【解決手段】本発明のフローセルは、入口及び出口を有する本体と、本体の入口から出口まで延びる流体流路とを備える。本体は、本体の流体流路の一部を形成するチャンバを含む容器をさらに備え、チャンバは、機能要素が流体流路を通過する流体の流れに接触するか、又は該流体の流れに曝されるように、機能要素をフローセルに接続するための第1の開口部を備える。第1の管状コネクタは本体の入口に隣接して配置される。第2の管状コネクタは本体の出口に隣接して配置される。フローセルは、機能要素と、第1の管状コネクタから本体及び受容器を通って、本体の出口、第2の管状コネクタまで延びる流体流路とを備える。本発明はまた、配管構成体及び1つ又は複数のフローセルを備えた流体管理及び/又は流体処理システムに関する。
前記機能要素が、静的ミキサ、導電率センサ、pHセンサ、圧力センサ、電気的接地要素、レドックスセンサ、温度センサ、静電容量センサ、光学センサ、流量センサ、及び液体サンプル採取用要素から選択される、請求項1に記載のフローセル。
前記流体流路が、少なくとも前記第1の管状コネクタ及び前記第2の管状コネクタ内の、並びに前記第1の管状コネクタ及び前記第2の管状コネクタに沿った、所定の実質的に同一の断面積を有し、前記流体流路に沿った前記流体流路の断面積は、実質的に、前記第1の管状コネクタ及び前記第2の管状コネクタ内の断面積に一致しているのが好ましい、請求項1又は2に記載のフローセル。
前記本体の前記チャンバの容積部が、好ましくは前記機能要素も前記開口部内に取り付けられ必要に応じてプローブ端部と共に前記チャンバ内に延びた後も、前記第1の管状コネクタ及び前記第2の管状コネクタ内の並びに前記第1の管状コネクタ及び前記第2の管状コネクタに沿った前記流体流路の断面積以上の前記流体流路の断面積を備えるように設計されている、請求項3に記載のフローセル。
前記機能要素が導電率センサ及びpHセンサから選択され、前記チャンバ内に延びる前記プローブ端部が、前記チャンバの壁部分までの距離を約12mm以上、好ましくは約15mm以上に保つように配置され、プローブ端部を有する前記センサが前記チャンバ内に延びる方向と直角な前記チャンバの全ての寸法が、約25mm以上、より好ましくは約28mm以上、特に約70mm以下、好ましくは約50mm以下である、請求項4に記載のフローセル。
前記管状コネクタが前記本体に直接に取り付けられている、好ましくは前記管状コネクタが本体と一体に形成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフローセル。
前記本体及び/又は前記管状コネクタが、金属、好ましくはステンレス鋼、又はプラスチック材料でできており、前記プラスチック材料が、好ましくは、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びシリコーンから選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフローセル。
前記流体流路が直線状であり、前記流体流路が、弧状の又は湾曲した形状、角度のついた形状、好ましくは90度の角度のついた形状、又はT字形状である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のフローセル。
前記受容器の前記チャンバが、前記第1の開口部と対向する第2の開口部を有し、前記第2の開口部が、任意選択で、前記本体の前記入口及び前記出口のうちの一方となる、請求項1〜8のいずれか一項に記載のフローセル。
前記チャンバの前記第1の開口部が、前記機能要素を受け入れるために前記本体から離れて延びる円形の突出部を備える、請求項1〜10のいずれか一項に記載のフローセル。
バイオプロセッシングシステム、好ましくは、バッファ溶液管理及び/又は識別システムのためのバイオコンテナアセンブリ、濾過システム、特にデプス濾過システム、滅菌濾過システム又はウイルス濾過システム、バルクフィルマニホールド又はウイルス不活化マニホールドの一部を形成する、請求項14に記載の流体管理システム及び/又は流体処理システム。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、流体管理システム及び/又は流体処理システムで使用するためのフローセルを提供する。本発明によるフローセルは、入口と、出口と、入口から出口に延びる流体流路とを有する本体を備える。フローセル本体は、該本体の流体流路の一部を形成するチャンバを備える受容器をさらに備える。前記チャンバは、機能要素が流体流路を通過する流体の流れと接触するか又は流体の流れに曝されるように、機能要素をフローセルに接続するための第1の開口部を備える。フローセルは、本体の入口に隣接して配置された第1の管状コネクタと、本体の出口に隣接して配置された第2の管状コネクタとをさらに備える。本発明によるフローセルはさらにまた、第1の管状コネクタから本体の入口、本体及び本体の受容器を通って本体の出口、第2の管状コネクタまで延びる流体流路を備える。
【0010】
多くの用途では、流体管理システム及び/又は流体処理システムで処理される流体の使用を制御、変更、又はその他の方法で管理するために、機能要素が必要とされる。
【0011】
したがって、本発明は、特に多種多様な機能要素を収容することによって、多種多様な用途で使用することができるフローセルを提供する。
【0012】
本発明はさらに、本発明による1つ又は複数のフローセルを備える配管構成体を備えた流体処理システムを提供する。
【0013】
本発明によるフローセルは、少なくとも第1及び第2の管状コネクタ内及びそれに沿った、所定の実質的に同一の断面積を有する流体流路を提供するのが好ましいが、流路に沿った流体流路の断面積は、実質的に、第1及び第2の管状コネクタ内の断面積に一致しているのがより好ましい。
【0014】
本発明のフローセルの好ましい実施形態では、本体のチャンバの容積部が、好ましくは機能要素が開口部内に取り付けられ必要に応じてチャンバ内に延びた後も、第1及び第2の管状コネクタ内の及びそれに沿った流体流路の断面積以上の流体流路の断面積を備えるように設計される。
【0015】
したがって、本発明によるフローセルは、チャンバの開口部内に収容された機能要素の種類とは無関係に、フローセルの中を通る遮るものがない流体の流れを実現する。
【0016】
多くの実施形態では、フローセルの管状コネクタは本体に直接取り付けられており、より好ましくは、前記管状コネクタは本体と一体的に形成されている。
【0017】
好ましい実施形態によれば、流体フローセルの本体及び/又は管状コネクタは、プラスチック材料でできており、前記プラスチック材料は、好ましくは、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びシリコーン(ポリシロキサン)から選択される。代替的に、フローセルの本体及び/又は管状コネクタは、金属、特にステンレス鋼で作られてもよい。
【0018】
本発明のフローセルの一実施形態によれば、流体流路は、直線状である。その結果、第1及び第2の管状コネクタは、互いに離れて延びるチャンバの対向する部分に配置される。
【0019】
別の実施形態によれば、フローセルは、湾曲した又は弧状の形状、角度のついた形状、好ましくは90度の角度のついた形状、又はT字形状である流体流路を備える。
【0020】
したがって、異なる形状を有するフローセルの様々な実施形態を使用し、特定の流体管理システム及び/又は流体処理システムが必要とする様々な環境に適合させることができる。
【0021】
本発明の好ましい実施形態によれば、フローセルの受容器のチャンバは第1の開口部に対向する第2の開口部を有し、前記第2の開口部は、任意選択で、本体の入口又は出口のいずれか一方となる。
【0022】
多くの実施形態において、本発明によるフローセルには、実質的に中空の円筒形状のチャンバを有する受容器が組み込まれている。
【0023】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、受容器は、チャンバの第1の開口部に、前記本体から離れて延びる円形の突出部を備え、機能要素を封止状態で受容する。
【0024】
したがって、特定の処理及び/又は流体処理システムの必要性に応じて、フローセルと機能要素との単純な構成を得ることができる。
【0025】
さらにまた、チャンバの第1の開口部は、機能要素の一端をチャンバ内の所定の位置に配置するためのアダプタを収容することができる。したがって、機能要素の機能を確実に保証するように、前記機能要素を正確に配置することができる。
【0026】
本発明のフローセルに使用し得る機能要素を、すでに上で述べた多種多様な機能要素から選択してもよい。
【0027】
機能要素の好ましい種類は、静的ミキサ、導電率センサ、pHセンサ、圧力センサ、電気的接地要素、レドックスセンサ、温度センサ、静電容量センサ、流量センサ、光学センサ、例えばUVセンサ、及び液体サンプル採取用要素である。
【0028】
機能要素が導電率センサ及びpHセンサから選択される場合、好ましくは、フローセルのチャンバ内に延びるセンサのプローブ端部は、チャンバの全ての壁部分までの距離を約12mm以上、好ましくは約15mm以上に保つように配置される。さらにまた、プローブ端部を有するセンサがチャンバ内に延びる方向と直角なチャンバの全ての寸法は、約25mm以上、より好ましくは約28mm以上、特に約70mm以下、好ましくは約50mm以下である。チャンバが中空の円筒形状である場合、この寸法はチャンバの内径に相当する。通常、このようなセンサのプローブ端部の直径は約12mmである。
【0029】
本発明による好ましいフローセルは、シングルユース用に設計されている。さらに、フローセルは滅菌可能であってもよく、したがって、医療用途又は製薬分野で使用するために設計された流体を取り扱う多種多様なバイオプロセッシングシステムにおいてフローセルとして使用できる機会を提供することができる。
【0030】
さらにまた、本発明のフローセルを、多種多様な機能要素、特にセンサに適応可能な標準的な形状を考慮して設計してもよい。本発明のフローセルを、特に配管構成体のチューブと同じものをオーバーモールド成形することによって、流体処理システムの一体部品として設計してもよい。さらに、本発明による複数のフローセルについては、エンティティに複数の異なる機能要素を連続して提供するように組み立ててもよい。これは、後続の2つのフローセルの管状コネクタを直接に接続し、追加の部品を使用せずにコネクタの端部をオーバーモールド成形することで実現できる。
【0031】
上記のように、本発明はまた、本発明による1つ又は複数のフローセルを備える、ある程度複雑な配管構成体を備える流体管理システム及び/又は流体処理システムに関する。
【0032】
流体処理システムは、多種多様なバイオプロセッシングシステム、好ましくは、バッファ溶液管理及び/又は識別システム、バルクフィルマニホールド、及びウイルス不活化マニホールドのためのバイオコンテナアセンブリを備えたシステムの一部を形成することができる。さらに、本発明による流体処理システムは、濾過システム、特にデプス濾過システム、滅菌濾過システム、又はウイルス濾過システムの一部を形成することができる。
【0033】
開示された原理のさらなる態様及び特徴、並びに代替の態様及び特徴は、以下の詳細な説明及び添付の図面から理解されるであろう。また、本明細書に開示されるフローセルについては、他の環境及び異なる環境で使用することができ、様々な点で変更することができることも理解されよう。したがって、前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、単に例示的かつ説明的なものに、添付の特許請求の範囲を限定するものではないことを理解すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、本発明によるフローセル10の第1の実施形態を示し、フローセル10は入口14及び出口16を有する本体12と、本体12の入口14から出口16まで延びる流体流路とを備える。入口14及び出口16は本体の対向する部分に配置され、流体流路は入口14から出口16まで直線状に延びる。
【0036】
本発明のフローセル10は、入口14及び出口16に隣接してそれぞれ配置された第1の管状コネクタ18及び第2の管状コネクタ20をさらに備える。
【0037】
フローセル10の本体12は、機能要素24を収容するための実質的に中空の円筒形状のチャンバ26を備えた受容器22をさらに含み、前記チャンバ26は、本体12の流体流路の一部を形成する。チャンバ26は中空の円筒形状部の一端に第1の開口部28を備え、機能要素24がチャンバ26にアクセスできるようにする。チャンバ26の第1の開口部28には、本体12の流路に直角な方向に本体12から離れて延びる円形の突出部30が設けられる。
【0038】
図1の実施形態では、本体12、第1及び第2の管状コネクタ18、20、受容器22、並びに円形の突出部30は、例えば、シリコーン材料で1つの一体部品として形成される、特に、モールド成形されるのが好ましい。
【0039】
機能要素24は、導電率センサプローブであってもよく、センサプローブ支持体32を介して受容器22の円形の突出部30に取り付けられる。センサプローブ支持体32は、円形の突出部30内に延び、センサプローブ端部24aがチャンバ26の容積部内に配置されてフローセル10の流体流路を通過する流体の流れに曝されるように、導電率センサプローブ24を封止状態で収容する。チャンバ26の容積部は、導電率センサプローブ24が円形の突出部30内に取り付けられ、該プローブのプローブ端部24aがチャンバ26内に延びた後も、チャンバ26内の流路の断面がフローセル10の残りの部分における流路の断面と実質的に一致するように構成されることが好ましい。
【0040】
さらに、導電率センサ24のプローブ端部24aがチャンバ26の全ての壁部分に対して所定の距離を保つように、より好ましくは、導電率センサ24のプローブ端部24aの感知電極が、チャンバ26の壁部分から12mm以上、最も好ましくは15mm以上の間隔を空けるように、チャンバ26及びアダプタ32を設計することが好ましい。導電率センサ24の一般的な寸法に基づいて−プローブ端部の直径は一般的には約12mmである−中空の円筒形状のチャンバ26の内径は好ましくは約28mm〜約50mmである。
【0041】
センサプローブ支持体32は、流体流路をフローセル10の環境に対して完全に密封されるように、円形の突出部30の内面34に封止的に接している。
【0042】
本発明のフローセル10は、管継手40、42によって、第1及び第2の管状コネクタ18、20を介して、配管構成体(ここでは、チューブ端部36、38によって表される)に封止的に接続され得る。管継手40、42は、それぞれ、管状コネクタ18、20の自由端及びチューブ端部36、38をオーバーモールド成形することによって形成されてもよい。
【0043】
図2は、本発明によるフローセル50のさらなる実施形態を示し、フローセル50は入口54及び出口56を有する本体52と、本体52の入口54から出口56まで延びる流体流路とを備える。フローセル50の本体52は、機能要素64を収容するための受容器62を備え、機能要素64はpHセンサプローブであってもよい。
【0044】
本発明のフローセル50は、入口54及び出口56に隣接してそれぞれ配置された第1の管状コネクタ58及び第2の管状コネクタ60をさらに備える。
【0045】
受容器62は、機能要素、即ち、pHセンサプローブ64を収容するための実質的に中空の円筒形状のチャンバ66を備える。チャンバ66は、本体52の流体流路の一部を形成する。チャンバ66は中空の円筒形状部の一端に第1の開口部68を備え、機能要素64がチャンバ66にアクセスできるようにする。チャンバ66の第1の開口部68は、本体52から離れて延びる円形の突出部70を備える。
図1に示される実施形態とは対照的に、フローセル50の本体52のチャンバ66は円筒形状部の反対側の端部に第2の開口部を備え、これは本体52の出口56として機能する。したがって、本体52の流体流路は、90度の角度が付けられている。
【0046】
図2の実施形態では、本体52、第1及び第2の管状コネクタ58、60、受容器62、並びに円形の突出部70は、特に好適には、例えば、シリコーン材料で1つの一体部品として形成されうる。
【0047】
本体52は、本体52及び受容器62から第1の管状コネクタ58と反対の方向に延びるさらなる管状コネクタ72を有してもよい。この管状コネクタ72はまた、チャンバ66に出入りするさらなる流体の流れを供給するように機能することができるが、
図2に示される実施形態では、プラグ74によって閉止されている。
【0048】
pHセンサプローブ64は、センサプローブ支持体又はホルダ76を介して開口部68の円形の突出部70内に取り付けられる。センサプローブホルダ76は、円形の突出部70内に延びてpHセンサプローブ64を封止状態で収容し、結果として、センサプローブ端部64aがチャンバ66の容積部内に配置されてフローセル50の流体流路を通過する流体の流れに直接に曝される。チャンバ66の容積部は、pHセンサプローブ64が円形の突出部70内に取り付けられ、該プローブの端部64aがチャンバ66内に延びた後も、チャンバ66内の流路の断面がフローセル50の残りの部分における流路の断面と実質的に一致するように構成されることが好ましい。
【0049】
センサプローブホルダ76は、流体流路をフローセル50の環境に対して完全に密封するように、円形の突出部70の内面に封止的に接している。
【0050】
本発明のフローセル50は、管継手82、84によって、第1及び第2の管状コネクタ58、60を介して、配管構成体(ここでは、チューブ端部78、80によって表される)に封止的に接続され得る。管継手82、84は、それぞれ、管状コネクタ58、60の自由端及びチューブ端部78、80をオーバーモールド成形することによって形成されてもよい。
【0051】
図3は、本発明のフローセル100の別の実施形態を示し、フローセル100は入口104及び出口106を有する本体102と、本体102の入口104から出口106まで延びる流体流路とを備える。入口104及び出口106は本体102の対向する部分に配置され、流体流路は入口104から出口106まで直線状に延びる。
【0052】
本発明のフローセル100は、入口104及び出口106に隣接してそれぞれ配置された第1の管状コネクタ108及び第2の管状コネクタ110をさらに備える。
【0053】
フローセル100の本体102は、実質的に中空の円筒形状のチャンバ116を備えた受容器112をさらに含み、前記チャンバ116は、本体102の流体流路の一部を形成する。チャンバ116は中空の円筒形状部の一端に第1の開口部118を備え、機能要素114をチャンバ116に接続する。チャンバ116の第1の開口部118は、本体102の流路に直角な方向に本体102から離れて延びる円形の突出部120を備える。
【0054】
図3の機能要素114は、圧力センサとして設計されている。圧力センサ114は、フローセル100の流路を通過する流体と直接接触するか、又は
図3に示すように、閉止要素122を介して間接的に接触することができる。閉止要素122は、フローセル100内の圧力を伝達するように設計され、圧力センサ114の一部を形成してもよいし、又はフローセル100に、即ち、フローセル100の開口部118及び円形の突出部120に、それぞれ取り付けられる別個の部品又はアダプタとして設計されてもよい。
【0055】
これまでのところ、フローセル100の構造は、実質的に、
図1に示すフローセル10の構造に対応している。しかしながら、フローセル100の受容器112のチャンバ116には、チャンバ116の中空の円筒形状部の端部に配置され、第1の開口部118と対向する第2の開口部122が設けられる。開口部122は、第3の管状コネクタ124に接続する。したがって、フローセル100は、
図1のフローセル10と比較して、追加の機能を提供し得る。
【0056】
図3の実施形態では、本体102、第1、第2及び第3の管状コネクタ108、110、124、受容器112、並びに円形の突出部120は、例えば、シリコーン材料で1つの一体部品として形成されるのが好ましく、特に成形されるのが好ましい。
【0057】
本発明のフローセル100は、管継手132、134、136によって、第1、第2、及び第3の管状コネクタ108、110、124を介して、配管構成体(ここでは、チューブ端部126、128、130によって表される)に封止的に接続され得る。本発明のフローセルのこの実施形態は、T字形流路形状を有するフローセルの一例である。管継手132、134、136は、それぞれ、管状コネクタ108、110、124の自由端及びチューブ端部126、128、130をオーバーモールド成形することによって形成されてもよい。
【0058】
図4は、例えば、本発明による流体管理システム及び/又は流体処理システムの配管構成体150の一部の断面を示す。右側では、配管構成体150は、
図2(FIG.2)のフローセル50を組み込んでいる。左側では、配管構成体150はフローセル160に接続されており、フローセル160は構造の点で実質的にフローセル50に対応している。しかしながら、フローセル160に収容される機能要素は、導電率センサプローブ162である。
【0059】
さらに、
図4に示される配管構成体150は、機能要素として圧力センサ114を収容する本発明によるさらなるフローセル100を備える。フローセル100は、
図3(FIG.3)に関連して上でより詳細に説明されている。
【0060】
フローセル100はさらにまた、構成体150の通気健全性試験のために、空気フィルタ170を配管構成体150に接続する可能性を与える。
【0061】
図4から、本発明のフローセルを使って、最小限の配管と設置面積で多機能な制御手段及び/又は処理手段をどのように組み立てるかが容易に分かるであろう。この実施形態では、本発明のフローセルは、隣接する管状コネクタをオーバーモールド成形することによって、互いに直接接続(直列化)される。
【0062】
図5A〜
図5Dは、本発明によるフローセルの2つのさらなる実施形態を示す。
【0063】
図5A〜
図5Cは、それぞれ、フローセル200の断面図及び2つの異なる斜視図を示す。
【0064】
図5Aは、入口204及び出口206を有する本体202と、本体202の入口204から出口206まで延びる流体流路とを備えるフローセル200の断面図を示す。入口204及び出口206は本体202の対向する部分に配置され、流体流路は入口204から出口206まで直線状に延びる。
【0065】
本発明のフローセル200は、入口204及び出口206に隣接してそれぞれ配置された第1の管状コネクタ208及び第2の管状コネクタ210をさらに備える。
【0066】
フローセル200の本体202は、機能要素214を収容するための実質的に中空の円筒形状のチャンバ216を備える受容器212をさらに備え、ここで機能要素214は静的混合要素の形態をとっている。
【0067】
チャンバ216も、本体202の流体流路の一部を形成する。チャンバ216は中空の円筒形状部の一端に第1の開口部218を備え、静的混合要素214がチャンバ216にアクセスできるようにする。チャンバ216の第1の開口部218は、本体202の流路に直角な方向に本体202から離れて延びる円形の突出部220を備える。静的ミキサ214は、受容器212の円形の突出部220に封止状態で取り付けられる。静的ミキサ214は、チャンバ216内に突出する3つの混合フィン222を備え、これにより、流体の流れは乱流となり、結果として、フローセル200の中を通過する流体の成分が完全に混合される。
【0068】
図5A〜
図5Cの実施形態では、本体202、第1及び第2の管状コネクタ208、210、受容器212、並びに円形の突出部220は、例えばシリコーン材料で1つの一体部品として形成される、特に、成形される。
【0069】
チャンバ216の容積部は、静的ミキサ214が円形の突出部220内に取り付けられ、静的ミキサ214の混合フィン222がチャンバ216内に延びた後も、チャンバ216内の流路の断面が、フローセル200の残りの部分における流路の断面と実質的に一致するか又はそれより大きくなるように構成されることが好ましい。
【0070】
本発明のフローセル200は、管継手228、230によって、第1及び第2の管状コネクタ208、210を介して、例えば、可撓性の配管構成体(ここでは、チューブ端部224、226によって表される)に封止的に接続され得る。管継手228、230は、それぞれ、管状コネクタ208、210の自由端及びチューブ端部224、226をオーバーモールド成形することによって形成されてもよい。
【0071】
図5Dは、フローセル200の変形例をフローセル250の形で示したもので、流体流路は、フローセル200のような直線状ではなく、90度の角度のついた構造である。
【0072】
本発明によるフローセル250は、入口254及び出口256を有する本体252と、本体252の入口254から出口256まで延びる流体流路とを備える。フローセル250の本体252は、機能要素264を収容するためのチャンバ266を提供する受容器262を備え、機能要素264は静的ミキサであってもよい。
【0073】
本発明のフローセル250は、入口254及び出口256に隣接してそれぞれ配置された第1の管状コネクタ258及び第2の管状コネクタ260をさらに備える。
【0074】
受容器262のチャンバ266は、静的ミキサ264などの機能要素を収容するための実質的に中空の円筒形状である。チャンバ266は、本体252の流体流路の一部を形成する。チャンバ266は中空の円筒形状部の一端に第1の開口部268を備え、静的ミキサ264がチャンバ266にアクセスできるようにする。受容器262は、チャンバ266の第1の開口部268において、本体252から離れて延びる円形の突出部270を備える。
【0075】
図5A〜
図5Cに示される実施形態とは対照的に、フローセル250の本体252のチャンバ266は、円筒形状部の対向する端部に本体252の出口256として機能する第2の開口部を備える。したがって、本体252の流体流路は、90度の角度が付けられている。
【0076】
図5Dの実施形態では、本体252、第1及び第2の管状コネクタ258、260、受容器262、並びに円形の突出部270は、例えば、シリコーン材料で1つの一体部品として形成される、特に、成形されるのが好ましい。
【0077】
静的ミキサ264は、受容器262の円形の突出部270内に封止状態で取り付けられ、前記ミキサの混合フィン272は、チャンバ266内に延びる。したがって、混合フィン272は、フローセル250の流体流路を通過する流体の流れに曝され、フローセル250を通過する流体の成分を完全に混合する。チャンバ266の容積部は、静的ミキサ264が円形の突出部270内に取り付けられ、静的ミキサ264の混合フィン272がチャンバ266内に延びた後も、チャンバ266内の流路の断面が、フローセル250の残りの部分における流路の断面と実質的に一致するか又はそれより大きくなるように構成されることが好ましい。
【0078】
本発明のフローセル250は、管継手282、284によって、第1及び第2の管状コネクタ258、260を介して、配管構成体(ここでは、チューブ端部278、280によって表される)に封止的に接続され得る。管継手282、284は、それぞれ、管状コネクタ258、260の自由端及びチューブ端部278、280をオーバーモールド成形することによって形成されてもよい。
【0079】
図6は、本発明によるフローセル300のさらなる実施形態を示し、フローセル300は、入口304及び出口306を有する本体302と、本体302の入口304から出口306まで延びる流体流路とを備える。フローセル300の本体302は、機能要素314を収容するための受容器312を備え、機能要素314は電気的接地要素であってもよい。
【0080】
本発明のフローセル300は、入口304及び出口306に隣接してそれぞれ配置された第1の管状コネクタ308及び第2の管状コネクタ310をさらに備える。
【0081】
受容器312は、電気的接地要素314などの機能要素を収容するための実質的に中空の円筒形状のチャンバ316を備える。チャンバ316は、本体302の流体流路の一部を形成する。チャンバ316は中空の円筒形状部の一端に第1の開口部318を備え、機能要素314がチャンバ316にアクセスできるようにする。チャンバ316の第1の開口部318は、本体302から離れて延びる円形の突出部320を備える。電気的接地要素314は、前記円形の突出部320内に封止状態で取り付けられる。
【0082】
フローセル300の本体302のチャンバ316は、円筒形状部の対向する端部に第2の開口部を備え、これは本体302の出口306として機能する。したがって、本体302の流体流路は、90度の角度が付けられている。
【0083】
図6の実施形態では、本体302、第1及び第2の管状コネクタ308、310、受容器312、並びに円形の突出部320は、例えば、シリコーン材料で1つの一体部品として形成される、特に、成形されるのが好ましい。
【0084】
本体302は、本体302及び該本体の受容器312から第1の管状コネクタ308の対抗する方向に延びるさらなる管状コネクタ322を有してもよい。この管状コネクタ322はまた、チャンバ316に出入りするさらなる流体の流れを供給するように機能することができるが、
図6に示される実施形態では、プラグ326によって閉止される。
【0085】
電気的接地要素314は、該要素の下面324でチャンバ316の容積部に接するように、開口部318の円形の突出部320内に取り付けられる。電気的接地要素314の接地線336は、電気的接地要素314を通って下面324まで延び、フローセル300を通って導かれる流体の流れと直接に接触する。
【0086】
チャンバ316の容積部は、チャンバ326内の流路の断面が、フローセル300の残りの部分における流路の断面よりも大きくなるように構成されるのが好ましい。
【0087】
本発明のフローセル300は、管継手332、334によって、第1及び第2の管状コネクタ308、310を介して、配管構成体(ここでは、チューブ端部328、330によって表される)に封止的に接続され得る。管継手332、334は、それぞれ、管状コネクタ308、310の自由端及びチューブ端部328、330をオーバーモールド成形することによって形成されてもよい。
【0088】
図7は、本発明による流体管理システムを示し、特に、バルクフィルマニホールド400として設計されている。マニホールド400は、複雑な配管構成体を備え、本発明による複数のフローセルが組み込まれている。本発明による配管構成体及びフローセルを含むさらなる構成要素が、
図7に示されるように、好ましくはスキッド404上に取り付けられたキャビネット402上に組み立てられ、該スキッド404は可動支持板を備えるように設計されるのが好ましい。
【0089】
流体管理システム400は、処理されて、いくつかの容器、バッグ、又はボトルに分配される液体を第1の保管タンク(図示せず)からチューブ406を介して受け取る。チューブ406は支持体402上に取り付けられたポンプまで延び、動作中、該ポンプはバルクフィルマニホールドに流体を供給する。
【0090】
図7に示されるように、キャビネット402の1つの前面には、本発明によるフローセル416が組み込まれ、入口ポート412及び入口ライン414を備えた配管構成体410が設けられている。フローセル416には、機能要素として温度センサモジュールが組み込まれている。
【0091】
入口ライン414はポンプ418に接続されており、ポンプ418は、入口412から配管構成体410及びそれに接続された構成要素へ流体の流れを供給するように機能する。
【0092】
配管構成体410は、第1のフィルタ要素422への流体流路となる供給ライン420によってポンプ418に接続されている。フィルタ要素422の入口部分は、液体検出器426及びベント/空気フィルタ428に接続されており、ベント/空気フィルタ428は、バルクフィルマニホールドの動作開始時に、配管構成体410から空気を排出するように機能する。液体検出器426とベント/空気フィルタ428との間にバルブ425が設けられており、バルブ425は、配管構成体410から空気を排出するときに開き、流体管理システム400の通常動作中に閉じる。供給ライン420には、本発明による別のフローセル424が組み込まれており、フローセル424には機能要素として圧力センサが収容される。
【0093】
配管構成体410は、フィルタ422の出口と、続いて配置されるフィルタ432の入口とを接続するライン430をさらに備える。接続ライン430にはまた、本発明によるフローセル434が組み込まれており、フローセル434には機能要素として圧力センサを収容してもよい。フィルタ要素432にはまた、液体検出器436及び、ベント/空気フィルタ428と同じ目的を果たすベント/空気フィルタ438が設けられている。液体検出器436とベント/空気フィルタ438との間にバルブ435が設けられており、バルブ435は、配管構成体410から空気を排出するときに開き、流体管理システム400の通常動作中に閉じる。
【0094】
フィルタ432の出口には、フィルタ432の出口とフィルタ442の入口とを接続するライン440がさらに配置される。この場合も、ライン440には、本発明によるフローセル444が設けられており、フローセル444には機能要素として圧力センサが組み込まれる。配管構成体410は、フィルタ要素422及び432のベント及び空気フィルタについて前述したのと同じ目的とした、液体検出器446及びベント/空気フィルタ448を備える。液体検出器446とベント/空気フィルタ448との間にバルブ445が設けられており、バルブ445は、配管構成体410から空気を排出するときに開き、流体管理システム400の通常の動作中に閉じる。
【0095】
フィルタ要素442の出口450には、配管構成体410と、後続の3つのフィルタ422、432、及び442を通って濾過された流体を受け取るバルクフィルマニホールド400に複数の受容器を解放可能に接続できるようにすることを目的としたさらなる配管構成体とを接続する接続ライン452が設けられている。
【0096】
以下の
図8に関連してより詳細に説明されるように、本発明による流体管理システム及び/又は流体処理システムは、本発明の1つ又は複数のフローセルを備えた配管構成体を備える。マニホールドがインライン希釈スキッドのキャビネット内に格納された空圧装置及び自動化装置と動作可能な配置になるように、本システムには、キャビネットに取り外し可能に取り付けられるように構成されたシングルユースのマニホールドが設けられていてもよい。
【0097】
マニホールドは、希釈スキッドのキャビネット内に格納された、いわゆる注射用水(以下WFI)ポンプ、バッファ溶液ポンプ、制御弁、及び制御ユニットと動作可能に配置されるように構成されてもよい。マニホールドは、通常、少なくとも1つの濃縮バッファ溶液の供給量とWFIの供給量とを選択的に混合して、例えば、バイオプロセッシング用途で使用するための所望のバッファ溶液特性を有するバッファ溶液を生成するように構成される。目的のバイオプロセッシング用途で使用した後、マニホールドをインライン希釈スキッドから切り離して、同様の構造を有する別のシングルユースマニホールドと交換することができる。
【0098】
図8は、本発明によって構築されたバッファ溶液管理システムでの使用に適した前記のマニホールド600の実施形態を示す。
図8に示されるマニホールド600は、シングルユースインラインバッファ溶液希釈マニホールドの形態である。マニホールド600は、バッファ溶液管理システムのインライン希釈スキッドに取り外し可能に取り付けられるように構成される。
【0099】
マニホールド600は、チューブ、シングルユースポンプヘッド、センサ、及び接続部を含み、これらは、以下でより詳細に説明するように、少なくとも1つの濃縮バッファ溶液をWFIと選択的に混合して、所与のバッファ溶液特性(例えば、pHなど)に関する所定の許容範囲内にある希釈バッファ溶液を生成するように構成される。
【0100】
マニホールド600は、2つのシングルユースポンプヘッド602、604を含み、一方(ポンプヘッド602)は少なくとも1つのバッファ溶液濃縮物を供給し、他方(ポンプヘッド604)はマニホールド600内でバッファ溶液濃縮物と混合するためのWFIを供給し、所定のバッファ溶液レシピに従った希釈バッファ溶液を生成する。
【0101】
マニホールド600は、希釈スキッドの制御ユニットと共に配置され、例えば、複数のバッファ溶液レシピライブラリから所望のバッファ溶液レシピを実現するために、少なくとも1つのセンサフィードバックループに応答してポンプ速度/比率を変化させること、所定の運転順序に従って制御弁を選択的に動作させること、及びバッファ溶液の需要に応答するために他のユニットの運転と整合させることによって、バッファ溶液管理システムの自動運転を実現する。
【0102】
マニホールド600は、複数のバッファ溶液入口ポート606a〜606f、WFI入口ポート608、シングルユースポンプ602、604、少なくとも1つの、例えば導電率センサ610などのバッファ溶液特性センサ、バッファ溶液入口ポート606a〜606fの番号に対応する複数のバッファ溶液出口ポート612a〜612f、及び排水出口ポート614を含む。マニホールド600は、複数の制御弁(図示せず)と相互作用するように構成された配管構成体616を含み、その結果、制御ユニットが制御弁を動作させて、マニホールド600を通る液体の流れを開閉、又は方向転換させて、様々なバッファ溶液管理シーケンスを実施する。
【0103】
配管構成体612は、バッファ溶液入口ライン618、WFI入口ライン620、排出ライン622、及び排水ライン624を有する。配管構成体616は、マニホールド600の様々なポート606a〜606f、612a〜612fを相互接続し、マニホールド600を通るバッファ溶液及びWFIの流れを制御するための制御弁に関連付けられている。配管構成体616は、複数の可撓性のチューブラインを備えてもよい。可撓性のチューブラインは、シリコーン、熱可塑性エラストマー(TPE)などの任意の適切な材料で作ることができる。
【0104】
マニホールド600は、バッファ溶液入口ライン618と流体連通している6つのバッファ溶液入口ポート606a〜606fを含む。制御弁(図示せず)は、バッファ溶液入口ポート606a〜606fのそれぞれとバッファ溶液入口ライン618との間に置かれ、バッファ溶液入口ポート606a〜606fのそれぞれを通ってバッファ溶液入口ライン618に向かう濃縮バッファ溶液の流れを選択的に制御する。バッファ溶液ポンプ602は、バッファ溶液入口ライン618に関連付けられている。バッファ溶液ポンプ602は、少なくとも1つの選択された濃縮バッファ溶液を、濃縮バッファ溶液ラックタワーからバッファ溶液入口ライン618を通して圧送するように動作することができる。
【0105】
バッファ溶液入口ライン618及びWFI入口ライン620は、混合接合部626及び第1のドレン接合部628を介して、互いに流体連通している。
図8の実施形態において、混合接合部626は、本発明によるフローセルの形をしており、T字形状の流体流路を備え、機能要素として静的ミキサが組み込まれている。制御弁(図示せず)は、バッファ溶液入口ライン618及びWFI入口ライン620の両方の第1のドレン接合部628の上流に配置される。
【0106】
WFI入口ポート608は、適切なWFI供給源(図示せず)に流体接続されてもよい。WFI供給源は、WFIタンクを備えてもよい。代替的に、オンサイトWFI生成装置を使用してWFIを供給してもよい。WFIポンプ604を動作させて、WFI供給源からWFI入口ライン620を通ってWFI供給量を圧送してもよい。
【0107】
マニホールド600は、排出ライン622と流体連通している6つのバッファ溶液出口ポート612a〜612fを含む。制御弁(図示せず)は、バッファ溶液出口ポート612a〜612fのそれぞれと排出ライン622との間に置かれ、マニホールド600から希釈バッファ溶液ラックタワー(図示せず)まで、バッファ溶液出口ポート612a〜612fの内の1つそれぞれを通る希釈バッファ溶液の流れを選択的に制御する。
【0108】
排出ライン622は、混合接合部626を介して、バッファ溶液入口ライン618及びWFI入口ライン620の両方と流体連通している。排出ライン622は、第2のドレン接合部630を介して排水ライン624と流体連通している。制御弁(図示せず)は、排水ライン624の第2のドレン接合部630の上流及び下流の両方に配置されている。
【0109】
少なくとも1つのセンサが排出ラインに関連付けられ、バッファ溶液特性の値を感知し(ここでは導電率センサ632)、バッファ溶液特性の感知された値を示すバッファ溶液特性信号を生成し、バッファ溶液特性信号を制御ユニットへ送信するように構成される。制御ユニットは、受信したバッファ溶液特性信号を使用して、バッファ溶液管理システムの動作を制御することができる。
【0110】
第1の導電率センサ610に加えて、本発明によるフローセル内に収容される圧力センサ634、及びpHセンサ636は、それぞれが排出ライン622に関連付けられ、それぞれ、第1の導電率信号、圧力信号、及びpH信号を制御ユニットへ送信する。
【0111】
バッファ溶液管理プログラムは、導電率信号及びpH信号のうちの少なくとも一方を使用して、排出ライン622を通過するバッファ溶液が、所望のバッファ溶液に対する所与の仕様に関する所定の許容範囲内にあるかどうかを判断することができる。バッファ溶液管理プログラムはまた、圧力センサ634の圧力信号を使用して、マニホールド600が安全な動作のための所定の最大圧力未満で動作しているかどうかを判断することもし得る。
【0112】
排出ライン622はまた、流体連通している健全性試験ライン638も有する。当業者によって理解されるように、健全性試験ライン638を使用して、生成中のバッファ溶液の他の適切なサンプリングや試験を実行することができる。
【0113】
排水出口ポート614は、排水ライン624と流体連通している。排水ライン624から排水出口ポート614を通って適切なタンク又は施設ドレンに流体を排出することができる。
【0114】
第2の導電率センサ632は、排水ライン624に関連付けられ、第2の導電率信号を制御ユニットに送信するように構成される。第2の導電率信号を使用して、排水ライン624を通過する液体をWFIとして識別するように、バッファ溶液管理プログラムを構成することができる。
【0115】
制御ユニットは、所望のバッファ溶液を生成するために、少なくとも1つのセンサフィードバックループを介して受信された情報に応答して、バッファ溶液ポンプ602及びWFIポンプ604のうちの少なくとも一方の動作を自動制御するように構成される。制御ユニットは、バッファ溶液ポンプ602及びWFIポンプ604のうちの少なくとも一方のポンプ速度/容積の変位を制御して、所望のバッファ溶液レシピを実現するために、排出ライン624で一緒にブレンドされるWFIに対する濃縮バッファ溶液の比率を調整するように構成される。
【0116】
本発明の原理に従って構築されたバッファ溶液管理システムは、従来のアプローチと比較して、バッファ溶液調製室に必要とされるスペースを減らすことができる。例えば、2,000Lなどの比較的大量のそのままの濃度のバッファ溶液を使用する用途では、200Lのトート(10倍希釈に基づく)のみを使用することができる。1キャンペーン用に総量が20,000Lのバッファ溶液を使用する用途では、本発明の原理に従って構築されたバッファ溶液管理システムで、2,000Lの濃縮バッファ溶液(10倍希釈に基づく)を使用することができる。
【0117】
第2の導電率信号を制御ユニットに送信してバッファ溶液管理プログラムで使用し、排水ラインを通過する希釈バッファ溶液が選択されたバッファ溶液レシピの仕様内にあるかどうかを判断できる。濃縮バッファ溶液とWFIとの混合液が排水ライン624を通過する間、混合を継続できるので、第2の導電率信号を監視して希釈バッファ溶液が所望のレシピの仕様内にあるかどうかを判断し、排水ライン624に迂回される溶液量を減らすことが有用であり得る。
【0118】
制御ユニットが、マニホールド内で生成される希釈バッファ溶液が所望のバッファ溶液レシピの仕様内にあると判断すると、制御ユニットは、希釈バッファ溶液ラックタワーのサージバイオコンテナのうち選択されたものに移動させるように、マニホールド600を動作させることができる。選択したサージバイオコンテナに保管されている希釈バッファ溶液は、運用プロセスへ移送する準備ができた状態にある。
【0119】
図9は、ウイルス不活化マニホールド700の形態の、本発明による流体管理システム及び/又は流体処理システムのさらなる例を示す。ウイルス不活化マニホールド700は、スキッド704に取り付けられたキャビネット702に組み込まれている。
【0120】
図7に関連してすでに説明した構成と同様に、キャビネット702は、例えば酸又は塩基でウイルス不活化のために処理される流体を受け取り、供給するために使用される配管構成体706を支持する。
【0121】
配管構成体706は、いくつかのポンプヘッド710、712、714と、様々な機能要素を収容する本発明による複数のフローセルとを接続するチューブ構造708を備える。
【0122】
例えば、ライン720には、機能要素としてpHセンサを収容する、本発明によるフローセル722が設けられる。処理される流体の品質を制御する機会をさらに提供するために、静的ミキサ、導電率センサ、圧力センサ、静電容量センサ、レドックスセンサ、及び必要に応じて電気的接地要素などの機能要素を収容して、本発明によるさらなるフローセル(図示せず)を配管構成体708に組み込んでもよい。
【0123】
したがって、
図7〜
図9の実施形態による前述の複雑なチューブシステムから、本発明によるフローセルを全く異なる流体管理システム及び/又は流体処理システムで使用することができることは明らかであるが、これは、これらの図に示すような配管構成体が小さな設置面積でシステム全体を簡単に組み立てることができる複数の制御機能を備えることができるからである。
【0124】
本明細書に引用された出版物、特許出願、及び特許を含む全ての参考文献は、各参考文献が、個別にかつ具体的に参照により組み込まれることが示され、かつ本発明を説明する全体が本明細書に記載されているかのように同程度に参照により組み込まれ(特に以下の特許請求の範囲において)、本明細書に特に指摘がないか又は文脈によって明らかに特に矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を含むと解釈されるべきである。
【0125】
用語「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「含む(containing)」は、特に注記のない限り、変更可能な用語(即ち、「これらに限定されないが〜を含む」)として解釈される。本明細書の値の範囲を列挙することは、本明細書に特に指摘がない限り、範囲内にある各別個の値を個別に参照する単なる簡単な方法として機能することを目的としているにすぎず、各別個の値は、それが個別に本明細書に列挙されているかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に特に指摘がないか又は文脈によって明らかに特に矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施することができる。本明細書に提供される任意の及び全ての実施例、又は例示的な言語(例えば、「〜のような」)は、単に本発明のより良い理解を容易にするように意図されるにすぎず、特に特許請求されない限り、本発明の範囲に制限を課すものではない。明細書内の言語は、本発明の実施に必須として任意の非特許請求の要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0126】
本発明の好ましい実施形態は、本発明を実行するために本発明者に既知の最良のモードを含めて、本明細書に記載されている。これらの好ましい実施形態の変形例は、前述の説明を読むことによって、当業者には明らかになり得る。本発明者らは、当業者が必要に応じてそのような変形例を用いることを予期し、本発明者らは、本明細書に具体的に記載された以外の方法で本発明を実施することを意図している。したがって、本発明は、適用法によって許可されるように、全ての修正及び本明細書に添付の特許請求の範囲に列挙された主題の均等物を含む。さらに、全ての可能な変形例における上記の要素の任意の組合せは、本明細書に特に指摘がないか又は文脈によって明らかに特に矛盾しない限り、本発明によって包含される。