(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-171911(P2021-171911A)
(43)【公開日】2021年11月1日
(54)【発明の名称】モンキーレンチ
(51)【国際特許分類】
B25B 13/14 20060101AFI20211004BHJP
B25B 13/02 20060101ALI20211004BHJP
【FI】
B25B13/14 A
B25B13/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】書面
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2020-95761(P2020-95761)
(22)【出願日】2020年4月27日
(71)【出願人】
【識別番号】520017018
【氏名又は名称】遠藤 洋二
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 洋二
(57)【要約】 (修正有)
【課題】固定顎と可動顎の調整の手間を短縮し、係る作業の効率化を図るモンキーレンチを提供する。
【解決手段】モンキーレンチのヘッド部分について、大小の向きを逆方向に配置した固定顎2及び3を有するモンキーレンチ本体1にウォームギア6を備え、該ウォームギア6を対峙する側の向きが逆方向で一体とした可動顎4及び5に備えたラックギア7に噛み合わせて、ウォームギア6を正逆に回転させて可動顎4及び5を所定の大きさの対象物の幅に合致させ対象物を挟持できるように形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンチ本体に固定顎を有し、接離方向に往復移動可能にした可動顎と、その可動顎に形成されたラックギアに対しレンチ本体に軸支されたウォームギアが噛み合って構成される挟持間隔の調整機構を備えるモンキーレンチにおいて、前記モンキーレンチ本体の固定顎を持ち手側に配置し、当該固定顎は大小の互いに異なる向き、およそ120°〜180°に配置し前記固定顎と対峙する側に大小の一体とした可動顎を有するように配置する形状とした、大小二組の対象物挟持用の顎をヘッド部分に備えたことを特徴とするモンキーレンチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボルト及びナット等の締緩に用いられるモンキーレンチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
普く使用されているモンキーレンチは一個の固定顎を有するレンチ本体と、固定顎に対して接離方向に往復動可能な一個の可動顎と接離方向に歯が並ぶラックギアと噛み合う状態で本体に接離方向に軸支されているウォームギアを回転することで可動体を往復動させることが知られている。
【0003】
モンキーレンチは一本で種々のサイズのボルト及びナット等の締緩を可能とする便利な工具であるが、特許文献例えば2,3,4,及び5で知られているようにサイズがそれなりに適正でなければ使用し難いことが推察できる。
【先行技術文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−71177
【特許文献2】実全平02−114466
【特許文献3】実全昭60−125063
【特許文献4】実全昭48−026599
【特許文献5】実登3093028
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
モンキーレンチは本来、一本で種々のサイズのボルト及びナット等を締緩することができる非常に便利な工具で、大型のモンキーレンチでも小径サイズの対象物にも対応する、まさに大は小を兼ねる工具といえる。
【0006】
しかしながら前記に示す大型のモンキーレンチに限らず固定顎と可動顎の間隔を大きく変化させてサイズの異なる対象物を挟持する際にウォームギアを複数回回転させて可動顎を調整する必要があり、対象物のサイズが変わる度にウォームギアによる間隔調整をしなければならない煩わしさが生じる。
【0007】
更に、大きなモンキーレンチは小型のモンキーレンチに比べ相対的に挟持用の顎の部分が厚く小さな対象物に合わせ難い。
【0008】
然るに、作業者は状況に応じることを想定し、複数のモンキーレンチを持ち歩く必要があり、これらの煩わしさは作業者の負担となる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のモンキーレンチは大小の互いに異なる向き、120°〜180°の角度に配置した固定顎を有するレンチ本体と、前記、固定顎に対峙し接離往復動可能な大小の可動顎と、接離方向に並ぶラックギアを有した可動体と前記ラックギアに噛み合うウォームギアをレンチ本体が軸支し、中心線周りに回転させて同時に大小の一体となっている可動顎を有する可動体の接離移動が可能となる。
【発明の効果】
【0009】
大小の挟持用の顎部を備えることで調整のためのウォームギアの回転数を減らし作業の迅速化を図ることができる。
【0010】
ラックギアの長さを短縮できるので本体からラックギア部分が大きくはみ出さないため、対象物周辺の部材への干渉や傷めることを減少できる。
【0011】
コンパクトで単純な形状を実現でき、製造コストも大幅に増加しないので、安価で便利な道具となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】 本発明の要部の模式図である。aは小さい側の顎部の向きの方向が大きい側の顎部と180°の方向の向きに配置している。bは小さい側の顎部の向きの方向が大きい側の顎部と135°の方向の向きの配置である。
【
図2】 本発明のモンキーレンチのヘッド部の要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下図面に基づいて実施の形態を説明する。
【0014】
本発明のモンキーレンチは
図1〜
図3に示すように二組の大小の固定顎2及び3を有するレンチ本体と、固定顎2及び3に対して接離方向に往復可能な二組の大小の可動顎4及び5を有し、該可動顎にラックギア7を備えている。
【0015】
固定顎2及び3と可動顎4及び5はそれぞれ対峙し、本体1に支軸8で軸支されたウォームギア6を可動顎に備えたラックギア7と噛み合わせる。
【0016】
大小の対峙する顎部で形成する互いの対象物挟持面の向きはおよそ120°〜180°とする。
【0017】
二組の大小の顎の開き幅及び挟持面の向きの組合せは任意とする。
【符号の説明】
【0018】
1 モンキーレンチ本体
2 固定顎大
3 固定顎小
4 可動顎大
5 可動顎小
6 ウォームギア
7 ラックギア
8 支軸
9 ナット大
10 ナット小
【手続補正書】
【提出日】2020年6月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンチ本体に固定顎を有し、接離方向に往復移動可能にした可動顎と、その可動顎に形成されたラックギアに対しレンチ本体に軸支されたウォームギアが噛み合って構成される挟持間隔の調整機構を備えるモンキーレンチにおいて、固定顎は大小の互いに異なる向き、およそ120°〜180°に配置し前記固定顎と対峙する側に大小の一体とした可動顎を有するように配置する形状とした、大小二組の対象物挟持用の顎をヘッド部分に備えたことを特徴とするモンキーレンチ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
【
図1】 本発明のモンキーレンチの要部の模式図である。aは大きい方の顎部と小さい方の顎部の開口方向を180°の方向に配置したものである。bは大きい方の顎部と小さい方の顎部の開口方向を135°の方向に配置した場合のものである。
【
図2】 本発明のモンキーレンチのヘッド部の要部の断面図である。aは固定顎を持ち手側にした場合の形状である。bは固定顎を持ち手側と逆にした場合の形状のものである。cは固定顎をレンチ使用時の回転方向が同一となる場合の形状のものである。
【
図3】 本発明のモンキーレンチの固定顎を持ち手側にした場合の側面図である。
【
図4】 本発明のモンキーレンチの固定顎を持ち手側にした場合の斜視図である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】