(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-171641(P2021-171641A)
(43)【公開日】2021年11月1日
(54)【発明の名称】異なるスタイルのブレードを交換可能なユーティリティ・ナイフ
(51)【国際特許分類】
B26B 5/00 20060101AFI20211004BHJP
B26B 1/02 20060101ALI20211004BHJP
B25F 1/02 20060101ALI20211004BHJP
【FI】
B26B5/00
B26B1/02 A
B25F1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2021-69532(P2021-69532)
(22)【出願日】2021年4月16日
(31)【優先権主張番号】16/852,951
(32)【優先日】2020年4月20日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】519412811
【氏名又は名称】タフビルト インダストリーズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マイケル パノジアン
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア キーラー
【テーマコード(参考)】
3C061
3C064
【Fターム(参考)】
3C061AA03
3C061BA03
3C061BA05
3C061EE40
3C064AA05
3C064AC14
3C064AD01
3C064BA12
3C064BB32
3C064CB64
3C064CB66
3C064CB92
3C064CB93
(57)【要約】
【課題】異なるスタイルのブレードを交換可能なユーティリティ・ナイフを提供すること。
【解決手段】本発明によれば、ユーティリティ・ナイフは、ハンドル軸線に沿って近位端及び遠位端を有する概ね細長いハンドルを含む。ブレードを支持するためにブレード・ホルダが設けられ、作動手段が、分割線においてブレード・ホルダをハンドルの遠位端に選択的に取り付け及び取り外すためにハンドルに設けられる。ブレードは、ブレード・ホルダによって支持され、ハンドルの下側に概ね沿って露出切れ刃を有し、軸線に沿って所定の投影長さを有する。ブレード・ホルダは、ハンドルの上側に概ね沿う支持上部を有し、所定の長さに実質的に等しい又は概ね比例する、軸線に沿った投影長さを有し、それによりブレードを支持する。キットは、それぞれ異なるスタイルのブレードを備えた複数のブレード・ホルダを含み、それぞれが、関連するブレードに比例する支持上部を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なるブレードを交換可能なユーティリティ・ナイフであって、
ハンドル軸線に沿って近位端及び遠位端を有する概ね細長いハンドルと、
ブレード・ホルダと、
分割線において前記ブレード・ホルダを前記ハンドルの前記遠位端に選択的に取り付けるため及び取り外すための、前記ハンドルにある作動手段と、
前記ブレード・ホルダによって支持されるブレードであって、前記ハンドルの下側に概ね沿って露出切れ刃を有し、前記露出切れ刃は前記軸線に沿った所定の投影長さを有する、ブレードと
を有し、
前記ブレード・ホルダは支持上部を有し、前記支持上部は、前記分割線から前記支持上部の遠位端まで前記ハンドルの上側に概ね沿っており、また前記露出切れ刃の前記所定の長さに実質的に等しい、前記軸線に沿った投影長さを有し、それにより前記ブレードの支持を提供する、異なるブレードを交換可能なユーティリティ・ナイフ。
【請求項2】
前記作動手段は、前記ブレード・ホルダを前記ハンドルの前記遠位端に固定するためのラッチと、使用者が前記ラッチを解除するためにアクセス可能で、前記ブレード・ホルダを前記ハンドルから分離することを可能にする、前記ハンドルの外側にあるボタンとを有する、請求項1に記載の、異なるブレードを交換可能なユーティリティ・ナイフ。
【請求項3】
前記ハンドルは、
内部空洞と、
前記ユーティリティ・ナイフの使用のための前記軸線と概ね共通に延びる延伸位置から、収容のための前記空洞内の格納位置まで、前記ブレード・ホルダを枢動するための前記ハンドルにある枢動手段と
を有する、請求項1に記載の、異なるブレードを交換可能なユーティリティ・ナイフ。
【請求項4】
前記ブレードが、真っ直ぐな刃を有する標準ユーティリティ・ブレードである、請求項1に記載の、異なるブレードを交換可能なユーティリティ・ナイフ。
【請求項5】
前記ブレードが、凹状の切れ刃を有する鉤刃である、請求項1に記載の、交換可能なスタイルのブレード・ユーティリティ・ナイフ。
【請求項6】
前記ブレードが、凸状の切れ刃を有するメス型ブレードである、請求項1に記載の、異なるブレードを交換可能なユーティリティ・ナイフ。
【請求項7】
前記ブレード・ホルダは遠位端を有し、前記ブレードは、前記軸線に沿って投影長さに沿って前方に延ばされた上部エッジを有し、前記前方に延ばされた長さは、前記切れ刃の前記所定の投影長さにかかわらずすべてのブレードのタイプで実質的に等しい、請求項1に記載の、異なるブレードを交換可能なユーティリティ・ナイフ。
【請求項8】
それぞれ異なるスタイルのブレードを保持するための複数のブレード・ホルダであって、それぞれが、異なる切削機能を果たすために前記ハンドルに選択的に取り付け及び取り外すことができる複数のブレード・ホルダを有する、請求項1に記載の、交換可能なスタイルのユーティリティ・ナイフのキット。
【請求項9】
前記キットは、異なる形状のブレードを備えたブレード・ホルダを含む、請求項8に記載の、交換可能なスタイルのユーティリティ・ナイフのキット。
【請求項10】
前記ブレードが、真っ直ぐな切れ刃を備えた標準ユーティリティ・ブレード、凹状の切れ刃を備えた鉤刃、及び凸状の切れ刃を備えたメス型ブレードを含む、請求項9に記載の、交換可能なスタイルのユーティリティ・ナイフのキット。
【請求項11】
異なるスタイルのブレードを交換可能なユーティリティ・ナイフのキットであって、
ハンドル軸線に沿って近位端及び遠位端を有する概ね細長いハンドルと、
複数のブレード・ホルダと、
分割線において前記ブレード・ホルダを前記ハンドルの前記遠位端に選択的に取り付け及び取り外すための、前記ハンドルにある作動手段と、
所定のスタイルのブレードであって、前記所定のスタイルのブレードを保持するために関連するブレード・ホルダによって支持され、また前記ハンドルの下側に概ね沿って露出切れ刃を有し、前記露出切れ刃は前記軸線に沿って所定の投影長さを有するブレードと
を有し、
各ブレード・ホルダは支持上部を有し、前記支持上部は、前記分割線から前記支持上部の遠位端まで前記ハンドルの上側に概ね沿っており、また前記露出切れ刃の関連するブレード露出切れ刃の前記所定の長さに実質的に比例する、前記軸線に沿った投影長さを有し、それにより前記ブレードのための支持を提供する、異なるスタイルのブレードを交換可能なユーティリティ・ナイフのキット。
【請求項12】
前記ハンドルは、
内部空洞と、
前記ユーティリティ・ナイフの使用のための前記軸線と概ね共通して延びる延伸位置から、収容のための前記空洞内の格納位置まで、前記ブレード・ホルダを枢動するための前記ハンドルにある枢動手段と
を有する、請求項11に記載の、異なるスタイルのブレードを交換可能なユーティリティ・ナイフのキット。
【請求項13】
前記ブレードが、真っ直ぐな刃を有する標準ユーティリティ・ブレードである、請求項11に記載の、異なるスタイルのブレードを交換可能なユーティリティ・ナイフのキット。
【請求項14】
前記ブレードが、凹状の切れ刃を有する鉤刃である、請求項11に記載の、異なるスタイルのブレードを交換可能なユーティリティ・ナイフのキット。
【請求項15】
前記ブレードが、凸状の切れ刃を有するメス型ブレードである、請求項11に記載の、異なるスタイルのブレードを交換可能なユーティリティ・ナイフのキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般にユーティリティ・ナイフ(万能ナイフ)に関し、より詳細には、異なるスタイルのブレードを交換することができるユーティリティ・ナイフに関する。
【背景技術】
【0002】
ブレードを交換することができるユーティリティ・ナイフが知られている。ブレードが鈍くなると、類似のブレードに容易に取り換えることができる。ブレードを交換可能なユーティリティ・ナイフは、例えば、ブレードを交換可能なナイフを開示している米国特許第4,180,909号に開示されている。異なるブレードを交換可能なハンド・ツールは、米国特許第6,701,626号にも開示されている。交換可能な異なるブレードのタイプが米国特許第4,425,709号に開示されている。米国公開特許出願第2004/0163264号には、手鋸、及びハンドル内に収容することができる異なるスタイルのブレードのキットが開示されている。前述のデバイスでは、ブレードは比較的厚く、折れないように切れ刃(cutting edge)の反対側に支えを必要としない、又は支えを備えていない。
【0003】
米国特許第8,834,509号には、交換可能なツール・カートリッジを有するユーティリティ・ツールが開示されている。この特許では、例えば、鋸、ナイフ、スクレーパ、鉤刃、及びねじ回しが示されている。この特許に開示されているユーティリティ・ナイフは、すべてのブレードのタイプに対して、切れ刃の反対側の非切れ刃に沿って同じように支える同一のカートリッジ・ハウジングを使用しており、その場合、いくつかのブレードのタイプは、切れ刃の形状及び/又は長さによっては他のものよりも折れやすい。
【0004】
この問題は、従来又は標準の平坦な縁のブレードを支えるブレード・ホルダと同じブレード・ホルダが、ナイフ・ブレードの性質の湾曲した切断ブレードを支える、米国特許第8,978,254号にも例示されている。これは、薄いブレードに対して特に問題になることがあり、破損及び使用者の怪我につながる可能性がある。ユーティリティ切断ブレードの場合、スタイルや形状にかかわりなく、1つの支持部材又はカートリッジは一般的には、ブレードの切れ刃の露出及び有効性を損なうことなく同じ程度の支持を提供することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,180,909号
【特許文献2】米国特許第6,701,626号
【特許文献3】米国特許第4,425,709号
【特許文献4】米国公開特許出願第2004/0163264号
【特許文献5】米国特許第8,834,509号
【特許文献6】米国特許第8,978,254号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、既知のユーティリティ・ナイフに関係する不利な点のない、異なるスタイルのブレードを交換可能なユーティリティ・ナイフを提供することが本発明の目的である。
【0007】
大きさ又は形状にかかわらず異なるスタイルのブレードを適切に支持するような特別な寸法のブレード・ホルダを使用する、異なるスタイルのブレードを交換可能なユーティリティ・ナイフを提供することが本発明の別の目的である。
【0008】
構造が簡単で経済的に製作できる、異なるスタイルのブレードを交換可能なユーティリティ・ナイフを提供することが本発明のさらに別の目的である。
【0009】
使いやすく、使って便利な、前述の目的のような、異なるスタイルのブレードを交換可能なユーティリティ・ナイフを提供することが本発明のさらに別の目的である。
【0010】
大きさや形状にかかわらず、より厚い及びより薄いユーティリティ・ナイフのブレードに適する、論じているタイプの、異なるスタイルのブレードを交換可能なユーティリティ・ナイフを提供することが本発明のさらなる目的である。
【0011】
概ね鋭いブレードが折れにくい又は折れないようにすることによって安全に使用できる、前述の目的のような、異なるスタイルのブレードを交換可能なユーティリティ・ナイフを提供することが本発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的、及び以下で明らかになる他の目的を達成するために、異なるスタイルのブレードを交換可能なユーティリティ・ナイフは、ハンドル軸線に沿って近位端及び遠位端を有する概ね細長いハンドルを備える。ブレード・ホルダはブレードを支持する。ハンドルの作動機構は、使用者が、分割線においてブレード・ホルダをハンドルの遠位端に選択的に取り付け、それから取り外すことを可能にする。ブレードは、ブレード・ホルダによって支持され、露出切れ刃(exposed cutting edge)をハンドルの下側に概ね沿って有し、前記軸線ハンドルに沿って所定の投影長さ(projected length)を有し、ブレード・ホルダは、分割線から支持上部の遠位端までハンドルの上側に概ね沿う支持上部を有し、露出切れ刃の所定の長さに実質的に等しい、軸線に沿って投影長さを有してブレードを支持する。
【0013】
本発明の上記及び他の態様、特徴、及び利点は、添付の図面と併せて、以下の説明からより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】内向きの方向又は凹状の切れ刃を有する鉤スタイルのブレードを支持するためのブレード・ホルダを有する、本発明による、異なるスタイルのブレードを交換可能なユーティリティ・ナイフの側面図である。
【
図2】
図1と類似しているが、真っ直ぐな切れ刃を有する標準のユーティリティ・ナイフのブレードを支持するためのブレード・ホルダを示す図である。
【
図3】
図1及び
図2と類似しているが、凸状の切れ刃を有するメス形のブレードを支持するためのブレード・ホルダを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、全体を通して同一又は類似の部品が同じ参照符号で示されている図を詳細に参照するが、まず
図1を参照すると、異なるスタイルのブレードを交換可能なユーティリティ・ナイフが全体として参照符号10によって示されている。
【0016】
異なるブレード・スタイルを交換可能なユーティリティ・ナイフ10は、軸線Aを規定し、近位端12a、遠位端12b、上縁12c、及び下縁12dを有する概ね細長いハンドル12を含む。任意選択のハンドル延長部14がハンドル12に固定されるが、枢軸16によって枢動可能にハンドル12に取り付けられて、延長部を、図示の位置から、ハンドルが内部空洞(図示せず)を備えるときにハンドル内に格納された位置まで最大約180°枢動することを可能にする。
【0017】
ブレード・ホルダ18が、ハンドルの上縁12cに概ね沿うブレード支持部18aを有するように構成され、また、ブレード・ホルダ18をハンドル延長部14に選択的に取り付けるため及び取り外すために、分割線20に沿ってハンドル12に取り付けられる及び取り外されるように構成される。外部からアクセスすることができるボタン22を用いて、ラッチ機構(図示せず)を作動させて、ブレード・ホルダ18をハンドル12に選択的に取り付け及び取り外す。ハンドルからブレード・ホルダを接続又は分離するために使用される分割線20又はラッチ機構の特定の形状は重要ではない。枢動可能な延長部14を用いないときは、ブレード・ホルダ18は、同様な又は任意の他の所望の分割線構成に沿ってハンドルの遠位端12bに直接取り付けることができる。
【0018】
ブレード24は、任意の従来の又は既知の態様でブレード・ホルダ18によって支持されてもよい。ブレード24はブレード・ホルダ18に固定され、ブレード・ホルダ18と一体化されて、ブレード・ホルダ18及びブレード24からなる実質的に一体のモジュール又はカートリッジを形成することができる。
【0019】
図1に示すように、ブレード24は、ハンドル12の下側又は下縁12dに概ね沿って露出切れ刃24aを有する。ブレードは、切れ刃の遠位端又は先端24bと、ブレード・ホルダ18から最初に露出する点に切れ刃の近位端24cとを有する。
【0020】
距離又は寸法18dは、近位端18bと遠位端18cとの間の軸線Aに沿って投影された距離である。距離24dは、ハンドル延長部18の遠位端18cとブレードの先端24bとの間の寸法を示す。同様に、寸法24eは、切れ刃24aの軸線Aに沿って投影された距離又は寸法を示す。
【0021】
図2を参照すると、標準又は従来の真っ直ぐな刃のブレード26が示されており、一方、
図3には、メス形(scalpel−shaped)ブレード28が示されている。
図2及び
図3のそれぞれの寸法18d’及び18d’’は、
図1の寸法18dに対応する。同様に、
図2及び
図3のそれぞれの寸法26d及び寸法28dは、
図1の寸法24dに対応する。また、寸法26e及び寸法28eは、
図1の寸法24eに対応する。これらのすべての寸法は、軸線Aに沿って測られた投影寸法である。
【0022】
図1、
図2、及び
図3のそれぞれの寸法24d、26d、及び28dは、概ね又は実質的に等しい。しかしながら、
図1、
図2、及び
図3の支持部18a、18a’、及び18’’の寸法18c、18c’、18c’’はそれぞれ、
図1、
図2、及び
図3の寸法24e、26e、及び28eに概ね又はほぼ等しい。したがって、ハンドルの上縁又は上側12cに沿うブレード支持部の寸法は、軸線Aに沿った切れ刃の投影長さ又は寸法に概ね一致する。
【0023】
したがって、ブレード・ホルダ18、18’、18’’は、ブレード切れ刃の投影長さ24e、26c、及び28eに実質的に等しい及び/又は概ね比例する、軸線に沿った投影長さを有するハンドルの上縁12cに概ね沿う支持上部18a、18a’、18a’’を有して、関係するブレードを支持する。
【0024】
上記のように、異なるスタイルのブレードをそれぞれ保持するための複数のブレード・ホルダを含み、各ブレード・ホルダが、異なる切削機能を果たすためにハンドルに選択的に取り付けることができる、又はそれから取り外すことができる、異なるスタイルのユーティリティ・ブレードを交換することができるキットも本発明は包含する。このキットは少なくとも、それぞれ
図1〜
図3に示すように、真っ直ぐな切れ刃を有する標準のユーティリティ・ブレード26、凹状の切れ刃を有する鉤刃24、及び凸状の切れ刃を有するメス型ブレードを含む。このキットに含めることができる前述のブレードとしては、上記のパラメータ又は相対寸法が概ね満足される限り、他の形状のブレードを排除するものではない。
【0025】
特定の実施例を参照して本発明を図示し説明してきたが、添付の請求項及びそれらの等価物によって規定される本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに、形態及び詳細の様々な変更を行うことができることは当業者には理解されよう。
【外国語明細書】