【解決手段】表示制御装置は、車両の運転者に通知すべき通知情報を取得する取得部と、センタディスプレイ32に表示されている行先表示80を、下方投影部34Aに表示させた後に、上方投影部34Bに表示させるアニメーションを実行する実行部と、を備えている。
第一表示部と、前記第一表示部に隣接する第二表示部と、前記第二表示部に対して前記第一表示部とは異なる方向に隣接する第三表示部と、を備える車両に設けられ、前記第一表示部、前記第二表示部及び前記第三表示部を制御する表示制御装置であって、
前記車両の運転者に通知すべき通知情報を取得する取得部と、
前記第一表示部及び前記第三表示部の一方に表示されている前記通知情報を、前記第二表示部に表示させた後に、前記第一表示部及び前記第三表示部の他方に表示させるアニメーションを実行する実行部と、
を備える表示制御装置。
第一表示部と、前記第一表示部に隣接する第二表示部と、前記第二表示部に対して前記第一表示部とは異なる方向に隣接する第三表示部と、を備える車両に設けられ、前記第一表示部、前記第二表示部及び前記第三表示部を制御する表示制御方法であって、
前記車両の運転者に通知すべき通知情報を取得する取得ステップと、
前記第一表示部及び前記第三表示部の一方に表示されている前記通知情報を、前記第二表示部に表示させた後に、前記第一表示部及び前記第三表示部の他方に表示させるアニメーションを実行する実行ステップと、
を含む表示制御方法。
第一表示部と、前記第一表示部に隣接する第二表示部と、前記第二表示部に対して前記第一表示部とは異なる方向に隣接する第三表示部と、を備える車両に設けられ、前記第一表示部、前記第二表示部及び前記第三表示部を制御するプログラムであって、
前記車両の運転者に通知すべき通知情報を取得する取得ステップと、
前記第一表示部及び前記第三表示部の一方に表示されている前記通知情報を、前記第二表示部に表示させた後に、前記第一表示部及び前記第三表示部の他方に表示させるアニメーションを実行する実行ステップと、
を含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、情報の程度に応じて表示する場所を変えたとしても、ドライバがその表示に気付くとは限らないため、当該運転支援装置は改善の余地がある。
【0005】
本発明は、複数の表示部の間で表示を遷移させることで、運転者に表示を気付かせることを可能とする表示制御装置、表示制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の表示制御装置は、第一表示部と、前記第一表示部に隣接する第二表示部と、前記第二表示部に対して前記第一表示部とは異なる方向に隣接する第三表示部と、を備える車両に設けられ、前記第一表示部、前記第二表示部及び前記第三表示部を制御する表示制御装置であって、前記車両の運転者に通知すべき通知情報を取得する取得部と、前記第一表示部及び前記第三表示部の一方に表示されている前記通知情報を、前記第二表示部に表示させた後に、前記第一表示部及び前記第三表示部の他方に表示させるアニメーションを実行する実行部と、を備えている。
【0007】
請求項1に記載の表示制御装置は、隣接し合う複数の表示部を備える車両において適用される。当該表示制御装置では、取得部が通知情報を取得し、実行部が第一表示部、第二表示部及び第三表示部の順、又は、第三表示部、第二表示部及び第一表示部の順、に通知情報をアニメーションで表示させる。したがって、当該表示制御装置によれば、複数の表示部の間で表示を遷移させることで、運転者に通知情報に係る表示を気付かせることができる。
【0008】
請求項2に記載の表示制御装置は、請求項1に記載の表示制御装置において、前記第一表示部、前記第二表示部、前記第三表示部の順に運転中の前記運転者の視界の外から中心に配置されており、前記実行部は、所定契機に前記第一表示部に表示される前記車両の走行に係る前記通知情報に対して、前記第一表示部から前記第二表示部を経由して前記第三表示部に表示させるアニメーションを実行する。
【0009】
請求項2に記載の表示制御装置では、実行部は車両の走行に係る通知情報を運転者の視界の外から中心に向けて表示させる。そのため、当該表示制御装置によれば、運転者に対して走行に係る表示に意識を向かせつつ、最終的に当該機能表示に係る通知情報の内容をしっかり認識させることができる。
【0010】
請求項3に記載の表示制御装置は、請求項1又は2に記載の表示制御装置において、前記第一表示部、前記第二表示部、前記第三表示部の順に運転中の前記運転者の視界の外から中心に配置されており、前記実行部は、前記運転者の操作に伴い前記第三表示部に表示される前記車両の機能の操作に係る前記通知情報に対して、前記第三表示部から前記第二表示部を経由して前記第一表示部に表示させるアニメーションを実行する。
【0011】
請求項3に記載の表示制御装置では、実行部は車両の機能の操作に係る通知情報を運転者の視界の中心から外に向けて表示させる。そのため、当該表示制御装置によれば、運転者に対して機能の操作に係る表示に意識を向かせつつ、最終的に運転の妨げとならないようにすることができる。
【0012】
請求項4に記載の表示制御装置は、請求項1〜3の何れか1項に記載の表示制御装置において、前記第一表示部は前記車両の車幅方向中央に設置されるセンタディスプレイであり、前記第二表示部はメータディスプレイの車両上方側に設置されるヘッドアップディスプレイのうち車両下方側の表示領域である下方表示部であり、前記第三表示部は前記ヘッドアップディスプレイのうち、前記下方表示部に対して車両上方側の表示領域である上方表示部であり、前記実行部は、前記センタディスプレイ、前記下方表示部及び前記上方表示部に跨る線上を前記通知情報が移動するアニメーションを実行する。
【0013】
請求項4に記載の表示制御装置によれば、センタディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの2つの表示部の間で表示を遷移させることで、運転者に通知情報に係る表示を気付かせることができる。
【0014】
請求項5に記載の表示制御装置は、請求項1〜3の何れか1項に記載の表示制御装置において、前記第一表示部は前記車両の車幅方向中央に設置されるセンタディスプレイであり、前記第二表示部は前記運転者と対向して設置されるメータディスプレイであり、前記第三表示部は前記メータディスプレイの車両上方側に設置されるヘッドアップディスプレイであり、前記実行部は、前記センタディスプレイ、前記メータディスプレイ及び前記ヘッドアップディスプレイに跨る線上を前記通知情報が移動するアニメーションを実行する。
【0015】
請求項5に記載の表示制御装置によれば、センタディスプレイ、メータディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの間で表示を遷移させることで、運転者に通知情報に係る表示を気付かせることができる。
【0016】
請求項6に記載の表示制御方法は、第一表示部と、前記第一表示部に隣接する第二表示部と、前記第二表示部に対して前記第一表示部とは異なる方向に隣接する第三表示部と、を備える車両に設けられ、前記第一表示部、前記第二表示部及び前記第三表示部を制御する表示制御方法であって、前記車両の運転者に通知すべき通知情報を取得する取得ステップと、前記第一表示部及び前記第三表示部の一方に表示されている前記通知情報を、前記第二表示部に表示させた後に、前記第一表示部及び前記第三表示部の他方に表示させるアニメーションを実行する実行ステップと、を含む表示制御方法。
【0017】
請求項6に記載の表示制御方法は、隣接し合う複数の表示部を備える車両において適用される。当該表示制御方法では、取得ステップにおいて通知情報が取得され、実行ステップにおいて、第一表示部、第二表示部及び第三表示部の順、又は、第三表示部、第二表示部及び第一表示部の順、に通知情報がアニメーションで表示される。したがって、当該表示制御方法によれば、複数の表示部の間で表示を遷移させることで、運転者に通知情報に係る表示を気付かせることができる。
【0018】
請求項7に記載のプログラムは、第一表示部と、前記第一表示部に隣接する第二表示部と、前記第二表示部に対して前記第一表示部とは異なる方向に隣接する第三表示部と、を備える車両に設けられ、前記第一表示部、前記第二表示部及び前記第三表示部を制御するプログラムであって、前記車両の運転者に通知すべき通知情報を取得する取得ステップと、前記第一表示部及び前記第三表示部の一方に表示されている前記通知情報を、前記第二表示部に表示させた後に、前記第一表示部及び前記第三表示部の他方に表示させるアニメーションを実行する実行ステップと、を含む処理をコンピュータに実行させる。
【0019】
請求項7に記載のプログラムでは、隣接し合う複数の表示部を備える車両においてコンピュータが次の処理を実行する。すなわち、当該コンピュータでは、取得ステップにおいて通知情報が取得され、実行ステップにおいて、第一表示部、第二表示部及び第三表示部の順、又は、第三表示部、第二表示部及び第一表示部の順、に通知情報がアニメーションで表示される。したがって、当該プログラムによれば、複数の表示部の間で表示を遷移させることで、運転者に通知情報に係る表示を気付かせることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、複数の表示部の間で表示を遷移させることで、運転者に表示を気付かせることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1の実施形態]
第1の実施形態の表示制御装置20を含む表示システム10について図を用いて説明する。なお、
図1、
図5、
図6、
図8及び
図9の各表示装置30の表示に対して、上下左右と表記する場合は、運転者が各表示装置30を観察した場合の向きを指す。
【0023】
(基本構成)
図1及び
図2に示されるように、本実施形態の表示システム10は、車両12に搭載されている。表示システム10は、表示制御装置20と、表示装置30と、カーナビゲーションシステム50と、を含んで構成されている。
【0024】
表示制御装置20、及びカーナビゲーションシステム50が有するカーナビゲーションECU(Electronic Control Unit)52は、外部バス22を介して相互に接続されている。
【0025】
(表示装置)
表示装置30は、センタディスプレイ32と、メータディスプレイ34と、ヘッドアップディスプレイ36と、を含んで構成されている。また、表示装置30は、後述する行先表示80又は操作表示90が表示可能に構成されている。
【0026】
図1に示されるように、センタディスプレイ32は、ダッシュボード14の車幅方向中央に設けられた液晶ディスプレイである。センタディスプレイ32は、画面全体の表示領域32Aに対して、左側略2/3に情報領域32Bを有し、右側略1/3に通知領域32Cを有している。情報領域32Bには、カーナビゲーションシステム50に関係する画像、例えば、車両12の現在位置を示す地図画像や車両12を目的地まで案内する画像が表示される。また、通知領域32Cには、カーナビゲーションシステム50が備えるオーディオ機能に係る画像などが表示される。本実施形態において、センタディスプレイ32は、第一表示部の一例である。
【0027】
メータディスプレイ34は、シートに着座した運転者の正面側のダッシュボード14において、センタディスプレイ32の車幅方向右側に隣接して設けられた液晶ディスプレイである。メータディスプレイ34には、車速、エンジン回転数、走行距離等、車両12の走行に関係する情報、及び、警告灯、灯火類の作動状況等、車両12の状態に係る情報が表示される。
【0028】
ヘッドアップディスプレイ36は、メータディスプレイ34の車両上方側に隣接し、かつフロントウインドウ16上に投影面16A及び投影面16Bを備える投影装置である。投影面16Aは下方表示部である下方投影部36Aとして構成され、投影面16Bは上方表示部である上方投影部36Bとして構成されている。下方投影部36Aと上方投影部36Bとは車両上下方向に隣接している。ヘッドアップディスプレイ36には、車速、車両12の進行方向、後述するステアリングスイッチ40の操作位置等、運転者に報知する情報のうち優先度の高い情報が表示される。本実施形態において、下方投影部36Aは第二表示部の一例であり、上方投影部36Bは第三表示部の一例である。
【0029】
(カーナビゲーションシステム)
図2に示されるように、カーナビゲーションシステム50は、カーナビゲーションECU52に加えて、GPS受信機54と、ストレージ56と、を含んで構成されている。本実施形態のカーナビゲーションシステム50は、少なくともカーナビゲーション機能及びオーディオ機能の双方を備えている。
【0030】
GPS受信機54は、複数のGPS衛星からGPS信号を受信して車両12の現在位置を測位する。
【0031】
ストレージ56は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、地図データ及び音楽データを記憶している。
【0032】
カーナビゲーションECU52は、車両12の目的地までの走行経路を生成したり、位置情報に基づいて車両12を目的地まで案内したりする機能を有している。カーナビゲーションECU52は、CPU、ROM、RAM、通信I/F及び入出力I/F等を含んで構成されている。
【0033】
本実施形態のカーナビゲーションECU52は、タッチパネルを兼ねるセンタディスプレイ32から入力された目的地情報、及びストレージ56に記憶されている地図データ等に基づいて、目的地までの経路を設定する。また、カーナビゲーションECU52は、GPS受信機54から受信した位置情報に基づき、車両12の現在位置を示す地図や車両12を目的地まで案内する画面をセンタディスプレイ32に表示させる。
【0034】
(表示制御装置)
表示制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)20A、ROM(Read Only Memory)20B、RAM(Random Access Memory)20C、通信I/F(Inter Face)20E及び入出力I/F(Inter Face)20Fを含んで構成されている。CPU20A、ROM20B、RAM20C、通信I/F20E及び入出力I/F20Fは、内部バス20Gを介して相互に通信可能に接続されている。
【0035】
CPU20Aは、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU20Aは、ROM20Bからプログラムを読み出し、RAM20Cを作業領域としてプログラムを実行する。
【0036】
ROM20Bは、各種プログラム及び各種データを記憶している。本実施形態のROM20Bには、制御プログラム200、画像データ210及び管理テーブル220が記憶されている。制御プログラム200は、後述する画像表示処理を行うためのプログラムである。画像データ210には、各表示装置30に表示されるアイコンの画像等のデータが記憶されている。
【0037】
管理テーブル220には、各表示装置30に表示させるアニメーションの表示ルールが規定されている。
図3に示されるように、管理テーブル220には、運転者に通知すべき通知情報、及びアニメーションの生成に必要な生成情報が規定されている。生成情報には、アニメーションの表示開始位置、アニメーションの表示終了位置、アニメーションパターン、及びアニメーションの表示時間、が少なくとも含まれている。
【0038】
通知情報は、車両12の運転者に通知すべき情報である。例えば、通知情報には、車両12の走行に係る情報、及び車両12の機能の操作に係る情報がある。車両12の走行に係る情報としては、「経路案内通知」がある。例えば、カーナビゲーションシステム50において経路を案内する際の矢印等による通知が、経路案内通知に該当する。また、車両12の機能の操作に係る情報としては、「オーディオ操作フィードバック通知(以下、単に「フィードバック通知」とする)」がある。例えば、ステアリングスイッチ40を使用してオーディオの再生等の操作を行う場合に、ステアリングスイッチ40を見ることなく操作位置を知得可能な通知が、フィードバック通知に該当する。
【0039】
表示開始位置及び表示終了位置に対しては画面上の座標(X、Y)が規定されている。この座標(X、Y)は、センタディスプレイ32、メータディスプレイ34、及びヘッドアップディスプレイ36を跨ぐ共通の座標系であって、例えば車幅方向中央側かつ車両下方側に原点を有している。
【0040】
アニメーションパターンは、遷移させる通知情報に係る画像の軌跡を規定したものである。表示時間は、アニメーションが開始してから終了するまでの時間の長さを規定したものである。
【0041】
RAM20Cは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0042】
通信I/F20Eは、カーナビゲーションECU52等、他のECUと接続するためのインタフェースである。当該インタフェースは、CAN(Controller Area Network)プロトコルによる通信規格が用いられる。通信I/F20Eは、外部バス22に対して接続されている。なお、通信I/F20Eの通信方式はCANに限らず、イーサネット(登録商標)等のLAN規格を採用してもよい。
【0043】
入出力I/F20Fは、センタディスプレイ32、メータディスプレイ34、及びヘッドアップディスプレイ36の各表示装置30、並びにステアリングホイールに設けられたステアリングスイッチ40と通信するためのインタフェースである。ステアリングスイッチ40は、ステアリングホイールのスポークであって、運転者の親指で操作可能な位置に設けられている。
【0044】
図4は、表示制御装置20の機能構成の例を示すブロック図である。各機能構成は、CPU20AがROM20Bに記憶された制御プログラム200を読み出し、これを実行することによって実現される。本実施形態のCPU20Aは、制御プログラム200の実行により取得部260、生成部270及び実行部280として機能する。
【0045】
取得部260は、車両12の運転者に通知すべき通知情報を取得する機能を有している。本実施形態の取得部260は、カーナビゲーションシステム50が経路案内通知を行う場合にカーナビゲーションシステム50から通知情報として進行方向等の情報を取得する。また、取得部260は、カーナビゲーションシステム50がステアリングスイッチ40から音楽データの再生等、オーディオの操作を受け付ける場合に、通知情報としてステアリングスイッチ40の操作態様に係る情報を取得する。
【0046】
生成部270は、各表示装置30に表示させるアニメーションを生成する機能を有している。具体的に、生成部270は管理テーブル220を参照し、取得部260において取得された通知情報に対応する生成情報を取得する。そして、生成部270は、画像データ210に記憶されている画像と、生成情報とに基づいてアニメーションを生成する。
【0047】
例えば、
図5(A)〜(C)に示されるように、経路案内通知の場合、センタディスプレイ32の情報領域32B上に表示される行先表示80が、軌跡T1に沿って下方投影部36Aを経て上方投影部36Bまで遷移するアニメーションが生成される。軌跡T1は、「センタディスプレイ、下方表示部及び上方表示部に跨る線」に相当する。
【0048】
同図は、経路案内中の車両12が右折の指示を受ける場面の説明であって、右矢印等を図案化した画像が行先表示80となる。この場合、センタディスプレイ32の情報領域32Bに表示される行先表示80は、交差点の形状と共に矢印を図案化した詳細表示82である(
図5(A)参照)。また、ヘッドアップディスプレイ36(すなわち、下方投影部36A及び上方投影部36B)に表示される行先表示80は、矢印のみを図案化した簡略表示84である(
図5(B)及び(C)参照)。そのため、生成部270が生成するアニメーションでは、センタディスプレイ32からヘッドアップディスプレイ36に遷移する過程で、詳細表示82が簡略表示84に変化する。
【0049】
また例えば、
図6(A)〜(C)に示されるように、フィードバック通知の場合、上方投影部36B上に表示される操作表示90が、軌跡T2に沿って下方投影部36Aを経てセンタディスプレイ32の通知領域32Cまで遷移するアニメーションが生成される。軌跡T2は、「センタディスプレイ、下方表示部及び上方表示部に跨る線」に相当する。
【0050】
同図は、ステアリングスイッチ40を操作してオーディオの曲送りを行う場面の説明であって、ステアリングスイッチ40の内容を図案化した画像が操作表示90となる。この場合、上方投影部36Bに表示される操作表示90は、ステアリングスイッチ40の操作項目の全てを図案化した全体表示92である(
図6(A)参照)。また、下方投影部36A及びセンタディスプレイ32の通知領域32Cに表示される操作表示90は、ステアリングスイッチ40の操作部分のみを図案化した部分表示94である(
図6(B)及び(C)参照)。そのため、生成部270が生成するアニメーションでは、ヘッドアップディスプレイ36からセンタディスプレイ32に遷移する過程で、全体表示92が部分表示94に変化する。
【0051】
実行部280は、生成部270により生成されたアニメーションを各表示装置30上で実行させる機能を有している。具体的に、経路案内通知の場合、実行部280は所定契機にセンタディスプレイ32に表示される行先表示80に対して、生成部270により生成されたアニメーションを実行する。また、フィードバック通知の場合、実行部280は運転者の操作に伴い上方投影部36Bに表示される操作表示90に対して、生成部270により生成されたアニメーションを実行する。
【0052】
(制御の流れ)
本実施形態において、表示制御装置20が各表示装置30に対して実行する画像表示処理の流れの例を
図7のフローチャートを用いて説明する。
【0053】
図7のステップS100において、CPU20Aはカーナビゲーションシステム50から通知イベントを取得する。例えば、
図5(A)〜(C)に示す経路案内通知の場合、カーナビゲーションシステム50が経路案内をしている状況で右折すべき交差点に接近した際にカーナビゲーションシステム50は行先表示80に係る通知イベントを発生させ、CPU20Aはこれを取得する。また例えば、
図6(A)〜(C)に示すフィードバック通知の場合、ステアリングスイッチ40を操作した際にCPU20Aは操作表示90に係る通知イベントを取得する。
【0054】
ステップS101において、CPU20Aは管理テーブル220を参照して取得した通知イベントに対応する生成情報を取得する。
【0055】
ステップS102において、CPU20Aは生成情報に基づいてアニメーションを生成する。
【0056】
ステップS103において、CPU20Aは生成されたアニメーションに基づいたアニメーションを表示装置30に表示させる。そして、画像表示処理は終了する。
【0058】
本実施形態の表示制御装置20は、隣接し合う複数の表示装置30を備える車両12に適用される。本実施形態では、取得部260が通知情報を取得し、実行部280がセンタディスプレイ32、下方投影部36A及び上方投影部36Bの順、又は、上方投影部36B、下方投影部36A及びセンタディスプレイ32の順、に通知情報をアニメーションで表示させる。したがって、本実施形態によれば、センタディスプレイ32及びヘッドアップディスプレイ36の2つの表示装置の間で表示を遷移させることで、運転者に通知情報に係る表示を気付かせることができる。
【0059】
また、本実施形態の表示制御装置20は、車両12の走行に係る通知情報を運転者の視界の外から中心に向けて表示させる。具体的には、車両12の走行に係る経路案内通知について、センタディスプレイ32、下方投影部36A及び上方投影部36Bの順に行先表示80をアニメーションで表示させる。そのため、本実施形態によれば、運転者に対して走行に係る表示に意識を向かせつつ、最終的に当該機能表示に係る通知情報の内容をしっかり認識させることができる。
【0060】
さらに、本実施形態の表示制御装置20は、車両12の機能の操作に係る通知情報を運転者の視界の中心から外に向けて表示させる。具体的には、車両12の機能の操作に係るフィードバック通知について、上方投影部36B、下方投影部36A及びセンタディスプレイ32の順に操作表示90をアニメーションで表示させる。そのため、本実施形態によれば、運転者に対して機能の操作に係る表示に意識を向かせつつ、最終的に運転の妨げとならないようにすることができる。
【0061】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、センタディスプレイ32、下方投影部36A及び上方投影部36Bに跨る線上を行先表示80又は操作表示90が遷移するものであった。これに対して、第2の実施形態では、センタディスプレイ32、メータディスプレイ34及びヘッドアップディスプレイ36に跨る線上を行先表示80又は操作表示90が遷移するように構成されている。
【0062】
本実施形態において、メータディスプレイ34は第二表示部の一例であり、ヘッドアップディスプレイ36は第三表示部の一例である。本実施形態のヘッドアップディスプレイ36は、上方投影部36Bのみを有している。なお、その他の構成については第1の実施形態と同じであり、説明は割愛する。
【0063】
図8(A)〜(C)に示されるように、経路案内通知の場合、センタディスプレイ32の情報領域32B上に表示される行先表示80が、軌跡T3に沿ってメータディスプレイ34及び下方投影部36Aを経て上方投影部36Bまで遷移するアニメーションが生成される。軌跡T3は、「センタディスプレイ、メータディスプレイ及びヘッドアップディスプレイに跨る線」に相当する。
【0064】
また、
図9(A)〜(C)に示されるように、フィードバック通知の場合、上方投影部36B上に表示される操作表示90が、軌跡T4に沿って下方投影部36A及びメータディスプレイ34を経てセンタディスプレイ32の通知領域32Cまで遷移するアニメーションが生成される。軌跡T4は、「センタディスプレイ、メータディスプレイ及びヘッドアップディスプレイに跨る線」に相当する。
【0065】
本実施形態の表示制御装置20によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏する。すなわち、センタディスプレイ32、メータディスプレイ34及びヘッドアップディスプレイ36の間で表示を遷移させることで、運転者に通知情報に係る表示を気付かせることができる。
【0066】
[備考]
各実施形態では、カーナビゲーションシステム50の経路案内に基づく経路案内通知、及びステアリングスイッチ40が操作された際のフィードバック通知、を通知情報が生ずる場合として例示した。しかし、通知情報が生じてアニメーションが実行されるケースはこれに限らない、例えば、ADAS(Advanced Driver Assistance System、先進運転支援システム)が障害物を検知した場合、カメラで撮像された障害物の画像をセンタディスプレイ32の通知領域32Cから上方投影部36Bに向けてアニメーションで表示させてもよい。また例えば、運転者が車内のマイクに向かってエアコン操作や電話の通話開始指示を行った場合、音声認識された内容を上方投影部36Bからセンタディスプレイ32の通知領域32Cに向けてアニメーションで表示させてもよい。
【0067】
各実施形態では、管理テーブル220を参照してアニメーションを生成しているが、管理テーブル220の内容はユーザが変更可能であってもよい。また、管理テーブル220は、車両12外部のサーバから通信により提供してもよい。
【0068】
各実施形態において、アニメーションの実行により遷移される画像が表示される表示装置30は、センタディスプレイ32、メータディスプレイ34及びヘッドアップディスプレイ36に限らない。例えば、
図1に示すフロントピラー18に設けられた電子アウタミラー用のディスプレイ、サイドウインドウに配置される透過型の液晶ディスプレイ等を表示装置30に含めてもよい。
【0069】
なお、上記実施形態でCPU20Aがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した各種処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field−Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、上述した受付処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0070】
また、上記実施形態において、各プログラムはコンピュータが読み取り可能な非一時的記録媒体に予め記憶(インストール)されている態様で説明した。例えば、表示制御装置20において制御プログラム200は、ROM20Bに予め記憶されている。しかしこれに限らず、各プログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0071】
上記実施形態で説明した処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。