【解決手段】コネクタ装置Aは、発熱体13が実装された回路基板11と、回路基板11を収容するケース10と、ケース10とは別体の部材であり、発熱体13との間で熱伝達が可能な金属製の伝熱部材24とを備えている。発熱体13が発した熱は、伝熱部材24を介してケース10の外部へ放出することができる。放熱するための部品として、ケース10とは別体の部材である伝熱部材24を設けたので、ケース10全体を金属部材にする場合に比べると、軽量化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列記して説明する。
本開示のコネクタ装置は、
(1)発熱体が実装された回路基板と、前記回路基板を収容するケースと、前記ケースとは別体の部材であり、前記発熱体との間で熱伝達が可能な金属製の伝熱部材とを備えている。本開示の構成によれば、発熱体が発した熱は、伝熱部材を介してケースの外部へ放出することができる。放熱するための部品として、ケースとは別体の部材である伝熱部材を設けたので、ケース全体を金属部材にする場合に比べると、軽量化を図ることができる。
【0010】
(2)(1)において、前記回路基板には、前記ケースの外部に臨む基板用コネクタが取り付けられ、前記伝熱部材が、前記基板用コネクタを構成する基板用端子金具を含んでいることが好ましい。この構成によれば、発熱体が発した熱は、基板用端子金具を介してケースの外部へ放出することができる。既存の基板用コネクタの基板用端子金具を伝熱部材として利用したので、放熱専用の伝熱部材を設ける場合に比べると、コストを低減することができる。
【0011】
(3)(2)において、前記基板用端子金具と前記発熱体が、放熱用接着剤を介して固着されていることが好ましい。この構成によれば、放熱用接着剤は、基板用端子金具と発熱体の両方に対して広い面積で密着するので、熱の伝達経路が基板用端子金具と発熱体との直接的な接触部分だけの場合に比べると、基板用端子金具と発熱体との間の熱抵抗が小さい。したがって、発熱体が発した熱を効率的に基板用端子金具に伝達することができる。
【0012】
(4)(2)又は(3)において、前記基板用コネクタには、前記基板用端子金具と接続可能なハーネス側端子金具を有するハーネス側コネクタが嵌合され、前記伝熱部材が、前記ハーネス側端子金具を含んでいることが好ましい。この構成によれば、発熱体から基板用端子金具に伝達された熱が、ハーネス側端子金具を介してケースの外部に放出されるので、放熱効果を得ることができる。
【0013】
(5)(4)において、前記ケースの外部には、前記ハーネス側端子金具との間で熱伝達が可能な放熱部材が設けられていることが好ましい。この構成によれば、ハーネス側端子金具に伝達された熱を、放熱部材を介して効果的に放出することができる。
【0014】
(6)(1)において、前記ケース内において前記発熱体との間で熱伝達可能なシールドシェルを備えており、前記伝熱部材が前記シールドシェルを含んでいることが好ましい。この構成によれば、発熱体が発した熱は、シールドシェルを介してケースの外部へ放出することができる。シールド機能を発揮する既存のシールドシェルを伝熱部材として利用したので、放熱専用の伝熱部材を設ける場合に比べると、コストを低減することができる。
【0015】
(7)(6)において、前記シールドシェルは、前記ケースの内部で前記回路基板を包囲する基板用シールド部材と、前記ケースの外部に配置された外導体とを備えていることが好ましい。この構成によれば、発熱体で発生した熱は、基板用シールド部材と外導体を介すことによって、ケースの外部へ放出することができる。外導体はケースの外部に配置されているので、発熱体の熱を確実にケースの外部へ放出することができる。
【0016】
[本開示の実施形態の詳細]
[実施例1]
本開示を具体化した実施例1を、
図1〜
図2を参照して説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。本実施例1において、前後の方向については、
図1における斜め右上方及び
図2における右方を、前方と定義する。上下の方向については、
図1、2にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。
【0017】
本実施例1のコネクタ装置Aは、自動車のECU(Electronic Control Unit)を構成するものであり、合成樹脂製のケース10と、ケース10内に収容した回路基板11と、回路基板11に実装した基板用コネクタ15と、ワイヤーハーネス35に接続したハーネス側コネクタ30と、放熱部材39とを備えている。回路基板11は、ケース10内に水平に配置されている。回路基板11の上面には、複数の電子部品12が実装されている。本実施例では、複数の電子部品12のうち通電によって発熱する部品を、発熱体13と定義する。発熱体13は、回路基板11の前端部に配置されている。発熱体13には、発熱体13を上下に貫通した形態の孔部14が形成されている。
【0018】
基板用コネクタ15は、合成樹脂製の雄側ハウジング16に、L字形に屈曲した複数本の基板用端子金具20を取り付けたものである。雄側ハウジング16は、回路基板11の上面前端部に固定されている。雄側ハウジング16は、基板用端子金具20を貫通させる端子保持部17と、端子保持部17から前方へ角筒状に突出したフード部18とを有する。フード部18は、ケース10の前板部を貫通して、ケース10の外部前方へ突出している。つまり、基板用コネクタ15は、フード部18をケース10の外部に臨ませた状態でケース10と回路基板11に取り付けられている。
【0019】
基板用端子金具20は、屈曲部21から前方へ延出したタブ22と、屈曲部21から下方へ延出した基板接続部23とを有する金属部品である。屈曲部21は、雄側ハウジング16の後方外部に配置されている。タブ22は、端子保持部17を貫通し、端子保持部17材から前方へ突出してフード部18内に収容されている。基板接続部23は、雄側ハウジング16の後方外部に配置され、回路基板11のスルーホール26に貫通されている。複数の基板用端子金具20のうち1つの基板用端子金具20は、伝熱部材24として機能する。伝熱部材24として機能する基板用端子金具20の基板接続部23は、発熱体13の孔部14とスルーホール26の両方を貫通している。孔部14内では、発熱体13から発せられた熱が、基板接続部23に伝達される。
【0020】
ハーネス側コネクタ30は、合成樹脂製の雌側ハウジング31と、雌側ハウジング31内に取り付けた複数のハーネス側端子金具32とを備えている。ハーネス側端子金具32は、角筒状の端子本体部33とオープンバレル状の圧着部34とを有する金属部品である。ハーネス側コネクタ30は、ケース10の外部において基板用コネクタ15のフード部18に嵌合される。ハーネス側ハウジングを基板用コネクタ15のフード部18に嵌合した状態では、ハーネス側端子金具32の端子本体部33と基板用端子金具20のタブ22とが、導通可能に接続されるとともに、熱伝達し得るように直接的に接触する。複数のハーネス側端子金具32のうち、伝熱部材24として機能する基板用端子金具20と接触する1つのハーネス側端子金具32は、伝熱部材24として機能する。
【0021】
圧着部34は、ワイヤーハーネス35を構成する被覆電線36に固着される。被覆電線36は、金属製の導体37と、導体37を包囲する合成樹脂製の絶縁被覆38とを有する。圧着部34と導体37は、導通可能に接続されるとともに、熱伝達し得るように直接的に接触している。複数本の導体37のうち、伝熱部材24として機能するハーネス側端子金具32と接触する1本の導体37は、伝熱部材24として機能する。
【0022】
放熱部材39は、車体を構成する金属製のフレームの一部、又は車体に設けた金属部品である。
図1に示す放熱部材39は円筒形をなしているが、放熱部材39の形状は、円筒形に限らず、平板状等、他の形状のものでもよい。伝熱部材24として機能する導体37は、放熱部材39に対して熱伝達し得るように直接的に接触している。発熱体13が発した熱は、基板用端子金具20の基板接続部23に伝わり、屈曲部21とタブ22を介してハーネス側端子金具32の端子本体部33に伝わり、圧着部34と導体37を介して放熱部材39に伝わり、放熱部材39の表面から大気中に放出される。
【0023】
本実施例1のコネクタ装置Aは、発熱体13が実装された回路基板11と、回路基板11を収容するケース10と、ケース10とは別体の部材であり、発熱体13との間で熱伝達が可能な金属製の伝熱部材24とを備えている。発熱体13が発した熱は、伝熱部材24を介してケース10の外部へ放出することができる。コネクタ装置Aは、放熱するための部品として、ケース10とは別体の部材である伝熱部材24を設けたので、ケース10全体を金属部材にする場合に比べると、軽量化を図ることができる。
【0024】
回路基板11には、ケース10の外部に臨む基板用コネクタ15が取り付けられている。伝熱部材24は、基板用コネクタ15を構成する基板用端子金具20を含んでいる。発熱体13が発した熱は、基板用端子金具20を介してケース10の外部へ放出することができる。既存の基板用コネクタ15の基板用端子金具20を伝熱部材24として利用したので、放熱専用の伝熱部材を設ける場合に比べると、コストを低減することができる。
【0025】
基板用コネクタ15には、基板用端子金具20と接続可能なハーネス側端子金具32を有するハーネス側コネクタ30が嵌合されている。伝熱部材24は、ハーネス側端子金具32を含んでいる。発熱体13から基板用端子金具20に伝達された熱は、ハーネス側端子金具32を介してケース10の外部に放出されるので、放熱効果を得ることができる。ケース10の外部には、ハーネス側端子金具32との間で導体37を介して熱伝達が可能な放熱部材39が設けられている。ハーネス側端子金具32に伝達された熱を、放熱部材39を介して効果的に放出することができる。
【0026】
[実施例2]
本開示を具体化した実施例2を、
図3を参照して説明する。本実施例2は、発熱体13(電子部品12)と基板用端子金具20との間の熱伝達構造を上記実施例1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施例1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0027】
発熱体13の上面には、基板用端子金具20の基板接続部23の下端部が当接している。発熱体13の上面には、基板接続部23が当接している領域を囲むように放熱用接着剤40が塗布されている。放熱用接着剤40は、シリコーンを材料とした接着剤である。放熱用接着剤40の熱伝導率は、一般的なシリコーン系接着剤に比べて高く、例えば、0.83W/m・k〜4.22W/m・kである。発熱体13と基板接続部23は、放熱性接着剤によって、直接的に接触した状態に固着されている。
【0028】
発熱体13で発した熱は、基板接続部23に直接的に伝達されるとともに、放熱用接着剤40を介して基板接続部23に伝達される。放熱用接着剤40は、基板用端子金具20と発熱体13の両方に対して広い面積で密着するので、熱の伝達経路が基板用端子金具20の下端面と発熱体13の上面との直接的な接触部分だけの場合に比べると、基板用端子金具20と発熱体13との間の熱抵抗が小さい。したがって、発熱体13が発した熱を効率的に基板用端子金具20に伝達することができる。
【0029】
[実施例3]
本開示を具体化した実施例3を、
図4を参照して説明する。本実施例3は、発熱体13(電子部品12)と基板用端子金具41との間の熱伝達構造を上記実施例1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施例1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0030】
基板用端子金具41の基板接続部23の下端部には、L字形に屈曲した座面部42が形成されている。発熱体13の上面には放熱用接着剤40が塗布されている。放熱用接着剤40の上面には、座面部42が載置されている。つまり、発熱体13の上面と座面部42の下面とは直接的に接触しておらず、発熱体13の上面と座面部42の下面との間に放熱用接着剤40が介在している。放熱用接着剤40は、シリコーンを材料とした接着剤である。放熱用接着剤40の熱伝導率は、一般的なシリコーン系接着剤に比べて高く、例えば、0.83W/m・k〜4.22W/m・kである。
【0031】
発熱体13と基板接続部23は、放熱用接着剤40によって固着されている。発熱体13で発した熱は、放熱用接着剤40を介して基板接続部23の座面部42に伝達される。放熱用接着剤40は、座面部42と発熱体13の両方に対して広い面積で密着するので、基板用端子金具41と発熱体13との間の熱抵抗が小さい。したがって、発熱体13が発した熱を効率的に基板用端子金具41に伝達することができる。
【0032】
[実施例4]
本開示を具体化した実施例4を、
図5を参照して説明する。本実施例4は、発熱体13(電子部品12)と基板用端子金具43との間の熱伝達構造を上記実施例1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施例1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0033】
基板用端子金具43の基板接続部44の下端部には、ジグザグ状(稲妻状、Z字状)に屈曲したバネ部45が形成されている。バネ部45の下端部には、平板状の座面部46が形成されている。基板用端子金具43を発熱体13に取り付けた状態では、バネ部45が弾性変形し、座面部46が発熱体13の上面に対して弾性的に当接する。座面部46は、バネ部45の弾性復元力によって、発熱体13の上面に対して加圧状態でかつ面接触状態で接触している。
【0034】
発熱体13が発した熱は、座面部46において基板用端子金具43に伝達される。座面部46と発熱体13とは、座面部46の全領域にわたって広い面積で密着するので、基板用端子金具43と発熱体13との間の熱抵抗が小さい。したがって、発熱体13が発した熱を効率的に基板用端子金具43に伝達することができる。
【0035】
[実施例5]
本開示を具体化した実施例5を、
図6を参照して説明する。本実施例5において、前後の方向については、
図6における左方を、前方と定義する。上下の方向については、
図6にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。本実施例5のコネクタ装置Bは、自動車の走行制御用カメラを構成するものであり、合成樹脂製のケース50と、カバー52と、ケース50内に収容した前後一対の回路基板53F,53Rと、ケース50内に収容された基板用シールド部材57と、ケース50内に収容した基板側コネクタ56と、ケース50外に配置したジョイントコネクタ65とを備えている。
【0036】
ケース50は、箱形をなす。ケース50の後面は前面にわたって開放されている。カバー52は、前後方向に貫通した角筒状をなし、ケースの後端部に取り付けられている。前後両回路基板53F,53Rは、ケース50内に垂直に配置されている。前側の回路基板53Fの前面には、カメラ用の撮像素子54が実装されている。撮像素子54は、通電によって発熱する発熱体55である。後側の回路基板53Rの後面には、基板側コネクタ56が実装されている。基板側コネクタ56は、ケース50の後面の開口部51に臨むように配置されている。
【0037】
基板用シールド部材57は、前板部58と、上板部59と、下板部60と、上下一対の接続板部61とを有する単一の金属部品である。前板部58は、前後両回路基板53F,53Rと平行をなし、ケース50の前壁部と前側の回路基板53F(発熱体55)との間に配置されている。上板部59は、前板部58の上端縁から後方へ平板状に延出した形態である。下板部60は、前板部58の下端縁から後方へ平板状に延出した形態である。上板部59と下板部60は、前後両基板側コネクタ56と発熱体55と基板側コネクタ56を上下に挟むように配置されている。
【0038】
前板部58の後面(基板用シールド部材57の内面)と発熱体55の前面は、放熱用接着剤62によって接着されている。放熱用接着剤62は、シリコーンを材料とした接着剤である。放熱用接着剤62の熱伝導率は、一般的なシリコーン系接着剤に比べて高く、例えば、0.83W/m・k〜4.22W/m・kである。放熱用接着剤62は、前板部58の後面と発熱体55の前面に対して広い面積にわたって直接的に密着している。基板用シールド部材57は、放熱用接着剤62を介して発熱体55に接着されることによって、伝熱部材63として機能する。
【0039】
上側の接続板部61は、上板部59の後端縁から下方へ平板状に延出した形態である。下側の接続板部61は、下板部60の後端縁から上方へ平板状に延出した形態である。上下両接続板部61は、ケース50の開口部51において、板厚方向を前後方向に向けた状態でケース50外へ露出するように配置されている。基板側コネクタ56の後端部は、上下両接続板部61の間の接続用開口64に臨んでいる。基板用シールド部材57は、前後両回路基板53F,53Rと発熱体55と基板側コネクタ56を囲むように配置されている。
【0040】
ジョイントコネクタ65は、内導体66と、誘電体67と、外導体68とを備える。内導体66の後端部は誘電体67内に収容されている。外導体68は、金属製の板材からなり、角筒状の本体部69と、上下一対の板状接続部70を有する単一部品である。本体部69は誘電体67を全周にわたって包囲している。上下一対の板状接続部70は、板厚方向を前後方向に向けた状態で、本体部69の前端縁から上下方向にフランジ状に張り出している。外導体68の後端部には、ワイヤーハーネス(図示省略)に取り付けたハーネス側コネクタ(図示省略)のハーネス側シールド部材(図示省略)が、直接的に接触した状態で接続されるようになっている。ハーネス側シールド部材は、外導体68と接触することによって、伝熱部材63として機能する。
【0041】
ジョイントコネクタ65は、外導体68の上下両板状接続部70の前面を基板用シールド部材57の上下両接続板部61の後面に当接させた状態で、基板用シールド部材57又はケース50に取り付けられている。板状接続部70の前面と接続板部61の後面は、平坦面からなり、互いに面接触状態で接触している。これにより、基板用シールド部材57と外導体68は、導通可能に、かつ熱伝達可能な状態で直接的に接触している。板状接続部70が基板用シールド部材57の接続板部61に接触することによって、外導体68は伝熱部材63として機能を発揮する。板状接続部70と接続板部61が接触することによって、伝熱部材63としての機能を有するシールドシェル71が構成される。
【0042】
発熱体55が発した熱は、放熱用接着剤62を介してシールドシェル71の前板部58に伝達され、上板部59と下板部60と上下両接続板部61を通って、外導体68の板状接続部70に伝達される。板状接続部70に伝達された熱は、外導体68の本体部69から、ハーネス側コネクタ(図示省略)のシールド部材(図示省略)に伝達される。外導体68に伝達された熱は、板状接続部70の外面や、本体部69の外周面や、シールド部材(図示省略)の外面等から大気中に放出される。
【0043】
本実施例5のコネクタ装置Bは、発熱体55が実装された回路基板53F,53Rと、回路基板53F,53Rを収容するケース50と、ケース50とは別体の部材であり、発熱体55との間で熱伝達が可能な金属製の伝熱部材63とを備えている。発熱体55が発した熱は、伝熱部材63を介してケース50の外部へ放出することができる。放熱するための部品として、ケース50とは別体の部材である伝熱部材63を設けたので、ケース50全体を金属部材にする場合に比べると、軽量化を図ることができる。
【0044】
コネクタ装置Bは、ケース50内において発熱体55との間で熱伝達可能なシールドシェル71を備えている。伝熱部材63はシールドシェル71を含んでいる。発熱体55が発した熱は、シールドシェル71を介してケース50の外部へ放出される。伝熱部材63として、シールド機能を発揮する既存のシールドシェル71を利用したので、放熱専用の伝熱部材を設ける場合に比べると、コストを低減することができる。
【0045】
シールドシェル71は、ケース50の内部で回路基板53F,53Rを包囲する基板用シールド部材57と、ケース50の外部に配置された外導体68とを備えている。発熱体55で発生した熱は、基板用シールド部材57と外導体68を介すことによって、ケース50の外部へ放出することができる。外導体68はケース50の外部に配置されているので、発熱体55の熱を確実にケース50の外部へ放出することができる。
【0046】
[他の実施例]
本発明は、上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示される。本発明には、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれ、下記のような実施形態も含まれることが意図される。
上記実施例1では、基板用端子金具に伝達された熱を、ハーネス側端子金具を介して放出するようにしたが、基板用端子金具に伝達した熱は、ハーネス側端子金具以外の伝熱部材を介して放出してもよい。
上記実施例2では、シールドシェルが基板用シールド部材と外導体との2部品によって構成されているが、シールドシェルは単一部材でもよい。
上記実施例1では、既存の基板用コネクタの基板用端子金具を伝熱部材として利用し、実施例2では、既存のシールドシェルを伝熱部材として利用したが、放熱専用の伝熱部材を設けてもよい。