特開2021-171540(P2021-171540A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-171540(P2021-171540A)
(43)【公開日】2021年11月1日
(54)【発明の名称】コロイドヨード除菌システム
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/18 20060101AFI20211004BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20211004BHJP
   A61L 9/14 20060101ALI20211004BHJP
   A61L 101/08 20060101ALN20211004BHJP
【FI】
   A61L2/18
   A61L9/01 E
   A61L9/14
   A61L101:08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2020-80051(P2020-80051)
(22)【出願日】2020年4月30日
(71)【出願人】
【識別番号】508126619
【氏名又は名称】神崎 敬三
(71)【出願人】
【識別番号】520151758
【氏名又は名称】益田 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100092679
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 盛之助
(72)【発明者】
【氏名】神崎 敬三
【テーマコード(参考)】
4C058
4C180
【Fターム(参考)】
4C058AA23
4C058AA28
4C058BB07
4C058JJ07
4C058JJ24
4C058JJ28
4C058JJ29
4C180AA07
4C180AA10
4C180CB01
4C180EA56X
4C180GG07
4C180KK03
4C180LL20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】除菌液を建物内の空気や壁面、或いは設置物や備品、入居者や施設に出入する人々などに対して充分に行き渡らせることができ、また局所的にも除菌液を噴霧することができる除菌システムの提供。
【解決手段】少なくとも一組の吸気口2と排気口3を備えてなる建物空間1の上部に配置されるコロイドヨード水溶液を除菌液Wとして入れた溶液タンク4と、フィルタ72、吸気ブロア71、及び溶液タンクに連設された輸液管6から供給されるコロイドヨード水溶液の噴射部75を備える導入外気用の除菌部73を内部に配備した吸気部チャンバ7、吸気ダクト8、送気口81〜83と、排気口3に連通する排気ダクト9、集気口91〜93とを備えており、吸気部チャンバで除菌された導入外気が、送気口から吹出されて建物空間内に充たされ、集気口から排気ダクトを通って排気口から建物空間の外へ排出されるようにした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一組の吸気口と排気口を備えてなる建物空間の内壁面、床面、備品等の物品、この空間内の空気、この空間内に居る人等を除菌するシステムであって、前記建物空間の上部に配置されるコロイドヨード水溶液を入れた溶液タンクと、フィルタ、吸気ブロア、及び前記溶液タンクに連設された輸液管から供給されるコロイドヨード水溶液の噴射部を備える導入外気用の除菌部を内部に配備した吸気部チャンバと、該吸気部チャンバを介して吸気口に連通する吸気ダクトと、該吸気ダクトに設けられた送気口と、前記排気口に連通する排気ダクトと、該排気ダクトに設けられた集気口と、を備えており、前記吸気部チャンバで除菌された導入外気が、前記送気口から吹出されて前記建物空間内を充たされ前記集気口から排気ダクトを通って前記排気口から建物空間外へ排出されるようにしたコロイドヨード除菌システム。
【請求項2】
前記建物空間の内外の気圧を測定する気圧センサと、前記気圧センサの測定値と任意に設定可能な設定値に基づいて前記吸気ブロアの動作を制御する制御部とをさらに備え、前記制御部が、前記気圧センサにより測定された建物空間の内外の気圧の測定値と設定値を適宜サンプリングタイムで比較演算して、前記建物空間内が建物空間外に対して常時陽圧に維持されるよう前記吸気ブロアの動作を制御するようにした請求項1のコロイドヨード除菌システム。
【請求項3】
建物空間内の適宜箇所に、前記輸液管から供給されるコロイドヨード水溶液の出口を設け、一端が前記出口に着脱自在であって他の一端に前記コロイドヨード水溶液を噴霧することができるノズル部材を備えるチューブ材を配備する請求項1又は2のコロイドヨード除菌システム。
【請求項4】
ノズル部材を備えるチューブ材を、前記輸液管から供給されるコロイドヨード水溶液を収容して噴霧できる可搬型の容器に接続し、前記容器をコロイドヨード水溶液を噴霧したい場所に運び込みそこで前記コロイドヨード水溶液を噴霧する請求項3のコロイドヨード除菌システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物空間内の壁面、備品等の物品、或はその建物空間に出入りする人や居る人、建物空間内の空気等に対してコロイドヨード水溶液をその建物空間内で噴霧してウイルスを含む各種の菌を除菌するためのシステムに関する。具体的には、人が居住する住宅、不特定多数の人が出入するデパート、ホテル、コンサートや美術展を含む各種催物会場、パチンコ・ゲームセンタなどの遊戯施設のほか、特に人の健康に直接係る食品工場や医療施設など衛生管理の一翼としてウイルスを含む様々な細菌を殺菌したり除菌することが必要な建物空間に適用して好適な除菌システムに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅や種々の商業施設、公共施設のほか、病院等の医療施設や食材加工を含む食品工場などでは、人体に害を及ぼすおそれのあるウイルスや細菌が繁殖、蔓延しては不都合な事態を招来してしまう。特に食品工場においては、例えば野菜の前処理洗浄時には界面活性剤等の消毒剤が使用されることがあり、また病院内でのウイルスを含む殺菌作業にあっても、有害なウイルスや細菌を除去するための化学合成された薬剤が用いられることがある。
【0003】
しかしながら、このような除菌能力を有する化学剤や薬剤等は強い酸性乃至はアルカリ性を示すのが通常であるため、そのような薬剤等を人の生活空間や食材に対し大量に散布して衛生管理を行うことは、却って人の健康を害することになって好ましくない。
【0004】
この点に鑑み、人体にとっては勿論、家畜等の動物や植物に対しても安全といわれる次亜塩素酸ナトリウム溶液などの塩素系消毒剤(ないしはハロゲン系消毒剤)のような有用で無害な薬液を利用する技術が既に知られている。
【0005】
しかし、前記塩素系消毒剤やハロゲン系消毒剤の薬液は、小容量の噴霧ボトルなどに充填して必要な時に手作業で噴霧させて使用されるのが通常であるため、医療施設や食品加工工場等のように大規模施設においては、大規模で充分な除菌処理を行うことは事実上困難であった。また、住居や各種商業施設などの不特定多数の人が出入する建物空間において、上記薬液を使用して当該空間全体やその空間内の設備や備品など、或はその空間内に居る人や動物を対象にした除菌処理も行われていない。
【0006】
ところで、ヨウ素自体が殺菌作用や抗ウイルス作用を持つことは知られているが、ヨウ素分としてヨウ化ナトリウムやヨウ化カリウム(以下、これらをコロイドヨードという。)を含む水溶液を殺菌剤、除菌剤、或は抗ウイルス剤として用いこれを空間に散布乃至噴霧する除菌システムは未だ知られていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、コロイドヨードを含む水溶液(以下、コロイドヨード水溶液という。)を抗ウイルス剤を含む除菌剤として建物空間内の空気や壁面、或は設置物や備品、入居者や施設に出入する人々などに対して噴霧し、その建物空間内に充分に行き渡らせると共に、さらにはその建物空間内の局所において前記除菌剤を任意に噴霧できるようにした除菌システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明除菌システムの構成は、
少なくとも一組の吸気口と排気口を備えてなる建物空間の内壁面、床面、備品等の物品、この空間内の空気、この空間内に居る人等を除菌するシステムであって、前記建物空間の上部に配置されるコロイドヨード水溶液を入れた溶液タンクと、フィルタ,吸気ブロア,及び前記溶液タンクに連設された輸液管から供給されるコロイドヨード水溶液の噴射部を備える導入外気用の除菌部を内部に配備した吸気部チャンバと、該吸気部チャンバを介して吸気口に連通する吸気ダクトと、該吸気ダクトに設けられた1個以上の送気口と、前記排気口に連通する排気ダクトと、該排気ダクトに設けられた1個以上の集気口と、を備えており、前記吸気部チャンバで除菌された導入外気が、前記送気口から吹出されて前記建物空間内を充たし前記集気口から排気ダクトを通って前記排気口から建物空間外へ排出されるようにしたことを特徴とする。
【0009】
本発明除菌システムでは、前記建物空間の内外の気圧を測定する気圧センサと、前記気圧センサの測定値と任意に設定可能な設定値に基づいて前記吸気ブロアの動作を制御する制御部とをさらに備え、前記制御部が、前記気圧センサにより測定された建物空間の内外の気圧の測定値と設定値を適宜サンプリングタイムで比較演算して、前記建物空間内が建物空間外に対して常時陽圧に維持されるよう前記吸気ブロアの動作を制御するようにすることもできる。
【0010】
さらに、本発明除菌システムでは、前記輸液管を建物空間内の適宜箇所まで延長し、延長した輸液管に前記溶液タンクから供給されるコロイドヨード水溶液の出口を設け、この出口に一端が着脱自在であって他端に前記コロイドヨード水溶液を噴霧できるノズル部材を備えたチューブを接続する構成とすることもできる。
【0011】
本発明で使用するコロイドヨード水溶液は、一例としてヨウ化ナトリウム水溶液、又はヨウ化カリウム水溶液であり、ヨウ素分として0.5重量%〜2.0重量%相当量を含有する弱アルカリ性水溶液である。また、ヨウ素はコロイド膠質で直径10(-3)cm〜10(-8)cm程度の粒子状のものを使用する。
【発明の効果】
【0012】
本発明除菌システムは、住居や公共施設、商業施設など、或いは食品加工工場や医療施設などの建物空間において、吸気口から導入された外気に含まれるウイルスを含む雑菌等を、吸気部チャンバに備えられたフィルタ及び除菌部で除菌することができる。このとき、除菌部に噴射されるコロイドヨード水溶液は人体に殆んど無害であるため、導入される外気に対して充分な量を噴霧して除菌し建物空間内に対し安全に使用することができる。また、本発明除菌システムは、屋内の適宜場所に延長した輸液管にコロイドヨード水溶液の噴霧ノズルを設けることによって、局所的にもコロイドヨード水溶液を噴霧することができる。この結果、医療施設や食品工場等の個々の施術現場や作業現場においても衛生状態を良好に維持することができると共にウイルスを含む細菌の飛散や食中毒等の弊害を招来してしまうといった事態についてはほぼ完璧に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明コロイドヨード除菌システム(以下、単に本発明除菌システム、又は本発明システムともいう)の一例を模式化した側断面図。
図2図1のシステムの吸気部チャンバの一例の側断面図。
図3】本発明システムの別例を模式化した側断面図。
図4図3のシステムの排気部チャンバの別例の側断面図。
図5】本発明システムを集合住宅エントランス適用した例の模式図。
図6】本発明システムを勉強部屋へ適用した例の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態例を図により説明する。図1は請求項1に係る本発明コロイドヨード除菌システム(以下、単に本発明システム、又は本発明除菌システムともいう)の一例を模式化した側断面図、図2は吸気部チャンバを例示した側断面図、図3は請求項2に係る本発明システムの一例を模式化した側断面図、図4は排気部チャンバの別の態様を例示した側断面図、図5は本発明システムの集合住宅エントランスへの適用例の模式図、図6は本発明システムの勉強部屋への適用例の模式図である。
【0015】
図1において、1は、病院や食品加工工場など比較的気密性を確保しやすい建物(以下、建物空間1ともいう。)を表しており、外部に面して少なくとも一組の吸気口2と排気口3を備えている。この建物1の上部にはコロイドヨード水溶液W(以下、除菌液Wともいう。)を充填した溶液タンク4が配設され、ポンプ5により圧力を得て、このタンク4から連通する輸液管6を経て各室内空間R1〜R3へ除菌液Wが供給される。
【0016】
上記吸気口2には、建物1の空間内部へ吸気部チャンバ7が連設されている。この吸気部チャンバ7は、外気を導入するための吸気ブロア71と、外気を濾過するためのフィルタ72と、外気を除菌して清浄化するための除菌部73と、ミストセパレータ74とからなり、吸引する汚染外気をウイルスを含み除菌して清浄空気として各室内空間R1〜R3内に給入することができる。除菌部73は、除菌液Wを噴射する噴射部75を備え、導入外気に対して殺菌等の効果を与える。除菌して清浄にされた外気は、ミストセパレータ74により過剰な水分を分離され建物空間1の内部に配置された吸気ダクト8へ送られ、該吸気ダクト8が備える送気口81〜83から各室内空間R1〜R3へ送出されていく。図1の例では、吸気ダクト8の送気口81〜83の上部近傍に、分岐した輸液管6に接続された噴射部75が配置され、各室内空間R1〜R3に送出される空気をこの段階でも除菌するようにしている。
【0017】
排気口3は、その空間内部側に排気ブロア31とフィルタ32が設けられ、各室内空間R1〜R3に対応する集気口91〜93を備えた排気ダクト9が接続されている。各集気口91〜93から排気ダクト9を通って送られてきた各室内空間R1〜R3内部の空気は排気ブロア31の作動で前記排気口3からフィルタ32を通して建物1の外へと排気される。
【0018】
このとき、建物空間1の内外に備えられた気圧センサPi及びPoにより測定された屋内外の気圧を比較演算する制御部Cにより吸気ブロア71及び/又は排気ブロア31の挙動を制御し、建物1の内部が外部に対して常時陽圧となるよう建物空間1の気圧を制御管理する。例えば、急速に吸気ブロア71を稼動させて、屋外気圧に対し屋内気圧が稍高い状態になったときに、この状態を維持すべく吸気ブロア71の動作を平常運転乃至惰性運転に切り替える。一方、この結果、屋内気圧が屋外気圧に逼迫乃至下回るような場合には吸気ブロア71を平常時よりも急速に回転させてかかる状態を回避し、屋内気圧を屋外気圧よりも常に稍高い状態に持続させるように管理する。これにより、どのような場合にも、建物空間1の内部に入ってくる外気は必ず吸気部チャンバ7を経てウイルスを含み除菌されるから、汚染された外気であっても清浄化された屋内空気とすることができる。
【0019】
また、特に病院内において患者が直接手を触れる設備や備品、或は食品加工工場において調理者が直に触れる食材や道具や場所に対しては、局所的にコロイドヨード水溶液Wを噴霧乃至噴射できるように、着脱式の噴霧ノズルNを用いることもできる。この噴霧ノズルNは、伸縮自在なチューブ材tの一端に配設してあり、このチューブtの他端が輸液管6から分岐延長した輸液管10が有する溶液出口10a〜10bに取付可能であり、これによって除菌液Wを直接使用してウイルスを含む菌を殺菌することができる。例えば、食品加工工場においては、食材、調理器具、調理者の手、調理場の床などに対して直接、除菌液Wを前記噴霧ノズルNから噴霧乃至かけ流しできるので、従来、直接的な殺菌等による手入れが困難であったスライサ、包丁、まな板、脱水機、ボイル装置、コンベヤに至るまで殆んど全ての設備について安全簡易でありながらも高い除菌効果を与えることができる。この結果、食中毒や院内感染などウイルスや細菌の感染をより効果的に排除することが可能となる。また、他の具体例として饅頭工場などでは、蒸し器エリア、粗熱冷却エリア、包装エリア、出荷作業エリア内等に適用して上記同様の効果を得ることが可能である。
【0020】
図3は、遊戯施設や興行場など頻繁に人が出入することにより室内の気密性を維持し難い建物空間1に対して本発明システムを適用した例を説明するための模式図である。図3において、11は排気口3に連設した排気部チャンバであって、前述の吸気部チャンバ7と同様に、除菌液Wの噴射部75、ミストセパレータ74を備えてなる。扉の開閉が頻繁な施設においては、気圧により室内気の流れを制御することは容易ではないため、吸気口2側から排気口3側へと空間内の空気を移動させることができる円筒状ブロア12を室内上部に配設する。これによって建物空間1の内部の空気に気流を生じさせ、例えばタバコや汗等の臭気の原因となる臭気粒子を含有する空気を屋外へ排出する環境を創り出す。ここでは、室内の上部と下部に配設された空気中の煙や臭気を感知する密度センサsからの測定信号が事前の設定値を越えた(室内の臭気密度が設定値より高い)ときには、吸気ブロア71、及び/又は排気ブロア31を急速に回転させて室内の吸排気を促進させる。また、円筒状ブロア12についても同様に併せて制御することは任意である。このとき、排気部チャンバ11の除菌部73において、除菌液Wを噴霧し屋内空気の排気に対しても除菌効果を与えることができるので、室内に居る人の咳や呼気に含まれるウイルスや細菌をそのまま屋外へ排出することはなく、したがって自然環境保全の観点からもきわめて有効といえる。
【0021】
なお、本発明システムを飲食店の調理場や焼肉店のように油煙や油分が排出される空間に適用する場合にあっては、排気口3を図4に示すように形成し、排気口3の除菌部73において除菌液Wを噴射する噴射部75に加え、油分を吸着する薬液を噴射する油分用噴射部76を設けて構成することも可能である。これにより、雑菌や煙のみならず油分についても除去することができるものとなり、さらに効果的である。
【0022】
さらに本発明システムは、人に無害なコロイドヨード水溶液を使用するから、日常生活のあらゆる場面において適用可能な除菌システムである。例えば図5において示すような集合住宅などの建物1において出入口の扉dを有するエントランスにおける除菌システムとして、或は図6に示すような勉強部屋などの個室に対する除菌システムとしての応用例が考えられる。図6においてDeは机、Chは椅子である。
【0023】
上記以外に本発明除菌システムを適用できる場所や空間としては、図示しないが戸建住居、オフィスビルやデパートを含む各種商業ビル、各種老人施設、幼稚園や保育園、学校、空港、駅舎、地下の駅構内、船舶、バス、タクシー、電車、航空機、自家用車、パチンコ店、ゲームセンタ、カラオケ店等の遊興施設、ホテル等の宿泊施設、レジャー施設、飲食店、理容店、エステサロン、スーパーマーケット、産業廃棄物処理場、堆肥プラント、ペットショップ、スポーツ施設全般などにも適用可能である。また、図示しない空調設備に本発明除菌システムを適用することができる。即ち、設置されている空調設備が有する壁面送風口の近傍に、輸液管10に設けられる除菌液Wの出口10a〜10cと噴霧ノズルNを備えるチューブtを配設して除菌液Wを噴霧できるよう構成することができる。更に本発明では、噴霧ノズルNを備えるチューブtを、前記輸液管10から供給されるコロイドヨード水溶液Wを収容して噴霧できる可搬型の容器(図示せず)に接続し、その容器を、コロイドヨード水溶液Wを噴霧したい場所に運び込み、そこで前記コロイドヨード水溶液Wを前記噴霧ノズルNから噴霧することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は以上の通りであって、食品加工工場や医療施設等の建物空間において、吸気口から導入される外気に含まれるウイルスを含む雑菌等を、吸気部チャンバに備えられたフィルタ及び除菌部でウイルスを含み除菌することができ、また、このため噴射されるコロイドヨード水溶液は人体に殆んど無害であるため、室内に対して充分な量を噴霧して安全に使用することが可能である。さらに建物空間内の適宜箇所にコロイドヨード水溶液の供給出口と噴霧ノズルを設けることによって、局所的にも除菌液を噴霧することができる。この結果、医療や食品加工等の現場においても建物空間に取り込む空気を無菌状態に維持することができると共に、ウイルス感染や細菌感染による食中毒等の弊害を招来してしまうといった事態については完全に防止することができ、従って建物空間に取り込まれる空気に含まれるウイルスを含む細菌の殺菌を含む除菌システムとしてきわめて有用である。
【符号の説明】
【0025】
W コロイドヨード水溶液(除菌液)
1 建物(建物空間)
2 吸気口
3 排気口
31 排気ブロア
32 フィルタ
6,10 輸液管
7 吸気部チャンバ
71 吸気ブロア
72 フィルタ
73 除菌部
74 ミストセパレータ
75 噴射部
76 油分用噴射部
8 吸気ダクト
81〜83 送気口
9 排気ダクト
91〜93 集気口
10a〜10c 供給出口
11 排気部チャンバ
12 円筒状ブロア
C 制御部
Pi,Po 気圧センサ
N ノズル
t チューブ
S 密度センサ
S’ 人感知センサ
d 出入口の扉
図1
図2
図3
図4
図5
図6