電源供給器2は、同軸ケーブル102に架空設置され、増幅器5に電力を供給するとともに監視装置1にも電力を供給するように構成されている。監視装置1は、電池16を具備し、所定の情報を無線通信で外部に送信する無線通信部15を備えており、無線通信部15は、電源供給器2から監視装置1に対して電力が供給されている間は当該電力で駆動する一方、電源供給器2から監視装置1に対して電力が供給されていない間は電池16からの電力で駆動し、何れの電力で駆動しているのかを示す情報を外部に送信する。
前記無線通信部は、前記電源供給器から前記監視装置に対して電力が供給されている間、当該電力で駆動していることを示す情報を所定の時間間隔で繰り返し外部に送信する、
請求項1又は2に記載の監視装置。
前記無線通信部は、前記電源供給器から前記監視装置に対して電力が供給されている間において、前記電池の残量が少なくなった場合、当該残量が少ないことを示す情報を所定の時間間隔で繰り返し外部に送信する、
請求項3に記載の監視装置。
前記無線通信部は、前記電源供給器からの電力で駆動している状態から前記電池からの電力で駆動している状態へ移行したときに、前記電池からの電力で駆動していることを示す情報を外部に送信する、
請求項1乃至4の何れかに記載の監視装置。
前記無線通信部は、前記電池からの電力で駆動している状態から前記電源供給器からの電力で駆動している状態へ移行したときに、前記電源供給器からの電力で駆動していることを示す情報を外部に送信する、
請求項1乃至5の何れかに記載の監視装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の電源供給器は伝送路に架空設置されることが一般的であり、相当程度の重量がある無停電電源装置を備えることはできないため、上記従来技術を適用することは困難である。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、HFC方式のケーブルテレビシステムに設けられた電源供給器の動作状態を自動的に監視することができる監視装置及び監視サーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一の態様の監視装置は、同軸ケーブルで構成されたケーブルテレビ用の伝送路を流れる放送信号を増幅する増幅器に対して電力を供給する電源供給器の動作状態を監視する監視装置であって、前記電源供給器は、前記伝送路に架空設置され、前記増幅器に電力を供給するとともに前記監視装置にも電力を供給するように構成されており、所定の情報を無線通信で外部に送信する無線通信部と、電池とを備え、前記無線通信部は、前記電源供給器から前記監視装置に対して電力が供給されている間は当該電力で駆動する一方、前記電源供給器から前記監視装置に対して電力が供給されていない間は前記電池からの電力で駆動し、何れの電力で駆動しているのかを示す情報を外部に送信する。
【0008】
前記態様において、前記電源供給器は、商用電源からの交流電力を所定の電圧まで降圧して前記増幅器及び前記監視装置に出力するように構成されており、前記電源供給器から供給された交流電力を所定の電圧の直流電力に変換して前記無線通信部に出力する変換器をさらに備え、前記無線通信部は、前記変換器を介して前記電源供給器から前記監視装置に対して電力が供給されている間は当該電力で駆動するようにしてもよい。
【0009】
また、前記態様において、前記無線通信部は、前記電源供給器から前記監視装置に対して電力が供給されている間、当該電力で駆動していることを示す情報を所定の時間間隔で繰り返し外部に送信するようにしてもよい。
【0010】
また、前記態様において、前記無線通信部は、前記電源供給器から前記監視装置に対して電力が供給されている間において、前記電池の残量が少なくなった場合、当該残量が少ないことを示す情報を所定の時間間隔で繰り返し外部に送信するようにしてもよい。
【0011】
また、前記態様において、前記無線通信部は、前記電源供給器からの電力で駆動している状態から前記電池からの電力で駆動している状態へ移行したときに、前記電池からの電力で駆動していることを示す情報を外部に送信するようにしてもよい。
【0012】
また、前記態様において、前記無線通信部は、前記電池からの電力で駆動している状態から前記電源供給器からの電力で駆動している状態へ移行したときに、前記電源供給器からの電力で駆動していることを示す情報を外部に送信するようにしてもよい。
【0013】
また、前記態様において、前記無線通信部は、LPWA無線通信方式により、前記情報を外部に送信するようにしてもよい。
【0014】
また、本発明の監視サーバは、前記態様の監視装置が備える無線通信部から送信された情報を受信する受信部と、受信した情報に基づいて、前記電源供給器の動作状態を判定する判定部と、判定した結果を出力する出力部とを備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、簡易な構成で、HFC方式のケーブルテレビシステムにおける電源供給器の動作状態を監視することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0018】
本実施の形態の監視装置は、HFC方式のケーブルテレビシステムに備えられる電源供給器の動作状態を監視する。以下、この監視装置及びそれを備えた監視システムの構成及び動作について説明する。
【0019】
[ケーブルテレビシステムの構成]
図1は、本実施の形態の監視装置を備えるケーブルテレビシステムの全体構成を示すブロック図である。このケーブルテレビシステムは、伝送路の幹線部分を光ファイバーケーブルで伝送し、その先の支線部分を同軸ケーブルで伝送するHFC方式のシステムである。ケーブルテレビ(CATV)局3から光ファイバーケーブル101で伝送された放送信号は、O/E変換器4にて光信号から電気信号に変換されて同軸ケーブル102に伝送される。同軸ケーブル102で伝送される放送信号は、適宜の箇所に設けられた増幅器5,5,…によって増幅され、タップオフ6で分配された後、各加入者宅7へ送られる。
【0020】
上記の増幅器5,5,…は、電源供給器2から供給される電力によって駆動される。電源供給器2は、同軸ケーブル102に架空設置されており、商用電源からの交流電力を所定の電圧(例えば、30V又は60Vなど)まで降圧して一又は複数の増幅器5に対して出力する。また、電源供給器2は、自身の動作状態を監視する監視装置1に対しても同様にして交流電力を出力する。なお、電源供給器2には無停電電源装置は備えられていない。
【0021】
[監視装置の構成]
図2は、監視装置1の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、監視装置1は、CPUを具備する制御部11と、変換器12と、電圧検出センサ13と、降圧部14と、無線通信部15と、電池16とを備えている。
【0022】
変換器12は、電源供給器2から供給された交流電力を直流電力に変換して、電圧検出センサ13及び降圧部14に出力する。降圧部14は、変換器12から供給された直流電力を所定の電圧(例えば5V)まで降圧して、制御部11及び無線通信部15に出力する。また、電圧検出センサ13は、変換器12からの出力電圧を検出し、その検出結果を制御部11に出力する。
【0023】
無線通信部15は、例えばSigfox(登録商標)等のLPWA(Low Power Wide Area)無線通信方式によって各種情報を外部に送信可能な通信モジュールである。無線通信部15は、変換器12を介して電源供給器2から電力が供給されている間は当該電力で駆動する一方、電源供給器2からの電力供給が停止している間は電池16からの電力で駆動する。なお、電源供給器2からの電力供給の有無については、電圧検出センサ13にて検出された変換器12からの出力電圧の値によって判断される。
【0024】
上記のように、無線通信部15はLPWA無線通信方式を採用しているため、消費電力が少なく、電池駆動時であっても相当程度の回数の情報送信が可能となる。特に、電池16が塩化チオニルリチウム電池などのように自己放電が極めて少ない電池の場合、長期にわたる使用が可能となるため、省メンテナンス性を実現することができる。
【0025】
電池16は、塩化チオニルリチウム電池等で構成される。上述したとおり、電源供給器2からの電力供給が停止している間、無線通信部15は電池16からの電力で駆動する。同様に、制御部11及び電圧検出センサ13も、電源供給器2からの電力供給が停止している間は電池16からの電力で駆動する。なお、制御部11は、電池16の出力電圧を検出する電圧検出センサ(図示せず)と接続されており、その電圧検出センサから検出結果の入力を受ける。以下、電池16を内蔵電池16と称することがある。
【0026】
[監視システムの構成]
次に、上記のように構成された監視装置1を含む監視システムの構成について説明する。
図3は、監視システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態の監視システムは、監視装置1と、監視サーバ20と、管理端末30と、保守業者端末40とで構成されている。
【0027】
監視サーバ20は、CPU、RAM、及びROMを含む制御部を備えるコンピュータで構成されており、この制御部によって後述する各処理が実行される。また、監視サーバ20は、各電源供給器2の設置場所に関する情報を格納した設置場所データベース(DB)21を備えている。設置場所DB21では各電源供給器2の識別子と設置場所とが対応付けられており、監視サーバ20は、設置場所DB21を参照することによって、各電源供給器2がどこに設置されているのかを確認することができる。
【0028】
管理端末30は、ケーブルテレビの運営会社によって用いられる装置であって、パーソナルコンピュータ、スマートフォン又はタブレット端末等の情報端末で構成されている。管理端末30は、インターネット201を介して監視サーバ20と通信可能に接続されており、監視サーバ20との間で各種の情報を送受信する。
【0029】
保守業者端末40は、ケーブルテレビシステムの各保守業者によってそれぞれ用いられる装置であって、パーソナルコンピュータ、スマートフォン又はタブレット端末等の情報端末で構成されている。保守業者端末40は、管理端末30と同様に、監視サーバ20との間で各種の情報を送受信する。
【0030】
各監視装置1は、LPWA無線通信方式によって基地局50に対して各種の情報を送信する。基地局50は、インターネット201を介して監視サーバ20と通信可能に接続されており、監視装置1から受信した情報を監視サーバ20に対して送信する。
【0031】
[監視システムの動作]
次に、上述したように構成された監視装置1を含む監視システムの動作について、フローチャートを参照しながら説明する。
図4は、監視装置1の制御部11によって実行される監視処理の手順を示すフローチャートである。制御部11は、電源供給器2が正常運転している場合に、変換器12を介して電源供給器2から供給される電力で駆動を開始する(S101)。このとき、無線通信部15も同様にして電源供給器2から供給される電力で駆動を開始する。
【0032】
次に、制御部11は、電圧検出センサ13からの入力信号に基づいて、電源供給器2が正常に稼働しているか否かを判定する(S102)。この場合、制御部11は、電圧検出センサ13にて検出された変換器12の出力電圧が所定電圧を超えているとき、電源供給器2が正常に稼働していると判定し、所定電圧以下となっているとき、電源供給器2が正常に稼働していないと判定する。
【0033】
ステップS102において電源供給器2が正常に稼働していると判定した場合(S102でYES)、制御部11は、内蔵電池16の出力電圧を検出する電圧検出センサからの入力信号に基づいて、内蔵電池16の残量が十分にあるか否かを判定する(S103)。この場合、制御部11は、内蔵電池16の出力電圧が所定電圧を超えているとき、内蔵電池16の残量が十分にあると判定し、所定電圧以下となっているとき、内蔵電池16の残量が少なくなっていると判定する。
【0034】
ステップS103において内蔵電池16の残量が十分にあると判定した場合(S103でYES)、制御部11は、電源供給器2の死活情報の送信時間に達しているか否かを判定する(S104)。この死活情報の送信時間は予め設定されており、制御部11の記憶部に記憶されている。ここで、死活情報の送信時間に達していないと判定した場合(S104でNO)、制御部11は、一定時間待機(S105)した後にステップS102に戻る。
【0035】
他方、ステップS103において内蔵電池16の残量が少なくなっていると判定した場合(S103でNO)、制御部11は、そのことを示す内蔵電池残量少情報を無線通信部15に送信させ(S106)、ステップS104に進む。
【0036】
また、ステップS104において死活情報の送信時間に達していると判定した場合(S104でYES)、制御部11は、電源供給器2が正常に稼働していることを示す死活情報を無線通信部15に送信させ(S107)、ステップS105に進む。
【0037】
なお、上記のようにして無線通信部15から外部に送信された情報は基地局50によって受信される。その後、基地局50は、インターネット201を介して、当該情報を監視サーバ20に送信する。このように、無線通信部15から外部に送信された情報は、基地局50を経由して監視サーバ20に供給される。
【0038】
また、上記のようにして無線通信部15から外部に送信された情報には、監視対象の電源供給器2の識別子が含まれている。監視サーバ20は、この識別子を用いて設置場所DB21を参照することによって、監視対象の電源供給器2の設置場所を把握することができる。
【0039】
上記のステップS102乃至S107が繰り返し実行されることによって、電源供給器2が正常に稼働している間、そのことを示す死活情報が所定の時間間隔で繰り返し送信されることになる。これにより、電源供給器2の死活監視を実現することができる。
【0040】
また、上記のステップS102乃至S107が繰り返し実行されることによって、内蔵電池16の残量が少なくっている間、そのことを示す内蔵電池残量少情報が繰り返し送信されることになる。これにより、電池交換が確実に行われることになる。その結果、後述するように電力の供給元が電源供給器2から内蔵電池16へ切り替わったときに、内蔵電池16が電池切れ状態にあって正常に駆動できないなどの状況を招くことを防止できる。
【0041】
ステップS102に戻り、変換器12の出力電圧が所定電圧以下となっているために電源供給器2が正常に稼働していないと判定した場合(S102でNO)、制御部11は、電力の供給元を切り替え、内蔵電池16から供給される電力での駆動を開始する(S108)。このとき、無線通信部15も同様にして内蔵電池16から供給される電力での駆動に切り替わる。そして、制御部11は、電源供給器2が正常に稼働していないために電源供給器2からの電力供給を遮断したことを示す電源断情報を無線通信部15に送信させる(S109)。
【0042】
次に、制御部11は、ステップS103と同様に、内蔵電池16の残量が十分にあるか否かを判定する(S110)。ここで、内蔵電池16の残量が十分にあると判定した場合(S110でYES)、制御部11は、ステップS104と同様に、電源供給器2の死活情報の送信時間に達しているか否かを判定する(S111)。そして、死活情報の送信時間に達していないと判定した場合(S111でNO)、制御部11は、一定時間待機(S112)した後にステップS115へ進む。
【0043】
他方、ステップS110において内蔵電池16の残量が少なくなっていると判定した場合(S110でNO)、制御部11は、ステップS106と同様に内蔵電池残量少情報を無線通信部15に送信させ(S113)、ステップS111に進む。
【0044】
また、ステップS111において死活情報の送信時間に達していると判定した場合(S111でYES)、制御部11は、ステップS107と同様に死活情報を無線通信部15に送信させ(S114)、ステップS112に進む。
【0045】
制御部11は、一定時間待機(S112)した後、ステップS102と同様に、電源供給器2が正常に稼働しているか否かを判定する(S115)。ここで、電源供給器2が正常に稼働していない状態が継続していると判定した場合(S115でNO)、制御部11は、ステップS110に戻り、これ以降の処理を繰り返す。
【0046】
他方、ステップS115において電源供給器2が正常に稼働していると判定した場合(S115でYES)、制御部11は、電力の供給元を切り替え、電源供給器2から供給される電力での駆動を開始する(S116)。このとき、無線通信部15も同様にして電源供給器2から供給される電力での駆動に切り替わる。そして、制御部11は、電源供給器2からの電力供給が復帰したことを示す電源復帰情報を無線通信部15に送信させ(S117)、ステップS102に戻る。
【0047】
制御部11は、作動中、上記の監視処理を繰り返し実行する。これにより、電源供給器2の動作状態を常時監視することができる。
【0048】
次に、無線通信部15からの送信情報を受信する監視サーバ20の動作について説明する。
図5は、監視サーバ20によって実行される監視処理の手順を示すフローチャートである。監視サーバ20は、基地局50を経由して監視装置1の無線通信部15から情報を受信すると(S201)、その情報が死活情報、電源断情報、及び電源復帰情報の何れであるのかに基づいて、電源供給器2の動作状態を判定する(S202)。
【0049】
次に、監視サーバ20は、ステップS202の判定結果を含む判定結果情報を生成し(S203)、その判定結果情報を閲覧するためのURL(Uniform Resource Locator)を含む電子メール(通知メール)を送信する(S204)。この通知メールは、予め設定された電子メールアドレス宛に送信され、管理端末30によって受信される。
【0050】
ケーブルテレビ局側の担当者は、管理端末30によって通知メールを受信すると、その通知メールに含まれるURLへアクセスする。これにより、管理端末30の表示部に、上記の判定結果情報を示す判定結果画面が表示される。
【0051】
図6A乃至
図6Cは、管理端末30の表示部に表示される判定結果画面の一例を示す図である。判定結果画面にて示される判定結果情報には、通知メールの送信日時、電源供給器2の設置場所、通知メールの情報種別、電源供給器2の動作状態、及び、無線通信部15(通信端末)の電力供給元が含まれている。
【0052】
上記の電源供給器2の設置場所は、監視サーバ20の設置場所DB21によって特定される情報である。また、通知メールの情報種別は、正常運転時に繰り返し送信される定期の通知であるか、それとも無線通信部15の電力供給元の切り替え(状態変化)がなされたタイミングで送信される通知であるかを示す情報である。
【0053】
上記の電源供給器2の動作状態は、電源供給器2が正常運転しているか否かを示す情報である。また、無線通信部15の電力供給元は、供給元が電源供給器2であるか(外部電源接続)、それとも電池16であるか(電池駆動)を示す情報である。
【0054】
図6Aは、電源供給器2が正常に稼働していることを示す死活情報を監視サーバ20が受け取った場合における判定結果画面を示している。この場合、通知メールの情報種別が定期通知であることが、電源供給器2の動作状態が正常であることが、無線通信部15の電力供給元が電源供給器2であることが、それぞれ示される。
【0055】
図6Bは、監視サーバ20が電源断情報を受け取った場合における判定結果画面を示している。この場合、通知メールの情報種別が状態変化通知であることが、電源供給器2の動作状態が異常(電源断)であることが、無線通信部15の電力供給元が電池16であることが、それぞれ示される。
【0056】
図6Cは、監視サーバ20が電源復帰情報を受け取った場合における判定結果画面を示している。この場合、通知メールの情報種別が状態変化通知であることが、電源供給器2の動作状態が正常に戻ったことが、無線通信部15の電力供給元が電源供給器2であることが、それぞれ示される。
【0057】
図6Dは、監視サーバ20が内蔵電池残量少情報を受け取った場合における判定結果画面を示している。この場合、通知メールの情報種別が状態変化通知であることが、電源供給器2の動作状態が正常であることが、電池16が電池切れ状態であることが、それぞれ示される。
【0058】
ケーブルテレビ局側の担当者は、上記のような判定結果画面を参照することにより、その時点における電源供給器2の動作状態及び無線通信部15の電力供給元、並びに状態変化の有無などを確認することができる。
【0059】
例えば、
図6Bに示す判定結果画面を参照することによって、状態変化が生じて電源供給器2が正常に運転していないことが確認できた場合、担当者は、その電源供給器2の設置場所を確認した上で点検作業者に対して点検を指示する。これにより、電源供給器2の故障などが発生した場合でも、迅速な対応が可能となる。
【0060】
また、上記の点検作業などが行われた後、
図6Cに示す判定結果画面が得られることによって、電源供給器2からの電力供給が復旧したことを担当者は確認することができる。そして、その後に
図6Aに示す判定結果画面が繰り返し得られることにより、担当者は電源供給器2の正常運転が継続していることを知ることができる。
【0061】
その他、担当者は、
図6Dに示す判定結果画面を参照することによって、電池16が電池切れ状態にあることを確認した場合、適宜のタイミングで、電池16の交換作業を作業者に対して指示する。これにより、電池交換を確実に行うことが可能になる。
【0062】
なお、監視サーバ20は、上記のステップS204において、上記と同様の通知メールを、予め設定された保守業者の電子メールアドレス宛に送信する。この通知メールが保守業者端末40にて受信されることにより、保守業者は、上記と同様の判定結果画面を参照することができる。
【0063】
上記のとおり、本実施の形態の場合、監視装置1の無線通信部15が、電力供給元が切り替わるタイミングで情報送信を行うという簡易な構成で、電源供給器2の動作状態を監視することができる。
【0064】
なお、本実施の形態のように、電源供給器2が商用電源からの電力で作動している場合、電源供給器2からの電力供給が途絶えたとしても、それが商用電源の停電によるものなのか電源供給器2の故障によるものなのかを判別することはできない。商用電源の停電によるものである場合は電源供給器2の点検作業は不要になるため、この判別を行うことができると便宜である。以下、この判別を自動的に行うための自動判別処理について説明する。
【0065】
図7は、監視サーバ20によって実行される自動判別処理の手順を示すフローチャートである。なお、この自動判別処理は、監視装置1において電源供給器2が正常に稼働していないと判定された結果、監視サーバ20が監視装置1から電源断情報を受け取った場合に実行される。
【0066】
監視サーバ20はまず、監視装置1から電源復帰情報を受信したか否かを判定する(S301)。ここで、電源復帰情報を受信していないと判定した場合(S301でNO)、監視サーバ20は、監視装置1から電源断情報を受け取ってから所定時間が経過したか否かを判定する(S302)。この所定時間は、商用電源が停電してから復旧までに要する時間の実績などに基づいて定められる。例えば、平均して1時間で復旧する場合、上記の所定時間は1時間に設定される。
【0067】
ステップS302にて所定時間は経過していないと判定した場合(S302でNO)、監視サーバ20はステップS301に戻る。これ以降、監視サーバ20が電源復帰情報を受信するまで(S301でYES)、又は所定時間が経過するまで(S302でYES)、ステップS301及びS302が繰り返し実行される。
【0068】
所定時間内、すなわち商用電源が停電してから復旧に要する時間内に監視サーバ20が電源復帰情報を受信した場合、商用電源が停電から復旧したために電源供給器2からの電力供給が再開したと推定することが可能である。そのため、監視サーバ20は、ステップS301にて電源復帰情報を受信したと判定した場合(S301でYES)、電源供給器2からの電力供給が停止したことの原因は商用電源の停電であったと判定する(S303)。
【0069】
他方、所定時間内に監視サーバ20が電源復帰情報を受信できない場合、商用電源には異常はなく、電源供給器2自体の故障が想定される。そのため、監視サーバ20は、ステップS302にて所定時間が経過したと判定した場合(S302でYES)、電源供給器2からの電力供給が停止したことの原因は電源供給器2の故障であったと判定する(S304)。この場合、その旨が電子メール等によってケーブルテレビ局側に通知される。これにより、ケーブルテレビ局側の担当者は、電源供給器2の点検作業が必要であることを知ることができる。
【0070】
(その他の実施の形態)
上記の実施の形態では、
図6A乃至
図6Cに示すような判定結果画面によってケーブルテレビ局側及び保守業者側に状況が伝えられているが、これに限定されるわけはないことは勿論である。例えば、これらの判定結果画面に示される内容と同様の内容を示す文字情報を含む電子メールによって、ケーブルテレビ局側及び保守業者側に状況が伝えられてもよい。また、ケーブルテレビ局側には
図6A乃至
図6Cに示すような判定結果画面によって状況が伝えられる一方で、保守業者側には上記の文字情報を含む電子メールによって状況が伝えられるなど、通知先によって異なる対応をすることも可能である。
【0071】
その他にも、例えば管理端末30が、監視サーバ20にアクセスして各電源供給器20の状況を取得するようにしてもよい。その場合、管理端末30の表示部には、
図8に示すような管理画面が表示される。この管理画面を参照することにより、ケーブルテレビ局側では、各電源供給器20の状況を一覧することが可能になる。
【0072】
また、上記の実施の形態では、無線通信部15がLPWA無線通信方式を採用しているが、他の無線通信方式であってもよい。但し、山間部等のアクセスが良くない地域に監視装置1が設けられることも想定されることから、省メンテンス性を図ることは重要であるため、無線通信部15はLPWA無線通信方式の通信モジュールで構成されることが好ましい。
【0073】
なお、上記の実施の形態では、監視サーバ20が1台のコンピュータによって構成されているが、これに限定されるわけではなく、複数のコンピュータによる分散システムによって監視サーバ20が構成されていてもよい。
【0074】
本発明は、不感地帯への放送波を再送信するギャップフィラーシステムの電源監視にも適用することができる。その場合も上記と同様の効果が奏される。