特開2021-172802(P2021-172802A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2021-172802廃合成樹脂ペレット化装置用水冷型ペレット成形体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-172802(P2021-172802A)
(43)【公開日】2021年11月1日
(54)【発明の名称】廃合成樹脂ペレット化装置用水冷型ペレット成形体
(51)【国際特許分類】
   C08J 11/04 20060101AFI20211004BHJP
   B29B 9/00 20060101ALI20211004BHJP
【FI】
   C08J11/04ZAB
   B29B9/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2020-93752(P2020-93752)
(22)【出願日】2020年4月24日
(71)【出願人】
【識別番号】591253836
【氏名又は名称】相馬 督
(72)【発明者】
【氏名】相馬 督
【テーマコード(参考)】
4F201
4F401
【Fターム(参考)】
4F201AA50
4F201BA02
4F201BL01
4F201BL08
4F201BL33
4F201BL50
4F401AA27
4F401CA79
4F401CA86
4F401CB11
(57)【要約】
【課題】ペレット化効率向上のための装置に使用する水冷型のペレット成形体を提供する。
【解決手段】円板を上下に組み合わせてなるペレット化成形体を設けるとともに、該成形体内部において、成形体の外周近傍に位置する環状の外方通水路と中央近傍に位置する環状の内方通水路とを各々設け、上記の外方通水路と内方通水路とを連通させ、ペレット化成形体側方に、上記の各通水路に水を供給するための水導入孔と各通水路内を循環した後の水を排出するための水排出孔を各々設け、上記の外方通水路と内方通水路の間に、ペレット成形のための貫通圧下孔を多数設けたことを特徴とする。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円板を上下に組み合わせてなるペレット化成形体を設けるとともに、該成形体内部において、成形体の外周近傍に位置する環状の外方通水路と中央近傍に位置する環状の内方通水路とを各々設け、上記の外方通水路と内方通水路とを連通させ、ペレット化成形体側方に、上記の各通水路に水を供給するための水導入孔と各通水路内を循環した後の水を排出するための水排出孔を各々設け、上記の外方通水路と内方通水路の間に、ペレット成形のための貫通圧下孔を多数設けたことを特徴とする廃合成樹脂ペレット化装置用水冷型ペレット成形体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、廃合成樹脂ペレット化装置に用いる水冷型のペレット成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、廃合成樹脂のペレット化装置が多用されているが、本発明にて示すように溶融工程を経ずに圧潰方式による水冷型のものは見当たらない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来より、廃合成樹脂をペレット化し、これをリサイクルに利用することが行われている。一般的には溶融工程を経てペレット化がなされるが、ランニングコストが高くなり、また溶融工程時に特有の臭いが発生する。
これを解決するために、多孔板を用いて圧潰する方法が開発されたが、圧潰時の摩擦熱の発生が問題となっている。すなわち、圧潰時の摩擦熱のために、例えば発泡スチロールを圧潰すると熱で軟化溶融するために、適切形状とはならないという問題が起きている。本発明は以上に鑑み、水冷方式を取り入れることにて上記課題を解決することを目的として発明されたものであって、従来にない新規かつ有用なるペレット化手段を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
課題を解決する手段として本発明は以下の構成とした。すなわち、
円板を上下に組み合わせてなるペレット化成形体を設けるとともに、該成形体内部において、成形体の外周近傍に位置する環状の外方通水路と中央近傍に位置する環状の内方通水路とを各々設け、上記の外方通水路と内方通水路とを連通させ、ペレット化成形体側方に、上記の各通水路に水を供給するための水導入孔と各通水路内を循環した後の水を排出するとための水排出孔を各々設け、上記の外方通水路と内方通水路の間に、ペレット成形のための貫通圧下孔を多数設ける。
本発明は以上の構成よりなる廃合成樹脂ペレット化装置用水冷型ペレット成形体である。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、従来法のような廃合成樹脂の加熱溶融手段を用いずに圧潰によるペレット成形とし、このペレット成形時には、多孔のペレット成形体内の水路循環による水冷方式としたので、加工時のランニングコスト低下が得られ、また圧潰に伴って発生する熱を冷却吸収することができるので、圧潰成形時のペレット化前廃合成樹脂の軟化溶融を防止して、所望形状のペレット化をスムースに能率よく製造することのできる、新規かつ有用なる手段を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明に関連する廃合成樹脂ペレット化装置の基本原理構成説明図(平面視)
図2】本発明の関連する廃合成樹脂ペレット化装置の基本原理構成説明図(正面視)
図3】本発明のペレット化成形体の平面図
図4】本発明のペレット化成形体の内部構造説明図(正面視)
図5】本発明のペレット化成形体の要部拡大説明図
図6】本発明のペレット化成形体の通水路覆板取り付け説明図
図7】本発明のペレット化成形体の底面図(一部略)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について説明する。
まず、本発明のペレット成形体を用いる廃合成樹脂ペレット化装置の基本原理構成について説明する。
図において、1は円板形多孔のペレット化成形体、2は該成形体外周近傍に立設固定される円筒状のケース板、3は上記成形体の中央孔上に位置する角錐台形状のローターである。このローターはローター下方に位置するモーター駆動機構(図示略)にて回転する。
この駆動機構としては、例えばローター軸の下方にVプーリーもしくはタイミングプーリーを位置させ、ローター軸の横にモーターを配置し、Vベルトもしくはタイミングベルトにて動力伝達を行うなどの方式がとられる。
【0008】
4は圧潰体で、外周面にかさ歯車的凹凸面を形成した円錐台形状の物品で、図2にて示すように一対が前記ローターに斜方に軸支される。この圧潰体はローターの回転とともにペレット化成形体上面に接して回転する。
従って、ケース板内上方から廃合成樹脂が投入されると、その廃合成樹脂は圧潰体にて粉々に砕かれつつ、ペレット化成形体の孔内を通過して、ペレット状となって落下する。以上が、ペレット化装置の概要機構であり、次に本発明によるペレット化成形体について説明する。
【0009】
図7は本発明ペレット化成形体の底面図である。(一部略)
図において、10はペレット化成形板で、所定厚所定外径のステンレス製円板で、その中央にセンター孔11が形成されている。12は円形の中央板部で、該中央板部の外方に内方通水路13が中央板部を囲うように位置する。この内方通水路はペレット化成形板の下面に設けた断面略角形の溝にて形成される。
この内方通水路はペレット化成形板の側面に穿設される水導入孔14に連通接続される。また、上記内方通水路の外方と内方には環状溝によるOリング挿入溝15および16が形成され、この溝に適切径のOリングが各々挿入される。17はドーナツ板状円板による内方通水路覆板で、前記の内方通水路およびOリング挿入溝を覆うように、四等配の取付孔を介してペレット化成形板下面の雌ネジ19に螺着される。
【0010】
20は内方通水路より大径の外方通水路で、内方通水路同様に溝が形成され、またOリング挿入溝21および22が設けられて、この溝にOリングが各々挿入される。
また、ドーナツ板状の外方通水路覆板23が取付孔を介してペレット化成形板下面の四等配の雌ネジ25に螺着される。26は水排出孔で、外方通水路に連通接続される。
なお、水導入孔と水排出孔には、適宜に管体が接続され、水導入孔側には水道供給管が接続され、水排出孔の先は排水場に導かれる。27は貫通圧下孔で、ペレット成形体の上下を貫通するとともに前記外方通水路と内方通水路の間に多数穿設される部分である。
【0011】
次ぎに、通水循環方式について説明する。外方から提供される水は、まず水導入孔に入り、図4および図7にて示すように、内方通水路に入る。この水は反時計回りに進行し、ペレット化成形板側面に設けた連通孔28を経て外方通水路へと導かれ、今度は時計回りに進行し、水排出孔より排出される。ペレット化作業時は、上記の水循環が連続稼働しているので、ペレット化成形体を常時冷却方向に保つことができる。なお、32はペレット化成形板にケース板を取り付けるための四等配の雌ネジである。
【0012】
以上、本発明について記したが、本発明方式は廃合成樹脂の加熱溶融手段を経ずに圧潰にてペレット化するものであり、このペレット化のための多孔を有するペレット化成形体を水冷方式とすることにて、圧潰により発生する熱を吸収冷却して、スムースなペレット化を得るものであって、従来方式に比べてランニングコストは低下するとともに、異臭の発生を防止できる有用なるペレット化手段を提供するものである。
なお、既述の例は実施の一形態であり、近似の他の構成としてもよい。
以上のごとく、本発明にて廃合成樹脂のペレット化に有益なる手段を得ることができる。
【符号の説明】
【0013】
1 ペレット化成形体
2 ケース板
3 ローター
4 圧潰体
10 ペレット化成形板
11 センター孔
12 中央板部
13 内方通水路
14 水導入孔
15 Oリング挿入溝
16 Oリング挿入溝
17 内方通水路覆板
18 雌ネジ
20 外方通水路
21 Oリング挿入溝
22 Oリング挿入溝
23 外方通水路覆板
25 雌ネジ
26 水排出孔
27 貫通圧下孔
28 連通孔
30 廃合成樹脂
31 ペレット
32 雌ネジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7