその説明を省略する。
閉塞部材52は継手部材5内部の流路と密接する板状の部材であり、点検口51から継手部材5内に脱着可能となっている。尚、継手部材5は漏水の検査完了後に閉塞部材52を取り外すことにより、立て管2内の流路を開放することができる。
検査機器接続部53は後述する検査機器6が接続される開口であり、当該検査機器接続部53より検査機器6の加圧空気が配管1内に送り込まれる。尚、検査機器接続部53は検査機器6が接続されない場合、閉止栓によって閉塞されている。
【0026】
検査機器6は、コンプレッサーと圧力測定装置を有している。当該検査機器6はコンプレッサーによって、検査機器接続部53を介して配管1に対して加圧空気を送り込み、配管1内を昇圧させるとともに、圧力測定装置によって配管1内の圧力変動を測定する。
【0027】
以下に、上記検査機器6を用いた配管1の漏水の検査方法について説明する。尚、第二実施形態においては各階において横配管3が先行して施工された後に、立て管2が施工される。そのため、漏水の検査も横配管3の検査を行った後、立て管2の検査を行う。又、鉛直部32に取り付けられた継手部材5は検査機器接続部53が閉塞部材52よりも上流側に位置するように取り付けられている。一方、立て管2に取り付けられた継手部材5は検査機器接続部53が閉塞部材52よりも下流側に位置するように取り付けられている。
【0028】
最初に、横配管3の漏水の検査方法について説明する。
まず、横配管3他端に形成された掃除口31、及び全ての枝管4を閉塞し、横配管3の全ての開放部分を閉塞する。次に、横配管3の鉛直部32に取り付けられた継手部材5に対し、点検口51より閉塞部材52を取り付け、検査機器接続部53から立て管2までの間の流路を閉塞する。この時、点検作業階の横配管3、枝管4内の流路が密閉される。
次に、検査機器6を継手部材5の検査機器接続部53に接続し、コンプレッサーによって加圧空気を配管1に送り込み、所定時間配管1内の空気圧の変化を圧力測定装置によって計測する。この時、配管1内の空気圧変動が計測されない場合、又は許容範囲内の減少量である場合、配管1内の流路には漏洩が無いものとして横配管3の漏水検査を終了する。作業終了後は検査機器6と継手部材5の接続を解除し、検査機器接続部53を閉止栓によって閉塞する。そして、継手部材5内に閉塞部材52を配置したまま、同様の手順で他階の横配管3の漏水検査を行う。
【0029】
次に、立て管2の漏水の検査方法について、図3を用いて説明する。
まず、上記工程によって漏水の検査が完了した各階の横配管3の内、上階側及び下階側の立て管2に取り付けられた継手部材5に対し、点検口51より閉塞部材52を取り付ける。この時、各継手部材5間における立て管2の流路が密閉される。
次に、検査機器6を上階側に配置された継手部材5の検査機器接続部53に接続し、上記横配管3の漏水の検査と同様に、コンプレッサーによって加圧空気を配管1に送り込み、所定時間配管1内の空気圧の変化を圧力測定装置によって計測する。この時、各階の鉛直部32に取り付けられた継手部材5には閉塞部材52が取り付けられたままの状態となっているため、送り込まれた加圧空気は立て管5内にのみ充填される。作業終了後は検査機器6と継手部材5の接続を解除し、検査機器接続部53を閉止栓によって閉塞するとともに、各継手部材5から閉塞部材52を取り外し、流路を開放させる。尚、続いて更に上階の漏水検査を行う場合には、立て管2の上階側に取り付けられた継手部材5のみ閉塞部材52を配置したまま、更に上階の検査を行う。
【0030】
尚、上記漏水検査が終了した後に、各階層の天井面が、図2において二点鎖線に示す高さ位置において横配管3と立て管2の接続部よりも下方に形成される。
【0031】
上記第二実施形態においては、横配管3に鉛直部32を設けるとともに、当該鉛直部32に検査機器6と接続される検査機器接続部53が備えられていることから、検査機器6と検査機器接続部53との距離が近くなるため、容易に漏水検査を行うことができる。
又、立て管2の漏水の検査を行う場合においては、点検作業階の床面近傍の立て管2に検査機器6と接続される検査機器接続部53が備えられているため、点検作業階の床上に検査機器6を載置した状態で容易に漏水検査を行うことができる。特に、横配管3と立て管2の接続部よりも下方に継手部材5が取り付けられ、検査機器接続部53が備えられることによって、容易に漏水検査を行うことができる。
又、第二実施形態においては、下階から順に横配管3内の漏水の検査を行った後、上階からまとめて下階の立て管2内の漏水の検査を行うことが可能となる。従って、一度上階まで移動させた検査機器6を下階まで再び移動させることなく立て管2内の漏水の検査を行うことができるため、検査機器6の移動を最小限に抑えることができる。
【0032】
本発明の実施形態は以上であるが、本発明の漏水の検査方法は上記各実施形態において説明した方法に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の設計変更を加えても良い。
【0033】
例えば、上記第一実施形態において、継手部材5は点検作業階及び当該点検作業階の一つ上階の床面近傍の立て管2に取り付けられていたが、点検作業階の二つ以上の上階の床面近傍の立て管2に取り付けられ、複数階をまとめて検査しても良い。
【0034】
又、上記第二実施形態において、継手部材5は横配管3の鉛直部32に検査機器接続部53が備えられていたが、図4に示すように、横配管3の略水平方向に延設された部分に配置されても良い。
又、上記第二実施形態においては、立て管2及び横配管3の施工が全て完了した状態で漏水の試験を行ったが、横配管3が先行して施工される場合、立て管2の施工が行われる前に複数の横配管3内の漏水の検査を行い、立て管2を施工した後に横配管3との接続箇所を含む立て管2の漏水の検査を行っても良い。
又、第二実施形態において、立て管2に取り付けられた継手部材5は検査機器接続部53が閉塞部材52よりも下方に位置するように取り付けられていたが、検査機器接続部53が閉塞部材52よりも上方に位置するように取り付けられても良い。この場合、立て管2の下方側に取り付けられた継手部材5が配置された階層を点検作業階とし、下方側の継手部材5より上階へ向けて加圧空気を送り込んで漏水の検査を行っても良い。
【符号の説明】
【0035】
1 配管
2 立て管
3 横配管
31 掃除口
32 鉛直部
4 枝管
5 継手部材
51 点検口
52 閉塞部材
53 検査機器接続部
6 検査機器
図1
図2
図3
図4
図5