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特開2021-168136暗号複数証券資産作成および償還プラットフォーム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-168136(P2021-168136A)
(43)【公開日】2021年10月21日
(54)【発明の名称】暗号複数証券資産作成および償還プラットフォーム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/38 20120101AFI20210924BHJP
【FI】
   G06Q20/38 310
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2021-82067(P2021-82067)
(22)【出願日】2021年5月14日
(62)【分割の表示】特願2018-534161(P2018-534161)の分割
【原出願日】2016年12月30日
(31)【優先権主張番号】62/273,848
(32)【優先日】2015年12月31日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/141,582
(32)【優先日】2016年4月28日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】521151175
【氏名又は名称】ティーゼロ・アイピー,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【弁理士】
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】ウィルキンズ,アレック
(72)【発明者】
【氏名】クリステンセン,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ウェルボーン,ジョン・ウェスリー
(72)【発明者】
【氏名】タバコ,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ニッケル,グレン
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA71
(57)【要約】      (修正有)
【課題】分散型台帳を使用してファンドのシェアの構成を記録する資産取引システム、システム、方法及び非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体を提供する。
【解決手段】資産取引システムは、分散型台帳を使用し、複数の異なる資産を有するファンドの少なくとも1つのシェアを表すデジタルファンドトークンを作成するための作成要求を受信し、第1の宛先アカウントに関連付けられた秘密鍵で電子的に署名し、ファンドの少なくとも1つのシェアの構成を示すとき、ファンドの少なくとも1つのシェアによって表される複数の異なる資産をエスクローアカウントに入れ、デジタルファンドトークンを作成する。デジタルファンドトークンは、ファンドのシェアの構成を示す。システムはさらに、デジタルファンドトークンの作成を分散型台帳に記録する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
命令を記憶した少なくとも1つのコンピュータ可読ストレージ媒体であって、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記システムに、
異なる資産の各々の量を表すデジタルトークンを作成するため作成要求を受信させ、前記作成要求は第1のアカウントに関連付けられた鍵で電子的に署名されており、
前記作成要求の受信に応答して、
前記異なる資産の各々の量をエスクローアカウントに入れさせ、
前記異なる資産の前記各々の量に基づいて前記デジタルトークンを作成させ、さらに、
前記デジタルトークンの作成を分散型台帳に記録させる
命令を記憶したコンピュータ可読ストレージ媒体と
を備える資産取引システム。
【請求項2】
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記システムにさらに、
前記作成要求を受信することに応答し、また前記デジタルトークンを作成する前に、
前記異なる資産の前記各々の量が前記第1のアカウントに関連付けられていることの確認を前記分散型台帳から受信させる請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記少なくとも1つのプロセッサにさらに、
前記作成要求を受信することに応答し、また前記デジタルトークンを作成する前に、
前記異なる資産の前記各々の量を表す対応するデジタルトークンの各々の量を作成させ、
前記対応するデジタルトークンの前記各々の量の作成を前記分散型台帳に記録させ、
前記作成要求を受信することに応答して、また前記デジタルトークンの作成の一部として、
前記対応するデジタルトークンの前記各々の量を前記エスクローアカウントに入れさせ、
前記対応するデジタルトークンの前記各々の量を前記エスクローアカウントへ入れたことを前記分散型台帳に記録させる請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記システムにさらに、
前記異なる資産の前記各々の量を表す前記デジタルトークンを償還するため、償還要求を受信させ、前記償還要求は前記第1のアカウントに関連付けられた前記鍵で電子的に署名されており、
前記償還要求を受信することに応答して
前記異なる資産の前記各々の量を前記エスクローアカウントからリリースさせ、
前記デジタルトークンを破棄させ、
前記デジタルトークンの破棄を前記分散型台帳に記録させる請求項1から3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記システムにさらに、
前記償還要求の受信に応答し、また前記デジタルトークンを破棄する前に、
前記異なる資産の前記各々の量を表す対応するデジタルトークンの各々の量を前記エスクローアカウントから除去させ、
前記対応するデジタルトークンの前記各々の量の前記エスクローアカウントからの除去を前記分散型台帳に記録させる請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記システムにさらに、
前記デジタルトークンを転送するため、転送要求を受信させ、前記転送要求は前記第1のアカウントに関連付けられた前記鍵で電子的に署名されており、
前記転送要求を受信することに応答して、
前記デジタルトークンを前記第1のアカウントから第2のアカウントに転送させ、
前記デジタルトークンの転送を前記分散型台帳に記録させる請求項1から5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記異なる資産はデジタルトークンまたは暗号通貨のうち少なくとも1つを含む請求項1から6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
方法であって、
異なる資産の各々の量を表すデジタルトークンを作成するため、作成要求を受信するステップであって、前記作成要求は第1のアカウントに関連付けられた鍵で電子的に署名されている、受信するステップと、
前記作成要求を受信することに応答して、
前記異なる資産の前記各々の量をエスクローアカウントに入れるステップと、
前記異なる資産の前記各々の量に基づいて前記デジタルトークンを作成するステップと、
前記デジタルトークンの作成を分散型台帳に記録するステップと
を備える方法。
【請求項9】
前記作成要求を受信することに応答し、また、前記デジタルトークンを作成する前に、
前記異なる資産の前記各々の量が前記第1のアカウントに関連付けられていることの確認を前記分散型台帳から受信するステップをさらに備える請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記作成要求の受信に応答し、また前記デジタルトークンを作成する前に、
前記異なる資産の前記各々の量を表す対応するデジタルトークンのそれぞれの量を作成するステップと、
前記対応するデジタルトークンの各々の量の作成を前記分散型台帳に記録するステップと、
前記作成要求を受信することに応答して、また前記デジタルトークンを作成するステップの一部として、
前記対応するデジタルトークンの前記各々の量を前記エスクローアカウントに入れるステップと、
前記対応するデジタルトークンの前記各々の量を前記エスクローアカウントへ入れたことを前記分散型台帳に記録するステップと
をさらに備える請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記異なる資産の前記各々の量を表す前記デジタルトークンを償還するため償還要求を受信するステップであって、前記償還要求は、前記第1のアカウントに関連付けられた前記鍵で電子的に署名される、償還要求を受信するステップと、
前記償還要求を受信することに応答して、
前記異なる資産の前記各々の量を前記エスクローアカウントからリリースするステップと、
前記デジタルトークンを破棄するステップと、
前記デジタルトークンの破棄を前記分散型台帳に記録するステップと
をさらに備える請求項8から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記償還要求を受信することに応答し、また前記デジタルトークンを破棄する前に、
前記異なる資産の前記各々の量を表す対応するデジタルトークンのそれぞれの量を前記エスクローアカウントから除去するステップと、
前記対応するデジタルトークンの前記各々の量の前記エスクローアカウントからの除去を前記分散型台帳に記録するステップと
をさらに備える請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記デジタルトークンを転送するため、転送要求を受信するステップであって、前記転送要求は前記第1のアカウントに関連付けられた前記鍵で電子的に署名される、転送要求を受信するステップと、
前記転送要求を受信するステップに応答して
前記デジタルトークンを前記第1のアカウントから第2のアカウントに転送するステップと、
前記デジタルトークンの転送を前記分散型台帳に記録するステップと
をさらに備える請求項8から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記異なる資産は、トークンまたは暗号通貨のうち少なくとも1つを含む請求項8から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体であって、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、マシンに、
異なる資産の各々の量を表すデジタルトークンを作成するため、作成要求を受信させ、前記作成要求は第1のアカウントに関連付けられた鍵で電子的に署名されており、
前記作成要求の受信に応答して、
前記異なる資産の前記各々の量をエスクローアカウントに入れさせ、
前記異なる資産の前記各々の量に基づいて前記デジタルトークンを作成させ、さらに、
前記デジタルトークンの作成を分散型台帳に記録させる
命令を含む非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項16】
前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、前記マシンにさらに、
前記作成要求の受信に応答して、また前記デジタルトークンを作成する前に、
前記異なる資産の前記各々の量が前記第1のアカウントに関連付けられていることの確認を前記分散型台帳から受信させる請求項15に記載の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項17】
前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、前記マシンにさらに、
前記作成要求の受信に応答して、前記デジタルトークンを作成する前に、
前記異なる資産の前記各々の量を表す対応するデジタルトークンの各々の量を作成させ、
前記対応するデジタルトークンの前記各々の量の作成を前記分散型台帳に記録させ、
前記作成要求の受信に応答し、また前記デジタルトークンの作成の一部として、
前記対応するデジタルトークンの前記各々の量を前記エスクローアカウントに入れさせ、
前記対応するデジタルトークンの前記各々の量を前記エスクローアカウントへ入れたことを前記分散型台帳に記録させる請求項15または16に記載の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項18】
前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、前記マシンにさらに、
前記異なる資産の前記各々の量を表す前記デジタルトークンを償還するため、償還要求を受信させ、前記償還要求は、前記第1のアカウントに関連付けられた前記鍵で電子的に署名されており、
前記償還要求の受信に応答して、
前記異なる資産の前記各々の量を前記エスクローアカウントからリリースさせ、
前記デジタルトークンを破棄させ、
前記デジタルトークンの破棄を前記分散型台帳に記録させる
請求項15から17のいずれか1項に記載の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項19】
前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、前記マシンにさらに、
前記償還要求の受信に応答して、また前記デジタルトークンを破棄する前に、
前記異なる資産の前記各々の量を表す対応するデジタルトークンの各々の量を前記エスクローアカウントから除去させ、
前記対応するデジタルトークンの前記各々の量の前記エスクローアカウントからの除去を前記分散型台帳に記録させる請求項18に記載の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項20】
前記異なる資産は、トークンまたは暗号通貨のうち少なくとも1つを含む請求項15から19のいずれか1項に記載の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、本明細書において参照により組み入れられる、「CRYPTO ETF CREATION AND REDEMPTION PLATFORM」と題する2015年12月31日に出願した米国仮特許出願第62/273、848号明細書の利益を主張するものである。
【0002】
[0002]本出願はまた、2015年5月1日に出願した「DIGITALLY ENCRYPTED CUSTODIAL REGISTRY FOR SECURITIES LENDING、 BORROWING AND TRADING USING A DISTRIBUTED LEDGER」と題する米国特許仮出願第62/156、027号明細書、および2015年10月27日に出願した「DIGITALLY ENCRYPTED CUSTODIAL REGISTRY FOR SECURITIES LENDING、BORROWING AND TRADING USING A DISTRIBUTED LEDGER」と題する米国特許仮出願第62/246、713号明細書の利益を主張する、2016年4月28日に出願した「DIGITALLY ENCRYPTED SECURITIES PLATFORM、ALONG WITH METHODS AND SYSTEMS FOR THE SAME」と題する米国特許出願第15/141、582号明細書の一部継続出願であり、これらの出願はすべて本明細書において参照により組み入れられる。
【0003】
[0003]本発明の開示のさまざまな実施形態は、一般に取引に関する。より詳細には、本発明の開示のさまざまな実施形態は、分散および暗号(「crypto」)技法を使用する、上場投資信託(「ETF」)、ミューチュアルファンド、インデックスファンド、オープンエンドファンド、クローズドエンドファンド、高利回りファンド、社債ファンド、地方債ファンド、国債ファンド、公債ファンド、金融市場ファンド、バランスファンド、エクイティファンド、確定利付ファンド、グローバルファンド、国際ファンド、スペシャルティファンド、インデックスファンド、商品ファンド、通貨ファンド、および/または不動産ファンドを、非限定的に含むさまざまなタイプのファンドなど、複数の証券資産を作成、償還、および取引するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0004】
[0004]世界中で近年増大している(ビットコインなど)暗号通貨の採用は、既存の取引システムに課題をもたらす。たとえば、市場データおよび所有権データが異なるように記憶される。加えて、既存の取引システムは、暗号通貨を取引する取引システムとは互換性のない取引前通信および実行のプロトコルを使用する。
【0005】
[0005]本発明の開示は、以下の説明から当業者には明らかとなるように、既存の取引システムの上記およびその他の制約を克服し、その他の利点をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0006]分散型台帳を使用し、複数の異なる資産を有するファンドの少なくとも1つのシェアを表すデジタルファンドトークンを作成するための作成要求が、(i)受信され、(
ii)第1の宛先アカウントに関連付けられた秘密鍵で電子的に署名され、(iii)ファンドの少なくとも1つのシェアの構成を示すとき、ファンドの少なくとも1つのシェアによって表される複数の異なる資産をエスクローアカウントに入れ、デジタルファンドトークンを作成するように構成され、デジタルファンドトークンはファンドのシェアの構成を示し、さらに、デジタルファンドトークンの作成を分散型台帳に記録するように構成された資産取引システム。
【0008】
[0007]本発明の開示の実施形態は、添付の図面を用いて記述され説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】[0008]本開示のさまざまな実施形態によるネットワークベースの操作環境の例を示す図である。
図2】[0009]本開示のさまざまな実施形態による暗号ファンド作成および償還プラットフォームのコンポーネントのセットを示す図である。
図3】[0010]本開示のさまざまな実施形態による暗号ファンドシェアを直接作成するプロセスを示す図である。
図4】[0011]本発明の開示の1つまたは複数の実施形態による暗号ファンドシェアを直接作成するプロセスを示す流れ図である。
図5】[0012]本開示のさまざまな実施形態による暗号ファンドシェアを直接償還するプロセスを示す図である。
図6】[0013]本発明の開示の1つまたは複数の実施形態による暗号ファンドシェアを直接償還するプロセスを示す流れ図である。
図7】[0014]本開示のさまざまな実施形態による暗号ファンドシェアを間接的に作成するプロセスを示す図である。
図8】[0015]本発明の開示の1つまたは複数の実施形態による暗号ファンドシェアを間接的に作成するプロセスを示す流れ図である。
図9】[0016]本開示のさまざまな実施形態による暗号ファンドシェアを間接的に償還するプロセスを示す図である。
図10】[0017]本発明の開示の1つまたは複数の実施形態による暗号ファンドシェアを間接的に償還するプロセスを示す流れ図である。
図11】[0018]本発明の開示の1つまたは複数の実施形態による暗号ファンドシェアを作成するプロセスを示す流れ図である。
図12】[0019]本発明の開示の1つまたは複数の実施形態による暗号ファンドシェアを償還するプロセスを示す流れ図である。
図13】[0020]本発明の開示の一部の実施形態が使用されうるコンピュータシステムの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0021]本発明の開示のさまざまな実施形態は、概して取引に関する。さらに詳細には、本発明の開示のさまざまな実施形態は、分散および暗号技法、および特に、暗号ファンド作成および償還プラットフォームを使用する、上場投資信託(「ETF」)、ミューチュアルファンド、インデックスファンド、オープンエンドファンド、クローズドエンドファンド、高利回りファンド、社債ファンド、地方債ファンド、国債ファンド、公債ファンド、金融市場ファンド、バランスファンド、エクイティファンド、確定利付ファンド、グローバルファンド、国際ファンド、スペシャルティファンド、インデックスファンド、商品ファンド、通貨ファンド、および/または不動産ファンドを、非限定的に含むさまざまなタイプのファンドなど、複数の証券資産を作成、償還、および取引するためのシステムおよび方法に関する。
【0011】
[0022]ミューチュアルファンドは、複数の発明者からの資金をプールして証券またはその他の資産のグループを購入する、専門的に管理された投資ファンドである。インデックスファンドは、(S&P500株価指数またはダウ工業株30種平均など主要インデックスを追跡することによってなど)特定の事前設定済みのルールに従うようにして、ファンドが証券および/または資産の特定のグループを追跡できるように設計されたミューチュアルファンドである。ETFは、インデックス、商品、公社債、またはミューチュアルファンドもしくはインデックスファンドなど資産のグループを追跡する市場性のある証券である。ETFは、プライマリおよびセカンダリという2つのレベルの取引アクティビティを有する。プライマリ市場において、ETF指定プロバイダは、ETFシェアと引き換えに現物証券の公開済みグループおよび公開済みキャッシュコンポーネントを交換する。これらのグループは、概して、非常に大きく、1つの作成または償還単位は、固定された数のETFシェアと等しい。比率は、製品によって異なるが、通常は単位あたり50、000ETFシェアであり、ファンドマネージャは、作成単位と称される(50、000シェアなど)大型ブロックの(ブローカディーラなど)機関投資家にシェアを発行するか、または機関投資家からシェアを償還することができる。作成単位トランザクションは、現物証券および/またはETFのベンチマークインデックスに含まれる証券の、実質的なレプリケーション、つまり表現を構成するキャッシュの指定されたポートフォリオの預入れまたは引渡しと引き換えに実施されてもよい。通常、ETFの個々のシェアは、市場価格でブローカディーラを通じて国法証券取引所、電子クロッシングネットワーク、またはその他の代替の取引システムにおいてのみ、購入および売却されてもよい。多くの機関および個人クライアントは、セカンダリ市場においてETFシェアを取引する。例示的な実施形態において、ETFシェア作成および償還は、(1)ETFシェアの現物作成、および(2)ETFシェアのキャッシュ作成、という2つの方式において生じうる。ETFシェアの現物作成の例示的な実施形態において、証券のバスケット/グループは、ETFシェアのブロック(「作成単位」)に対して交換され、ETFシェアを作成/償還できる機能は常に、有望な特性として歓迎される。ETFシェアのキャッシュ作成の例示的な実施形態において、マーケットメーカ(MM)または指定プロバイダ(AP)は、オリジネータへの引渡しについて特定のETFコンポーネントを取引することはできず、キャッシュ等価物がオリジネータに対して代用される。すべてのETFがキャッシュ作成を許可するわけではない。
【0012】
[0023]ETF、ミューチュアルファンド、インデックスファンド、その他のファンドおよび/またはその他の複数の証券資産は、個々の証券で構成されるという点において独特である。現在のシステムは、暗号取引システムにおけるETF、ミューチュアルファンド、インデックスファンド、その他のファンドおよび/またはその他の複数証券シェアの作成または償還に対処していない。(ETF、ミューチュアルファンド、インデックスファンドなど)これらのファンドおよび/またはその他の複数証券シェアのいずれも、本明細書において説明される暗号取引システムを使用して作成および償還されうることが理解されよう。
【0013】
[0024]本発明の開示の実施形態は、暗号ファンド作成および償還プラットフォームを用いたファンド作成および償還のための方法およびシステムを提供する。暗号ファンド作成および償還プラットフォームは、(ブロックチェーンなど)分散型台帳/暗号台帳を使用して、(1)暗号ファンドシェア(本明細書において「デジタルファンドトークン」と称される)を作成するために使用される証券のデジタル表現(本明細書において「デジタルトークン」と称される)、および(2)(本明細書において「デジタルファンドトークン」と称される)ファンドおよび/またはその他の複数証券シェアのデジタル表現自体、の所有権および可用性を文書化し、検証する。デジタルトークンおよびデジタルファンドトークンは、宛先アカウントまたはウォレットと称されるさまざまなデジタルアカウントに関連付けられる。分散型台帳は、1つのデジタルアカウントから別のデジタルアカウントへの、デジタルトークンおよびデジタルファンドトークンの所有権の変更を記録する。
【0014】
[0025]デジタルファンドトークンが作成され償還されうる方法には、(1)エスクロー型アカウントに記憶された複数の原証券および/またはその他の資産に基づいてデジタルファンドトークンを直接作成および償還すること、および(2)個々の証券のデジタルトークンに基づいてデジタルファンドトークンを作成する前に、個々の証券および/またはその他の資産をデジタルトークン化することにより、デジタルファンドトークンを間接的に作成および償還することを含むさまざまな方法があるが、これらに限定されることはない。例示的な実施形態の第1のタイプにおいて、デジタルファンドトークンは、エスクロー型アカウントに記憶された原証券に基づいて直接作成される。例示的な実施形態のこれらの第2のタイプにおいて、デジタルファンドトークンは、エスクロー型アカウントに記憶された原証券に対して直接償還されてもよい。例示的な実施形態の第2のタイプにおいて、個々の証券および/またはその他の資産のデジタルトークンは、最初にエスクロー型アカウントに記憶された証券について作成され、次いで、個々の証券のデジタルトークンに基づいてデジタルファンドトークンが作成される。例示的な実施形態のこれらの第2のタイプにおいて、デジタルファンドトークンは、個々の証券のデジタルトークンについて最初に償還されるが、次いで個々の証券のデジタルトークンは、個々の原証券について償還される。
【0015】
[0026]例示的な実施形態において、キャッシュ作成は、現物作成が困難である場合に必要になることがある。現物作成および償還を難航させる摩擦が生じる可能性もある。プライマリ市場の流動性は、証券のバスケット/グループにおいてトランザクションできる指定プロバイダ(AP)の能力に依存する。特定の場合において、構成する証券が海外所有権を制限される場合、または通貨取引税が多額となる場合に、非USベンチマークインデックスを追跡するETFのように、これは困難であるかまたはほぼ不可能である。ETFシェアのキャッシュ作成は、回避策である。加えて、レバレッジが総利回りスワップの使用を通じて取得されるレバレッジドETFの場合、ファンド所有は店頭市場金融派生商品の契約であるので、キャッシュ作成が唯一の選択肢である。残念ながら、ETFシェアのキャッシュ作成は、市場がクローズする前に大量のキャッシュ作成オーダーが許可されて、ETFシェアと原株との間の純資産価値(NAV)のかなり大きな差を生じることになる、というような深刻な技術的問題に至ることもある。対象指標の取引が取引日の終わりに一時停止され、市場が若干量上昇する場合など、ファンドが相当量のキャッシュを含むとき、ファンドが原株の価格で含んでいたものとほぼ等価のものをキャッシュで含んでおり、株価が取引で価格がにわかに上昇してもキャッシュ自体が増大しなかった場合などには、ファンドの増大ははるかに少ない量となりうる。
【0016】
[0027]これらの状況のいずれにおいても、ETFデジタルトークンは、以下の技術的解決策を提供する。第1に、コンポーネント資産の1つまたは複数に一部の非流動性を経験するが、キャッシュ作成は許容しないETFの場合、デジタルトークンは、欠落しているコンポーネントに代用されてもよく、デジタルトークンはエスクロー(または一部のその他の分離された形態)で保持されるコンポーネントシェアを表す。非流動性は、海外市場がクローズされている、一時的な取引の停止、所有権の制限など、多数の要因により引き起こされる可能性がある。第2に、キャッシュ作成を許容するが、原コンポーネント株式の取引が一時停止されているETFの場合、デジタルトークンは、個々のコンポーネントシェアの一部または全部を表すことができ、純資産価値(NAV)の膨大な差を回避するようにセカンダリ市場で取引できるようにする。
【0017】
[0028]したがって、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、(1)流動性、透明性、効率性、および責任能力を高めさせ、(2)ETFの一般投資家の投資家リスクを低減し、(3)ETFの流動性の問題に起因する市場/システム的なリスクを低減することによって、ETFに関連する問題に対処する。加えて、本明細書において説明され
るシステムおよび方法は、ファンドまたはその他の複数の証券資産のトランザクションを追跡するために分散型台帳およびデジタルファンドトークンを使用することにより二重支払いおよび長い決済トランザクション時間など、概してファンドおよびその他の複数証券資産に関連する問題に対処する。
【0018】
[0029]前述のように、例示的な実施形態において、デジタルファンドトークンは、(個々の証券および/またはその他の資産の中間デジタルトークンを使用することなく)直接作成され償還される。これらの実施形態において、暗号ファンドシェアを作成するため、手形交換組合銀行、ファンドマネージャ、またはその他の権威ある機関は、非デジタル証券の所有者に代わってデジタルファンドトークンを作成し、デジタルファンドトークンをファンドマネージャのデジタルアカウント(たとえば「マネージャウォレット」)に関連付けることができる。例示的な実施形態において、ファンドマネージャは、複数の証券および/またはその他の資産を含む少なくとも1つのファンドを管理している。例示的な実施形態において、ファンドを構成する原証券および/またはその他の資産は、作成されたデジタルファンドトークンが実際の原証券および/または資産によってサポートされることを保証する担保として以外のいかなる目的にも使用され得ないような方法で、最初に取得され、エスクロー型アカウントに分離される。ファンドを構成する証券および/またはその他の資産がエスクロー型アカウントに分離されると、次いでファンドマネージャは、特定のファンドに対して1つまたは複数のデジタルファンドトークンの作成を呼び出すことができる。例示的な実施形態において、単一のデジタルファンドトークンは、エスクロー型アカウントのデジタルファンドトークンを表す、および/またはその担保である複数の原証券および/またはその他の資産を表す。例示的な実施形態において、次いで、1つまたは複数のデジタルファンドトークンが作成され、それらの作成は、分散型台帳に記録される。
【0019】
[0030]デジタルファンドトークンが(個々の証券および/またはその他の資産の中間デジタルトークンを使用することなく)作成され直接償還されるこれらの実施形態において、暗号ファンドシェアを償還するため、手形交換組合銀行、ファンドマネージャ、またはその他の権威ある機関は、非デジタル証券の所有者に代わって少なくとも1つのデジタルファンドトークンを償還して、デジタルファンドトークンを破棄することができる。例示的な実施形態において、手形交換組合銀行、ファンドマネージャ、またはその他の権威ある機関は、少なくとも1つのデジタルファンドトークンを償還するための投資者からの要求を受信し、少なくとも1つのデジタルファンドトークンに対応する実際の証券および/またはその他の資産の一部をエスクロー型アカウントから所有者のアカウントに転送することによって応答し、償還された少なくとも1つのデジタルファンドトークンを破棄する。例示的な実施形態において、1つまたは複数のデジタルファンドトークンの償還および/または破棄は、分散型台帳に記録される。
【0020】
[0031]前述のように、例示的な実施形態において、デジタルファンドトークンは、(個々の証券および/またはその他の資産の中間デジタルトークンを使用して)間接的に作成され償還される。これらの実施形態において、暗号ファンドシェアを作成するために、手形交換組合銀行、ファンドマネージャ、またはその他の権威ある機関は、複数の個々の証券および/またはその他の資産のデジタルトークンを最初に作成し、次いで複数の個々の証券および/またはその他の資産のデジタルトークンからデジタルファンドトークンを作成することによって、非デジタル証券の所有者に代わってデジタルファンドトークンを生成し、デジタルファンドトークンをファンドマネージャのデジタルアカウント(たとえば「マネージャウォレット」)に関連付けることができる。例示的な実施形態において、ファンドマネージャは、複数の証券および/またはその他の資産を含む少なくとも1つのファンドを管理している。
【0021】
例示的な実施形態において、ファンドを構成する原証券および/またはその他の資産は、作成されたデジタルトークンおよびデジタルファンドトークンが実際の原証券および/または資産によってサポートされることを保証する担保として以外のいかなる目的にも使用され得ないような方法で、最初に取得され、証券/その他の資産ベースでエスクロー型アカウントに分離される。ファンドを構成する証券および/またはその他の資産がエスクロー型アカウントに分離されると、次いでファンドマネージャは、特定のファンドに対して1つまたは複数のデジタルファンドトークンの作成を呼び出すことができる。例示的な実施形態において、複数の異なる証券および/またはその他の資産を表す複数のデジタルトークンが作成され、それらの作成は、分散型台帳に記録される。例示的な実施形態において、少なくとも1つのデジタルファンドトークンは、複数のデジタルトークンに基づいて生成され、デジタルトークンは、エスクロー型アカウントに入れられる。その他の実施形態において、少なくとも1つのデジタルファンドトークンが複数のデジタルトークンに基づいて生成される場合、デジタルトークンは破棄される。例示的な実施形態において、デジタルファンドトークンは、複数のデジタルトークンを表し、ここで原証券またはその他の資産は、エスクロー型アカウントの複数のデジタルトークンの各々を表す、および/またはその担保である。例示的な実施形態において、1つまたは複数のデジタルファンドトークンの作成は、分散型台帳に記録される。
【0022】
[0032]デジタルファンドトークンが(個々の証券および/またはその他の資産の中間デジタルトークンを使用して)作成され間接的に償還されるこれらの実施形態において、暗号ファンドシェアを償還するため、手形交換組合銀行、ファンドマネージャ、またはその他の権威ある機関は、非デジタル証券の所有者に代わって少なくとも1つのデジタルファンドトークンを償還して、デジタルファンドトークンを破棄することができる。例示的な実施形態において、手形交換組合銀行、ファンドマネージャ、またはその他の権威ある機関は、少なくとも1つのデジタルファンドトークンを償還するための投資者からの要求を受信し、少なくとも1つのデジタルファンドトークンによって表されるデジタルトークンをエスクロー型アカウントから移動して、少なくとも1つのデジタルファンドトークンを破棄することによって応答する。少なくとも1つのデジタルファンドトークンによって表されるデジタルトークンが以前破棄されたその他の実施形態においては、少なくとも1つのデジタルファンドトークンによって表される新しいデジタルトークンが作成され、少なくとも1つのデジタルファンドトークンは破棄される。償還されたデジタルファンドトークンを表したデジタルトークンに対応する実際の証券および/またはその他の資産は、次いで、エスクロー型アカウントから所有者のアカウントに転送され、償還された少なくとも1つのデジタルファンドトークンおよび償還される少なくとも1つのデジタルファンドトークンを表したデジタルトークンは、以前行なわれなかった場合には破棄される。例示的な実施形態において、1つまたは複数のデジタルファンドトークンおよび/またはデジタルファンドトークンによって表されるデジタルトークンの償還および/または破棄は、分散型台帳に記録される。
【0023】
[0033]ファンドマネージャは、デジタルトークンを作成ウォレットに転送するトランザクションを作成することができ、ここで新しいファンドシェアがデジタルトークンから作成される。トランザクションは、(証券Aの50シェア、証券Bの100シェア、証券Cの40シェアなど)ファンドシェアを作成するために使用される各証券の数量およびタイプを指定することができる。デジタルトークンが作成ウォレットに関連付けられると、暗号ファンド作成および償還プラットフォームは、1つまたは複数の新しいデジタルファンドトークンを生成することができる。
【0024】
[0034]各デジタルファンドトークンは、(ETF、ミューチュアルファンド、インデックスファンドなど)ファンドの証券の指定されたタイプおよび数量を備える。デジタルファンドトークンの作成は、分散型台帳に記録される。暗号ファンド作成および償還プラッ
トフォームは、新しく作成されたデジタルファンドトークンをマネージャウォレットに転送するようにトランザクションを作成することができる。デジタルファンドトークンがマネージャウォレットに関連付けられると、次いでマネージャは、所有者に代わって(たとえば、暗号交換所の)セカンダリ市場でデジタルファンドトークンを取引するために売り注文を行なうことができる。
【0025】
[0035]本発明の開示の実施形態はまた、(ETF、ミューチュアルファンド、インデックスファンドなどの原証券の償還など)ファンド償還のための方法およびシステムを提供する。一部の実施形態において、デジタルファンドトークンの所有者は、デジタルファンドトークンおよび/または原非デジタル証券の償還を求める要求を、デジタルファンドトークンに関連付けられたマネージャウォレットを制御するマネージャに行なうことができる。
【0026】
[0036]マネージャは、償還トランザクション要求と共に、デジタルファンドトークンをマネージャウォレットから償還ウォレットに転送するためのトランザクションを作成することによって、デジタルファンドトークンがその原証券と交換されるよう要求することができる。償還ウォレットに関連付けられると、デジタルファンドトークンは、デジタルトークンの形態でその原証券に対して償還されてもよい。コンポーネントがデジタルファンドトークンと交換された後、デジタルファンドトークンは、もう存在しないように破棄される。デジタルファンドトークンのそのコンポーネントへの変換は、分散型台帳に記録されてもよい。暗号ファンド作成および償還プラットフォームは、デジタルトークンを償還ウォレットからマネージャウォレットに転送するためのトランザクションを作成することができる。デジタルトークンがマネージャウォレットに関連付けられると、デジタルトークンは、非デジタル証券に対して償還され、その所有者に提供されてもよい。
【0027】
[0037]上記で説明されるように、暗号ファンド作成および償還プラットフォームは、(ブロックチェーンなど)分散型/暗号台帳を使用して、デジタルファンドトークンおよびデジタルファンドトークンを作成するために使用されるデジタルトークンの所有権および可用性を文書化して検証する。暗号化技法は、デジタルトークンおよびデジタルファンドトークンを1つのデジタルアカウントから別のデジタルアカウントに転送するために使用されてもよい。たとえば、デジタルファンドトークンは、公開鍵暗号および双方向暗号化を使用して、その他の所有者に転送されてもよい。公開鍵暗号は、鍵ペアを必要とし、2つの鍵は数学的にリンクされる。1つの鍵は、ピアツーピアネットワーク内のノード間で自由に共有される公開鍵である。もう一方の鍵は、一般大衆と共有されない秘密鍵である。公開鍵は、プレーンテキストを暗号化するため、およびデジタル署名を検証するために使用される。秘密鍵は、暗号テキストを復号するため、およびトランザクションをデジタル署名するために使用される。各デジタルアカウントは、関連する鍵ペアを有することができる。トランザクションメッセージは、送信者の識別を認証するために、送信者の秘密鍵によってデジタル署名されてもよい。次いで、送信者のデジタル署名されたトランザクションメッセージは、送信者がトランザクションを発信したことを検証するために送信者の公開鍵を使用して復号されてもよい。
【0028】
[0038]デジタルトークンおよびデジタルファンドトークンの所有権は、ネットワークノードによって保持される分散型台帳内の所有権エントリに基づいてもよい。(ビットコインのブロックチェーンなど)分散型台帳は、各デジタルトークンおよびデジタルファンドトークンの所有権の変化ごとにエントリを記録し、鍵ペアに数学的にリンクされてもよい。たとえば、ある所有者から別の所有者(たとえば1つの宛先アカウントから別の宛先アカウント)にデジタルファンドトークンを転送するために、(パケットまたはその他のデータ構造におけるような)トランザクションメッセージは、ピアツーピアネットワーク上のノードにブロードキャストされてもよい。例において、デジタルファンドトークンが作
成ウォレットからマネージャウォレットに転送されている場合、トランザクションメッセージは、作成ウォレットの秘密鍵によって署名されてもよく、デジタルファンドトークンおよび/またはそのコンポーネントのタイトルのチェーンの履歴、転送されているシェアの数、マネージャウォレットの公開鍵ベースのアドレスなど情報を含むことがある。ネットワーク内のノードの大多数が、送信者がタイトルの適正なチェーンを有すると合意する場合、所有権は作成ウォレットの所有者に変更され、台帳はトランザクションを示すように更新される。
【0029】
[0039]以下の説明において、本発明の開示の実施形態の深い理解をもたらすために、説明の目的で、多数の具体的な詳細が示される。しかし、開示を読むと、実施形態がこれらの具体的な詳細の一部を伴うことなく実施されてもよいことが、当業者には明らかとなろう。加えて、ETF、ミューチュアルファンド、および/またはインデックスファンドが例示として使用されるが、本明細書において説明される方法およびシステムは、複数の証券を含むその他の資産またはその他の資産と共に使用されてもよい。
【0030】
[0040]暗号ファンド作成および償還プラットフォームの利点は、所有権の透明性、(本明細書において説明されるファンドを含む任意のタイプのファンドなど、ただしこれらに限定されない)複数証券資産の構成の容易な認識、ならびに暗号ファンドシェアの作成および償還を含む。トランザクションを暗号により署名することは、認証、許可、および由来を保証する。
【0031】
[0041]本明細書において紹介される技法は、(回路など)特殊用途ハードウェア、ソフトウェアおよび/またはファームウェアにより適切にプログラムされたプログラマブル回路、または特殊用途およびプログラマブル回路の組み合わせとして、具現されてもよい。したがって、実施形態は、プロセスを実行するようにコンピュータ(またはその他の電子デバイス)をプログラムするために使用されうる命令を記憶した機械可読媒体を含むことができる。機械可読媒体は、たとえば、フロッピーディスケット、光ディスク、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD−ROM)、磁気光学ディスク、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、磁気または光カード、フラッシュメモリ、または電子命令を記憶するために適したその他のタイプの媒体/機械可読媒体を含むことができる。
【0032】
[0042]図1は、本発明の開示の一部の実施形態が使用されうるネットワークベースの動作環境100の例を示す。図1に示されるように、動作環境100は、(モバイルデバイス、携帯電話、タブレットコンピュータ、モバイルメディアデバイス、モバイルゲームデバイス、車両ベースのコンピュータ、専用端末、公共端末、キオスク、またはデスクトップもしくはラップトップコンピュータなど)1つまたは複数のコンピューティングデバイス110A〜110Mで実行するアプリケーション105A〜105Nを含む。一部の実施形態において、(デジタルファンドシェアを購入する注文など)注文を生成すること、およびアカウントバランスを検査することなど、操作を実施するためのアプリケーション105A〜105Nは、コンピューティングデバイス上に記憶されてもよいか、またはリモートに記憶されてもよい。
【0033】
[0043]コンピューティングデバイス110A〜110Mは、ネットワーク120を通じて暗号ファンド作成および償還プラットフォーム125、ブローカディーラ115、ファンドマネージャ130、および手形交換組合銀行135に接続することによって、トラフィックを受信および送信するためのメカニズムを含むことができる。一部の実施形態において、コンピューティングデバイス110A〜110Mは、暗号ファンド作成および償還プラットフォーム125との間で情報を取り出すかまたはサブミットすることができ、暗
号ファンド作成および償還プラットフォーム125、ブローカディーラ115、ファンドマネージャ130、および手形交換組合銀行135によって取り出されたカスタマイズされたコンテンツで1つまたは複数のアプリケーションを実行することができる。たとえば、コンピューティングデバイス110A〜110Mは各々、ブラウザアプリケーションまたはカスタマイズされたクライアントを実行して、コンピューティングデバイス110A〜110Mと暗号ファンド作成および償還プラットフォーム125、ファンドマネージャ130、手形交換組合銀行135、ならびにブローカディーラ115の間の対話を可能にすることができる。
【0034】
[0044]ブローカディーラ115は、各自のアカウントにおいて、または各自の顧客に代行して(ETF、ミューチュアルファンド、インデックスファンドシェア、通貨、その他のタイプの証券など)トランザクション項目を取引するビジネスに従事するエンティティ(たとえば、自然人、会社、またはその他の組織)である。顧客に代行して取引注文を実行する場合、エンティティはブローカとしての役割を果たす。各自のアカウントにおいて取引を実行する場合、エンティティはディーラとしての役割を果たす。ブローカディーラ115は、コンピューティングデバイス110A〜110M、ファンドマネージャ130から注文を受信することができるか、またはブローカディーラ115が各自の注文を作成することができる。ブローカディーラ115は、ネットワーク120を介して、注文を、ファンドマネージャ130および暗号ファンド作成および償還プラットフォーム125に通信することができる。
【0035】
[0045]暗号ファンド作成および償還プラットフォーム125は、1つまたは複数のサーバ上で実行することができ、デジタルファンドトークンを作成、償還、および取引するために使用されてもよい。一部の実施形態において、示されるように、暗号ファンド作成および償還プラットフォーム125は、ファンド作成モジュール215、およびファンド償還モジュール220を含む(いずれも図1を参照して後段においてさらに詳細に説明される)。
【0036】
[0046]デジタルファンドトークンの直接的な作成を実施する例示的な実施形態において、ファンド作成モジュール215は、原資産がエスクロー型アカウントに分離されると、デジタルファンドトークンを直接生成することができる。デジタルファンドトークンの間接的な作成を実施する例示的な実施形態において、ファンド作成モジュール215は、(公社債、株式、資産、債務、通貨、商品など)証券のデジタル表現であるデジタルトークンを受信して関連する作成ウォレットに入れることができ、デジタルトークンの割り当てられた混合からデジタルファンドトークンを作成することができる。デジタルファンドトークンは、(ETF、ミューチュアルファンド、および/またはインデックスファンドなど)ファンドのシェアを表すので、2つ以上の証券の、ただし新しい証券も含むデジタルトークンを備える。次いで、デジタルファンドトークンは、暗号交換所またはATSを介して取引されてもよい。各トランザクションは、暗号台帳155など、分散型台帳に記録されてもよい。
【0037】
[0047]デジタルファンドトークンの直接的な償還を実施する例示的な実施形態において、ファンド償還モジュール220は、原資産を分離されたエスクロー型アカウントから解除して、デジタルファンドトークンを破棄することにより、デジタルファンドトークンを直接償還する。デジタルファンドトークンの間接的な作成を実施する例示的な実施形態において、ファンド償還モジュール220は、デジタルファンドトークンを償還し、デジタルファンドトークンをデジタルファンドトークンの原証券デジタルトークン(たとえば証券のデジタル表現)に分割する。ファンドシェアの所有者は、そのようなトランザクションを要求することができる。しかし、トランザクションは、ファンドのマネージャによって開始されてもよい。
【0038】
[0048]ファンドマネージャ130は、ETF、ミューチュアルファンド、インデックスファンドなどのマネージャであってもよい。ファンドマネージャ130は、そのような証券の所有者から証券を受信して、1つまたは複数のファンドシェアを作成するプロセスを開始することに合意することができる。デジタルファンドトークンの間接的作成を実施する実施形態において、手形交換組合銀行135(またはその他のエンティティ)が証券をデジタル化すると、デジタルトークンは、ファンドマネージャ130のウォレットに関連付けられてもよい。ファンドマネージャ130は、デジタルファンドトークンを作成するために、デジタルトークンを暗号ファンド作成および償還プラットフォーム125に転送することができる。デジタルファンドトークンが作成され、ファンドマネージャ130のウォレットに転送されると、デジタルファンドトークンは、1つまたは複数の暗号交換所150または暗号台帳155で取引されてもよい。
【0039】
[0049]手形交換組合銀行135は、非デジタル証券をファンドマネージャ130のアカウントに保持して、デジタルトークン(非デジタル証券のデジタル表現)を作成することができる。デジタルトークンは、(各デジタルトークンが証券の1つのシェアを表すような)証券の1対1の関係であってもよいか、またはデジタルトークンは、(各デジタルトークンが証券の100シェアを表すような)証券のさまざまな数量を表すことができる。
【0040】
[0050]暗号ファンド作成および償還プラットフォーム125は、ネットワーク140を通じて、1つまたは複数の代替取引システム(ATS)145、暗号交換所150、および暗号台帳155に通信可能に結合される。
【0041】
[0051]ネットワーク120およびネットワーク140は、同一のネットワークであってもよいか、または別個のネットワークであってもよく、有線および/または無線通信システムを使用する、ローカルエリアおよび/またはワイドエリアネットワークの任意の組み合わせであってもよい。ネットワーク120またはネットワーク140は、イーサネット、IEEE802.11またはWi−Fi、Worldwide Interoperability for Microwave Access(WiMAX)、(3G、4G、5Gなど)セルラー通信、CDMA、ケーブル、デジタル加入者線(DSL)などのプロトコル/技術のいずれか1つまたは複数であってもよいか、またはその1つまたは複数を使用することができる。同様に、ネットワーク120およびネットワーク140で使用されるネットワーキングプロトコルは、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、簡易メール転送プロトコル(SMTP)、およびファイル転送プロトコル(FTP)を含むことができる。ネットワーク120およびネットワーク140を介して交換されるデータは、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)または拡張可能マークアップ言語(XML)を含む技術、言語、および/またはフォーマットを使用して表されてもよい。加えて、リンクの全部または一部は、セキュアソケットレイヤ(SSL)、トランスポートレイヤセキュリティ(TLS)、およびインターネットプロトコルセキュリティ(IPsec)など、標準的な暗号化技術を使用して暗号化されてもよい。
【0042】
[0052]ATS145は、売主と買主を突き合わせすることによってトランザクションの相手方を見出す非交換取引システムである。ATS145は、従来の株式取引所の代替である。ATS145の例は、私設取引システム(ECN:electronic communication networks)、クロッシングネットワーク、ダークプール、およびコール市場を含む。ATS145は、FIX注文などデジタル署名された注文を受信し、デジタル資産の取引に合致する潜在的売り/買い注文を見出し、注文の状態を記録するオーダーブックの状況を含む。
【0043】
[0053]暗号交換所150は、デジタルファンドトークン、株式のデジタルシェア、デジタル公社債、および暗号通貨などのデジタルトランザクション項目を取引する交換所である。株式のデジタルシェアは、従来の取引所に上場された証券と同じ種類の株式であってもよい。暗号交換所150のデジタルトランザクション項目の所有権は、暗号台帳155など1つまたは複数の分散型台帳に記録されてもよい。暗号交換所150は、取引を達成するために(注文、取り消しなど)デジタル署名された暗号トランザクションを受信する。
【0044】
[0054]暗号台帳155は2つ以上のデジタルトークンからのデジタルファンドトークンの作成またはファンドの交換所におけるデジタルトランザクション項目のセールなど、経済的トランザクションを記録する分散型台帳である。暗号台帳155は、単位ごとに異なる。たとえば、ビットコインでは、ブロックチェーンと称される分散型公開台帳を使用する。暗号台帳155が暗号ファンド作成および償還プラットフォーム125から適正な鍵で署名されたトランザクションを受信し、トランザクションがネットワークノードによって検証される場合、暗号台帳155は、(ブロックチェーンを台帳に追加するなど)トランザクションを記録することによって、(マネージャウォレット、作成ウォレット、償還ウォレット、顧客ウォレット、コミットウォレットなど)適正な宛先アカウントに資産を移動する。
【0045】
[0055]さまざまなデータストアが、ストレージを管理するため、およびデジタルトークン、デジタルファンドトークン、ユーザ情報、およびその他のデータにアクセスするために使用されてもよい。データストアは、暗号台帳155など、分散型データストアであってもよい。データストアは、データベーススキーマにおいて定義された種類を使用してモデル化される統合されたオブジェクトのセットのデータリポジトリであってもよい。データストアは、データを記憶することができるフラットファイルをさらに含むことができる。暗号ファンド作成および償還プラットフォーム125および/またはその他のサーバは、データストアからのデータを収集および/またはデータにアクセスすることができる。
【0046】
[0056]図2は、本発明の開示の1つまたは複数の実施形態による暗号作成および償還プラットフォーム125内のコンポーネントのセットを示す図である。図2に示される実施形態によれば、暗号作成および償還プラットフォーム125は、メモリ205、1つまたは複数のプロセッサ210、ファンド作成モジュール215、およびファンド償還モジュール220を含むことができる。その他の実施形態は、その他のモジュール、アプリケーション、および/またはコンポーネントと共に、これらのモジュールおよびコンポーネントの一部、全部を含むか、またはまったく含まないこともある。しかしながら、一部の実施形態は、これらのモジュールおよびコンポーネントの2つ以上を単一のモジュールに組み入れること、および/またはこれらのモジュールの1つまたは複数の機能の一部を異なるモジュールに関連付けることができる。たとえば、一実施形態において、1つのファンド作成モジュール215およびファンド償還モジュール220は、単一のコンポーネントに結合されてもよい。
【0047】
[0057]メモリ205は、情報を記憶するために使用される任意のデバイス、メカニズム、または取り込まれたデータ構造であってもよい。本開示の一部の実施形態によれば、メモリ205は、たとえば、任意のタイプの揮発性メモリ、不揮発性メモリ、および/またはダイナミックメモリであってもよいか、またはこれらを含むことができる。たとえば、メモリ205は、ランダムアクセスメモリ、メモリストレージデバイス、光メモリデバイス、磁気メディア、フロッピーディスク、磁気テープ、ハードドライブ、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、コンパクトディスク、DVD、および/または同様のものであっ
てもよい。一部の実施形態によれば、メモリ205は、1つまたは複数のディスクドライブ、フラッシュドライブ、1つまたは複数のデータベース、1つまたは複数のテーブル、1つまたは複数のファイル、ローカルキャッシュメモリ、プロセッサキャッシュメモリ、リレーショナルデータベース、フラットデータベース、および/または同様のものを含むことができる。加えて、当業者であれば、メモリ205として使用されうる、情報を記憶するための多くの追加のデバイスおよび技法を理解するであろう。
【0048】
[0058]メモリ205は、1つまたは複数のアプリケーションまたはモジュールをプロセッサ210上で実行するための命令を記憶するために使用されてもよい。たとえば、メモリ205は、ファンド作成モジュール215およびファンド償還モジュール220の機能を実行するために必要とされる命令の全部または一部を収容するために1つまたは複数の実施形態において使用されてもよい。
【0049】
[0059]デジタルファンドトークンの間接的な作成を実施する例示的な実施形態において、ファンド作成モジュール215は、デジタルトークンを作成ウォレットに受信することができる。作成ウォレットは、暗号ファンド作成および償還プラットフォーム125によって制御されてもよい。デジタルトークンは、手形交換組合銀行135によって作成されて、ファンドマネージャ130によって制御されるマネージャウォレットに入れられた場合もある。マネージャウォレットおよび作成ウォレットは各々、関連付けられた鍵ペアを有することができ、各鍵ペアは、1つの秘密鍵および1つの公開鍵を含む。各鍵ペアの2つの部分は、数学的にリンクされる。
【0050】
[0060]デジタルファンドトークンの間接的な作成を実施する例示的な実施形態において、デジタルトークンをマネージャウォレットから作成ウォレットに転送するトランザクションは、各ファンドシェアの構成、デジタルトークン、および作成ウォレットの公開鍵またはアドレスのインジケーションを含むことができる。トランザクションは、デジタルトークンを作成ウォレットに転送するために、マネージャウォレットの秘密鍵で署名されてもよい。デジタルトークンおよびファンドシェアの構成を受信すると、ファンド作成モジュール215は、デジタルトークンの適切な数量およびタイプを結合することにより、デジタルトークンからデジタルファンドトークンを作成する。
【0051】
[0061]デジタルファンドトークンが作成されると、ファンド作成モジュール215は、デジタルファンドトークンを作成ウォレットからマネージャウォレットに転送する。トランザクションは、マネージャウォレットの公開鍵およびデジタルファンドトークンを含むことができ、作成ウォレットの秘密鍵で署名されてもよい。
【0052】
[0062]デジタルトークンを作成ウォレットに転送するトランザクション、デジタルファンドトークンを作成するトランザクション、およびデジタルファンドトークンをマネージャウォレットに転送するトランザクションは、分散型台帳に記録されてもよく、デジタルファンドトークンの所有権および構成における透明性を可能にする。
【0053】
[0063]ファンド償還モジュール220は、マネージャから償還トランザクション要求を受信することができる。償還トランザクション要求は、マネージャウォレットに記憶されたデジタルファンドトークン、および償還ウォレットの公開鍵(たとえばアドレス)を含むことができる。一部の実施形態において、デジタルファンドトークンまたはデジタルファンドトークンの構成に関する情報からデジタル証券を償還する方法についてのインジケーションは、償還トランザクション要求に含まれる。償還トランザクション要求は、マネージャウォレットの秘密鍵によって署名されてもよい。
【0054】
[0064]デジタルファンドトークンの間接的な償還を実施する例示的な実施形態において
、ファンド償還モジュール220は、デジタルトークンをマネージャウォレットに送信するためのトランザクションを作成することができる。トランザクションは、デジタルトークン、マネージャウォレットの公開鍵、および償還トランザクションの命令を含むことができる。トランザクションは、償還ウォレットの秘密鍵で署名されてもよい。デジタルファンドトークンを償還ウォレットに転送するトランザクション、デジタル証券のデジタルファンドトークンを償還するトランザクション(たとえば、1つ少ないファンドシェアが存在し、追加のデジタル証券が現在存在することを記録する)、およびデジタルトークンをマネージャウォレットに転送するトランザクションは、分散型台帳に記録されてもよい。
【0055】
[0065]図3は、原資産から暗号ファンドシェアを直接作成するプロセスを示す。証券の所有者は、要求に応じて、非デジタル証券をファンドマネージャに送信する(302)。証券は、さまざまなタイプの株式、商品、公社債、またはその他のトランザクション項目を(証券Aの10、000シェア、証券Bの500シェアなど)さまざまな数量で含むことができる。ファンドマネージャは、ファンドシェアの作成に合意して、証券のデジタル表現を作成するようマネージャ手形交換組合銀行に要求することができる(304)。そのような合意および要求により、マネージャ手形交換組合銀行は、マネージャによって所有されるアカウントに非デジタル証券を保持することができる(306)。マネージャは、少なくとも1つのファンドのデジタル表現(たとえば、デジタルファンドトークン)の作成を要求することができる(308)。ファンド作成モジュールは、少なくとも1つのデジタルファンドトークンを作成するか(310)または複数証券資産の別のデジタル表現を作成することができる。
【0056】
[0066]作成すると、所有権履歴を含む少なくとも1つのデジタルファンドトークンは、分散型台帳に記録される(312)。少なくとも1つのデジタルファンドトークンが作成された後、暗号ファンド作成モジュールは、少なくとも1つのデジタルファンドトークンをマネージャウォレットに転送するためのトランザクションを作成する(314)。トランザクションは、デジタルファンドトークン、マネージャウォレットの公開アドレスまたは鍵、デジタルファンドトークンの説明、および/またはトランザクション情報を含むことができる。トランザクションは、作成ウォレットの秘密鍵で署名されてもよい。デジタルファンドトークンは、分散型台帳のネットワークノードがデジタルファンドトークンの所有権および作成ウォレットの署名を検証した後に転送される(316)。マネージャウォレットは、デジタルファンドトークンを保持することができる(318)か、または所有者の要望に応じて(暗号交換所またはその他のATSなど)セカンダリ市場でデジタルファンドトークンを売却する売り注文を出すことができる(320)。一部の実施形態において、デジタルファンドトークンは売建てされてもよい。
【0057】
[0067]図4は、暗号ファンドシェアを直接作成するプロセス400を示す流れ図である。受信操作402は、原証券をエスクローに入れる。作成操作404は、デジタルファンドトークン(たとえば、暗号ファンドシェア)を作成する。デジタルファンドトークンは、暗号交換所またはATSを介して取引されてもよい。記録操作406は、デジタルファンドトークンの作成を分散型台帳に記録する。例示的な実施形態において、さらなる作成操作は、デジタルファンドトークンをマネージャのデジタルアカウントに転送するためのトランザクションを作成する。転送は、デジタルファンドトークンを移動するトランザクションがデジタル作成アカウントの秘密鍵で署名され、分散型台帳のネットワークノードが所有権履歴に合意する場合に、達成されてもよい。
【0058】
[0068]図5は、暗号ファンドシェアを直接償還するためのプロセスを示す。暗号ファンドシェア(たとえば、デジタルファンドトークン)は、セカンダリ市場で取引される。マネージャは、(顧客の代理として、またはファンド自体のように)少なくとも1つのデジ
タルファンドトークンの買い注文を出すことによって、デジタルファンドトークンを購入することができる(502)。少なくとも1つのデジタルファンドトークンがマネージャによって購入されたか、またはマネージャによって保持されると、暗号交換システムは、少なくとも1つのデジタルファンドトークンをマネージャのウォレット(たとえば第4の宛先アカウント)に転送し、そのような転送は、分散型台帳に記録される(504)。マネージャは、非デジタル証券の償還を要求することができる(506)。ファンド償還モジュールは、マネージャが少なくとも1つのデジタルファンドトークンの記録された所有者であることを保証するために分散型台帳にクエリを行なうことができる(508)。分散型台帳がデジタルトークンの所有権を確認した後(510)、ファンド償還モジュールは、非デジタル証券を償還することができ(512)、非デジタル証券をマネージャに転送することができる(514)。非デジタル証券が償還されて転送されると、少なくとも1つのデジタルファンドトークンは破棄され(516)、その破棄は分散型台帳に記録される(518)。マネージャが非デジタル証券を受信すると(520)、次いでマネージャは、非デジタル証券を証券の所有者に転送することができる(522)。証券の所有者は、自身のインベントリに証券を回収することができる(524)。
【0059】
[0069]図6は、暗号ファンドシェアを直接償還するプロセス600を示す流れ図である。受信操作602において、償還要求は、償還ウォレットにおいて受信されてもよい。償還要求は、デジタルファンドトークン(たとえば暗号ファンドシェア)を償還ウォレットに転送することができ、原証券を償還する方法に関する命令をさらに含むことができる。償還操作604は、デジタルファンドトークンと引き換えにデジタルファンドトークンを構成する原証券を償還することができる。作成操作606は、原証券をエスクローからリリース(release:解放)するためのトランザクションを作成することができる。転送は、デジタルトークンを移動するトランザクションがデジタル作成アカウントの秘密鍵で署名され、分散型台帳のネットワークノードが所有権履歴に合意する場合に、達成されてもよい。破棄操作608は、デジタルファンドトークンが償還されると、デジタルファンドトークンを破棄することができる。
【0060】
[0070]図7は、暗号ファンドシェアを間接的に作成するためのプロセスを示す。証券の所有者は、要求に応じて、非デジタル証券をファンドマネージャに送信する(702)。証券は、さまざまなタイプの株式、商品、公社債、またはその他のトランザクション項目を(証券Aの10、000シェア、証券Bの500シェアなど)さまざまな数量で含むことができる。ファンドマネージャは、ファンドシェアの作成に合意して、証券のデジタル表現を作成するようマネージャ手形交換組合銀行に要求することができる(704)。そのような合意および要求により、マネージャ手形交換組合銀行は、マネージャによって所有されるアカウントに非デジタル証券を保持することができる(706)。マネージャは、証券のデジタル表現(たとえば、デジタルトークン)の作成を要求することができる(708)。マネージャ手形交換組合銀行は、デジタルトークンを作成することができる(710)。証券のデジタル表現は、デジタルトークンであってもよく、デジタルトークンの各々は特定の証券の1つまたは複数のシェアを表す。作成すると、所有権履歴を含むデジタルトークンは、分散型台帳に記録される(712)。マネージャ手形交換組合銀行は、デジタルトークンをマネージャウォレットに関連付けることができ、マネージャウォレットは第1の宛先アカウントと称されてもよい(714)。
【0061】
[0071]マネージャは、デジタルトークンを作成ウォレット(たとえば、第2の宛先アカウント)に転送するトランザクションを作成し、ここでデジタルトークンはファンドにコミットされる(716)。トランザクションは、デジタルトークン、作成ウォレットの公開鍵およびアドレス、ならびにファンドシェアの構成のインジケーションを含むことができ、トランザクションは、マネージャウォレットの秘密鍵で署名されてもよい。分散型台帳のネットワークノードが、所有権履歴を検査することによりトランザクションを検証し
、トランザクションがマネージャウォレットの秘密鍵によって署名されたかどうかを検証した後に、デジタルトークンは作成ウォレットに転送され、分散型台帳が転送を記録する(718)。コミットトランザクションが行なわれる前に、暗号ファンド作成モジュールは、マネージャウォレットの公開鍵を使用して分散型台帳に記録された所有権を検査することによって、デジタルトークンがマネージャウォレットに関連付けられていることを検証することができる。
【0062】
[0072]次に、暗号ファンド作成モジュールは、デジタルトークンの指定されたタイプおよび数量で構成されるデジタルファンドトークンを作成することができる(720)。したがって、各デジタルファンドトークンは、(ETF、ミューチュアルファンド、インデックスファンドなど)ファンドのシェアを表す。たとえば、デジタルファンドトークンは、証券Aの50シェアを表す50デジタルトークン、および証券Bの200シェアを表す100デジタルトークンを含むことができる。デジタルトークンからのデジタルファンドトークンの作成は、分散型台帳に記録される(722)。
【0063】
[0073]デジタルファンドトークンが作成された後、暗号ファンド作成モジュールは、デジタルファンドトークンを作成ウォレットからマネージャウォレットに転送するためのトランザクションを作成する(724)。トランザクションは、デジタルファンドトークン、マネージャウォレットの公開アドレスまたは鍵、デジタルファンドトークンの説明、および/またはトランザクション情報を含むことができる。トランザクションは、作成ウォレットの秘密鍵で署名されてもよい。デジタルファンドトークンは、分散型台帳のネットワークノードがデジタルファンドトークンの所有権および作成ウォレットの署名を検証した後に転送される(726)。一部の実施形態において、トランザクションの前に、マネージャは、作成ウォレットの公開鍵を使用して分散型台帳に記録された所有権を検査することによって、デジタルトークンが作成ウォレットに関連付けられていることを検証することができる。マネージャウォレットは、デジタルファンドトークンを保持することができる(728)か、または所有者の要望に応じて(暗号交換所またはその他のATSなど)セカンダリ市場でデジタルファンドトークンを売却する売り注文を出すことができる(730)。一部の実施形態において、デジタルファンドトークンは売建てされてもよい。
【0064】
[0074]図8は、暗号ファンドシェアを間接的に作成するプロセス800を示す流れ図である。受信操作802は、マネージャウォレットからデジタルトークンを作成ウォレットに受信する。デジタルトークンは、マネージャによって所有されるかまたは制御される証券のデジタル表現であってもよい。デジタルトークンが作成ウォレットに受信される場合、各ファンドシェアを備える証券の数量およびタイプを含む、ファンドシェアの構成に関する追加情報もまた受信されてもよい。作成操作804は、割り当てられた構成に従ってデジタルトークンを結合することによって、デジタルファンドトークン(たとえば、暗号ファンドシェア)を作成する。デジタルファンドトークンは、暗号交換所またはATSを介して取引されてもよい。作成操作806は、デジタルファンドトークンをマネージャのデジタルアカウントに転送するためのトランザクションを作成する。転送は、デジタルファンドトークンを移動するトランザクションがデジタル作成アカウントの秘密鍵で署名され、分散型台帳のネットワークノードが所有権履歴に合意する場合に、達成されてもよい。
【0065】
[0075]図9は、暗号ファンドシェアを間接的に償還するためのプロセスを示す。暗号ファンドシェア(たとえば、デジタルファンドトークン)は、セカンダリ市場で取引される。マネージャは、(顧客の代理として、またはファンド自体のように)デジタルファンドトークンの買い注文を出すことによって、デジタルファンドトークンを購入することができる(902)。デジタルファンドトークンがマネージャによって購入されたか、またはマネージャによって保持されると、暗号交換システムは、デジタルファンドトークンをマ
ネージャのウォレット(たとえば第4の宛先アカウント)に転送し、そのような転送は、分散型台帳に記録される(904)。マネージャは、デジタルファンドトークンから個々のデジタル証券(たとえば、デジタルトークン)を償還するためのトランザクションを作成することができる(906)。償還トランザクション要求は、デジタルファンドトークン、償還ウォレットの公開アドレス(たとえば第3の宛先アカウント)、および償還トランザクションを完了するための命令を含むことができる。償還トランザクション要求は、マネージャウォレットの秘密鍵で署名されてもよく、デジタルファンドトークンを償還ウォレットに転送する。ネットワークノードが所有権および署名を検証した後に、デジタルファンドトークンは、マネージャのウォレットから償還ウォレットに転送され、転送は分散型台帳に記録される(908)。一部の実施形態において、図7のマネージャウォレットは、図9のマネージャウォレットと同じである。一部の実施形態において、作成ウォレットおよび償還ウォレットは、同じウォレットである。
【0066】
[0076]次に、暗号ファンド償還モジュールは、デジタルトークンをデジタルファンドトークンから償還し、それによりデジタルファンドトークンをファンドから除去して、デジタルファンドトークンを、ファンドシェアで構成される個々の証券に変換する(910)。償還トランザクションは、分散型台帳に記録されてもよく、したがって、所有権履歴を含む、デジタルトークンがデジタルファンドトークンから償還された時点の履歴がある(912)。暗号ファンド償還モジュールは、デジタルトークンをマネージャウォレットに転送するためのトランザクションを作成することができる(914)。そのようなトランザクションは、デジタルトークン、マネージャウォレットの公開鍵、およびデジタルトークンファンドがデジタル証券に対して償還された通知を含むことができる。トランザクションは、償還ウォレットの秘密鍵で署名されてもよい。ネットワークノードが所有権履歴および署名を検証すると、デジタルトークンは、マネージャのウォレットに転送されて、分散型台帳に記録されてもよい(916)。
【0067】
[0077]デジタル証券がマネージャのウォレットに入ると、またはマネージャからの要求に応じて、マネージャは非デジタル証券の償還を要求することができる(918)。マネージャの手形交換組合銀行は、マネージャがデジタルトークンの記録された所有者であることを保証するために分散型台帳にクエリを行なうことができる(920)。分散型台帳がデジタルトークンの所有権を確認した後(922)、マネージャの手形交換組合銀行は、非デジタル証券を償還することができ(924)、非デジタル証券をマネージャに転送することができる(926)。非デジタル証券が償還されて転送されると、少なくとも1つのデジタルファンドトークンは破棄され(928)、その破棄は分散型台帳に記録される(930)。マネージャが非デジタル証券を受信すると(932)、次いでマネージャは、非デジタル証券を証券の所有者に転送することができる(934)。証券の所有者は、自身のインベントリに証券を回収することができる(936)。
【0068】
[0078]図10は、暗号ファンドシェアを償還するプロセス1000を示す流れ図である。受信操作1002において、償還要求は、償還ウォレットにおいて受信されてもよい。償還要求は、デジタルファンドトークン(たとえば暗号ファンドシェア)を償還ウォレットに転送することができ、デジタルファンドトークンを構成するデジタルトークンを償還する方法に関する命令をさらに含むことができる。償還操作1004は、デジタルファンドトークンと引き換えにデジタルファンドトークンを構成するデジタル証券を償還することができる。作成操作1006は、デジタルトークンをマネージャウォレットに転送するためのトランザクションを作成することができる。転送は、デジタルトークンを移動するトランザクションがデジタル作成アカウントの秘密鍵で署名され、分散型台帳のネットワークノードが所有権履歴に合意する場合に、達成されてもよい。
【0069】
[0079]図11は、複数証券資産シェアを作成するプロセス1100を示す流れ図である
。生成操作1102は、マネージャウォレットなど第1の宛先アカウントから作成アカウントなど第2の宛先アカウントに証券のデジタル表現を転送するための第1のトランザクションを生成する。第1のトランザクションは、交換取引されたファンドシェア(またはその他の複数証券資産)の構成のインジケーションを含むことができる。署名操作1104は、第1のトランザクションを電子的に署名する。作成操作1106は、各デジタルファンドトークンが交換取引されたファンドシェア(またはその他の複数証券資産)の構成から成るように、証券のデジタル表現を使用してデジタルファンドトークンを作成する。通信操作1108は、証券のデジタル表現の代わりのデジタルファンドトークンの作成を分散型台帳に通信する。生成操作1110は、デジタルファンドトークンを第2の宛先アカウントから第1の宛先アカウントに転送するための第2のトランザクションを生成する。署名操作1112は、第2のトランザクションを、第2の宛先アカウントの秘密鍵で電子的に署名する。
【0070】
[0080]図12は、複数証券資産シェアを償還するプロセス1200を示す流れ図である。生成操作1202は、マネージャウォレットなど第1の宛先アカウントから償還ウォレットなど第2の宛先アカウントにデジタルファンドトークンを転送するための第1のトランザクションを生成する。デジタルファンドトークンは、証券の2つ以上のデジタル表現から成る。署名操作1204は、第1のトランザクションを、第1の宛先アカウントの秘密鍵で電子的に署名する。償還操作1206は、証券のデジタル表現をデジタルファンドトークンから償還する。通信操作1208は、デジタルファンドトークンの代わりの証券のデジタル表現の償還を通信する。生成操作1210は、証券のデジタル表現を第2の宛先アカウントから第1の宛先アカウントに転送するための第2のトランザクションを生成する。署名操作1212は、第2のトランザクションを電子的に署名する。
コンピュータシステムの概要
[0081]本発明の開示の実施形態は、さまざまなステップおよび操作を含み、それらは上記で説明されてきた。さまざまなこれらのステップおよび操作は、ハードウェアコンポーネントによって実行されてもよいか、または機械実行可能命令において具現されてもよく、命令によりプログラムされた汎用もしくは特殊用途プロセッサにステップを実行させるために使用されてもよい。あるいは、ステップは、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの組み合わせにより実施されてもよい。そのようなものとして、図13は、本発明の開示の実施形態が使用されうるコンピュータシステム1300の例である。本発明の例によれば、コンピュータシステム1300は、相互接続1310、少なくとも1つのプロセッサ1320、少なくとも1つの通信ポート1330、メインメモリ1340、取外し可能ストレージ媒体1350、読取り専用メモリ1360、および大容量ストレージデバイス1370を含む。
【0071】
[0082]プロセッサ1320は、任意の知られているプロセッサであってもよい。通信ポート1330は、たとえばモデムベースのダイヤルアップ接続で使用するRS−232ポート、10/100イーサネットポート、または銅もしくはファイバを使用するギガビットポートのいずれかであってもよいか、または含むことができる。通信ポート1330の特性は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、またはコンピュータシステム1700が接続する任意のネットワークなど、ネットワークに応じて選択されてもよい。
【0072】
[0083]メインメモリ1340は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、または当技術分野で一般に知られている任意の他の動的ストレージデバイスであってもよい。読取り専用メモリ1360は、プロセッサ1320の命令など静的情報を記憶するためのプログラマブル読取り専用メモリ(PROM)チップなど任意の静的ストレージデバイスであってもよい。
【0073】
[0084]大容量ストレージデバイス1370は、情報および命令を記憶するために使用されてもよい。たとえば、SCSIドライブのAdaptec(登録商標)ファミリなどハードディスク、光ディスク、RAIDドライブのAdaptecファミリなどの、RAIDなどディスクのアレイ、または任意の他の大容量ストレージデバイスが使用されてもよい。
【0074】
[0085]相互接続1310は、1つまたは複数のバス、ブリッジ、コントローラ、アダプタ、および/またはポイントツーポイント接続であってもよいか、または含むことができる。相互接続1310は、プロセッサ1320をその他のメモリ、ストレージ、および通信ブロックと通信可能に結合する。相互接続1310は、使用されるストレージデバイスに応じて、PCI/PCI−XまたはSCSIベースのシステムバスであってもよい。
【0075】
[0086]取外し可能ストレージ媒体1350は、外部ハードドライブ、フロッピードライブ、コンパクトディスク−読取り専用メモリ(CD−ROM)、コンパクトディスク−書換え可能(CD−RW)、デジタルビデオディスク−読取り専用メモリ(DVD−ROM)のいずれかの種類であってもよい。
【0076】
[0087]上記で説明されるコンポーネントは、一部のタイプの可能性を例示するよう意図されている。前述の例は、例示的な実施形態に過ぎず、決して本開示を限定するものではない。
用語
[0088]本明細書全体を通じて使用される用語、略語、および語句の簡単な定義が後段において示される。
【0077】
[0089]用語「接続された(connected)」または「結合された(coupled)」および関連する用語は、操作上の意味で使用され、必ずしも直接の物理的接続または結合に限定されるものではない。したがって、たとえば、2つのデバイスは、直接結合されてもよいか、または1つまたは複数の中間媒体またはデバイスを介して結合されてもよい。もう1つの例として、デバイスは、情報が相互間を渡されうるが、相互にいかなる物理的接続も共有しないような方法で結合されてもよい。本明細書において提供される開示に基づいて、前述の定義による接続または結合が存在するさまざまな方法を、当業者は理解するであろう。
【0078】
[0090]語句「一部の実施形態において(in some embodiments)」、「一部の実施形態によれば(according to some embodiments)」、「示される実施形態において(in the embodiments shown)」、「その他の実施形態において(in other embodiments)」、「実施形態(embodiments)」、などは概して、語句に続く特定の特徴、構造、または特性が、本発明の開示の少なくとも1つの実施形態に含まれ、本発明の開示の2つ以上の実施形態に含まれてもよいことを意味する。加えて、そのような語句は、必ずしも同一の実施形態または異なる実施形態を参照するものではない。
【0079】
[0091]コンポーネントまたは特徴が、含まれているかまたは特性を有する「ことがある(may)」、「ことができる(can)」、「ことがありうる(could)」、または「ことがあってもよい(might)」と、明細書が記述する場合、その特定のコンポーネントまたは特徴は、含まれているかまたは特性を有している必要はない。
【0080】
[0092]用語「即応性(responsive)」は、完全に、または部分的に即応性を含む。
[0093]用語「モジュール(module)」は、幅広く、ソフトウェア、ハードウェア
、またはファームウェア(もしくはその任意の組み合わせ)コンポーネントを示す。モジュールは通常、指定された入力を使用して有用なデータまたはその他の出力を生成することができる機能コンポーネントである。モジュールは、内蔵型であっても、内蔵型でなくてもよい。アプリケーションプログラム(「アプリケーション」とも称される)は、1つまたは複数のモジュールを含むことができるか、またはモジュールは、1つまたは複数のアプリケーションプログラムを含むことができる。
【0081】
[0094]用語「network(ネットワーク)」は、概して、情報を交換することができる相互接続されたデバイスのグループを示す。ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)上のいくつかのパーソナルコンピュータ程度の小規模なものであってもよいか、またはインターネット、コンピュータのワールドワイドネットワークなど大規模なものであってもよい。本明細書において使用されるように、「ネットワーク」は、情報をあるエンティティから別のエンティティに送信することができる任意のネットワークを含むことが意図される。場合によっては、ネットワークは、複数のネットワーク、さらには、1つまたは複数のボーダーネットワーク、音声ネットワーク、ブロードバンドネットワーク、金融ネットワーク、サービスプロバイダネットワーク、インターネットサービスプロバイダ(ISP)ネットワーク、および/または公衆交換電話網(PSTN)など、さまざまなネットワーク間の通信を容易にするように動作可能なゲートウェイを介して相互接続された、複数の異機種混合のネットワークで構成されてもよい。
【0082】
[0095]また、説明のために、本発明の開示のさまざまな実施形態は、本明細書において、コンピュータプログラム、物理コンポーネント、および最新コンピュータネットワーク内の論理的対話のコンテキストにおいて説明されてきた。重要なことに、これらの実施形態は、本発明の開示のさまざまな実施形態を、最新コンピュータネットワークおよびプログラムに関連して説明するが、本明細書において説明される方法および装置は、当業者が理解するであろうように、その他のシステム、デバイス、およびネットワークにも同等に適用可能である。そのようなものとして、本発明の開示の実施形態の示されるアプリケーションは、限定的であることは意図されておらず、例示的なものである。本発明の開示の実施形態が適用可能であるその他のシステム、デバイス、およびネットワークは、たとえば、その他のタイプの通信ならびにコンピュータデバイスおよびシステムを含む。さらに具体的には、実施形態は、通信システム、サービス、ならびに携帯電話ネットワークおよび互換のデバイスなどデバイスに適用可能である。加えて、実施形態は、パーソナルコンピュータから大型ネットワークメインフレームおよびサーバに至るあらゆるレベルのコンピューティングに適用可能である。
【0083】
[0096]結論として、本発明の開示は、複数証券資産を作成、償還、および取引するための最新のシステム、方法、および配置を提供する。本開示の1つまたは複数の実施形態の詳細な説明は上記で行なわれたが、当業者には、本開示の精神を逸脱することのない、さまざまな代替、変更、および均等物が明らかとなろう。たとえば、上記で説明される実施形態は、特定の特徴を参照するが、本開示の範囲はまた、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態、および説明された特徴のすべてを含んではいない実施形態を含む。したがって、本発明の開示の範囲は、すべてのそのような代替、変更、および変形を、そのすべての均等物と共に、請求項の範囲に含まれるものとして包含することが意図される。したがって、上記の説明は限定的なものとして解釈されるべきではない。
実施形態例
[0097]実施例1は、分散型台帳を使用する資産取引システムを含み、資産取引システムは、少なくとも1つのプロセッサと、命令を記憶した少なくとも1つのコンピュータ可読ストレージ媒体であって、少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、資産取引システムに、複数の異なる資産を有するファンドの少なくとも1つのシェアを表すデジタルファンドトークンを作成するための作成要求が、(i)受信され、(ii)第1の宛
先アカウントに関連付けられた秘密鍵で電子的に署名され、(iii)ファンドの少なくとも1つのシェアの構成を示すとき、ファンドの少なくとも1つのシェアによって表される複数の異なる資産をエスクローアカウントに入れさせ、デジタルファンドトークンを作成させ、デジタルファンドトークンはファンドのシェアの構成を示し、さらに、デジタルファンドトークンの作成を分散型台帳に記録させる命令を記憶した少なくとも1つのコンピュータ可読ストレージ媒体とを備える。
【0084】
[0098]実施例2は、実施例1の資産取引システムを含み、命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、資産取引システムにさらに、複数の異なる資産を有するファンドの少なくとも1つのシェアを表すデジタルファンドトークンを作成するための作成要求が、(i)受信され、(ii)第1の宛先アカウントに関連付けられた秘密鍵で電子的に署名され、(iii)ファンドの少なくとも1つのシェアの構成を示すとき、デジタルファンドトークンを作成する前に、ファンドの少なくとも1つのシェアによって表される複数の異なる資産が第1の宛先アカウントに関連付けられていることの確認を分散型台帳から受信させる。
【0085】
[0099]実施例3は、実施例1〜2のいずれかの資産取引システムを含み、命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、資産取引システムにさらに、複数の異なる資産を有するファンドの少なくとも1つのシェアを表すデジタルファンドトークンを作成するための作成要求が、(i)受信され、(ii)第1の宛先アカウントに関連付けられた秘密鍵で電子的に署名され、(iii)ファンドの少なくとも1つのシェアの構成を示すとき、デジタルファンドトークンを作成する前に、複数の異なる資産を表す複数のデジタルトークンを作成させ、複数のデジタルトークンの作成を分散型台帳に記録させ、デジタルファンドトークンの作成の一部として、複数の異なる資産を表す複数のデジタルトークンをエスクローステートに入れさせ、複数の異なる資産を表す複数のデジタルトークンのエスクローステートを分散型台帳に記録させる。
【0086】
[0100]実施例4は、実施例1〜3のいずれかの資産取引システムを含み、命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、資産取引システムにさらに、複数の異なる資産を有するファンドの少なくとも1つのシェアを表すデジタルファンドトークンを償還するための償還要求が、(i)受信され、(ii)第1の宛先アカウントに関連付けられた秘密鍵で電子的に署名される場合、ファンドの少なくとも1つのシェアによって表される複数の異なる資産をエスクローアカウントから解放させ、デジタルファンドトークンを破棄させ、デジタルファンドトークンの破棄を分散型台帳に記録させる。
【0087】
[0101]実施例5は、実施例4の資産取引システムを含み、命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、資産取引システムにさらに、複数の異なる資産を有するファンドの少なくとも1つのシェアを表すデジタルファンドトークンを償還するための償還要求が、(i)受信され、(ii)第1の宛先アカウントに関連付けられた秘密鍵で電子的に署名される場合、デジタルファンドトークンを破棄する前に、複数の異なる資産を表す複数のデジタルトークンをエスクローステートから除去させ、複数の異なる資産を表す複数のデジタルトークンのエスクローステートの除去を分散型台帳に記録させる。
【0088】
[0102]実施例6は、実施例1〜5のいずれかの資産取引システムを含み、命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、資産取引システムにさらに、複数の異なる資産を有するファンドの少なくとも1つのシェアを表すデジタルファンドトークンを転送するための転送要求が、(i)受信され、(ii)第1の宛先アカウントに関連付けられた秘密鍵で電子的に署名される場合、デジタルファンドトークンを第1の宛先アカウントから第2の宛先アカウントに転送させ、デジタルファンドトークンの転送を分散型台帳に記録させる。
【0089】
[0103]実施例7は、実施例1〜6のいずれかの資産取引システムを含み、ファンドは、上場投資信託、ミューチュアルファンド、インデックスファンド、公社債、商品ファンド、通貨ファンド、および不動産ファンドのうちの1つである。
【0090】
[0104]実施例8は、分散型台帳を使用してデジタルファンドトークンを作成および償還する方法を含み、方法は、複数の異なる資産を有するファンドの少なくとも1つのシェアを表すデジタルファンドトークンを作成するための作成要求が、(i)受信され、(ii)第1の宛先アカウントに関連付けられた秘密鍵で電子的に署名され、(iii)ファンドの少なくとも1つのシェアの構成を示すとき、ファンドの少なくとも1つのシェアによって表される複数の異なる資産をエスクローアカウントに入れるステップと、デジタルファンドトークンを作成するステップであって、デジタルファンドトークンはファンドのシェアの構成を示すステップと、デジタルファンドトークンの作成を分散型台帳に記録するステップとを備える。
【0091】
[0105]実施例9は、実施例8の方法を含み、方法は、複数の異なる資産を有するファンドの少なくとも1つのシェアを表すデジタルファンドトークンを作成するための作成要求が、(i)受信され、(ii)第1の宛先アカウントに関連付けられた秘密鍵で電子的に署名され、(iii)ファンドの少なくとも1つのシェアの構成を示すとき、デジタルファンドトークンを作成する前に、ファンドの少なくとも1つのシェアによって表される複数の異なる資産が第1の宛先アカウントに関連付けられていることの確認を分散型台帳から受信するステップをさらに備える。
【0092】
[0106]実施例10は、実施例9の方法を含み、方法は、複数の異なる資産を有するファンドの少なくとも1つのシェアを表すデジタルファンドトークンを作成するための作成要求が、(i)受信され、(ii)第1の宛先アカウントに関連付けられた秘密鍵で電子的に署名され、(iii)ファンドの少なくとも1つのシェアの構成を示すとき、デジタルファンドトークンを作成する前に、複数の異なる資産を表す複数のデジタルトークンを作成するステップと、複数のデジタルトークンの作成を分散型台帳に記録するステップとをさらに備え、デジタルファンドトークンを作成するステップの一部として、複数の異なる資産を表す複数のデジタルトークンをエスクローステートに入れるステップと、複数の異なる資産を表す複数のデジタルトークンのエスクローステートを分散型台帳に記録するステップとをさらに備える。
【0093】
[0107]実施例11は、実施例8〜10のいずれかの方法を含み、方法は、複数の異なる資産を有するファンドの少なくとも1つのシェアを表すデジタルファンドトークンを償還するための償還要求が、(i)受信され、(ii)第1の宛先アカウントに関連付けられた秘密鍵で電子的に署名される場合、ファンドの少なくとも1つのシェアによって表される複数の異なる資産をエスクローアカウントから解放するステップと、デジタルファンドトークンを破棄するステップと、デジタルファンドトークンの破棄を分散型台帳に記録するステップとをさらに備える。
【0094】
[0108]実施例12は、実施例11の方法を含み、方法は、複数の異なる資産を有するファンドの少なくとも1つのシェアを表すデジタルファンドトークンを償還するための償還要求が、(i)受信され、(ii)第1の宛先アカウントに関連付けられた秘密鍵で電子的に署名される場合、デジタルファンドトークンを破棄する前に、複数の異なる資産を表す複数のデジタルトークンをエスクローステートから除去するステップと、複数の異なる資産を表す複数のデジタルトークンのエスクローステートの除去を分散型台帳に記録するステップとをさらに備える。
【0095】
[0109]実施例13は、実施例8〜12のいずれかの方法を含み、方法は、複数の異なる資産を有するファンドの少なくとも1つのシェアを表すデジタルファンドトークンを転送するための転送要求が、(i)受信され、(ii)第1の宛先アカウントに関連付けられた秘密鍵で電子的に署名される場合、デジタルファンドトークンを第1の宛先アカウントから第2の宛先アカウントに転送するステップと、デジタルファンドトークンの転送を分散型台帳に記録するステップとをさらに備える。
【0096】
[0110]実施例14は、実施例8〜13のいずれかの方法を含み、ファンドは、上場投資信託、ミューチュアルファンド、インデックスファンド、公社債、商品ファンド、通貨ファンド、および不動産ファンドのうちの1つである。
【0097】
[0111]実施例15は、命令のセットを含む非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体を含み、命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、マシンに、複数の異なる資産を有するファンドの少なくとも1つのシェアを表すデジタルファンドトークンを作成するための作成要求が、(i)受信され、(ii)第1の宛先アカウントに関連付けられた秘密鍵で電子的に署名され、(iii)ファンドの少なくとも1つのシェアの構成を示すとき、ファンドの少なくとも1つのシェアによって表される複数の異なる資産をエスクローアカウントに入れさせ、デジタルファンドトークンを作成させ、デジタルファンドトークンはファンドのシェアの構成を示し、さらに、デジタルファンドトークンの作成を分散型台帳に記録させる。
【0098】
[0112]実施例16は、実施例15の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体を含み、命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、マシンにさらに、複数の異なる資産を有するファンドの少なくとも1つのシェアを表すデジタルファンドトークンを作成するための作成要求が、(i)受信され、(ii)第1の宛先アカウントに関連付けられた秘密鍵で電子的に署名され、(iii)ファンドの少なくとも1つのシェアの構成を示すとき、デジタルファンドトークンを作成する前に、ファンドの少なくとも1つのシェアによって表される複数の異なる資産が第1の宛先アカウントに関連付けられていることの確認を分散型台帳から受信させる。
【0099】
[0113]実施例17は、実施例16の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体を含み、命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、マシンにさらに、複数の異なる資産を有するファンドの少なくとも1つのシェアを表すデジタルファンドトークンを作成するための作成要求が、(i)受信され、(ii)第1の宛先アカウントに関連付けられた秘密鍵で電子的に署名され、(iii)ファンドの少なくとも1つのシェアの構成を示すとき、デジタルファンドトークンを作成する前に、複数の異なる資産を表す複数のデジタルトークンを作成させ、複数のデジタルトークンの作成を分散型台帳に記録させ、デジタルファンドトークンの作成の一部として、複数の異なる資産を表す複数のデジタルトークンをエスクローステートに入れさせ、複数の異なる資産を表す複数のデジタルトークンのエスクローステートを分散型台帳に記録させる。
【0100】
[0114]実施例18は、実施例15〜17のいずれかの非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体を含み、命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、マシンにさらに、複数の異なる資産を有するファンドの少なくとも1つのシェアを表すデジタルファンドトークンを償還するための償還要求が、(i)受信され、(ii)第1の宛先アカウントに関連付けられた秘密鍵で電子的に署名される場合、ファンドの少なくとも1つのシェアによって表される複数の異なる資産をエスクローアカウントから解放させ、デジタルファンドトークンを破棄させ、デジタルファンドトークンの破棄を分散型台帳に記録させる。
【0101】
[0115]実施例19は、実施例18の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体を含み、命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、マシンにさらに、複数の異なる資産を有するファンドの少なくとも1つのシェアを表すデジタルファンドトークンを償還するための償還要求が、(i)受信され、(ii)第1の宛先アカウントに関連付けられた秘密鍵で電子的に署名される場合、デジタルファンドトークンを破棄する前に、複数の異なる資産を表す複数のデジタルトークンをエスクローステートから除去させ、複数の異なる資産を表す複数のデジタルトークンのエスクローステートの除去を分散型台帳に記録させる。
[0116]実施例20は、実施例15〜19の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体を含み、ファンドは、上場投資信託、ミューチュアルファンド、インデックスファンド、公社債、商品ファンド、通貨ファンド、および不動産ファンドのうちの1つである。

[発明の態様]
[1]
分散型台帳を使用する資産取引システムであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
命令を記憶した少なくとも1つのコンピュータ可読ストレージ媒体であって、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記資産取引システムに、
複数の異なる資産を有するファンドの少なくとも1つのシェアを表すデジタルファンドトークンを作成するための作成要求が、(i)受信され、(ii)第1の宛先アカウントに関連付けられた秘密鍵で電子的に署名され、(iii)前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアの構成を示すとき、
前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアによって表される前記複数の異なる資産をエスクローアカウントに入れさせ、
前記デジタルファンドトークンを作成させ、前記デジタルファンドトークンは前記ファンドの前記シェアの前記構成を示し、さらに、
前記デジタルファンドトークンの前記作成を分散型台帳に記録させる命令を記憶したコンピュータ可読ストレージ媒体とを備える資産取引システム。
[2]
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記資産取引システムにさらに、
前記複数の異なる資産を有する前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアを表す前記デジタルファンドトークンを作成するための前記作成要求が、(i)受信され、(ii)前記第1の宛先アカウントに関連付けられた前記秘密鍵で電子的に署名され、(iii)前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアの前記構成を示すとき、
前記デジタルファンドトークンを作成する前に、前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアによって表される前記複数の異なる資産が前記第1の宛先アカウントに関連付けられていることの確認を前記分散型台帳から受信させる請求項1に記載の資産取引システム。
[3]
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記資産取引システムにさらに、
前記複数の異なる資産を有する前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアを表す前記デジタルファンドトークンを作成するための前記作成要求が、(i)受信され、(ii)前記第1の宛先アカウントに関連付けられた前記秘密鍵で電子的に署名され、(iii)前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアの前記構成を示すとき、
前記デジタルファンドトークンを作成する前に、
前記複数の異なる資産を表す複数のデジタルトークンを作成させ、
前記複数のデジタルトークンの前記作成を前記分散型台帳に記録させ、
前記デジタルファンドトークンの作成の一部として、
前記複数の異なる資産を表す前記複数のデジタルトークンをエスクローステートに入れさせ、
前記複数の異なる資産を表す前記複数のデジタルトークンの前記エスクローステートを前記分散型台帳に記録させる請求項1に記載の資産取引システム。
[4]
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記資産取引システムにさらに、
前記複数の異なる資産を有する前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアを表す前記デジタルファンドトークンを償還するための償還要求が、(i)受信され、(ii)前記第1の宛先アカウントに関連付けられた前記秘密鍵で電子的に署名される場合、
前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアによって表される前記複数の異なる資産を前記エスクローアカウントからリリースさせ、
前記デジタルファンドトークンを破棄させ、
前記デジタルファンドトークンの前記破棄を前記分散型台帳に記録させる請求項1に記載の資産取引システム。
[5]
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記資産取引システムにさらに、
前記複数の異なる資産を有する前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアを表す前記デジタルファンドトークンを償還するための前記償還要求が、(i)受信され、(ii)前記第1の宛先アカウントに関連付けられた前記秘密鍵で電子的に署名される場合、
前記デジタルファンドトークンを破棄する前に、
前記複数の異なる資産を表す前記複数のデジタルトークンを前記エスクローステートから除去させ、
前記複数の異なる資産を表す前記複数のデジタルトークンの前記エスクローステートの前記除去を前記分散型台帳に記録させる請求項4に記載の資産取引システム。
[6]
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記資産取引システムにさらに、
前記複数の異なる資産を有する前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアを表す前記デジタルファンドトークンを転送するための転送要求が、(i)受信され、(ii)前記第1の宛先アカウントに関連付けられた秘密鍵で電子的に署名される場合、
前記デジタルファンドトークンを前記第1の宛先アカウントから第2の宛先アカウントに転送させ、
前記デジタルファンドトークンの前記転送を前記分散型台帳に記録させる請求項1に記載の資産取引システム。
[7]
前記ファンドは、上場投資信託、ミューチュアルファンド、インデックスファンド、公社債、商品ファンド、通貨ファンド、および不動産ファンドのうちの1つである請求項1に記載の資産取引システム。
[8]
分散型台帳を使用してデジタルファンドトークンを作成および償還する方法であって、
複数の異なる資産を有するファンドの少なくとも1つのシェアを表すデジタルファンドトークンを作成するための作成要求が、(i)受信され、(ii)第1の宛先アカウントに関連付けられた秘密鍵で電子的に署名され、(iii)前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアの構成を示すとき、
前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアによって表される前記複数の異なる資産をエスクローアカウントに入れるステップと、
前記デジタルファンドトークンを作成するステップであって、前記デジタルファンドトークンは前記ファンドの前記シェアの前記構成を示すステップと、
前記デジタルファンドトークンの前記作成を前記分散型台帳に記録するステップとを備える方法。
[9]
前記複数の異なる資産を有する前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアを表す前記デジタルファンドトークンを作成するための前記作成要求が、(i)受信され、(ii)前記第1の宛先アカウントに関連付けられた前記秘密鍵で電子的に署名され、(iii)前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアの前記構成を示すとき、
前記デジタルファンドトークンを作成する前に、前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアによって表される前記複数の異なる資産が前記第1の宛先アカウントに関連付けられていることの確認を前記分散型台帳から受信するステップをさらに備える請求項8に記載の方法。
[10]
前記複数の異なる資産を有する前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアを表す前記デジタルファンドトークンを作成するための前記作成要求が、(i)受信され、(ii)前記第1の宛先アカウントに関連付けられた前記秘密鍵で電子的に署名され、(iii)前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアの前記構成を示すとき、
前記デジタルファンドトークンを作成する前に、
前記複数の異なる資産を表す複数のデジタルトークンを作成するステップと、
前記複数のデジタルトークンの前記作成を前記分散型台帳に記録するステップとをさらに備え、
前記デジタルファンドトークンを作成するステップの一部として、
前記複数の異なる資産を表す前記複数のデジタルトークンをエスクローステートに入れるステップと、
前記複数の異なる資産を表す前記複数のデジタルトークンの前記エスクローステートを前記分散型台帳に記録するステップとをさらに備える請求項9に記載の方法。
[11]
前記複数の異なる資産を有する前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアを表す前記デジタルファンドトークンを償還するための償還要求が、(i)受信され、(ii)前記第1の宛先アカウントに関連付けられた前記秘密鍵で電子的に署名される場合、
前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアによって表される前記複数の異なる資産を前記エスクローアカウントからリリースするステップと、
前記デジタルファンドトークンを破棄するステップと、
前記デジタルファンドトークンの前記破棄を前記分散型台帳に記録するステップとをさらに備える請求項8に記載の方法。
[12]
前記複数の異なる資産を有する前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアを表す前記デジタルファンドトークンを償還するための前記償還要求が、(i)受信され、(ii)前記第1の宛先アカウントに関連付けられた前記秘密鍵で電子的に署名される場合、
前記デジタルファンドトークンを破棄する前に、
前記複数の異なる資産を表す前記複数のデジタルトークンを前記エスクローステートから除去するステップと、
前記複数の異なる資産を表す前記複数のデジタルトークンの前記エスクローステートの前記除去を前記分散型台帳に記録するステップとをさらに備える請求項11に記載の方法。
[13]
前記複数の異なる資産を有する前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアを表す前記デジタルファンドトークンを転送するための転送要求が、(i)受信され、(ii)前記第1の宛先アカウントに関連付けられた秘密鍵で電子的に署名される場合、
前記デジタルファンドトークンを前記第1の宛先アカウントから第2の宛先アカウントに転送するステップと、
前記デジタルファンドトークンの前記転送を前記分散型台帳に記録するステップとをさらに備える請求項8に記載の方法。
[14]
前記ファンドは、上場投資信託、ミューチュアルファンド、インデックスファンド、公社債、商品ファンド、通貨ファンド、および不動産ファンドのうちの1つである請求項8に記載の方法。
[15]
非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体であって、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、マシンに、
複数の異なる資産を有するファンドの少なくとも1つのシェアを表すデジタルファンドトークンを作成するための作成要求が、(i)受信され、(ii)第1の宛先アカウントに関連付けられた秘密鍵で電子的に署名され、(iii)前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアの構成を示すとき、
前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアによって表される前記複数の異なる資産をエスクローアカウントに入れさせ、
前記デジタルファンドトークンを作成させ、前記デジタルファンドトークンは前記ファンドの前記シェアの前記構成を示し、さらに、
前記デジタルファンドトークンの前記作成を分散型台帳に記録させる
命令のセットを含む非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。
[16]
前記命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、前記マシンにさらに、
前記複数の異なる資産を有する前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアを表す前記デジタルファンドトークンを作成するための前記作成要求が、(i)受信され、(ii)前記第1の宛先アカウントに関連付けられた前記秘密鍵で電子的に署名され、(iii)前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアの前記構成を示すとき、
前記デジタルファンドトークンを作成する前に、前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアによって表される前記複数の異なる資産が前記第1の宛先アカウントに関連付けられていることの確認を前記分散型台帳から受信させる請求項15に記載の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。
[17]
前記命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、前記マシンにさらに、
前記複数の異なる資産を有する前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアを表す前記デジタルファンドトークンを作成するための前記作成要求が、(i)受信され、(ii)前記第1の宛先アカウントに関連付けられた前記秘密鍵で電子的に署名され、(iii)前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアの前記構成を示すとき、
前記デジタルファンドトークンを作成する前に、
前記複数の異なる資産を表す複数のデジタルトークンを作成させ、
前記複数のデジタルトークンの前記作成を前記分散型台帳に記録させ、
前記デジタルファンドトークンの作成の一部として、
前記複数の異なる資産を表す前記複数のデジタルトークンをエスクローステートに入れさせ、
前記複数の異なる資産を表す前記複数のデジタルトークンの前記エスクローステートを前記分散型台帳に記録させる請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。
[18]
前記命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、前記マシンにさらに、
前記複数の異なる資産を有する前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアを表す前記デジタルファンドトークンを償還するための償還要求が、(i)受信され、(ii)前記第1の宛先アカウントに関連付けられた前記秘密鍵で電子的に署名される場合、
前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアによって表される前記複数の異なる資産を前記エスクローアカウントからリリースさせ、
前記デジタルファンドトークンを破棄させ、
前記デジタルファンドトークンの前記破棄を前記分散型台帳に記録させる
請求項15に記載の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。
[19]
前記命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、前記マシンにさらに、
前記複数の異なる資産を有する前記ファンドの前記少なくとも1つのシェアを表す前記デジタルファンドトークンを償還するための前記償還要求が、(i)受信され、(ii)前記第1の宛先アカウントに関連付けられた前記秘密鍵で電子的に署名される場合、
前記デジタルファンドトークンを破棄する前に、
前記複数の異なる資産を表す前記複数のデジタルトークンを前記エスクローステートから除去させ、
前記複数の異なる資産を表す前記複数のデジタルトークンの前記エスクローステートの前記除去を前記分散型台帳に記録させる請求項18に記載の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。
[20]
前記ファンドは、上場投資信託、ミューチュアルファンド、インデックスファンド、公社債、商品ファンド、通貨ファンド、および不動産ファンドのうちの1つである請求項15に記載の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【外国語明細書】
2021168136000001.pdf