特開2021-171706(P2021-171706A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

2021-171706二酸化炭素の処理方法、およびそれで使用する水分散体
<>
  • 2021171706-二酸化炭素の処理方法、およびそれで使用する水分散体 図000003
  • 2021171706-二酸化炭素の処理方法、およびそれで使用する水分散体 図000004
  • 2021171706-二酸化炭素の処理方法、およびそれで使用する水分散体 図000005
  • 2021171706-二酸化炭素の処理方法、およびそれで使用する水分散体 図000006
  • 2021171706-二酸化炭素の処理方法、およびそれで使用する水分散体 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-171706(P2021-171706A)
(43)【公開日】2021年11月1日
(54)【発明の名称】二酸化炭素の処理方法、およびそれで使用する水分散体
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/14 20060101AFI20211004BHJP
   B01D 53/18 20060101ALI20211004BHJP
   C01B 32/50 20170101ALI20211004BHJP
   C01F 5/24 20060101ALI20211004BHJP
【FI】
   B01D53/14 210
   B01D53/18 110
   C01B32/50
   C01F5/24
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-77575(P2020-77575)
(22)【出願日】2020年4月24日
(11)【特許番号】特許第6905694号(P6905694)
(45)【特許公報発行日】2021年7月21日
(71)【出願人】
【識別番号】500002423
【氏名又は名称】株式会社ジョンクェルコンサルティング
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100188857
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 智文
(74)【代理人】
【識別番号】100195545
【弁理士】
【氏名又は名称】鮎沢 輝万
(72)【発明者】
【氏名】落合 茂
【テーマコード(参考)】
4D020
4G076
4G146
【Fターム(参考)】
4D020AA02
4D020BA01
4D020BA02
4D020BA03
4D020BA08
4D020BA11
4D020BA16
4D020BA19
4D020BB03
4D020CB01
4D020DA03
4D020DB07
4D020DB10
4G076AA16
4G076AB06
4G076BA34
4G076BB03
4G076BB08
4G076BC05
4G076BE11
4G076CA02
4G076CA15
4G076CA26
4G076DA25
4G076DA29
4G146JA02
4G146JC05
4G146JD02
(57)【要約】
【課題】二酸化炭素の処理速度を細かく調節することができる二酸化炭素の処理方法を提供する。
【解決手段】二酸化炭素の処理方法であって、水酸化マグネシウムと、アセトニトリルと、を含む水分散体を準備することと、前記水分散体と二酸化炭素を含むガスとを接触させることと、前記水酸化マグネシウムと前記二酸化炭素とを反応させることと、を備え、前記水分散体はヘキサメチルリン酸トリアミドと、Zn含有化合物、Na含有化合物、およびCa含有化合物の少なくとも1つの金属含有化合物と、を含む、ことを特徴とする二酸化炭素の処理方法。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素の処理方法であって、
水酸化マグネシウムと、アセトニトリルと、を含む水分散体を準備することと、
前記水分散体と二酸化炭素を含むガスとを接触させることと、
前記水酸化マグネシウムと前記二酸化炭素とを反応させることと、を備え、
前記水分散体はヘキサメチルリン酸トリアミドと、Zn含有化合物、Na含有化合物、およびCa含有化合物の少なくとも1つの金属含有化合物と、を含む、ことを特徴とする二酸化炭素の処理方法。
【請求項2】
前記金属含有化合物は、前記水酸化マグネシウムと、前記アセトニトリルと、を含む水分散体に対して、前記金属含有化合物の水酸化物換算で、1重量%以上、100重量%以下含まれる、ことを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素の処理方法。
【請求項3】
前記金属含有化合物は水酸化物である、ことを特徴とする請求項1または2に記載の二酸化炭素の処理方法。
【請求項4】
前記アセトニトリルは、前記水酸化マグネシウムと、前記アセトニトリルと、を含む水分散体中に10重量%以上、40重量%以下含まれる、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の二酸化炭素の処理方法。
【請求項5】
前記水酸化マグネシウムと前記二酸化炭素との反応は、前記水分散体を攪拌しながら行われる、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の二酸化炭素の処理方法。
【請求項6】
前記水分散体の準備は、
酸化マグネシウムを水に分散させて分散体を準備すること、
前記分散体に、前記アセトニトリルと、前記ヘキサメチルリン酸トリアミドと、前記金属含有化合物と、を投入すること、を備える、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の二酸化炭素の処理方法。
【請求項7】
前記酸化マグネシウムは100nm以下の平均粒径(D50)を有する、ことを特徴とする請求項6に記載の二酸化炭素の処理方法。
【請求項8】
前記二酸化炭素を含むガスは、天然ガス由来によるものである、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の二酸化炭素の処理方法。
【請求項9】
前記水酸化マグネシウムと前記二酸化炭素との反応生成物を金属マグネシウム中で加熱して、グラフェンを形成する、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の二酸化炭素の処理方法。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか一項に記載の二酸化炭素の処理方法で使用する水分散体であって、
前記水分散体は、水と、水酸化マグネシウムと、アセトニトリルと、ヘキサメチルリン酸トリアミドと、Zn含有化合物、Na含有化合物、およびCa含有化合物の少なくとも1つの金属含有化合物と、を含む、ことを特徴とする水分散体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素の処理方法、およびそれで使用する水分散体に関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化の原因の一つとされている二酸化炭素の削減は、世界的にも重要な課題となっている。二酸化炭素の排出の多くは、石油や石炭等をエネルギ源として使う火力発電からとされている。この火力発電における二酸化炭素の排出量を抑制する(低炭素化)ための方法として、二酸化炭素回収・貯留(CCS=Carbon dioxide Capture and Storage)、および二酸化炭素回収・有効利用・貯留(CCUS:Carbon dioxide Capture,Utilization and Storage)が開発および推進されている。
【0003】
二酸化炭素の回収技術としては、吸収液を用いた、化学吸収法、物理吸収法、膜分離法、吸着法等が知られており、代表的な回収技術は、アミン水溶液を用いる化学吸収法である。一方、特許文献1は、酸化マグネシウムを含む水に二酸化炭素を接触させて二酸化炭素を炭酸マグネシウムとして固定化する技術を開示している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−073903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1は、水温、またはイオン濃度を制御して、二酸化炭素の処理効率を向上させることを開示しているが、特許文献1では、二酸化炭素の処理速度を調節することは考慮されていない。一方、水酸化マグネシウムを含む水分散体にアセトニトリルを添加することで、二酸化炭素の処理速度を調節することができるが、さらに二酸化炭素の処理速度を細かく調節したいとの要望がある。
【0006】
本発明の目的は、二酸化炭素の処理速度を細かく調節することができる二酸化炭素の処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、
二酸化炭素の処理方法であって、
水酸化マグネシウムと、アセトニトリルと、を含む水分散体を準備することと、
前記水分散体と二酸化炭素を含むガスとを接触させることと、
前記水酸化マグネシウムと前記二酸化炭素とを反応させることと、を備え、
前記水分散体は、ヘキサメチルリン酸トリアミドと、Zn含有化合物、Na含有化合物、およびCa含有化合物の少なくとも1つの金属含有化合物と、を含む、ことを特徴とする二酸化炭素の処理方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、二酸化炭素の処理速度を細かく調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】二酸化炭素の処理を実施する処理装置を示す図。
図2】参考実施形態に係る時間に対する二酸化炭素の消失量を示す図。
図3】本実施形態に係る時間に対する二酸化炭素の消失量を示す図。
図4】本実施形態に係る時間に対する二酸化炭素の消失量を示す図。
図5】本実施形態に係る時間に対する二酸化炭素の消失量を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
[二酸化炭素の処理方法]
本発明に係る二酸化炭素の処理方法は、水酸化マグネシウムと、アセトニトリルと、を含む水分散体を準備することと、水分散体に二酸化炭素を含むガスを接触させることと、水酸化マグネシウムと二酸化炭素とを反応させることと、を備える。さらに、水分散体はヘキサメチルリン酸トリアミドと、Zn含有化合物、Na含有化合物、およびCa含有化合物の少なくとも1つの金属含有化合物と、を含む。これにより、二酸化炭素の処理速度を細かく調節することができる。さらに、二酸化炭素の処理速度をアセトニトリルに加えて複数の因子(ヘキサメチルリン酸トリアミド、および金属含有化合物)で調節することができ、処理速度の調節の選択肢が増え、調節しやすくなる。
【0012】
<水分散体>
本発明に係る水分散体は、水と、水酸化マグネシウム(Mg(OH))と、アセトニトリル(CHCN)と、ヘキサメチルリン酸トリアミド(C18OP)と、Zn含有化合物、Na含有化合物、およびCa含有化合物の少なくとも1つの金属含有化合物と、を含む。水分散体の調整において、構成成分の混合の順番は特に限定されない。例えば、水分散体は、水と水酸化マグネシウムとの分散体にアセトニトリル、ヘキサメチルリン酸トリアミド、および金属含有化合物を添加して形成されても、水とアセトニトリルとの混合液に水酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウム前駆体、ヘキサメチルリン酸トリアミド、および金属含有化合物を添加して形成されても、水と金属含有化合物との分散体に水酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウム前駆体、アセトニトリル、およびヘキサメチルリン酸トリアミドを添加して形成されても、水酸化マグネシウム、アセトニトリル、ヘキサメチルリン酸トリアミド、および金属含有化合物の分散体に水を添加して形成されてもよい。
【0013】
水と、水酸化マグネシウムと、アセトニトリルと、を含む水分散体中の水酸化マグネシウムの濃度は特に限定されるものでない。水酸化マグネシウムの濃度は内数であり、水酸化マグネシウムと、アセトニトリルと、を含む水分散体中に含まれる、水酸化マグネシウムの割合である。水酸化マグネシウムの濃度は、その固形分含有量として、一実施形態において1重量%以上、別の実施形態において5重量%以上、さらに別の実施形態において10重量%以上、さらに別の実施形態において20重量%以上、さらに別の実施形態において30重量%以上であり得る。これにより、水分散体における二酸化炭素の吸収効率が向上する。また、水酸化マグネシウムの濃度は、その固形分含有量として、一実施形態において80重量%以下、別の実施形態において70重量%以下、さらに別の実施形態において60重量%以下、さらに別の実施形態において50重量%以下、さらに別の実施形態において40重量%以下であり得る。これにより、水分散体が適切な粘度となり、水酸化マグネシウムと二酸化炭素との反応が均一となる。
【0014】
なお、水酸化マグネシウムと、アセトニトリルと、を含む水分散体を、水と、水酸化マグネシウムと、アセトニトリルと、ヘキサメチルリン酸トリアミドと、金属含有化合物と、を含む水分散体と区別するために、第1水分散体と呼ぶことがある。
【0015】
水と、水酸化マグネシウムと、アセトニトリルと、を含む第1水分散体中のアセトニトリルの濃度は特に限定されるものでない。アセトニトリルの濃度は内数であり、第1水分散体中に含まれるアセトニトリルの割合である。アセトニトリルの濃度は、一実施形態において1重量%以上、別の実施形態において5重量%以上、さらに別の実施形態において10重量%以上、さらに別の実施形態において20重量%以上であり得る。また、アセトニトリルの濃度は、一実施形態において60重量%以下、別の実施形態において50重量%以下、さらに別の実施形態において40重量%以下、さらに別の実施形態において30重量%以下であり得る。これにより、水分散体における二酸化炭素の吸収速度の調節が容易になる。
【0016】
水と、水酸化マグネシウムと、アセトニトリルと、を含む水分散体に対するヘキサメチルリン酸トリアミドの濃度は特に限定されるものでない。ヘキサメチルリン酸トリアミドの濃度は外数であり、第1水分散体に対するヘキサメチルリン酸トリアミドの割合である。ヘキサメチルリン酸トリアミドの濃度は、一実施形態において0.1重量%以上、別の実施形態において0.5重量%以上、さらに別の実施形態において1重量%以上、さらに別の実施形態において2重量%以上であり得る。また、ヘキサメチルリン酸トリアミドの濃度は、一実施形態において10重量%以下、別の実施形態において8重量%以下、さらに別の実施形態において5重量%以下、さらに別の実施形態において4重量%以下であり得る。これにより、水分散体における二酸化炭素の吸収速度の調節が容易になる。
【0017】
水と、水酸化マグネシウムと、アセトニトリルと、を含む水分散体に対する金属含有化合物の濃度は特に限定されるものでない。金属含有化合物の濃度は外数であり、第1水分散体に対する金属含有化合物の合計の割合である。金属含有化合物の濃度は、その金属の水酸化物の固形分含有量として、一実施形態において1重量%以上、別の実施形態において5重量%以上、さらに別の実施形態において10重量%以上、さらに別の実施形態において30重量%以上であり得る。また、金属含有化合物の濃度は、一実施形態において100重量%以下、別の実施形態において90重量%以下、さらに別の実施形態において70重量%以下、さらに別の実施形態において50重量%以下であり得る。これにより、水分散体における二酸化炭素の吸収速度の調節が容易になる。
【0018】
また、金属含有化合物における、Zn含有化合物、Na含有化合物、およびCa含有化合物は、その少なくとも1つが、水分散体に含有されていればよく、上述の金属含有化合物の濃度は、Zn含有化合物、Na含有化合物、およびCa含有化合物の合計の濃度を示している。例えば、金属含有化合物として、Zn含有化合物のみが上述の濃度範囲となるように含む場合、Zn含有化合物、Na含有化合物、およびCa含有化合物が全て含まれ、全て同じ濃度または異なる濃度で、かつ上述の濃度範囲となるよう含む場合等が例示される。
【0019】
(水酸化マグネシウムの分散体)
一実施形態において、水分散体は、予め水と水酸化マグネシウムとの分散体を作製し、その分散体にアセトニトリル、ヘキサメチルリン酸トリアミド、および金属含有化合物を投入して形成される。水と水酸化マグネシウムとの分散体は、水に酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウムを添加して形成され得る。または、水と水酸化マグネシウムとの分散体として、市販の水と水酸化マグネシウムとの分散体が使用され得る。
【0020】
一実施形態において、水と水酸化マグネシウムとの分散体は、上述の水分散体における水酸化マグネシウム濃度となるように、酸化マグネシウム(MgO)を水に投入し、所定の温度で撹拌されて調整される。調整時の温度および撹拌については、特に限定されるものでなく、常温(例えば、25±15℃)で行われ得る。
【0021】
酸化マグネシウムの純度は、一実施形態において80wt%以上、別の実施形態において90wt%以上、さらに別の実施形態において95wt%以上とすることができる。これにより、水分散体における二酸化炭素の吸収効率が向上する。
【0022】
一実施形態において、酸化マグネシウムは粉末であり得る。酸化マグネシウムの平均粒径(D50)は、一実施形態において500nm以下、別の実施形態において300nm以下、さらに別の実施形態において200nm以下、さらに別の実施形態において100nm以下、さらに別の実施形態において80nm以下である。また、酸化マグネシウムの平均粒径(D50)は、一実施形態において1nm以上、別の実施形態において10nm以上、さらに別の実施形態において20nm以上、さらに別の実施形態において30nm以上、さらに別の実施形態において40nm以上である。酸化マグネシウムがこのような平均粒径を有することで、水分散体中に生成する水酸化マグネシウムと、二酸化炭素との反応が向上する。平均粒径(D50)は、レーザー回折・散乱法に基づく体積基準の粒度分布により得られる値であり、D50値は累積50%での粒径(メジアン径)を意味する。
【0023】
水は、溶媒として機能するもので、特に限定されるものでない。水の由来としては特に限定されず、水道水、地下水、蒸留水、イオン交換水等を用いることができる。
【0024】
(アセトニトリル)
水分散体に含まれるアセトニトリルの純度は、特に限定されるものでない。アセトニトリルの純度は、一実施形態において90重量%以上、別の実施形態において95重量%以上、さらに別の実施形態において98重量%以上、さらに別の実施形態において99重量%以上とすることができる。これにより、水分散体における二酸化炭素の吸収速度の調節が向上する。
【0025】
(ヘキサメチルリン酸トリアミド)
水分散体に含まれるヘキサメチルリン酸トリアミドの純度は、特に限定されるものでない。ヘキサメチルリン酸トリアミドの純度は、一実施形態において90重量%以上、別の実施形態において95重量%以上、さらに別の実施形態において98重量%以上、さらに別の実施形態において99重量%以上とすることができる。これにより、水分散体における二酸化炭素の吸収速度の調節が向上する。
【0026】
(金属含有化合物)
水分散体に含まれる金属含有化合物の純度は、特に限定されるものでない。一実施形態において、金属含有化合物の純度は、いずれも、80wt%以上、別の実施形態において90wt%以上、さらに別の実施形態において95wt%以上とすることができる。これにより、水分散体における二酸化炭素の吸収効率が向上する。
【0027】
一実施形態において、金属含有化合物は、特に限定されるものでなく、Zn含有化合物、Na含有化合物、およびCa含有化合物の少なくとも1つを含有するものであればよい。また、特定の理論に縛られるわけでないが、金属含有化合物は二酸化炭素とヘキサメチルリン酸トリアミドとが結合したものに作用して、二酸化炭素からマグネシウムの炭酸塩の生成を促進させるものである。金属含有化合物としては、Zn、Na、またはCaの水酸化物、酸化物、硫酸塩、および硝酸塩等が使用される。例えば、水酸化亜鉛、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等が例示される。
【0028】
一実施形態において、金属含有化合物は粉末であり得る。金属含有化合物の平均粒径(D50)は、一実施形態において1000μm以下、別の実施形態において700μm以下、さらに別の実施形態において500μm以下、さらに別の実施形態において100μnm以下、さらに別の実施形態において50μm以下、さらに別の実施形態において10μm以下である。また、金属含有化合物の平均粒径(D50)は、一実施形態において1μm以上、別の実施形態において2μm以上、さらに別の実施形態において3μm以上、さらに別の実施形態において4μm以上、さらに別の実施形態において5μm以上、さらに別の実施形態において6μm以上である。金属含有化合物がこのような平均粒径を有することで、二酸化炭素の吸収速度が向上する。平均粒径(D50)は、レーザー回折・散乱法に基づく体積基準の粒度分布により得られる値であり、D50値は累積50%での粒径(メジアン径)を意味する。
【0029】
一実施形態において、水分散体は、水酸化マグネシウムと、アセトニトリルと、を含む第1水分散体を作製し、その第1水分散体に、ヘキサメチルリン酸トリアミド、および金属含有化合物を投入して形成される。金属含有化合物は水との分散体として、第1水分散体に投入してもよい。金属含有化合物と水との分散体は、第1水分散体における上述の金属含有化合物濃度(金属の水酸化物換算の濃度)となるように、金属含有化合物を水に投入し、所定の温度で撹拌されて調整される。調整時の温度および撹拌については、特に限定されるものでなく、常温(例えば、25±15℃)で行われ得る。また、金属含有化合物と水との分散体として、市販の金属含有化合物と水との分散体が使用され得る。
【0030】
(添加物)
一実施形態において、水と、水酸化マグネシウムと、アセトニトリルと、ヘキサメチルリン酸トリアミドと、金属含有化合物と、を含む水分散体は、さらに、種々の添加物、例えば分散剤を含むことができる。分散剤の材料は特に制限されるものでなく、例えば、無機化合物の分散剤、高分子界面活性剤等が例示される。これにより、水酸化マグネシウムの固形分濃度が高い場合でも、水酸化マグネシウムの分散性が向上し、水酸化マグネシウムと二酸化炭素との反応が均一となる。一実施形態において、分散剤は、水と水酸化マグネシウムとの分散体の作製において、水酸化マグネシウムまたは酸化マグネシウムを投入する前に予め水に投入し、次いで水酸化マグネシウムまたは酸化マグネシウムを投入することで、水酸化マグネシウムを均一に分散させることができる。
【0031】
<二酸化炭素の接触および反応>
本発明に係る二酸化炭素の接触および反応では、二酸化炭素を含むガスが、上述の水分散体と接触させられ、水分散体中の水酸化マグネシウムと反応させられる。二酸化炭素を含むガスを水分散体と接触および反応させる方法は、特に限定されないが、二酸化炭素を水分散体中にバブリングにより導入する方法、二酸化炭素を含むガス中に水分散体を散布する方法、二酸化炭素を含むガスと水分散体とを向流接触させる方法等が例示される。
【0032】
一実施形態において、二酸化炭素を含むガスは水分散体中にバブリングにより導入され、水分散体と接触および反応させられる。水分散体の温度は、特に限定されるものでなく、常温(例えば、25±15℃)で行われ得る。これにより、二酸化炭素の吸収速度や吸収量が向上し得る。また、水分散体を撹拌しながら、二酸化炭素を含むガスと水分散体とを接触および反応させてもよい。二酸化炭素を含むガスの導入速度は、特に限定されるものでなく、水分散体の二酸化炭素の処理速度に応じて決定され得る。
【0033】
また、二酸化炭素を含むガスの圧力は、特に限定されるものでなく、例えば、大気圧以上の圧力とすることができる。これにより、二酸化炭素の吸収速度や吸収量が向上し得る。なお、二酸化炭素を含むガスの圧力を大気圧未満の圧力とすることもできる。
【0034】
本発明に係る二酸化炭素を含むガスは、純粋な二酸化炭素に限らず、二酸化炭素を含むものであればよい。一実施形態において、天然ガスのガス田および天然ガス精製設備から排出されるガスには、高濃度の二酸化炭素が含まれており、二酸化炭素を含むガスとして、このような天然ガス由来のガスが挙げられる。また、二酸化炭素を含むガスとしては、例えば、火力発電所、製造所のボイラ、セメント工場のキルン、製鉄所の高炉および転炉、焼却炉等の各種施設や設備から排出されるガスも挙げられる。これらのガスには、液化天然ガス(LNG)および液化石油ガス(LP)等の気体燃料、重油、ガソリン、および軽油等の液体燃料、石炭等の固体燃料等を燃焼させて発生する二酸化炭素が含まれている。
【0035】
ガス中における二酸化炭素の濃度は、特に限定されるものではない。二酸化炭素の濃度は、一実施形態において5体積%以上、別の実施形態において10体積%以上、さらに別の実施形態において20体積%以上であり得る。また、二酸化炭素の濃度は、一実施形態において50体積%以下、別の実施形態において40体積%以下、さらに別の実施形態において30体積%以下であり得る。これにより、十分な吸収速度および吸収量で、水分散体に二酸化炭素は吸収され得る。なお、ガス中には、二酸化炭素以外に水蒸気、NO、SO、CO、HS、COS、H、O等が含まれ得る。
【0036】
<生成物>
本発明に係る二酸化炭素の接触および反応では、炭酸マグネシウムが生成する。炭酸マグネシウムは、ろ過等の従来公知の方法によって回収することができる。炭酸マグネシウムは、床材、耐火、消火組成物、化粧品、粉塵、歯磨き粉、充填材、プラスチック中の煙抑制剤、ネオプレンゴム中の補強剤、乾燥剤、食品中の色保持、投影スクリーン用のマットホワイトコーティング等で利用され得る。
【0037】
一実施形態において、炭酸マグネシウムは、金属マグネシウム中において所定温度(例えば、600℃)で加熱されると、グラフェンと酸化マグネシウムの混合物が形成される。混合物は、水および酸性水溶液の少なくとも1つと混合し、ろ過等することにより、グラフェンがマグネシウム含有液と分離され得る。グラフェンは、導電性、光学特性、スピン輸送、磁場効果等有し、電子デバイス構成要素として利用され得る。一方、マグネシウム含有液は、本発明に係る水分散液の一部として利用され得る。
【実施例】
【0038】
以下に、実施例により本発明の実施形態を説明する。しかしながら、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例には限定されない。
【0039】
(参考例1)
図1は、二酸化炭素の処理を実施する処理装置を示す。処理装置100は、水分散体を保持するフラスコ10と、ドライアイスを保持するフラスコ20と、フラスコ10とフラスコ20を連結するチューブ30と、水分散体を支持および撹拌する撹拌装置40と、ドライアイスを支持する支持装置50と、を備える。処理装置100は、密閉式の装置である。また、フラスコ10は、吸収された二酸化炭素を測定するために水分散体を採取する採取口60を備え、フラスコ20は、ドライアイスの気化を促進させる水を添加するための水導入口70を備える。
【0040】
まず、水と水酸化マグネシウムの分散体を準備した。水と水酸化マグネシウムの分散体は、水酸化マグネシウムの濃度が分散体におけるその固形分含有量で8重量%となるように、酸化マグネシウムを水に混合して調製された。酸化マグネシウムは、純度99.8%で、50nmの平均粒径(D50)を有していた。次いで、水と、水酸化マグネシウムと、アセトニトリルと、を含む第1水分散体を準備した。第1水分散体におけるアセトニトリルの濃度が、10重量%(試料RS1)となるように、上記の水と水酸化マグネシウムの分散体にアセトニトリルを投入した。アセトニトリルは、純度99重量%以上のものを使用した。
【0041】
試料RS1の水分散体80をフラスコ10(底板直径7cm程度)の容積の約1/3程度となるように投入した。一方、フラスコ20(底板直径7cm程度)に、1個の大きさ0.7cm×0.7cm×3cm程度のドライアイス90を4個投入した。ドライアイス90の1個(比重1.56)は、二酸化炭素に換算して44L(28.2mL)であり、ドライアイス90の4個は、二酸化炭素に換算して換算176L(112.8mL)である。
【0042】
フラスコ10、20は、それぞれ撹拌装置40、および支持装置50に支持させた。フラスコ10とフラスコ20とを、チューブ30で連結し、フラスコ10内の水分散体80を攪拌装置40で約1500rpmで攪拌しながら、フラスコ20からフラスコ10へ矢印のように二酸化炭素91を送り、特に加熱および冷却せずに常温で(25±15℃)、水分散体80と二酸化炭素91とを接触および反応させた。また、ドライアイス90の気化を促進させるために、30秒毎に約30ccの水を水導入口70からフラスコ20に注入した。
【0043】
フラスコ10の採取口60から、水分散体を30秒毎に採取し、消失した二酸化炭素の量を求めた。まず、採取した水分散体をろ過して固形分とろ液に分離した後、固形分に関して、炭素13核磁気共鳴(NMR)法によりCO部分について確認し、また、上記固形分を炎の中で燃やし、Mgを確認し、炭酸マグネシウムの存在を確認した。また、固形分(炭酸マグネシウム)を酸水溶液と反応させて放出された二酸化炭素を測定することで、水分散体80に吸収され、反応した二酸化炭素(消失した二酸化炭素)の量を求めた。図2に、時間に対する二酸化炭素の消失量を示す。
【0044】
(参考例2から4)
水と、水酸化マグネシウムと、アセトニトリルと、を含む第1水分散体におけるアセトニトリルの濃度が、参考例2(試料RS2)では20重量%、参考例3(試料RS3)では30重量%、参考例4(試料RS4)では40重量%となるように、参考例1で使用したものと同様の水と水酸化マグネシウムの分散体に、アセトニトリルを投入して、水分散体を調整した。この点を除き、参考例2から4では、参考例1と同様に二酸化炭素の処理を実施した。図2に時間に対する二酸化炭素の消失量を示す。
【0045】
(参考例5)
参考例5(試料RS5)では、参考例1で使用したものと同様の水と水酸化マグネシウムの分散体にアセトニトリルを投入しない水分散体、すなわち、上記の水と水酸化マグネシウムの分散体を、フラスコ10に投入する水分散体としたことを除き、参考例1と同様に二酸化炭素の処理を実施した。図2に時間に対する二酸化炭素の消失量を示す。
【0046】
図2に示すように、水分散体中のアセトニトリルの投入量に応じて、二酸化炭素の消失曲線の傾斜が緩やかになり(消失速度が遅くなる)、二酸化炭素の消失速度は、アセトニトリルの濃度で調節され得る。例えば、二酸化炭素を含むガス中の二酸化炭素の濃度が低い場合(10体積%以下)、アセトニトリルの濃度を高く(30重量%)することができ、ガス中の二酸化炭素の量または圧力に応じて水分散体のアセトニトリルの濃度を選択することができる。
【0047】
(実施例1から3)
参考例4で使用したものと同様の、水と水酸化マグネシウムとアセトニトリルとの第1水分散体に対する、ヘキサメチルリン酸トリアミドの濃度が5重量%となるようにヘキサメチルリン酸トリアミドを第1水分散体に投入した。さらに、この水分散体に、実施例1(試料S1)では、水酸化亜鉛の濃度が30重量%、実施例2(試料S2)では、水酸化ナトリウムの濃度が30重量%、実施例3(試料S3)では、水酸化カルシウムの濃度が30重量%となるように、水酸化亜鉛、水酸化ナトリウム、または水酸化カルシウムを投入した。この点を除き、実施例1から3では、参考例4と同様に二酸化炭素の処理を実施した。図3に時間に対する二酸化炭素の消失量を示す。なお、参考として、図3に、参考例4および5も合わせて示す。
【0048】
また、水酸化亜鉛は平均粒径6から9μm、水酸化ナトリウムは平均粒径0.7mm、水酸化カルシウムは平均粒径10μmの粉末を使用した。
【0049】
図3に示すように、水分散体に含まれる金属含有化合物が、水酸化亜鉛(試料S1)、水酸化ナトリウム(試料S2)、水酸化カルシウム(試料S3)の順で、二酸化炭素の消失曲線の傾斜が緩やかになった(消失速度が遅くなる)。特定の理論に縛られるわけでないが、亜鉛は2価の酸化状態が支配的であるために、分散体中では6配位錯体の形態をとり、二酸化炭素の消失促進に寄与したものと考えられる。
【0050】
また、図2に示す参考例と比較して、二酸化炭素の消失速度は、アセトニトリルに加えて、ヘキサメチルリン酸トリアミドと、水酸化亜鉛、水酸化ナトリウム、または水酸化カルシウムとを添加することで細かく調節することができた。また、参考例4(試料RS4)では、二酸化炭素の消失量が420秒を超えても低減されていないが、実施例1から3(試料S1からS3)では、二酸化炭素の消失量が約420秒までに低減された。
【0051】
(実施例4から7)
実施例4(試料S4)は、水酸化亜鉛の濃度が10重量%、水酸化ナトリウムの濃度が10重量%、水酸化カルシウムの濃度が10重量%となるようにした点を除き、実施例1と同様に二酸化炭素の処理を実施した。図4に時間に対する二酸化炭素の消失量を示す。なお、参考として、図4に、参考例4および5も合わせて示す。
【0052】
実施例5(試料S5)では、水酸化亜鉛の濃度が20重量%、水酸化ナトリウムの濃度が20重量%、水酸化カルシウムの濃度が20重量%となるようにした点を除き、実施例1と同様に二酸化炭素の処理を実施した。図4に時間に対する二酸化炭素の消失量を示す。
【0053】
実施例6(試料S6)では、水酸化亜鉛の濃度が30重量%、水酸化ナトリウムの濃度が30重量%、水酸化カルシウムの濃度が30重量%となるようにした点を除き、実施例1と同様に二酸化炭素の処理を実施した。図4に時間に対する二酸化炭素の消失量を示す。
【0054】
図4に示すように、水分散体に対する水酸化亜鉛、水酸化ナトリウム、および水酸化カルシウムの種々の濃度で、二酸化炭素の消失速度を調整できた。特に、試料S6を使用した場合、二酸化炭素の消失速度が向上した。
【0055】
(実施例7)
実施例7(試料S7)では、水酸化亜鉛の濃度が30重量%、水酸化ナトリウムの濃度が10重量%、水酸化カルシウムの濃度が5重量%となるようにした点を除き、実施例1と同様に二酸化炭素の処理を実施した。図5に時間に対する二酸化炭素の消失量を示す。なお、参考として、図5に、参考例4および5も合わせて示す。
【0056】
図5に示すように、水分散体に対する水酸化亜鉛、水酸化ナトリウム、および水酸化カルシウムの濃度が異なる場合でも、二酸化炭素の消失速度を調整できた。
【0057】
以上、発明の実施形態について説明したが、発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0058】
100 処理装置、10 フラスコ、20 フラスコ、30 チューブ、40攪拌装置、50 支持装置、60 採取口、70 水導入口、80水分散体、90 ドライアイス、91 二酸化炭素
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021年4月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明によれば、
二酸化炭素の処理方法であって、
水酸化マグネシウムと、アセトニトリルと、を含む水分散体を準備することと、
前記水分散体と二酸化炭素を含むガスとを接触させることと、
前記水酸化マグネシウムと前記二酸化炭素とを反応させることと、を備え、
前記水分散体は、ヘキサメチルリン酸トリアミドと、水酸化亜鉛水酸化ナトリウム、および水酸化カルシウムの少なくとも1つの水酸化物と、を含み、
前記アセトニトリルは、前記水酸化マグネシウムと、前記アセトニトリルと、を含む水分散体中に10重量%以上、40重量%以下含まれ、
前記ヘキサメチルリン酸トリアミドは、前記水酸化マグネシウムと、前記アセトニトリルと、を含む水分散体に対して、2重量%以上、8重量%以下含まれ、
前記水酸化物は、前記水酸化マグネシウムと、前記アセトニトリルと、を含む水分散体に対して、30重量%以上、90重量%以下含まれる、ことを特徴とする二酸化炭素の処理方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素の処理方法であって、
水酸化マグネシウムと、アセトニトリルと、を含む水分散体を準備することと、
前記水分散体と二酸化炭素を含むガスとを接触させることと、
前記水酸化マグネシウムと前記二酸化炭素とを反応させることと、を備え、
前記水分散体はヘキサメチルリン酸トリアミドと、水酸化亜鉛水酸化ナトリウム、および水酸化カルシウムの少なくとも1つの水酸化物と、を含み、
前記アセトニトリルは、前記水酸化マグネシウムと、前記アセトニトリルと、を含む水分散体中に10重量%以上、40重量%以下含まれ、
前記ヘキサメチルリン酸トリアミドは、前記水酸化マグネシウムと、前記アセトニトリルと、を含む水分散体に対して、2重量%以上、8重量%以下含まれ、
前記水酸化物は、前記水酸化マグネシウムと、前記アセトニトリルと、を含む水分散体に対して、30重量%以上、90重量%以下含まれる、ことを特徴とする二酸化炭素の処理方法。
【請求項2】
前記水酸化マグネシウムと前記二酸化炭素との反応は、前記水分散体を攪拌しながら行われる、ことを特徴とする請求項に記載の二酸化炭素の処理方法。
【請求項3】
前記水分散体の準備は、
酸化マグネシウムを水に分散させて分散体を準備すること、
前記分散体に、前記アセトニトリルと、前記ヘキサメチルリン酸トリアミドと、前記水酸化物と、を投入すること、を備える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の二酸化炭素の処理方法。
【請求項4】
前記酸化マグネシウムは100nm以下の平均粒径(D50)を有する、ことを特徴とする請求項に記載の二酸化炭素の処理方法。
【請求項5】
前記二酸化炭素を含むガスは、天然ガス由来によるものである、ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の二酸化炭素の処理方法。
【請求項6】
前記水酸化マグネシウムと前記二酸化炭素との反応生成物を金属マグネシウム中で加熱して、グラフェンを形成する、ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の二酸化炭素の処理方法。
【請求項7】
請求項1ないしのいずれか一項に記載の二酸化炭素の処理方法で使用する水分散体であって、
前記水分散体は、水と、水酸化マグネシウムと、アセトニトリルと、ヘキサメチルリン酸トリアミドと、水酸化亜鉛水酸化ナトリウム、および水酸化カルシウムの少なくとも1つの水酸化物と、を含み、
前記アセトニトリルは、前記水酸化マグネシウムと、前記アセトニトリルと、を含む水分散体中に10重量%以上、40重量%以下含まれ、
前記ヘキサメチルリン酸トリアミドは、前記水酸化マグネシウムと、前記アセトニトリルと、を含む水分散体に対して、2重量%以上、8重量%以下含まれ、
前記水酸化物は、前記水酸化マグネシウムと、前記アセトニトリルと、を含む水分散体に対して、30重量%以上、90重量%以下含まれる、ことを特徴とする水分散体。