【解決手段】浴槽30に設けられた排水栓31の作動を制御する排水栓制御装置10において、屋内ネットワーク45に対して通信で接続されている熱源20に対して浴槽30への給湯状態を定期的に問い合わせて取得する取得部101と、給湯状態が浴槽30へ給湯している状態の場合に排水栓31を閉めるように制御する制御部102と、を備える排水栓制御装置10が提供される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の発明では、HA端子を利用して、熱源と排水栓制御装置とで完結したシステムを構築するため、浴室に関係するその他の機器を連携して制御する際には、機器ごとに埋込HA端子が必要となる。その結果、浴室に関係する機器を増設する際には、機器の連携制御のためのHA端子の設置を要するために、汎用性に難がある。
【0005】
本開示は、上記の点に鑑みてなされたものであり、浴槽への給湯が始まった際に自動的に排水栓を閉じる排水栓制御装置であって、装置の接続にHA端子を利用する場合と比べて浴室に関係するシステムの汎用性を向上させた排水栓制御装置及び給湯システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係る排水栓制御装置は、浴槽に設けられた排水栓の作動を制御する排水栓制御装置において、屋内ネットワークと通信を行う通信部と、前記屋内ネットワークに対して通信で接続されている熱源に対して前記浴槽への給湯状態を定期的に問い合わせて取得する取得部と、前記給湯状態が前記浴槽へ給湯している状態の場合に排水栓を閉めるように制御する制御部と、を備える。
【0007】
本発明の第1態様によれば、屋内ネットワークに対して通信で接続されている熱源に対して浴槽への給湯状態を定期的に問い合わせる構成とすることで、装置の接続にHA端子を利用する場合と比べて、浴室に関係するシステムの汎用性を向上させることができる。
【0008】
本発明の第2態様に係る排水栓制御装置は、第1態様に係る排水栓制御装置であって、前記屋内ネットワークとしてLAN(Local Area Network)に接続される。
【0009】
本発明の第2態様によれば、LANを通じて浴槽への給湯状態を熱源へ定期的に問い合わせる構成とすることで、浴室に関係するシステムの汎用性を向上させることができる。例えば、浴室に熱源、排水栓制御装置を含む複数の機器を接続する場合の回路、配線を簡素化することができる。
【0010】
本発明の第3態様に係る排水栓制御装置は、第2態様に係る排水栓制御装置であって、前記熱源への問い合わせにECHONET Lite(登録商標)規格を用いる。
【0011】
本発明の第3態様によれば、ECHONET Lite規格を用いて浴槽への給湯状態を熱源へ定期的に問い合わせる構成とすることで、使用する熱源に汎用性を向上させることができる。例えば、ECHONET Lite規格を用いることで、複数の機器を一括して管理することができる。
【0012】
本発明の第4態様に係る給湯システムは、屋内ネットワークに対して通信で接続されている熱源と、浴槽に設けられた排水栓の作動を制御する排水栓制御装置と、を備え、前記排水栓制御装置は、前記屋内ネットワークと通信を行う通信部と、前記熱源に対して前記浴槽への給湯状態を定期的に問い合わせて取得する取得部と、前記給湯状態が前記浴槽へ給湯している状態の場合に排水栓を閉めるように制御する制御部と、を備える。
【0013】
本発明の第4態様によれば、屋内ネットワークに対して通信で接続されている熱源に対して浴槽への給湯状態を定期的に問い合わせる構成とすることで、装置の接続にHA端子を利用する場合と比べて、浴室に関係するシステムの汎用性を向上させることができる。
【0014】
本発明の第5態様に係る給湯システムは、第4態様に係る給湯システムであって、前記排水栓制御装置は、前記屋内ネットワークとしてLANに接続される。
【0015】
本発明の第5態様によれば、LANを通じて浴槽への給湯状態を熱源へ定期的に問い合わせる構成とすることで、浴室に関係するシステムの汎用性を向上させることができる。例えば、浴室に熱源、排水栓制御装置を含む複数の機器を接続する場合の回路、配線を簡素化することができる。
【0016】
本発明の第6態様に係る給湯システムは、第5態様に係る給湯システムであって、前記取得部は、前記熱源への問い合わせにECHONET Lite規格を用いる。
【0017】
本発明の第6態様によれば、ECHONET Lite規格を用いて浴槽への給湯状態を熱源へ定期的に問い合わせる構成とすることで、使用する熱源に汎用性を向上させることができる。例えば、ECHONET Lite規格を用いることで、複数の機器を一括して管理することができる。
【0018】
本発明の第7態様に係る給湯システムは、第4態様に係る給湯システムであって、前記熱源は、前記屋内ネットワークに接続されている屋外ネットワークを介して外部端末と接続可能である。
【0019】
本発明の第7態様によれば、外部端末から給湯システムに接続し、熱源の制御が可能となる。
【0020】
本発明の第8態様に係る給湯システムは、第7態様に係る給湯システムであって、前記外部端末は、前記熱源からの自動給湯に関連する浴室装置を制御可能である。
【0021】
本発明の第8態様によれば、外部端末から給湯システムに接続し、浴室装置の制御が可能となる。
【0022】
本発明の第9態様に係る給湯システムは、第8態様に係る給湯システムであって、前記浴室装置は、浴室の暖房装置である。
【0023】
本発明の第9態様によれば、外部端末から給湯システムに接続し、浴室の暖房装置の制御が可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本開示によれば、屋内ネットワークに通信で接続される熱源の浴槽への給湯状態を監視することで、装置の接続にHA端子を利用する場合と比べて浴室に関係するシステムの汎用性を向上させた排水栓制御装置及び給湯システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0027】
まず、本発明の実施形態を説明する前に、従来技術について説明する。
図5は、従来技術に係る給湯システム900の構成例を示す図である。
図5に示した給湯システム900は、熱源920が浴槽930に給湯を開始する際に、排水栓制御装置910が排水栓931の状態をセンサ932から取得し、排水栓931が開栓状態にあれば排水栓931を閉栓するものである。排水栓制御装置910は、商用電源990からの交流電力を供給する電源980に接続することで、電力の供給を受ける。
【0028】
例えば、熱源920を操作する熱源専用リモコン921によって浴槽930への湯張りが指示されると、排水栓制御装置910は、熱源専用リモコン921から送られた湯張り信号を検知する。そして、排水栓制御装置910は、湯張り信号の検知に基づいてモータを駆動させることで、排水栓931の閉栓を行う。
【0029】
排水栓制御装置910、及び熱源専用リモコン921は、HA配線によってHA端子用インターフェースユニット(IFU)940と接続されている。従って、排水栓制御装置910、及び熱源専用リモコン921は、それぞれ図示しないHA端子を備える。
【0030】
さらに、拡張ECU(Electronic Control Unit)941をIFU940に接続することで、浴室に関係する装置を増設したり、浴室の外部から熱源920を制御したりすることができる。
【0031】
例えば、インターネット等の外部ネットワーク945に接続する場合は、拡張ECU941にルータ942を接続し、ルータ942を外部ネットワーク945に接続する。ルータ942を外部ネットワーク945に接続することで、サーバ950から熱源920の動作を制御することができる。サーバ950には、熱源920の動作を制御するための連携ソフト951がインストールされている。熱源920を動作させたいユーザは、スマートフォン等の外部端末960を用いて、宅内又は宅外からサーバ950に接続し、連携ソフト951を実行することで、熱源920を動作させることができ、例えば指定した時間になると浴槽930へ給湯を開始させることができる。
【0032】
また例えば、浴室暖房乾燥機などのHA装置971を拡張ECU941に接続するには、埋込HA端子970を別途設置して、埋込HA端子970を拡張ECU941にHA配線で接続し、HA装置971を埋込HA端子970にHA配線で接続する。
【0033】
このように、従来技術に係る給湯システム900においても、浴室に装置を増設したり、浴室の外部から熱源を制御したりしようとすることは可能である。しかし、
図5に示したように、HA装置の回路毎に埋込HA端子(例えば、JEM−A端子を有するIFU)が必要となるため、装置の増設の際の設置及び接続が煩雑になる。
【0034】
本発明の実施の形態では、浴槽への給湯が始まった際に自動的に排水栓を閉じる排水栓制御装置であって、
図5に示したように、装置の接続にHA端子を利用する場合と比べて汎用性を向上させた排水栓制御装置及び給湯システムを示す。
【0035】
図1は、本実施形態に係る給湯システムの概略構成を示す図である。
【0036】
図1に示した給湯システム1は、熱源20が浴槽30に給湯を開始する際に、排水栓制御装置10が排水栓31の状態をセンサ32から取得し、排水栓31が開栓状態にあれば排水栓31を閉栓するものである。排水栓制御装置10は、商用電源90からの交流電力を供給する電源80に接続することで、電力の供給を受ける。
【0037】
熱源20は、上水道を加熱して給湯管に湯を供給する。熱源20は、屋内ネットワーク45に接続するため、専用線等でHEMS(Home Energy Management System)アダプタ41と接続されている。HEMSアダプタ41は、所定の規格、例えばECHONET Lite規格に対応したものである。
【0038】
熱源専用リモコン21は、熱源20を遠隔操作するためのリモコンであり、例えば台所、浴室内に設置される。熱源20は、熱源専用リモコン21で指定された温度に水を温め、熱源専用リモコン21からの指示に基づいて浴槽30へ給湯する。また、熱源20は、指定された時刻になると、浴槽30への給湯を開始する機能を有する。本実施形態では、熱源20は、自動的に浴槽30へ給湯を行うかどうかの設定である風呂自動モード設定を有する。指定された時刻になり、風呂自動モード設定が「切」から「入」に変化すると、熱源20は、自動的に浴槽30へ給湯を行い、所定の給湯量に達すると給湯を停止するとともに、指定された温度に浴槽30の湯を保温する。風呂自動モード設定は、熱源専用リモコン21又はHEMSコントローラ43によって設定されてもよく、後述の外部端末60によって設定されてもよい。
【0039】
本実施形態に係る排水栓制御装置10は、LAN(Local Area Network)等の屋内ネットワーク45に対して通信で接続されている熱源20に対して、浴槽30への給湯状態を定期的に問い合わせて取得する。排水栓制御装置10は、給湯状態の問い合わせに、予め定められた規格、例えばECHONET Lite規格を用いている。そして、排水栓制御装置10は、給湯状態が浴槽30へ給湯している状態の場合に、モータを駆動させることで排水栓31を閉めるように制御する。
【0040】
排水栓制御装置10は、ルータ40と接続されることで、LAN等の屋内ネットワーク45に接続される。HEMSアダプタ41はルータ40と接続される。このように排水栓制御装置10及び熱源20が通信で接続されることで、熱源20に対して、浴槽30への給湯状態を定期的に問い合わせて取得することができる。
【0041】
また、給湯システム1は屋内ネットワーク45で各装置が繋がっていることで、給湯システム1に接続する装置に汎用性があり、従来技術と比較して装置の増設が容易となっている。
図1に示した例では、ルータ40に浴室暖房機、見守り装置等の浴室装置42を接続した例が示されている。また、
図1には、ルータ40にHEMSコントローラ43を接続し、HEMSコントローラ43に太陽光パネル等の発電装置44を接続した例が示されている。HEMSコントローラ43は、所定の規格、例えばECHONET Lite規格に対応したものであってもよい。熱源20がECHONET Lite規格に対応したものであれば、HEMSコントローラ43から熱源20に対して給湯を指示することができる。
【0042】
また、
図1には、ルータ40がインターネット等の宅外ネットワーク46でサーバ50と接続されている例が示されている。ルータ40を宅外ネットワーク46に接続することで、サーバ50から熱源20の動作を制御することができる。サーバ50には、熱源20の動作を制御するための連携ソフト51がインストールされている。熱源20を動作させたいユーザは、スマートフォン等の外部端末60を用いて、宅内又は宅外からサーバ50に接続し、連携ソフト51を実行することで、熱源20を動作させることができる。例えば、熱源20を動作させたいユーザは、外部端末60を用いて、宅内又は宅外からサーバ50に接続することで、指定した時間になると浴槽30へ給湯を開始させることができる。
【0043】
また、
図1のように装置が接続されていることで、外部端末60は、ルータ40に接続されている熱源20以外の装置を外出先等から制御することができる。例えば、外部端末60は、外出先等から発電装置44の発電状況を取得して、提示することができる。また例えば、外部端末60は、外出先等から浴室装置42を制御することができる。
【0044】
図2は、排水栓制御装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0045】
図2に示すように、排水栓制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14及び通信インタフェース(I/F)15を有する。各構成は、バス16を介して相互に通信可能に接続されている。
【0046】
CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU11は、ROM12またはストレージ14からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域としてプログラムを実行する。CPU11は、ROM12またはストレージ14に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM12またはストレージ14には、浴槽30に設けられた排水栓31の作動を制御する排水栓制御プログラムが格納されている。
【0047】
ROM12は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラムまたはデータを記憶する。ストレージ14は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)またはフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。
【0048】
通信インタフェース15は、熱源20等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi−Fi(登録商標)等の規格が用いられる。また、排水栓制御装置10は排水栓31及びセンサ32と専用の通信線で接続されており、排水栓31に信号を送出したり、センサ32から信号を受信したりするための通信線はバス16に直結される。
【0049】
上記の排水栓制御プログラムを実行する際に、排水栓制御装置10は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。排水栓制御装置10が実現する機能構成について説明する。
【0050】
図3は、排水栓制御装置10の機能構成の例を示すブロック図である。
【0051】
図3に示すように、排水栓制御装置10は、機能構成として、取得部101及び制御部102を有する。各機能構成は、CPU11がROM12またはストレージ14に記憶された排水栓制御プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0052】
取得部101は、屋内ネットワーク45に対して通信で接続されている熱源20に対して、浴槽30への給湯状態を定期的に問い合わせて取得する。取得部101は、排水栓制御装置10が動作している限りにおいて、浴槽30への給湯状態の取得を継続して実行する。
【0053】
制御部102は、浴槽30に設けられた排水栓31の作動を制御する。具体的には、制御部102は、取得部101が取得した給湯状態が浴槽30へ給湯している状態の場合に排水栓31を閉めるようにモータを制御する。
【0054】
次に、排水栓制御装置10の作用について説明する。
【0055】
図4は、排水栓制御装置10による排水栓制御処理の流れを示すフローチャートである。CPU11がROM12又はストレージ14から排水栓制御プログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、排水栓制御処理が行なわれる。なお、排水栓制御装置10が排水栓制御処理を開始する時点では、熱源20の風呂自動モード設定は「切」である。
【0056】
排水栓制御装置10が起動すると、最初に、CPU11は排水栓イニシャル処理を実行する(ステップS101)。CPU11は、排水栓イニシャル処理としては、例えば、排水栓31を作動させるモータ(図示せず)の動作チェック、及び、モータの動作による排水栓31の作動チェック等を実行する。なお、排水栓イニシャル処理に失敗すると、CPU11は、処理に失敗した旨の信号を屋内ネットワーク45に出力してもよい。排水栓イニシャル処理に失敗した旨の情報は、例えば熱源専用リモコン21又はHEMSコントローラ43に出力してもよい。
【0057】
ステップS101に続いて、CPU11は、屋内ネットワーク45を通じて熱源20の風呂自動モード設定を取得し、取得した設定を前回値とする(ステップS102)。
【0058】
ステップS102に続いて、CPU11は、所定のポーリング間隔を計時するタイマ処理を実行する(ステップS103)。所定のポーリング間隔は、例えば数秒〜数十秒程度である。
【0059】
所定のポーリング間隔が経過すると、ステップS103に続いて、CPU11は、再び屋内ネットワーク45を通じて熱源20の風呂自動モード設定を取得し、取得した設定を今回値とする(ステップS104)。
【0060】
ステップS104に続いて、CPU11は、取得した設定の前回値と今回値とを比較し、前回値と今回値とが等しいかどうか判定する(ステップS105)。
【0061】
ステップS105の判定の結果、前回値と今回値とが等しい場合は(ステップS105;YES)、CPU11は、前回値に今回値の値を代入する(ステップS106)。ステップS106の処理に続いて、CPU11はステップS103の処理に戻る。
【0062】
一方、ステップS105の判定の結果、前回値と今回値とが等しくない場合は(ステップS105;NO)、CPU11は、風呂自動モード設定の今回値が「入」であるかどうか判定する(ステップS107)。
【0063】
ステップS107の判定の結果、風呂自動モード設定の今回値が「入」であった場合は(ステップS107;YES)、CPU11は、センサ32から排水栓31の状態を取得し、排水栓31が開栓状態であれば閉栓する閉栓処理を実行する(ステップS108)。CPU11は、排水栓31の閉栓処理が完了すると、完了した旨を屋内ネットワーク45に出力してもよい。そして、熱源20は、閉栓処理の完了の通知を受けて、浴槽30への給湯を開始してもよい。一方、ステップS107の判定の結果、風呂自動モード設定の今回値が「入」でなかった場合は(ステップS107;NO)、風呂自動モード設定が「入」から「切」に切り替わったと判断し、CPU11はステップS108の処理をスキップする。続いて、CPU11は、CPU11は、前回値に今回値の値を代入する(ステップS106)。ステップS106の処理に続いて、CPU11はステップS103の処理に戻る。
【0064】
CPU11は、上記ステップS108の排水栓31の閉栓処理において、モータの不具合等の何らかの理由で排水栓31が閉栓できなかった場合は、閉栓処理に失敗した旨の信号を屋内ネットワーク45に出力してもよい。閉栓処理に失敗した旨の情報は、例えば熱源専用リモコン21又はHEMSコントローラ43に出力してもよい。さらに、CPU11は、閉栓処理に失敗すると、失敗した旨の通知を熱源20に出力し、熱源20から浴槽30への給湯を停止してもよい。
【0065】
排水栓制御装置10は、上述した一連の動作を実行することで、屋内ネットワーク45に通信で接続される熱源からの浴槽への給湯状態を監視し、排水栓31の閉栓を適切に行うことができる。また、排水栓制御装置10は、屋内ネットワーク45を通じて熱源からの浴槽への給湯状態を監視することで、HA端子を利用する場合と比べて浴室に関係するシステムの汎用性を向上させることができる。
【0066】
上述したようなHA端子を利用した給湯システムでは、HA端子は、オン、オフの制御と、制御のモニタリングしかできない。また、HA端子を利用した給湯システムでは、機器を追加すると、追加した機器の分だけ回路及び配線を要する。これに対して、本実施形態に係る排水栓制御装置10は、LANを通じて浴槽への給湯状態を熱源へ定期的に問い合わせる構成とすることで、浴室に関係するシステムの汎用性を向上させることができる。例えば、本実施形態に係る排水栓制御装置10は、浴室に熱源、排水栓制御装置を含む複数の機器を接続する場合の回路、配線を簡素化することができる。
【0067】
また、本実施形態に係る排水栓制御装置10は、ECHONET Lite規格を用いて浴槽への給湯状態を熱源へ定期的に問い合わせる構成とすることで、使用する熱源に汎用性を向上させることができる。例えば、本実施形態に係る排水栓制御装置10は、ECHONET Lite規格を用いて浴槽への給湯状態を熱源へ定期的に問い合わせることで、複数の機器を一括して管理することができる。
【0068】
また、本実施形態に係る給湯システム1は、装置間の接続にLANを用いることで、HA端子を利用する場合と比べて、装置間の連携の容易性を向上させることができる。例えば、給湯システム1は、熱源20の風呂自動モード設定が「入」となったタイミングで、浴室暖房機を作動させるようにしてもよい。
【0069】
なお、上記各実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した排水栓制御処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field−Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、排水栓制御処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0070】
また、上記各実施形態では、排水栓制御処理のプログラムがROMまたはストレージに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的(non−transitory)記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。