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特開2021-169958照明通信システムおよび照明通信システムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-169958(P2021-169958A)
(43)【公開日】2021年10月28日
(54)【発明の名称】照明通信システムおよび照明通信システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/16 20060101AFI20211001BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20211001BHJP
   B64C 13/20 20060101ALI20211001BHJP
   B64F 1/36 20170101ALI20211001BHJP
   H04B 10/116 20130101ALN20211001BHJP
   H04B 10/80 20130101ALN20211001BHJP
【FI】
   G01S5/16
   B64C39/02
   B64C13/20 Z
   B64F1/36
   H04B10/116
   H04B10/80 160
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2020-73059(P2020-73059)
(22)【出願日】2020年4月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000213909
【氏名又は名称】朝日航洋株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 昌裕
(72)【発明者】
【氏名】大森 康至
(72)【発明者】
【氏名】松本 湖成
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 研一
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AL23
5K102AN03
5K102PB02
5K102PH35
5K102RD28
(57)【要約】      (修正有)
【課題】航法信号を用いることなく、簡易な方式で移動体の位置を算出することが可能な照明通信システムを提供する。
【解決手段】移動する光通信可能な移動体10と、点検エリア内に設けられ、照明光を用いて移動体および他の照明通信装置と通信可能に設けられた複数の照明通信装置20A,B,Cと、複数の照明通信装置とネットワークを介して接続される制御装置とを備える。制御装置は、複数の照明通信装置のうちの基準照明通信装置とそれ以外の照明通信装置との間の通信時間およびそれ以外の照明通信装置同士の通信時間に基づいて、照明通信装置の相対的な位置を算出する装置位置算出部35と、複数の照明通信装置と移動体との間の通信時間をそれぞれ算出する通信時間算出部と、複数の照明通信装置のそれぞれの位置と通信時間算出部で算出した通信時間とに基づいて基準照明通信装置からの移動体の位置を算出する移動体位置算出部34とを含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
点検エリアを移動する光通信可能な移動体と、
前記点検エリア内に設けられ、各々が、照明光を用いて前記移動体および他の照明通信装置と通信可能に設けられた複数の照明通信装置と、
前記複数の照明通信装置とネットワークを介して接続される制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記複数の照明通信装置のうちの基準照明通信装置とそれ以外の照明通信装置との間の通信時間および前記それ以外の照明通信装置同士の通信時間に基づいて、前記基準照明通信装置に対する前記複数の照明通信装置のうちの前記それ以外の照明通信装置の相対的な位置を算出する装置位置算出部と、
前記複数の照明通信装置と移動体との間の通信時間をそれぞれ算出する通信時間算出部と、
前記複数の照明通信装置のそれぞれの位置と前記通信時間算出部で算出した通信時間とに基づいて前記基準照明通信装置からの前記移動体の位置を算出する移動体位置算出部とを含む、照明通信システム。
【請求項2】
前記移動体に搭載され、前記複数の照明通信装置から送信されるそれぞれの照明通信装置の位置情報を用いて前記移動体自身の前記基準照明通信装置からの位置を算出する移動体自己位置算出部を備える、請求項1記載の照明通信システム。
【請求項3】
前記複数の照明通信装置は、前記点検エリア内で前記移動体が位置することが予想される地点すべてにおいて少なくとも3つ以上の照明光が重なり合うようにそれぞれ設けられ、
前記通信時間算出部は、前記少なくとも3つ以上の照明通信装置と前記移動体との間の通信時間を算出する、請求項1記載の照明通信システム。
【請求項4】
前記複数の照明通信装置の少なくとも1つは可搬型の照明通信装置である、請求項1記載の照明通信システム。
【請求項5】
前記移動体は、前記照明光を用いて発電する発電装置をさらに備える、請求項1記載の照明通信システム。
【請求項6】
前記制御装置は、
前記複数の照明通信装置のうち前記移動体に近傍の照明通信装置を特定し、
前記近傍の照明通信装置に対して前記移動体との間でデータ通信するように指示する、請求項1記載の照明通信システム。
【請求項7】
前記移動体は、前記点検エリア内の被点検物の状態を検出する検知装置をさらに備え、
前記近傍の照明通信装置は、指示に応答して前記データ通信により前記移動体の前記検知装置で検出したデータに基づく送信データを取得する、請求項1記載の照明通信システム。
【請求項8】
前記制御装置は、
前記複数の照明通信装置のうち前記移動体に近傍の照明通信装置を特定し、
前記複数の照明通信装置のうち前記近傍の照明通信装置を含む所定個数の照明通信装置を動作させ、
前記複数の照明通信装置のうち前記所定個数以外の照明通信装置の動作を停止する、請求項4記載の照明通信システム。
【請求項9】
点検エリアを移動する光通信可能な移動体と、前記点検エリア内に設けられ、各々が照明光を用いて前記移動体および他の照明通信装置と通信可能に設けられた複数の照明通信装置とを備える照明通信システムの制御方法であって、
前記複数の照明通信装置のうちの基準照明通信装置とそれ以外の照明通信装置との間の通信時間および前記それ以外の照明通信装置同士の通信時間に基づいて、前記基準照明通信装置に対する前記複数の照明通信装置のうちの前記それ以外の照明通信装置の相対的な位置を算出するステップと、
前記複数の照明通信装置と移動体との間の通信時間をそれぞれ算出するステップと、
前記複数の照明通信装置のそれぞれの位置と算出した通信時間とに基づいて前記基準照明通信装置からの前記移動体の位置を算出するステップとを備える、照明通信システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動体の位置を算出する照明通信システムおよび照明通信システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ドローン等の無人飛行機(UAV:Unmanned Aerial Vehicles/UAS:Unmanned Aircraft Systems)は、カメラ等の撮影機材を備えることで、画像および動画撮影のみに留まらず、撮影された画像データおよび動画データを用いた橋梁やトンネル等の構造物の点検にも利用される。
【0003】
無人航空機による構造物の点検は、撮影や3次元データスキャン(以降、撮影等)の解像度を一定に保ちつつ、その撮影等の対象範囲の位置を高精度で判定可能とするため、点検対象である構造物から一定の距離を保ち、かつあらかじめ設定された基準位置からの、撮影等を行う無人航空機の位置や機首の方向、およびその無人航空機自身を基準とした撮影等を行う方向や角度を把握しながら無人航空機を飛行させる場合が多い。この場合、無人航空機の、あらかじめ設定された基準位置からの相対位置を高精度に算出し、さらにその無人航空機自身を基準とした撮影等を行う方向や角度を把握しながら構造物の側面から一定の距離を保持して飛行させる制御技術が求められる。通常、この無人航空機の飛行制御には、航法衛星からの航法信号から得られる位置情報を用いた飛行制御技術が用いられている。しかしながら、屋内や地下、さらに橋梁の下側やトンネル内部では航法衛星からの航法信号の受信ができない。
【0004】
この点で、特許文献1においては、測距光を用いて特定の点の位置を精密に測定する自動視準追尾(モータドライブ)TS(トータルステーション)を用いてUAVの位置を特定する方式が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019−117127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方で、特別な装置を用いてUAV等の移動体の位置を算出するのではなく、簡易な方式で位置を算出することが望ましい。
【0007】
本開示の目的は、航法信号を用いることなく、簡易な方式で移動体の位置を算出することが可能な照明通信システムおよび照明通信システムの制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ある局面に従う照明通信システムは、点検エリアを移動する光通信可能な移動体と、点検エリア内に設けられ、各々が、照明光を用いて移動体および他の照明通信装置と通信可能に設けられた複数の照明通信装置と、複数の照明通信装置とネットワークを介して接続される制御装置とを備える。制御装置は、複数の照明通信装置のうちの基準照明通信装置とそれ以外の照明通信装置との間の通信時間およびそれ以外の照明通信装置同士の通信時間に基づいて、基準照明通信装置に対する複数の照明通信装置のうちのそれ以外の照明通信装置の相対的な位置を算出する装置位置算出部と、複数の照明通信装置と移動体との間の通信時間をそれぞれ算出する通信時間算出部と、複数の照明通信装置のそれぞれの位置と通信時間算出部で算出した通信時間とに基づいて基準照明通信装置からの移動体の位置を算出する移動体位置算出部とを含む。
【0009】
好ましくは、移動体に搭載され、複数の照明通信装置から送信されるそれぞれの照明通信装置の位置情報を用いて移動体自身の基準照明通信装置からの位置を算出する移動体自己位置算出部を備える。
【0010】
好ましくは、複数の照明通信装置は、点検エリア内で移動体が位置することが予想される地点すべてにおいて少なくとも3つ以上の照明光が重なり合うようにそれぞれ設けられ、通信時間算出部は、少なくとも3つ以上の照明通信装置と移動体との間の通信時間を算出する。
【0011】
好ましくは、複数の照明通信装置の少なくとも1つは可搬型の照明通信装置である。
好ましくは、移動体は、照明光を用いて発電する発電装置をさらに備える。
【0012】
好ましくは、制御装置は、複数の照明通信装置のうち移動体に近傍の照明通信装置を特定し、近傍の照明通信装置に対して移動体との間でデータ通信するように指示する。
【0013】
好ましくは、移動体は、点検エリア内の被点検物の状態を検出する検知装置をさらに備える。近傍の照明通信装置は、指示に応答してデータ通信により移動体の検知装置で検知したデータに基づく送信データを取得する。
【0014】
好ましくは、制御装置は、複数の照明通信装置のうち移動体に近傍の照明通信装置を特定し、複数の照明通信装置のうち近傍の照明通信装置を含む所定個数の照明通信装置を動作させ、複数の照明通信装置のうち所定個数以外の照明通信装置の動作を停止する。
【0015】
点検エリアを移動する光通信可能な移動体と、点検エリア内に設けられ、各々が照明光を用いて移動体および他の照明通信装置と通信可能に設けられた複数の照明通信装置とを備える照明通信システムの制御方法であって、複数の照明通信装置のうちの基準照明通信装置とそれ以外の照明通信装置との間の通信時間およびそれ以外の照明通信装置同士の通信時間に基づいて、基準照明通信装置に対する複数の照明通信装置のうちのそれ以外の照明通信装置の相対的な位置を算出するステップと、複数の照明通信装置と移動体との間の通信時間をそれぞれ算出するステップと、複数の照明通信装置のそれぞれの位置と算出した通信時間とに基づいて基準照明通信装置からの移動体の位置を算出するステップとを備える。
【発明の効果】
【0016】
本開示の光無線通信システムおよび光無線通信システムの制御方法は、簡易な方式で移動体の位置を算出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態1に従う照明通信システム2について説明する図である。
図2】実施形態1に従う複数の照明通信装置20による座標軸の設定について説明する図である。
図3】実施形態1に従う照明通信装置20Aと照明通信装置20Bとの間での信号の授受を説明する図である。
図4】実施形態1に従う照明通信装置20Aと照明通信装置20Bおよび20Cの距離の算出について説明する図である。
図5】実施形態1に従う照明通信装置20A〜20Cの位置座標の取得について説明する図である。
図6】実施形態1に基づく照明通信システム2の機能ブロック図である。
図7】実施形態1に従うサーバ50の照明通信装置20A〜20Cの位置の算出処理について説明するフロー図である。
図8】実施形態1に従う照明通信装置20と移動体10との間での信号の授受を説明する図である。
図9】実施形態1に従う移動体10の位置の算出方式を説明する図である。
図10】実施形態1に従うサーバ50の処理について説明するフロー図である。
図11】実施形態1に従う移動体10の処理について説明するフロー図である。
図12】実施形態1に従う移動体10の送信データの送信処理について説明するフロー図である。
図13】実施形態1の変形例1に従う橋梁70の下部に設けられた照明通信システム3について説明する図である。
図14】実施形態2に従う照明通信システム4について説明する図である。
図15】実施形態2に従う複数の照明通信装置20の照明光を説明する図である。
図16】実施形態2に従うサーバ30のディスプレイ表示の一例を説明する図である。
図17】実施形態2に従うサーバ30の処理について説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に従う照明通信システム2について説明する図である。図1に示されるように、一例としてタンク200に適用された照明通信システムが示されている。照明通信システム2は、例えば移動体10(一例としてドローン)と、複数の照明通信装置20と、複数の照明通信装置20とLAN60(Local Area Network)等のネットワークで接続されたサーバ50とを含む。
【0019】
照明通信システム2は、複数の照明通信装置20と移動体10との間での光無線通信によりデータの送受信を実行するシステムである。なお、移動体10は、ドローン等の無人飛行機に限られず有人飛行機であってもよい。また、飛行型のドローンに限られず、地上走行型や水上/水中航行型のドローンであってもよいし、大気環境ではない非大気環境のような宇宙で用いられるドローン等であってもよい。
【0020】
なお、本例においては、光無線通信の一例としてLEDを用いた可視光通信について説明するが、これに限られず、他の光や光同等の特性を有している高い周波数帯域の電波を利用した光通信を用いることも可能である。
【0021】
実施形態1に従う照明通信システム2は、光無線通信により移動体10に搭載されたカメラにより撮影された画像データを照明通信装置20を介してサーバ50に送信する。実施形態1に従う照明通信システム2は、例えば情報処理装置を用いて構成される。一例として、複数の照明通信装置20として、照明通信装置20A〜20Cが配置されている。照明通信装置20A〜20Cは可搬型であり、タンク内200の任意の位置に配置される。照明通信装置20A〜20Cのそれぞれには、識別IDが割り当てられている。本例においては、照明通信装置20A〜20Cのそれぞれに識別ID1〜ID3が割り当てられている。
【0022】
複数の照明通信装置20は、照明光が重なり合うように配置される。具体的には、移動体10が位置する任意の地点において少なくとも3つ以上の照明光が重なり合うようにそれぞれ設けられる。照明通信装置20は、無指向性あるいは広指向性の照明を用いるようにしてもよい。
【0023】
各照明通信装置20は、照明光の照明エリア内の移動体10と可視光通信によりデータの授受を実行することが可能である。したがって、少なくとも3つ以上の照明光が重なり合うように照明通信装置20が設けられているため3つ以上の照明通信装置20と移動体10との間で可視光通信が可能となる。これにより、設定した空間座標における移動体10の位置を算出することが可能となる。
【0024】
なお、本例においては、3個の照明通信装置20をタンク200内に配置する場合について説明するが、3個以上であれば良く、さらに複数の照明通信装置20を配置するようにしてもよい。そして、3個以上の照明光が重なり合う範囲を広げて移動体10の移動可能な領域を広げるようにしてもよい。
【0025】
移動体10は、タンク200内を移動しつつ、タンク200内部の例えば壁面等をカメラを用いて撮影する。撮影した画像データは、複数の照明通信装置20のうちの少なくとも1つ、好ましくは最も伝送効率の高い照明通信装置20に送信される。そして、当該照明通信装置20は、LAN60を介してサーバ50に画像データを送信する。
【0026】
図2は、実施形態1に従う複数の照明通信装置20による座標軸の設定について説明する図である。図2に示されるように、各照明通信装置20A〜20Cは、光無線通信により互いに通信し、互いの位置関係を取得する。一例として、識別ID1の照明通信装置20Aを基点(基準照明通信装置)とした空間座標を設定する。
【0027】
具体的には、識別ID1の照明通信装置20Aと識別ID2の照明通信装置20Bとを結んだ直線をX軸に設定する。X軸および識別ID3の照明通信装置20Cを含む平面において、X軸と直交する線をY軸に設定する。そして、X軸およびY軸に直交するとともに基準照明通信装置である照明通信装置20Aを原点としたZ軸を設定する。
【0028】
照明通信装置20A〜20Cの光無線通信は、例えば次のように行うことが可能である。具体的には、照明通信装置20Aの照明光が照明通信装置20Bおよび20Cを含むように設定し、照明通信装置20Bの照明光が照明通信装置20Aおよび20Cを含むように設定し、照明通信装置20Cの照明光が照明通信装置20Aおよび20Bを含むように設定する。これにより、複数の照明通信装置20が互いに光無線通信により通信することが可能である。
【0029】
図3は、実施形態1に従う照明通信装置20Aと照明通信装置20Bとの間での信号の授受を説明する図である。図3に示されるように、照明通信装置20Aからの問合せ信号に対して、照明通信装置20Bは、ACK信号を送信する。
【0030】
図4は、実施形態1に従う照明通信装置20Aと照明通信装置20Bおよび20Cの距離の算出について説明する図である。図4に示されるように、照明通信装置20Aからの問合わせ信号に対する照明通信装置20BからのACK信号の受信までの期間t1を取得する。また、照明通信装置20Aからの問合せ信号に対する照明通信装置20CからのACK信号の受信までの期間t2を取得する。
【0031】
期間t1に基づいて照明通信装置20Aと照明通信装置20Bとの間の距離を算出することが可能である。具体的には、照明通信装置20Aと照明通信装置20Bとの間の距離r1_2は、光速×t1/2により算出することが可能である。同様に、照明通信装置20Aと照明通信装置20Cとの間の距離r1_3は、光速×t2/2により算出することが可能である。また、照明通信装置20Bからの問合わせ信号に対する照明通信装置20CからのACK信号の受信までの期間t3を取得する。そして、照明通信装置20Bと照明通信装置20Cとの間の距離r2_3は、光速×t3/2により算出することが可能である。
【0032】
図5は、実施形態1に従う照明通信装置20A〜20Cの位置座標の取得について説明する図である。図5に示されるように、本例においては、照明通信装置20A〜20Cの高さ(z軸方向)は同じである場合について説明する。なお、照明通信装置20A〜20Cの高さは同じである場合について説明するが、これに限られず基準照明通信装置に対する高さをそれぞれ計測するようにしてもよい。例えば、3つではなく、4つの照明通信装置20を用いて計測するようにしてもよい。
【0033】
識別ID1の照明通信装置20Aと識別ID2の照明通信装置20Bとを結んだ線をX軸として、当該X軸に直交する方向をY軸に設定する場合が示されている。
【0034】
照明通信装置20Aと照明通信装置20Bとの距離r1_2と、照明通信装置20Bと照明通信装置20Cとの距離r2_3と、照明通信装置20Aと照明通信装置20Cとの距離r1_3とに基づいて、識別ID1の照明通信装置20Aを基準点とした場合の識別ID2および識別ID3の照明通信装置20B、20Cの相対的な位置座標を取得することが可能である。
【0035】
識別ID2の照明通信装置20Bの位置座標Id2(x,y)は、(r1#2,0)である。
識別ID3の照明通信装置20Cの位置座標Id3(x,y)は、余弦定理により次式により算出することが可能である。
【0036】
【数1】
【0037】
したがって、識別ID1の照明通信装置20Aを基点とした場合の各照明通信装置20Bと照明通信装置20Cの位置を算出することが可能である。
【0038】
図6は、実施形態1に基づく照明通信システム2の機能ブロック図である。図6を参照して、照明通信システム2は、複数の照明通信装置20A〜20Cと、サーバ50と、移動体10と、LAN60とを含む。各照明通信装置20A〜20Cは、照明光を照射する照明部22と、照明部22を制御して通信する通信部24とを含む。一例として照明部22は、LEDを用いることが可能である。通信部24は、移動体10との間でLEDを用いた可視光通信を実行する。移動体10は、光通信部12と、カメラ14と、移動制御部16と、発電装置18と、レーザセンサ13と、ドローン通信時間算出部15と、移動体自己位置算出部17と、点検部IMU19とを含む。光通信部12は、照明通信装置20の通信部24との間で光無線通信を実行する。
【0039】
カメラ14は、タンク200内の照明光で照射された照明エリアの画像データを取得する。例えば、照明光により照射されたタンク200内の壁やタンク200内部の状況の画像データを取得する。カメラ14は移動体10に撮影対象に正対可能に固定的に装備されてもよく、あるいは雲台へ搭載して移動体10に対し自由な角度で撮影できるようにしてもよい。
【0040】
移動制御部16は、移動体10の移動を制御する。なお、移動体10の移動の制御は、自動制御であってもよいし、外部からの入力に基づく手動制御であってもよい。例えば、手動制御の場合には、サーバ50からの指示を照明通信装置20を介して移動体10に送信することにより、移動体10は、当該指示データを受信して、移動を制御するようにしてもよい。移動制御部16は、移動体自己位置算出部17で算出された移動体10の位置データに基づいて移動の自動制御を実行するようにしても良い。
【0041】
発電装置18は、照明通信装置20の照明部22により照射される照明光を受光して発電する装置である。移動体10に発電装置18を設けることにより発電装置18で発電された電力を用いて移動体10を制御することが可能である。例えば、発電装置18としてソーラーパネルを用いることが可能である。
【0042】
レーザセンサ13は、カメラ14の動きに連動してカメラが撮影している対象物までの距離をあらかじめ設定された間隔で計測・算出する。そのデータは点検部IMU19が取得したデータとともに照明通信装置20に送信される送信データに時間を同期させて含められる。
【0043】
点検部IMU19は、カメラ14が雲台に装備されている場合にカメラ14に連動するように固定され、移動体10に対するカメラの姿勢をあらかじめ設定された間隔で計測・算出する。そのデータは照明通信装置20に送信される送信データに時間を同期させて含められる。
【0044】
ドローン通信時間算出部15は、各照明通信装置20との間で通信した通信時間を算出する。
【0045】
移動体自己位置算出部17は、各照明通信装置20から受信した各照明通信装置20の位置データとドローン通信時間算出部15で算出した通信時間とを利用してドローン10自身の位置データを算出する。
【0046】
サーバ50は、LAN60を介して複数の照明通信装置20と接続されている。サーバ50は、通信時間算出部32と、移動体位置算出部34と、照明通信装置位置算出部35と、特定部36と、動作制御部38とを含む。
【0047】
通信時間算出部32は、各照明通信装置20が移動体10あるいは他の照明通信装置20に問合せ信号を送信してからACK信号を受信するまでの期間tを算出する。
【0048】
照明通信装置位置算出部35は、各照明通信装置20の中から任意で設定された基準照明通信装置(本例では、照明通信装置20A(ID1))を基準として、各照明通信装置20が他の照明通信装置20に問合せ信号を送信してからACK信号を受信するまでの期間tに基づいて照明通信装置20の相対的な3次元座標(x,y,z)を算出する。
【0049】
一例として、照明通信装置20B,20C(ID2、ID3)の3次元座標(x2,y2,z2)、(x3,y3,z3)を算出するが、予め各照明通信装置間の位置関係がわかっている場合は、そのデータを利用するようにしてもよい。
【0050】
移動体位置算出部34は、各照明通信装置20が移動体10に問合せ信号を送信してからACK信号を受信するまでの期間tに基づいて移動体10の3次元座標(x,y,z)を算出する。
【0051】
本例においては、少なくとも3つ以上の照明光が重なり合うように照明通信装置20が設けられているため3つ以上の照明通信装置20と移動体10との間での問合せ信号を送信してからACK信号を受信するまでの期間t、および移動体10と照明通信装置20との間でのACK信号を送信してからCOP信号を受信するまでの期間tdが算出される。これにより、後述するが移動体10の3次元座標(x,y,z)を算出することが可能である。
【0052】
特定部36は、通信時間算出部32で算出した期間tに基づいて移動体10に対して近傍の照明通信装置20を特定する。具体的には、期間tが最も短いすなわち移動体10との距離が短い照明通信装置20を特定する。これによりどの照明通信装置20付近に移動体10が位置するかを把握することが可能である。
【0053】
動作制御部38は、複数の照明通信装置20に対する動作を制御する。具体的には、複数の照明通信装置20に対して移動体10に対する問合せ信号の送信を指示する。また、動作制御部38は、移動体10に最近傍の特定された照明通信装置20に対して移動体10と通信するように指示する。
【0054】
照明通信装置20は、動作制御部38からの指示に従って、移動体10と通信して移動体10が送信する送信データを受信する。送信データは、カメラ14により撮影した画像データに限られず、画像データに同期したレーザセンサ13のデータおよび点検部IMU19のIMUデータを含むようにしてもよい。照明通信装置20は、移動体10から送信された送信データを受信してLAN60を介してサーバ50に送信する。動作制御部38は、照明通信装置20から送信された送信データを取得する。これによりサーバ50は、移動体10のカメラ14で撮影された画像データを取得することが可能となる。サーバ50は、取得した画像データをメモリに格納する。当該画像データは、ディスプレイに表示することも可能である。
【0055】
図7は、実施形態1に従うサーバ50の照明通信装置20A〜20Cの位置の算出処理について説明するフロー図である。図7を参照して、サーバ50は、問合せ信号の送信を指示する(ステップS30)。具体的には、動作制御部38は、LAN50を介して照明通信装置20Aに対して問合せ信号の送信を指示する。照明通信装置20Aは、動作制御部38からの指示に従って問合せ信号を照明通信装置20Bおよび20Cに送信する。照明通信装置20Aの通信部24は、問合せ信号を照明通信装置20Bおよび20Cに送信する。照明通信装置20Bおよび照明通信装置20Cの通信部24は、問合せ信号を受信して、ACK信号を照明通信装置20Aに送信する。
【0056】
サーバ50は、ACK信号の受信の通知が有るか否かを判断する(ステップS32)。照明通信装置20Aの通信部24は、照明通信装置20Bおよび20CからのACK信号を受信したか否かを判断し、受信した場合には、LAN50を介してサーバ50にACK信号の受信の通知があった旨を通知する。動作制御部38は、ACK信号の受信の通知があるか否かを判断する。
【0057】
ステップS32において、サーバ50は、ACK信号の受信の通知が有ると判断した場合(ステップS32においてYES)には、次に、全ての組み合わせについて検出したか否かを判断する(ステップS34)。動作制御部38は、照明通信装置20A〜20Cの互いに隣接する全ての組み合わせのACK信号を受信したか否かを判断する。
【0058】
ステップS34において、サーバ50は、全ての組み合わせのACK信号を受信していないと判断した場合(ステップS34においてNO)には、ステップS30に戻り、別の組み合わせに基づく検出処理を実行する。具体的には、動作制御部38は、LAN50を介して照明通信装置20Bに対して問合せ信号の送信を指示する。照明通信装置20Bは、動作制御部38からの指示に従って問合せ信号を照明通信装置20Cに送信する。照明通信装置20Bの通信部24は、問合せ信号を照明通信装置20Cに送信する。照明通信装置20Cの通信部24は、問合せ信号を受信して、ACK信号を照明通信装置20Bに送信する。
【0059】
ステップS34において、サーバ50は、全ての組み合わせのACK信号を受信したと判断した場合(ステップS34においてYES)には、通信時間を算出する(ステップS36)。動作制御部38は、全ての組み合わせのACK信号を受信したと判断した場合には、通信時間を算出するように通信時間算出部32に指示する。通信時間算出部32は、照明通信装置20A〜20Cの互いに隣接する全ての組み合わせのACK信号に基づいて照明通信装置20Aと照明通信装置20Bとの間、照明通信装置20Bと照明通信装置20Cとの間、照明通信装置20Aと照明通信装置20Cとの間の通信時間を算出する。
【0060】
次に、サーバ50は、照明通信装置20の位置を算出する(ステップS38)。具体的には、照明通信装置位置算出部35は、通信時間算出部32で算出した通信時間に基づいて図4および5で説明した方式に基づいて照明通信装置20Aを基点とした各照明通信装置20B,20Cの相対的な位置座標を算出する。
【0061】
次に、サーバ50は、算出した各照明通信装置20A〜20Cの相対的な位置座標を登録する(ステップS39)。具体的には、動作制御部38は、算出した照明通信装置20Aを基点とした各照明通信装置20B,20Cの相対的な位置座標を各照明通信装置20A〜20Cに登録する。具体的には、各照明通信装置20A〜20Cの通信部24は、動作制御部38から指示された相対的な位置座標を登録する。これにより後述するCOP信号の送信の際に自身の位置座標を含めることが可能となる。
【0062】
そして、サーバ50は、位置の算出処理を終了する(エンド)。当該照明通信装置20A〜20Cの位置座標を算出することにより、移動体10の3次元位置座標を算出することが可能である。
【0063】
図8は、実施形態1に従う照明通信装置20と移動体10との間での信号の授受を説明する図である。図8に示されるように移動体10は、照明通信装置20からの問合せ信号に対して、ACK信号を送信する。照明通信装置20は、移動体10からのACK信号に対してCOP信号(Copy:了解信号)を送信する。COP信号は、基準照明通信装置に対する照明通信装置20の自身の位置情報を含む。
【0064】
照明通信装置20は、サーバ50からの指示に従って割り当てられた自身のID信号を移動体10に送信する。ID信号には、自身の割り当てられたIDとともに通信性能の情報が含まれる。
【0065】
移動体10は、受信したID信号を用いて、当該ID信号を含む送信データを照明通信装置20に送信する。送信データは、ID信号と、本体データとを含む。本例においては、本体データは、カメラで撮影した画像データを含めることが可能である。
【0066】
各照明通信装置20は、ACK信号を受信した場合にCOP信号を移動体10に送信する。以下は、サーバ50の指示に従って各照明通信装置20から問合せ信号を移動体10に送信する場合について説明するが、移動体10から各照明通信装置20に問合せ信号を送信するようにしてもよい。
【0067】
図9は、実施形態1に従う移動体10の位置の算出方式を説明する図である。図9に示されるように、サーバ50の通信時間算出部32は、各照明通信装置20A〜20Cが移動体10に問合せ信号を送信してからACK信号を受信するまでの期間tA〜tCを算出する。移動体位置算出部34は、期間tA〜tCに基づいて照明通信装置20と移動体10との距離を算出する。具体的には、照明通信装置20(ID001)と移動体10との間の距離r1は、光速×tA/2により算出される。照明通信装置20(ID002)と移動体10との間の距離r2は、光速×tB/2により算出される。照明通信装置20(ID003)と移動体10との間の距離r3は、光速×tC/2により算出される。
【0068】
移動体位置算出部34は、算出された各照明通信装置20A〜20Cと移動体10との距離と、各照明通信装置20A〜20Cの位置座標とに基づいて移動体10の位置を算出する。
【0069】
具体的には、移動体10の3次元座標位置(x,y,z)に関して、以下の式が成立する。ここで、各照明通信装置20の位置L1(x1,y1,z1)、L2(x2,y2,z2)、L3(x3,y3,z3)は、予め基準照明通信装置である照明通信装置20Aを基点とする照明通信装置20Bおよび20Cの3次元座標位置として算出されている。
【0070】
【数2】
【0071】
上式を演算することにより移動体10の基準照明通信装置を基点とした3次元座標位置(x,y,z)を算出することが可能となる。すなわち、図2で設定した空間座標における移動体10の位置座標を算出することが可能である。
【0072】
図10は、実施形態1に従うサーバ50の処理について説明するフロー図である。図10を参照して、サーバ50は、問合せ信号の送信を指示する(ステップS2)。具体的には、動作制御部38は、LAN50を介して照明通信装置20A〜20Cに対して問合せ信号の送信を指示する。照明通信装置20A〜20Cは、動作制御部38からの指示に従って問合せ信号を移動体10に送信する。照明通信装置20A〜20Cの通信部24は、問合せ信号を移動体10に送信する。
【0073】
次に、サーバ50は、ACK信号の受信の通知が有るか否かを判断する(ステップS4)。各照明通信装置20の通信部24は、移動体10からのACK信号を受信したか否かを判断し、LAN50を介してサーバ50にACK信号の受信の通知があった旨を通知する。動作制御部38は、ACK信号の受信の通知があるか否かを判断する。
【0074】
ステップS4において、サーバ50は、ACK信号の受信の通知があった場合(ステップS4においてYES)には、COP信号を送信するように指示する(ステップS5)。具体的には、動作制御部38は、LAN50を介して照明通信装置20A〜20CからのACK信号の受信の通知があった場合には、当該照明通信装置20A〜20Cに対してCOP信号の送信を指示する。照明通信装置20A〜20Cは、動作制御部38からの指示に従ってCOP信号を移動体10に送信する。照明通信装置20A〜20Cの通信部24は、COP信号を移動体10に送信する。なお、本例においては、ACK信号の受信の通知に対して、サーバ50からCOP信号の送信を指示する場合について説明するが、これに限られず、各照明通信装置20A〜20Cの通信部24は、ACK信号の受信に応答してCOP信号を送信するようにしてもよい。
【0075】
ステップS5において、サーバ50は、3つ以上の照明通信装置20からACK信号の受信の通知が有るか否かを判断する(ステップS6)。動作制御部38は、3つ以上のACK信号の受信の通知があるか否かを判断する。
【0076】
ステップS6において、サーバ50は、3つ以上の照明通信装置20からACK信号の受信の通知が有ると判断した場合(ステップS6においてYES)には、通信時間を算出する(ステップS8)。動作制御部38は、3つ以上の照明通信装置20からACK信号の受信の通知があると判断した場合には、通信時間を算出するように通信時間算出部32に指示する。通信時間算出部32は、3つ以上の照明通信装置20からACK信号の受信の通知に基づいて各照明通信装置20と移動体10との間での通信時間を算出する。
【0077】
次に、サーバ50は、移動体10の位置を算出する(ステップS10)。具体的には、移動体位置算出部34は、通信時間算出部32で算出した通信時間に基づいて図9で説明した方式に基づいて移動体10の3次元座標(x,y,z)を算出する。
【0078】
次に、サーバ50は、移動体10に近傍の照明通信装置20を特定する(ステップS12)。特定部36は、移動体10の算出された3次元座標に基づいて複数の照明通信装置20のうちの最近傍の照明通信装置20を特定する。特定部36は、特定された照明通信装置20に関する情報を動作制御部38に出力する。
【0079】
次に、サーバ50は、特定された照明通信装置20に対して移動体10との通信を実行するように指示する(ステップS14)。動作制御部38は、特定部36で特定された近傍の照明通信装置20の情報に基づいて、当該照明通信装置20に対して移動体10との通信を実行するように指示する。具体的には、移動体10との通信により移動体10の送信データを受信するように指示する。照明通信装置20の通信部24は、自身のID信号を移動体10に送信する。移動体10は、受信したID信号を用いて、当該ID信号を含む送信データを照明通信装置20に送信する。送信データは、ID信号と、本体データとを含む。本例においては、本体データは、カメラで撮影した画像データを含めることが可能である。また、レーザセンサ13や点検部IMU19のデータを当該送信データに含めることが可能である。本例においては、移動体10に近傍の照明通信装置20が最も伝送効率の高い照明通信装置20と判断して移動体10と通信する。なお、距離によらず照明通信装置20毎に伝送効率を測定して最も伝送効率の高い照明通信装置20を特定して移動体10と通信するようにしてもよい。
【0080】
次に、サーバ50は、特定された照明通信装置20から移動体10から送信されたデータを取得したか否かを判断する(ステップS16)。ステップS16において、移動体10から送信されたデータを取得するまでその状態を維持する。動作制御部38は、送信データを取得したか否かを判断する。
【0081】
ステップS16において、サーバ50は、特定された照明通信装置20から移動体10から送信されたデータを取得した場合(ステップS16においてYES)には、当該データを保存する(ステップS18)。動作制御部38は、メモリに当該データを保存する。
【0082】
次に、サーバ50は、処理を終了するか否かを判断する(ステップS20)。動作制御部38は、移動体10との通信処理を終了するか否かを判断する。
【0083】
ステップS20において、サーバ50は、処理を終了すると判断した場合(ステップS20においてYES)には、処理を終了する(エンド)。動作制御部38は、移動体10との通信処理を終了すると判断した場合には、処理を終了する。
【0084】
一方、ステップS20において、サーバ50は、処理を終了しないと判断した場合(ステップS20においてNO)には、ステップS2に戻り上記処理を繰り返す。動作制御部38は、移動体10との通信処理を終了しないと判断した場合には、ステップS2に戻り、上記処理を繰り返す。
【0085】
一方、ステップS6において、サーバ50は、3つ以上の照明通信装置20からACK信号の受信の通知が無いと判断した場合(ステップS6においてNO)には、N回受信に失敗したか否かを判断する(ステップS22)。動作制御部38は、3つ以上のACK信号の受信の通知が無いと判断した場合には、N回(一例として3回)受信に失敗したか否かを判断する。
【0086】
ステップS22において、N回受信に失敗したと判断した場合(ステップS22においてYES)には、エラー処理を実行する(ステップS24)。動作制御部38は、N回(一例として3回)受信に失敗したと判断した場合にはエラー処理を実行する。具体的には、通信が正常でないためエラー情報を通知してもよい。あるいは、移動体10に帰還指示を通知してもよい。
【0087】
一方、ステップS22において、N回受信に失敗していないと判断した場合(ステップS22においてNO)には、ステップS2に戻り、上記処理を繰り返す。動作制御部38は、N回(一例として3回)受信に失敗していないと判断した場合には、ステップS2に戻り上記処理を繰り返す。
【0088】
図11は、実施形態1に従う移動体10の処理について説明するフロー図である。図11を参照して、移動体10は、問合せ信号を受信したか否かを判断する(ステップS50)。移動体10の光通信部12は、問合せ信号を受信したか否かを判断する。ステップS50において、移動体10は、問合せ信号を受信するまで待機する(ステップS50においてNO)。
【0089】
ステップS50において、移動体10は、問合せ信号を受信したと判断した場合(ステップS50においてYES)には、ACK信号を送信する(ステップS51)。光通信部12は、問合せ信号を受信した場合には、ACK信号を送信する。
【0090】
次に、移動体10は、COP信号を受信したか否かを判断する(ステップS52)。光通信部12は、COP信号を受信したか否かを判断する。具体的には、光通信部12は、図8で説明したように照明通信装置20からのCOP信号を受信したか否かを判断する。
【0091】
ステップS52において、移動体10は、COP信号を受信したと判断した場合(ステップS52においてYES)には、通信期間tdを算出する(ステップS54)。ドローン通信時間算出部15は、照明通信装置20A〜20CにACK信号を送信してから照明通信装置20A〜20CからのCOP信号を受信するまでの通信時間を算出する。ドローン通信時間算出部15は、照明通信装置20A(ID1)にACK信号を送信してからCOP信号を受信するまでの期間td1を算出する。移動体10は、照明通信装置20B(ID2)にACK信号を送信してからCOP信号を受信するまでの期間td2を算出する。移動体10は、照明通信装置20C(ID3)にACK信号を送信してからCOP信号を受信するまでの期間td3を算出する。
【0092】
次に、移動体10は、自己の位置を算出する(ステップS55)。移動体自己位置算出部17は、COP信号に含まれる各照明通信装置20A〜20Cの基準照明通信装置である照明通信装置20Aを基点とする照明通信装置20Bおよび20Cの3次元座標位置を取得する。移動体自己位置算出部17は、算出した通信時間に基づいて各照明通信装置20A〜20Cの距離を算出する。移動体自己位置算出部17は、図9で説明したのと同様に、算出した各照明通信装置20A〜20Cの距離と、基準照明通信装置である照明通信装置20Aを基点とする照明通信装置20Bおよび20Cの3次元座標位置とに基づいて自己の3次元座標位置を算出する。
【0093】
次に、移動体10は、算出した自己の位置に基づいて移動する(ステップS56)。具体的には、移動制御部16は、移動体自己位置算出部17で算出した自己の位置に基づいて自律制御の場合には、当該予め設定された位置に移動するように制御する。
【0094】
ここで、移動体10で行われる自律制御のための一連の処理は、サーバ側での自動制御処理と並行してバックアップ的に行われてもよいし、点検処理を優先させるためにその一連の処理を停止し、サーバ側での自動制御処理のみとしてもよい。
【0095】
そして、移動体10は、処理を終了するか否かを判断する(ステップS58)。
ステップS58において、移動体10は、処理を終了しないと判断した場合(ステップS58においてNO)には、ステップS50に戻り上記処理を繰り返す。
【0096】
一方、ステップS58において、移動体10は、処理を終了すると判断した場合(ステップS58においてYES)には、処理を終了する(エンド)。
【0097】
また、ステップS52において、移動体10は、COP信号を受信していないと判断した場合(ステップS52においてNO)には、ステップS53に進む。
【0098】
ステップS53において、移動体10は、問合せ信号の再送信の指示を出力する(ステップS53)。移動体10の光通信部12は、問合せ信号を再送信するように各照明通信装置20A〜20Cに指示する。照明通信装置20A〜20Cの通信部24は、移動体10の光通信部12から問合せ信号を再送信するように指示を受けた場合には、問合せ信号を再送信する。そして、ステップS50に戻る。
【0099】
図12は、実施形態1に従う移動体10の送信データの送信処理について説明するフロー図である。図12を参照して、移動体10は、通信指示信号を受信したか否かを判断する(ステップS40)。移動体10の光通信部12は、通信指示信号を受信したか否かを判断する。ステップS40において、移動体10は、通信指示信号を受信するまで待機する(ステップS40においてNO)。
【0100】
ステップS40において、移動体10は、通信指示信号を受信したと判断した場合(ステップS40においてYES)には、送信データを生成する(ステップS42)。光通信部12は、通信指示信号を受信した場合には、図8で説明したようにカメラ14で撮影した画像データを含む送信データを生成する。
【0101】
次に、移動体10は、送信データを送信する(ステップS44)。光通信部12は、生成した送信データを照明通信装置20に送信する。
【0102】
次に、移動体10は、処理を終了するか否かを判断する(ステップS46)。光通信部12は、通信処理を終了するか否かを判断する。
【0103】
ステップS46において、処理を終了すると判断した場合(ステップS46においてYES)には、処理を終了する(エンド)。光通信部12は、通信処理を終了すると判断した場合には、通信処理を終了する。
【0104】
一方、ステップS46において、処理を終了しないと判断した場合(ステップS46においてNO)には、ステップS40に戻り上記処理を繰り返す。光通信部12は、通信処理を終了しないと判断した場合には上記処理を繰り返す。
【0105】
なお、本例においては、移動体10の光通信部12は、カメラ14で撮影した画像データを送信データに含めて送信する通信処理を実行する場合について説明したが、これに限られず他の通信処理を実行するようにしてもよい。
【0106】
例えば、照明通信装置20を介してサーバ50からの移動体10に対する移動指示を受信するようにしてもよい。その場合、光通信部12は、照明通信装置20から送信された移動指示を受信して、移動制御部16に通知する。移動制御部16は、当該指示に基づいて移動体10の移動を制御するようにしてもよい。
【0107】
また、画像データは、カメラ14で撮影した動画に限られず静止画でもよい。なお、本例においては、点検エリア内の被点検物の状態を検出する検知装置の一例としてカメラ14を例に挙げて説明したが、特にカメラ14に限られず種々のセンサを用いてもよい。具体的には、上記したようにレーザセンサ13あるいは点検部IMU19のデータを画像データの代わりに送信データに含めて照明通信装置20に送信するようにしてもよい。また、検知装置として、レーザスキャナによる壁面の3D形状データや、ハイパースペクトルカメラによる分光画像データであってもよい。また、これらを種々組み合わせるものであってよいし、移動体10の位置データや、移動体10と被点検物との距離データ、カメラ14の挙動データ等、移動体10の各種パラメータを送信データに含めて照明通信装置20に送信するようにしてもよい。
【0108】
(実施形態1の変形例)
図13は、実施形態1の変形例1に従う橋梁70の下部に設けられた照明通信システム3について説明する図である。図13を参照して、タンク200内に限られず、例えば橋梁70の下に複数の照明通信装置20を設けて、同様の方式に従って橋梁70の下面側の検査にも適用することが可能である。本例においては、可搬型の識別ID1〜ID3の3個の照明通信装置20と、可搬型の識別ID4〜識別ID6の3個の照明通信装置20を配置する場合が示されている。また、識別ID1〜ID6は、LAN62と接続される。LAN62は、サーバ52と接続されている。
【0109】
実施形態1で説明したように、識別ID1〜ID3の照明通信装置20を用いて、基準照明通信装置を設定して、当該基準照明通信装置を基点とした空間座標を設定する。また、3個の照明通信装置20の照明光が重なり合うように配置され、移動体10は、当該領域で移動する。これにより、設定された空間座標における移動体10の3次元座標位置を算出することが可能である。移動体10は、橋梁70の下部をカメラ14で撮影した画像データを照明通信装置20に送信する。サーバ52は、照明通信装置20およびLAN62を介して画像データを取得することが可能である。
【0110】
同様に、橋梁70の下部の位置が異なる領域においても、可搬型の識別ID4〜識別ID6の3個の照明通信装置20を用いて、基準照明通信装置を設定して、当該基準照明通信装置を基点とした空間座標を設定する。また、3個の照明通信装置20の照明光が重なり合うように配置され、移動体10は、当該領域で移動する。これにより、設定された空間座標における移動体10の3次元座標位置を算出することが可能である。移動体10は、橋梁70の下部をカメラ14で撮影した画像データを照明通信装置20に送信する。サーバ52は、照明通信装置20およびLAN62を介して画像データを取得することが可能である。したがって、当該方式により、任意の位置に可搬型の照明通信装置20を配置することにより容易に橋梁70の下部の検査が可能となる。
(実施形態2)
図14は、実施形態2に従う照明通信システム4について説明する図である。図14に示されるように、照明通信システム4は、例えば移動体10と、複数の照明通信装置20と、複数の照明通信装置20とLAN等のネットワークで接続されたサーバ30とを含む。一例として照明通信装置20−1〜20−10が設けられている場合が示されている。
【0111】
実施形態2に従う照明通信システム4は、光無線通信により移動体10に搭載されたカメラにより撮影された画像データを照明通信装置20−1〜20−10を介してサーバ30に送信する。実施形態2に従う照明通信システム4は、例えば情報処理装置を用いて構成される。
【0112】
複数の照明通信装置20−1〜20−10は、トンネル100の延伸方向に沿ってそれぞれ設けられる。複数の照明通信装置20−1〜20−10には、それぞれ識別IDが割り振られている。複数の照明通信装置20−1〜20−10は、照明光が重なり合うように配置される。具体的には、移動体10が位置する任意の地点において少なくとも3つ以上の照明光が重なり合うようにそれぞれ設けられる。
【0113】
複数の照明通信装置20−1〜20−10は、照明光の照明エリア内の移動体10と可視光通信によりデータの授受を実行することが可能である。したがって、少なくとも3つ以上の照明光が重なり合うように照明通信装置20−1〜20−10が設けられているため3つ以上の照明通信装置20−1〜20−10と移動体10との間で可視光通信が可能となる。これにより、設定した空間座標における移動体10の位置を算出することが可能となる。
【0114】
なお、本例においては、複数の照明通信装置20−1〜20−10が一列に直線状にトンネル100内に配置する場合について説明するが、複数列を直線状に配置するようにしてもよい。
【0115】
移動体10は、トンネル100内を移動しつつ、トンネル100内部の例えば壁面等をカメラを用いて撮影する。撮影した画像データは、複数の照明通信装置20−1〜20−10のうちの少なくとも1つ、好ましくは最も伝送効率の高い照明通信装置20に送信される。そして、当該照明通信装置20−1〜20−10は、LAN40を介してサーバ30に画像データを送信する。
【0116】
各照明通信装置20−1〜20−10は、光無線通信により互いに通信し、互いの位置関係を取得する。一例として、識別ID001の照明通信装置20−1を基点(基準照明通信装置)とした空間座標を設定する。
【0117】
照明通信装置20−1〜20−10の光無線通信は、例えば次のように行うことが可能である。具体的には、照明通信装置20−1の照明光が隣接する照明通信装置20−2を含むように設定し、照明通信装置20−2の照明光が隣接する照明通信装置20−1および20−3を含むように設定し、照明通信装置20−3の照明光が隣接する照明通信装置20−2および20−4を含むように設定し、照明通信装置20−4の照明光が隣接する照明通信装置20−3および20−5を含むように設定する。他の照明通信装置についても同様である。これにより、複数の照明通信装置20が互いに光無線通信により通信することが可能である。複数の照明通信装置20−1〜20−10は、直線状に配置されている。したがって、各照明通信装置20の距離を算出することにより、照明通信装置20−1を基点すなわち基準照明通信装置とした複数の照明通信装置20の相対的な3次元座標位置を算出することが可能である。
【0118】
隣接する照明通信装置20間で光無線通信を実行する。例えば、照明通信装置20−1は、問合せ信号を照明通信装置20−2に送信する。照明通信装置20−2は、照明通信装置20−1にACK信号を送信する。照明通信装置20−1からの問合わせ信号に対する照明通信装置20−2からのACK信号の受信までの期間に基づいて照明通信装置20−1と照明通信装置20−2との間の距離を算出することが可能である。同様に照明通信装置20−2と照明通信装置20−3との間の距離、その他の照明通信装置20間の距離についても同様に算出することが可能である。
【0119】
図15は、実施形態2に従う複数の照明通信装置20の照明光を説明する図である。図15を参照して、複数の照明通信装置20は、トンネル100の延伸方向に沿って配置される。複数の照明通信装置20は、照明光が重なり合うように配置される。
【0120】
具体的には、移動体10が位置する任意の地点において少なくとも3つ以上の照明光が重なり合うようにそれぞれ設けられる。各照明通信装置20は、照明光の照明エリア内の移動体10と可視光通信によりデータの授受を実行することが可能である。したがって、少なくとも3つ以上の照明光が重なり合うように照明通信装置20が設けられているため3つ以上の照明通信装置20と移動体10との間で可視光通信が可能となる。複数の照明通信装置20の各々には、識別IDが割り当てられている。
【0121】
本例においては、識別ID001〜識別ID007にそれぞれ対応する照明通信装置20がトンネル100の天井に延伸方向に沿って設けられている。なお、トンネル100の天井に限られず下面や側面に設けられる構成としてもよい。さらに固定された照明に限らず、点検作業の間のみ一時的固定的に任意の位置に設けられる可搬型照明であってもよい。
【0122】
移動体10は、トンネル100の延伸方向に移動しつつ、トンネル100内部の例えば壁面等をカメラを用いて撮影する。撮影した画像データは、複数の照明通信装置20のうちの少なくとも1つ、好ましくは最も伝送効率の高い照明通信装置20に送信される。移動体10に近傍の照明通信装置20が最も伝送効率の高い照明通信装置20と判断して移動体10と通信する。そして、当該照明通信装置20は、LANを介してサーバ30に画像データを送信する。
【0123】
実施形態1で説明したように、識別ID001〜ID007の照明通信装置20を用いて、基準照明通信装置を設定して、当該基準照明通信装置を基点とした空間座標を設定する。少なくとも3つ以上の照明光が重なり合うように照明通信装置20が設けられているため移動体10は、当該照明通信装置20との間で可視光通信することにより設定された空間座標における移動体10の3次元座標位置を算出することが可能である。
【0124】
また、移動体10は、トンネル100の設定された領域で移動する。移動体10は、トンネル100内部の壁面等をカメラ14で撮影した画像データを照明通信装置20に送信する。サーバ30は、照明通信装置20およびLAN40を介して画像データを取得することが可能である。
【0125】
図16は、実施形態2に従うサーバ30のディスプレイ表示の一例を説明する図である。図16を参照して、移動体10の移動の軌跡が示されている。当該画面には、複数の照明通信装置20の識別IDの位置が示されている。移動体10の3次元座標位置を算出することにより、どの位置を移動体10が移動しているのかを確認することが可能である。また、映像画面として、移動体10から送信される送信データを表示することによりカメラで撮影した画像データを確認することが可能である。当該処理により、特別な装置を用いてUAV等の移動体の位置を算出するのではなく、簡易な方式で移動体10の位置を算出することが可能である。また、当該方式により、容易にトンネル100の内部の検査が可能となる。
【0126】
なお、本例においては、照明通信装置20−1〜20−10が互いに通信することにより各照明通信装置20の位置を算出して空間座標を設定する方式について説明したが、照明通信装置20−1〜20−10の位置が予め設定されていて、当該設定された位置に基づいて空間座標を設定するようにしても良い。
【0127】
(実施形態2の変形例)
実施形態2の変形例においては、移動体10の位置に応じて、複数の照明通信装置20ON/OFF動作を制御する場合について説明する。動作制御部38は、複数の照明通信装置20のON/OFF動作を制御する。動作制御部38は、複数の照明通信装置20のうち最近傍の照明通信装置20を含む所定個数の照明通信装置20をON動作させ、複数の照明通信装置20のうち所定個数以外の照明通信装置20の動作を停止させる。一例として所定個数として3個の照明通信装置20をON動作させ、残りの照明通信装置20をOFF動作させてもよい。
【0128】
図17は、実施形態2に従うサーバ30の処理について説明するフロー図である。図17を参照して、図10のフロー図と比較して、ステップS19をさらに追加した点で異なる。その他の点については、図10のフロー図で説明したのと同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0129】
ステップS19において、サーバ30は、近傍の照明通信装置20を含む所定個数の照明通信装置を動作、それ以外の照明通信装置20を停止させる。そして、次のステップS20に進む。動作制御部38は、複数の照明通信装置20のうち最近傍の照明通信装置20を含む所定個数の照明通信装置20をON動作させ、複数の照明通信装置20のうち所定個数以外の照明通信装置20の動作を停止させる。
【0130】
一例として所定個数として3個以上の照明通信装置を動作させるようにしてもよい。これにより移動体10との通信および照明光として必要な照明通信装置20を動作させて、それ以外の照明通信装置を停止させることにより省電力を図ることが可能である。なお、照明通信装置20の動作の停止またはOFF動作は、機能全体の待機状態への移行でもよく、照明光のみの消灯や点滅、暗転、色変更等、任意の機能に限った停止であってもよい。
【0131】
なお、上記の各実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(ハードディスクなど)、光ディスク(CDROM、DVDなど)、光磁気ディスク(MO)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することもできる。また、記憶媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であっても良い。
【0132】
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が上記実施形態を実現するための各処理の一部を実行しても良い。さらに、各実施形態における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。また、記憶媒体は1つに限らず、複数の媒体から上記の各実施形態における処理が実行される場合も本発明における記憶媒体に含まれ、媒体構成は何れの構成であっても良い。なお、各実施形態におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、上記の各実施形態における各処理を実行するものであって、パーソナルコンピュータ等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であっても良い。
【0133】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0134】
2,3,4 照明通信システム、10 移動体、12 光通信部、13 レーザセンサ、14 カメラ、15 ドローン通信時間算出部、16 移動制御部、17 移動体自己位置算出部、18 発電装置、19 点検部IMU、20,20A,20B,20C 照明通信装置、22 照明部、24 通信部、30,50 サーバ、32 通信時間算出部、34 移動体位置算出部、35 照明通信装置位置算出部、36 特定部、38 動作制御部、70 橋梁。
図1
図2
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図17