特開2021-172935(P2021-172935A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2021172935-剣道用マスク 図000003
  • 特開2021172935-剣道用マスク 図000004
  • 特開2021172935-剣道用マスク 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-172935(P2021-172935A)
(43)【公開日】2021年11月1日
(54)【発明の名称】剣道用マスク
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20211004BHJP
   A63B 71/10 20060101ALI20211004BHJP
【FI】
   A41D13/11 D
   A41D13/11 Z
   A63B71/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2020-79969(P2020-79969)
(22)【出願日】2020年4月30日
(71)【出願人】
【識別番号】720002528
【氏名又は名称】株式会社アーリーバード
(72)【発明者】
【氏名】井上 賢二
(57)【要約】
【課題】
本発明は、剣道の防具である面を着装時に、激しい稽古をしても脱落せず、呼吸や発声の確保し、汗をかいても影響を受けにくく、簡単に着脱できる点をクリアしながら、呼気や唾が飛散することを軽減又は防止するための剣道用マスクを提供する。
【解決手段】
上に凸の上外周線と、上に凸の下外周線と、上外周線と下外周線の端部どうしを結んだ側部線とに囲まれた形状で、面金の横金と横金の間に差し込むもしくは窪みを引っ掛けるための両端部脱落防止爪と中央部脱落防止爪を有し、面金の縦金に挟み込むための脱落防止スリットを有し、側部線上に面乳革がマスクに干渉しないための窪みを有し、マスクの中心線で分けた右部と左部のそれぞれ中心あたりに呼吸のための折曲げ式の吸気開口を有し、面金の形状に沿わせるための折り曲げ線がはいっていることを特徴とする剣道の面の面金の内側部に取りつける剣道用マスク。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上に凸の上外周線と、上に凸の下外周線と、上外周線及び下外周線のそれぞれ端部どうしを結んだ側部線とに囲まれた外形を有し、剣道の防具である面の面金の内側部に取りつける剣道用マスク。
【請求項2】
前記上外周線と下外周線を結ぶその他折り曲げ線がはいった請求項1に記載の剣道用マスク。
【請求項3】
マスクの中心線に1番近い第1折り曲げ線を左右共に山折りし、マスクの中心線を谷折りにすることでマスクの中心が決まり、その谷折り部を面金の縦金に沿わせることで左右方向の取付け基準が決めることができる機能を有した請求項1又は請求項2に記載の剣道用マスク。
【請求項4】
マスクの中心線に2番目に近い第2折り曲げ線を左右共に谷折りして中心部を山型にすることで、小さなサイズの面にも使用できることを特徴とする請求項1〜請求項3いずれか一項に記載の剣道用マスク。
【請求項5】
前記上外周線の左右両端部に面金の横金と横金の間に差し込む爪もしくは横金に引っ掛ける形の窪みを有している請求項1〜請求項4いずれか一項に記載の剣道用マスク。
【請求項6】
前記上外周線の中央部に面金の横金と横金の間に差し込む爪もしくは横金に引っ掛ける形の窪みを有している請求項1〜請求項5いずれか一項に記載の剣道用マスク。
【請求項7】
前記上外周線の中央部と前記下外周線の中央部に面金の縦金に挟み込むスリットがある請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の剣道用マスク。
【請求項8】
前記上外周線と下外周線のそれぞれ端部どうしを結んだ側部線上に、面金に取り付けた面乳革がマスクに干渉しないように窪みがつくられていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の剣道用マスク。
【請求項9】
マスク本体を中心線で分けた右部と左部のそれぞれ中心あたりに呼吸のための折曲げ式の開口を有した請求項1〜請求項8いずれか一項に記載した剣道用マスク
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、剣道、銃剣道、なぎなた(総称して剣道という)の防具である面を着装する時に使用するマスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
剣道の面に取りつける特許技術は、特許文献1及び特許文献2に示すような打突による破損した竹刀片が眼や顔面に飛び怪我をしないないようする保護板の技術はあるが、剣道における呼気や唾の飛散を軽減または防止するマスクの技術は見当たらない。
【0003】
マスクに関する発明の多くは、特許文献3及び特許文献4に示すような顔面や口元に密着した形で装着する技術であるから、呼吸が苦しく、発声も難しいため、剣道のような発声を伴う激しい運動では使用できない。
【0004】
特許文献5のように、長時間装着しても息苦しくなく、簡便に装着できて、他人に呼気の飛散を防止するマスクの技術が公開されているが、顎の部分と装着紐、マスク自体の形態が剣道の面に干渉するため、剣道においては使用することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−108395
【特許文献2】特開平11−128434
【特許文献3】特開2020−59954
【特許文献4】特開2020−041254
【特許文献5】特開2005−185381
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、日本の伝統文化である剣道の防具の面を着装時に、激しい稽古をしても脱落せず、呼吸や発声の確保し、汗をかいても影響を受けにくく、簡単に着脱できる点をクリアしながら、呼気や唾が飛散することを軽減又は防止するための剣道用マスクを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために本発明は、上に凸の上外周線と、上に凸の下外周線と、上外周線及び下外周線のそれぞれ端部どうしを結んだ側部線とに囲まれた外形を有し、剣道の防具である面の面金の内側部に取りつける剣道用マスク。
【0008】
前記上外周線と下外周線を結ぶその他折り曲げ線を有している剣道用マスク。
【0009】
マスクの中心線に1番近い第1折り曲げ線を左右共に山折りし、マスクの中心線を谷折りにすることでマスクの中心が決まり、その谷折り部を面金の縦金に沿わせることで左右方向の取付け基準が決めることができる機能を有している剣道用マスク。
【0010】
マスクの中心線に2番目に近い第2折り曲げ線を左右共に谷折りして中心部を山型にすることで、小さなサイズの面にも使用することができる機能を有している剣道用マスク。
【0011】
前記上外周線の左右両端部に面金の横金と横金の間に差し込む爪もしくは横金に引っ掛ける形の窪みを有している剣道用マスク。
【0012】
前記上外周線の中央部に面金の横金と横金の間に差し込む爪もしくは横金に引っ掛ける形の窪みを有している剣道用マスク。
【0013】
前記上外周線の中央部と前記下外周線の中央部に面金の縦金に挟み込むスリットを有している剣道用マスク。
【0014】
前記上外周線と下外周線のそれぞれ端部どうしを結んだ側部線上に、面金に取り付けた面乳革がマスクに干渉しないように窪みがつくられていることを特徴とする剣道用マスク。
【0015】
マスク本体を中心線で分けた右部と左部のそれぞれ中心あたりに呼吸のための折曲げ式の開口を有している剣道用マスク。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、日本の伝統文化である剣道の防具の面を着装時に、激しい稽古をしても脱落せず、呼吸や発声の確保し、汗をかいても影響を受けにくく、簡単に着脱できる点をクリアしながら、呼気や唾が飛散することを軽減又は防止することができる剣道用マスクである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は剣道用マスクの平面全体を示した説明図である。
図2図2は剣道用マスクの面への装着位置を正面側からみた説明図である。
図3図3は剣道用マスクの面への装着時の形状を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
マスクは呼気や唾が飛散することを防ぐものであるが、一般的なマスクは顔面又は口元に密着し装着するので、呼吸が苦しく、発声も難しいため剣道のような発声を伴う激しい運動においては使用できないという問題点があるので、顔から離れた面の面金内側部に装着し、口や鼻との空間を確保することで呼吸や発声ができる形態にした。
【0019】
面を着装して運動をすると汗をかくので、一般的なマスクでは衛生面及び使用感で問題をきたすため、顔から離れた面金内側部を装着位置としてマスクを配置することは衛生面及び使用感でメリットがある。
【0020】
上に凸の上外周線及び上に凸の下外周線は、共に面金の横金13の形状に沿った形が形成されることが望ましく、ひとつの曲線でも短い線分と曲線が混ざった形でも短い線分の連続の構成でもよい。
【0021】
上外周線及び下外周線のそれぞれ端部どうしを結んだ側部線は、面縁の内部の形状に沿った形が望ましく、ひとつの曲線でも短い線分と曲線が混ざった形でも短い線分の連続の構成でもよい。
【0022】
面には物見14と言われる使用者が面を着装時に目線をあわせる場所があり、その場所は面金の横金13と横金の隙間が他の場所より若干広くなっている。
【0023】
その物見から横金13と横金の間隔で1〜2段程度あけた下の使用者が適切と思われる任意の場所に、マスクの上部である上外周線の位置をあわせることで使用者及び対峙した相手相互の目視を妨げることなく、違和感のないものになる。
【0024】
剣道は日本の伝統文化として伝承されてきているものなので、マスクを装着した時に目立つ華美なものは受け入れられないので、先述の面金及び面縁の内側にフィットさせる形状や装着位置は違和感のないデザインになり、面金の内側に装着することは面金があるため打突を受けてもマスクがずれることなく運動が継続できる。
【0025】
剣道は打突を伴う格闘性の高い競技であるので、面を着装後にマスクが脱落しないようにしなければならない上、使用後にはそれが簡単に交換のできるつくりでなくてはならない。
【0026】
マスクを装着後、面を着装し激しい運動を行った時、上下への脱落を防ぐために、上外周線の左右両端部に面金の横金と横金の間に差し込む爪もしくは横金に引っかける形の窪みである端部脱落防止爪1と中央部に先のどちらかの形状の中央部脱落防止爪2を設ける。
【0027】
マスクを装着後、面を着装し激しい運動を行った時、左右への脱落を防ぐために、マスクの上外周線と下外周線の中央部にそれぞれ面金の縦金12に挟みこむための脱落防止スリット10、11を設ける。
【0028】
剣道の防具の面内側から、マスクの上外周線にある中央部脱落防止爪2と左右の端部脱落防止爪1を準備する。
【0029】
マスクの中心線に1番近い第1折り曲げ線7を左右共に山折りし、マスクの中心線6を谷折りにすることでマスクの中心が決まり、それを面金の縦金12に沿わせることで左右方向の取付け基準が決まる。
【0030】
その後、面金の物見14の位置を確認しながら、物見から下でかつ使用者が適切と思われる任意の位置に、マスクの上外周線にある中央部脱落防止爪2を取りつけ、次に上外周線にある脱落防止スリット10を縦金12に挟み込んだのち、その他折り曲げ線9を用いながら面金方向に膨らませ、上外周線の左右両端部の端部脱落防止爪1を中央部脱落防止爪2と同一の高さに取りつけることで上下方向の取付け基準が決まる。
【0031】
0030ののちに下外周線の中央部にある脱落防止スリット11を縦金12に挟み込むことでマスクが面金の内側に固定される。
【0032】
マスクの中心線に2番目に近い第2折り曲げ線8を左右共に谷折りして中心部を山型にすることで、小さなサイズの面にも使用することができる。
【0033】
上外周線と下外周線のそれぞれの端部どうしを結んだ側部線上に窪み5が設けてあるので、面乳革とマスクが干渉することなく見た目も違和感がなく、面着装時にもそれぞれがじゃまにならない。
【0034】
素材に反発性と柔軟性、形状安定性を持つ紙製又は樹脂製を用いることで、複雑な形状のマスクを作成、装着することができる。
【0035】
顔から離れた位置にマスクを装着することに加え、下外周線の下は下部開口4となっており空気の流入はあるが、それだけでは激しい運動に対して呼吸が十分に確保できないので、マスク本体を中心線6で分けた右部と左部のそれぞれ中心あたりに折り曲げ式の吸気用開口3を作成することで、呼気や唾が飛散することを防ぎながらなお一層の呼吸を確保している。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、剣道の防具である面を着装時に、激しい稽古をしても脱落せず、呼吸や発声の確保し、汗をかいても影響を受けにくく、簡単に着脱できる点をクリアしながら、呼気や唾が飛散することを軽減又は防止するための剣道用マスクとしてウイルス対策が必要とされる剣道、銃剣道、なぎなたの稽古、試合において広く利用されることが予測される。
【符号の説明】
【0037】
1 端部脱落防止爪

2 中央部脱落防止爪
3 吸気用開口
4 下部開口
5 面乳革取りつけ窪み部
6 中心線
7 第1折り曲げ線

8 第2折り曲げ線
9 その他折り曲げ線
10 上部脱落防止スリット
11 下部脱落防止スリット
12 縦金
13 横金
14 物見
図1
図2
図3