【課題】駐車領域を区画する区画線が検出できない場合であっても、直感的な操作により駐車位置の設定可能であって、設定された駐車位置に自動駐車することができる駐車支援装置を提供する。
【解決手段】駐車支援装置100は、状況検出部132が検出した自車両1Aの周囲の状況と、車両アイコン5とを表示部60に表示させる表示制御部135と、車両アイコン5の位置と、車両アイコン5の向きとの入力を受け付ける受付部134と、受け付けた入力に基づき、自車両1Aを駐車させる駐車位置と、駐車位置に駐車させるときの駐車方向とを決定する決定部136と、決定した駐車位置及び駐車方向に基づき、自車両1Aの駐車経路を生成する経路生成部137と、生成した駐車経路に従って自車両1Aを走行させるための制御情報を生成する制御情報生成部138と、を備える。
前記経路生成部は、前記操作情報に従って変更された前記アイコンの位置の軌跡と、前記状況検出部が検出した車両の周囲の状況とに基づいて、駐車経路を生成する、ことを特徴とする請求項3記載の駐車支援装置。
前記決定部は、前記受付部が受け付けた前記操作情報に基づいて、前記アイコンに対する第1のタッチ操作と、前記第1のタッチ操作とは異なる前記アイコンの位置にタッチされた第2のタッチ操作とを検出し、
前記第1のタッチ操作及び前記第2のタッチ操作によりタッチされた前記アイコンの位置に基づいて前記駐車方向を決定する、ことを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の駐車支援装置。
前記表示制御部は、前記操作情報により前記アイコンの長押し操作が検出されると、前記アイコンを回転させる回転操作子を表示し、前記回転操作子に対する前記操作情報に従い前記アイコンの向きを変更する、ことを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の駐車支援装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、車両に搭載された車載装置3の構成を示す図である。車載装置3を搭載した車両を自車両1Aと表記する。また、自車両1A以外の車両を他車両1Bと表記する。
車載装置3は、位置検出ユニット10、センサ部20、操作部50、表示部60、車両制御ユニット70、操舵装置71、駆動装置73、制動装置75、変速装置77及び駐車支援装置100を備える。
【0009】
位置検出ユニット10は、自車両1Aの現在位置を検出する。位置検出ユニット10は、GNSS(Global Navigation Satellite System)信号を受信するGNSS受信器と、GNSS受信器が受信したGNSS信号に基づいて自車両1Aの現在位置である緯度及び経度を演算するプロセッサと、を備える。GNSS受信器及びプロセッサの図示は省略する。位置検出ユニット10は、求めた自車両1Aの現在位置を示す緯度及び経度を位置情報として駐車支援装置100に出力する。
【0010】
センサ部20は、複数のセンサを備える。本実施形態のセンサ部20は、複数のカメラを有する撮影部30と、ソナーユニット40とを備える。本実施形態では、センサ部20がカメラ及びソナーを備える場合について説明するが、センサ部20のセンサは、カメラ及びソナーに限定されない。例えば、電波や光等を利用して障害物との間の距離を測定可能なレーダーやライダー(LiDAR:Laser Imaging Detection and Ranging)をセンサ部20に搭載してもよい。センサ部20は、撮影部30の撮影画像や、ソナーユニット40のセンサデータを検出情報として駐車支援装置100に出力する。
【0011】
撮影部30は、自車両1Aの前方を撮影するフロントカメラ31、自車両1Aの後方を撮影するリアカメラ32、自車両1Aの左側方を撮影する左サイドカメラ33、及び自車両1Aの右側方を撮影する右サイドカメラ34を備える。これらのカメラは、それぞれCCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)等のイメージセンサと、イメージセンサの受光状態から画像を生成するデータ処理回路とを備える。撮影部30は、4台のカメラにより自車両1Aを中心に360°の範囲を撮影可能となるように画角が調整されている。フロントカメラ31、リアカメラ32、左サイドカメラ33及び右サイドカメラ34は、各々の撮影範囲を所定のフレームレートで撮影して撮影画像を生成する。フロントカメラ31の生成する画像を前方撮影画像といい、リアカメラ32の生成する画像を後方撮影画像といい、左サイドカメラ33の生成する画像を左側方撮影画像といい、右サイドカメラ34の生成する画像を右側方撮影画像という。撮影部30は、生成したこれらの撮影画像を駐車支援装置100に出力する。駐車支援装置100は、入力された撮影画像をメモリ110に一時的に記憶させる。
【0012】
ソナーユニット40は、前方、後方、左側方及び右側方等の自車両1Aの複数箇所に搭載され、超音波を用いて自車両1Aの周囲に存在する障害物の大きさや、位置、障害物までの距離を検出する。
【0013】
操作部50は、自車両1Aに搭乗した乗員の操作を受け付ける受け付け部である。操作部50は、受け付けた操作に対応した操作情報を駐車支援装置100に出力する。操作部50が受け付ける操作には、例えば、駐車支援の開始を指示する操作や、駐車支援を終了させる操作等が含まれる。
【0014】
表示部60は、本発明の受付部に相当する。表示部60は、タッチパネル65を備え、駐車支援装置100によって生成された画像データに基づく画像をタッチパネル65に表示させる。タッチパネル65は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示パネルと、表示パネルに対するタッチ操作を検出するタッチセンサとを備える。タッチセンサは、抵抗膜方式や静電容量方式等の一般的に知られた方式のセンサが用いられる。タッチパネル65は、表示パネルに対して行われるタッチ操作をタッチセンサにより検出し、検出したタッチ操作の操作位置を示す位置信号を生成する。タッチパネル65は、生成した位置信号を含む操作情報を駐車支援装置100に出力する。
【0015】
車両制御ユニット70は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)等のコンピュータ装置であり、自車両1Aに搭載された操舵装置71、駆動装置73、制動装置75及び変速装置77を制御するユニットである。車両制御ユニット70は、CAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークを介して操舵装置71、駆動装置73、制動装置75及び変速装置77に接続される。車両制御ユニット70は、駐車支援装置100から入力される制御情報に従って操舵装置71、駆動装置73、制動装置75及び変速装置77を制御する。
【0016】
操舵装置71は、自車両1Aの操舵輪を操舵させるアクチュエータを含む装置である。
駆動装置73は、自車両1Aの駆動輪の駆動力を調整するアクチュエータを含む装置である。このアクチュエータには、自車両1Aの動力源がエンジンである場合はスロットルアクチュエータが該当し、動力源がモータである場合には当該モータが該当する。
制動装置75は、駐車支援装置100からの情報に基づいて、自車両1Aに設けられたブレーキシステムを制御し、自車両1Aの車輪へ付与する制動力を制御するアクチュエータを含む装置である。
変速装置77は、変速機及びアクチュエータを含む装置である。変速装置77は、アクチュエータを駆動させて変速機のシフト位置を制御し、変速機の変速比や、自車両1Aの前進及び後進を切り替える。
【0017】
駐車支援装置100は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Microprocessor Unit)等のプロセッサ130と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリ110と、を備えるコンピュータ装置である。駐車支援装置100は、これらの装置の他に、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等のストレージ装置や、センサ類や周辺機器等を接続するためのインターフェース回路、車載ネットワークを介して他の車載装置と通信する車載ネットワーク通信回路等を備える。駐車支援装置100は、メモリ110又はストレージ装置が記憶するコンピュータプログラムをプロセッサが実行することで各種の機能的構成を実現する。
【0018】
メモリ110には、プロセッサ130が実行するコンピュータプログラムや、プロセッサ130がコンピュータプログラムの実行時に処理されるデータや処理結果のデータが記憶される。また、メモリ110は、撮影部30の撮影画像を俯瞰画像に変換するための変換パラメータを記憶する。さらに、メモリ110は、撮影部30の撮影画像や、ソナーユニット40のセンサ値を記憶する。また、メモリ110は、車両アイコン5の表示位置や向きの軌跡を示す軌跡データを記憶する。
【0019】
駐車支援装置100は、機能的構成として、位置取得部131、状況検出部132、俯瞰画像生成部133、受付部134、表示制御部135、決定部136、経路生成部137及び制御情報生成部138及びを備える。
【0020】
位置取得部131には、位置検出ユニット10により算出された自車両1Aの現在位置を示す緯度及び経度が位置情報として入力される。位置取得部131は、公知又は周知のデッドレコニングの手法を用いて、自車両1Aの現在位置を推定し、位置検出ユニット10から入力された自車両の現在位置を、推定結果に基づき補正する。
【0021】
状況検出部132には、撮影部30が自車両1Aの周囲を撮影した撮影画像が検出情報として入力される。状況検出部132は、入力された撮影画像をメモリ110に一時的に記憶させる。また、状況検出部132には、ソナーユニット40のセンサ値が検出情報として入力される。状況検出部132は、入力されたセンサ値をメモリ110に一時的に記憶させる。
【0022】
状況検出部132は、自車両1Aの周囲の状況を検出する。状況検出部132は、メモリ110に記憶させた撮影画像や、センサ値に基づいて自車両1Aの周囲の状況を検出する。
状況検出部132が検出する周囲の状況には、障害物の有無や、駐車領域、自車両1Aを走行させる走行経路等が含まれる。障害物には、例えば、人や、他車両1B、駐車場の柱等の構造物、ショッピングカート等が含まれる。また、状況検出部132は、撮影画像から路面に引かれた区画線を検出し、検出した区画線により特定される駐車領域を検出する検出処理を実行する。区画線は、車両の駐車領域を区画する白線等の線である。
【0023】
俯瞰画像生成部133は、状況検出部132が取得した撮影画像を、メモリ110に記憶させた変換パラメータにより変換し、変換後の撮影画像を合成して俯瞰画像を生成する。
俯瞰画像生成部133は、各カメラ31〜34で撮影された自車両1Aの前方撮影画像、後方撮影画像、右側方撮影画像、左側方撮影画像を、それぞれ自車両1Aの上方から平面視として俯瞰して得られる前方俯瞰画像、後方俯瞰画像、右側方俯瞰画像、左側方俯瞰画像に変換する。俯瞰画像生成部133は、変換して得られた前方俯瞰画像、後方俯瞰画像、右側方俯瞰画像及び左側方俯瞰画像を、自車両1Aを中心とした全周に繋がった1つの画像である俯瞰画像に合成する。
【0024】
受付部134には、タッチパネル65や操作部50から操作情報が入力される。受付部134は、後述する車両アイコン5の位置と、アイコンの向きとの入力を受け付ける受付部として機能する。受付部134は、受け付けた操作情報を表示制御部135に出力する。
【0025】
表示制御部135は、入力された操作情報や、俯瞰画像生成部133が生成した俯瞰画像、状況検出部132が実行する検出処理の実行結果に基づいて、タッチパネル65に表示させる表示画像を生成する。表示制御部135は、生成した表示画像をタッチパネル65に表示させる。
【0026】
図2及び
図3は、表示制御部135が生成する表示画像の一例を示す図である。
表示画像は、俯瞰画像生成部133により生成された俯瞰画像に、自車両1Aを示す車両アイコン5を重畳表示させた画像である。表示制御部135は、自車両1Aの現在位置に対応する俯瞰画像の位置に、車両アイコン5を表示させて表示画像を生成する。また、表示制御部135は、状況検出部132により駐車領域を区画する区画線が検出された場合、検出された区画線を示す候補枠200を表示画像に重畳させる。
図2には、状況検出部132が実行する検出処理により区画線が検出された場合の表示画像を示し、
図3には、状況検出部132が実行する検出処理により区画線が検出されなかった場合の表示画像を示す。
【0027】
また、表示画像部135は、受付部134から入力される操作情報が、車両アイコン5に対する操作の情報である場合、この操作情報に従って車両アイコン5の表示画像上の位置、すなわち、俯瞰画像上の位置を変更する。さらに、表示制御部135は、操作情報が、車両アイコン5に対する操作の情報である場合、変更後の車両アイコン5の表示位置に対応する位置情報を取得する。本実施形態では、この位置情報が、俯瞰画像上の位置である場合について説明するが、位置情報は、俯瞰画像上の位置に対応する実際の位置を示す緯度及び経度であってもよいし、自車両1Aからの距離及び方位の情報であってもよいし、変更前の位置からの移動量であってもよい。表示制御部135は、取得した位置情報と、この位置における車両アイコン5の向きとを対応づけ、対応づけたデータを軌跡データとしてメモリ110に記憶させる。
【0028】
さらに、表示制御部135は、受付部134から入力される操作情報が確定操作であるか否かを判定する。確定操作とは、自車両1Aの駐車位置を確定させる操作である。確定操作は、操作部50に設けられたボタンの操作であってもよいし、タッチパネル65に対するタッチ操作であってもよい。表示制御部135は、車両アイコン5に対する操作が、所定時間以上継続してない場合、「車両アイコン5の表示位置に対応した位置に自車両1Aを駐車させます」といった表示を表示させ、操作者から肯定の操作が入力された場合に、確定操作がなされたと判定する。また、表示制御部135は、「駐車位置を微調整しますか」といった表示をタッチパネル65に表示させ、微調整を行うとの操作が入力された場合、自車両1Aの助手席の方向に駐車位置を少し移動させる調整を行ってもよい。
【0029】
決定部136は、確定操作が入力された場合、タッチパネル65に表示された車両アイコン5の表示位置や、車両アイコン5の向きに基づいて自車両1Aを駐車させる駐車位置や、この駐車位置に駐車させる場合の駐車方向を決定する。決定部136は、車両アイコン5を表示した俯瞰画像上の位置に対応する実際の位置を、位置取得部131が取得した緯度、経路の情報に基づいて求め、求めた位置を駐車位置に決定する。
【0030】
また、駐車方向とは、自車両1Aを駐車位置に移動させるときの自車両1Aの進行方向であり、自車両1Aを前進により駐車させる前進駐車と、自車両1Aを後退により駐車させる後退駐車とがある。決定部136は、表示制御部135が生成した軌跡データに基づいて駐車方向を決定する。軌跡データには、車両アイコン5の表示位置に対応する位置情報と、その位置における車両アイコン5の向きとが含まれる。決定部136は、車両アイコン5が駐車位置に前進により移動した場合、駐車方向を前進駐車と判定する。また、決定部136は、車両アイコン5が駐車位置に後退により移動した場合には、駐車方向を後退駐車と判定する。
【0031】
経路生成部137は、表示制御部135が生成した軌跡データや、状況検出部132が検出した自車両1Aの周囲の状況に基づき、自車両1Aを駐車位置まで移動させる駐車経路を生成する。経路生成部137は、軌跡データに従った経路であって、自車両1Aの走行距離が最短となる経路を生成する。また、経路生成部137は、生成した経路の途中に、状況検出部132により障害物が検出された場合、検出された障害物の位置に基づいて駐車経路を補正する。
【0032】
制御情報生成部138は、経路生成部137が生成した駐車経路に基づいて自車両1Aの走行を制御する制御情報を生成する。この制御情報は、駐車経路に沿って自車両1Aを走行させるための情報であり、操舵、駆動、制動及び変速をそれぞれ制御する情報が含まれる。
【0033】
次に、
図4〜
図7を参照しながら、タッチパネル65に対するタッチ操作により、車両アイコン5の位置や向きを変更する方法について説明する。
図4には、車両アイコン5A、5B、5Cの3つの車両アイコン5を示す。車両アイコン5Aは、自車両1Aの現在位置に対応する位置に表示されたアイコンを示す。車両アイコン5Cは、自車両1Aを駐車させたい駐車位置に表示されたアイコンを示す。車両アイコン5Bは、車両アイコン5Aの位置から、車両アイコン5Cの位置までの移動途中のアイコンを示す。
【0034】
操作者は、タッチパネル65に表示された車両アイコン5に対してタッチ操作を行い、車両アイコン5を、自車両1Aを駐車させたい駐車位置まで移動させる。操作者は、自身の指を車両アイコン5にタッチし、タッチした指をタッチパネル65から離さずに駐車位置まで移動させる。表示制御部135は、タッチパネル65から入力される操作情報に従って、車両アイコン5の表示位置を変更する。これにより、車両アイコン5の表示位置が、操作者の指の動きに追従して移動する。操作者は、車両アイコン5が自車両1Aを駐車させたい位置まで移動すると、タッチパネル65から指を離す。
【0035】
また、
図4には、自車両1Aを後退駐車させる場合の車両アイコン5の操作方法を示す。
操作者は、車両アイコン5のリア側に指をタッチし、タッチした指を駐車位置まで移動させる。また、自車両1Aを前進駐車させる場合、車両アイコン5のフロント側に指をタッチし、タッチした指を駐車位置まで移動させる操作を行う。
【0036】
図5は、車両アイコン5の向きを回転させる回転操作の操作方法を示す図である。
操作者は、車両アイコン5の向きを変更させる場合、車両アイコン5の任意の位置にタッチし、タッチした指を一定時間、動かさずに停止させる。表示制御部135は、入力される操作情報が、一定時間以上、タッチパネル65の同じ位置を示す場合、車両アイコン5を回転させる回転操作が選択されたと判定し、
図5に示すように車両アイコン5を回転させることが可能な回転操作子201を表示させる。
図5に示す回転操作子201は、車両アイコン5を右回りに回転させることが可能であることを示す。操作者は、車両アイコン5に回転操作子201が表示されると、タッチパネル65にタッチさせた指を、回転操作子201に従って移動させる。表示制御部135は、入力される操作情報に従って、車両アイコン5の向き回転させる。
【0037】
図6には、車両アイコン5の向きを回転させる回転操作の他の方法を示す図である。
例えば、表示制御部135は、所定の操作を受け付けた場合、
図6に示す回転操作子202を表示させる。所定の操作は、例えば、車両アイコン5を2回連続してタッチするタッチ操作や、車両アイコン5の近くで、タッチさせた指を回転させる操作等が挙げられる。また、所定の操作は、操作部50に設けられたボタン操作であってもよい。操作者は、回転操作子202がタッチパネル65に表示されると、回転操作子202の表示位置に指をタッチさせ、タッチさせた指を、車両アイコン5を回転させたい方向に移動させる。表示制御部135は、入力される操作情報に従って、車両アイコン5の向き回転させる。
【0038】
図7は、アイコンに対する操作方法を説明する説明図である。
上述した説明では、アイコンが車両の形状をした車両アイコン5である場合を例に挙げて説明したが、タッチパネル65に表示させるアイコンは、車両アイコン5に限定されない。
図7には、アイコンとして矩形の図形を表示させた場合を示す。このアイコンを、以下では図形アイコン7という。
図7に示す図形アイコン7の場合、車両の向きが判定できない。このような場合、操作者が、複数本の指を使用して図形アイコン7を操作することで、駐車位置や駐車方向を入力する。
【0039】
例えば、操作者は、自車両1Aのフロント側に設定したい図形アイコン7の端部を第1の指によりタッチする。例えば、操作者の人指し指により図形アイコン7の長手方向の一方の端部にタッチする。次に、操作者は、自車両1Aの自車両1Aのリア側に設定したい図形アイコン7の端部を第2の指によりタッチする。例えば、操作者の親指により図形アイコン7の長手方向の他方の端部にタッチする。
【0040】
操作者は、二本の指をタッチパネル65にタッチさせたまま、図形アイコン7を駐車位置まで移動させる。このとき、操作者は、自車両1Aを前進駐車させる場合、第1の指を先頭にして図形アイコン7を移動させる。また、操作者は、自車両1Aを後退駐車させる場合、第2の指を先頭にして図形アイコン7を移動させる。駐車支援装置100は、図形アイコン7の移動方向の先頭に位置する指が、第1の指のタッチ位置であるか、第2の指のタッチであるかを判定して駐車方向を判定する。
【0041】
図8は、駐車支援装置100の動作を示すフローチャートである。
図8に示すフローチャートを参照しながら駐車支援装置100の動作を説明する。
まず、駐車支援装置100は、駐車支援の開始を指示する開始操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS1)。駐車支援装置100は、開始操作を受け付けていない場合(ステップS1/NO)、開始操作を受け付けるまで処理を開始しない。
【0042】
駐車支援装置100は、開始操作を受け付けた場合(ステップS1/YES)、センサ部20の検出情報を取得する。ここでは、検出情報として、撮影部30の撮影画像を取得する(ステップS2)。
【0043】
駐車支援装置100は、撮影画像を取得すると、取得した撮影画像を、メモリ110に記憶させた変換パラメータを使用して俯瞰画像に変換する(ステップS3)。次に、駐車支援装置100は、俯瞰画像、又は俯瞰画像に変換する前の撮影画像を対象として区画線の検出処理を実行する(ステップS4)。
【0044】
駐車支援装置100は、検出処理により区画線を検出できなかった場合(ステップS5/NO)、自車両1Aの現在位置に対応する俯瞰画像の位置に、車両アイコン5を重畳させて表示画像を生成する(ステップS6)。また、駐車支援装置100は、検出処理により駐車枠線の候補を検出できた場合(ステップS4/YES)、車両アイコン5と、検出した駐車枠線の候補の位置を示す候補枠200とを俯瞰画像に重畳して表示画像を生成する(ステップS7)。車両アイコン5は、自車両1Aの現在位置に対応する俯瞰画像の位置に重畳される。
【0045】
次に、駐車支援装置100は、生成した表示画像を、案内表示と共にタッチパネル65に表示させる(ステップS8)。例えば、案内表示には、「自車両1Aを駐車させる駐車位置に車両アイコン5を移動させてください」といったメッセージが表示される。
【0046】
次に、駐車支援装置100は、タッチパネル65に対するタッチ操作の操作情報を入力したか否かを判定する(ステップS9)。操作情報は、例えば、タッチ操作によりタッチされたタッチパネル65の位置(座標)を示す情報である。駐車支援装置100は、操作情報の入力がない場合(ステップS9/NO)、ステップS13の判定に移行する。
【0047】
駐車支援装置100は、操作情報が入力された場合(ステップS9/YES)、入力された操作情報に含まれる位置信号に基づいて、表示画像における車両アイコン5の表示位置を変更する(ステップS10)。次に、駐車支援装置100は、変更後の車両アイコン5の位置を示す位置情報を取得する(ステップS11)。この位置情報は、俯瞰画像上の位置であってもよいし、緯度及び経度であってもよいし、自車両1Aからの距離及び方位の情報であってもよいし、変更前の位置からの移動量であってもよい。
【0048】
次に、駐車支援装置100は、取得した位置情報と、この位置における車両アイコン5の向きとを対応づけてメモリ110に記憶させる(ステップS12)。駐車支援装置100は、メモリ110に記憶させた軌跡データの一部として位置情報を追加登録する。
【0049】
次に、駐車支援装置100は、操作を確定させる確定操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS13)。確定操作とは、車両アイコン5の駐車位置への移動が完了したことを示す操作である。駐車支援装置100は、確定操作を受け付けていない場合(ステップS13/NO)、ステップS9の判定に戻る。
【0050】
また、駐車支援装置100は、確定操作を受け付けた場合(ステップS13/YES)、確定操作を受け付けたときの車両アイコン5の位置及び向きに基づいて、自車両1Aの駐車位置及び駐車方向を決定する(ステップS14)。駐車支援装置100は、確定操作が入力されたときの車両アイコン5の俯瞰画像上の位置に対応した実際の位置を駐車位置として決定する。また、駐車支援装置100は、駐車位置における車両アイコン5の向きや、軌跡データに基づいて駐車方向を決定する。
【0051】
次に、駐車支援装置100は、生成した軌跡データや、状況検出部132が検出した自車両1Aの周囲の状況に基づき、自車両1Aを駐車位置まで移動させる駐車経路を生成する(ステップS15)。経路生成部137は、軌跡データに従った経路であって、自車両1Aの走行距離が最短となる経路を生成する。また、経路生成部137は、生成した経路の途中に、状況検出部132により障害物が検出された場合、検出された障害物の位置に基づいて駐車経路を補正する。
【0052】
次に、駐車支援装置100は、生成した駐車経路に基づいて制御情報を生成する(ステップS16)。制御情報には、設定した駐車経路に沿って自車両1Aを走行させるための情報であり、操舵、駆動、制動及び変速をそれぞれ制御する情報が含まれる。
駐車支援装置100は、制御情報を生成すると、生成した制御情報を車両制御ユニット70に出力する。車両制御ユニット70は、駐車支援装置100から入力された制御情報に従って操舵装置71、駆動装置73、制動装置75及び変速装置77の駆動を制御する。これにより、自車両1は、駐車支援装置100により設定された駐車経路に沿って走行を開始し、操作者の操作により設定された駐車位置に、操作者の操作により設定された駐車方向で駐車する。
【0053】
以上説明したように本実施形態の駐車支援装置100は、状況検出部132が検出した自車両1Aの周囲の状況と、車両アイコン5とを表示部60に表示させ、車両アイコン5の位置と、車両アイコン5の向きとの入力を受け付ける。駐車支援装置100は、受け付けた車両アイコン5の位置と、車両アイコン5の向きとに基づき、自車両1Aを駐車させる駐車位置と、駐車位置に駐車させるときの駐車方向とを受付部134が決定する。さらに、駐車支援装置100は、決定した駐車位置及び駐車方向に基づき、自車両1Aの駐車経路を生成し、生成した駐車経路に従って自車両1Aを走行させるための制御情報を経路生成部137が生成する。
従って、車両アイコン5の位置と、車両アイコン5の向きとを入力することで、自車両1Aを駐車させる駐車位置と、駐車位置に駐車させるときの駐車方向とを決定することができる。このため、カメラの撮影画像から駐車領域を区画する区画線が検出できない場合であっても、直感的な操作により駐車位置や駐車方向を指定し、指定した駐車位置や駐車方向に自車両1を自動で駐車させることができる。
【0054】
また、駐車支援装置100は、表示部60が備えるタッチパネル65に対するタッチ操作の操作情報を受け付ける。
表示制御部135は、車両アイコン5に対して行われたタッチ操作の操作情報に従い、車両アイコン5の位置を変更する。
決定部136は、操作情報に従って変更された車両アイコン5の位置の軌跡に基づいて駐車方向を決定する。
従って、タッチパネル65に表示された車両アイコン5に対するタッチ操作により自車両1Aの駐車方向を指定することができ、直感的な操作により駐車位置や駐車方向を設定することができる。
【0055】
また、経路生成部137は、操作情報に従って変更された車両アイコン5の位置の軌跡に基づいて駐車経路を生成する。
従って、タッチパネル65に表示された車両アイコン5に対するタッチ操作により自車両1Aの駐車経路を設定することができる。
【0056】
また、経路生成部137は、操作情報に従って変更された車両アイコン5の位置の軌跡と、状況検出部が検出した自車両1Aの周囲の状況とに基づいて、駐車経路を生成する。
従って、状況検出部が検出した自車両1Aの周囲の状況を反映させた駐車経路を生成することができ、自車両1Aと障害物との衝突を回避することができる。
【0057】
また、車両アイコン5は、自車両1Aの形状をした車両アイコン5であり、決定部136は、車両アイコン5の向きに基づいて駐車方向を決定する。
従って、直感的な操作により駐車方向を設定することができる。
【0058】
また、決定部136は、受付部134が受け付けた操作情報に基づいて、図形アイコン7に対する第1のタッチ操作と、第1のタッチ操作とは異なる図形アイコン7の位置にタッチされた第2のタッチ操作とを検出する。
決定部136は、第1のタッチ操作及び第2のタッチ操作によりタッチされた図形アイコン7の位置に基づいて駐車方向を決定する。
従って、アイコンが車両の形状をした車両アイコン5ではない場合であっても、アイコンの操作により駐車方向を指定することができる。
【0059】
表示制御部135は、操作情報により車両アイコン5の長押し操作が検出されると、車両アイコン5を回転させる回転操作子201を表示し、回転操作子201に対する操作情報に従い車両アイコン5の向きを変更する。
従って、タッチ操作により車両アイコン5の向きを変更する操作が可能となり、操作性を向上させることができる。
【0060】
また、状況検出部132は、自車両1Aに搭載されたカメラの撮影画像から駐車領域を区画する区画線を検出する。
表示制御部135は、状況検出部132が検出した区画線を含む駐車領域の候補を候補枠200としてタッチパネル65に表示させる。
従って、車両アイコン5の操作による駐車位置の指定を簡易化することができ、駐車ができない誤った位置を駐車位置として指定してしまうケースの発生を抑制することができる。
【0061】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示したものであって、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
例えば、
図1に示すブロックは、本願発明を理解容易にするために、構成要素を主な処理内容に応じて分類して示した概略図であり、構成要素は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0062】
また、
図1において、駐車支援装置100が、位置検出ユニット10及びセンサ部20の少なくとも一方を一体として備える構成であってもよい。
【0063】
また、本発明の駐車支援方法を、コンピュータを用いて実現する場合、このコンピュータに実行させるプログラムを記録媒体、又はこのプログラムを伝送する伝送媒体の態様で構成することも可能である。記録媒体には、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。具体的には、フレキシブルディスク、HDD(Hard Disk Drive)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD、Blu−ray(登録商標) Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリ、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、上記記録媒体は、駐車支援装置100が備えるROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。
【0064】
また、例えば、
図8に示すフローチャートの処理単位は、駐車支援装置100の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。駐車支援装置100の処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割してもよい。また、駐車支援装置100の処理は、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。